JP4062649B2 - 工作機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベッド上に、ワークが載置されるテーブルと、主軸頭を移動可能に支持するコラムとが設けられた機械本体を有し、主軸頭に回転可能に設けた主軸とテーブルのX,Y,Z方向の相対位置をNC装置からの数値情報による指令で順次位置決めしながらワークの自動加工を行う穴明機、放電加工機、マシニングセンター等の工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の工作機械として、例えば図10および図11に示すものが知られている。この工作機械では、ベッド30上に、ワークが載置されるテーブル31と、主軸頭32を移動可能に支持するコラム33とが設けられている。テーブル31はベッド30上にX方向に移動可能に、コラム33はベッド30上にY方向に移動可能にそれぞれ支持され、そして、主軸頭32には主軸34が回転可能に支持されている。また、テーブル31はX軸用送り機構(図示略)をX軸用送りモータ(図示略)で駆動してX方向に移動し、コラム33はY軸用送り機構35をY軸用送りモータ36で駆動してY方向に移動し、主軸頭32はZ軸用送り機構(図示略)をZ軸用送りモータ37で駆動してZ方向に移動するようになっている。
この工作機械では、主軸34とテーブル31のX,Y,Z方向の相対位置を位置決めするために、テーブル31,コラム33および主軸頭32の各位置を位置決めする。各々の位置決めは同様の方法でなされるので、ここではコラム33の位置決め方法を代表して説明する。
図10および図11で、符号38はベッド30の側面に設けられ、コラム33のY方向の移動位置を読み取るためのリニアスケールである。該リニアスケール38で読み取ったコラム33の実際の位置と、コラム33が位置決めされる設定目標値との差に応じた数値情報の指令がNC装置から出力され、この指令で送りモータ36を駆動することにより、コラム33をY方向における設定目標値に位置決めする。或いは、NC装置からの数値情報の指令で駆動される送りモータ36の回転位置(回転数および回転角度)をロータリエンコーダで検出することにより、コラム33を設定目標値に位置決めする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、下記の問題点がある。
【0004】
(1)上述したリニアスケールを用いた位置決めでは、テーブル31と主軸34のX,Y,Z方向の相対位置を位置決めするために、ベッド30の側面に設けたリニアスケール35でテーブル31のX方向の位置を、ベッド30の上面に設けたリニアスケールでコラム33のY方向の位置を、そして、コラム33の側面に設けたリニアスケールで主軸頭32のZ方向の位置をそれぞれ読み取る構成であるので、測定誤差を小さくするには「長さを測定する位置と実際に計測や加工を行う位置が一直線上になければならない」というアッベの原理を満足していない。そのため、主軸34とテーブル31の相対位置を精度良く位置決めすることができない。
(2)上述したロータリエンコーダを用いた位置決めでは、各送りモータの回転位置を、対応するテーブル31,コラム33および主軸頭32の各設定目標値に対応する値に正確に制御することができる。ところが、工作機械のレベリングが多少変化してしまった場合、コラム33の案内面39、テーブル31,主軸頭32の各案内面の真直度が変化してしまった場合、或いは案内面39の真直度誤差を完全にゼロにすることができないためその真直度誤差が多少ある場合、主軸34の基準点が図10のA1点に位置決めされるべきところ、A2点に位置決めされてδZの位置決め誤差が生じてしまい、主軸34とテーブル31の相対位置を精度良く位置決めすることができない。また、ベッド30が同図の破線で示すように熱変位により反ってしまった場合にも、上記と同様の位置決め誤差δZが生じてしまう。
(3)環境温度の変化や運転に伴って発生する熱により主軸頭32が図11の実線で示す形状から同図の点線で示す形状に熱変位して伸びたりすると、主軸34の基準点が同図のA1点に位置決めされるべきところ、A2点に位置決めされてδYの位置決め誤差が生じてしまい、主軸34とテーブル31の相対位置を精度良く位置決めすることができない。このような熱変位は、例えば一般のマシニングセンターでは、30〜70μmぐらいあるため、長時間の加工を行う場合には加工精度を低下させる大きな原因になっていた。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その課題は主軸とテーブルの相対位置を高精度に位置決め可能で、しかも、案内面の真直度やレベリングの変化、主軸頭やコラムの熱変位による影響を受けず位置決め精度を保証できる工作機械を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、ベッド上に、ワークが載置されX方向に移動可能なテーブルと、主軸頭をZ方向に移動可能に支持しY方向に移動可能なコラムとが設けられた機械本体を有し、前記主軸頭に回転可能に設けた主軸と前記テーブルのX,Y,Z方向の相対位置をNC装置からの数値情報による指令で順次位置決めしながら前記テーブルに載置されるワークの自動加工を行う工作機械において,
前記主軸頭と前記テーブルとの間に、隣接するリンクが互いに回り対偶をなすように連結され、それぞれが3つのリンクからなる2組の三角リンクを設け,
前記2組の三角リンクの一方は、前記テーブル上のX方向に離れた2点(A,B)を結ぶ固定リンクと、該2点の一方(A)と前記主軸頭上の第1の点(C)およびその2点の他方(B)と第1の点(C)をそれぞれ結び、それぞれの点で回動自在に支持した伸縮自在の第1および第2可動リンクとによって構成すると共に,
前記2組の三角リンクの他方は、テーブル上のY方向に離れた2点(D,E)を結ぶ固定リンクと、該2点の一方(D)と主軸頭上の第2の点(F)およびその2点の他方(E)と第2の点(F)をそれぞれ結び、それぞれの点で回動自在に支持した伸縮自在の第3および第4可動リンクとによって構成し,
前記4つの可動リンクの各々に、各可動リンクの長さを測定し、測定値を表す電気信号を出力する長さ測定器を設け,
前記4つの長さ測定器から得られる4つの測定値に基づき前記テーブルに対する前記主軸頭の相対位置Xp,Yp,Zpを演算し、該演算結果を前記NC装置にフィードバックして前記数値情報による指令を補正するようにしたことを特徴とする。
かかる構成によれば、コラムや主軸頭の熱変位等により主軸頭とテーブルの間に相対変位が生じると、各三角リンクの2つの可動リンクの長さがそれぞれ変化し、各可動リンクの長さを各々に設けた長さ測定器で測定して得られる4つの測定値に基づきテーブルに対する主軸頭の相対位置Xp,Yp,Zpを演算する。この演算に用いる4つの測定値は、各可動リンクの長さを各々に設けた長さ測定器で測定して得たものであるので、「長さを測定する位置と実際に計測や加工を行う位置が一直線上になければならない」というアッベの原理を満足しており、測定誤差が小さく、主軸とテーブルの相対位置が高精度に測定され、その結果、その相対位置が高精度に位置決めされる。
また、その相対位置の演算結果をNC装置にフィードバックして数値情報による指令を補正するので、案内面の真直度やレベリングの変化による影響、および、環境温度の変化や加工中の温度上昇によるコラムや主軸頭の熱変位による影響を受けず、主軸とテーブルの相対位置の位置決め精度が保証される。
そして、コラムや主軸頭の熱変位等により主軸頭とテーブルの間に相対変位が生じてテーブルに対する主軸頭上の第1の点(C)および第2の点(F)の相対位置が変わると、第1〜第4可動リンクの長さがそれぞれ変化し、各可動リンクに設けた長さ測定器で測定して得られる4つの測定値に基づきテーブルに対する主軸頭の相対位置Xp,Yp,Zpを演算する。この場合も、前記アッベの原理を満足しており、相対位置の測定を高精度に行えると共に、コラムや主軸頭の熱変位等による影響を受けずに、主軸とテーブルのX,Y,Z方向の相対位置が高精度に位置決めされる。
【0009】
請求項2に係る発明は、各可動リンクは、中空筒体と、一端側を中空筒体内に挿入して該筒体に軸方向に移動可能に組み付けたロッドとからなり、そして、長さ測定器は、各可動リンクの中空筒体内に設けられ、ロッドの一端側の変位量を光電的或いは電磁的に測定することを特徴とする。
かかる構成によれば、モアレ縞を利用した長さ測定器や、レーザ光による干渉縞を電子的に計数する長さ測定器等の市販の長さ測定器を中空筒体内に組み込んで、各可動リンクの長さを高精度に測定できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る工作機械の一例の主要部をなす機械本体の概略構成を示す正面図、図2は図1に示す機械本体の側面図、図3は三角リンクの一部をなす可動リンクの概略構成を示す断面図、図4は本発明に係る工作機械の一例の概略構成を示すブロック図、図5は一方の三角リンクの動作説明図、図6は他方の三角リンクの動作説明図、図7は2組の三角リンクを用いたテーブルに対する主軸頭の相対位置の求め方を示す説明図、図8はX,Y,Z各方向の位置決め精度のデータを示すグラフである。
本例に係る工作機械は、図1、図2および図4に示すように、ベッド1上に、ワークが載置されるX方向に移動可能なテーブル2と、主軸頭3をZ方向に移動可能に支持しY方向に移動可能なコラム4とが設けられた機械本体5と、NC装置(数値制御装置)6とを備えている。この工作機械は、主軸頭3にZ方向を中心に回転可能に設けた主軸7とテーブル2のX,Y,Z方向の相対位置をNC装置6からの数値情報による指令で順次位置決めしながらワークの自動加工を行うようになっている。
【0011】
テーブル2はX軸用送り機構(図示略)をX軸用送りモータ(図示略)で駆動してX方向に移動し、コラム4はY軸用送り機構(図示略)をY軸用送りモータ(図示略)で駆動してY方向に移動し、そして、主軸頭3はZ軸用送り機構(図示略)をZ軸用送りモータ(図示略)で駆動してZ方向に移動するようになっている。
主軸頭3とテーブル2との間には、3つのリンクからそれぞれなり、隣接するリンクが互いに回り対偶をなすように連結された2組の三角リンク8,9が設けられている。両三角リンク8,9は、テーブル2に対する主軸頭3の相対位置を測定する、座標測定用のものである。一方の三角リンク8は、テーブル2上のX方向に離れた2点(A,B)を結ぶ1つの固定リンク(テーブル2の2点(A,B)を結ぶ部分で構成されるリンク)10と、A点と主軸頭3上の第1の点(C)およびB点と第1の点(C)をそれぞれ結ぶ伸縮自在の第1および第2可動リンク11,12とからなる。他方の三角リンク9は、テーブル2上のY方向に離れた2点(D,E)を結ぶ1つの固定リンク(テーブル2の2点(D,E)を結ぶ部分で構成されるリンク)13と、D点と主軸頭3上の第2の点(F)およびE点と第2の点(F)をそれぞれ結ぶ伸縮自在の第3および第4可動リンク14,15とからなる。なお、両三角リンク8,9は、ワークを加工する際の邪魔にならない位置に配置されている。すなわち、上記A,B,C,Eの各点は、加工の邪魔にならない位置であれば、テーブル2上の任意の位置に設けることができると共に、上記E,Fの各点についても、加工の邪魔にならない位置であれば、主軸頭3上の任意の位置に設けることができる。
【0012】
各可動リンク11,12,14,15の両端は球形であり、各可動リンクの一端側はテーブル2に球面軸受により回動可能に支持され、各可動リンクの他端側は主軸頭3に球面軸受により回動可能に支持されている。そして、各可動リンク11,12,14,15には、主軸頭3とテーブル2の相対変位により伸縮する各可動リンクの長さを測定し、測定値を表す電気信号を出力する長さ測定器が内蔵されている。本例では、この長さ測定器はモアレ縞を利用した長さ測定器18である。
【0013】
4つの可動リンク11,12,14,15は同じ構成であるので、第1の可動リンク11を代表して説明する。第1の可動リンク11は、図3に示すように、中空筒体16と、一端側を中空筒体16内に挿入して該筒体16に軸方向に移動可能に組み付けたロッド17とからなる。中空筒体16の一端面には、先端が球形になった短いロッド16aが固定されている。このロッド16aの球形の先端がテーブル2にA点で球面軸受により回動可能に支持されている。一方、ロッド17は、中空筒体16の他端壁部の貫通孔に挿通しており、このロッド17の他端は球形になっている。ロッド17の球形の先端が主軸頭3にC点で球面軸受により回動可能に支持されている。このような構成により、各可動リンク11,12,14,15は、コラム4や主軸頭3の熱変位等により主軸頭3とテーブル2の間に相対変位が生じると、伸縮して長さが変化するようになっている。
【0014】
そして、各可動リンク11,12,14,15の中空筒体16に内蔵した長さ測定器18は、モアレ縞を利用したもので、格子線を僅かに傾けて対向配置した2つの回折格子19,20と、ロッド17の一端に固定された光電素子21とを有する。2つの回折格子の一方19は中空筒体16の内面に固定され、その他方20はロッド17に固定されている。そして、この長さ測定器18は、ロッド17が中空筒体16の軸方向に変位してロッド17と一体の回折格子20がモアレ縞の方向に格子線1本分だけ動くと、モアレ縞は格子線の並び方向に1縞移動するので、光電素子21を用いてその視野内を横切って通過するモアレ縞の数を計数器(図示略)で計数することにより、ロッド17の一端側の変位量、すなわち各可動リンク11,12,14,15の長さを測定し、この測定値を表す電気信号を出力するように構成されている。
【0015】
各可動リンク11,12,14,15の長さ測定器18から出力される測定値を表す電気信号は、図4に示すようにマイクロコンピュータ22に送られる。マイクロコンピュータ22では、入力する4つの電気信号がそれぞれ表す4つの測定値に基づきテーブル2に対する主軸頭3の相対位置Xp,Yp,Zpを以下の(1)〜(3)式で演算し、この演算結果を図4に示すようにNC装置6にフィードバックして同装置6に格納されている数値情報による指令を補正するようになっている。ここで、Xpはテーブル2に対する主軸頭3上の第1の点C(P1点)のX座標,Ypはテーブル2に対する主軸頭3上の第2の点F(P2点)のY座標、ZpはP1又はP2点のZ座標である。
【0016】
相対位置Xp,Yp,Zpは、図7に示すA点を原点とする座標系において、同図に示す幾何学形状から、
の各式で求めることができる。ここで、L1〜L4は各可動リンク11,12,14,15の長さ測定器18で測定された各可動リンクの測定値、Lxは固定リンク10の既知の長さ、Lyは固定リンク13の既知の長さ、θ1は第1可動リンク11と固定リンク10のなす角度、θ2は第2可動リンク12と固定リンク10のなす角度、θ3は第3可動リンク14と固定リンク13のなす角度、θ4は第4可動リンク15と固定リンク13のなす角度、θxは第1の点(C)から固定リンク10上に下ろした垂線Lu1とテーブル2の上面のなす角度である。そして、cosθ1,cosθ2,cosθ3,cosθ4およびtanθxは、それぞれ下記の(4)〜(9)式で求まる。
【0017】
次に、上記本例の工作機械の動作を説明する。
NC装置6からの一連の数値情報による指令で機械本体5のX軸用,Y軸用およびZ軸用の各送りモータを駆動してテーブル2をX方向に、コラム4をY方向に、主軸頭3をZ方向にそれぞれ移動させることにより、主軸7とテーブル2のX,Y,Z方向の相対位置を位置決めしながら主軸7に取り付けた工具でテーブル2上のワークの自動加工を行う。
【0018】
このような加工時に、環境温度の変化や加工中の温度上昇による熱変位によって主軸頭3とテーブル2の間に相対変位が生じ、テーブル2に対する主軸頭3上の第1の点(C)および第2の点(F)の位置が変わると、この位置変化に応じて第1〜第4可動リンク11,12,14,15がそれぞれ伸縮して各々の長さが変化する。
すなわち、加工中のある時点で主軸頭3が図5の実線で示す位置に位置決めされるべきところ、前記熱変位により主軸頭3が同図の2点鎖線で示す位置に変位して主軸頭3とテーブル2の間に相対変位が生じ、主軸頭3上の第1の点(C)がC′点で示す位置まで移動すると、第1の可動リンク11はA点を支点に時計方向に回動しながら長さが短くなっていくと共に、第2の可動リンク12はB点を支点に反時計方向に回動しながら長さが短くなっていく。このとき、主軸頭3上の第2の点(F)がF′点で示す位置まで移動すると、図6に示すように、第3の可動リンク14はD点を支点に時計方向に回動しながら長さが短くなっていくと共に、第4の可動リンク15はE点を支点に反時計方向に回動しながら長さが短くなっていく。
【0019】
この時点での各可動リンク11,12,14,15の長さは、各可動リンクに内蔵した長さ測定器18で測定され、この測定値L1〜L4をそれぞれ表す電気信号が2つの三角リンク8,9の各測定器18からマイクロコンピュータ22に出力される(図4参照)。ここで、マイクロコンピュータ22は、4つの長さ測定器18から送られる4つの測定値に基づき上記(1)〜(3)式の演算を行ってテーブル2に対する主軸頭3の相対位置Xp,Yp,Zpを求め、この演算結果を図4に示すようにNC装置6にフィードバックして同装置6に格納されている数値情報による指令を補正する。そして、相対位置Xp,Yp,Zpで補正した数値情報による指令で機械本体5の各送りモータを駆動して、主軸頭3を図5および図6の実線で示す位置に位置決めし、これによって主軸7とテーブル2の相対位置が高精度に位置決めされる。
このような位置決め制御を加工中に所定時間毎に繰り返しながら、ワークを加工することにより、ワークの自動加工を高精度に行うことができる。
【0020】
このように、本例の工作機械によれば、主軸頭3とテーブル2との間に2組の三角リンク8,9を設け、一方の三角リンク8の両可動リンク11,12の長さおよび他方の三角リンク9の両可動リンク14,15の長さを各可動リンクに内蔵した長さ測定器18で測定して得られる4つの測定値L1〜L4に基づき、テーブル2に対する主軸頭3の相対位置Xp,Yp,Zpをマイクロコンピュータ22で演算する。すなわち、相対位置Xp,Yp,Zpの演算に用いる4つの測定値L1〜L4は、各可動リンク11,12,14,15の長さを各々に内蔵した長さ測定器18で測定して得たものであるので、「長さを測定する位置と実際に計測や加工を行う位置が一直線上になければならない」というアッベの原理を満足しており、測定誤差が小さく、相対位置Xp,Yp,Zpの測定を高精度に行うことができ、これによって、主軸7とテーブル2の相対位置を高精度に位置決めすることができる。
【0021】
また、本例の工作機械によれば、テーブル2に対する主軸頭3の相対位置Xp,Yp,Zpの演算結果をマイクロコンピュータ22からNC装置6にフィードバックして数値情報による指令を補正するので、テーブル2、コラム4および主軸頭3の各案内面の真直度の変化や真直度誤差による影響、およびコラム4や主軸頭3の熱変位による影響を受けずに、テーブル2に対する主軸頭3の相対位置Xp,Yp,Zpを高精度に位置決めすることができ、その結果、主軸7とテーブル2の相対位置を高精度に位置決めすることができる。これによって、各案内面の真直度やレベリングの変化、主軸頭3やコラム4の熱変位による影響を受けず、主軸7とテーブル2の相対位置の位置決め精度を保証することができる。 このような高精度な位置決めがなされることを、図8(a)〜(c)のグラフで示してある。図8(a)はX方向におけるテーブル2の位置決め精度のデータを示すグラフ,同図(b)はY方向におけるコラム4の位置決め精度のデータを示すグラフ、そして、同図(c)はZ方向における主軸頭3の位置決め精度のデータを示すグラフである。なお、図8の各図において、太い実線は本例の工作機械で得られるデータを示し、破線は図10に示すような従来の工作機械で得られるデータを示している。
【0022】
また、本例の工作機械によれば、テーブル2に対する主軸頭3の相対位置Xp,Yp,Zpは、テーブル2上のX方向に離れた2点(A,B)の一方(A)を原点とする座標系における第1の点(C)のX座標,第2の点(F)のY座標,第1の点(C)のZ座標としたことにより、その相対位置Xp,Yp,Zpを、上記の(1)〜(3)式の演算をマイクロコンピュータ22で行って簡単に求めることができ、その相対位置の演算を短時間で行うことができる。
【0023】
また、本例の工作機械によれば、各可動リンク11,12,14および15の中空筒体16に内蔵する長さ測定器18として、モアレ縞を利用したものを使用することにより、伸縮する各可動リンクの長さを高精度に測定することができる。
【0024】
図9は、図3に示す可動リンクの変形例を示している。この変形例では、中空筒体16に内蔵する長さ測定器18として、レーザ光による干渉縞を電子的に計数して可動リンクの長さを測定するレーザ干渉計を使用している。
この変形例では、中空筒体16の一端側は開口しており、前記ロッド17の端部に設けた太径円筒部17aが中空筒体16に摺動自在に嵌合している。中空筒体16の底部に設けたユニット23には、レーザ発信器と受光素子とが設けられており、太径円筒部17aの内側端面にミラー24が固定され、そして、ユニット23とミラー24との間に一側面を半透過面とした平行平面板25を中空筒体16内面に固定してある。ユニット23、ミラー24、平行平面板25および不図示の計数器からレーザ干渉計が構成されている。この干渉計は、ユニット23内のレーザ発信器から出射されるレーザ光が平行平面板25の半透過面で反射される光と、この半透過面を透過してミラー24で反射され、平行平面板25を再び透過する光とが干渉し、この干渉によりできる干渉縞を不図示の計数器で計数することにより、ミラー24と平行平面板25の距離、すなわちロッド17の変位量を求め、この変位量から各可動リンク11,12,14,15の長さを測定するように構成されている。
この変形例によれば、伸縮する各可動リンク11,12,14,15の長さを、各可動リンクに内蔵したレーザ干渉計により、上記一例の場合と同様に高精度に測定することができる。
【0025】
なお、上記一例の工作機械では、一方の三角リンク8の固定リンク10をテーブル2上の2点(A,B)間を結ぶ部分で構成すると共に、,他方の三角リンク9の固定リンク13をテーブル2上の2点(D,F)間を結ぶ部分で構成しているが、固定リンク10を主軸頭3上の2点を結ぶ部分で構成すると共に、固定リンク13を主軸頭上の他の2点を結ぶ部分で構成した場合にも、上記一例と同様の効果が得られる。
【0026】
また、上記長さ測定器18は、図3および図9に示すものに限らず、その他の光電式長さ測定器や、電磁的に長さを測定する測定器(例えば、Inductosyn社製のInductosynスケールを用いた測定器)等を使用することができる。
【0027】
また、上記一例では、テーブル2をX方向に移動可能にし、コラム4をY方向に移動可能にしているが、テーブル2をX,Y方向に移動可能にすると共に、コラム4を固定にした工作機械にも、本発明は適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、アッベの原理を満足して主軸とテーブルの相対位置を高精度に位置決めすることができ、しかも、案内面の真直度やレベリングの変化、主軸頭やコラムの熱変位による影響を受けず位置決め精度を保証することができる。これによって、ワークの自動加工を高精度に行うことができる。
【0030】
請求項2に係る発明によれば、モアレ縞を利用した長さ測定器や、レーザ光による干渉縞を電子的に計数する長さ測定器等の市販の長さ測定器を中空筒体内に組み込んで、各可動リンクの長さを高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る工作機械の一例の主要部をなす機械本体の概略構成を示す正面図。
【図2】図1に示す機械本体の側面図。
【図3】三角リンクの一部をなす可動リンクの概略構成を示す断面図。
【図4】本発明に係る工作機械の一例の概略構成を示すブロック図。
【図5】一方の三角リンクの動作説明図。
【図6】他方の三角リンクの動作説明図。
【図7】2組の三角リンクを用いたテーブルに対する主軸頭の相対位置の求め方を示す説明図。
【図8】X,Y,Z各方向の位置決め精度のデータを示すグラフ。
【図9】図3に示す可動リンクの変形例の概略構成を示す断面図。
【図10】従来の工作機械の機械本体を示す側面図で、コラムが熱変位で反った状態を示す図。
【図11】図10と同様の側面図で、主軸頭が熱変位で伸びた状態を示す図。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・・ベッド
2・・・・・・・・・・・・・・テーブル
3・・・・・・・・・・・・・・主軸頭
4・・・・・・・・・・・・・・コラム
5a・・・・・・・・・・・・・機械本体
7・・・・・・・・・・・・・・主軸
8,9・・・・・・・・・・・・三角リンク
10,13・・・・・・・・・・固定リンク
11,12,14,15・・・・可動リンク
Claims (2)
- ベッド上に、ワークが載置されX方向に移動可能なテーブルと、主軸頭をZ方向に移動可能に支持しY方向に移動可能なコラムとが設けられた機械本体を有し、前記主軸頭に回転可能に設けた主軸と前記テーブルのX,Y,Z方向の相対位置をNC装置からの数値情報による指令で順次位置決めしながら前記テーブルに載置されるワークの自動加工を行う工作機械において,
前記主軸頭と前記テーブルとの間に、隣接するリンクが互いに回り対偶をなすように連結され、それぞれが3つのリンクからなる2組の三角リンクを設け,
前記2組の三角リンクの一方は、前記テーブル上のX方向に離れた2点(A,B)を結ぶ固定リンクと、該2点の一方(A)と前記主軸頭上の第1の点(C)およびその2点の他方(B)と第1の点(C)をそれぞれ結び、それぞれの点で回動自在に支持した伸縮自在の第1および第2可動リンクとによって構成すると共に,
前記2組の三角リンクの他方は、テーブル上のY方向に離れた2点(D,E)を結ぶ固定リンクと、該2点の一方(D)と主軸頭上の第2の点(F)およびその2点の他方(E)と第2の点(F)をそれぞれ結び、それぞれの点で回動自在に支持した伸縮自在の第3および第4可動リンクとによって構成し,
前記4つの可動リンクの各々に、各可動リンクの長さを測定し、測定値を表す電気信号を出力する長さ測定器を設け,
前記4つの長さ測定器から得られる4つの測定値に基づき前記テーブルに対する前記主軸頭の相対位置Xp,Yp,Zpを演算し、該演算結果を前記NC装置にフィードバックして前記数値情報による指令を補正するようにしたことを特徴とする工作機械。 - 前記各可動リンクは、中空筒体と、一端側を中空筒体内に挿入して該筒体に軸方向に移動可能に組み付けたロッドとからなり、そして、前記長さ測定器は、各可動リンクの中空筒体内に設けられ、前記ロッドの一端側の変位量を光電的或いは電磁的に測定することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
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