JP4571256B2 - 逐次2点法による形状精度測定装置および逐次2点法による形状精度測定用レーザ変位計間隔測定方法 - Google Patents

逐次2点法による形状精度測定装置および逐次2点法による形状精度測定用レーザ変位計間隔測定方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、逐次2点法によって工作機械等の真直精度や平面精度等の形状精度を測定する装置に関し、特には、逐次2点法での測定にレーザ変位計を用いた形状精度測定装置に関するものである。またこの発明は、逐次2点法による形状精度測定を二つのレーザ変位計を用いて行うために、逐次2点法に用いる変位計間隔として二つのレーザ変位計の間隔を求める方法にも関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の真直精度を測定する方法としては従来、オートコリメータによる方法やレーザ干渉計による方法等が知られているが、これらの方法にはそれぞれ、以下の如き問題点がある。
【0003】
オートコリメータによる測定法は、通常、加工物の真直誤差曲線の測定のための現場の測定法として標準的に用いられている方法である。これは、加工物等の測定対象の真直度誤差曲線を評価すべき面に鏡面を立てて望遠鏡によって狙い、鏡面の傾斜角を測定するという作業を、その評価すべき面の、測定線(測定位置を連ねた線)に沿った所要の測定位置について繰り返し行い、測定された傾斜角を繋いで真直誤差曲線を求めるものである。問題は、鏡面を立てるのが測定線沿いの二点に脚を持つ台上にであり、求められる傾斜面が厳密には鏡面直下に於ける傾斜ではないことである。すなわち、鏡面の傾斜は、脚が置かれる2点間の傾斜を求めていることとなり、この点の誤差を含むことである。
【0004】
また、オートコリメータによる測定法は、望遠鏡の設定、反射鏡の設定等の作業を伴うものであり、真直度の測定に於いても、そして繰り返し測定を要する平面度の評価についてはなおさらのこと、作業性の面から誤差の入り込む余地が大きく、また、作業にも時間を要する測定法であるというのが実態である。
【0005】
さらに、工作機械の真直運動誤差曲線を求める方法としてオートコリメータを用いる場合には、鏡面を工具台上の保持装置等によって保持して送り、工具台の走行区間内で鏡面の傾斜を検出する方法が考えられるが、工具台の運動については、運動に応じて傾斜が生じるとすれば2次的なものであり、真直度誤差曲線としては、運動方向に直交する方向の変動がまず評価されるべきものである。従って、オートコリメータによっては、工作機械側の真直運動誤差曲線を求めることは難しい。
【0006】
一方、レーザ干渉計による測定法は、オートコリメータによる測定と対照的であり、工作機械側に干渉計を取り付け、それに向けてレーザ発振装置からレーザを発射し、発振装置と反対側に反射鏡を置いて、干渉計の移動に伴うレーザビームと直交方向の誤差運動を検出するものである。しかしながらこれによって加工物の真直形状誤差曲線を求めるには、加工物側に取り付けた干渉計を、ビームが走る測定線(測定位置を連ねた線)沿いに円滑に移動させる必要があるが、このようにするには、装置構成を対象物毎に作成するのに難があることをはじめとして多くの困難があり、測定は実際には不可能である。この結果、現状では工作機械の真直運動誤差曲線を評価し、これが加工物に転写されるとして加工物側の精度を考えているのが実態である。1本の真直誤差曲線を測定するにもこの状況であるから、これを繰り返して加工物の平面度を測定することは実際問題としては不可能である。
【0007】
機械側の真直運動誤差曲線を求める場合であっても、以下の諸点で制約を受ける。すなわち、レーザ干渉計による測定法では、レーザビームが二分されて反射鏡に向かう構成の中で、工具台が運動する範囲に対応してビームスポットが反射鏡の中を移動するから、運動誤差曲線が求められる測定範囲は、反射鏡の中をレーザビームが移動できる長さによって制限されることとなる。しかもその測定精度は、反射鏡の鏡面加工精度に依存する。また、ビームが長距離にわたって空間を通過する場合には、空気の擾乱を受け易く、測定値は揺らぎ、測定結果の誤差要因となる。さらに、この方法は、レーザ干渉計等が設置されている機械各部の微小な振動にも敏感であり、繰り返し測定の精度は後述する逐次2点法ほどに安定しないのが実態である。
【0008】
これらの問題点を解決すべく、工作機械の真直精度を測定する方法として本願発明者らが開発したのが逐次2点法である。旋盤を例として見るに、逐次2点法では、工具台に二つの変位計を、工具台の送り方向に所定の間隔を空けて取り付ける。一方、加工物取付位置には、加工物等の適当な測定対象を配置する。そして上記変位計の取付間隔に等しいピッチで工具台の送りを繰り返し、二つの変位計によって工具台と測定対象との相対変位を測定する。これより、変位計の出力に基づく二つのデータ列が得られ、これを簡潔なアルゴリズムで処理することにより、工具台の運動と、加工物等の測定対象との真直誤差曲線が同時に独立に求められる。
【0009】
従って、逐次2点法は、高精度の基準真直尺を用いる必要がないこと、それゆえ測定範囲が真直尺の長さに制約されず、長く取れること、加工物の回転、モータの駆動等振動を考慮しなければならない状態でも測定が可能であること、調整が容易であり、円筒度、平面度等への展開が容易であること、測定の繰り返し精度が良いこと、機能としてNC工作機械に適合していること等の特徴を有しており、これらの特徴は、従来の真直誤差曲線測定法であるオートコリメータ、レーザ干渉計等によっては得難いものである。逐次2点法とオートコリメータとの各々による測定結果の厳密な比較は難しく、未だ実現していないが、逐次2点法による測定の特徴は、明確で、繰り返し測定の精度も良い点にあり、一旦測定装置が機械に設定され、作業者が習熟すれば、逐次2点法による測定が標準としての地位を確立する可能性は高い。
【0010】
以上のように、工作機械や加工物の真直度の測定に関し、従来はオートコリメータやレーザ干渉計による方法が一般的に用いられてきたが、機械上の測定装置を備えること、平面度測定に展開すること、機械の運動と加工物との両者について同時に測定し、相互の関係に注目して機械の運用をすること、装置構成によってMC(マシニングセンタ)の工具保持装置に工具に変えて測定装置を保持し、作業行程の中での精度測定の実施を可能とすること等に関しては、逐次2点法による測定法が優れていることは明らかである。なお、逐次2点法の詳細は、東京大学生産技術研究所が1982年6月に発行した「生産研究」第34巻第6号中第25〜34頁に本願発明者が発表した「真直度測定法の動向と逐次2点法の展開」を参照されたい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、逐次2点法の原理の確認の際には、変位計として静電容量型や渦電流型等のものが用いられていたが、これらの変位計では、測定対象との間の距離を大きくできず、動作距離範囲も小さいため、衝突を避けるような配慮が必要であった。また、渦電流形の変位計は性能も良く使いやすい性質を備えていたが、鉄系の材料を対象とする場合には残留磁気の影響を受け、実用性に欠けていた。
この一方、近時のセンサ技術の発展によって、測定対象にレーザビームを照射して測定対象から反射したレーザ光を光センサで受光し、その受光位置の移動量から三角測量の原理で測定対象の変位量を求める小型のレーザ変位計が開発され、かかるレーザ変位計によれば、測定対象との間の距離や動作距離範囲を大きく取ることができるので、上記の問題を回避して逐次2点法を適用することが可能となってきた。
【0012】
しかしながら、レーザ変位計には、測定点でのレーザビームのスポット径が数十μmと小さいという不都合がある。すなわち、容量型あるいは渦電流型の変位計では、直径は数mmから10mm前後であり、中心位置を求めて逐次2点法用の測定装置として構成することが容易であった。また、測定値は上記の径の領域に対する平均値として検出されていると考えることができた。これは、結果として加工面の表面粗さについての影響を平均化しているとしてよい。一方、逐次2点法はその原理として、二つの変位計による測定点に対し、一方のセンサで測定した位置を他方のセンサで正確に測定することが必要である。
【0013】
レーザ変位計の場合、測定点でのスポット径が上記のように小さい結果、表面粗さの影響を受けやすく、測定対象の材料や加工面粗さの状態による測定値の揺らぎが大きいため、変位計としての機能を果たさない場合のあることが指摘されている。すなわち、鋳物のように表面に複合的性質が表れる材料では、乱反射の性質によってスポットが特定され、測定値がより適切に評価されるのに対し、切削面が反射面となって一見測定が容易に見える鋼の加工面では、スポット位置が特定し難くなることが示されている。このため、逐次2点法に基づく測定が可能な装置をレーザ変位計によって構成して測定を試みた結果、繰り返し測定したデータに劣化が表れた。また、スポット径が小さいので、スポット径の中心位置と装置本体との相対位置関係を保証するために高精度の装置構成や多くの作業を要し、逐次2点法の原理を満足するように、測定線に沿って所定の位置関係でレーザ変位計を移動させてデータを得ることは容易でない。
【0014】
この発明は、レーザ変位計を用いて逐次2点法による精度測定装置を構成し、表面粗さ、材質等の影響を避けつつ、工作機械、3次元測定装置等について、真直度、平面度等の形状精度を測定することを可能にし、さらに、これによって、加工能率、測定能率を保ちつつ、加工精度、測定精度を上げることを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的達成のため、この発明の逐次2点法による形状精度測定装置は、形状精度の測定対象に対して設定した測定線の延在方向に概略沿って二つのレーザ変位計を一定間隔をあけて整列させるとともにそれら二つのレーザ変位計を前記測定対象から概略等距離離間させてその測定対象に向けて保持する変位計保持部材と、前記変位計保持部材を前記測定対象に対し前記測定線の延在方向へ相対移動させるとともに前記二つのレーザ変位計の整列方向へ相対移動させる保持部材相対移動手段と、前記測定対象に照射される前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの位置を前記変位計保持部材の相対移動に伴って順次に検出する二次元光センサと、前記測定対象に対する前記変位計保持部材の前記測定線に沿う相対移動に伴って、前記測定対象における前記二つのレーザ変位計のうちの一方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置から他方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置までの前記変位計保持部材の相対移動量と、前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの前記二次元光センサ上での照射位置とから前記二つのレーザ変位計の間隔と整列方向とを求め、前記測定対象に対する前記変位計保持部材の前記二つのレーザ変位計の整列方向への相対移動に伴って前記二つのレーザ変位計の間隔に等しい距離だけ前記変位計保持部材が相対移動する毎に前記二つのレーザ変位計の出力信号を取り込み、それらの出力信号を逐次2点法に基づいて演算処理して前記測定対象の真直誤差曲線を求める演算処理手段と、を具えることを特徴とするものであっても良い。
【0023】
かかる装置にあっては、変位計保持部材が、形状精度の測定対象に対して設定した測定線の延在方向に概略沿って二つのレーザ変位計を一定間隔をあけて整列させるとともにそれら二つのレーザ変位計を前記測定対象から概略等距離離間させてその測定対象に向けて保持し、保持部材相対移動手段が、先ず前記変位計保持部材を前記測定線に沿って前記測定対象に対し相対移動させ、その後に前記二つのレーザ変位計の整列方向へ相対移動させ、二次元光センサが、前記測定対象に照射される前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの位置を前記変位計保持部材の相対移動に伴って順次に検出し、演算処理手段が、前記測定対象に対する前記変位計保持部材の前記測定線に沿う相対移動に伴って前記測定対象における前記二つのレーザ変位計のうちの一方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置から他方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置までの前記変位計保持部材の相対移動量と、前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの前記二次元光センサ上での照射位置とから前記二つのレーザ変位計の間隔と整列方向とを求め、その求めた前記二つのレーザ変位計の間隔に等しい距離だけ前記変位計保持部材がその求めた前記二つのレーザ変位計の整列方向へ相対移動する毎に前記二つのレーザ変位計の出力信号を取り込み、それらの出力信号を逐次2点法に基づいて演算処理して前記測定対象の真直誤差曲線を求め、それを出力する。
【0024】
従ってこの発明の装置によれば、測定対象に対する変位計保持部材の相対移動の際に二つのレーザ変位計の小さなスポット径のレーザビームの位置を正確に一致させて、それら二つのレーザ変位計から逐次2点法による精度測定のための相対変位データを得ることができるので、繰り返し測定によるデータの劣化を防止することができるとともに、スポット径中心位置と装置本体との相対位置関係を保証するために高精度の装置構成や多くの作業を要することなしに、逐次2点法の原理を満足するように、測定線に沿い所定の位置関係でレーザ変位計を移動させてデータを得ることができる。
【0025】
しかもこの発明の装置によれば、変位計保持部材を正確にかつ自動的に二つのレーザ変位計の整列方向に移動させ得るので、当該装置を工作機械等に搭載して逐次2点法による形状精度測定を容易に行うことができる。
【0026】
なお、この発明の装置においては、前記変位計保持部材は、互いに直角な二つの方向に整列させて少なくとも三つのレーザ変位計を保持するものであっても良く、このようにすれば、それら少なくとも三つのレーザ変位計のうち、互いに直角な二つの方向の何れかに整列する二つを選択的に使用することで、レーザー変位計や変位計保持部材の付け替えなしに平面度測定を行い得て、平面度測定を容易に自動的にかつ高精度に行うことができる。
【0027】
一方、この発明の装置は、前記変位計保持部材を90°回転させて前記二つのレーザ変位計を互いに直角な二つの方向に選択的に整列させる保持部材回転手段を具えていても良く、このようにすれば、その保持部材回転手段で変位計保持部材を90°回転させて、二つのレーザ変位計を互いに直角な二つの方向の何れかに選択的に整列させることで、レーザー変位計や変位計保持部材の付け替えなしに平面度測定を行い得て、平面度測定を容易に自動的にかつ高精度に行うことができる。
【0028】
また、この発明の逐次2点法による形状精度測定用レーザ変位計間隔測定方法は、逐次2点法による形状精度測定を二つのレーザ変位計を用いて行うために、逐次2点法に用いる変位計間隔として前記二つのレーザ変位計の間隔を求めるに際し、形状精度の測定対象に対して設定した測定線の延在方向に沿って前記二つのレーザ変位計を一定間隔をあけて整列させるとともにそれら二つのレーザ変位計を前記測定対象から概略等距離離間させてその測定対象に向けて保持し、それら二つのレーザ変位計を前記保持状態のまま前記測定線に沿って前記測定対象に対し相対移動させ、前記測定対象に照射される前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの位置を前記相対移動に伴って光センサで順次に検出し、前記相対移動に伴って前記測定対象における前記二つのレーザ変位計のうちの一方のレーザ変位計からのレーザビームの位置に他方のレーザ変位計からのレーザビームの位置が一致するまでの前記相対移動の移動量から前記二つのレーザ変位計の間隔を求めることを特徴とするものである。
【0029】
かかる方法によれば、測定対象に対する二つのレーザ変位計の相対移動の際にそれら二つのレーザ変位計の小さなスポット径のレーザビームの位置を正確に一致させて、それら二つのレーザ変位計から逐次2点法による精度測定のための相対変位データを得ることができるので、繰り返し測定によるデータの劣化を防止することができるとともに、スポット径中心位置と装置本体との相対位置関係を保証するために高精度の装置構成や多くの作業を要することなしに、逐次2点法の原理を満足するように、測定線に沿い所定の位置関係でレーザ変位計を移動させてデータを得ることができる。
【0030】
そして、この発明の逐次2点法による形状精度測定用レーザ変位計間隔測定方法は、逐次2点法による形状精度測定を、二つのレーザ変位計を用いて行うために、逐次2点法に用いる変位計間隔として前記二つのレーザ変位計の間隔を求めるに際し、形状精度の測定対象に対して設定した測定線の延在方向に概略沿って前記二つのレーザ変位計を一定間隔をあけて整列させるとともにそれら二つのレーザ変位計を前記測定対象から概略等距離離間させてその測定対象に向けて保持し、それら二つのレーザ変位計を前記保持状態のまま前記測定線に沿って前記測定対象に対し相対移動させ、前記測定対象に照射される前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの位置を前記相対移動に伴って二次元光センサで順次に検出し、前記測定対象に対する前記変位計保持部材の前記測定線に沿う相対移動に伴って、前記測定対象における前記二つのレーザ変位計のうちの一方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置から他方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置までの前記変位計保持部材の相対移動量と、前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの前記二次元光センサ上での照射位置とから前記二つのレーザ変位計の間隔を求めることを特徴とするものであっても良い。
【0031】
かかる方法によれば、測定対象に対する二つのレーザ変位計の相対移動の際にそれら二つのレーザ変位計の小さなスポット径のレーザビームの位置を正確に一致させて、それら二つのレーザ変位計から逐次2点法による精度測定のための相対変位データを得ることができるので、繰り返し測定によるデータの劣化を防止することができるとともに、スポット径中心位置と装置本体との相対位置関係を保証するために高精度の装置構成や多くの作業を要することなしに、逐次2点法の原理を満足するように、測定線に沿い所定の位置関係でレーザ変位計を移動させてデータを得ることができる。
【0032】
しかもこの方法によれば、当初設定する測定線の延在方向と二つのレーザ変位計の整列方向とを正確に一致させていなくても、二つのレーザ変位計の間隔を正確に求め得るので、当該装置を工作機械等に搭載して逐次2点法による形状精度測定を容易に行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の逐次2点法による形状精度測定用レーザ変位計間隔測定方法の一実施例を実施するように通常のNC(数値制御)工作機械(図示例では門型立フライス盤)を用いて構成された、この発明の逐次2点法による形状精度測定装置の一実施例を模式的に示す斜視図であり、図中符号1で示すその工作機械は、工作機械本体1aと、通常のコンピュータを有する制御装置1bとを具え、ここにおける工作機械本体1aは、制御装置1bによる数値制御で、図示の三次元直角座標系において、加工物を乗せるテーブル1cを水平なy軸方向(y軸に沿う方向)へ、また門型コラム1dで支持した主軸ヘッド1eを水平なx軸方向(x軸に沿う方向)へ、そしてその主軸ヘッド1eの下端部から突出した図示しない主軸を垂直なz軸方向(z軸に沿う方向)へ、それぞれ移動させるものである。
【0034】
この実施例の形状精度測定装置では、工作機械本体1aのテーブル1c上の加工物あるいはそのテーブル1c自身のy軸およびz軸を含む垂直面内の真直誤差曲線を求めるべく、そのテーブル1c上に光センサとしての二次元CCD2が上向きに固定され、その二次元CCD2の出力信号が上記制御装置1bに入力される一方、工作機械本体1aの主軸ヘッド1eの下端部から突出したラムの下端部に変位計保持部材3が固定され、その変位計保持部材3により二つの通常のレーザ変位計4,5が、所定位置にy軸方向へ延在するよう設定された測定線上に概略整列して互いに間隔をあけて保持されており、それらのレーザ変位計4,5の出力信号も上記制御装置1bに入力される。
【0035】
図2(a),(b)および(c)は、上記変位計保持部材3を拡大して示す正面図、下面図および、正面図中のA−A線に沿う断面図である。この実施例では図示のように、変位計保持部材3は四カ所の突出部3aを有して概略H型をなし、その四カ所の突出部3aにはそれぞれ、ガイド孔3bとマイクロメータ装着孔3cとが形成されており、それら四カ所の突出部3aのうちの二カ所について、ガイド孔3bにガイドロッド6が摺動自在に嵌挿されるとともにマイクロメータ装着孔3cにマイクロメータ7の本体7aが装着され、それらのガイドロッド6に断面T字形のブラケット8がそれぞれ固定され、それらのブラケット8に上記マイクロメータ7の測定子7bがそれぞれ固定され、そしてそれらのブラケット8に上記レーザ変位計4,5がそれぞれ取り付けられている。なお、図中符号4a, 5aは、上記レーザ変位計4,5の照射口、Bは、それらの照射口4a, 5aから照射されるレーザビームを示す。
【0036】
上記変位計保持部材3によれば、四カ所の突出部3aで最大4つのレーザ変位計をそれぞれ保持し得るので、4つのレーザ変位計を保持した場合にはそのままでx軸方向およびy軸方向の測定線に沿って形状精度測定を行い、それによって平面度測定を行うことができるとともに、マイクロメータ7を操作してガイドロッド6による案内下で各ブラケット8ひいては各レーザ変位計4,5を図中矢印Cで示す方向に移動させて測定対象に対する各レーザ変位計4,5の距離を微調整することで、測定対象に対する二つのレーザ変位計4,5の距離を容易に揃えることができる。なお、変位計保持部材3は上記の距離調整に加えて、各ブラケット8への各レーザ変位計4,5の取付角度を同様にしてマイクロメータ等で図中点線の矢印D,Eで示すように変化させることにて各レーザ変位計4,5の姿勢ひいてはレーザビームの照射方向も微調整し得るように構成しても良く、このようにすれば、精度測定の準備作業の作業性をさらに向上させることができる。
【0037】
かかる構成を具えるこの実施例の形状精度測定装置にあっては、逐次2点法によって真直誤差曲線を求める前に、先ず、制御装置1bが、工作機械本体1aのテーブル1cをy軸方向に適宜移動させるとともに主軸ヘッド1eひいては変位計保持部材3をx軸方向に適宜移動させて、二次元CCD2の上方に片方のレーザ変位計4を位置させ、レーザ変位計4を作動させる。これによって、そのレーザ変位計4のレーザビームBが二次元CCD2上の一定位置を照射する。
【0038】
図3は、この実施例の形状精度測定装置における、二次元CCD2の出力信号から二つのレーザ変位計4,5間の距離を求める構成を機能的に示すブロック線図であり、図示のようにこの実施例では、制御装置1bは、スポット中心位置検出部1fと作動制御部1gとを有していて、あらかじめ与えられた作動プログラムに従い、先ず、そのスポット中心位置検出部1fにより、上記レーザ変位計4のレーザビームBで二次元CCD2上に生じたレーザー光のスポット2aの中心位置の二次元CCD2上での位置(x,y座標)を、その二次元CCD2の出力信号に基づいて検出し、次いでその作動制御部1gにより、テーブル1cをy軸方向に移動させて、もう片方のレーザ変位計5の下方に二次元CCD2を位置させ、次いでスポット中心位置検出部1fにより、先にレーザ変位計4のスポット中心位置を求めたのと同様にしてそのレーザ変位計5のスポット中心位置の二次元CCD2上での位置を求め、スポット中心位置がy軸方向で、先にレーザ変位計4について求めた二次元CCD2上での位置と同じになるところまで、さらに作動制御部1gにより、テーブル1cをy軸方向に移動させる。
【0039】
この結果、作動制御部1gでテーブル1cを移動させた量により、変位計4,5のスポット中心位置のスポット間距離を求めることが可能となり、制御装置1bは、そのテーブル1cの移動量から、逐次2点法による測定を実施する際の変位計間距離に高精度に対応すべきテーブル1cの送り量を求め、その送り量づつテーブル1cをy軸方向に移動させた時の二つのレーザ変位計4,5の出力信号から、逐次2点法により測定対象の真直誤差曲線を演算で求める。
【0040】
なお、二つのレーザ変位計4,5の出力信号は、上記送り量づつテーブル1cをy軸方向に断続的に移動させて、テーブル1cの各停止時に制御装置1bに取り込ませるようにしても良く、またテーブル1cを一々停止させずy軸方向に連続的に移動させながら、テーブル1cが上記送り量ずつ移動する時点に取り込み時期を同期させて制御装置1bに取り込ませるようにしても良い。
【0041】
ところで、先に述べた測定線に対して二つのレーザ変位計4,5が正確に整列していなかったために、テーブル1cをy軸方向に移動させた後のレーザ変位計5のスポット中心位置がCCD2上で、先にレーザ変位計4のスポット中心位置について求めた位置からx軸方向へずれた場合には、そのずれ量とテーブル1cのy軸方向への移動量とから、あるいはテーブル1cをx軸方向に移動させてレーザ変位計5のスポット中心位置をCCD2上で、先にレーザ変位計4のスポット中心位置について求めた位置に正確に一致させた時のテーブル1cのx軸方向への移動量と先のy軸方向への移動量とから、二つのレーザ変位計4,5の整列方向の上記測定線に対するずれ角を求めて、そのずれ角分、二つのレーザ変位計4,5の整列方向を回転させるか、あるいは上記測定線の方を回転させることで、それらのレーザ変位計4,5を上記測定線上に整列させるようにする必要がある。
【0042】
この場合の、逐次2点法による測定を実施する際のテーブル1cの送り量は、三角法により、先にテーブルを1cをy軸方向に移動させた時の移動量の二乗とスポット中心位置のx軸方向へのずれ量の二乗との和の平方根で求めても良く、あるいは二つのレーザ変位計4,5の整列方向を回転させた後、再度上述したCCD2上でスポット位置を一致させる操作を行って、その時のテーブル1cのy軸方向の移動量から求めても良い。そして上記測定線の方を回転させた場合には、テーブル1cをy軸方向へ移動させながらx軸方向へも移動させることで、二つのレーザ変位計4,5がその測定線に沿って測定対象に対し相対移動するようにして、その後の逐次2点法による測定を実施する。
【0043】
従って、この実施例においては工作機械本体1aが保持部材相対移動手段に相当するとともに制御装置1bが演算処理手段に相当し、かかる実施例の形状精度測定装置およびレーザ変位計間隔測定方法によれば、測定対象に対する変位計保持部材3の相対移動の際に二つのレーザ変位計4,5の小さなスポット径のレーザビームBのスポット中心位置を正確に一致させて、それら二つのレーザ変位計4,5から逐次2点法による精度測定のための相対変位データを得ることができるので、繰り返し測定によるデータの劣化を防止することができるとともに、スポット径中心位置と装置本体との相対位置関係を保証するために高精度の装置構成や多くの作業を要することなしに、逐次2点法の原理を満足するように、測定線に沿い所定の位置関係でレーザ変位計を移動させてデータを得ることができる。
【0044】
しかもこの実施例の装置によれば、光センサとして、比較的安価な二次元CCD2を、レーザ変位計4,5に向けて測定対象に固定して用いているので、レーザ変位計4,5のレーザビームスポットを正確に、かつ安価に検出することができる。
【0045】
ところで、上記実施例ではレーザビームスポットの検出に二次元CCD2を用いる場合を例示したが、二次元CCD2の代わりに受光面2分割光電変換素子を用い、分割線の延在方向をx軸方向に合わせて、レーザビームスポットをその光電変換素子にあてた時の分割線の両側の出力信号レベルが同じになるようにレーザ変位計4の位置を合わせた後、テーブル1cを移動させ、レーザ変位計5のレーザビームスポットでも同様な出力信号レベルを示すようにレーザ変位計5の位置を定めるようにして、両変位計の間隔を工作機械の制御装置で求めるようにしても良い。
【0046】
また、上記実施例ではテーブルおよび主軸ヘッドの両者駆動型の工作機械を用いているが、テーブル固定・門型構造駆動の工作機械やテーブル駆動・主軸ヘッド固定の工作機械、あるいは同様の駆動系をもつ三次元測定装置でも、上述した相対移動を行い得て、この発明の形状精度測定装置を構成することができる。
【0047】
図4は、この発明の逐次2点法による形状精度測定装置の他の一実施例を模式的に示す斜視図であり、図中、先の実施例と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。この実施例の形状精度測定装置では、先の実施例で測定対象に二次元CCD2を設けたのに代えて、保持部材相対移動手段としての工作機械本体1a上の適当な静止部位、例えば門形コラム1dに、二次元CCDおよび光学系を持つ電子式カメラとしてのテレビカメラ9が固定されている。
【0048】
先の実施例では、二次元CCD2がテーブル1c上に配置されているが、これを配置するには、それに応じた作業を要すること、加工中はこれを撤去しなければならないこと等に課題が残る。かかる課題を解決する方法として、この実施例では上記のように門形コラム1dにテレビカメラ9を配置固定し、そのテレビカメラ9で、レーザ変位計4,5からテーブル1c上に投射されたレーザビームのスポットBSを直接的に拡大観測し、そのテレビカメラ9の出力する画像信号を制御装置1bに入力するようにしている。なお、スポットBSの観測が容易になるように、レーザ変位計4,5の間隔に概略対応するテーブル1c上の位置にZ軸方向高さを同一として適当な反射面を設けるようにしても良い。
【0049】
この実施例の装置は、かかるテレビカメラ9で、一方のレーザ変位計4のレーザビームスポットBSからの乱反射光あるいは正反射光を撮影することで、テレビカメラ9が出力する画像信号から、そのレーザ変位計4のスポットBSの中心位置の、テーブル1c上での位置(x,y座標)を求め、その後にテーブル1cをy軸方向へ移動させ、もう一方のレーザ変位計5に対してテレビカメラ9の視野内にレーザビームスポットBSをとらえ、同様な過程でテーブル1c上での位置を求める。
これによってレーザ変位計4,5間の間隔を高精度に求め、逐次2点法を実施することができる。
【0050】
テーブル1c上に二次元CCDを設置するのではなく、テレビカメラ9を工作機械本体1aの静止部位に設置するこの実施例の装置によれば、テレビカメラ9の位置が定まっていることから、操作性が向上するのみならず、変位計の測定使用前後の確認(測定対象への測定使用の前と後で装置側の精度が変化していないことの確認)や、長期間にわたる当該装置の使用の際の定期的な精度確認が可能になり、それゆえ変位計の間隔精度に関する保守が容易になるので、精度測定作業の作業性を向上させることができる。
【0051】
ところで、レーザ変位計によれば、変位計からレーザを照射する測定対象までの距離を大きく取ることができ、変位計を誤って加工物に衝突させてしまうような事態をなくすことが可能となる。しかしながらレーザ変位計は、スポット径が小さく、レーザ光の特性と相俟って、加工面粗さ、加工面反射率、加工面材質等の影響を受け、測定値が不安定となるという不都合を有する。従って、レーザビームのスポット位置を送り間隔に正確に合わせて、逐次2点方の測定原理を満足する装置を構成しても、上記の影響により測定精度が劣化する場合がある。
【0052】
図5は、かかる不都合を解消するべく改良した測定方法を示す説明図である。
すなわち、通常の逐次2点法では、測定線に沿って4−5の組合せでレーザ変位計を送りながらデータを取得して行く。これに対し改良した測定方法では、4−5に定めた点の前後で送りを細かくして測定し、この間のデータを平均して、4−5の逐次2点取得データの代表値として、真直度誤差曲線を求める。そしてその細かい測定の間に、加工面粗さ、加工面反射率、加工面材質等により測定値の出力が欠落したり、あるいは振幅が平均的値から極度に大きくなったりしたような場合には、これを除去して平均化する操作を行う。
【0053】
上記の改良した測定方法によれば、加工面粗さ、加工面反射率、加工面材質等の影響を抑制して逐次2点法を適用することができるので、これらに広がりのある工作機械実機に測定装置を搭載することを可能ならしめることができる。
【0054】
図6(a)および(b)は、この発明の形状精度測定装置のさらに他の実施例を示す平面図および正面図であり、この実施例では、工作機械1の、テーブル固定・門型構造駆動型工作機械本体1aの主軸ヘッド1eの下端部から突出した主軸の下端部に、アタッチメント1hが交換可能に装着され、さらにそのアタッチメント1hに、工具1iが交換可能に装着され、交換可能なアタッチメント1hがアタッチメントホルダ1jに複数収納され、また交換可能な工具1iが工具マガジン1kに複数収納されていて、それらアタッチメント1hおよび工具1iが、図示しない自動交換装置により、図中点線の矢印で示すような径路を経て自動的に交換されるようになっており、上記複数のアタッチメント1hの中に、変位計保持部材3を介して二個のレーザ変位計が固定されたアタッチメント1hが含まれている。なお、アタッチメント1hに代えて、複数の工具1iの中に、変位計保持部材3を介して二個のレーザ変位計が固定された工具1iを含めるようにしても良い。
【0055】
かかる実施例の装置によれば、真直誤差曲線や平面誤差曲面の評価を、加工工程の中で容易に実現することができる。
【0056】
なお、アタッチメント1hまたは工具1iに固定する変位計保持部材3の上記四カ所の突出部3aのうち三カ所または四カ所全てに、先に述べたようにしてレーザ変位計を装着して、それら三つまたは四つのレーザ変位計を互いに直角な二つの方向に整列させるようにしても良く、このようにすれば、それら三つまたは四つのレーザ変位計のうち、互いに直角な二つの方向の何れかに整列する二つを選択的に使用することで、レーザー変位計や変位計保持部材の付け替えなしに平面度測定を行い得て、平面度測定を容易に自動的にかつ高精度に行うことができる。
【0057】
一方、変位計保持部材3が保持するレーザ変位計は二つとし、その変位計保持部材3が固定されたアタッチメント1hまたは工具1iを、保持部材回転手段に相当する上記主軸ヘッド1eでの駆動による主軸の回転によって90°回転させて、それら二つのレーザ変位計を互いに直角な二つの方向に選択的に整列させるようにしても良く、このようにすれば、レーザー変位計や変位計保持部材の付け替えなしに平面度測定を行い得て、平面度測定を容易に自動的にかつ高精度に行うことができる。
【0058】
そしてそれらの場合に、先ずX軸またはY軸方向について逐次2点法による測定を行い、その後、その各測定点から残るY軸またはX軸方向について逐次2点法による測定を行えば、平面度測定をより高精度に行うことができる。
【0059】
かくしてこの発明によれば、これまでその長所が認められながらも変位計に伴う問題点のために工作機械、三次元測定装置等では実用に至っていなかった逐次2点真直度測定法について、レーザ変位計を用い得るようにして問題点を克服したので、工作機械の加工精度および加工能率の向上を図ることができ、また、三次元測定装置ではキャリブレーションに用いることで、誤差空間の評価と測定精度の向上、測定精度の維持、管理等を行うことができる。
【0060】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば上記実施例では、工作機械の制御装置が、レーザ変位計間隔の演算処理および逐次2点法の演算処理を行っているが、それらの演算処理を、制御装置と別途に設けたコンピュータで行うようにしても良い。また、上記実施例では、光センサとして2次元CCDを用いているが、機構的に二つのレーザ変位計を測定線上に正確に整列させ得る場合には、y軸方向へ延在するように一次元CCD(いわゆるラインセンサ)を配置して用いても良い。
【0061】
また、この発明においては、光センサとして上記二次元CCDやそれを内蔵した上記テレビカメラ等の二次元光センサを用いて形状精度測定装置を構成し、レーザ変位計の間隔を求める際に変位計保持部材が、形状精度の測定対象に対して設定した測定線の延在方向に概略沿って二つのレーザ変位計を一定間隔をあけて整列させるとともにそれら二つのレーザ変位計を前記測定対象から概略等距離離間させてその測定対象に向けて保持し、保持部材相対移動手段が、先ず前記変位計保持部材を前記測定線に沿って前記測定対象に対し相対移動させ、その後に前記二つのレーザ変位計の整列方向へ相対移動させ、二次元光センサが、前記測定対象に照射される前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの位置を前記変位計保持部材の相対移動に伴って順次に検出するようにするとともに、演算処理手段が、前記測定対象に対する前記変位計保持部材の前記測定線に沿う相対移動に伴って前記測定対象における前記二つのレーザ変位計のうちの一方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置から他方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置までの前記変位計保持部材の相対移動量と、前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの前記二次元光センサ上での照射位置とから前記二つのレーザ変位計の間隔と整列方向とを求め、その求めた前記二つのレーザ変位計の間隔に等しい距離だけ前記変位計保持部材がその求めた前記二つのレーザ変位計の整列方向へ相対移動する毎に前記二つのレーザ変位計の出力信号を取り込み、それらの出力信号を逐次2点法に基づいて演算処理して前記測定対象の真直誤差曲線を求め、それを出力するようにしても良い。
【0062】
このようにすれば、先の実施例と同様に、繰り返し測定によるデータの劣化を防止することができるとともに、スポット径中心位置と装置本体との相対位置関係を保証するために高精度の装置構成や多くの作業を要することなしに、逐次2点法の原理を満足するように、測定線に沿い所定の位置関係でレーザ変位計を移動させてデータを得ることができるとともに、特に、変位計保持部材を正確にかつ自動的に二つのレーザ変位計の整列方向に移動させ得るので、当該装置を工作機械等に搭載して逐次2点法による形状精度測定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の逐次2点法による形状精度測定用レーザ変位計間隔測定方法の一実施例を実施するようにNC工作機械を用いて構成された、この発明の逐次2点法による形状精度測定装置の一実施例を模式的に示す斜視図である。
【図2】 (a),(b)および(c)は、上記実施例の装置で使用している変位計保持部材を拡大して示す正面図、下面図および、正面図中のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 上記実施例の装置における、二次元CCDの出力信号から二つのレーザ変位計間の距離を求める構成を機能的に示すブロック線図である。
【図4】 この発明の逐次2点法による形状精度測定装置の他の一実施例を模式的に示す斜視図である。
【図5】 レーザ変位計を用いた逐次2点法における改良した測定方法を示す説明図である。
【図6】 (a)および(b)は、この発明の形状精度測定装置のさらに他の実施例を示す平面図および正面図である。
【符号の説明】
1 工作機械
1a 工作機械本体
1b 制御装置
1c テーブル
1d 門形コラム
1e 主軸ヘッド
1h アタッチメント
1i 工具
1j アタッチメントホルダ
1k 工具マガジン
2 CCD
3 変位計保持部材
4,5 レーザ変位計
6 ガイドロッド
7 マイクロメータ
8 ブラケット
9 テレビカメラ

Claims (5)

  1. 形状精度の測定対象(1c)に対して設定した測定線の延在方向に概略沿って二つのレーザ変位計(4, 5)を一定間隔をあけて整列させるとともにそれら二つのレーザ変位計を前記測定対象から概略等距離離間させてその測定対象に向けて保持する変位計保持部材(3)と、前記変位計保持部材を前記測定対象に対し前記測定線の延在方向へ相対移動させるとともに前記二つのレーザ変位計の整列方向へ相対移動させる保持部材相対移動手段(1a)と、前記測定対象に照射される前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの位置を前記変位計保持部材の相対移動に伴って順次に検出する二次元光センサ(2)と、前記測定対象に対する前記変位計保持部材の前記測定線に沿う相対移動に伴って、前記測定対象における前記二つのレーザ変位計のうちの一方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置から他方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置までの前記変位計保持部材の相対移動量と、前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの前記二次元光センサ上での照射位置とから前記二つのレーザ変位計の間隔と整列方向とを求め、前記測定対象に対する前記変位計保持部材の前記二つのレーザ変位計の整列方向への相対移動に伴って前記二つのレーザ変位計の間隔に等しい距離だけ前記変位計保持部材が相対移動する毎に前記二つのレーザ変位計の出力信号を取り込み、それらの出力信号を逐次2点法に基づいて演算処理して前記測定対象の真直誤差曲線を求める演算処理手段(1b)と、を具えることを特徴とする、逐次2点法による形状精度測定装置。
  2. 前記変位計保持部材は、互いに直角な二つの方向に整列させて少なくとも三つのレーザ変位計を保持することを特徴とする、請求項1記載の逐次2点法による形状精度測定装置。
  3. 前記変位計保持部材を90°回転させて前記二つのレーザ変位計を互いに直角な二つの方向に選択的に整列させる保持部材回転手段を具えることを特徴とする、請求項1または2記載の逐次2点法による形状精度測定装置。
  4. 逐次2点法による形状精度測定を、二つのレーザ変位計を用いて行うために、逐次2点法に用いる変位計間隔として前記二つのレーザ変位計の間隔を求めるに際し、形状精度の測定対象に対して設定した測定線の延在方向に沿って前記二つのレーザ変位計を一定間隔をあけて整列させるとともにそれら二つのレーザ変位計を前記測定対象から概略等距離離間させてその測定対象に向けて保持し、それら二つのレーザ変位計を前記保持状態のまま前記測定線に沿って前記測定対象に対し相対移動させ、前記測定対象に照射される前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの位置を前記相対移動に伴って光センサで順次に検出し、前記相対移動に伴って前記測定対象における前記二つのレーザ変位計のうちの一方のレーザ変位計からのレーザビームの位置に他方のレーザ変位計からのレーザビームの位置が一致するまでの前記相対移動の移動量から前記二つのレーザ変位計の間隔を求めることを特徴とする、逐次2点法による形状精度測定用レーザ変位計間隔測定方法。
  5. 逐次2点法による形状精度測定を、二つのレーザ変位計を用いて行うために、逐次2点法に用いる変位計間隔として前記二つのレーザ変位計の間隔を求めるに際し、形状精度の測定対象に対して設定した測定線の延在方向に概略沿って前記二つのレーザ変位計を一定間隔をあけて整列させるとともにそれら二つのレーザ変位計を前記測定対象から概略等距離離間させてその測定対象に向けて保持し、それら二つのレーザ変位計を前記保持状態のまま前記測定線に沿って前記測定対象に対し相対移動させ、前記測定対象に照射される前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの位置を前記相対移動に伴って二次元光センサで順次に検出し、前記測定対象に対する前記変位計保持部材の前記測定線に沿う相対移動に伴って、前記測定対象における前記二つのレーザ変位計のうちの一方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置から他方のレーザ変位計からのレーザビームが前記二次元光センサ上に照射される位置までの前記変位計保持部材の相対移動量と、前記二つのレーザ変位計からのレーザビームの前記二次元光センサ上での照射位置とから前記二つのレーザ変位計の間隔を求めることを特徴とする、逐次2点法による形状精度測定用レーザ変位計間隔測定方法。
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