JP4062090B2 - 人感センサユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光面を備えた本体を回転させて所定の位置で固定することにより検知エリアを移動できる人感センサユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の人感センサユニットとして特開平9−304548号公報に開示さたものがある。図14、図15は、これに開示された人感センサユニットの図で、図14(a)はこのものの正面図、図14(b)は側面図、図15は外観斜視図である。このものは検知対象の存在の有無を検出するセンサ素子(図示せず)と、これを内蔵する略円筒状の円筒状本体1と、この円筒状本体1の側周面に設けられ外からの光を導入させて前記センサ素子に略集光させる受光面1aと、円筒状本体1の両側で支持し円筒状本体1を筒の軸を中心に回転させて受光面1aを移動させる支持体2と、を備えて構成されている。
【0003】
円筒状本体1は、筒端部の略中心に設けられた回動軸1xと、一定の角度毎に設けられた9個の角度調整手段としての凹部14と、各凹部14の角度を示す1〜9までの数字が刻まれた表示15とを備えている。支持体2は、平板を断面L字に折り曲げ形成したもので、円筒状本体1の両側にその垂直片を突き合わせるように設けられている。
【0004】
この人感センサユニットは、図15に示すように、回動軸1xを支持体2の孔20に挿通させて、支持体2によって回動自在に支持されている。このとき円筒状本体1の筒端部に設けられた凹部14に支持体2の凸部26を係止離脱自在に係止させることによって、人感センサユニットの取り付け角度すなわち受光面1aの角度を所望の角度に保持している。また、支持体2に穿設された窓孔27から円筒状本体1の筒端部に設けられた表示15の数字を読み取ることができるので、円筒状本体1の取り付け角度を調整する際の目安となり、調整作業を容易に行うことができるものとなっている。
【0005】
このように構成された人感センサユニットは、例えば、図16に示すような階段用の照明器具に使用される。すなわち照明器具の両端部に各1ケづつ人感センサユニット100を取り付け、各々の受光面1aを適宜、上下に回動して調整することにより、一方の人感センサユニットで上階に通じる階段における検知対象の存在の有無が検知でき、他方の人感センサユニットで下階に通じる階段における検知対象の存在の有無を検知できるものとなっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−304548号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで前記した人感センサユニットは、円筒状本体1の上下と取り付け面との間に生じる隙間、例えば円筒状本体1と照明器具の本体との隙間や、回転軸1xなどが外部から見えるので、デザイン的に上下の隙間や回転軸1xを見えなくすることが望まれていた。さらに円筒状本体1や表示15が外部から見えると心理的に円筒状本体1を回転させたくなることがあり、いたずらを防止する意味でも外部からは、表示15を見えなくしたり、円筒状本体1が回転するものであることに気づかないようにすることが望まれていた。
【0008】
図17〜図19に示した人感センサユニットは、前記したことを考慮して出願人が考案したものである。この人感センサユニットは、検知対象の存在の有無を検出するセンサ素子(図示せず)と、これを内蔵する略円筒状の円筒状本体1と、この円筒状本体1の側周面に設けられ外からの光を導入させて前記センサ素子に略集光させる受光面1aと、円筒状本体1を両側で支持し円筒状本体1を筒の軸を中心に回転させて受光面1aを移動させる支持体2と、円筒状本体1の両側の筒端部を略覆うとともに受光面1aに光を到達させるための透光開口3bxを有した本体カバー3と、を備えて構成されている。
【0009】
このものを詳しく説明すると、センサ素子は、人体などから発する赤外線を検出する焦電センサであり、円筒状本体1の内部の中央部分に配設されている。
【0010】
円筒状本体1は、その筒端部の略中心に設けられ円筒状本体1の回転の中心となる回動軸1xと、筒端部に一定の角度毎に設けられた7個の角度調整手段としての凹部14と、各凹部14の角度を示す1〜7までの数字が刻まれた表示15と、を備えている。
【0011】
受光面1aは、円筒状本体1の側周面に設けられ赤外線をセンサ素子に略集光させるもので、通常は、フレネルレンズなどで形成されている。
【0012】
支持体2は、断面略コ字状をなしたもので、略コ字状の対向する片で円筒状本体1の両側の筒端部を挟み込んでいる。そして、略コ字状の対向する片には、円筒状本体1の回動軸1xを挿通して円筒状本体1を支持、回転させる孔20と、円筒状本体1の筒端部に設けられた凹部14と係止離脱自在に係止することによって人感センサユニットの取り付け角度すなわち受光面1aの角度を所望の角度に保持する凸部26と、締め付けることにより略コ字状の対向する片の間隔が狭くなり凸部26と凹部14とが嵌合状態となる固定ネジ21と、円筒状本体1の筒端部に設けられた表示15の数字を読み取ることができるように穿設された窓孔27と、を備えている。
【0013】
本体カバー3は、前記した上下の隙間や回転軸1xを外部から見えにくくした方形のカバー枠部3aと、円筒状本体1の両側の筒端部や表示15を外部から見えにくくした略半円状のカバー側面部3bと、を備えている。カバー枠部3aは、円筒状本体1の受光面1a側が貫通する貫通口3axを中央部分に有し、カバー側面部3bは、貫通口3axを貫通した円筒状本体1の筒端部を略覆うように貫通口3aの周縁より前面側に形成されている。そして、本体カバー3は、その上部を支持体2に対して回動自在に取り付けられている。
【0014】
このように構成された人感センサユニットの受光面1aの角度の調整方法は、以下の通りである。まず、図10に示すように、本体カバー3を回動させて上側に開き、固定ネジ21を緩める。そして円筒状本体1を適宜、回転させて受光面1aを所望の位置に仮決めする。このとき窓孔27から表示15の数字を読み取って受光面1aの角度を調整する際の目安とすればよい。そして、所望の位置が決まると固定ネジ21を締め付ける。これにより図19に示した支持体2の凸部26が円筒状本体1の凹部14に嵌り込み円筒状本体1が固定される。さらに、本体カバー3を下側に回動させて閉めることにより調整が完了する。このとき回転軸1xや前記した上下の隙間や円筒状本体1の筒端部や表示15などが本体カバー3により隠されるので、外部からは見えにくくなる。
【0015】
このものは本体カバー3を設けることにより、回転軸1xや上下の隙間を見えにくくしてデザイン性を向上できるとともに、円筒状本体1の筒端部や表示15を外部から見えにくくしてその存在を他人に気づかれにくくできるものであった。さらに固定ネジ21で円筒状本体1を固定しているので、外部から受光面1aに触れても、受光面1aは容易に回転しないようにできるものであった。
【0016】
ところが、このものでは、受光面1aの角度を調整するときには、まず、本体カバー3を上側に回動させて開け、さらに固定ネジ21を緩めて円筒状本体1が回転できる状態にする操作手順が必要であった。また、受光面1aが所望の位置に決った後は、固定ネジ21を締め付けて円筒状本体1が回転しない状態にし、さらに本体カバー3を下側に回動させて閉める操作手順が必要であった。従って、人感センサユニットをビルなどに多数配設する場合などは、調整に時間がかかるものとなっていた。
【0017】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、受光面の角度を調整するときの操作手順が削減できる人感センサユニットを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の人感センサユニットは、検知対象の存在の有無を検出するセンサ素子と、これを内蔵する略円筒状の円筒状本体と、この円筒状本体の側周面に設けられ外からの光を導入させて前記センサ素子に略集光させる受光面と、前記円筒状本体を支持するとともに前記円筒状本体を筒の軸を中心に回転させて受光面を移動させる支持体と、を備えた人感センサにおいて、前記受光面に光を到達させるための透光開口を有した本体カバーを設け、この本体カバーを支持体に取付けて前記円筒状本体の両側の筒端部を略覆うセット状態にしたときに前記円筒状本体が回転しないようにし、本体カバーを支持体から外した状態にしたときに前記円筒状本体が回転可能にする回転止め機構を設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項2に係る発明の人感センサユニットは、請求項1において、前記回転止め機構は、前記本体カバーが前記支持体に圧力を加えることによって、前記支持体が前記円筒状本体を回転しないようにするものであることを特徴とする。
【0020】
請求項3に係る発明の人感センサユニットは、請求項2において、前記回転止め機構は、前記本体カバーに設けられた一対の挟持片を有し、この挟持片によって前記支持体を外側から挟み込むとともに前記支持体を介して前記円筒状本体の両側の筒端部を挟持するものであることを特徴とする。
【0021】
請求項4に係る発明の人感センサユニットは、請求項3において、前記回転止め機構は、前記本体カバーが前記セット状態にないときには前記受光面を所定の角度で仮止めできる仮止め部を有し、前記本体カバーが前記セット状態にあるときには前記仮止め部がさらに前記円筒状本体が回転しないように作用するものであることを特徴とする。
【0022】
請求項5に係る発明の人感センサユニットは、請求項3又は4において、前記本体カバーは、その一部が前記支持体に係合される係合部を有し、前記支持体は前記係合部を支持する係合支持部を有し、前記本体カバーの前記係合部は、前記係合支持部に係合されながら手前に引き出せるものであることを特徴とする。
【0023】
請求項6に係る発明の人感センサユニットは、請求項5において、前記本体カバーは、前記手前に引き出した状態で前記係合部を軸として回動できるものであることを特徴とする。
【0024】
請求項7に係る発明の人感センサユニットは、請求項4において、前記円筒状本体から奥方向に延設される延設片を設け、この延設片の先端部分に前記仮止め部を設け、この仮止め部の周縁に円筒状本体の回転角度に応じた目盛を表示したことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1、図2を用いて説明する。図1は人感センサユニットを上から見た断面図、図2は本体カバーの斜視図である。
【0026】
この人感センサユニットは、検知対象の存在の有無を検出するセンサ素子(図示せず)と、これを内蔵する略円筒状の円筒状本体1と、この円筒状本体1の側周面に設けられ外からの光を導入させてセンサ素子に略集光させる受光面1aと、円筒状本体1を支持するとともに円筒状本体1を筒の軸を中心に回転させて受光面1aを移動させる支持体2と、円筒状本体1の両側の筒端部を略覆うとともに受光面1aに光を到達させるための透光開口を有した本体カバー3と、を備えて構成されている。なお、このものにおいて、センサ素子と円筒状本体1と受光面1aと支持体2とは、図10を用いて説明したものと同じものを用いている。また、以下の説明において図1、図2に図示されていない符号については、図10にて図示したものと同じものが存在していることとする。
【0027】
以下、各々の構成部材について詳細な説明を行なう。センサ素子は、人体などから発する赤外線を検出する焦電センサであり、円筒状本体1の内部の中央部分に配設されている。
【0028】
円筒状本体1は、その筒端部の略中心に設けられ円筒状本体1の回転の中心となる回動軸1xと、筒端部に一定の角度毎に設けられた7個の角度調整手段としての凹部14と、各凹部14の角度を示す1〜7までの数字が刻まれた表示15と、を備えている。
【0029】
受光面1aは、円筒状本体1の側周面に設けられ赤外線をセンサ素子に略集光させるもので、通常は、フレネルレンズなどで形成されている。
【0030】
支持体2は、断面略コ字状をなしたもので、略コ字状の対向する片で円筒状本体1の両側の筒端部を挟み込んでいる。そして、略コ字状の対向する片には、円筒状本体1の回動軸1xを挿通して円筒状本体1を支持、回転させる孔20と、円筒状本体1の筒端部に設けられた凹部14と係止離脱自在に係止することによって人感センサユニットの取り付け角度すなわち受光面1aの角度を所望の角度に保持する凸部26と、円筒状本体1の筒端部に設けられた表示15の数字を読み取ることができるように穿設された窓孔27と、を備えている。また、円筒状本体1の筒端部に設けられた凹部14と、係止離脱自在に係止される凸部26と、により円筒状本体1が仮止めできる仮止め部Aを形成している。
【0031】
本体カバー3は、従来の技術で説明した上下の隙間や回転軸1xを外部から見えにくくした方形のカバー枠部3aと、円筒状本体1の両側の筒端部や表示15を外部から見えにくくした略半円状のカバー側面部3bと、を備えている。そしてカバー枠部3aは、円筒状本体1の受光面1a側が貫通する貫通口3axを中央部分に有し、カバー側面部3bは、貫通口3axを貫通した円筒状本体1の筒端部を略覆うように貫通口3axの周縁より手前側に形成されている。
【0032】
ここで重要なことは、本体カバー3を円筒状本体1の両側の筒端部を略覆うセット状態にしたときに円筒状本体1が回転しないようにする回転止め機構を設けたことである。すなわち、この回転止め機構を本体カバー3が支持体2に圧力を加えることによって、支持体2が円筒状本体1を回転しないようにしたことである。
【0033】
これを詳しくのべると、回転止め機構は、本体カバー3に設けられた一対の挟持片を有し、この挟持片によって、支持体2を外側から挟み込むとともに支持体2を介して円筒状本体1の両側の筒端部を挟持して円筒状本体1が回転しないようにしている。具体的には、カバー側面部3bの内側壁面に沿って貫通口3axと略直交するように凸状のリブ3bkを設けることによりカバー側面部3bが前記した挟持片となる。そして、本体カバー3をセット状態すなわち、本体カバー3のカバー側面部3bが円筒状本体1の両側の筒端部を略覆う状態にしたときに、カバー側面部3bの凸状のリブ3bkが支持体2に当接して、支持体2を外側から挟み込み、支持体2を介して円筒状本体1の両側の筒端部を挟持して、円筒状本体1が回転しないようにしている。
【0034】
また、この挟持された状態では、円筒状本体1の筒端部に設けられた凹部14に支持体2の凸部26がさらに入り込むため、凹部14と凸部26で構成された仮止め部Aが、さらに円筒状本体1が回転しないように作用するものとなり、円筒状本体1が確実に固定されるようになる。
【0035】
このように構成された人感センサユニットの受光面1aの角度の調整方法は、以下の通りである。まず、本体カバー3を手前に引き支持体2から取り外す。次に円筒状本体1を適宜、回転させて受光面1aを所望の位置に仮決めする。このとき窓孔27から表示15の数字を読み取って受光面1aの角度を調整する際の目安とすればよい。そして、所望の位置が決まると本体カバー3を支持体2に取り付けて、前記したセット状態すなわち本体カバー3が円筒状本体1の両側の筒端部を略覆う状態にセットする。これにより図1に示した支持体2の凸部26が円筒状本体1の凹部14に嵌り込み円筒状本体1が固定されるので、仮止め部Aがさらに円筒状本体1が回転しないように作用するとともに、カバー側面部3bの凸状のリブ3bkが支持体2に当接して、支持体2を外側から挟み込み、支持体2を介して円筒状本体1の両側の筒端部を挟持しするので、円筒状本体1は、回転しないように固定される。このとき回転軸1xや上下の隙間や円筒状本体1の筒端部や表示15などが本体カバー3により隠されるので、外部からは見えにくくなる。
【0036】
この実施の形態によると、受光面1aに光を到達させるための透光開口3bxを有した本体カバー3を設け、この本体カバー3を円筒状本体1の両側の筒端部を略覆うセット状態にしたときに円筒状本体1が回転しないようにする回転止め機構を設けたことにより、本体カバー3を支持体2から外すだけで、受光面1aの角度を調整できるようになり、角度調整後は、本体カバー3を支持体2に取り付けてセット状態にするだけで、円筒状本体1が回転しないように固定されるものとなるので、角度調整のために、例えば、固定ネジを緩めたり、これを締め付けたりという操作が不要となり、受光面の角度を調整するときの操作手順が削減できるものとなる。
【0037】
また、回転止め機構は、本体カバー3が支持体2に圧力を加えることによって、支持体2が円筒状本体1を回転しないようにするものであることにより、回転軸1xや上下の隙間や円筒状本体1の筒端部や表示15などを隠す本体カバー3によって回転止め機構ができるものとなるので、専用の構成部材の追加を行なわなくてもよいものとなる。
【0038】
また、回転止め機構は、本体カバー3に設けられた一対の挟持片を有し、この挟持片によって支持体2を外側から挟み込むとともに支持体2を介して円筒状本体1の両側の筒端部を挟持するものであることにより、本体カバー3のカバー側面部3bに凸状のリブ3bkを設けるなどの簡単な方法で、カバー側面部3bを挟持片とすることができ、回転止め機構が容易にできるものとなる。
【0039】
また、回転止め機構は、本体カバー3がセット状態にないときには受光面1aを所定の角度で仮止めできる仮止め部Aを有し、本体カバー3がセット状態にあるときには仮止め部Aがさらに円筒状本体1が回転しないように作用するものとしたことにより、円筒状本体1がより確実に回転しないように固定できるものとなる。なお、仮止め部Aには、凸部26と凹部14に示したように、本体カバー3をセット状態にしたときに、その嵌合度合いがさらに強くなるものを使用すればさらに有効なものとなる。
【0040】
なお、支持体2に金属の平板を折り曲げ形成したものを使用した場合、図3に示したように断面コ字状をなした支持体2の先端に、金型加工を行なった場合のカエリ2kがあると、本体カバー3がスムーズに支持体2にセットできないものとなる。図4は、これを防ぐための応用例を示す図で、本体カバー3と支持体2の斜視図、図5は、本体カバー3が支持体2にセットされるときの動きを示した説明図である。
【0041】
このものは、断面コ字状をなした支持体2の先端部分すなわち、カエリ2kが発生している先端より内側に蒲鉾形状のカエリ回避用凸部2eを設けている。なお、その他の構成部材は、前記したものと同一のものを使用している。また、第1の実施の形態と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。このものの本体カバー3の取り付けは、図5(a)に示すとおり、支持体2の先端に生じたカエリ2kよりも先にカエリ回避用凸部2eが凸状のリブ3bkに当接し、さらに、そのまま図5(b)に示したように挿入されるのでカエリ2kが本体カバー3に引っ掛からず本体カバー3がスムーズに支持体2にセットできるものとなる。
【0042】
なお、図10を用いて説明した人感センサユニットは、本体カバー3が、その上部を支持体2に対して回動自在に取り付けられているが、このものは回動自在に取り付けられた回動軸に対して円筒状本体1を手前に突出して設けることは、できない。これを図6の本体カバー3の動きを示す模式図を用いて説明する。図6(a)は、本体カバー3がセット状態にあるときの図で、その回動軸3Zに対して円筒状本体1が手前に突出している。この状態で本体カバー3を回動させると、図6(b)のように、本体カバー3のカバー枠部3aが円筒状本体1に当接してしまい、本体カバー3が開かないものとなる。これを回避するには本体カバー3の貫通口3axを上下に広げる必要があるが、これは埃などが内部に侵入するうえ、デザイン的にも好ましいものではなかった。しかし、第1の実施の形態で説明した人感センサユニットであれば、本体カバー3を前後に動かして支持体2に取り付けるものなので、貫通口3axは広げる必要はなく、デザイン的にも好ましいものとなる。
【0043】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図7、図8を用いて説明する。図7は人感センサユニットの分解斜視図である。このものは、第1の実施の形態における人感センサユニットの本体カバー3の支持体2への取り付けを変えたものである。すなわち、本体カバー3の一部に支持体2に係合される係合部3adを設け、支持体2に係合部3adを支持する係合支持部2dを設け、本体カバー3の係合部3adは、係合支持部2dに係合されながら手前に引き出せるものとしたことである。
【0044】
このものを詳しく説明すると、係合支持部2dは、支持体2に貫通口3axに対して略直交するように設けられた長孔であり、上下、左右の4ケ所に設けられている。また、係合部3adは、本体カバー3に貫通口3axに対して略直交して後ろ側に突出して上下、左右の4ケ所に設けられた突出片3acの各々の先端部に設けられた凸状の軸部である。そして、係合部3adすなわち軸部を係合支持部2dすなわち長孔に係合させることにより係合部3adは、係合支持部2dにガイドされて本体カバー3が手前に引き出せるものとなる。なお、その他の第1の実施の形態と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0045】
次に、このものの動作を説明する。図8は人感センサユニットの側面図で、図8(a)は本体カバー3を円筒状本体1の両側の筒端部を略覆うセット状態にしたときの側面図である。この場合、第1の実施の形態で説明したものと同様に凸状のリブなどで構成された仮止め機構が存在するので、第1の実施の形態で説明したものと同様に円筒状本体1は回転しないように固定される。この状態から、受光面1aの角度を調整するには、図8(b)の本体カバーがセット状態にないときの側面図で示すように、本体カバー3を手前に引き出だせばよい、すなわち本体カバー3を手前に引くことにより係合部3adが係合支持部2dにガイドされて本体カバー3が手前に引き出されるものとなる。なお、この後の受光面1aの角度を調整などは、第1の実施の形態で説明したものと同じで、調整後は、本体カバー3を図8(a)のセット状態にすることで円筒状本体1は回転しないように固定される。
【0046】
この実施の形態によると、本体カバー3は、その一部が支持体2に係合される係合部3adを有し、支持体2は係合部3adを支持する係合支持部2dを有し、本体カバー3の係合部3adは、係合支持部2dに係合されながら手前に引き出せるものとしたことにより、図6の模式図を用いて説明したもののように本体カバー3のカバー枠部3aが円筒状本体1に当接してしまい、本体カバー3が開かないものとはならない。従って、貫通口3axは広げる必要はなく、デザイン的にも好ましいものとなる。また、常に、本体カバー3が支持体2に係合されているので、受光面1aの角度を調整するときなどは、本体カバー3を紛失するようなことがなくなるものとなる。
【0047】
次に、第2の実施の形態の応用例を説明する。図9は、人感センサユニットの分解斜視図、図10は人感センサユニットの側面図で、図10(a)は本体カバーを円筒状本体の両側の筒端部を略覆うセット状態にしたときの側面図、図10(b)は、本体カバーがセット状態にないときの側面図である。この応用例は、第2の実施の形態で説明したものの、係合部3adと係合支持部2dを変えたものである。つまり、係合支持部2dは、支持体2に貫通口3axに対して略直交するように設けられた長孔であり、支持体2の上部の左右の2ケ所に設けられている。また、これに対応した係合部3adは、本体カバー3に貫通口3axに対して略直交して後ろ側に突出して本体カバー3の上部の左右の2ケ所に設けられた突出片3acの各々の先端部に凸状の軸部として設けられている。このものは、第2の実施の形態で説明したものと同様に、本体カバー3を手前に引き出すことができ、しかも図8(b)に示したように、本体カバー3が手前に引き出された状態で、係合部3adつまり凸状の軸部を軸として本体カバー3を符号xxの方向に回動できるものとなる。
【0048】
この応用例によると、本体カバー3は、に引き出した状態で係合部3adを軸として回動できるものとしたことにより、本体カバー3により受光面1aの角度を調整がより行ないやすくなるだけでなく、本体カバー3が受光面1aの手前側に位置されないものとなるので、実際に検知対象を検知しながら受光面1aの調整ができるものとなる。
【0049】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図12、図13を用いて説明する。図12は人感センサユニットの要部分解斜視図、図13は、表示部分を説明するための要部側面図である。このものは、第2の実施形態における人感センサユニットの表示を見やすくしたものである。
【0050】
このものは、円筒状本体1から奥方向に延設される延設片2cを設け、この延設片2cの先端部分に仮止め部Aを設け、この仮止め部Aの周縁に円筒状本体1の回転角度に応じた目盛25を表示したものである。そなわち、円筒状本体1の受光面1aが設けられた面の裏側に筒端部から奥方向に延設される延設片2cを設け、この延設片2cの先端部分に凸部16を設け、さらにこの凸部16が挿入される凹部28を支持体2のコ字状の対向する片に8ケ設けている。そして、この8コの凹部28の周縁に円筒状本体1の回転角度に応じた1〜8までの目盛25を表示している。その他の第1の実施の形態と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。なお、図に示されないもので最低必要な構成部材は図7で示したものと同じものを使用している。
【0051】
この実施の形態によると、円筒状本体1から奥方向に延設される延設片2cを設け、この延設片2cの先端部分に仮止め部Aを設け、この仮止め部Aの周縁に円筒状本体1の回転角度に応じた目盛25を表示したことにより、図11に示したもののように円筒状本体1が図11(a)のものより、図11(b)のものに小さくなって、表示14が見にくくなったとしても、表示25を大きいものとすることができ、受光面1aの角度を調整が行ないやすいものとなる。
【0052】
なお、図13はこの実施の形態の応用例を説明したものである。図13(a)は従来のものであり、図13(b)は図12を用いて説明したものである。さらに、図13(c)は延設片2cを長くして細かな角度で調整できるようにしたものであり、図13(d)はさらに円筒状本体1を小さくしたものである。
【0053】
なお、第1の実施の形態や第2の実施の形態において、支持体2や凸状のリブ3bkやカバー側面部3bについては、その何れかが弾性変形するものが望ましく、ここでは支持体2に板バネ状に弾性変形するものを使用している。
【0054】
また、これらものは、固定ネジ21の締め付けを行なうものと比べ、例えば照明器具の本体と支持体2との隙間に手を挿入して行なう必要がないので、照明器具の本体のバリ加工などは、不用なものとなる。さらに、固定がネジ止21で締め付けるより早くてやりやすいものとなる。
【0055】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、検知対象の存在の有無を検出するセンサ素子と、これを内蔵する略円筒状の円筒状本体と、この円筒状本体の側周面に設けられ外からの光を導入させて前記センサ素子に略集光させる受光面と、前記円筒状本体を支持するとともに前記円筒状本体を筒の軸を中心に回転させて受光面を移動させる支持体と、を備えた人感センサにおいて、前記受光面に光を到達させるための透光開口を有した本体カバーを設け、この本体カバーを支持体に取付けて前記円筒状本体の両側の筒端部を略覆うセット状態にしたときに前記円筒状本体が回転しないようにし、本体カバーを支持体から外した状態にしたときに前記円筒状本体が回転可能にする回転止め機構を設けたことにより、本体カバーを支持体から外すだけで、受光面の角度を調整できるようになり、角度調整後は、本体カバーを支持体に取り付けてセット状態にするだけで、円筒状本体が回転しないように固定されるものとなるので、受光面の角度を調整するときの操作手順が削減できるものとなる。
【0056】
請求項2記載の発明にあっては、前記回転止め機構は、前記本体カバーが前記支持体に圧力を加えることによって、前記支持体が前記円筒状本体を回転しないようにするものであることにより、請求項1に記載した効果を奏するうえに、本体カバーによって回転止め機構ができるものとなるので、専用の構成部材の追加を行なわなくてもよいものとなる。
【0057】
請求項3記載の発明にあっては、前記回転止め機構は、前記本体カバーに設けられた一対の挟持片を有し、この挟持片によって前記支持体を外側から挟み込むとともに前記支持体を介して前記円筒状本体の両側の筒端部を挟持するものであることにより、請求項2に記載した効果を奏するうえに、本体カバーのカバー側面部に凸状のリブを設けるなどの簡単な方法で、カバー側面部を挟持片とすることができ、回転止め機構が容易にできるものとなる。
【0058】
請求項4記載の発明にあっては、前記回転止め機構は、前記本体カバーが前記セット状態にないときには前記受光面を所定の角度で仮止めできる仮止め部を有し、前記本体カバーが前記セット状態にあるときには前記仮止め部がさらに前記円筒状本体が回転しないように作用するものであることにより、請求項3に記載した効果を奏するうえに、円筒状本体がより確実に回転しないように固定できるものとなる。
【0059】
請求項5記載の発明にあっては、前記本体カバーは、その一部が前記支持体に係合される係合部を有し、前記支持体は前記係合部を支持する係合支持部を有し、前記本体カバーの前記係合部は、前記係合支持部に係合されながら手前に引き出せるものであることにより、請求項3又は4に記載した効果を奏するうえに、本体カバーが支持体に係合されているので、受光面の角度を調整するときなどは、本体カバーを紛失するようなことがなくなるものとなる。
【0060】
請求項6記載の発明にあっては、前記本体カバーは、前記手前に引き出した状態で前記係合部を軸として回動できるものであることにより、請求項5に記載した効果を奏するうえに、受光面の角度を調整する際に、本体カバーが当たりにくくなり、より調整が行ないやすくなるだけでなく、本体カバーが受光面の手前側に位置されないものとなるので、実際に検知対象を検知しながら受光面の調整ができるものとなる。
【0061】
請求項7記載の発明にあっては、前記円筒状本体から奥方向に延設される延設片を設け、この延設片の先端部分に前記仮止め部を設け、この仮止め部の周縁に円筒状本体の回転角度に応じた目盛を表示したことにより、請求項4に記載した効果を奏するうえに、表示を大きいものとすることができ、受光面の角度の調整が行ないやすいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る人感センサユニットの上から見た断面図である。
【図2】同上の人感センサユニットの本体カバーの斜視図である。
【図3】同上の人感センサユニットの支持体の先端に発生したカエリを説明するための図で、人感センサユニットを上から見た断面図と、その要部断面図である。
【図4】同上の人感センサユニットの応用例を示す図で、本体カバーと支持体の斜視図である。
【図5】同上の人感センサユニットの本体カバーが支持体にセットされるときの動きを示した説明図である。
【図6】図10で示した人感センサユニットの本体カバーの動きを示す模式図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る人感センサユニットの分解斜視図である。
【図8】同上の人感センサユニットの側面図で、図8(a)は本体カバーを円筒状本体の両側の筒端部を略覆うセット状態にしたときの側面図、図8(b)は本体カバーがセット状態にないときの側面図を示す。
【図9】同上の人感センサユニットの応用例を示す図で、人感センサユニットの分解斜視図である。
【図10】同上の人感センサユニットの側面図で、図10(a)は本体カバーを円筒状本体の両側の筒端部を略覆うセット状態にしたときの側面図、図10(b)は、本体カバーがセット状態にないときの側面図である。
【図11】同上の人感センサユニットの円筒状本体を小型化したときの説明図で、図11(a)は小型化をする前の円筒状本体の側面図、図11(b)小型化をした後の円筒状本体の側面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る人感センサユニットの人感センサユニットの要部分解斜視図である。
【図13】同上の人感センサユニットの表示部分を説明するための要部側面図である。
【図14】従来例に係る人感センサユニットの図で、図14(a)は側面図、図14(b)は正面図である。
【図15】同上の人感センサユニットの斜視図である。
【図16】同上の人感センサユニットを階段用の照明器具に使用したときの照明器具の斜視図である。
【図17】出願人が考案した人感センサユニットの斜視図である。
【図18】同上の人感センサユニットの円筒状本体の側面図である。
【図19】同上の人感センサユニットを上から見た断面図と要部断面図である。
【符号の説明】
1 円筒状本体
1a 受光面
1x 回転軸
14 凹部
15 表示
2 支持体
2c 延設片
2d 係合支持部
2e カエリ回避用凸部
26 凸部
27 窓孔
3 本体カバー
3a カバー枠部
3ac 突出片
3ad 係合部
3ax 貫通口
3b カバー側面部
3bk 凸状のリブ
A 仮止め部
Claims (7)
- 検知対象の存在の有無を検出するセンサ素子と、これを内蔵する略円筒状の円筒状本体と、この円筒状本体の側周面に設けられ外からの光を導入させて前記センサ素子に略集光させる受光面と、前記円筒状本体を支持するとともに前記円筒状本体を筒の軸を中心に回転させて受光面を移動させる支持体と、を備えた人感センサにおいて、前記受光面に光を到達させるための透光開口を有した本体カバーを設け、この本体カバーを支持体に取付けて前記円筒状本体の両側の筒端部を略覆うセット状態にしたときに前記円筒状本体が回転しないようにし、本体カバーを支持体から外した状態にしたときに前記円筒状本体が回転可能にする回転止め機構を設けたことを特徴とする人感センサユニット。
- 前記回転止め機構は、前記本体カバーが前記支持体に圧力を加えることによって、前記支持体が前記円筒状本体を回転しないようにするものであることを特徴とする請求項1記載の人感センサユニット。
- 前記回転止め機構は、前記本体カバーに設けられた一対の挟持片を有し、この挟持片によって前記支持体を外側から挟み込むとともに前記支持体を介して前記円筒状本体の両側の筒端部を挟持するものであることを特徴とする請求項2記載の人感センサユニット。
- 前記回転止め機構は、前記本体カバーが前記セット状態にないときには前記受光面を所定の角度で仮止めできる仮止め部を有し、前記本体カバーが前記セット状態にあるときには前記仮止め部がさらに前記円筒状本体が回転しないように作用するものであることを特徴とする請求項3記載の人感センサユニット。
- 前記本体カバーは、その一部が前記支持体に係合される係合部を有し、前記支持体は前記係合部を支持する係合支持部を有し、前記本体カバーの前記係合部は、前記係合支持部に係合されながら手前に引き出せるものであることを特徴とする請求項3又は4記載の人感センサユニット。
- 前記本体カバーは、前記手前に引き出した状態で前記係合部を軸として回動できるものであることを特徴とする請求項5記載の人感センサユニット。
- 前記円筒状本体から奥方向に延設される延設片を設け、この延設片の先端部分に前記仮止め部を設け、この仮止め部の周縁に円筒状本体の回転角度に応じた目盛を表示したことを特徴とする請求項4記載の人感センサユニット。
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