JP4061998B2 - 車両用ドアの開放規制装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両衝突時の衝撃等によるドア開放を防止する車両用ドアの開放規制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用のドアとして、スライドドアを例にとると、スライドドアはそのドア端縁を、ドア閉鎖時に、車体のドア開口の開口縁にロックし、車両の衝突時にドアが車内側へ押し込まれても容易に開放しないようにしている。例えば、図5に示すように従来のスライドドア3Aは、そのドア前端縁に側面乗降口1Aの開口前縁の中間ピラーP2に設けたストライカ10cと係脱可能に係合するフロントロック31aを設けるとともに、ドア後端縁に車両の側面乗降口1Aの開口後縁の後部ピラーP3に設けたストライカ10dに係脱可能に係合するリヤロック31bを設け、両ロック機構31a,31bをそれぞれ乗降口1Aの前後の開口縁にロックせしめて乗降口1Aを閉鎖する2重のロック構造として、衝突の衝撃による開放を防ぐようにしている。フロントロック31aおよびリヤロック31bは、スライドドア3Aのアウトサイドのドアハンドル32およびインサイドドアハンドル(図略)の操作で作動するドアリモコン機構33と連結ワイヤ34a,34bにより連結され、ハンドル操作でロックを解除する。
【0003】
また従来の他の構造として、図6および図7に示すように、スライドドア3Bには、ドア後端縁にリヤロック31bを設ける一方、ドア前端に前方へ突出するフック部材6を設け、ドア閉鎖時にフック部材6を乗降口1Aの開口前縁の中間ピラーP2に形成した係合穴60に挿入している。フック部材6は先端に車内側へ向けて突出する係合爪61を形成した厚い金属片で、ドア前端面から水平に前方へ突出している。係合穴60はフック部材6の先端の係合爪61を含む横幅よりも大きめに形成され、開口まわりは厚板で補強してある。スライドドア3Bを閉鎖するとフック部材6が係合穴60へ干渉することなく進入し、フック部材6は係合爪61を係合穴60へ挿通した状態に配置される。そして、衝突荷重によりスライドドア3Bが車内側へ変形すると、フック部材6の係合爪61が係合穴60の開口縁に当接係合(図7の鎖線)してスライドドア3Bの開放を防ぐ。尚、図6において図5と同一な部材は同一符号で示す。
【0004】
近時、ワゴン車等には、高齢者や身体障害者等が楽に乗降できるように、助手席や後部席に車外側へ移動可能な回転シート(特開平10−329591号)を載設することが行われている。しかしながら、上記回転シートを車外側へ移動させる際に車体の中間ピラーが邪魔となり、中間ピラーを避けながらシートを移動させなければならない。そこで、この種の福祉車両として、図4に示すように、上記中間ピラーを廃止し、前席乗降口と後席乗降口とを一体として大きな側面乗降口1を形成することが考えられている。側面乗降口1は前席乗降口側を横開きのヒンジドア2で開閉し、後席乗降口側をスライドドア3で開閉する。
【0005】
ところで、上記側面乗降口1を開閉するヒンジドア2とスライドドア3との車両の側面衝突時の衝撃による開放を防止するため、スライドドア3を上述の2重ロック構造とし、ヒンジドア2の後端にストライカを設け、これにスライドドア3のフロントロックをロックさせることが考えられる。しかしながら、このようにすると、ヒンジドア2を開放するためには先ずスライドドア3を開放して上記ストライカと上記フロントロックのロックを解除しなければならず、また、スライドドア3を閉鎖するにはヒンジドア2を閉じた後にスライドドア3を閉じなければならないので両ドア2,3の操作性がよくない。
【0006】
一方、上記スライドドア3に上述のフック部材を設けてこれにより側面衝突の衝撃による開放を防止しようとすると、上記フック部材をヒンジドア2の後端に設けた係合穴に挿入することとなる。この場合も、ヒンジドア2を開放するためにはスライドドア3を開放して上記フック部材を上記係合穴から退出させなければならず、また、スライドドア3を閉鎖するにはこれに先立ってヒンジドア2を閉じなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記事情に鑑み、大型の乗降口を開閉する2つのドアの車両衝突時の衝撃によるドア開放を確実に規制することができ、かつ、両ドアは相手ドアの開閉に制約されることなく、これらを自由に開閉することが可能な車両用ドアの開放規制装置を提供することを課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両に設けられた一つのドア開口を、互いに端縁を対向させた状態で閉じる第1のドアと第2のドアとの間に設けられ、両ドアを閉じたときに、両ドアを相互に連結させ、車両衝突の衝撃等によるドア開放を防止する車両用ドアの開放規制装置であって、上記第1のドアの上記端縁に設けられ、連結状態および開放状態へ作動可能で、かつ第1のドアを閉じると連結状態へ作動する第1の連結手段と、上記第1のドアに設けられ、上記第1の連結手段を連結状態から開放状態へ作動させるための第1の操作手段と、上記第2のドアの上記端縁に設けられ、連結状態および開放状態へ作動可能で、かつ第2のドアを閉じると連結状態へ作動する第2の連結手段と、上記第2のドアに設けられ、上記第2の連結手段を連結状態から開放状態へ作動させるための第2の操作手段とを備え、上記両ドアを閉じたときに、上記第1および第2の連結手段が互いに上記連結状態で係合し、かついずれか一方の連結手段が開放状態へ作動すると、上記両連結手段の係合が解除するようになっている(請求項1)。第1および第2のドアを閉じたとき、各ドアの第1および第2の連結手段が連結状態となって互いに係合して両ドアを連結するので、車両衝突の衝撃によるドア開放を防止することができる。また、第1および第2の連結手段の係合関係は一方の連結手段を上記開放状態とすることで解除されるので、第1および第2のドアは相手ドアに制約されず任意に開放できる。
【0009】
上記第1のドアは、該ドアを閉じたとき該ドアを車体へロックし、上記第1の操作手段の操作でロックを解除する第1のロック機構を備え、上記第2のドアは、該ドアを閉じたとき該ドアを車体へロックし、上記第2の操作手段の操作でロックを解除する第2のロック機構を備えた構成とする(請求項2)。上記第1のロック機構と第1の連結手段、および上記第2のロック機構と第2の連結手段は連動するようになっており、上記各ロック機構がロックすることにより、上記各連結手段が連結状態へ作動するように構成した(請求項3)。乗降者が各ドアを開閉する際、通常のドア操作以外に、第1および第2の連結手段を連結状態または開放状態へ作動させるための特別な操作を必要としない。
【0010】
上記第1および第2の連結手段はそれぞれ、先端に貫通穴を備えたベース部材と、該ベース部材に回動可能に軸支された湾曲形状のフック部材とで構成され、上記各連結手段が上記連結状態のときは、フック部材の先端が上記ベース部材の貫通穴に挿入し、上記ベース部材と上記フック部材とで環状部を形成し、各連結手段のフック部材が相手側の連結手段の環状部に挿通せしめるように構成する(請求項4)。第1および第2の連結手段は互いに連結状態において、フック部材を相手側のベース部材とフック部材とからなる環状部に挿通させるので車両衝突の衝撃によるドアの開放を確実に防止できる。また、第1および第2の連結手段は、先に閉じられた一方のドアの上記連結手段の環状部に、後で閉じられる他方のドアの連結手段のフック部材を挿通させるので、第1および第2のドアを閉じるとき何方のドアから先に閉じてもよい。
【0011】
上記第1および第2のドアは、車両の側面に沿って前後方向に並設されており、一方がヒンジドアで他方がスライドドアである(請求項5)。
【0012】
【発明の実施の形態】
図4に示すワゴン車に本発明を適用した実施形態を説明する。ワゴン車は、その側面に、前席乗降口と後席乗降口とを一体に開口せしめた大型の側面乗降口1が設けてある。側面乗降口1は、前席側をヒンジドア2で開閉するとともに、後席側をスライドドア3で開閉する。
【0013】
図1に示すように、ヒンジドア2は、ドア本体の前縁の上下の位置をそれぞれヒンジ部材20を介して側面乗降口(以下、乗降口という)1の開口前縁をなすフロントピラーP1にヒンジ結合してあり、ヒンジ結合部を中心に横方向へ回動して開閉する。ヒンジドア2には、ドア後端縁の上端部および下端部にそれぞれロック機構21a,21bが設けてある。ヒンジドア2は、ドア閉時に、上部のロック機構21aのラッチが乗降口1の開口上縁に設けたストライカ10aに係合するとともに、下部のロック機構21bのラッチが乗降口1の開口下縁に設けたストライカ10bに係合することで車体へロックされる。
【0014】
各ロック機構21a,21bはそれぞれ、ヒンジドア2のアウトサイドハンドル22および図略のインサイドハンドルの操作により作動するリモコン機構23と連結ワイヤ24a,24bで連結され、上記ハンドル22の操作によるリモコン機構23の作動で、両ロック機構21a,21bが連動して上記ロックを解除してヒンジドア2を開放する。
【0015】
スライドドア3は、ドア前端縁の上端および下端に設けたアッパローラー30aおよびロアローラー30b、ドア後端縁の上下中間に設けたセンタローラー30cをそれぞれ、乗降口1の開口上縁に沿うアッパレール11a、開口下縁のロアレール11bおよびクォーターウィンドWの下縁に沿うセンタレール11cに係合して前後にスライド移動可能に設けてある。スライドドア3にはそのドア後端縁の上下中間位置にリヤロック31bが設けてあり、リヤロック31bはアウトサイドハンドル32およびインサイドハンドル(図略)の操作により作動するリモコン機構33と連結ワイヤ34bを介して連結してある。
【0016】
スライドドア3は、ドア閉時に、リヤロック31bのラッチを乗降口1の開口後縁をなす後部ピラーP3に設けたストライカ10dに係脱可能に係合せしめて車体へロックされる。一方、ドアハンドル32を操作し、リモコン機構33を作動せしめ、リヤロック31bによるロックを解除してドアを開放する。
【0017】
図1および図2に示すように、ヒンジドア2およびスライドドア3は、ドア閉時、ヒンジドア2のドア後端面25とスライドドアのドア前端面35とが近接対向し、ヒンジドア2の車外側のドア後縁フランジ26とスライドドア3のドア前端面35の車外側の側縁とがウェザストリップを介して当接するとともに、スライドドア3の車内側のドア前縁フランジ36とヒンジドア2のドア後端面25の車内側の側縁とがウェザストリップを介して当接し、両ドア2,3間をシールする。そして、間隔をおいて対向するヒンジドア2のドア後端面25とスライドドア3のドア前端面35にはそれぞれ両ドア2,3が閉じられたときに互いに係合する第1の連結手段4Aと第2の連結手段4Bとが設けてある。
【0018】
図2および図3に示すように、第1および第2の連結手段4A,4Bは金属製でほぼ同一構造であり第1の連結手段4Aを中心に説明する。図2および図3において、第1および第2の連結手段4A,4Bにおける同一部材は同一符号で表す。第1の連結手段4Aは、長方形状の基部41とその長手方向の一端から直角に屈曲して突出する突出片42とを有する厚肉の断面ほぼL字形のベース部材40Aを備えている。ベース部材40Aは、突出片42を下側とし、基部41でドア後端面25に形成された縦長の取付け開口を塞ぐよう配し、基部41を上記取付け開口まわりのパネル面に固定してある。突出片42はドア後方へ延出している。ベース部材40Aの基部41には中央に縦方向に延びるスロット410が形成してあり、スロット410はドア内と連通している。スロット410の下端は基部41側から屈曲部を経て突出片42側へ延設してある。突出片42は先端の幅が細くしてあり、先端には角形の貫通穴420が形成してある。
【0019】
ベース部材40Aは、図2に示すように、基部41背面下端部に、スロット410の両側からドア内へ突出して相対向する軸受け部43a,43bを備え、両軸受け部43a,43b間に架設した支軸440によりフック部材44Aの基端が支持せしめてある。フック部材44Aは、基端から上方へ伸び湾曲して突出片42側へ延びる丸味のあるほぼU字形に形成してあり、先端には外側へ突出する爪441が形成してある。フック部材44Aは支軸440を中心に、全体がほぼヒンジドア2のドア内に収納された開放位置と、基部41のスロット410内を通過して先端が突出片42の貫通穴420に挿入してフック部材44Aと突出片42とで環状部を形成する連結位置との間を回動可能としてある。フック部材44Aは上記連結位置において先端の爪441が貫通穴420を通過する位置まで回動する。また、支軸440にはフック部材44Aと一体に回動可能な回動レバー45の基端が支持してある。そして、フック部材44Aと回動レバー45は図略のバネ部材により、図2(B)の矢印X1方向へ回動付勢されている。
【0020】
ベース部材40Aの一方の軸受け部43aの先端には、支軸460によりラッチレバー46が回動自在に支持せしめてあり、ラッチレバー46は回動レバー45と前後に隣接するように配設してある。ラッチレバー46には長手方向中間に回動レバー45側へ突出し、フック部材44Aと回動レバー45とが一体に上記連結位置へ回動したときに回動レバー45の先端角部と当接する係合爪47が形成してある。ラッチレバー46は、図略のバネ部材により図2(B)の矢印X2方向へ回動付勢されている。
【0021】
第1の連結手段4Aは、図1および図2(B)に示すように、回動レバー45の先端とヒンジドア2の下部ロック機構21bとが連結ロッド24cを介して連結してある。また、ラッチレバー46の先端とヒンジドア2のリモコン機構23とが連結ワイヤ24dにより連結してある。
【0022】
このように構成した第1の連結手段4Aは、ヒンジドア2の開時、フック部材44Aと回動レバー45とが上記付勢力により上記開放位置となっている。次にヒンジドア2を閉じ、ロック機構21bがストライカ10bを嵌合係止してロックすると、これに連動して連結ロッド24cが矢印Y1方向へ押し上げられ、連結ワイヤ24cの押し上げにより、回動レバー45およびフック部材44Aとが一体に上記付勢力に抗して反矢印X1方向へ回動し上記連結位置へ作動する。このとき、回動する回動レバー45の先端が一旦、ラッチレバー46の係合爪47に当接しこれを押圧してラッチレバー46をその反付勢方向(反矢印X2方向)へ押し回し、フック部材44Aと回動レバー45とが連結位置へ至ると、回動レバー45の先端角部が係合爪47を乗り越え、ラッチレバー46が矢印X2方向へ回動復帰し、復帰したラッチレバー46の係合爪47が回動レバー45の先端角部と係合してフック部材44Aと回動レバー45とを連結位置に保持せしめる。連結位置に保持されたフック部材44Aはベース部材40Aの突出片42とで縦方向に上記環状部を形成する。
【0023】
ヒンジドア2を開放するためにドアハンドル22を操作すると、リモコン機構23が作動し、これに連動して連結ワイヤ24dが矢印Z1方向へ引っ張られ、連結ワイヤ24dの引っ張りにより、ラッチレバー46は上記付勢力に抗して反矢印X2方向へ回動する。これにより回動レバー45と係合爪47とが離間して係合が解除され、回動レバー45およびフック部材44Aが連結位置から上記付勢力によって矢印X1方向へ回動して上記開放位置へ作動する。
【0024】
第2の連結手段4Bは、図2および図3に示すように、第1の連結手段4Aに対向し、ベース部材40Bを第1の連結手段4Aのベース部材40Aに対して約90°横向きとし、かつベース部材40Bの突出片42が車外側の位置となるようにスライドドア3のドア前端面35に設置してある。第2の連結手段4Bはそのベース部材40Bの基部41をドア前端面35に形成された横長の取付け開口を覆うように配し、上記取付け開口まわりのパネル面に固定してある。突出片42はドア前方へ突出している。第2の連結手段4Bのフック部材44Bおよび回動レバー45は、支軸440を中心に、フック部材44Bがスライドドア3内へ収納された開放位置と、ベース部材40Bのスロット410を通過してフック部材44Bの先端が突出片42の貫通穴420に挿入してフック部材44Bと突出片42とで環状部を形成する連結位置との間を回動可能である。また、フック部材44Bと回動レバー45は、図2(A)の矢印X3方向へ回動付勢されている。一方、ラッチレバー46は支軸460を中心に矢印X4方向へ回動付勢されている。
【0025】
図2(A),(B)に示すように、第2の連結手段4Bには、ラッチレバー46の下側にほぼく字形をなすリンクレバー48が設けてあり、リンクレバー48はその中間の屈曲部が他方の軸受け部43bの先端に支軸480により車内側および車外側へ回動可能に支持せしめてある。リンクレバー48の一方の端部は回動レバー45の先端と相対回動可能に連結してある。また、リンクレバー48の他方の端部は、図1および図2(A)に示すように、スライドドア3のリヤロック31bと連結ロッド34cを介して連結してある。また、ラッチレバー46の先端はスライドドア3のリモコン機構33と連結ワイヤ34dにより連結してある。
【0026】
第2の連結手段4Bには、スライドドア3の開時、フック部材44Bと回動レバー45とが上記付勢力により上記開放位置となっている。次にスライドドア3を閉じ、リヤロック31bがストライカ10dを嵌合係止してロックすると、これに連動して連結ロッド34cが矢印Y2方向へ押し出され、これにより、リンクレバー48が支軸480を中心に矢印Y3方向へ回動し、リンクレバー48の回動に連動して回動レバー45およびフック部材44Bが一体に上記付勢力に抗して反矢印X3方向へ回動し上記連結位置へ作動する。フック部材44Bと回動レバー45とが連結位置へ至るとラッチレバー46の係合爪47が回動レバー45の先端角部と係合してフック部材44Bと回動レバー45とを連結位置に保持せしめる。このときフック部材44Bはベース部材40Bの突出片42とで横方向に上記環状部を形成する。
【0027】
スライドドア3を開放するためにドアハンドル32を操作すると、リモコン機構33が作動し、これに連動して連結ワイヤ34dが矢印Z2方向へ引っ張られ、連結ワイヤ34dの引っ張りにより、ラッチレバー46が上記付勢力に抗して反矢印X4方向へ回動する。これにより回動レバー45と係合爪47との係合が解除され、フック部材44Bと回動レバー45とは連結位置から上記付勢力によって矢印X3方向へ回動して上記開放位置となる。
【0028】
ヒンジドア2およびスライドドア3を閉じた際の第1および第2の連結手段4A,4Bの係合動作を説明する。例えば、ヒンジドア2が閉じた状態で、スライドドア3を閉じる場合、図2(A),(B)に示すように、ヒンジドア2側では第1の連結手段4Aのフック部材44Aが連結位置へ作動しており、フック部材44Aとベース部材40Aの突出片42とで縦方向の環状部を形成している。一方、スライドドア3が開いた状態のとき第2の連結手段4Bはフック部材44Bが開放位置で、スライドドア3内に収納されている(図の鎖線で示す)。
【0029】
スライドドア3を白矢印方向へスライド移動してドア3を閉じると、第2の連結手段4Bのベース部材40Bの突出片42が、第1の連結手段4Aの突出片42に対して干渉することなくその車外側かつ上方に隣合う位置となり、フック部材44Bの基端と先端との間の開口がフック部材44Aの後端辺と前後に対向する位置となる。そして、スライドドア3のリヤロック31bがロックすると、これと連動して第2の連結手段4Bのリンクレバー48および回動レバー45が作動し、フック部材44Bがその先端を第1の連結手段4Aの縦方向の環状部へ挿通しつつ連結位置へ作動し、第1および第2の連結手段4A,4Bの各環状部が相互に接触することなく縦横方向鎖状に係合する。
【0030】
車両の側面衝突時に、その衝撃でヒンジドア2およびスライドドア3が互いに車内側へ撓み変形し両ドア2,3が開きかけても、第1の連結手段4Aのフック部材44Aと第2の連結手段4Bのフック部材44Bとが互いに当接して引っ張り合い、両ドア2,3の車内側の変形を抑えて両ドア2,3間の開きを防止する。例え衝突の衝撃が大きく、両フック部材44A,44Bに大きな荷重が作用して両フック部材44A,44Bが互いに引っ張り合い、両者の湾曲形状に伸び変形が発生しても、突出片42の貫通穴420に挿通せしめた各フック部材44A,44Bの先端の爪441が各貫通穴420の開口縁に係合するので、各フック部材44A,44Bの伸び変形が抑止され、各環状部が崩れないので確実に両ドア2,3の開放を防ぐことができる。
【0031】
第1および第2の連結機構4A,4Bはそれぞれ、これらが設置された各ドア2,3のロック機構21b,31bと連動して各フック部材44A,44Bが連結位置に作動するようにしてあるので、スライドドア3が閉じた状態で、ヒンジドア2を閉じることも可能である。この場合、閉じた状態のスライドドア3側では第2の連結手段4Bのフック部材44Bが連結位置にあり、突出片42とで横方向の環状部を形成している。そして、ヒンジドア2を閉じることで、開放位置にある第1の連結手段4Aのフック部材44Aと突出片42とが第2の連結手段4Bの環状部に対して縦方向に対向し、ヒンジドア2がロックされることで、フック部材44Aがその先端を第2の連結手段4Bの環状部へ挿通しつつ連結位置へ作動し、第1および第2の連結手段4A,4Bの各環状部が係合する。
【0032】
また、第1および第2の連結機構4A,4Bはそれぞれ、これらが設置された各ドア2,3のドアハンドル22,32と連動して各フック部材44A,44Bが連結位置から開放位置へ作動するようにしてあるので、一方のドア2,3のドアハンドル22,32を開放操作することで、第1および第2の連結機構4A,4Bの係合を解除できる。例えば、ヒンジドア2のドアハンドル22を操作するとこれに連動して第1の連結手段4Aのフック部材44Aが開放位置へ作動し、その環状部が開放されて第2の連結手段の環状部との係合を解除でき、ヒンジドア2を開くことができる。一方、スライドドア3のドアハンドル32を操作することで第2の連結手段4Bのフック部材44Bが開放位置へ作動して第1および第2の連結手段4A,4Bの係合を解除し、スライドドア3を開くことができる。
【0033】
本実施形態では、車両の側面乗降口1を開閉するヒンジドア2およびスライドドア3に適用したが、これに限らず、観音開き式のドアの開放を規制するようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、大型の乗降口を開閉する第1のドアおよび第2のドアとを、両ドアを閉じた時に、第1のドアのドア端縁に設けた第1の連結手段のフック部材と第2のドアのドア端縁に設けた第2の連結手段のフック部材とを共に開放位置から連結位置へ作動せしめて相互に係合するようにしたので、車両衝突時の衝撃等によるドア開放を確実に防止することができる。また第1および第2の連結手段はそれぞれ、これらが設置された各ドアロック機構と連動して各フック部材が開放位置から連結位置へ作動し、各ドアのドアハンドルと連動して各フック部材が連結位置から開放位置へ作動するようにしてあるので、各ドアは相手ドアの開閉に制約されることなく、自由に開閉することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドアの開放規制装置を設けた車両のヒンジドアとスライドドアとを示す車両の側面図である。
【図2】本発明に用いる第1および第2の連結手段を示すもので、図2(A)は図1のIIA−IIA線に沿う横断面、図2(B)は図2(A)のIIB−IIB線に沿う縦断面である。
【図3】上記第1および第2の連結手段の係合状態を示す要部斜視図である。
【図4】本発明を適用する大型の乗降口を備えた車両の側面図である。
【図5】従来のスライドドアの開放規制手段を示す車両の側面図である。
【図6】従来の他のスライドドアの開放規制手段を示す車両の側面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う横断面図である。
【符号の説明】
1 乗降口
2 第1のドア(ヒンジドア)
21b 第1のロック機構
22 第1の操作手段(ドアハンドル)
3 第2のドア(スライドドア)
31b 第2のロック機構
32 第2の操作手段(ドアハンドル)
4A 第1の連結手段
4B 第2の連結手段
40A,40B ベース部材
42 突出片
420 貫通穴
44A,44B フック部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両衝突時の衝撃等によるドア開放を防止する車両用ドアの開放規制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用のドアとして、スライドドアを例にとると、スライドドアはそのドア端縁を、ドア閉鎖時に、車体のドア開口の開口縁にロックし、車両の衝突時にドアが車内側へ押し込まれても容易に開放しないようにしている。例えば、図5に示すように従来のスライドドア3Aは、そのドア前端縁に側面乗降口1Aの開口前縁の中間ピラーP2に設けたストライカ10cと係脱可能に係合するフロントロック31aを設けるとともに、ドア後端縁に車両の側面乗降口1Aの開口後縁の後部ピラーP3に設けたストライカ10dに係脱可能に係合するリヤロック31bを設け、両ロック機構31a,31bをそれぞれ乗降口1Aの前後の開口縁にロックせしめて乗降口1Aを閉鎖する2重のロック構造として、衝突の衝撃による開放を防ぐようにしている。フロントロック31aおよびリヤロック31bは、スライドドア3Aのアウトサイドのドアハンドル32およびインサイドドアハンドル(図略)の操作で作動するドアリモコン機構33と連結ワイヤ34a,34bにより連結され、ハンドル操作でロックを解除する。
【0003】
また従来の他の構造として、図6および図7に示すように、スライドドア3Bには、ドア後端縁にリヤロック31bを設ける一方、ドア前端に前方へ突出するフック部材6を設け、ドア閉鎖時にフック部材6を乗降口1Aの開口前縁の中間ピラーP2に形成した係合穴60に挿入している。フック部材6は先端に車内側へ向けて突出する係合爪61を形成した厚い金属片で、ドア前端面から水平に前方へ突出している。係合穴60はフック部材6の先端の係合爪61を含む横幅よりも大きめに形成され、開口まわりは厚板で補強してある。スライドドア3Bを閉鎖するとフック部材6が係合穴60へ干渉することなく進入し、フック部材6は係合爪61を係合穴60へ挿通した状態に配置される。そして、衝突荷重によりスライドドア3Bが車内側へ変形すると、フック部材6の係合爪61が係合穴60の開口縁に当接係合(図7の鎖線)してスライドドア3Bの開放を防ぐ。尚、図6において図5と同一な部材は同一符号で示す。
【0004】
近時、ワゴン車等には、高齢者や身体障害者等が楽に乗降できるように、助手席や後部席に車外側へ移動可能な回転シート(特開平10−329591号)を載設することが行われている。しかしながら、上記回転シートを車外側へ移動させる際に車体の中間ピラーが邪魔となり、中間ピラーを避けながらシートを移動させなければならない。そこで、この種の福祉車両として、図4に示すように、上記中間ピラーを廃止し、前席乗降口と後席乗降口とを一体として大きな側面乗降口1を形成することが考えられている。側面乗降口1は前席乗降口側を横開きのヒンジドア2で開閉し、後席乗降口側をスライドドア3で開閉する。
【0005】
ところで、上記側面乗降口1を開閉するヒンジドア2とスライドドア3との車両の側面衝突時の衝撃による開放を防止するため、スライドドア3を上述の2重ロック構造とし、ヒンジドア2の後端にストライカを設け、これにスライドドア3のフロントロックをロックさせることが考えられる。しかしながら、このようにすると、ヒンジドア2を開放するためには先ずスライドドア3を開放して上記ストライカと上記フロントロックのロックを解除しなければならず、また、スライドドア3を閉鎖するにはヒンジドア2を閉じた後にスライドドア3を閉じなければならないので両ドア2,3の操作性がよくない。
【0006】
一方、上記スライドドア3に上述のフック部材を設けてこれにより側面衝突の衝撃による開放を防止しようとすると、上記フック部材をヒンジドア2の後端に設けた係合穴に挿入することとなる。この場合も、ヒンジドア2を開放するためにはスライドドア3を開放して上記フック部材を上記係合穴から退出させなければならず、また、スライドドア3を閉鎖するにはこれに先立ってヒンジドア2を閉じなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記事情に鑑み、大型の乗降口を開閉する2つのドアの車両衝突時の衝撃によるドア開放を確実に規制することができ、かつ、両ドアは相手ドアの開閉に制約されることなく、これらを自由に開閉することが可能な車両用ドアの開放規制装置を提供することを課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両に設けられた一つのドア開口を、互いに端縁を対向させた状態で閉じる第1のドアと第2のドアとの間に設けられ、両ドアを閉じたときに、両ドアを相互に連結させ、車両衝突の衝撃等によるドア開放を防止する車両用ドアの開放規制装置であって、上記第1のドアの上記端縁に設けられ、連結状態および開放状態へ作動可能で、かつ第1のドアを閉じると連結状態へ作動する第1の連結手段と、上記第1のドアに設けられ、上記第1の連結手段を連結状態から開放状態へ作動させるための第1の操作手段と、上記第2のドアの上記端縁に設けられ、連結状態および開放状態へ作動可能で、かつ第2のドアを閉じると連結状態へ作動する第2の連結手段と、上記第2のドアに設けられ、上記第2の連結手段を連結状態から開放状態へ作動させるための第2の操作手段とを備え、上記両ドアを閉じたときに、上記第1および第2の連結手段が互いに上記連結状態で係合し、かついずれか一方の連結手段が開放状態へ作動すると、上記両連結手段の係合が解除するようになっている(請求項1)。第1および第2のドアを閉じたとき、各ドアの第1および第2の連結手段が連結状態となって互いに係合して両ドアを連結するので、車両衝突の衝撃によるドア開放を防止することができる。また、第1および第2の連結手段の係合関係は一方の連結手段を上記開放状態とすることで解除されるので、第1および第2のドアは相手ドアに制約されず任意に開放できる。
【0009】
上記第1のドアは、該ドアを閉じたとき該ドアを車体へロックし、上記第1の操作手段の操作でロックを解除する第1のロック機構を備え、上記第2のドアは、該ドアを閉じたとき該ドアを車体へロックし、上記第2の操作手段の操作でロックを解除する第2のロック機構を備えた構成とする(請求項2)。上記第1のロック機構と第1の連結手段、および上記第2のロック機構と第2の連結手段は連動するようになっており、上記各ロック機構がロックすることにより、上記各連結手段が連結状態へ作動するように構成した(請求項3)。乗降者が各ドアを開閉する際、通常のドア操作以外に、第1および第2の連結手段を連結状態または開放状態へ作動させるための特別な操作を必要としない。
【0010】
上記第1および第2の連結手段はそれぞれ、先端に貫通穴を備えたベース部材と、該ベース部材に回動可能に軸支された湾曲形状のフック部材とで構成され、上記各連結手段が上記連結状態のときは、フック部材の先端が上記ベース部材の貫通穴に挿入し、上記ベース部材と上記フック部材とで環状部を形成し、各連結手段のフック部材が相手側の連結手段の環状部に挿通せしめるように構成する(請求項4)。第1および第2の連結手段は互いに連結状態において、フック部材を相手側のベース部材とフック部材とからなる環状部に挿通させるので車両衝突の衝撃によるドアの開放を確実に防止できる。また、第1および第2の連結手段は、先に閉じられた一方のドアの上記連結手段の環状部に、後で閉じられる他方のドアの連結手段のフック部材を挿通させるので、第1および第2のドアを閉じるとき何方のドアから先に閉じてもよい。
【0011】
上記第1および第2のドアは、車両の側面に沿って前後方向に並設されており、一方がヒンジドアで他方がスライドドアである(請求項5)。
【0012】
【発明の実施の形態】
図4に示すワゴン車に本発明を適用した実施形態を説明する。ワゴン車は、その側面に、前席乗降口と後席乗降口とを一体に開口せしめた大型の側面乗降口1が設けてある。側面乗降口1は、前席側をヒンジドア2で開閉するとともに、後席側をスライドドア3で開閉する。
【0013】
図1に示すように、ヒンジドア2は、ドア本体の前縁の上下の位置をそれぞれヒンジ部材20を介して側面乗降口(以下、乗降口という)1の開口前縁をなすフロントピラーP1にヒンジ結合してあり、ヒンジ結合部を中心に横方向へ回動して開閉する。ヒンジドア2には、ドア後端縁の上端部および下端部にそれぞれロック機構21a,21bが設けてある。ヒンジドア2は、ドア閉時に、上部のロック機構21aのラッチが乗降口1の開口上縁に設けたストライカ10aに係合するとともに、下部のロック機構21bのラッチが乗降口1の開口下縁に設けたストライカ10bに係合することで車体へロックされる。
【0014】
各ロック機構21a,21bはそれぞれ、ヒンジドア2のアウトサイドハンドル22および図略のインサイドハンドルの操作により作動するリモコン機構23と連結ワイヤ24a,24bで連結され、上記ハンドル22の操作によるリモコン機構23の作動で、両ロック機構21a,21bが連動して上記ロックを解除してヒンジドア2を開放する。
【0015】
スライドドア3は、ドア前端縁の上端および下端に設けたアッパローラー30aおよびロアローラー30b、ドア後端縁の上下中間に設けたセンタローラー30cをそれぞれ、乗降口1の開口上縁に沿うアッパレール11a、開口下縁のロアレール11bおよびクォーターウィンドWの下縁に沿うセンタレール11cに係合して前後にスライド移動可能に設けてある。スライドドア3にはそのドア後端縁の上下中間位置にリヤロック31bが設けてあり、リヤロック31bはアウトサイドハンドル32およびインサイドハンドル(図略)の操作により作動するリモコン機構33と連結ワイヤ34bを介して連結してある。
【0016】
スライドドア3は、ドア閉時に、リヤロック31bのラッチを乗降口1の開口後縁をなす後部ピラーP3に設けたストライカ10dに係脱可能に係合せしめて車体へロックされる。一方、ドアハンドル32を操作し、リモコン機構33を作動せしめ、リヤロック31bによるロックを解除してドアを開放する。
【0017】
図1および図2に示すように、ヒンジドア2およびスライドドア3は、ドア閉時、ヒンジドア2のドア後端面25とスライドドアのドア前端面35とが近接対向し、ヒンジドア2の車外側のドア後縁フランジ26とスライドドア3のドア前端面35の車外側の側縁とがウェザストリップを介して当接するとともに、スライドドア3の車内側のドア前縁フランジ36とヒンジドア2のドア後端面25の車内側の側縁とがウェザストリップを介して当接し、両ドア2,3間をシールする。そして、間隔をおいて対向するヒンジドア2のドア後端面25とスライドドア3のドア前端面35にはそれぞれ両ドア2,3が閉じられたときに互いに係合する第1の連結手段4Aと第2の連結手段4Bとが設けてある。
【0018】
図2および図3に示すように、第1および第2の連結手段4A,4Bは金属製でほぼ同一構造であり第1の連結手段4Aを中心に説明する。図2および図3において、第1および第2の連結手段4A,4Bにおける同一部材は同一符号で表す。第1の連結手段4Aは、長方形状の基部41とその長手方向の一端から直角に屈曲して突出する突出片42とを有する厚肉の断面ほぼL字形のベース部材40Aを備えている。ベース部材40Aは、突出片42を下側とし、基部41でドア後端面25に形成された縦長の取付け開口を塞ぐよう配し、基部41を上記取付け開口まわりのパネル面に固定してある。突出片42はドア後方へ延出している。ベース部材40Aの基部41には中央に縦方向に延びるスロット410が形成してあり、スロット410はドア内と連通している。スロット410の下端は基部41側から屈曲部を経て突出片42側へ延設してある。突出片42は先端の幅が細くしてあり、先端には角形の貫通穴420が形成してある。
【0019】
ベース部材40Aは、図2に示すように、基部41背面下端部に、スロット410の両側からドア内へ突出して相対向する軸受け部43a,43bを備え、両軸受け部43a,43b間に架設した支軸440によりフック部材44Aの基端が支持せしめてある。フック部材44Aは、基端から上方へ伸び湾曲して突出片42側へ延びる丸味のあるほぼU字形に形成してあり、先端には外側へ突出する爪441が形成してある。フック部材44Aは支軸440を中心に、全体がほぼヒンジドア2のドア内に収納された開放位置と、基部41のスロット410内を通過して先端が突出片42の貫通穴420に挿入してフック部材44Aと突出片42とで環状部を形成する連結位置との間を回動可能としてある。フック部材44Aは上記連結位置において先端の爪441が貫通穴420を通過する位置まで回動する。また、支軸440にはフック部材44Aと一体に回動可能な回動レバー45の基端が支持してある。そして、フック部材44Aと回動レバー45は図略のバネ部材により、図2(B)の矢印X1方向へ回動付勢されている。
【0020】
ベース部材40Aの一方の軸受け部43aの先端には、支軸460によりラッチレバー46が回動自在に支持せしめてあり、ラッチレバー46は回動レバー45と前後に隣接するように配設してある。ラッチレバー46には長手方向中間に回動レバー45側へ突出し、フック部材44Aと回動レバー45とが一体に上記連結位置へ回動したときに回動レバー45の先端角部と当接する係合爪47が形成してある。ラッチレバー46は、図略のバネ部材により図2(B)の矢印X2方向へ回動付勢されている。
【0021】
第1の連結手段4Aは、図1および図2(B)に示すように、回動レバー45の先端とヒンジドア2の下部ロック機構21bとが連結ロッド24cを介して連結してある。また、ラッチレバー46の先端とヒンジドア2のリモコン機構23とが連結ワイヤ24dにより連結してある。
【0022】
このように構成した第1の連結手段4Aは、ヒンジドア2の開時、フック部材44Aと回動レバー45とが上記付勢力により上記開放位置となっている。次にヒンジドア2を閉じ、ロック機構21bがストライカ10bを嵌合係止してロックすると、これに連動して連結ロッド24cが矢印Y1方向へ押し上げられ、連結ワイヤ24cの押し上げにより、回動レバー45およびフック部材44Aとが一体に上記付勢力に抗して反矢印X1方向へ回動し上記連結位置へ作動する。このとき、回動する回動レバー45の先端が一旦、ラッチレバー46の係合爪47に当接しこれを押圧してラッチレバー46をその反付勢方向(反矢印X2方向)へ押し回し、フック部材44Aと回動レバー45とが連結位置へ至ると、回動レバー45の先端角部が係合爪47を乗り越え、ラッチレバー46が矢印X2方向へ回動復帰し、復帰したラッチレバー46の係合爪47が回動レバー45の先端角部と係合してフック部材44Aと回動レバー45とを連結位置に保持せしめる。連結位置に保持されたフック部材44Aはベース部材40Aの突出片42とで縦方向に上記環状部を形成する。
【0023】
ヒンジドア2を開放するためにドアハンドル22を操作すると、リモコン機構23が作動し、これに連動して連結ワイヤ24dが矢印Z1方向へ引っ張られ、連結ワイヤ24dの引っ張りにより、ラッチレバー46は上記付勢力に抗して反矢印X2方向へ回動する。これにより回動レバー45と係合爪47とが離間して係合が解除され、回動レバー45およびフック部材44Aが連結位置から上記付勢力によって矢印X1方向へ回動して上記開放位置へ作動する。
【0024】
第2の連結手段4Bは、図2および図3に示すように、第1の連結手段4Aに対向し、ベース部材40Bを第1の連結手段4Aのベース部材40Aに対して約90°横向きとし、かつベース部材40Bの突出片42が車外側の位置となるようにスライドドア3のドア前端面35に設置してある。第2の連結手段4Bはそのベース部材40Bの基部41をドア前端面35に形成された横長の取付け開口を覆うように配し、上記取付け開口まわりのパネル面に固定してある。突出片42はドア前方へ突出している。第2の連結手段4Bのフック部材44Bおよび回動レバー45は、支軸440を中心に、フック部材44Bがスライドドア3内へ収納された開放位置と、ベース部材40Bのスロット410を通過してフック部材44Bの先端が突出片42の貫通穴420に挿入してフック部材44Bと突出片42とで環状部を形成する連結位置との間を回動可能である。また、フック部材44Bと回動レバー45は、図2(A)の矢印X3方向へ回動付勢されている。一方、ラッチレバー46は支軸460を中心に矢印X4方向へ回動付勢されている。
【0025】
図2(A),(B)に示すように、第2の連結手段4Bには、ラッチレバー46の下側にほぼく字形をなすリンクレバー48が設けてあり、リンクレバー48はその中間の屈曲部が他方の軸受け部43bの先端に支軸480により車内側および車外側へ回動可能に支持せしめてある。リンクレバー48の一方の端部は回動レバー45の先端と相対回動可能に連結してある。また、リンクレバー48の他方の端部は、図1および図2(A)に示すように、スライドドア3のリヤロック31bと連結ロッド34cを介して連結してある。また、ラッチレバー46の先端はスライドドア3のリモコン機構33と連結ワイヤ34dにより連結してある。
【0026】
第2の連結手段4Bには、スライドドア3の開時、フック部材44Bと回動レバー45とが上記付勢力により上記開放位置となっている。次にスライドドア3を閉じ、リヤロック31bがストライカ10dを嵌合係止してロックすると、これに連動して連結ロッド34cが矢印Y2方向へ押し出され、これにより、リンクレバー48が支軸480を中心に矢印Y3方向へ回動し、リンクレバー48の回動に連動して回動レバー45およびフック部材44Bが一体に上記付勢力に抗して反矢印X3方向へ回動し上記連結位置へ作動する。フック部材44Bと回動レバー45とが連結位置へ至るとラッチレバー46の係合爪47が回動レバー45の先端角部と係合してフック部材44Bと回動レバー45とを連結位置に保持せしめる。このときフック部材44Bはベース部材40Bの突出片42とで横方向に上記環状部を形成する。
【0027】
スライドドア3を開放するためにドアハンドル32を操作すると、リモコン機構33が作動し、これに連動して連結ワイヤ34dが矢印Z2方向へ引っ張られ、連結ワイヤ34dの引っ張りにより、ラッチレバー46が上記付勢力に抗して反矢印X4方向へ回動する。これにより回動レバー45と係合爪47との係合が解除され、フック部材44Bと回動レバー45とは連結位置から上記付勢力によって矢印X3方向へ回動して上記開放位置となる。
【0028】
ヒンジドア2およびスライドドア3を閉じた際の第1および第2の連結手段4A,4Bの係合動作を説明する。例えば、ヒンジドア2が閉じた状態で、スライドドア3を閉じる場合、図2(A),(B)に示すように、ヒンジドア2側では第1の連結手段4Aのフック部材44Aが連結位置へ作動しており、フック部材44Aとベース部材40Aの突出片42とで縦方向の環状部を形成している。一方、スライドドア3が開いた状態のとき第2の連結手段4Bはフック部材44Bが開放位置で、スライドドア3内に収納されている(図の鎖線で示す)。
【0029】
スライドドア3を白矢印方向へスライド移動してドア3を閉じると、第2の連結手段4Bのベース部材40Bの突出片42が、第1の連結手段4Aの突出片42に対して干渉することなくその車外側かつ上方に隣合う位置となり、フック部材44Bの基端と先端との間の開口がフック部材44Aの後端辺と前後に対向する位置となる。そして、スライドドア3のリヤロック31bがロックすると、これと連動して第2の連結手段4Bのリンクレバー48および回動レバー45が作動し、フック部材44Bがその先端を第1の連結手段4Aの縦方向の環状部へ挿通しつつ連結位置へ作動し、第1および第2の連結手段4A,4Bの各環状部が相互に接触することなく縦横方向鎖状に係合する。
【0030】
車両の側面衝突時に、その衝撃でヒンジドア2およびスライドドア3が互いに車内側へ撓み変形し両ドア2,3が開きかけても、第1の連結手段4Aのフック部材44Aと第2の連結手段4Bのフック部材44Bとが互いに当接して引っ張り合い、両ドア2,3の車内側の変形を抑えて両ドア2,3間の開きを防止する。例え衝突の衝撃が大きく、両フック部材44A,44Bに大きな荷重が作用して両フック部材44A,44Bが互いに引っ張り合い、両者の湾曲形状に伸び変形が発生しても、突出片42の貫通穴420に挿通せしめた各フック部材44A,44Bの先端の爪441が各貫通穴420の開口縁に係合するので、各フック部材44A,44Bの伸び変形が抑止され、各環状部が崩れないので確実に両ドア2,3の開放を防ぐことができる。
【0031】
第1および第2の連結機構4A,4Bはそれぞれ、これらが設置された各ドア2,3のロック機構21b,31bと連動して各フック部材44A,44Bが連結位置に作動するようにしてあるので、スライドドア3が閉じた状態で、ヒンジドア2を閉じることも可能である。この場合、閉じた状態のスライドドア3側では第2の連結手段4Bのフック部材44Bが連結位置にあり、突出片42とで横方向の環状部を形成している。そして、ヒンジドア2を閉じることで、開放位置にある第1の連結手段4Aのフック部材44Aと突出片42とが第2の連結手段4Bの環状部に対して縦方向に対向し、ヒンジドア2がロックされることで、フック部材44Aがその先端を第2の連結手段4Bの環状部へ挿通しつつ連結位置へ作動し、第1および第2の連結手段4A,4Bの各環状部が係合する。
【0032】
また、第1および第2の連結機構4A,4Bはそれぞれ、これらが設置された各ドア2,3のドアハンドル22,32と連動して各フック部材44A,44Bが連結位置から開放位置へ作動するようにしてあるので、一方のドア2,3のドアハンドル22,32を開放操作することで、第1および第2の連結機構4A,4Bの係合を解除できる。例えば、ヒンジドア2のドアハンドル22を操作するとこれに連動して第1の連結手段4Aのフック部材44Aが開放位置へ作動し、その環状部が開放されて第2の連結手段の環状部との係合を解除でき、ヒンジドア2を開くことができる。一方、スライドドア3のドアハンドル32を操作することで第2の連結手段4Bのフック部材44Bが開放位置へ作動して第1および第2の連結手段4A,4Bの係合を解除し、スライドドア3を開くことができる。
【0033】
本実施形態では、車両の側面乗降口1を開閉するヒンジドア2およびスライドドア3に適用したが、これに限らず、観音開き式のドアの開放を規制するようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、大型の乗降口を開閉する第1のドアおよび第2のドアとを、両ドアを閉じた時に、第1のドアのドア端縁に設けた第1の連結手段のフック部材と第2のドアのドア端縁に設けた第2の連結手段のフック部材とを共に開放位置から連結位置へ作動せしめて相互に係合するようにしたので、車両衝突時の衝撃等によるドア開放を確実に防止することができる。また第1および第2の連結手段はそれぞれ、これらが設置された各ドアロック機構と連動して各フック部材が開放位置から連結位置へ作動し、各ドアのドアハンドルと連動して各フック部材が連結位置から開放位置へ作動するようにしてあるので、各ドアは相手ドアの開閉に制約されることなく、自由に開閉することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドアの開放規制装置を設けた車両のヒンジドアとスライドドアとを示す車両の側面図である。
【図2】本発明に用いる第1および第2の連結手段を示すもので、図2(A)は図1のIIA−IIA線に沿う横断面、図2(B)は図2(A)のIIB−IIB線に沿う縦断面である。
【図3】上記第1および第2の連結手段の係合状態を示す要部斜視図である。
【図4】本発明を適用する大型の乗降口を備えた車両の側面図である。
【図5】従来のスライドドアの開放規制手段を示す車両の側面図である。
【図6】従来の他のスライドドアの開放規制手段を示す車両の側面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う横断面図である。
【符号の説明】
1 乗降口
2 第1のドア(ヒンジドア)
21b 第1のロック機構
22 第1の操作手段(ドアハンドル)
3 第2のドア(スライドドア)
31b 第2のロック機構
32 第2の操作手段(ドアハンドル)
4A 第1の連結手段
4B 第2の連結手段
40A,40B ベース部材
42 突出片
420 貫通穴
44A,44B フック部材
Claims (5)
- 車両に設けられた一つのドア開口を、互いに端縁を対向させた状態で閉じる第1のドアと第2のドアとの間に設けられ、両ドアを閉じたときに、両ドアを相互に連結させ、車両衝突の衝撃等によるドア開放を防止する車両用ドアの開放規制装置であって、
上記第1のドアの上記端縁に設けられ、連結状態および開放状態へ作動可能で、かつ第1のドアを閉じると連結状態へ作動する第1の連結手段と、
上記第1のドアに設けられ、上記第1の連結手段を連結状態から開放状態へ作動させるための第1の操作手段と、
上記第2のドアの上記端縁に設けられ、連結状態および開放状態へ作動可能で、かつ第2のドアを閉じると連結状態へ作動する第2の連結手段と、
上記第2のドアに設けられ、上記第2の連結手段を連結状態から開放状態へ作動させるための第2の操作手段とを備え、
上記両ドアを閉じたときに、上記第1および第2の連結手段が互いに上記連結状態で係合し、かついずれか一方の連結手段が開放状態へ作動すると、上記両連結手段の係合が解除するようになっていることを特徴とする車両用ドアの開放規制装置。 - 上記第1のドアは、該ドアを閉じたとき該ドアを車体へロックし、上記第1の操作手段の操作でロックを解除する第1のロック機構を備え、
上記第2のドアは、該ドアを閉じたとき該ドアを車体へロックし、上記第2の操作手段の操作でロックを解除する第2のロック機構を備えている請求項1に記載の車両用ドアの開放規制装置。 - 上記第1のロック機構と第1の連結手段、および上記第2のロック機構と第2の連結手段は連動するようになっており、上記各ロック機構がロックすることにより、上記各連結手段が連結状態へ作動するようになっている請求項2に記載の車両用ドアの開放規制装置。
- 上記第1および第2の連結手段はそれぞれ、先端に貫通穴を備えたベース部材と、該ベース部材に回動可能に軸支された湾曲形状のフック部材とで構成され、上記各連結手段が上記連結状態のときは、フック部材の先端が上記ベース部材の貫通穴に挿入し、上記ベース部材と上記フック部材とで環状部を形成し、各連結手段のフック部材が相手側の連結手段の環状部に挿通している請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用ドアの開放規制装置。
- 上記第1および第2のドアは、車両の側面に沿って前後方向に並設されており、一方がヒンジドアで他方がスライドドアである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用ドアの開放規制装置。
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