JP4061570B2 - 母型製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子を成形可能な光学素子成形用金型を製造するための母型製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、急速に発展している光ピックアップ装置の分野では、極めて高精度な対物レンズなどの光学素子が用いられている。プラスチックやガラスなどの素材を、金型を用いてそのような光学素子に成形すると、均一な形状の製品を迅速に製造することができるため、かかる金型成形は、そのような用途の光学素子の大量生産に適しているといえる。ここで、金型は消耗品であり、また不測の事態による破損なども予想されることから、高精度な光学素子を成形するためには、定期的或いは不定期の金型交換が必要であるといえる。従って、光学素子を成形するための金型(光学素子成形用金型ともいう)も、一定精度のものをある程度の量だけ予め用意しておく必要があるといえる。
【0003】
ここで、単結晶ダイヤモンド工具などを用いた切削加工で金型を製造した場合、手間がかかる上に、全く同一形状の金型を切り出すことは困難といえ、それ故金型交換前後で光学素子製品の形状バラツキが生じる恐れがあり、又コストもかかるという問題がある。
【0004】
特に、光ピックアップ装置に用いるある種の光学素子には、収差特性を良好にすべく、光学面の光軸に同心に、断面がブレーズ形状の微細な回折輪帯を設けることが行われている。このような回折輪帯に対応した同心溝を、金型の光学面転写面に形成する場合、切削加工に手間と時間がかかるという問題がある。光学素子成形用金型を超鋼などで形成する場合、精度良く所望の光学面転写面形状を得るためには、ダイアモンド工具による切削加工等によらなくてはならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題に対し、例えば光学素子の光学面に対応した母光学面を有する母型に対し、化学反応を通じて電鋳等を成長させることで、金型を製作しようとする試みがある。このような電鋳による金型製作手法を用いると、例えば光学素子の回折輪帯に対応した輪帯を備えた非球面を精度良く形成した母型を一つ用意するだけで、寸法バラツキの少ない光学素子成形用金型を比較的容易に転写形成することができる。
【0006】
しかるに、かかる手法によれば、例えば回折輪帯に対応する輪帯を形成するために、母型の表面にレジストを塗布し、電子描画を行い、現像処理し、電鋳処理を行って、光学素子成形用金型を得ることが必要となる。このための母型の素材として、Siなどが知られている。しかしながら、かかる素材は加工性が悪いため、母光学面を非球面形状にダイヤモンド工具で切削した場合、光学素子の光学面として良好な特性を得るために必要な鏡面状態になるまで、1日以上という長い加工時間がかかるという不具合がある。一方、金属素材であれば、加工性はより向上するが、表面酸化の問題等があるため長期保存に適しておらず、長期間保存され繰り返し使用される母型の素材としては不適切といえる。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、母型の素材として最適なものを選択し、且つ適切な加工処理を施すことで、より容易に精度の高い母型を製造できる母型製造方法、かかる製作方法により製作された母型、およびかかる母型を用いた光学素子成形用金型の製作方法、並びにかかる光学素子成形用金型により成形される光学素子の製作方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明の母型製造方法は、レジストの塗布及びベーキングを行って成形のための母型を製造する母型製造方法において、レジストが塗布される母型の基材は樹脂材からなると共に、前記樹脂材は前記レジストのベーキングの温度より高い軟化点を有し、前記母型の基材は非平面部を有すると共に、前記基材は前記樹脂材を射出成形することによって形成されることを特徴とする。
【0009】
従来において、前述のように母型の基材(以下、素材ともいう)としてSiなどを用いた場合、加工性が悪いことから、加工に時間と手間がかかる。
【0010】
そこで本発明者らは、Siなどに代えて、母型の素材として樹脂材を用いることができないかと考えた。樹脂材の中には、電鋳処理に適した硬度等の条件を満たすものが数多くある。しかし、母型の素材に樹脂材を用いた場合、前述のように回折輪帯のごとく微細なパターンを形成するためのレジストの塗布に問題が生じることが分かった。特に、電子描画処理においては、レジストのベーキング処理が必要となる。ベーキング処理時に高温に曝されると、レジストの土台となる樹脂材が変形し、光学面のように精密な曲面を再現することが困難となる。
【0011】
そのような実情に鑑み、本発明者らは、一般的には180℃前後であるベーキング温度で軟化しないことを、そのような母型の素材として用いる樹脂材の要件と考えたのである。尚、軟化点とは、それ以上の温度では樹脂材が柔らかくなるという、その物性を表す温度をいう。
【0012】
すなわち、母型から電鋳を成長させることで光学素子成形用金型を得るという手法を用いる場合、本発明のごとく、その母型の素材としてSiなどに代えて、上述の特性を有する樹脂材を用いることで、母型を加工する手間と時間を大幅に低減でき、加工効率の向上を図ることができるのである。
【0013】
更に、本発明の母型の製造方法によれば、前記母型の基材は非平面部を有すると共に、前記基材は前記樹脂材を射出成形することによって形成されることを特徴とする。
【0014】
樹脂材を用いて母型を形成する際に、光学素子の光学面に対応して、母型の母光学面の非球面形状を形成する場合、光学特性を良くするためには研磨加工などによりその表面を鏡面化する必要があり、それには時間と手間がかかり、又、母型個体間でバラツキも生じる。これに対し、前記樹脂材を射出成形することによって、前記非平面部(たとえば母光学面)を形成するようにすれば、加工時間や手間を大幅に低減することができる。すなわち、母型の素材として樹脂材を用いれば射出成形で母型を形成できるから、それにより元型の形状(例えば母光学面に対応した複雑な曲面など)を、一度に精度良く転写形成することができ、しかも母型個体間のバラツキも最小限に抑えることができる。しかるに、射出成形を行う設備上の観点から、軟化点が高すぎる素材は射出成形に不向きであるとされている。以上より、本発明にかかる母型製造方法において用いることができる母型の素材は、現像液やリンス液などに対しての十分なる耐溶剤性及び室温での硬度を兼ね備えつつ、レジストベーキング温度より高い軟化点を有し、一般的な射出成形温度より低い軟化点を有する樹脂材が好適であるといえる。
【0015】
このような樹脂材としては、熱可塑性ポリイミド樹脂又はポリエーテルイミド樹脂等を用いることができるが、上述した特性を満たす限り、これらに限られることはない。
【0016】
更に、前記母型に表面処理を施すことで、前記母型の表面硬度を高めると、例えば電鋳処理に対する耐久性を高めることができるので好ましい。
【0017】
尚、前記表面処理は、前記母型の表面に紫外線硬化樹脂を付着させた後、紫外線を照射する処理であると好ましい。
【0018】
或いは、前記表面処理は、前記母型の表面にクロームを蒸着させる処理であると好ましい。
【0019】
第2の本発明の母型製造方法は、レジストの塗布及びベーキングを行って成形のための母型を製造する母型製造方法において、レジストが塗布される母型の基材は樹脂材からなると共に、前記レジストのベーキングの温度を、前記樹脂材の軟化点より低くし、前記母型の基材は非平面部を有すると共に、前記基材は前記樹脂材を射出成形することによって形成されることを特徴とする。上述した第1の本発明とは、樹脂材の軟化点とレジストベーキング温度とを逆の立場でとらえたものであり、作用効果は上述のものと同様である。
【0020】
このような母型製造方法によれば、比較的安価な樹脂材を用いて、より容易に精度の良い母型を成形することが可能となる。従って、かかる母型の前記非平面部(例えば母光学面や微細な輪帯)を含む範囲から成長させた電鋳を用いて、光学素子成形用金型を製作することで、精度の良い光学素子成形用金型を得ることができ、又、その光学素子成形用金型を用いることで、光学面に回折輪帯を有する光学素子であっても精度良く成形することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本実施の形態にかかる母型製造方法を構成する工程を示すフローチャートである。図2は、図1に示す主要な工程において、処理される母型の素材(基材ともいう)又はそれと電極部材の組立体(部材Aという)を示す断面図である。図3は、部材Aの上面図である。尚、本実施の形態により製作される母型は、その母光学面に、光学素子の回折輪帯に対応した輪帯が形成されるものとする。
【0022】
まず、図1のステップS101で、詳細については後述する樹脂材を、260〜400℃で加熱溶融させた後、元型1、2内の空間に射出して、母型の素材(これを便宜上母型ともいう)10を射出成形する。このとき、元型1の転写面1aには輪帯は形成されていないが、光学素子の光学面に対応した非球面形状となっているので、射出成形された母型の素材10の母光学面(すなわち非平面部)10aは、精度良く非球面形状が転写される。
【0023】
続いて、ステップS102で、母型の素材10を、不図示のスピンコータにセットし、ステップS103で、レジストLを母型の素材10上に流下させながらプレスピンを実施し、その後ステップS104で本スピンを実施して、レジストLの被膜を行う(図2(b)参照)。プレスピンと本スピンとを分けたのは、複雑な曲面である母光学面10aに、均一な膜厚のレジストLを被膜させるためである。
【0024】
その後、ステップS105で、部材Aをスピンコータから取り外し、ステップS106で、雰囲気温度180℃で20分間ベーキング処理を行って、レジストLの被膜を安定させる。ここで、一回のレジストLの被膜処理では、十分な膜厚を得ることができないので、ステップS102〜S106の工程を繰り返し、レジストLの被膜を積層させて十分な膜厚になったところで(ステップS107)、ステップS108で、詳細については後述する電子ビーム描画装置を用いて、母型の素材10の母光学面10a上のレジストLに電子描画処理を施す(図2(c)参照)。
【0025】
電子描画処理後、ステップS109で、母型の素材10に対して現像処理及びリンス処理を行って(図2(d)参照)、不要なレジストを排除することで、輪帯形状のレジストLを得る。ここで、同一点における電子ビームBの照射時間を長くすれば、それだけレジストの除去量が増大するため、位置と照射時間(ドーズ量)を調整することで、ブレーズ形状の輪帯になるよう、レジストLを残すことができる。
【0026】
更に、ステップS110で、プラズマシャワーによるドライエッチングを経て、母型の素材10の母光学面10aの表面を彫り込んでブレーズ状の輪帯10b(実際より誇張されて描かれている)を形成する(図2(e)参照)。更に、ステップS111で、母型の素材10を電極部材11に接着して、部材Aを得る(図2(f)参照)。ここまでの工程を通して得られた部材Aが、母型として製作されたこととなる。尚、この工程の後、部材Aの母光学面10aの表面に紫外線硬化樹脂を塗布・付着させ、紫外線を照射する、或いはCVD処理にてクロームを蒸着させるなどして、その表面の硬度を高めると母型としての耐久性が向上し、より好ましい。
【0027】
その後、ステップS112で、スルファミン酸ニッケル浴中に、表面を活性処理した母型すなわち部材Aを浸し、電極部材11と外部の電極14との間に電流を流すことで、電鋳20を成長させる(図2(g)参照)。このとき、電極部材11の外周面11fに絶縁剤を塗布することで、絶縁剤が塗布された部分の電鋳形成を抑制できる。射出成形時に許容できるチルト角度を1分として以下の加工を行う場合、その基準面となる電鋳が形成されない外周面11fの軸線方向長さを7mm以上とすることが望ましい。電鋳20は、その成長の過程で、母光学面10aに精度良く対応した光学面転写面20aと、輪帯10bに精度良く対応した輪帯転写面20bとを形成する。
【0028】
その後、ステップS114で、電極部材11の外周面11fを基準として、部材Aと電鋳20とを一体で、SPDT(Single Point Diamond Turning)加工機の回転軸と部材Aの光軸とを一致させるようにしてチャックに取り付け、電鋳20の外周面20cを切削加工する。加えて、電鋳20に、裏打ち部材との位置決め部としてのピン孔20d(中央)及びネジ孔20eを機械加工する(図2(h)参照)。その後、図2(h)の矢印Xで示す位置でカットすることにより、部材Aから電鋳20を脱型する(ステップS128)。尚、ピン孔20dの代わりに円筒軸を形成しても良い。
【0029】
ステップS115において、このようにして形成した光学素子成形用金型すなわち電鋳20を、以下に述べるように裏打ち部材と一体化することで、可動コア30を形成する。
【0030】
図3は、可動コア30の断面図である。図3において、可動コア30は、先端(図で右側)に配置した電鋳20と、後端(図で左側)に配置した押圧部36と、その間に配置された摺動部材35とから構成される。摺動部材35及び押圧部36が裏打ち部材となる。
【0031】
電鋳20は、そのピン孔20dに、円筒状の摺動部材35の端面中央から突出したピン部35aを係合させることで、摺動部材35と所定の関係で位置決めされ、更に、摺動部材35を軸線に平行に貫通する2つのボルト孔35bに挿通したボルト37を、ネジ孔20eに螺合させることで、電鋳20は摺動部材35に取り付けられる。
【0032】
摺動部材35は、ピン部35aの設けられた端面(図で右端)に対向する端面(図で左端)の中央に突出して形成されたネジ軸35cを、略円筒状の押圧部36の端部に形成されたネジ孔36aに螺合させることで、押圧部36に対して所定の位置関係で取り付けられる。図4において、摺動部材35の外周面35eは、電鋳20及び押圧部36のフランジ部36b以外の部分の外周面よりも大径となっている。
【0033】
図4は、このようにして形成された可動コア30を用いて光学素子を成形する状態を示す図である。図4において、光学面転写面41aを有する光学素子成形用金型41を保持する保持部42は、可動側キャビティ43に固定されている。可動側キャビティ43は、小開口43aと、それに同軸な大開口43bとを有している。可動側キャビティ43内に可動コア30を挿入したときに、摺動部材35の外周面35eが、小開口43aの内周面と摺動し、押圧部36のフランジ部36bの外周面36dが、大開口43bの内周面と摺動する。かかる2つの摺動部によって案内されることで、可動側キャビティ43に対して、大きく傾くことなく可動コア30は軸線方向に移動可能となる。光学素子成形用金型31、電鋳20の間に溶融した樹脂を射出し、可動コア30を矢印方向に加圧することで、光学素子OEが成形される。本実施の形態によれば、母型の素材10から精度良く転写形成された光学素子成形用金型としての電鋳20を用いることで、光学素子OEの光学面には、電鋳20の光学面転写面20aが転写形成され、且つ輪帯転写面20bに対応した回折輪帯が光軸に同心的に精度よく形成されることとなる。
【0034】
(電子ビーム描画装置について)
(構成説明)
次に、電子ビーム描画装置の全体の概略構成について、図5を参照して説明する。図5は、本例の電子ビーム描画装置の全体構成を示す説明図である。
【0035】
電子ビーム描画装置401は、図5に示すように、大電流で高解像度の電子線プローブを形成して高速に描画対象の母型の素材10上を走査するものであり、高解像度の電子線プローブを形成し、電子ビームを生成してターゲットに対してビーム照射を行う電子ビーム生成手段である電子銃412と、この電子銃412からの電子ビームを通過させるスリット414と、スリット414を通過する電子ビームの前記母型の素材10に対する焦点位置を制御するための電子レンズ416と、電子ビームが出射される経路上に配設され開口により所望の電子ビームのビーム形状にするためのアパーチャー418と、電子ビームを偏向させることでターゲットである母型の素材10上の走査位置等を制御する偏向器420と、偏向を補正する補正用コイル422と、を含んで構成されている。なお、これらの各部は、鏡筒410内に配設されて電子ビーム出射時には真空状態に維持される。
【0036】
さらに、電子ビーム描画装置411は、描画対象となる母型の素材10を載置するための載置台であるXYZステージ430と、このXYZステージ430上の載置位置に母型の素材10を搬送するための搬送手段であるローダ440と、XYZステージ430上の母型の素材10の表面の基準点を測定するための測定手段である測定装置480と、XYZステージ430を駆動するための駆動手段であるステージ駆動手段450と、ローダを駆動するためのローダ駆動装置460と、鏡筒410内及びXYZステージ430を含む筐体411内を真空となるように排気を行う真空排気装置470と、母型の素材10上を観察する観察系491と、これらの制御を司る制御手段である制御回路492と、を含んで構成されている。
【0037】
なお、電子レンズ416は、高さ方向に沿って複数箇所に離間して設置される各コイル417a、417b、417cの各々の電流値によって電子的なレンズが複数生成されることで各々制御され、電子ビームの焦点位置が制御される。
【0038】
測定装置480は、母型の素材10に対してレーザーを照射することで母型の素材10を測定する第1のレーザー測長器482と、第1のレーザー測長器482にて発光されたレーザー光(第1の照射光)が母型の素材10を反射し当該反射光を受光する第1の受光部484と、前記第1のレーザー測長器482とは異なる照射角度から照射を行う第2のレーザー測長器486と、前記第2のレーザー測長器486にて発光されたレーザー光(第2の照射光)が母型の素材10を反射し当該反射光を受光する第2の受光部488と、を含んで構成されている。
【0039】
ステージ駆動手段450は、XYZステージ430をX方向に駆動するX方向駆動機構452と、XYZステージ430をY方向に駆動するY方向駆動機構454と、XYZステージ430をZ方向に駆動するZ方向駆動機構456と、XYZステージ430をθ方向に駆動するθ方向駆動機構458と、を含んで構成されている。これによって、XYZステージ430を3次元的に動作させたり、アライメントを行うことができる。
【0040】
なお、制御回路492は、図示しないが、電子銃412に電源を供給するための電子銃電源部、この電子銃電源部での電流、電圧などを調整制御する電子銃制御部、電子レンズ416(複数の各電子的なレンズを各々)を動作させるためのレンズ電源部、このレンズ電源部での各電子レンズに対応する各電流を調整制御するレンズ制御部、を含んで構成される。
【0041】
さらに、制御回路492は、補正用コイル422を制御するためのコイル制御部、偏向器420にて成形方向の偏向を行う成形偏向部、偏向器420にて副走査方向の偏向を行うための副偏向部、偏向器420にて主走査方向の偏向を行うための主偏向部、電子ビームの電界を制御する電界制御手段である電界制御回路、描画パターンなどを前記母型の素材10に対して生成するためのパターン発生回路、各種レーザー制御系、ステージ駆動手段450を制御するためのステージ制御回路、ローダ駆動装置460を制御するローダ制御回路、測定情報を入力するための測定情報入力部、入力された情報や他の複数の情報を記憶するための記憶手段であるメモリ、各種制御を行うための制御プログラムを記憶したプログラムメモリ、各部を備えた制御系、これらの各部の制御を司る例えばCPUなどにて形成された制御部、を含んで構成されている。
【0042】
(動作説明)
上述のような構成を有する電子ビーム描画装置401において、ローダ440によって搬送された母型の素材10がXYZステージ430上に載置されると、真空排気装置470によって鏡筒410及び筐体411内の空気やダストなどを排気したした後、電子銃412から電子ビームが照射される。
【0043】
電子銃412から照射された電子ビームは、電子レンズ416を介して偏向器420により偏向され、偏向された電子ビームB(以下、この電子レンズ416を通過後の偏向制御された電子ビームに関してのみ「電子ビームB」と符号を付与することがある)は、XYZステージ430上の母型の素材10の表面、例えば曲面部(曲面)12上の描画位置に対して照射されることで描画が行われる。
【0044】
この際に、測定装置480によって、母型の素材10上の描画位置(描画位置のうち少なくとも高さ位置)、もしくは後述するような基準点の位置が測定され、制御回路492は、当該測定結果に基づき、電子レンズ416のコイル417a、417b、417cなどに流れる各電流値などを調整制御して、電子ビームBの焦点深度の位置、すなわち焦点位置を制御し、当該焦点位置が前記描画位置となるように移動制御される。
【0045】
あるいは、測定結果に基づき、制御回路492は、ステージ駆動手段450を制御することにより、前記電子ビームBの焦点位置が前記描画位置となるようにXYZステージ430を移動させる。
【0046】
また、本例においては、電子ビームの制御、XYZステージ430の制御のいずれか一方の制御によって行っても、双方を利用して行ってもよい。
【0047】
次に、測定装置480の第1のレーザー測長器482により電子ビームと交差する方向から母型の素材10に対して第1の光ビームS1を照射し、母型の素材10を透過する第1の光ビームS1の受光によって、第1の光強度分布が検出される。
【0048】
この際に、第1の光ビームS1は、母型の素材10の底部にて反射されるため、第1の強度分布に基づき、母型の素材10の平坦部上の(高さ)位置が測定算出されることになる。しかし、この場合には、母型の素材10の母光学面10上の(高さ)位置を測定することができない。
【0049】
そこで、本例においては、さらに第2のレーザー測長器486を設けている。すなわち、第2のレーザー測長器486によって、第1の光ビームS1と異なる電子ビームとほぼ直交する方向から母型の素材10に対して第2の光ビームS2を照射し、母型の素材10を透過する第2の光ビームS2が第2の受光部488にて受光されることによって、第2の光強度分布が検出され、これに基づき、位置が測定算出される。
【0050】
そして、この母型の素材10の高さ位置を、例えば描画位置として、前記電子ビームの焦点位置の調整が行われ描画が行われることとなる。
【0051】
(実施例)
本実施の形態にかかる母型の素材に用いるのに好適な一つの樹脂材は、熱可塑性ポリイミド樹脂(軟化点の目安であるガラス転移点は260℃)であり、例えば、デュポン社より商品名ベステルTPとして上市されているもの、三井化学株式会社より商品名オーラムとして上市されているものを用いることができる。更に、母型の素材に用いるのに好適な他の樹脂材は、ポリエーテルイミド樹脂(軟化点の目安であるガラス転移点は220℃)であり、例えば、日本GEプラスチック社より商品名ウルテムとして上市されているものを用いることができる。
【0052】
表1は、本発明者らが行った耐溶剤性試験結果を示すものである。具体的には、矩形状の試料を溶液に所定時間浸漬する前後における、一辺方向(A)の寸法変化と、他辺方向(B)の寸法変化と、重量変化と、表面粗さとを測定したものである。
【表1】
Figure 0004061570
【0053】
試料:デュポン社より上市されている商品名ベステルTP
(1)レジスト液浸漬試験
試料を、東京応化工業製のポジ型レジスト材の商品名「OEBR−1000」用薄め液(エチルセロソルブアセテート:ECAと略記される)に2時間浸漬し、自然乾燥させた。
(2)現像液浸漬試験
試料を、25.0〜25.1℃の範囲に維持したOEBR−1000用現像液(酢酸イソアミル90%、酢酸エチル10%)に3時間浸漬し、窒素ガス雰囲気中で乾燥させた。
(3)リンス液浸漬試験
試料を、23.2〜23.6℃の範囲に維持したイソプロピルアルコールに3時間浸漬し、窒素ガス雰囲気中で乾燥させた。
評価方法は、表に記載したとおりである。
【0054】
本発明者らの試験結果によれば、寸法の変化は、リンス液浸漬で最大0.04%であり、重量変化は、現像液浸漬で最大0.2%であり、表面粗さは、試験前後で同等であったので、十分なる耐溶剤性があることが確認された。
【0055】
表2は、本発明者らが行った耐熱性試験結果を示すものである。上述した耐溶剤性試験と同様、矩形状の試料の処理前後における、一辺方向(A)の寸法変化と、他辺方向(B)の寸法変化と、重量変化と、表面粗さとを測定したものである。
【表2】
Figure 0004061570
【0056】
試料:デュポン社より上市されている商品名ベステルTP
(1)1回ベーキング処理
試料に、180℃で20分間のベーキング処理を1回施した。
(2)2回ベーキング処理
試料に、180℃で20分間のベーキング処理を2回施した。尚、先のベーキング処理から次のベーキング処理までは、クリーンルーム内で試料温度が23℃に戻るまで自然放熱させた。
(3)3回ベーキング処理
試料に、180℃で20分間のベーキング処理を3回施した。尚、先のベーキング処理から次のベーキング処理までは、クリーンルーム内で試料温度が23℃に戻るまで自然放熱させた。
評価方法は、表に記載したとおりである。
【0057】
本発明者らの試験結果によれば、寸法の変化は、3回ベーキング処理で最大0.05%であり、重量変化は、3回ベーキング処理で最大−0.5%であり、いずれも許容範囲内であり、十分なる耐熱性があることが確認された。尚、表面粗さに関しては、試験前後で同等であった。
【0058】
以上、実施の形態並びに実施例を参照して本発明を説明してきたが、本発明は、上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良(実施の形態の組み合わせを含む)が可能であることは勿論である。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、母型の素材として最適な樹脂材を選択し、且つ適切な加工処理を施すことで、より容易に且つ低コストで精度の高い母型を製造できる母型製造方法、かかる製作方法により製作された母型、およびかかる母型を用いた光学素子成形用金型の製作方法、並びにかかる光学素子成形用金型により成形される光学素子の製作方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる母型製造方法を構成する工程を示すフローチャートである。
【図2】図1に示す主要な工程において、処理される母型の素材を含む部材の断面図である。
【図3】可動コア30の断面図である。
【図4】可動コア30を用いて光学素子を成形する状態を示す図である。
【図5】電子ビーム描画装置の構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 部材
10 母型の素材
11 電極部材
401 電子ビーム描画装置

Claims (2)

  1. レジストの塗布及びベーキングを行って成形のための母型を製造する母型製造方法において、レジストが塗布される母型の基材は樹脂材からなると共に、前記樹脂材は前記レジストのベーキングの温度より高い軟化点を有し、前記母型の基材は非平面部を有すると共に、前記基材は前記樹脂材を射出成形することによって形成されることを特徴とする母型製造方法。
  2. レジストの塗布及びベーキングを行って成形のための母型を製造する母型製造方法において、レジストが塗布される母型の基材は樹脂材からなると共に、前記レジストのベーキングの温度を、前記樹脂材の軟化点より低くし、前記母型の基材は非平面部を有すると共に、前記基材は前記樹脂材を射出成形することによって形成されることを特徴とする母型製造方法。
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