JP2005064324A - 微細形状の加工方法及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】
高いアスペクト比を有する高精度な微細形状を形成できる微細形状の形成方法及び光学素子を提供する。
【解決手段】
レジストRの表面の少なくとも一部に金属薄膜Cを形成することで、その後ドライエッチング処理を行った場合でも、レジストRの損傷を抑えることができ、それにより開口幅と溝深さの比(アスペクト比)が1:10以上であり且つ開口幅サイズがサブミクロンオーダー、又は幅と高さの比が1:10以上であり且つ幅サイズがサブミクロンオーダーの微細形状を精度良く形成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細形状の加工方法び光学素子に関し、特に高アスペクト比を有する微細形状の加工方法及びそのような微細形状を有する光学素子に関する。
近年、急速に発展している光ピックアップ装置の分野では、極めて高精度な対物レンズなどの光学素子が用いられている。プラスチックやガラスなどの素材を、金型を用いてそのような光学素子に成形すると、均一な形状の製品を迅速に製造することができるため、かかる金型成形は、そのような用途の光学素子の大量生産に適しているといえる。
更に、近年の光ピックアップ装置は、より短波長の半導体レーザからの光束を用いて、AOD(Advanced Optical Disc),BD(Blueray Disc)などの記録媒体に対して高密度な情報の記録及び/又は再生を行えるものが開発されており、その光学系の収差特性改善のため、微細構造である回折構造を光学面に設けることが行われている。又、そのような高密度な情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置であっても、従来から大量に供給されたCD、DVDに対しても情報の記録及び/又は再生を確保する必要があり、そのため波長選択性を備えた微細形状の回折構造を設けることも行われている。
加えて、近年、使用する光源の波長の数倍からそれよりも小さな微細構造を光学面に施して、新たな光学的機能を光学素子に付加することが試みられている。例えば、成形レンズの屈折による通常の集光機能とその時に副作用として発生する正の分散を、その非球面光学面の表面に回折溝を施すことで得られる回折による大きな負の分散を利用してうち消し、本来、屈折だけでは不可能な色消し機能を単玉光学素子に付加することが、DVD/CD互換の光ディスク用ピックアップ対物レンズで実用化されている。これは、光学素子を透過する光の波長の数10倍の大きさの回折溝による回折作用を利用したもので、このように波長より十分大きな構造による回折作用を扱う領域は、スカラー領域と呼ばれている。
一方、光学素子を透過する光の波長の数分の一という微細な間隔で、円錐形状の突起を光学面の表面に密集させて形成させることで、光の反射抑制機能を発揮できることが判っている。即ち、光波が光学素子に入射する際の空気との境界面での屈折率変化を、従来の光学素子のように1から媒体屈折率まで瞬間的に変化させるのではなく、微細な間隔で並んだ突起の円錐形状によって緩やかに変化させ、それにより光の反射を抑制することができるのである。このような突起を形成した光学面は、いわゆる蛾の眼(moth eye)と呼ばれる微細構造で、光の波長よりも微細な構造体が波長よりも短い周期で並ぶことにより、もはや個々の構造が回折せずに光波に対して平均的な屈折率として働くものである。このような領域を等価屈折率領域と一般に呼んでいる。このような等価屈折率領域に関しては、例えば電子情報通信学会論文誌C Vol.J83−C No.3pp.173−181 2000年3月に述べられている。
等価屈折率領域の微細構造によれば、従来の反射防止コートに比べて反射防止効果の角度依存性や波長依存性を少なくしながら大きな反射防止効果を得られるが、プラスチック成形等によれば、光学面と微細構造を同時に創成できることから、レンズ機能と反射防止機能が同時に得られて、従来のように成形後に反射防止コート処理をするといった後加工が不要となる等の生産上のメリットも大きいと考えられ注目されている。さらに、このような等価屈折率領域の微細構造を光学面に対して方向性を持つように配すると、強い光学異方性を光学面に持たせることもでき、従来、水晶などの結晶を削りだして製作していた複屈折光学素子を成形によって得ることができ、また、屈折や反射光学素子と組み合わせて新たな光学的機能を付加することができる。この場合の光学異方性は、構造性複屈折と呼ばれている。
上述したスカラー領域と等価屈折率領域の間には、回折効率が入射条件のわずかな違いにより急激に変化する共鳴領域がある。例えば、回折輪帯の溝幅を狭くしていくと、波長の数倍程度で急激に回折効率が減少し、また増加するという現象(アノマリー)が発生する。この領域の性質を利用して、特定の波長のみを反射する導波モード共鳴格子フィルターを微細構造で実現して、通常の干渉フィルターと同等の効果をより角度依存性を少なくして実現できる。
ところで、回折構造や、スカラー領域や、等価屈折率領域や、共鳴領或を利用して光学素子を形成しようとする場合、その光学面に微細な突起(又はくぼみ)を形成する必要がある。このような微細な突起(又はくぼみ)を備えた光学素子を大量生産するには、一般的には樹脂を素材として成形を行うことが適しているといえるが、かかる場合、微細な突起(又はくぼみ)に対応したくぼみ(又は突起)を備えた光学面転写面をどのようにして形成するかが問題となる。
すなわち、上述したような等価屈折領域や共鳴領域の突起(又はくぼみ)に関しては、数十乃至数百ナノメートルの間隔で突起(又はくぼみ)を光学素子の光学面に形成しなくてはならないが、そのような微細形状に対応した型を、どのようにして形成するかが問題である。これに対し、特許文献1には電子ビーム描画を用いて、光学素子の金型に微細形状を形成する技術が開示されている。
特開2003−173954号公報
特許文献1に記載の技術によれば、基材に塗布したレジストに対して電子ビームを照射することで、レジストの一部を除去し、その後エッチング処理することで、微細形状を形成することができる。しかるに、アスペクト比の高い微細形状を形成しようとすると、長時間エッチング処理を行う必要があるが、それにより本来除去されるべきでない部位までが除去されてしまい、所望の微細形状が得られないといった問題がある。特に、レジストの角部や側面がエッチングにより除去されると、加工パターンが崩れやすいという問題がある。この対策として、レジストに加えてエッチングされにくい金属系のマスクを使うことが考えられる。しかし、このような金属系のマスクは、金属を成膜した後、金属膜の上にレジストをパターン化し、薬品によって金属パターンを形成する湿式エッチング、もしくは、基板上にレジストをパターン化した後に金属膜を成膜し、レジストパターンを溶剤で取り除いてマスクを形成するリフトオフ法などによるものが一般的であるが、これらのマスクを得るために工数がかかる上に、パターン精度も低下するという問題点もある。また、ドライエッチング加工後に残った金属膜を薬品で溶かさなくてはならず、余計な手間がかかる。
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、高いアスペクト比を有する高精度な微細形状を形成できる微細形状の形成方法及び光学素子を提供することを目的とする。
第1の本発明の微細形状の形成方法は、Si又はSiOからなる基材の上に、開口幅と溝深さの比が1:10以上であり且つ開口幅サイズがサブミクロンオーダー、又は幅と高さの比が1:10以上であり且つ幅サイズがサブミクロンオーダーの微細形状を形成することを特徴とする。
第2の本発明の微細形状の形成方法は、
基材上に、凹部又は凸部の最小サイズ(例えば凹部の開口幅や凸部の幅など)がサブミクロンオーダーとなるような所定のマスクパターンで、レジストを付着させる第1のステップと、
前記レジストの表面の少なくとも一部に金属薄膜を形成する第2のステップと、
前記レジストが形成された基材をドライエッチング処理することにより微細形状を形成する第3のステップとを有することを特徴とする。
第1の本発明によれば、前記レジストの表面の少なくとも一部に金属薄膜を形成することで、その後ドライエッチング処理を行った場合でも、特にレジストの角部や側面の損傷もしくは過度のエッチングを抑えることができ、それにより開口幅と溝深さの比(アスペクト比)が1:10以上であり且つ開口幅サイズがサブミクロンオーダー、又は幅と高さの比が1:10以上であり且つ幅サイズがサブミクロンオーダーの微細形状を精度良く形成することができる。尚、サブミクロンオーダーとは1μm以下の寸法をいう。
第2の本発明によれば、基材上に、凹部又は凸部の最小サイズ(例えば凹部の開口幅や凸部の幅など)がサブミクロンオーダーとなるような所定のマスクパターンで、レジストを付着させる第1のステップと、前記レジストの表面の少なくとも一部に金属薄膜を形成する第2のステップと、前記レジストが形成された基材をドライエッチング処理することにより微細形状を形成する第3のステップとを有するので、例えば電子ビーム描画によって形成した複雑かつ高精度のレジストパターンを直接マスクにすることでそのパターン精度を維持し、かつ、その表面の弱い部分(ドライエッチングで削られやすい部分)のみに金属薄膜を成膜することで、マスク形状を維持し、高アスぺクトのパターンを加工できるという特徴がある。
図1は、本発明の原理を説明するための図である。まず、Si又はSiOからなる基材Aの上に均一な厚さでレジストRを塗布し、電子ビーム描画を行って更にレジスト現像を行うことで、図1(a)に示すように、基材A上に並べられた微細ブロックとしてレジストRを残す。これによりマスクパターンが形成される。
更に、図1(b)に示すように、基材A上に並べられたレジストRのブロックに対してスパッタリング処理を施す。このとき、スパッタ粒子(Ni、Cr等)が飛散する方向を、レジストRのブロックの側面の延在方向に対して傾けることで、ブロック頂面及びその近傍の側面にのみ金属薄膜Cが成膜されるようになる。
その後、図1(c)に示すように、基材Aに対してSF+O等の環境に有害でないガスを用いて異方性エッチング処理を施すことで、レジストRと、レジストRに覆われていない基材Aの表面が除去され、図1(d)に示すような微細形状を得ることができる。このとき、ブロック頂面及びその近傍の側面に成膜した金属薄膜Cが、エッチングの耐性を有するので、レジストRの初期状態を長時間維持することができ、それにより基材Aを深く彫り込んだ高アスペクト比の微細形状を得ることができる。尚、基材Aに形成された凹部の幅をW、深さをDとすると、そのアスペクト比はW:Dで得られ、この場合には1:10以上となる。又、基材Aに形成された凹部間の凸部の幅をWi、高さをDとしても、そのアスペクト比はWi:Dで得られ、同様に1:10以上となる。完全にレジストがなくなる前にエッチング処理を中断し、再度スパッタリング処理を行った後エッチング処理を続行してもよい。
更に、前記レジストは、前記基材上に微細な間隔で並べられたブロックであり、前記ブロックの頂面及びその近傍に、前記金属薄膜が形成されると好ましい。尚、「ブロック」とは、高さ及び幅を有する形状の意味で用いており、周方向につながった輪帯形状をも含む。
図2は、スパッタリング処理を説明するための図である。図2(a)において、スパッタターゲットSTと基材Aとの間隔をLとし、スパッタターゲットSTの径を2Rとし、基材Aの径を2rとし、スパッタターゲットSTと基材Aとの傾きをθとする。ここで、図2(b)に示すように、基材A上のレジストRのブロック間隔をWとしたときに、金属薄膜Cを施したい高さを上端からdとする。しかるに、スパッタ粒子が直線的に飛散するとすると、スパッタターゲットSTに近い部位ではdの値は大きくなり(dの最大値をdmaxとする)、スパッタターゲットSTから遠い部位ではdの値は小さくなる(dの最小値をdminとする)。
dmaxは以下の式で求まる。
dmax=tan(θ−θmax) (1)
ただし、θmaxは、スパッタターゲットSTと基材Aとを最短距離で結ぶ線分と基材Aとのなす角
dminは以下の式で求まる。
dmin=tan(θ+θmin) (1)
ただし、θminは、スパッタターゲットSTと基材Aとを最長距離で結部線分と基材Aとのなす角
表1,2に、各値を変えた状態でのdmax、dminを示す。現実的には、L=150mm、R=10mmであると、所望のdに対して+15%〜−18.5%の範囲内でのバラツキに抑えることができるので好ましい。
Figure 2005064324
Figure 2005064324
更に、前記マスクパターンは、電子ビーム描画により形成されると好ましい。
更に、前記金属薄膜は、NiもしくはCrをスパッタ法を用いて前記レジストに付着させることで形成されると好ましい。
更に、前記レジストは開口幅に対して深さが深い溝形状を有しており、前記溝の側壁に対して傾いた方向から、NiもしくはCrを付着させると好ましい。
更に、前記ドライエッチング処理は、物理的エッチング効果が得られるか、もしくは物理的エッチング量を制御できる装置を用いて異方性エッチング処理を行うと好ましい。
更に、前記基材は3次元形状を有すると好ましい。
更に、微細形状を加工された前記基材は、光学素子を成形するための電鋳母型を作るための金型として用いられると好ましい。
更に、微細形状を加工された前記基材は、溶融した樹脂や低融点ガラスなどに押圧されることで、その微細形状を転写する母型として用いられると好ましい。
以上の微細形状の加工方法により加工された前記基材を用いて、前記微細形状もしくはそれに相補する形状を有する光学素子を形成すると好ましい。
以下、本発明の実施の形態にかかる微細形状の形成方法について、図面を参照して具体的に説明する。本実施の形態における微細形状が形成される基材は、光学素子等を成形する金型を製作する母型であるが、光学素子自体或いは半導体素子などの表面に直接形成してもよい。
図3は、本実施の形態にかかる微細形状の形成方法を含む光学素子の金型の製作工程を示すフローチャートである。図4は、図2に示す主要な工程において、処理される母型の素材と電極部材の組立体(これを母型部材又は部材Aもしくは基材Aという)を示す断面図である。以後、母型部材(又は部材A)をここで製作する母型として説明する。図5は、部材Aの上面図である。尚、本実施の形態により製作される母型部材は、その母光学面に、光学素子の回折輪帯に対応した輪帯が形成されるものとする。
まず、図1のステップS101で、SiO又はポリシリコン製の略半球型の形状を有する母型の素材10を、金属など導電性の素材からなる円盤状の電極部材11の中央開口11aに埋め込み接着剤で相対回転不能に固定し(図4(a)参照)、部材Aを得る。その後、ステップS102で、詳細は後述する施盤(ここでは超精密旋盤(SPDT加工機)を含む)のチャックに部材Aを取り付ける。更に、ステップS103で、部材Aを回転させなから、ダイヤモンド工具により、母型の素材10の上面を図2(b)に示すように切削加工し母光学面(成形しようとする光学素子の光学曲面に相当し、該母光学面は光軸を有する)10aを形成し、且つ電極部材11の上面に周溝11a(第1のマーク)を切削加工し、更に電極部材11の外周面11fを切削加工する。このとき、母光学面10aの光軸の位置は、その外形から確認することはできないが、同時に加工されることから母光学面10aと周溝11aとは、精度良く同軸に形成されることとなり、又、円筒面に形成された電極部材11の外周面11fも、光軸と精度良く同軸に形成される。即ち、外周面11fは回転軸を有し、それは母光学面の光軸に一致することとなる。
ここで、周溝11aは、例えば、暗視野部(凹部に相当)と明視野部(凸部に相当)とからなる複数の溝から形成されてよく、暗視野部、明視野部を各々複数個有するとさらに好ましい(これはダイヤモンド工具の先端が凹凸を有するものであれば容易に形成できる)。また、周溝11aの凹凸形状により、後述するごとく塗布されるレジスト飛散防止の堤防としても機能させることができる。
更に、ステップS104で、部材Aを超精密旋盤から取り外し、ステップS105で、後述するFIB(Focused Ion Beam)加工機のステージ上にセットする。続くステップS106で、FIB加工機のステージ上の部材Aにおける周溝11aを読み取り、例えばその内側エッジから母型の素材10の光軸の位置を決定し、ステップS107で、決定した光軸から等距離で3つ(4つ以上でも良い)の第2のマーク11bを、電極部材11上に描画する(図4(b)及び図3参照)。ダイヤモンド工具により加工形成した周溝11aの幅は比較的広いため、これを用いて加工の基準とすることは、加工精度を低下させる恐れがあるが、FIB加工機は、幅が20nmの線を形成できるため、例えば十字線を形成すると、20nm×20nmの微細なマークを形成することができ、それを加工の基準とすることで、より高精度な加工が期待できる。
ステップS108で、部材AをFIB加工機のステージから取り外し、ステップS109で、第2のマーク11b上に保護テープ13を貼り付ける(図4(c)参照)。この保護テープ13は、後加工で母型の素材10上に塗布されるレジストLが、第2のマーク11bに付着しないようにするためのものである。レジストLが第2のマーク11bに付着すると、加工の基準として読み取りが不適切になる恐れがある。
更に、ステップS110で、部材Aを不図示のスピンコータにセットし、ステップS111で、レジストLを母型の素材10上に流下させながらプレスピンを実施し、その後ステップS112で本スピンを実施し、レジストLの被膜を行う(図4(d)参照)。プレスピンと本スピンとを分けたのは、複雑な曲面である母光学面10aに、均一な膜厚のレジストLを被膜させるためである。
その後、ステップS113で、部材Aをスピンコータから取り外し、ステップS114で、ベーキングを行ってレジストLの被膜を安定させ、ステップS115で保護テープ13を剥がす。かかる状態の部材Aが、図4(d)に示されている。
続いて、ステップS116で、部材Aを不図示の形状測定器(画像認識手段と記憶手段とを有する)にセットし、ステップS117で、形状測定器の画像認識手段を用いて、第2のマーク11bを検出する。更に、ステップS118で、超精密旋盤に用いた母型の素材10の母光学面10aの3次元座標を、第2のマーク11bに基づく3次元座標に変換して、これを記憶手段に記憶する。このように、母光学面10aを新たな3次元座標で記憶し直すのは、後工程で電子ビーム描画を行う際に、母光学面10aの被加工面に対して、狭い電子ビームの焦点深度を合わせるために、電子銃と部材Aとの相対位置を調整する必要があるからである。尚、第2のマーク11bは、測定の際、測定データにかかる座標の基準点がどこなのかを作業者が視認するための位置認識マークとして利用できる。その後、ステップS119で部材Aを形状測定器から取り外す。
ステップS120で、部材Aを、後述する電子ビーム描画装置の3次元ステージにセットし、ステップS121で、読取手段(走査型電子顕微鏡:電子ビーム描画装置に付属していると好ましい)を介して部材Aの第2のマーク11bを検出し、それと記憶されている母光学面10aの3次元座標とから、母光学面10aの被加工面の形状を求め、ステップS122で、求めた被加工面の形状に対して電子ビームの焦点が合うように、3次元ステージを移動させ、電子ビームB(図4(d)参照)を照射し、所定の処理として所望の輪帯形状を描画する。描画後、ステップS123で、3次元ステージより部材Aを取り外し、ステップS124で現像処理を行って、輪帯形状のレジストを得る。ここで、同一点における電子ビームBの照射時間を長くすれば、それだけレジストの除去量が増大するため、位置と照射時間(ドーズ量)を調整することで、ブレーズ形状の輪帯になるよう、レジストを残すことができる。尚、電極部材11の外周面11fを基準として、上述したごとく輪帯形状のレジストを得ることで、後述するごとく母光学面にブレース状の輪帯を形成しても良い。
ステップS125で、ブレーズ形状の輪帯にスパッタリング処理にて金属薄膜を成膜する。更に、ステップS126で、プラズマシャワーによるドライエッチングを経て、母型の素材10の母光学面10aの表面を彫り込んでブレーズ状の輪帯10b(所定の形状/なおここでは実際より誇張されて描かれている)を形成する(図4(e)参照)。ここまでの工程で加工処理された部材Aが、母型として製作されたこととなる。即ち、これらのプロセスの結果、限定の形状(パターン)を有する光学面が母光学面上に形成される。
その後、ステップS127で、スルファミン酸ニッケル浴中に、表面を活性処理した母型部材すなわち部材Aを浸し、電極部材11と外部の電極14との間に電流を流すことで、電鋳部材20を成長させる(図4(f)参照)。このとき、電鋳に先立ち電極部材11の外周面11fに絶縁剤を塗布することで、絶縁剤が塗布された部分の電鋳形成を抑制できる。射出成形時に許容できるチルト角度を1分として以下の加工を行う場合、その基準面となる電鋳部材が形成されない外周面11fの軸線方向長さを7mm以上とすることが望ましい。電鋳部材20は、その成長の過程で、母光学面10aに精度良く対応した光学面転写面20aと、輪帯10bに精度良く対応した輪帯転写面20bとを形成する(光学面転写面20aと輪帯転写面20bを合わせて光学転写面と呼ぶ)。
その後、ステップS128で、電極部材11の外周面11fを基準として、部材Aと電鋳部材20とを一体で、SPDT加工機の回転軸と部材Aの光軸とを一致させるようにしてチャックに取り付け、電鋳部材20の外周面20cを切削加工する(図4(g)参照)。この操作において、母光学面の光軸は電鋳部材の回転中心と一致することとなる。上述したように、外周面11fの軸線方向長さを7mm以上とすることで、例えば部材Aをチャックに取り付ける際に用いる支持部材(不図示)と、部材Aとの端面平行度を考慮する必要がなく、セットの手間が省ける。なお、ステップS103において、用いられるSPDT加工機(第1の施盤)とステップS127において用いられるSPDT加工機(第2の施盤であるがここでは同じもの)が用いられている。しかし、異なるSPDT加工機を用いることも可能である。
加えて、図4(g)に示すように、電鋳部材20に、裏打ち部材との位置決め部としてのピン孔20d(中央)及びネジ孔20eを加工する。尚、ピン孔20dの代わりに円筒軸を形成しても良い。
ステップS129(前半)において、電鋳部材20を、以下に述べるように裏打ち部材と一体化することで、可動コア30を形成する。
図6は、可動コア30の断面図である。図6において、可動コア30は、先端(図で右側)に配置した電鋳部材20と、後端(図で左側)に配置した押圧部36と、その間に配置された摺動部材35とから構成される。摺動部材35及び押圧部36が裏打ち部材となる。
電鋳部材20は、そのピン孔20dに、円筒状の摺動部材35の端面中央から突出したピン部35aを係合させることで、摺動部材35と所定の関係で位置決めされ、更に、摺動部材35を軸線に平行に貫通する2つのボルト孔35bに挿通したボルト37を、ネジ孔20eに螺合させることで、電鋳部材20は摺動部材35に取り付けられる。
摺動部材35は、ピン部35aの設けられた端面(図で右端)に対向する端面(図で左端)の中央に突出して形成されたネジ軸35cを、略円筒状の押圧部36の端部に形成されたネジ孔36aに螺合させることで、押圧部36に対して所定の位置関係で取り付けられる。図4において、本実施例では電鋳部材20の摩耗を考慮し、摺動部材35の外周面35eは、電鋳部材20及び押圧部36のフランジ部36b以外の部分の外周面よりも大径となっている。ここで、図3のステップS129(後半)で、電極部材11の外周面11fを基準に、摺動部材35と押圧部36の外周面が回転とともに切削加工により仕上げられるため、ステップS103で形成された基準がステップS129まで首尾一貫して使用され、母型部材の同心円パターン(輪帯10b)中心と、金型摺動部外形中心との同軸度を1μm以内に収めることができる(即ち、母光学面の光軸が摺動部材35と押圧部36を有する裏打ち部材の回転中心に一致する状態となる)。なお、ステップS129において電鋳部材20を裏打ち部材と一体化した後、切削加工後の電鋳部材20の外周面を基準に、裏打ち部材外周面を(切削加工により母型部材と同軸になるように)仕上げることも可能である。
その後、図6の矢印Xで示す位置でカットすることにより、部材Aから電鋳部材20を脱型する(図3のステップS130)。更に、ステップS131で、電鋳部材20と母型部材を脱型後、可動コア30の先端の電鋳部材20を仕上げて、光学素子成形用金型を得る。
図7は、このようにして形成された可動コア30を用いて光学素子を成形する状態を示す図である。図7において、光学面転写面41aを有する光学素子成形用金型41を保持する保持部42は、可動側キャビティ43に固定されている。可動側キャビティ43は、小開口43aと、それに同軸な大開口43bとを有している。可動側キャビティ43内に可動コア30を挿入したときに、摺動部材35の外周面35eが、小開口43aの内周面と摺動し、押圧部36のフランジ部36bの外周面36dが、大開口43bの内周面と摺動する。かかる2つの摺動部によって案内されることで、可動側キャビティ43に対して、大きく傾くことなく可動コア30は軸線方向に移動可能となる。光学素子成形用金型31、電鋳部材20の間に溶融した樹脂を射出し、可動コア30を矢印方向に加圧することで、光学素子OEが成形される。本実施の形態によれば、母型部材から精度良く転写形成された光学素子成形用金型としての電鋳部材20を用いることで、光学素子OEの光学面には、電鋳部材20の光学面転写面20aが転写形成され、且つ輪帯転写面20bに対応した回折輪帯が光軸に同心的に精度よく形成されることとなる(即ち、光学素子OEの光学面には、電鋳部材20の光学転写面が光軸に対して精度良く形成される)。
尚、以上のようにして光学素子成形用金型を加工する場合、電鋳部材20に、第2のマーク11bに対応する突起20cが転写形成されているため、これを加工の基準として用いることで、その外周面等の精度の良い加工を行うこともできる。
本実施の形態によれば、母型の素材10と一体化された電極部材11に、第2のマーク11bを形成することで、後工程で、かかる第2のマーク11bに基づいて母型の素材10に、精度の良い加工を行えるという利点がある。又、電極部材11の外周面11fを、母型の素材10の母光学面10aと並行して切削加工することで、その光軸に同軸となるよう形成できるため、かかる外周面11fを基準面とすることで、以降の加工(例えば電鋳部材20の外周面加工)における加工精度を向上させることができる。
(超精密旋盤:SPDT加工装置について)
以下、部材Aの切削加工に用いる超精密旋盤例えば、SPDT(Single Point Diamond Turning)の制御系の概略構成について、図8(a)及び図8(b)を参照しつつ説明する。
超精密旋盤100は、図8(a)に示すように、部材Aなどのワーク110を固定するための回転保持部材である固定部111と、前記ワーク110に対して加工を施すための切削バイトの刃先であるダイアモンド工具112と、前記固定部111をZ軸方向に移動させるZ軸スライドテーブル120と、前記ダイアモンド工具112を保持しつつX軸方向(あるいは加えてY軸方向)に移動させるX軸スライドテーブル122と、Z軸スライドテーブル120及びX軸スライドテーブル122を移動自在に保持する定盤124と、を含んで構成されている。なお、固定部111もしくはダイアモンド工具112のいずれか一方又は双方を回転駆動するための不図示の回転駆動手段が設けされ、後述の制御手段138に電気的に接続されている。
また、超精密旋盤100は、図8(a)に示すように、Z軸スライドテーブル120の駆動を制御するZ方向駆動手段131と、X軸スライドテーブル122のX軸方向での駆動(あるいは加えてY軸方向での駆動)を制御するX方向駆動手段132及びY方向駆動手段133と、これらにより送り量を制御する送り量制御手段134と、切込量を制御する切込量制御手段135と、温度を制御する温度制御手段136と、各種制御条件や制御テーブルないしは処理プログラムを記憶した記憶手段137と、これら各部の制御を司る制御手段138と、を含んで構成される。
ダイアモンド工具112は、図8(b)に示すように、本体部分を構成するダイアモンドチップ113と、この先端部に構成された頂角αからなるすくい面114と、側面部を構成する第1逃げ面115、第2逃げ面116から構成される。このすくい面114に含まれる刃先には、予めないしは摩耗による複数の凹凸部114aが形成されている。
上記のような構成を有する超精密旋盤100において、概略以下のように作用する。すなわち、セットされた部材Aであるワーク110に対して、ダイアモンド工具112が相対移動することによって、ワーク110の加工を行うこととなる。この際、ダイアモンド工具112は、刃先がRバイトの構成を有していることから、刃先の当たるポイントが順次変化し、摩耗に対しても強い。
そして、本実施の形態においては、上述のような超精密旋盤を用いて、前記部材Aを加工する際には、温度コントロールを実施しながら、送り量、切込量を制御して曲面部の切削加工されることとなる。
(集束イオンビーム(FIB)加工装置について)
次に、第2のマーク11bを形成するための集束イオンビーム加工装置の概略構成について、図9を参照しつつ説明する。
集束イオンビーム加工装置(FIB:Focused Ion Beam装置)は、Ga等の金属イオン源を用いた集束イオンビームによる部材Aの加工や集束イオンビームを部材Aに走査して得られる走査像の観察(SIM:Scanning Ion Microscope)を行うものであり、イオン源から発生し加速されたイオンビームを静電型のコンデンサレンズや対物レンズ等によって細かく集束して部材A上に照射し、部材A上のイオンビームの照射点を偏向器によって走査し、この走査によって部材Aから発生した、例えば、2次電子を検出し、この検出信号に基づいて、走査像等を表示するものである。
集束イオンビーム加工装置200は、高真空に保持されており、図9に示すように、イオン源となる液体金属イオン源201、イオンを引き出す引出電極202、イオンビームを所望のエネルギーに加速する複数段よりなる加速管203、イオンビームを制限するアパーチャ205により開口を可変可能なコンデンサレンズ204、アパーチャ207により開口を可変調節可能でありイオンビームをフォーカスして試料に照射する対物レンズ206、偏向器208、ブランキング/E×B制限アパーチャを備えたE×B質量分析器209、エミッタアライメント210、アライメントセットスティグメータ211、アライメントセット212、アライメントセットスティグメータ213、加工しようとする部材Aを載置し部材Aの位置と傾きを自在に調節できるステージ214、位置認識マーク等を検出するための検出器215、レーザー供給源216及び光学系からなるレーザー干渉計217、ステージ214を駆動するステージ駆動手段220、及びこれらの各部の制御を行う制御回路230、操作入力を行うための操作入力部261、部材A及び走査像を観察認識するための画像認識部260、不図示の電源等を含んで構成される。
アパーチャ205、207は、例えば、イオンビームの通路を制限するなどして、イオンビーム径等を変更可能な開口を有しており、開口以外では、イオンビームが透過できない厚さを有している。なお、アパーチャをN段階の形成してもよい。
検出器215は、部材Aへのイオンビームの照射に基づいて発生した、例えば2次電子を検出するためのものである。
ステージ駆動手段220は、ステージをX方向に駆動するためのX方向駆動機構221と、Y方向に駆動するためのY方向駆動機構と、Z方向に駆動するためのZ方向駆動機構と、θ方向に駆動するためのθ方向駆動機構と、を含んで構成される。
制御回路230は、イオン源201を制御するイオン源制御回路231と、加速管203を制御する加速管制御回路232と、コンデンサレンズ204による集束を制御する第1の集束制御回路233と、対物レンズ206による集束を制御する第2の集束制御回路234と、偏向器208の偏向器を制御する偏向制御回路235と、ステージ駆動手段220を制御するステージ制御回路236と、部材Aで発生した二次イオンを検出する検出器21からの信号処理を制御する検出器制御回路237と、レーザー干渉計217を制御するレーザー干渉計制御回路238と、E×B質量分析器209を制御することでイオンを選択するイオン選択制御回路239と、エミッタアライメント210・アライメントセットスティグメータ211・アライメントセット212・アライメントセットスティグメータ213を各々制御する第1〜第4の各アライメント制御回路240・241・242・243と、各種制御テーブル、プログラムを格納した記憶部250と、各種表示画像を表示処理する表示処理部251と、これらの制御を司るCPU等の制御部252と、を含んで構成されている。
記憶部250は、例えば、半導体メモリやディスク装置などの記憶装置の一領域として実現され、画像データと位置データとの組み合わせ等をも記憶する。例えば、断面の位置座標などからなる位置データと、各断面画像データを構成する画素を、走査した順番に格納した断面画像データとを組み合わせて、一対のデータとして記憶できる。記憶部250には、このデータを記憶する領域が複数設けられており、部材Aの特定箇所に形成する各断面に対応する上記各データを、例えば、位置データの順番などに並べて、格納できる。
表示処理部251は、特定箇所を表示するために、記憶部250に蓄積した各画像データおよび位置データに基づいて、例えば画像等を画像認識部260に表示するよう処理する。なお、表示処理部251は、記憶部250に格納したデータから、任意のX、Y、Z座標の画素のデータを読み出し、所望の視点から見た立体的な画像を画像認識部260に表示可能としてもよい。表示の方法としては、様々な方法が考えられるが、例えば、隣接する画素データから輪郭を抽出し、さらに、輪郭の前後関係を判定して、隠れている部分を破線などで表示できるようにすることが好ましい。また、該画像データに対して、輝度の変化による輪郭抽出などの画像処理を行い、イオンビームによって形成された孔、線など、部材Aの表面の特徴的な部分の大きさや位置を認識し、ステージ214が部材Aを所望の位置に配されているか否かや、イオンビームによって、所望の大きさの孔、線が部材Aに形成されたか否かを判定できようにしてよい。
制御部252は、例えば検出器制御回路237を介して上記検出器215からの検出信号を受け取って、画像データを形成すると共に、操作入力部261の指示、あるいは、画像データなどに基づいて、各部へ各種条件を設定する。さらに、操作入力部261などから入力される作業者の指示などに応じて、ステージ214およびイオンビーム照射のための各部を制御できる。
また、上記制御部252は、検出器制御回路237によって、デジタル値に変換された検出器215からの全ての検出信号を受け取る。該検出信号は、イオンビームが走査している位置、すなわち、イオンビームの偏向方向に応じて変化する。したがって、偏向方向と該検出信号とを同期させることにより、イオンビームの各走査位置における部材Aの表面形状および材質を検出できる。制御部252は、これらを走査位置に対応して再構成して、部材Aの表面の画像データを画像認識部260上に表示できる。
(動作説明)
上述のような構成を有する集束イオンビーム装置200において、最初に、集束イオンビーム装置200に設けられたステージ214上に一面に母光学面10と第1のマーク11bが形成された部材Aをセットし、周囲を真空状態にして、イオンビームを部材Aに走査可能な状態にまで、集束イオンビーム装置200をセットアップする。
次に、イオンビームで部材A上のある領域を走査する。この際、イオン源201からのイオンは、引き出し電圧5〜10kVで発生し、加速管203にて加速される。加速されたイオンビームは、コンデンサレンズ204及び対物レンズ206により集束され、ステージ214上の部材Aに到達する。
なお、Au―Si―Beなどの合金イオン源を用いる場合には、E×B質量分析器209により必要とするイオンのみを直進させ、不要なイオンの軌道を曲げることによって、必要なイオンを分離選択することができる。
また、Siのように、同位体が存在するイオンを扱う場合には、コンデンサレンズ204によるイオンビームのクロスオーバーポイントをE×B質量分析器209の中心にくるように調整制御されることが好ましい。これにより、同位体を分離せずに有効に利用できる。このようにして、イオンは、対物レンズ206により部材A上で一点に集束され、例えば、ラスター状に走査され得る。
走査により、部材Aの表面より放出される2次電子や2次イオンを検出し、検出結果に基づいて、表示処理部251により画像処理を施し、該領域の表面形状を示すSIM像を画像認識部260に表示する。例えば、ステージ214を移動させる毎にSIM像を表示し、特定箇所を表示できるようにステージ214の位置合わせを行う。
作業者は、例えば、操作入力部261などを用いて、特定箇所を表示したSIM像に対し、例えば、加工の条件設定として、加工領域、加工時間、およびイオンビームの電流値等を指定するとよい。例えば、部材Aの表面のSIM画像を取得し、さらに、特定箇所に対して加工領域を設定し、該加工領域の加工時間と、加工に使用するイオンビームのイオンビーム径および電流値とを指定する。なお、不図示の他の観察光学系を利用して部材Aの状態を観察してもよい。
ここで、本実施の形態においては、部材A上の第1のマーク11aを、検出器215からの検出信号に基づいて、画像認識部260にて認識させる。
そして、第1のマーク11aの線に平行な平行線をイオンビームにより形成する。この際、ステージ214並びにイオンビームの相対移動により、前記平行線を弧の一部を描くようにないしは直線的に形成することが好ましい。
この際、集束イオンビーム加工装置200は、上記加工領域を走査する。部材Aの材質、イオンビームの種類(イオンビーム電流値の違い)やエネルギー、ドーズ量などによって、スパッタリングされる量が決まるので、1回の走査によって、加工領域は、略一定の深さまで堀り進められる。また、走査に対応して、2次電子や2次イオンの検出信号全てを記憶部250に記憶し、特定箇所における画像データを取得し、作業者の指示に応じて任意の位置の像を得ることができる。
次に、前記平行線に略直交する直交線をイオンビームにより形成する。これらを、第1のマーク11aの同心円の円周に沿った方向で、複数例えば、3ヶ所形成することにより複数の各第2のマーク11bを構成することができる。
なお、第2のマーク11bを3ヶ所形成する場合の形成手順としては、上記のものに限らず、予め、3ヶ所についての平行線をステージ214を間欠的に回転駆動させることで形成しておき、その後、各々の箇所についての直交線を形成するようにしても構わない。
さらに、これら制御手順などを、予め記憶部250等に制御プログラムとして記憶しておき、操作入力部261からは、例えば、第2のマーク11bを3ヶ所形成する場合には、「3」、5ヶ所形成する場合には、「5」と操作入力することにより、自動的に第1のマーク11aを検出して第2のマーク11bを形成すべき点を自動算出し、実行開始ボタン等を押下することにより、第2のマーク11bの形成が自動的になされるような構成とすることが好ましい。
このように、集束イオンビーム装置を利用し、集束イオンビーム装置の観察光学系や2次イオン画像等で観察を行い、第1のマークを認識して、集束イオンビーム装置のステージ位置で座標を知る。当該座標位置で集束イオンビームを走査して第2のマークを形成することができる。
ここに、線幅(ビームの集束)は、例えば、好ましくは、略1nm〜略50nm程度とする。ただし、Gaイオンを打ち込む場合に限る。さらに好ましくは、20nm程度とする。光学素子の中心軸の位置ずれは1μm以内にする必要があり、この1μmに対して充分小さい径により位置を決められるからである。
なお、集束イオンビーム加工装置としては、このような例に限らず、イオンビームによる加工と表面観測とを同時に行い、部材Aの表面に平行な平面の画像を順次取得し、3次元画像データとして蓄積すると共に、画像変換により任意の断面を得る構成を有してもよい。
(電子ビーム描画装置について)
次に、電子ビーム描画装置の全体の概略構成について、図10を参照して説明する。図10は、本例の電子ビーム描画装置の全体構成を示す説明図である。
電子ビーム描画装置401は、図10に示すように、大電流で高解像度の電子線プローブを形成して高速に描画対象の部材A上を走査するものであり、高解像度の電子線プローブを形成し、電子ビームを生成してターゲットに対してビーム照射を行う電子ビーム生成手段である電子銃412と、この電子銃412からの電子ビームを通過させるスリット414と、スリット414を通過する電子ビームの前記部材Aに対する焦点位置を制御するための電子レンズ416と、電子ビームが出射される経路上に配設され開口により所望の電子ビームのビーム形状にするためのアパーチャー418と、電子ビームを偏向させることでターゲットである部材A上の走査位置等を制御する偏向器420と、偏向を補正する補正用コイル422と、を含んで構成されている。なお、これらの各部は、鏡筒410内に配設されて電子ビーム出射時には真空状態に維持される。
さらに、電子ビーム描画装置411は、描画対象となる部材Aを載置するための載置台であるXYZステージ430と、このXYZステージ430上の載置位置に部材Aを搬送するための搬送手段であるローダ440と、XYZステージ430上の部材Aの表面の基準点を測定するための測定手段である測定装置480と、XYZステージ430を駆動するための駆動手段であるステージ駆動手段450と、ローダを駆動するためのローダ駆動装置460と、鏡筒410内及びXYZステージ430を含む筐体411内を真空となるように排気を行う真空排気装置470と、部材A上を観察する観察系491と、これらの制御を司る制御手段である制御回路492と、を含んで構成されている。
なお、電子レンズ416は、高さ方向に沿って複数箇所に離間して設置される各コイル417a、417b、417cの各々の電流値によって電子的なレンズが複数生成されることで各々制御され、電子ビームの焦点位置が制御される。
測定装置480は、部材Aに対してレーザーを照射することで部材Aを測定する第1のレーザー測長器482と、第1のレーザー測長器482にて発光されたレーザー光(第1の照射光)が部材Aを反射し当該反射光を受光する第1の受光部484と、前記第1のレーザー測長器482とは異なる照射角度から照射を行う第2のレーザー測長器486と、前記第2のレーザー測長器486にて発光されたレーザー光(第2の照射光)が部材Aを反射し当該反射光を受光する第2の受光部488と、を含んで構成されている。
ステージ駆動手段450は、XYZステージ430をX方向に駆動するX方向駆動機構452と、XYZステージ430をY方向に駆動するY方向駆動機構454と、XYZステージ430をZ方向に駆動するZ方向駆動機構456と、XYZステージ430をθ方向に駆動するθ方向駆動機構458と、を含んで構成されている。これによって、XYZステージ430を3次元的に動作させたり、アライメントを行うことができる。
なお、制御回路492は、図示しないが、電子銃412に電源を供給するための電子銃電源部、この電子銃電源部での電流、電圧などを調整制御する電子銃制御部、電子レンズ416(複数の各電子的なレンズを各々)を動作させるためのレンズ電源部、このレンズ電源部での各電子レンズに対応する各電流を調整制御するレンズ制御部、を含んで構成される。
さらに、制御回路492は、補正用コイル422を制御するためのコイル制御部、偏向器420にて成形方向の偏向を行う成形偏向部、偏向器420にて副走査方向の偏向を行うための副偏向部、偏向器420にて主走査方向の偏向を行うための主偏向部、電子ビームの電界を制御する電界制御手段である電界制御回路、描画パターンなどを前記部材Aに対して生成するためのパターン発生回路、各種レーザー制御系、ステージ駆動手段450を制御するためのステージ制御回路、ローダ駆動装置460を制御するローダ制御回路、測定情報を入力するための測定情報入力部、入力された情報や他の複数の情報を記憶するための記憶手段であるメモリ、各種制御を行うための制御プログラムを記憶したプログラムメモリ、各部を備えた制御系、これらの各部の制御を司る例えばCPUなどにて形成された制御部、を含んで構成されている。
(動作説明)
上述のような構成を有する電子ビーム描画装置401において、ローダ440によって搬送された部材AがXYZステージ430上に載置されると、真空排気装置470によって鏡筒410及び筐体411内の空気やダストなどを排気したした後、電子銃412から電子ビームが照射される。
電子銃412から照射された電子ビームは、電子レンズ416を介して偏向器420により偏向され、偏向された電子ビームB(以下、この電子レンズ416を通過後の偏向制御された電子ビームに関してのみ「電子ビームB」と符号を付与することがある)は、XYZステージ430上の部材Aの表面、例えば曲面部(曲面)12上の描画位置に対して照射されることで描画が行われる。
この際に、測定装置480によって、部材A上の描画位置(描画位置のうち少なくとも高さ位置)、もしくは後述するような基準点の位置が測定され、制御回路492は、当該測定結果に基づき、電子レンズ416のコイル417a、417b、417cなどに流れる各電流値などを調整制御して、電子ビームBの焦点深度の位置、すなわち焦点位置を制御し、当該焦点位置が前記描画位置となるように移動制御される。
あるいは、測定結果に基づき、制御回路492は、ステージ駆動手段450を制御することにより、前記電子ビームBの焦点位置が前記描画位置となるようにXYZステージ430を移動させる。
また、本例においては、電子ビームの制御、XYZステージ430の制御のいずれか一方の制御によって行っても、双方を利用して行ってもよい。
次に、測定装置480の第1のレーザー測長器482により電子ビームと交差する方向から部材Aに対して第1の光ビームS1を照射し、部材Aを透過する第1の光ビームS1の受光によって、第1の光強度分布が検出される。
この際に、第1の光ビームS1は、部材Aの底部にて反射されるため、第1の強度分布に基づき、部材Aの平坦部上の(高さ)位置が測定算出されることになる。しかし、この場合には、部材Aの母光学面10上の(高さ)位置を測定することができない。
そこで、本例においては、さらに第2のレーザー測長器486を設けている。すなわち、第2のレーザー測長器486によって、第1の光ビームS1と異なる電子ビームとほぼ直交する方向から部材Aに対して第2の光ビームS2を照射し、部材Aを透過する第2の光ビームS2が第2の受光部488にて受光されることによって、第2の光強度分布が検出され、これに基づき、位置が測定算出される。
そして、この部材Aの高さ位置を、例えば描画位置として、前記電子ビームの焦点位置の調整が行われ描画が行われることとなる。
(プラズマエッチング装置の構成について)
次に、基材Aに対してドライ(プラズマ)エッチング処理を行うためのプラズマエッチング装置の概略構成について説明する。異方性エッチング処理を行える一例として、ここでは高密度プラズマを発生できる誘導結合プラズマ処理装置を示す。
誘導結合プラズマ処理装置の典型的な構造において、気密な処理室の天井に誘電体壁(窓板)が配設され、該誘電体壁上に高周波(RF)アンテナが配設される。高周波アンテナにより、処理室内に誘導電界が形成され、該電界により、処理ガスがプラズマに転化される。このようにして生成された処理ガスのプラズマを使用して、処理室内に配置された基材に対してエッチング等の処理が施される。
図11は、本実施の形態に係る誘導結合プラズマエッチング装置を示す概略断面図である。図11に示すように、プラズマエッチング装置301は、導電性材料、例えばアルミニウム製の筐体から分解可能に組立てられた気密な容器320を有する。容器320は、接地線321によって接地されている。なお、容器320は、壁面から汚染物が発生しないように、内壁面が陽極酸化によりアルマイト処理されている。
容器320内は、上側のアンテナ室324と、処理室326とに気密的に隔離されることが好ましい。隔離に際し仕切られる仕切り構造は、石英等からなるセグメントを組み合わせてなる誘電体壁332を含む支持部334により形成される。支持部334の下面は、水平面上で実質的に整一した状態に形成される。
なお、支持部334の下面は、更に、平滑な下面を有する石英等からなる誘電体カバー(不図示)により被覆されることが好ましく、一方、誘電体壁332の上側には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等からなる不図示の樹脂板を配設することが好ましい。
アンテナ室324には、ヒータ361が配設され、これは電源362に接続されている。ヒータ361により支持部334を介して誘電体壁332を含む仕切り構造が加熱され、これにより、処理室326に露出する仕切り構造の下面に副生成物が付着するのが防止される。
支持部334は、導電性材料、望ましくは金属、例えばアルミニウム製の筐体からされた中空の部材からなり、シャワーへッドを構成するためのシャワー筐体として兼用される。支持部334を構成する筐体の内外表面は、壁面から汚染物が発生しないように、陽極酸化によりアルマイト処理される。支持部兼シャワー筐体334には、ガス流路が内部に形成されると共に、ガス流路に連通し且つ後述するサセプタ即ち載置台371に対して開口する複数のガス供給孔が下面に形成される。
支持部334の中央に接続された管状の管部335内には、支持部334内のガス流路に連通するガス供給管351が配設される。ガス供給管351は、容器320の天井を貫通し、容器320外に配設された処理ガス源部350に接続される。即ち、プラズマ処理中、処理ガスが、処理ガス源部350からガス供給管351を介して、支持部兼シャワー筐体334内に供給され、その下面のガス供給孔から処理室326内に放出される。
アンテナ室324内には、誘電体壁332に面するように、仕切り構造上に配設された高周波(RF)のアンテナ331が配設される。
アンテナ331は、仕切り構造上の部分が例えば渦巻き状をなす平面型のコイルアンテナからなる。アンテナ331は、一端部が容器320の天井の略中央から導出され、整合器341を介して高周波電源342に接続される。一方、他端部は容器320に接続され、これにより接地される。
プラズマ処理中、高周波電源342からは、誘導電界形成用の高周波電力がアンテナ331ヘ供給される。アンテナ331により、処理室326内に誘導電界が形成され、この誘導電界により、支持部兼シャワー筐体334から供給された処理ガスがプラズマに転化される。このため、高周波電源342は、プラズマを発生させるのに十分な出力で高周波電力を供給できるように設定される。
誘電体壁332を挟んで高周波のアンテナ331と対向するように、処理室326内には基材を載置するための載置台であるサセプタ371が配設される。サセプタ371は、導電性材料、例えばアルミニウム製の部材からなり、その表面は、汚染物が発生しないように、陽極酸化によりアルマイト処理される。サセプタ371の周囲には基材を固定するための保持部材373が配設される。
サセプタ371は、絶縁体枠372内に収納され、更に、中空の支柱上に支持される。支柱は容器320の底部を気密に貫通し、容器320外に配設された駆動手段374に支持される。即ち、サセプタ371は、基材Aのロード/アンロード時に、この駆動手段374により例えば上下方向に駆動される。
サセプタ371は、中空の支柱内に配置された給電棒により、整合器381を介して高周波電源382に接続される。プラズマ処理中、高周波電源382からは、バイアス用の高周波電力がサセプタ371に印加される。このバイアス用の高周波電力は、処理室326内で励起されたプラズマ中のイオンを効果的に基材に引込むために使用される。
更に、サセプタ371内には、基材の温度を制御するため、ヒータ等の加熱手段や冷媒流路等からなる温度調整手段375や温度センサ(不図示)が配設され、温度調整手段375を制御する温度制御手段376に接続される。これ等の機構や部材に対する配管や配線は、いずれも中空の支柱を通して容器320外に導出される。
処理室326の底部には、排気管377を介して、真空ポンプなどを含む真空排気機構が接続される。真空排気機構により、処理室326内が排気されると共に、プラズマ処理中、処理室326内が真空雰囲気、所定の圧力雰囲気に設定及び維持される。
本実施の形態にかかるバイアス用電力を出力するバイアス用の高周波電源382には、バイアス用電力の供給を制御する制御手段394が接続されている。
一方、上記バイアス用電力よりも周波数が相対的に高いプラズマ生成用電力を出力するプラズマ生成用の高周波電源342にも、上記制御手段394が接続されており、この制御手段394によってプラズマ生成用電力の供給が制御される。この制御手段394には、さらに、種々の設定入力値等を表示するための表示手段393、操作入力を行うための操作入力手段392、各種テーブルや種々の制御プログラム、設定情報等を記憶した記憶手段391が接続される。なお、この制御手段394と前述の電子ビーム描画装置の制御回路等が種々の通信手段を介してネットワーク接続することにより、電子ビーム描画装置にて設定され、演算された種々の補正係数を含む情報が自動的に記憶手段391に格納されて制御の際に利用可能に形成することが好ましい。
次に、図11の誘導結合プラズマエッチング装置を用いて、基材Aに対してプラズマエッチング処理を施す場合について説明する。
まず、ゲートバルブ322を通して搬送手段により基材Aをサセプタ371の載置面に載置した後、保持部材373により基材をサセプタ371に固定する。次に、処理室326内にガス供給源350からエッチングガス(例えばSFとOによる例えば混合比9:1の混合ガス)を含む処理ガス吐出させると共に、排気管377を介して処理室326内を真空引きすることにより、処理室326内を所定の圧力雰囲気に維持する。
次に、高周波電源342から所定の高周波電力をアンテナ331に印加することにより、仕切り壁構造を介して処理室326内に均一な誘導電界を形成する。かかる誘導電界により、処理室326内で処理ガスがプラズマに転化され、高密度の誘導結合プラズマが生成される。このようにして生成されたプラズマ中のイオンは、高周波電源382からサセプタ371に対して印加される所定の高周波電力によって、基材Aに効果的に引込まれ、レジストのマスクパターンを有する基材Aに対して所望のエッチング処理が施される。
この際、制御手段394の制御により、プラズマ生成用の高周波電源342から所定の第1の周波数の第1の電力の高周波電力を印加すると共に、バイアス用の高周波電源382から整合器381を介して、上記プラズマ生成用の第1の電力よりも相対的に低い第2の周波数である第2の電力の高周波電力を例えば、間欠的に印加する。
ここで、バイアス用電力の制御は、バイアス用電力を印加するオンサイクル、バイアス用電力を印加しないオフサイクル、とを交互に繰り返し、デューティー(オンサイクル時間/(オンサイクル時間+オフサイクル時間))を制御することが好ましい。これにより、例えば、基材の特定箇所における比(基層のエッチングされた量/レジスト層のエッチングされた量)を制御できる。なお、バイアス用電力のオン・オフの周期を生成するために、特殊なパルス電源を用いても、ソフトウェアによって電源のオン・オフを制御してもよい。
(スパッタ装置の構成について)
次に、基材Aに対してスパッタリング処理を行うためのマグネトロンスパッタ装置の概略構成について説明する。
図12は、本実施の形態に係る直流マグネトロンスパッタ装置を示す概略断面図である。図12に示すように、直流マグネトロンスパッタ装置501は、アルゴン雰囲気を密閉した容器502内において、陰極503と陽極504とを上下に対峙させて配置しており、両者間には、電源505より電圧Vdが印加されている。陽極504における陰極503に対向する面に、処理されるべき基材Aが載置されている。
陰極503の周囲には、それに非接触の状態で、リング状の陽極506が配置され、電源505からの電圧Vdが印加されている。又、陰極503の上方には、ドーナツ状の永久磁石507が配置されている。
直流マグネトロンスパッタ装置501の動作について説明する。図12に示す状態で、陰極503と陽極504、506との間に電圧が印加されると、陰極503の下面に数nmの薄い暗部を隔てて、明るく輝くドーナツ状の高密度プラズマ領域Pが生成される。高密度プラズマ領域P内の正イオンは、陰極503の暗部の電圧降下で加速されて陰極503の下面をたたき、そこから2次電子を放出させ、微細なスパッタ粒子Sとなって飛散し、基材Aに付着することとなる。
以上、実施の形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は、上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良(実施の形態の組み合わせを含む)が可能であることは勿論である。
本発明の原理を説明するための図である。 スパッタリング処理を説明するための図である。 金型の製作工程を示すフローチャートである。 図2に示す主要な工程において、処理される母型の素材と電極部材の組立体すなわち部材Aを示す断面図である。 部材Aの上面図である。 可動コア30の断面図である。 可動コア30を用いて光学素子を成形する状態を示す図である。 図8(a)は、部材Aの加工に用いられる超精密旋盤の構成の一例を示す概略構成図であり、図8(b)は、図8(a)の超精密旋盤において使用されるダイアモンド工具の刃先の一例を示す斜視図である。 部材Aの加工に用いられる集束イオンビーム加工装置の構成の一例を示す説明図である。 電子ビーム描画装置の構成の一例を示す説明図である。 プラズマエッチング装置を示す概略構成図である。 直流マグネトロンスパッタ装置を示す概略構成図である。
符号の説明
A 母型部材(基材)
10 母型の素材
11 電極部材
11a 第1のマーク(周溝)
11b 第2のマーク
100 超精密旋盤(SPDT加工装置)
200 集束イオンビーム加工装置
301 プラズマエッチング装置
401 電子ビーム描画装置
501 直流マグネトロンスパッタ装置

Claims (11)

  1. Si又はSiOからなる基材の上に、開口幅と溝深さの比が1:10以上であり且つ開口幅サイズがサブミクロンオーダー、又は幅と高さの比が1:10以上であり且つ幅サイズがサブミクロンオーダーの微細形状を形成することを特徴とする微細形状の形成方法。
  2. 基材上に、凹部又は凸部の最小サイズがサブミクロンオーダーとなるような所定のマスクパターンで、レジストを付着させる第1のステップと、
    前記レジストの表面の少なくとも一部に金属薄膜を形成する第2のステップと、
    前記レジストが形成された基材をドライエッチング処理することにより微細形状を形成する第3のステップとを有することを特徴とする微細形状の形成方法。
  3. 前記レジストは、前記基材上に微細な間隔で並べられたブロックであり、前記ブロックの頂面及びその近傍に、前記金属薄膜が形成されることを特徴とする請求項2に記載の微細形状の加工方法。
  4. 前記マスクパターンは、電子ビーム描画により形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の微細形状の加工方法。
  5. 前記金属薄膜は、NiもしくはCrをスパッタ法を用いて前記レジストに付着させることで形成されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の微細形状の加工方法。
  6. 前記レジストは開口幅に対して深さが深い溝形状を有しており、前記溝の側壁に対して傾いた方向から、NiもしくはCrを付着させることを特徴とする請求項5に記載の微細形状の加工方法。
  7. 前記ドライエッチング処理は、物理的エッチング効果が得られるか、もしくは物理的エッチング量を制御できる装置を用いて異方性エッチング処理を行うことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の微細形状の加工方法。
  8. 前記基材は3次元形状を有することを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の微細形状の加工方法。
  9. 微細形状を加工された前記基材は、光学素子を成形するための電鋳母型を作るための金型として用いられることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の微細形状の加工方法。
  10. 微細形状を加工された前記基材は、溶融した樹脂や低融点ガラスなどに押圧されることで、その微細形状を転写する母型として用いられることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の微細形状の加工方法。
  11. 請求項2乃至10のいずれかに記載の微細形状の加工方法により加工された前記基材を用いて、前記微細形状もしくはそれに相補する形状を有することを特徴とする光学素子。
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