JP4061095B2 - 光学的情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光磁気記録媒体など光によって書き込み、読み出しを行う高密度記録媒体に関するもので、より詳しくは、加水分解性基を有する化合物、例えばシラン化合物を基体表面に化学結合させた超薄コーティング膜と樹脂膜を具備した記録媒体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に表面コーティングは従来から開発されており、その例としてフッ素樹脂コーティングがある。フッ素樹脂コーティングトは防汚コーティングとして洗濯、炊事などの水回りの製品に多く用いられている。その防汚コーティングとしての効果は大きい。
【0003】
一方、シランカップリング剤を例とする表面改質材が近年多用されており、ガラス防汚処理表面加工、硝子撥水処理表面加工などがその例である。
【0004】
上述のフッ素樹脂は金属加工品の表面にコートされたりしているが、高価である。また、防汚コートとしての離型性機能が下地の金属との密着性や剥離による耐久性を落とす原因ともなり、下地を荒らすことやフィラーを入れることで密着性向上を行っている。そのため、フッ素樹脂コーティングの厚みも厚くなる傾向にあり、数ミクロンメートル以上の厚みとなっている。そのため、フッ素樹脂コーティングが半透明もしくは不透明なコートとなり、透明性を要求する基材には適用することが出来ない。
【0005】
一方、シランカップリング剤は金属表面などの無機物の表面改質するために使用されているが、有機物の表面改質には適しておらず、その利用に制限があった。
【0006】
光によって書き込み、読み出しを行う高密度記録メディアの一例であるデジタルビデオディスク(DVD)はポリカーボネイトを基材にして記録層を形成したものであり、その光記録もしくは光読み出しは透明樹脂層を介して行われ、傷付きなどを防止する目的でその表層は樹脂膜材料を用いた保護層で覆っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記保護層は汚れやすい性質がある。高密度記録メディアは、表面の汚れなどによる記録間違い、読み出し間違いが懸念され、記録密度が増加するに従ってその汚れの影響が大きなものとなる。例えば、人間の指で高密度記録メディアに触れたことによる指の油の転写も問題になる。また、従来は高密度記録メディアをケース内に保管した状態で使用していたが、今後コンパクトディスクなどのようにケースから手で取り出して使用することが想定されており、その汚れ対策が望まれていた。とくに最近のDVDディスクは、高密度記録および読み出しのため、青色レーザ光を採用しており、人間の指紋等の汚れが致命的な欠陥になるおそれがある。したがって、光ディスク表面の汚れ防止が要請されている。
【0008】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、光ディスク表面に汚れ防止膜を形成し、汚れにくく、汚れても容易に除去できる光学的情報記録媒体とその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の光学的情報記録媒体は、光学的情報記録媒体の基体の上に少なくとも反射膜と記録膜と保護膜を備え、前記保護膜は前記基体と対向する側の表層に形成されている光学的情報記録媒体であって、
前記基体および保護膜から選ばれる少なくとも一方の外層に、ハードコート樹脂層と、
前記ハードコート樹脂層の外層に、少なくとも一般式R4-m-nSiR'mn−(但し、Rは炭素数3〜18の炭素鎖基を含む基、ZはO,NまたはS、nは1,2または3、R'は水素または炭素数1〜3のアルキル基、mは0,1または2)で示される有機シラン分子からなる化学吸着膜が前記ハードコート層と共有結合して形成されており、
前記化学吸着膜の表面エネルギーは15mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする。
【0010】
次に本発明の光学的情報記録媒体の製造方法は、光学的情報記録媒体の基体の上に少なくとも反射膜と記録膜と保護膜を備え、前記保護膜は前記基体と対向する側の表層に形成されている光学的情報記録媒体の製造方法であって、
前記基体および保護膜から選ばれる少なくとも一方の外層に、ハードコート樹脂材料を含む塗布液を回転塗布し、硬化してハードコート樹脂膜を形成し、
前記樹脂膜表面を乾燥した状態で一般式R4-m-nSiR'mn(但し、Rは炭素数3〜18の炭素鎖基を含む基、Xはハロゲノ基,アルコキシ基,イソシアネート基またはエステル基、nは1,2または3、R'は水素または炭素数1〜3のアルキル基、mは0,1または2)で示される有機シラン化合物を含む化学吸着膜材料を回転塗布し、
前記有機シラン化合物の反応基と前記ハードコート樹脂膜表面の活性水素との間で脱離反応を起こさせることにより、前記有機シラン分子を薄膜状態で前記ハードコート層と共有結合させて化学吸着膜を形成し、前記化学吸着膜の表面エネルギーは15mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
指の油などが付着した汚れを除く、もしくはその汚れを影響ないようにするためには次の二つのいずれかの手段で解決することができる。
【0012】
第1番目は、油をはじく機能を有する表面に仕上げることで、この様な表面を形成できれば油は付くものの、油の玉となって集まるため、また油が表面からとれやすくなっているので油の汚れを拭き取りなどの操作によって除去しやすい。水性のよごれもはじくので同様の操作で汚れを取りやすくできる。このような表面はフッ素で覆うことにより実現できる。しかし、指紋などの油脂を放置すると凝集して大きな欠陥になり易い。
【0013】
第2番目は、油を表面に拡げることで油膜を拡散して汚れを目立たせなくすることである。この様な表面ができれば、油はその表面全体に均一に拡がる。また、水性の汚れは逆にはじくので拭き取りなどの操作によって除去しやすい。このような表面は炭化水素基を含む分子で覆うことにより実現できる。本発明は、第2番目の手段を採用したものである。
【0014】
シランカップリング剤の中で分子末端に加水分解性基、例えばイソシアネートシリル基、アルコキシシリル基、ハロゲノシリル基、エステルシリル基を有する化合物は反応活性な化合物である。特にイソシアネートシリル基、ハロゲノシリル基は非常に活性である。この化合物を表面が活性水素を有する基材と接触させることで、脱離反応が生じ、薄膜を形成することができる。ここでいう脱離反応は、ハロゲノシリル基を有する化合物の場合は脱ハロゲン化水素反応であり、イソシアネートシリル基を有する化合物の場合は脱イソシアネート反応であり、アルコキシシリル基を有する化合物の場合は脱アルコール反応であり、エステルシリル基を有する化合物の場合は脱エステル反応である。このような脱離反応により多くの分子が配列した膜状物を、当業界では化学吸着膜またはセルフアッセンブリング膜(self assembling film)とも呼ばれている。
【0015】
本発明においては、炭化水素系シランカップリング剤を使用することで表面に炭化水素基を露出することができる。とくに炭化水素基を表面に露出させると、指紋などの油脂汚れが拡散し、レーザ光線の入射または反射が阻害されず、好ましい。すなわち、被膜が親油性であるので、この被膜に指紋が付着した場合には、被膜と脂質を主成分とする指紋との親和性が強くなる。この結果、付着した指紋は被膜上を拡散する。すなわち、指紋が付着している部分には、脂質を主成分とする層が形成されている。親油性の被膜上で、この指紋が流れ広がることにより、この層は広がり、あたかも被膜上にさらに薄い脂質を主成分とする膜が形成されたようになる。従って、指紋自体が目立たなくなり、基材の汚れの目立ちを防止することができる。
【0016】
この被膜の親油性は、生体由来脂質成分に対する親油性であることが望ましい。光学的情報記録媒体保護膜層の汚れの原因の多くは、皮脂等の生体由来脂質成分による指紋等によるため、これらの汚れをより効果的に目立たなくすることができるからである。
【0017】
本発明の防汚性化学吸着膜は、表面エネルギーを15mN/m以上70mN/m以下にしておくことが好ましい。被膜の表面エネルギーが上記の範囲にあれば、被膜の濡れ性が向上し、被膜の表面に皮脂等の生体由来脂質成分が付着した場合に、この生体由来脂質成分自体の凝集に打ち勝って、生体由来脂質成分が被膜表面に広がり易くなるからである。
【0018】
具体的には、膜素材に炭化水素基を含む物質あるいはエステル基を含む物質を用いることで、被膜の表面エネルギーを上記範囲に制御できる。より具体的には、炭化水素基を有する分子で構成された化学吸着膜の場合は、15mN/m以上40mN/m以下の範囲となり、脂肪酸エステル基を有する分子で構成された化学吸着膜の場合は、30mN/m以上70mN/m以下の範囲となる。
【0019】
前記化学吸着膜の厚みは0.1nm以上0.5μm以下であることが好ましい。
【0020】
以下に、親油性の被膜の例として、被膜を構成する分子が官能基として親水性基と親油性基とを有する化学吸着物質の化学結合したものである場合について説明する。この防汚性被膜は、少なくとも親油性基を有し、かつ親油性基が基材の外方に配向し、分子の一部が基材に化学結合した分子の集合群からなるものである。
【0021】
化学吸着物質が有している親油性の官能基としては、例えば、脂肪酸エステル基、芳香族エステル基などの炭化水素基が挙げられる。好ましくは、生体由来脂質成分に構造が似ている理由から、脂肪酸エステル基である。
【0022】
上記脂肪酸エステル基を有する化学吸着物質としては、特に制限されず、公知の脂肪酸エステル基を有する化学吸着物質が使用できるが、好ましくは下記一般式(1)に示される脂肪酸エステル基を有する化学吸着物質である。
【0023】
R’−COOR”− (1)
(但し、R’及びR”は、同一又は異なっており、それぞれ炭素数1〜25の飽和または不飽和の直鎖または分枝の脂肪族炭化水素基を示す。)
ただし、R’及びR”は、全体で炭素数2〜30程度の物を用いると、扱いやすく、好ましい。不飽和脂肪族炭化水素基の場合は、分子内に少なくとも1の二重結合及び/又は三重結合を有していてもよい。
【0024】
これらの脂肪酸エステル基を有している化学吸着物質は、単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0025】
R’及びR”のうち被膜の親油性により多くの影響を与えるのは、R’である。R’の炭化水素基を適宜選択することで、被膜の親油性の程度を変えることができる。例えば、親油性が生体由来脂質成分に対する親油性である場合には、その親和性からみて、カプロン酸エステル基、カプリル酸エステル基、カプリン酸エステル基、ラウリン酸エステル基、ミリスチン酸エステル基、パルミチン酸エステル基、ステアリン酸エステル基、アラキジン酸エステル基、オレイン酸エステル基、エルシン酸エステル基、リノール酸エステル基、リノレン酸エステル基等の脂肪酸エステル基を含むものが好ましい。
【0026】
次に、親油性被膜の別の例として、被膜を構成する物質に、さらに親油性物質が分散添加されている場合について説明する。この場合にも、この親油性物質が上記、被膜を構成する物質が有している親油性の官能基と同様の働きをするので、汚れを防止できる。
【0027】
分散添加される好ましい親油性物質としては、例えば脂肪酸等、より具体的にはステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはパルミチン酸等が挙げられる。
【0028】
膜を構成する物質に、さらに親油性物質が分散添加されている被膜を作成するのは、膜を構成する物質に親油性物質を分散添加したものを、公知の方法で、積層すればよい。
【0029】
次に、本発明の防汚性被膜の製造方法について説明する。ここでは、親水性基と親油性基とを有する化学吸着物質を用いた防汚性被膜を例に、図面を用いて説明する。
【0030】
先ず、非水系有機溶媒に、親水性基と親油性基とを有する化学吸着物質、例えば、下記一般式(2)で表される官能基を有する化学吸着物質を非水系溶媒に溶解した吸着溶液を調整する(吸着溶液調整工程)。
【0031】
A−SiXqp (2)
(式中、Aは上記一般式(1)で表される脂肪族エステル基を含む有機基、Xはハロゲノ基,アルコキシ基,イソシアネート基またはエステル基、Yは水素または炭素数1〜3のアルキル基、qは1、2または3、p+qは3を示す。)
なお、この吸着溶液の調整は、相対湿度35%以下の乾燥雰囲気下で行うことが好ましい。
【0032】
使用する非水性有機溶媒としては、光情報記録媒体の基板や保護膜(ハードコート膜)などを侵さない溶媒を用いる。具体的には非水系ジメチルシリコーン、非水系ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサンなどが挙げられる。
【0033】
これらの非水性有機溶媒は、単独でも、二種以上混合して使用してもよい。
【0034】
ここで、ハードコート膜とは、耐摩耗性(wear resistance)を有する膜をいい、布などでこすっても傷がつかない膜をいう。とくに表面硬度が重要な場合は、硬化可能な樹脂を用いることが好ましく、例えばアクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂などの単独系または複合系が好ましく使用される。また、表面硬度、耐熱性、耐薬品性、透明性等の特性を考慮した場合では、有機高分子としてシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
【0035】
次に、上記吸着溶液作製工程にて作製した吸着溶液を、光情報記録媒体の保護膜側に接触させる(被膜形成工程)。これにより、前記化学吸着物質が保護膜(ハードコート膜)表面に化学吸着して固定される。例えば化学吸着分子の反応基として、トリクロロシリル基(−SiCl3基)を用いた場合、前記ハードコート膜表面に多数存在する活性水素を有する官能基(この例では、水酸基)との間で縮合反応が起こり、脱塩化水素反応が起こり、シロキサン結合が形成される。この反応を下記化学反応式(3)に示す。
A-SiCl3 + HO-|ハードコート膜 → A-SiCl2-O-|ハードコート膜 (3)
この工程で得られる被膜は、分子の一部がハードコート膜と化学結合し、親油性基側が外方に配向している分子の集合群からなる単分子膜である。さらに、この単分子膜の上に未反応の化学吸着物質が付着している。したがって、未反応の化学吸着物質を除去する必要がある場合は、非水溶液で洗浄するのが好ましい。
【0036】
また、上記基材表面に存在する活性水素を有する官能基としては、水素を供与できる官能基であれば、特に制限されず、上記水酸基の他に、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、スルフィン酸基、スルホン酸基などが挙げられる。さらに、上記官能基の活性水素が、それぞれアルカリ金属又はアルカリ土類金属で置換された官能基であってもよい。
【0037】
基材表面に活性水素を有する官能基が存在しないか、存在していても少ない場合は、ハードコート膜表面に活性水素を有する官能基を付与する処理をすればよい。この処理は、例えばコロナ放電処理、UV/オゾン処理、酸素プラズマ処理、過マンガン酸カリウム溶液等の化合物酸化剤処理などの公知の方法で行う。
【0038】
次に洗浄工程について説明する。前記したとおり洗浄工程では、非水系有機溶液を用いて、前記ハードコート膜上に残った未反応の上記化学吸着物質を洗浄除去して(洗浄工程)、一様の膜厚を有する単分子膜状の防汚性被膜を形成する。
【0039】
尚、このとき、洗浄工程を行わなければ、上記の単分子膜に付着している化学吸着物質が除去されないので、ポリマー状(非単分子膜状)の防汚性被膜を形成できる。ポリマー状であっても、薄膜であれば実用化には差し支えない。
【0040】
洗浄に使用できる有機溶液は、非水系であれば、上記の有機溶媒を含め、公知の有機溶媒を使用できる。非水系の有機溶媒を用いるのは、親水性基の存在によって、ハードコート表面に直接結合している上記分子同士や、この分子と未反応の上記化学吸着物質とが反応して、架橋構造を形成することを防止するためである。洗浄溶液も、非水系ジメチルシリコーン、非水系ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサンなどが好ましい。
【0041】
洗浄は、被膜が形成面を拭き取る、非水性有機溶液に浸漬する、洗浄剤に浸漬した状態で超音波処理等の機械力を付与する、洗浄剤を加温するなどの公知の方法で行えばよい。
【0042】
この洗浄工程における洗浄条件としては、特に制限されるものではなく、未反応の化学吸着物質の被洗浄物に対する付着の程度、被洗浄物の大きさや形状、材質、希望する被膜の厚さ等を勘案して、洗浄液の温度、洗浄回数、洗浄時間、洗浄液の量等を適宜選択すればよい。
【0043】
得られた被膜を空気中の水と反応させると、A-Si(OH)2-O-|基材 になり、さらに脱水して A-Si(-O-)2-O-|基材 で表される構造となる。
【0044】
次にハードコート樹脂膜材料としては、例えばアルキルトリアルコキシシランまたは4官能性ケイ素化合物の加水分解物を主成分とする高硬度塗料組成物が挙げられる。別の例としては、R1 a2 bSi(OR34-a-b(但し、R12 bは各々アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲノ基、エポキシ基、グリシド基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオキシ基およびシアノ基を有する炭化水素基から選ばれる少なくとも一つの基、R3は加水分解性基、aおよびbは0または1である。)で示される有機ケイ素化合物またはその加水分解物を主成分とする高硬度塗料組成物が挙げられる。加熱硬化型シリコーン樹脂ハードコート材料としては、信越化学工業社製商品名"X-12-2450","X-12-2206","X-12-2138A","KP-50A","KP-60A","KP-854"(プライマー"PC-7A"との併用)、紫外線硬化型シリコーン樹脂ハードコート材料としては、信越化学工業社製商品名"X-41-2415","X-24-2400"、その他のハードコート材料としては、JSR社製商品名"Z7501","KZ7824H"、ソニーケミカル社製商品名"SKシリーズ"、大日本インキ化学工業社製商品名"SD715"などがある。
【0045】
前記ハードコート樹脂層の厚みは、0.1〜100μmの範囲が好ましい。
【0046】
また、光硬化型有機高分子材料もしくは熱硬化型高分子材料からなる樹脂膜材料を用いて膜を形成し、硬化させると膜表面に活性水素基を露出することができる。この表面と前記シランカップリング剤を組み合わせることで樹脂膜上に均一な前記シランカップリング剤からなるコーティング膜を形成することができる。
【0047】
本発明に適用可能な光ディスクは、例えばライトワンス型CD−R,DVD−R、リライタブル型MO,MD,CD−RW,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RWなどがある。
【0048】
【実施例】
以下に本発明の具体的な実施例について図面を用いて説明する。
【0049】
(実施例1)
本実施例で用いたディスク構成は、0.34ミクロン毎にグルーブとランドが交互に形成された直径120mm、厚み0.6mmのポリカーボネート製信号記録用トラックを持つ基板を用いた。
【0050】
図1に示すように、ディスク状のポリカーボネート基板11の上にAg反射層12を厚さ100nmにスパッタリングで形成し、第1の誘電体層13としてZnS−SiO2混合膜を厚さ100nmにスパッタリングで形成し、記録層14としてGe:Sb:Te=20:25:55の原子%比の組成物を厚さ12nmにスパッタリングで形成した。その表面に第2の誘電体層15としてTa25を厚さ50nmにスパッタリングで形成し、その表面に光硬化アクリル樹脂をスピンコート法で塗布し、紫外線(UV)を用いて厚み10μmの透明保護膜16を形成した。この光情報ディスクは、青色レーザ光をハードコート膜側から入射するタイプのDVDディスクである。
【0051】
次に透明保護膜16の表面に、ハードコート膜17を形成した。ハードコート膜17は、信越化学工業社製シリコン光硬化性材料(シリコーンハードコート剤X−12−2450を100重量部と助剤DX−2400を5重量部)をスピンコートにより塗布し、その後80W低圧水銀灯により紫外線照射で紫外線硬化を行って形成した。膜厚は2μmであった。
【0052】
次に乾燥した雰囲気においてシランカップリング剤としてオクタデシルトリクロロシラン(octadecyltrichlorosilane,CH3(CH2)17SiCl3)(チッソ社製)を1質量%の割合でストレートシリコーンオイル(信越化学工業社製KF96L)に溶かした塗布溶液を回転塗布し、その後に前記ストレートシリコーンオイル溶液で洗浄して、シランカップリング剤分子からなる防汚性化学吸着膜18を形成した。得られた化学吸着膜18のクロロシリル基はハードコート膜と共有結合を形成していた。膜厚は約1.5nmであった。
【0053】
この防汚性化学吸着膜18上に油の例としてヘキサデカンを滴下したところ、その接触角は75〜85度であった。また、水滴を滴下した場合の接触角は112〜120度であった。
【0054】
この油の例としてヘキサデカンを滴下した試料を水にイソプロピルアルコールを数%混合した溶液を含ませた布で拭いたところ、試料上のヘキサデカンは除去され、溶液が乾いた後にヘキサデカンの残りは認められなかった。
【0055】
このヘキサデカンを拭き取った試料を用いて光書き込み操作を行ったところ書き込み誤りした箇所への再書き込み動作は全くなかった。すなわち書き込み誤りは発生しなかった。人間の指で触った実験も行ったが、同様に書き込み誤りは発生しなかった。
【0056】
比較例として上記基板の拭き取りを行わなかった場合(汚れたままの状態を想定)は再書き込みが500回程度に増え、実用に値しないものであった。
【0057】
以上のことから、本発明の効果が大きいことが確かめられた。
【0058】
(実施例2)
実施例1で用いた光情報ディスク基板の透明保護膜16にプライマー層21とハードコート層22と防汚性化学吸着膜23を次のように形成した。
【0059】
まず、信越化学工業社製プライマー(PC−7A)21をスピンコートにより塗布し、10分間風乾させた後に、120℃で30分間キュアした。膜厚は1μmであった。
【0060】
次に信越化学工業社製シリコン熱硬化性材料(シリコーンハードコート剤KP−851)をスピンコートにより塗布し、10分間乾燥させた後に120℃で60分間加熱することにより熱硬化を行ない、ハードコート膜22を形成した。膜厚は2μmであった。
【0061】
次に乾燥した雰囲気においてシランカップリング剤としてオクタデシルトリクロロシラン(octadecyltrichlorosilane,CH3(CH2)17SiCl3) (チッソ社製)を1質量%、環状シリコーンオイル(信越化学工業社製KF995)に溶かし塗布溶液とした。この塗布溶液をスピンコートで回転塗布し、その後に前記環状シリコーンオイルで洗浄し、シランカップリング剤分子からなる化学吸着膜23を形成した。この化学吸着膜23はその膜表面に炭素水素基が露出する構造となり、薄膜23を構成しているシランカップリング剤分子のシリル基はハードコート膜22と共有結合を形成していた。膜厚は約1.5nmであった。
【0062】
この、防汚性化学吸着膜24上に油の例としてヘキサデカンを滴下したところ、その接触角は15度以下であった。また、水滴を滴下した場合の接触角は105〜115度であった。
【0063】
このヘキサデカンを滴下してある試料を用いて光書き込み操作を行ったところ書き込み誤りした箇所への再書き込み動作は2回であった。すなわち書き込み誤りは2回発生したことを示した。これは実用的には問題のないレベルであった。
【0064】
以上のことから、本発明の効果が大きいことが確かめられた。
【0065】
また、炭化水素系シランカップリング剤としてオクタデシルトリクロロシランを例示したが、末端にメチル基があれば同様の効果があると期待され、例えば、テトラデシルトリクロロシラン、ペンタデシルトリクロロシラン、ヘキサデシルトリクロロシラン、ヘプタデシルトリクロロシラン、ノナデシルトリクロロシランなども有効であった。
【0066】
(実施例3)
実施例1で説明したDVDディスクにおける表面のハードコート膜17を分子レベルまで拡大し示したのが図3である。すなわち、表面には水酸基32の活性水素が存在する。
【0067】
次に、実施例1の化学吸着剤に代えて、2−(トリクロロシリル)エチルステアレート(CH3(CH2)16COOCH2CH2SiCl3)を約2質量%、非水系溶媒のフッ素系不活性液体(住友3M社製PF5080)に溶解させ、化学吸着塗布液を調製した。
【0068】
次に、この化学吸着塗布液をハードコート膜17の表面に滴下し、乾燥雰囲気中(相対湿度35%以下)でスピンコート法により、均一に塗布した。これにより、図3に示すハードコート膜17表面に多数存在する水酸基32と、前記吸着溶液中に含まれるクロロシリル基(-SiCl基)とが、脱塩化水素反応を起こし、下記化学反応式(4)に示すようにシロキサン結合基を介して化学結合した。
CH3(CH2)16COOCH2CH2SiCl3 + HO-|ハードコート膜
→ CH3(CH2)16COOCH2CH2SiCl2-O-|ハードコート膜 (4)
次に、非水系溶液のフッ素系不活性液体(住友3M社製PF5080)を用いてスプレー洗浄し、未反応の化学吸着物質を除去した。更に、室温で10分程度、流水を用いて水洗を行って、未反応のCl基をOH基に置換させた。
【0069】
次いで、乾燥させると、隣接する分子のOH基同士の脱水反応を起こして架橋構造が形成された。
【0070】
これにより、図4に示すように、ハードコート表面17と化学結合した状態の脂肪酸エステル基を含む単分子膜33が約2nmの膜厚で形成できた。得られた化学吸着膜の防汚性は、実施例1と同様に優れていた。
【0071】
図5Aは、本実施例の防汚性化学吸着膜の効果を説明するために示した指紋汚れの経時変化を概念的に示した概略断面図であり、指を押しつけた当初の概略断面図、図5Bは図5Aの状態から5日間が経過した後の概略断面図である。
【0072】
図5Aに示すように、指を押しつけた当初は指紋35が見えていたが、図5Bに示すように、5日間が経過するにつれて、指紋に含まれる脂質分が化学吸着膜33に濡れて約10倍の面積に薄く広がり、拡散指紋36のように変化した。このように拡散するとレーザ光の照射は悪影響を受けることがない。尚、単分子膜33の表面エネルギーは約35mN/mであった。
【0073】
(実施例4)
図6は、本発明の実施例3で使用したハードコート表面17に形成されたポリマー状の防汚性化学吸着膜34を分子レベルまで拡大した概略断面図である。
【0074】
前記実施例3では、未反応化学吸着物質を洗浄除去したが、本実施例では未反応化学吸着物質を洗浄除去せずに、そのまま用いた。洗浄以外は、実施例3と同様にした。その結果、シロキサン結合基を介して結合した膜厚が100〜300nmのポリマー状の被膜34が形成できた。得られた化学吸着膜の防汚性は、実施例1と同様に優れていた。
【0075】
また、前記実施例3−4では、脂肪酸エステル基として、ステアリン酸エステル基を有する物質を用いたが、パルミチン酸エステル基、アラキジン酸エステル基、オレイン酸エステル基、エルシン酸エステル基、リノール酸エステル基、リノレン酸エステル基等の脂肪酸エステル基を有する化学吸着物質を用いてもほぼ同様の効果が確かめられた。
【0076】
(実施例5)
図1のハードコート膜17の表面を200Wで30秒程度コロナ処理(エキシマUV処理の場合は、空気中で、1500mJ/cm2程度の照射)して、表面を親水性にした。
【0077】
非水系溶媒であるジメチルシリコーンに、化学吸着物質である2−(トリクロロシリル)エチル リノレート(CH3(CH2)4CH=CHCH2CH=CH(CH2)7COOCH2CH2SiCl3)を約1質量%となるように溶解させ、化学吸着塗布液を調整した。
【0078】
次に、この化学吸着塗布液を前記親水性にしたハードコート膜の表面に滴下し、乾燥雰囲気中(相対湿度18%)でスピンコート法により、均一に塗布した。その後、非水系溶媒であるジメチルシリコーンで表面を洗浄し、水洗し乾燥した。これにより、下記化学式(5)に示すように化学吸着物質がシロキサン結合基を介して化学結合した。
CH3(CH2)4CH=CHCH2CH=CH(CH2)7COOCH2CH2Si(-O-)3−|ハードコート膜 (5)
得られた化学吸着単分子膜の膜厚は約2nmであった。この化学吸着膜の防汚性も、実施例1と同様に優れていた。
【0079】
(実施例6)
前記実施例5では、未反応化学吸着物質を洗浄除去したが、本実施例では、未反応化学吸着物質を洗浄除去せずに、そのまま用いた。洗浄以外は、実施例5と同様にした。この結果、膜厚が約200nmのポリマー状の被膜を形成した。この化学吸着膜の防汚性も、実施例1と同様に優れていた。
【0080】
(実施例7)
(1)ハードコート膜用塗布液組成物の調製
回転子を備えた反応器中にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン95.3gを仕込み、液温を10℃に保ち、マグネチックスターラーで攪拌しながら0.01規定の塩酸水溶液21.8gを徐々に滴下した。滴下終了後冷却を止めて、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解物を得た。この加水分解物に、メタノール216g、ジメチルホルムアミド216g、フッ素系界面活性剤0.5g、ビスフェノールAエポキシ樹脂(シェル化学社製、商品名”エピコート827”)67.5gを添加混合し、さらにコロイド状5酸化アンチモンゾル(日産化学社製、商品名”アンチモンゾルA−2550”、平均粒子径60nm)270g、さらに触媒としてアルミニウムアセチルアセトネート13.5gを添加し、十分攪拌した後、コーティング溶液とした。これをハードコート膜用塗布液組成物という。
(2)ハードコート樹脂膜の形成
図7に示す0.34ミクロン毎にグルーブとランドが交互に形成された直径120mm、厚み0.6mmのポリカーボネート製信号記録用トラックを持つディスク基板41の外側表面に、前記のハードコート膜用塗布液組成物を滴下し、スピンコート法により均一に塗布し、その後82℃で12分の予備硬化と、93℃で4時間の処理により硬化反応させた。得られたハードコート樹脂膜42の厚みは5μmであった。
(3)光学的情報記録媒体の形成
図1に示すように、ディスク状のポリカーボネート基板41の上に第1の誘電体層43としてZnS−SiO2混合膜を厚さ100nmにスパッタリングで形成し、その上に記録層44としてGe:Sb:Te=20:25:55の原子%比の組成物を厚さ12nmにスパッタリングで形成し、その表面に第2の誘電体層45としてTa25を厚さ50nmにスパッタリングで形成し、その表面にAg反射層46を厚さ100nmにスパッタリングで形成し、その表面に厚み0.1mmの透明ポリカーボネートシート47をエポキシ樹脂接着剤で貼り付けた。この光情報ディスクは、青色レーザ光を基板41側から入射するタイプのDVDディスクである。
(4)化学吸着膜の形成
前記ハードコート樹脂膜42の表面に、乾燥した雰囲気においてシランカップリング剤としてオクタデシルトリクロロシラン(octadecyltrichlorosilane, CH3(CH2)17SiCl3)(チッソ社製)を1質量%、環状シリコーンオイル(信越化学工業社製KF995)に溶かし塗布溶液とした。この塗布溶液をスピンコートで回転塗布し、その後に前記環状シリコーンオイルで洗浄し、シランカップリング剤分子からなる化学吸着膜48を形成した。この化学吸着膜48はその膜表面に炭素水素基が露出する構造となり、薄膜48を構成しているシランカップリング剤分子のシリル基はハードコート膜42と共有結合を形成していた。膜厚は約1.5nmであった。この化学吸着膜48の防汚性も、実施例1と同様に優れていた。
【0081】
(実施例8)
実施例2に従ってプライマー層を形成し、さらにハードコート膜を形成した。このハードコート膜はシリコーン材料で表面には多くの水酸基が露出している。次に実施例2と同じくデシルトリクロロシランを用いてシランカップリング剤からなるコーティング膜を形成した。このコーティング膜表面の臨界表面エネルギーを求めた。その方法はエチレングリコールと水を適宜の割合で混合した試薬を数種作成し、その液滴を上記コーティング膜に滴下し、その液滴がコーティング膜上で形成する接触角を形成し、その形成した角度の正弦値を求めた。作成した試薬の混合比により試薬の表面エネルギーを知り、X軸に試薬の表面エネルギーを、Y軸にその試薬の液滴がコーティング膜上で形成する接触角の正弦値をプロットし、その各プロット点が作る線の延長線と正弦値が0(直線Y=0)の交点をそのコーティング膜の臨界表面エネルギーとしたところ、本実施例で求めた値は23mN/mであった。
<光書き込み試験>
実施例2に従ってハードコート膜まで形成した基板に様々なシランカップリング剤を用いてコーティング膜を形成し、その表面が与える臨界表面エネルギーを求めた。その結果を表1に示す。同時にオイル成分の液としてヘキサデカンを滴下し、その濡れ性を確認し、濡れの拡がりから光書き込みの動作ができるか否かの判定を示した。
【0082】
なお、光書き込み試験は光読み出し試験よりも重要な試験であり、光書き込み試験を合格した試料は光読み出し試験に対しても合格となる。
【0083】
【表1】
Figure 0004061095
【0084】
以上のことから、濡れ性の拡がりの判定から鑑み、炭化水素基を有する分子で構成された化学吸着膜の場合は、15mN/m以上で40mN/m以下の範囲が好ましい臨界表面エネルギー範囲であった。このような臨界表面エネルギーを形成しうるコーティング物質を選ぶことが重要であることを確認した。注意しなければならないことはここで使用したカップリング剤に限らず、この臨界表面エネルギーの範囲内に入る臨界表面エネルギーを実現する物質でコーティングすればよいこととなる。なお、フッ化炭素基が露出する表面は本光書き込み試験においては判定で不合格となる。よって、除去可能な表面と濡れを拡がらせる表面とは少なくともその一部において補完的な状態であると考えられる。上記臨界表面エネルギーの範囲内で特に望ましい臨界表面エネルギー値は23mN/mから33mN/mの範囲であった。
【0085】
【発明の効果】
本発明により、従来はケース内に保管した状態で使用していた高密度記録メディアを、コンパクトディスクなどのようにケースから取り出して使用することしても支障ない記録メディアを提供できることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における光硬化ハードコート樹脂膜上に炭化水素系化学吸着膜を形成した光学的情報記録媒体を示す断面図。
【図2】本発明の実施例2における熱硬化性樹脂膜上に炭化水素系化学吸着膜を形成した光学的情報記録媒体を示す断面図。
【図3】本発明の実施例3における光学的情報記録媒体表面を分子レベルまで拡大した概略断面図。
【図4】本発明の実施例3における化学吸着単分子膜を分子レベルまで拡大した概略断面図。
【図5】A−Bは本発明の実施例3における化学吸着単分子膜の汚れが拡散する状態を示した概略断面図であり、Aは指脂が付着した直後の概略断面図であり、Bは日数が経過した後の概略断面図である。
【図6】本発明の実施例4における化学吸着ポリマー膜を分子レベルまで拡大した概略断面図。
【図7】本発明の実施例6における化学吸着単分子膜を分子レベルまで拡大した概略断面図。
【符号の説明】
11,41 基板
17,22,42 ハードコート膜
18,23,33,34,48 化学吸着膜

Claims (13)

  1. 光学的情報記録媒体の基体の上に少なくとも反射膜と記録膜と保護膜を備え、前記保護膜は前記基体と対向する側の表層に形成されている光学的情報記録媒体であって、
    前記基体および保護膜から選ばれる少なくとも一方の外層に、ハードコート樹脂層と、
    前記ハードコート樹脂層の外層に、少なくとも一般式R4-m-nSiR'mn−(但し、Rは炭素数3〜18の炭素鎖基を含む基、ZはO,NまたはS、nは1,2または3、R'は水素または炭素数1〜3のアルキル基、mは0,1または2)で示される有機シラン分子からなる化学吸着膜が前記ハードコート層と共有結合して形成されており、
    前記化学吸着膜の表面エネルギーは15mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする光学的情報記録媒体。
  2. 前記ハードコート樹脂層が、シリコーン樹脂硬化層である請求項1に記載の光学的情報記録媒体。
  3. 前記シリコーン樹脂硬化層が、光硬化および熱硬化から選ばれる少なくとも一つの硬化層である請求項2に記載の光学的情報記録媒体。
  4. 前記化学吸着膜の厚みが0.1nm以上0.5μm以下である請求項1に記載の光学的情報記録媒体。
  5. 前記ハードコート樹脂層の厚みが、0.1〜100μmの範囲である請求項1に記載の光学的情報記録媒体。
  6. 前記保護膜とハードコート樹脂層との間に、さらにプライマー層を備えた請求項1に記載の光学的情報記録媒体。
  7. 光学的情報記録媒体の基体の上に少なくとも反射膜と記録膜と保護膜を備え、前記保護膜は前記基体と対向する側の表層に形成されている光学的情報記録媒体の製造方法であって、
    前記基体および保護膜から選ばれる少なくとも一方の外層に、ハードコート樹脂材料を含む塗布液を回転塗布し、硬化してハードコート樹脂膜を形成し、
    前記樹脂膜表面を乾燥した状態で一般式R4-m-nSiR'mn(但し、Rは炭素数3〜18の炭素鎖基を含む基、Xはハロゲノ基,アルコキシ基,イソシアネート基またはエステル基、nは1,2または3、R'は水素または炭素数1〜3のアルキル基、mは0,1または2)で示される有機シラン化合物を含む化学吸着膜材料を回転塗布し、
    前記有機シラン化合物の反応基と前記ハードコート樹脂膜表面の活性水素との間で脱離反応を起こさせることにより、前記有機シラン分子を薄膜状態で前記ハードコート層と共有結合させて化学吸着膜を形成し、前記化学吸着膜の表面エネルギーは15mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする光学的情報記録媒体の製造方法。
  8. 前記有機シラン化合物を回転塗布した後に、前記化合物の残余分を除去する請求項に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  9. 前記ハードコート樹脂層が、シリコーン樹脂硬化層である請求項に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  10. 前記ハードコート樹脂の硬化が、熱硬化および光照射による硬化から選ばれる少なくとも一つの硬化である請求項に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  11. 前記一般式のXがイソシアネート基、アルコキシ基、ハロゲンおよびエステル基から選ばれる少なくとも一つの基である請求項に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  12. 前記ハードコート樹脂膜の表面の活性水素が、−OH基、−NH2基、NH基、−COOH基および−SH基から選ばれる基の水素である請求項に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  13. 前記有機シラン分子で構成される薄膜の厚みが0.1nm以上0.5μm以下である請求項に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
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