JP4061077B2 - フレキシブル基板の接続構造、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細ピッチで微小電極をはんだ付けする際のショートを防止するようにしたフレキシブル基板の接続構造、接続プロセス及びその加工プロセス、並びにそれを用いたインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来例のフレキシブル基板の接続構造を示す平面図であり、図10は図9の側面図である。同図に示すように、デバイス1に、フレキシブル基板2を接合する場合には、デバイス1上の導電性端子である複数の電極パッド3の上面あるいはフレキシブル基板2の接続端子4の下面にクリームはんだなどのはんだを印刷もしくははんだめっきで電極パッド3上にはんだ5を供給し、この各電極パッド3上にフレキシブル基板2に形成された複数の接続端子4を重ね合わせ、この状態で熱圧着によりデバイスの各電極パッド3にフレキシブル基板2の各接続端子4を接合している。
この場合、複数の電極パッド3は、それぞれ図9の上下方向に長い長方形状に形成され、その長手方向と直交する方向に所定間隔で配列されている。また、熱圧着は、フレキシブル基板2の上から熱圧着ツール6により熱を加えてはんだ5を溶融させながら加圧し、これによりデバイス1の各電極パッド3にフレキシブル基板2の各接続端子4を一度に接合する。このとき、熱圧着ツール6は、電極パッド3の長手方向における中間部分に位置し、かつその配列方向に沿うように、フレキシブル基板2上に配置する。フレキシブル基板2の下面には、複数の接続端子4が配列されている領域を除いて、絶縁層7が設けられている(図9、図10)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図9、図10に示す構造では、以下のような問題がある。
1)微細ピッチでかつ微細な電極パッド3へのフレキシブル基板2のはんだ付けの場合は、過剰はんだにより隣接電極パッドとのショートが発生するという問題がある。
又、電極パッド3の幅が狭く、フレキシブル基板2の接続端子4との間隔がほとんどないため、余剰はんだの逃げ場所がなくなり隣接電極パッドとショートするため、余剰はんだをなくす必要がある。しかし、微細ピッチの場合、はんだ量をばらつき無く適正量に保つことは困難である。一方、接続端子4を延長して接続端子長さ方向に余剰上はんだを逃がす方法もあるが、接続端子を延長してそのまま余剰はんだのはんだ溜まりを作ると、図11に示すように、大きなこぶ状になったはんだ8がフレキシブル基板2に押しつぶされたり、滴下するなどして周辺部に接触してショートする問題がある。
【0004】
2)このため、従来、特開平2001−127394公報に示された技術が知られている。この発明は、回路基板の電極パッドの長手方向における両端部上にレジスト部を設けた構成を有するものである。従って、この構成では、回路基板にフレキシブル基板を熱圧着により接合する際、電極パッドの両端部上に設けられたレジスト部がフレキシブル基板の導電性端子を支持してはんだ溜まりを形成するので、このはんだ溜まりに余分なはんだを溜めることができ、このため熱圧着によりはんだが回路基板の電極パッドの両端部から押し出されるのを防ぐことができるとともに、接合に必要なはんだを確保することができ、これにより十分な接合強度を得ることができる。
しかしながら、熱圧着幅にくらべてデバイスの電極長がかなり大きければ可能であるが、同等もしくは小さい場合には、この方法は用いられないし、絶縁層の精度は±0.1mm程度であり、微細な形状の電極には用いられない。
本発明は、上述の実情に鑑み、微細ピッチで微小電極をはんだ付けする際のショートを防止するようにしたフレキシブル基板の接続構造、接続プロセス及びその加工プロセス、並びにそれを用いたインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定間隔に配置された複数の細長い電極パッドを有したデバイスの前記各電極パッドと、前記各電極パッドと対応して形成された複数の細長い接続端子を備えたフレキシブル基板の前記各接続端子とを、熱圧着ツールを用い加圧加熱接合するフレキシブル基板の接続構造であって、前記電極パッドの長手方向一端部を越えて延長形成された前記デバイスの張り出し部の前記接続端子と対向する面を所定厚だけ切り欠くことにより形成した段差を備え、この段差と、電極パッドの厚みに相当する空間を第一のはんだ溜まり部としたフレキシブル基板の接続構造を特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記電極パッドの長手方向他端部から前記接続端子の他端部を延長形成することにより前記電極パッドの長手方向他端部と前記接続端子の他端部との間に形成される段差を第二のはんだ溜まり部とした請求項1記載のフレキシブル基板の接続構造を特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記デバイスの電極パッド部と前記フレキシブル基板の導電性接続端子との接続領域と、前記第一のはんだ溜まり部の領域と、前記第二のはんだ溜まり部の領域との3つの領域に熱圧着後に溜められるはんだ量の合計が、接続のために前記デバイスの電極パッド部あるいは前記フレキシブル基板接続端子に供給されるはんだ量より多くなるように前記フレキシブル基板接続端子の長さを設定する請求項1又は2記載のフレキシブル基板の接続構造を特徴とする。
【0006】
請求項4記載の発明は、所定間隔に配置された複数の細長い電極パッドを有したデバイスの前記各電極パッドと、前記各電極パッドと対応して形成された複数の細長い接続端子を備えたフレキシブル基板の前記各接続端子とを、熱圧着ツールを用い加圧加熱接合するフレキシブル基板の接続方法であって、前記電極パッドの長手方向一端部を越えて延長形成された前記デバイスの張り出し部の前記接続端子と対向する面を所定厚だけ切り欠くことにより形成した段差を備え、この段差と、電極パッドの厚みに相当する空間を第一のはんだ溜まり部とし、前記熱圧着ツールによる加圧加熱接合の際に、前記デバイスの電極パッド部分と前記フレキシブル基板の導電性接続端子部分に加えて、前記はんだ溜まり部も熱圧着ツールを用いて同時に加熱するフレキシブル基板の接続方法を特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4記載のいずれかの接続構造、接続方法を用いて製作されたインクジェットヘッドを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載のインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置を特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。デバイス1の上面には図9に示したように、上下方向に長い長方形の電極パッド3がその長手方向と直交する左右方向に所定間隔に形成されている。この場合、電極パッド3は銅などの金属からなる。
一方、デバイス1に接合されるフレキシブル基板2はフィルムなどの合成樹脂からなる可撓性を有する基板であり、その下面には複数の接続端子4がデバイス1の各電極パッド3に対応して形成されている。この場合、接続端子4は、電極パッド3と同様、銅などの金属からなる。
また、各接続端子4が配列されたフレキシブル基板2の下面には絶縁層7が設けられている。絶縁層7は前記接続端子を保護するために設けられているもので、接続端子4や他の電子部品の接続端子部を除くフレキシブル基板2のほぼ全面に形成されている。
また、はんだ5がフレキシブル基板2の露出した接続端子4あるいはデバイス1の電極パッド3にめっきなどにより設けられている。なお、はんだ5は、接合強度の低下を防ぐために、十分な量が形成されている。
【0008】
このようなフレキシブル基板2をデバイス1に接合する場合には、図2に示すように、デバイス1上に配列された複数の電極パッド3にフレキシブル基板2の各接続端子4をはんだ5を介して重ね合わせる。この状態で、予備加熱しながらコテなどの熱圧着ツール6を接続端子4上に位置させ、かつその配列方向に沿うように、フレキシブル基板2上に配置し、このフレキシブル基板2の上から熱圧着ツール6により加熱してはんだ5を溶融させながら加圧する。これにより、デバイス1の各電極パッド3にフレキシブル基板2の各接続端子4を一度に接合する。
このようにデバイス1の各電極パッド3にフレキシブル基板2の各接続端子4を熱圧着により接合する場合、はんだ5は加熱、加圧され、溶融し、デバイス1の電極パッド3やフレキシブル基板2の接続端子4を伝って流れるが、熱圧着ツール6下部でデバイス1とフレキシブル基板2の間に挟まれ流れ出すことが出来なかった余分なはんだ5は図3のように電極パッド3の配列方向へとはみ出し、隣接する電極パッド3へとはんだショート8(図11)を起こす。
そこで、本発明ではフレキシブル基板2の接続端子4の長さ方向にはんだ溜まり部を設けることにより、余分なはんだをはんだ溜まり部に吸収し、隣接電極とのショートを防止している。
【0009】
図1は本発明のフレキシブル基板の接続構造の一例を示したものであり、図1では接続端子4の根元部分に重なる電極パッド3部分に段差を設けてはんだ溜まりを形成する部分9(以下、はんだ溜まり部と称する)を形成しており、熱圧着時に溶融した余分なはんだをはんだ溜まり部9に溜めることができるようにしている。言い換えれば、電極パッド3の長手方向一端部を越えて延長形成されたデバイス1の張り出し部の接続端子4と対向する面を所定厚だけ切り欠くことにより段差を形成し、この段差と、電極パッド3の厚みに相当する空間をはんだ溜まり部9としたものである。
このため、熱圧着によりはんだ5が接続端子4の配列方向に押し出されるのを防ぐことができ、これにより接続端子4の配列方向に隣り合う接続端子4とのショートを防ぐことができ、導通信頼性の高いものを得ることができる。
図2では接続端子4の先端より外側にまで電極パッド3が配置されているため、この延長部によるはんだ溜まり部9によって、前述と同様の効果が得られる。
図3では電極パッド3より接続端子4が長く配置されているため、この延長部によるはんだ溜まり部9によって、同様の効果が得られる。
【0010】
図4ではフレキシブル基板2の接続端子4の長さ方向の両方をデバイス1の電極パッド3より長くして、はんだ溜まり部9を設けている。言い換えれば、電極パッド3の長手方向他端部から接続端子4の他端部を延長形成することにより電極パッド3の長手方向他端部と接続端子4の他端部との間に形成される段差をはんだ溜まり部9としたものである。
図4のように、デバイス1を下側に配置し、はんだ5があらかじめ供給された接続端子4を有するフレキシブル基板2を上側に配置して、デバイス1の電極パッド3と前記接続端子4を重ね合わせ、上から熱圧着ツール6で熱圧着する場合において、前記電極パッド3を前記接続端子4先端より長くしたはんだ溜まり部9と、前記接続端子4を前記電極パッド3内側より長くしたはんだ溜まり部9で余剰はんだを吸収するモデルからはんだ溜まり部9の大きさは次のように求めることが出来る。
フレキシブル基板2の接続端子4の幅をW1、前記接続端子4の厚さをT1、デバイス1の電極パッド3の幅をW2、フレキシブル基板2の接続端子4上あるいはデバイス1の電極パッド3にあらかじめ供給されたはんだ量をV、前記電極パッド3の長さ方向に対する熱圧着ツール6の長さをL、余剰接続端子長をL1、余剰電極パッド長をL2とすると、熱圧着後に熱圧着ツール6の下部に存在できるはんだ量V0は概算、
V0=2L×T1(W2−W1)
で表すことが出来る。
【0011】
また、フレキシブル基板2の接続端子4をデバイス1の電極パッド3内側より長くしたはんだ溜まり部9のはんだ溜まり量V1は
V1=0.36×W12×L1
で概算できる。
同様に、デバイス1の電極パッド3をフレキシブル基板2の接続端子4先端より長くしたはんだ溜まり部9のはんだ溜まり量V2は
V2=0.09×W22×L2
で概算できる。
これら3つのはんだ量があらかじめ供給されたはんだ量以上であれば、余剰はんだははんだ溜まり部9に全て溜めることが出来ると考えられ、
V0+V1+V2≧V
すなわち、
0.09×(4×W12×L1+W22×L2)+2L×T1(W2−W1)≧Vを満たす余剰接続端子長L1と余剰電極パッド長L2が必要なはんだ溜まり部9の大きさと考えることが出来る。
例えば、デバイス1の電極パッド3の幅が50μm、フレキシブル基板2の接続端子4の幅が25μm、前記接続端子4上にはんだ5が10μmの厚さで形成され、熱圧着ツール6の長さが0.5mmで、前記電極パッド3の先端にのみはんだ溜まり部9を設ける場合、前記電極パッド3を前記接続端子4より260μm以上長く設けると良い。
【0012】
図5ではフレキシブル基板2の接続端子4の長さ方向の一方はデバイス1の電極パッド3をフレキシブル基板2の接続端子4より伸ばすことによりはんだ溜まり部9を設け、もう一方はフレキシブル基板2の接続端子4をデバイス1の電極パッド3より長くしてはんだ溜まり部9を設けている。
上記したように、フレキシブル基板2の接続端子4の長さ方向の両方にはんだ溜まり部9を設けることにより、熱圧着時の余分なはんだは片側にしかはんだ溜まり部9がない場合に比べ、はんだ溜まり部9までの距離が近くなるため、余分なはんだははんだ溜まり部9へ容易に流れることができ、より電極パッド3間のショートを防止できる。
フレキシブル基板2の接続端子4とデバイス1の電極パッド3の接合において、図1から図5に示した構成では、デバイス1の電極パッド3に段差を設けたり、フレキシブル基板2の接続端子4の長さを長くあるいは短くするなどの必要があるが、前者では電極パッド3からの配線が出来なくなる場合において、後者ではデバイス1の電極パッド3の端部からはみ出し禁止の場合などにおいて、はんだ溜まりを部9を設けられない場合がある。
【0013】
そこで、図6のように、フレキシブル基板2を熱圧着ツール6で加圧後、持ち上げツール10でフレキシブル基板2を持ち上げて、余分なはんだが溜まるはんだ溜まり部9を確保することで、前記と同様の効果を得る上、フレキシブル基板2やデバイス1を特別な形状にすることなしに、隣接電極とのショート防止を実現できる。この時、持ち上げツール10により、持ち上げる以外に、上方から粘着物やエアー吸着などで持ち上げても良い。また、持ち上げる側は接続端子4の長さ方向のどちらか一方でも両方でもよい。
図6の接続プロセスにおいて、持ち上げる角度が緩やかな場合、はんだが溜まり部9を十分設けることが出来ない。一方、持ち上げる角度が急な場合、溶融したはんだは自重によりフレキシブル基板2の接続端子4を伝って流れることが出来ず、熱圧着ツール6の端部に溜まったり、溜まった溶融はんだが滴下するなどして隣接電極とショートする恐れがある。
そこで、フレキシブル基板2を持ち上げる角度を10〜45度とすることで、はんだが溜まる空間を確保しつつ、隣接電極とのショートを防止できる。
上記した図1から図6の構成において、はんだ溜まり部9のフレキシブル基板2を熱圧着と同時に加熱する接続プロセスを実施する。
上記のように、はんだ溜まり部9のフレキシブル基板2を図7のように熱圧着時に同時に加熱することにより、熱圧着ツール6下部以外の近傍のはんだも早く溶融する。このため、熱圧着ツール6下部以外の近傍のはんだは熱圧着ツール6の下部で溶融したはんだがはんだ溜まり部9へ流れるのを阻害しないため、はんだ溜まりによる隣接電極とのショートをより防止できる。
はんだ溜まり部9の加熱方法にはホットエアーや熱圧着ツールなどが利用できる。
【0014】
図8は、熱圧着後に不要となるはんだ溜まり部を切断する加工プロセスを行った構成を示している。
前記したように、フレキシブル基板2あるいはデバイス1の端部に設けられたはんだ溜まり9は熱圧着以後、不要となる一方、はんだ、フレキシブル基板2の接続端子4、デバイス1の電極パッド3が余分に長く、露出しているために他の電極や導電性の異物付着などによりショートを起こしたり、例えば他の部品との組み付けなどにより、はんだ溜まり部9が空間的に邪魔になることが起こりうる。
そこで、熱圧着後に不要となったはんだ溜まり部9を切断する加工プロセスを実施する。このように、熱圧着後、はんだ溜まり部9を切断することにより、はんだ溜まり部9が他の電極とショートしたり、後々まで余分な空間を確保する必要が無くなる。
上記したように、はんだ溜まり部9を切断する際には、熱圧着ツール6で加圧したまま、レーザーもしくは超音波カッターで切断する。
はんだ溜まり部9の切断において、デバイス1が機械的に破損しやすかったり、デバイス1の電極パッド3とフレキシブル基板2の接続端子4のはんだ接合部の接合強度が弱い場合など、僅かな機械的応力でも部品を破損してしまう。
そこで、熱圧着ツール6で加圧し、周辺部に与える機械的応力が少ないレーザーや超音波カッターを用いることで、部品を破損せずに不要となったはんだ溜まり部9を切断できる。
上記図1から図8に示された構造はインクジェットヘッドに応用することができる。
上記インクジェットヘッドでは、多くの噴射チャンネルが300dpi程度の微細な間隔で配置されており、各々の噴射チャンネルに信号を入力して、噴射を制御するため、各電極に信号入力する接続端子を接合する必要がある。また、噴射チャンネルが微細な間隔で配置されているため、ショートが発生した場合、修理することが出来ず、即不良となる。
【0015】
そこで、図1から図8に示された構造を用いて接合することにより、高歩留まりでインクジェットヘッドを提供できる。
更に、インクジェットヘッドを用いることによりインクジェット記録装置を得ることができる。
インクジェット記録装置は、カラー記録が一般的になっており、インクジェット記録装置内に複数のインクジェットヘッドを用いている。このため、インクジェットヘッドの歩留まりが低い場合、インクジェット記録装置の価格が高価になる。
そこで、前記インクジェットヘッドを用いることにより、安価なインクジェット記録装置を提供できる。
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0016】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、電極パッドの長手方向一端部を越えて延長形成されたデバイスの張り出し部の接続端子と対向する面を所定厚だけ切り欠くことにより形成した段差を備え、この段差と、電極パッドの厚みに相当する空間を第一のはんだ溜まり部としたことにより、熱圧着ツールにより押された余分なはんだがはんだ溜まりへと流れ、熱圧着ツール下部での隣接電極パッドとのショートを低減できる。また、はんだ溜まりでは多量のはんだをためておくことが出来るため、熱圧着ツール下部以外でも隣接電極パッドとのショートが起こりにくい。
請求項2記載の発明では、第一のはんだ溜まり部に加えて、前記電極パッドの長手方向他端部から前記接続端子の他端部を延長形成することにより前記電極パッドの長手方向他端部と前記接続端子の他端部との間に形成される段差を第二のはんだ溜まり部としたことにより、熱圧着ツールにより押された余分なはんだが先端側と根元側の両方向に流れ、熱圧着ツール下部での隣接電極パッドとのショートをより低減できる。また、はんだ溜まりでは多量のはんだをためておくことが出来るため、熱圧着ツール下部以外でも隣接電極パッドとのショートが起こりにくい。
請求項3記載の発明では、デバイスの電極パッド部とフレキシブル基板の導電性接続端子との接続領域と、第一のはんだ溜まり部の領域と、第二のはんだ溜まり部の領域との3つの領域に熱圧着後に溜められるはんだ量の合計が、接続のために前記デバイスの電極パッド部あるいは前記フレキシブル基板接続端子に供給されるはんだ量より多くなるようにフレキシブル基板接続端子の長さを設定することにより、余剰はんだをはんだ溜まり部に全て溜めることができ、隣接電極パッドとのショートを防止できる。
【0017】
請求項4記載の発明では、熱圧着ツールによる加圧加熱接合の際に、デバイスの電極パッド部分とフレキシブル基板の導電性接続端子部分に加えて、はんだ溜まり部も熱圧着ツールを用いて同時に加熱されるため、溶融した余剰はんだの流れを阻害せず、はんだ溜まりへ余剰はんだを誘導しやすくなり、隣接電極パッドとのショートを防止できる。
請求項5記載の発明では、微細な接合が要求されるインクジェットヘッドを高歩留まりで提供できる。
請求項6記載の発明では、高品質なインクジェットヘッドを用いることにより、微細な接合が要求されるインクジェットヘッドを高歩留まり、すなわち安価に製造することが出来るため、複数のインクジェットヘッドを備えることが一般的になっているインクジェット記録装置を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他の例を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態の更に他の例を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態の更に他の例を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態の更に他の例を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態の更に他の例を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態の更に他の例を示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態の更に他の例を示す側面図である。
【図9】従来のフレキシブル基板の接続構造の一例を示す平面図である。
【図10】従来のフレキシブル基板の接続構造の一例を示す側面図である。
【図11】従来のフレキシブル基板の接続構造の問題点を示す平面図である。
【符号の説明】
1 デバイス
2 フレキシブル基板
3 電極パッド
4 接続端子
5 はんだ
6 熱圧着ツール
9 はんだ溜りを形成する部分(はんだ溜まり部)
10 持ち上げツール
Claims (6)
- 所定間隔に配置された複数の細長い電極パッドを有したデバイスの前記各電極パッドと、前記各電極パッドと対応して形成された複数の細長い接続端子を備えたフレキシブル基板の前記各接続端子とを、熱圧着ツールを用い加圧加熱接合するフレキシブル基板の接続構造であって、
前記電極パッドの長手方向一端部を越えて延長形成された前記デバイスの張り出し部の前記接続端子と対向する面を所定厚だけ切り欠くことにより形成した段差を備え、この段差と、電極パッドの厚みに相当する空間を第一のはんだ溜まり部としたことを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。 - 前記電極パッドの長手方向他端部から前記接続端子の他端部を延長形成することにより前記電極パッドの長手方向他端部と前記接続端子の他端部との間に形成される段差を第二のはんだ溜まり部としたことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の接続構造。
- 前記デバイスの電極パッド部と前記フレキシブル基板の導電性接続端子との接続領域と、
前記第一のはんだ溜まり部の領域と、
前記第二のはんだ溜まり部の領域との3つの領域に熱圧着後に溜められるはんだ量の合計が、
接続のために前記デバイスの電極パッド部あるいは前記フレキシブル基板接続端子に供給されるはんだ量より多くなるように前記フレキシブル基板接続端子の長さを設定することを特徴とする請求項1又は2記載のフレキシブル基板の接続構造。 - 所定間隔に配置された複数の細長い電極パッドを有したデバイスの前記各電極パッドと、前記各電極パッドと対応して形成された複数の細長い接続端子を備えたフレキシブル基板の前記各接続端子とを、熱圧着ツールを用い加圧加熱接合するフレキシブル基板の接続方法であって、
前記電極パッドの長手方向一端部を越えて延長形成された前記デバイスの張り出し部の前記接続端子と対向する面を所定厚だけ切り欠くことにより形成した段差を備え、この段差と、電極パッドの厚みに相当する空間を第一のはんだ溜まり部とし、
前記熱圧着ツールによる加圧加熱接合の際に、前記デバイスの電極パッド部分と前記フレキシブル基板の導電性接続端子部分に加えて、前記はんだ溜まり部も熱圧着ツールを用いて同時に加熱することを特徴とするフレキシブル基板の接続方法。 - 請求項1から請求項4記載のいずれかの接続構造、接続方法を用いて製作されたインクジェットヘッド。
- 請求項5記載のインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置。
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