JP4061004B2 - シートのトリムカバー被覆構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用シートのトリムカバー被覆構造、詳しくは、シートクッションの底面よりシートバックに向けてシートベルトを配設してなるシートクッションのトリムカバー被覆構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車用シートには、図4、或いは実開昭60ー65135号公報に開示されているように、子供用シートを一体的に設けたものがある。
【0003】
これを、図4に基づいて説明すると、シートバック(SB)の前面部に、シートバック(SB)に対して着脱自在なクッション体(5)を設け、このクッション体(5)を取り外すことにより、シートベルト(22)(22)からなる子供用身体拘束機構付の子供用シートバックとなり得るものである。
【0004】
そして、シートクッション(SC)はその座部における前半部(6)が着脱自在に取付けられ、この前半部(6)を後半部(7)上に積み重ねることにより、子供用シートのシートクッションとなるものである。
【0005】
以上の子供用身体拘束機構を構成するシートベルト(22)(22)のアンカーはシートクッション(SC)の底部に固定され、このアンカーに連結するシートベルトはシートバックの前記シートベルト(22)(22)に一体的に形成されている。
【0006】
図4において、図中(21)はシートベルト(22)(22)の長さ調節用のベルト、(23)はシートベルト(22)(22)に結着するバックル、(24)は大人用のシートベルト、(5A)は子供用シートの背凭部、(60)は子供用シートの足置き場を各々示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4に示すようなシートには、シート自体を車床に対して脱着自在に取付けるものがある。このシートは例えば脱着機構等をシートに締結するための多数のボルトの頭部がシートクッションの底面におけるシートバック側に突出している。
【0008】
従って、前記アンカーに連結するシートベルトが、シートクッションの底面からシートバック方向に延びているため、このシートベルトが前記ボルトの頭部に接触し、シートベルトが破損する虞れがある。
【0009】
斯る不具合を除去するために、シートベルト又はボルトの頭部を被覆材で被覆している。
しかし、この被覆材は例えばシートを車床から取り外して、シートをシートクッションの底面が上向きになるように収納した際、或いはシートを車床に設置した状態においても、自動車の振動等によって剥離され易い不具合があった。
【0010】
そこで、本発明は斯様にボルトの頭部が底面に突出すると共にこのボルトの頭部にシートベルトが接触するように配設したシートにおける前記不具合を解消することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の目的をたっせいするための本発明は、前記シートクッションの外側面におけるシートバック側を構成するトリムカバーに、前記ボルトの頭部を被覆するボルト被覆片を延設し、該ボルト被覆片の先部をシートクッションの底面を構成する被覆プレートに掛止すると共に、ボルト被覆片の外側に前記シートベルトを配設してなることを特徴とするものである。
【0012】
従って、ボルト被覆片がトリムカバーと一体で、ボルト被覆片の先端部をシートクッションの底面を構成する被覆プレートに掛止することにより、シートクッションの外側面を構成するトリムカバーも固定される。
【0013】
また、前記ボルト被覆片の先部を二又状に形成し、該二又状の先部間に前記シートベルトを配設してなることにより、ボルト被覆片の被覆プレートに対する掛止作業が容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1はシートクッション(SC)の底面を上向きにした状態、図2はシートクッション(SC)の底部におけるシートバック(SB)側をトリムカバー(11)(11B)で被覆する前の状態を各々示し、図中(20)はシートクッション(SC)のフレームにアンカー(不図示)を固定するシートベルトで、このシートベルト(20)は前記図4に示す子供用拘束機構を構成するシートベルト(22)(22)に接続されている。
【0015】
そのため、シートベルト(20)はシートクッション(SC)の底面からシートバック側に延びている。図中(20A)はシートベルト(2)のアンカー側から外部に突出する基端部を示す。
【0016】
シートクッション(SC)に、シートバック(SB)がリクライニング機構(50)(51)等によって連結されており、シートクッション(SC)の底面には車床に設けたストライカ(不図示)に係脱するラッチ(41)(41)、スライドレール(42)等が突出状に設けてあり、左右のラッチ(41)(41)間にクランク状に折曲したロッドからなる操作レバー(40)が配設されている。図中(40A)(40A)は操作レバー(40)を揺動自在に取付ける起立片を示す。
【0017】
また、この操作レバー(40)の後方であるシートバック(SB)側には、シートクッション(SC)を車床から取り外す際、或いは、操作レバー(40)の操作時に握持するコ字状のロッドからなるガイド(32)が設けてあり、このガイド(32)及び操作レバー(40)の起立片(40A)はいずれも固定プレート(30)に取付けられており、固定プレート(30)は図2に示すように、被覆プレート(3)と共にフレーム(33)に三ケのボルト(31)(31)(31)で一体に締結されている。
【0018】
以上の被覆プレート(3)は、合成樹脂でフレーム(33)に締結され、シートクッション(SC)の底面を構成している。図中(34)はトリムカバーに被覆される発泡体製パッドを示す。
【0019】
シートクッション(SC)の外表面を構成するシートクッション(SC)のシートバック(SB)側における外側面を形成する部分を除き、従来品と同様に形成してその各端末が結着されている。
【0020】
シートバック(SB)側における外側面を構成するトリムカバーのまち部(11A)(11B)(11C)は、従来品と略同一形状に形成されているが、中央のまち部(11A)にはボルト被覆片(12)が延設され、このボルト被覆片(12)は前記全てのボルト(31)…の頭部が被覆されるような大きさに形成されている。
【0021】
このボルト被覆片(12)には、先部(13)(13)が延設され、その先部(13)(13)は二又状に形成され、シートベルト(20)の基端部(20A)を避けるように被覆プレート(3)に掛止される。
【0022】
この被覆プレート(3)には、図3に示すように左右の縦溝(30A)(30A)と、この縦溝(30A)(30A)間に連続する横溝(30B)とからなるH字状のスリットが開孔されている。
【0023】
このスリットの縦溝(30A)(30B)間におけるシートバック(SB)側をフック部(30D)とし、その反対側を押さえ部(30C)としている。
【0024】
そして、前記ボルト被覆片(12)の先部(13)(13)における端末(13A)(13A)には係止孔(14)(14)が開孔されており、この係止孔(14)内に前記フック部(30D)を下方より挿し通し、端末(13A)を押さえ部(30C)の内側に挿入すると、各先部(13)の端末(13A)が被覆プレート(3)の外部に露出することなく被覆プレート(3)に掛止される。従って、工具を要せずに簡単に先部(13)(13)を掛止できる。
【0025】
この両端末(13A)(13A)を被覆プレート(3)に掛止することにより、トリムカバーのまち部(11A)及びボルト被覆片(12)が固定される。図中(10)はシートクッション(SC)の外側面を構成するトリムカバーのまち部を示す。
【0026】
以上のボルト被覆片(12)を固定後、シートベルト(20)をボルト被覆片(12)の外側に図1に示すように配設する。従って、前記各ボルト(31)…の頭部は、ボルト被覆片(12)に被覆されているため、シートベルト(20)は各ボルト(31)…の頭部に接触することがない。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、トリムカバーと一体のボルト被覆片によってボルトの頭部は被覆されているため、シートベルトがボルトの頭部に接触して破損する虞れが全くない。
【0028】
加えて、ボルト被覆片がトリムカバーと一体であるから、ボルト被覆片の固定によりトリムカバーのまち部が固定され、トリムカバーの端末固定作業を省略できる。
【0029】
更に、ボルト被覆片がシートクッションの底部から取り外れることなく確実に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部を示す斜視図である。
【図2】トリムカバーを被覆する前の状態の斜視図である。
【図3】ボルト被覆片の先部の掛止する前の拡大切欠斜視図である。
【図4】本発明を採用するシートの斜視図である。
【符号の説明】
SC シートクッション
SB シートバック
3 被覆プレート
11A トリムカバー
12 ボルト被覆片
13 ボルト被覆片の先部
20 シートベルト
31 ボルト

Claims (2)

  1. シートベルトをシートクッションの底面よりシートバックに向けて配設すると共にシートクッションの底面におけるシートバック側にシートクッションの構成部材締結用のボルトの頭部が突出するシートクッションにおいて、 前記シートクッションの外側面におけるシートバック側を構成するトリムカバーに、前記ボルトの頭部を被覆するボルト被覆片を延設し、
    該ボルト被覆片の先部をシートクッションの底面を構成する被覆プレートに掛止すると共に、ボルト被覆片の外側に前記シートベルトを配設してなることを特徴とするシートのトリムカバー被覆構造。
  2. 前記ボルト被覆片の先部を二又状に形成し、該二又状の先部間に前記シートベルトを配設してなる請求項1記載のシートのトリムカバー被覆構造。
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