JP4060612B2 - フレームラミネーション用ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレームラミネーション用ポリウレタンフォームに関する。更に詳しくは、初期接着性に優れ且つ十分な反発弾性を備えるフレームラミネーション用ポリウレタンフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フレームラミネーション用ポリウレタンフォームの製造方法としては、(1)ポリエーテルポリエステルポリオールと、活性水素を備えた有機リン化合物とを含むフォーム原料を発泡硬化させて、ポリウレタンフォームを得る方法(特公昭46−30309号公報)、(2)ポリエーテルポリエステルポリオールと、水酸基価が200〜300のポリオールと、含リン化合物とを含むフォーム原料を発泡硬化させて、低反発弾性を備えるポリウレタンフォームを得る方法(特開平9−151234号公報)、(3)ポリオキシアルキレンエーテルポリオールと、2,4異性体比率が84%以上であるトリレンジイソシアネートとを含むフォーム原料を発泡硬化させて、ポリウレタンフォームを得る方法(特開平4−266919号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような特殊なポリエーテルポリエステルポリオールや、特殊なイソシアネートを用いてポリウレタンフォームを製造する場合には、製造工程が増え煩雑となる。また、有機リン化合物を含む場合には、可塑剤として機能してしまい、フォームの圧縮ひずみや硬度等の物性値を低下させてしまう恐れがある。また、使用する表皮材によっては十分な接着強度、特に初期接着強度が得られない場合がある。更に、特殊なポリエーテルポリエステルポリオール、及び特殊なイソシアネートは高価であり、コスト面においても不利である。
本発明は、上記課題を解決するものであり、汎用のポリオールと汎用のポリイソシアネートとを用いて、初期接着性に優れ且つ十分な反発弾性を備えるフレームラミネーション用ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
汎用のポリオキシアルキレンエーテルポリオールと、汎用のポリイソシアネートとを用いて、フレームラミネーション性を向上させることを検討した結果、特定の架橋剤を含むフォーム原料を発泡硬化させることにより、この架橋剤を用いない場合よりも、得られるフォームの溶融開始温度が低下し、分解温度との差が大きくなり、良好なフレームラミネーション性を付与できることが見出された。本発明は、このような知見に基づきなされたものである。
【0005】
本発明のフレームラミネーション用ポリウレタンフォームは、水酸基価が300〜700、官能基数が2又は3であり、且つエチレンオキサイド付加体であるポリオールからなる架橋剤と、該架橋剤を除くポリオキシアルキレンエーテルポリオールと、ポリイソシアネートと、を含むフォーム原料を発泡させることにより得られるものであって、上記ポリオキシアルキレンエーテルポリオールは、平均分子量が1500〜5000、官能基数が2〜4であり、且つエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加体であり、上記ポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネートであり、上記架橋剤の配合量は、上記ポリオキシアルキレンエーテルポリオールを100質量部とした場合に、1〜12質量部であり、JIS K 6401に準じて測定された反発弾性率が、20〜50%であり、JIS L 1066に準じて測定された初期剥離強度が、1.0〜3.9N/50mmであり、且つJIS L 1066に準じて測定された最終剥離強度が、2.8〜5.0N/25mmであることを特徴とする。
他の本発明のフレームラミネーション用ポリウレタンフォームは、平均分子量が2000〜4000、水酸基価が30〜80、官能基数が2又は3であり、且つエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加体であるポリオキシアルキレンエーテルポリオールと、トリレンジイソシアネートと、下記(1)〜(5)のポリオールのうちの少なくとも1種からなる架橋剤と、を含むフォーム原料を発泡させることにより得られ、JIS K 6401に準じて測定された反発弾性率が、20〜50%であり、JIS L 1066に準じて測定された初期剥離強度が、0.7〜3.9N/50mmであり、且つJIS L 1066に準じて測定された最終剥離強度が、2.0〜5.0N/25mmであることを特徴とする。
(1)官能基数が2、水酸基価が561、且つ平均分子量が200のプロピレンオキサイド付加体であるポリオール、(2)官能基数が2、水酸基価が561、且つ平均分子量が200のエチレンオキサイド付加体であるポリオール、(3)官能基数が3、水酸基価が620、且つ平均分子量が271のエチレンオキサイド付加体であるポリオール、(4)官能基数が6、水酸基価が449、且つ平均分子量が750のプロピレンオキサイド付加体であるポリオール、(5)官能基数が3、水酸基価が547、且つ平均分子量が308のプロピレンオキサイド付加体であるポリオール。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
上記「ポリオキシアルキレンエーテルポリオール」としては、特に限定されないが、ポリオールを得るための出発物質が、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、或いはエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等により鎖延長されたもの(以下、順に「EO付加体」、「PO付加体」、「EO/PO付加体」という。)などが用いられる。例えば、ポリオキシエチレンエーテルポリオール、ポリオキシプロピレンエーテルポリオール、ポリオキシエチレン/オキシプロピレンエーテルポリオール(オキシアルキレン単位として、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位を備える。)等の汎用ポリオールを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0007】
また、ポリオキシアルキレンエーテルポリオールは、平均分子量が1500〜5000(より好ましくは2000〜4000、更に好ましくは2500〜3500)であるものが好ましい。この範囲であれば、ラミネート加工後の成形品に適度な硬度と反発弾性を付与することができる。
更に、ポリオキシアルキレンエーテルポリオールは、官能基数(OH基の数)が2〜4(より好ましくは2又は3、更に好ましくは3)であることが好ましい。この範囲であれば、フォームの成形を良好、且つ安定して行うことができ、量産性に富むフォームとすることができる。
また、ポリオキシアルキレンエーテルポリオールは、水酸基価が30〜80(より好ましくは40〜70、更に好ましくは50〜60)であるものが好ましい。この範囲であれば、連通化しており、クッション性に優れるフォームとすることができる。
更に、ポリオキシアルキレンエーテルポリオールは、EO付加体、PO付加体及びEO/PO付加体であることが好ましく、ポリオキシエチレン/オキシプロピレンエーテルポリオール等のEO/PO付加体であることがより好ましい。
【0008】
本発明において、ポリオキシアルキレンエーテルポリオールは、平均分子量が1500〜5000、官能基数が2〜4であり、且つEO/PO付加体であることが好ましい。また、平均分子量が2000〜4000、官能基数が2〜3であり、且つEO/PO付加体であることがより好ましい。更に、平均分子量が2500〜3500、官能基数が3であり、且つEO/PO付加体であることが特に好ましい。
【0009】
上記「ポリイソシアネート」としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、粗TDI、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗MDIの他、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、粗HDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添MDI、イソホロンジイソシアネート等、芳香族系並びに脂肪族系の各種のものを用いることができる。なかでも、TDIを用いることが好ましい。また、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0010】
上記「架橋剤」は、前記ポリオキシアルキレンエーテルポリオールよりも水酸基価が大きく、且つ平均分子量の小さいポリオールである。即ち、合成後のフォームにあっては、架橋点間の分子鎖の短いものとなる。
この架橋剤の水酸基価は、300〜700(好ましくは400〜650、より好ましくは500〜650)である。この水酸基価が300未満の場合、フォームの溶融性が損なわれ、フレームラミネーションの際に、表皮材を接着することができない。一方、水酸基価が700を超える場合、フォームの架橋度が高くなりクッション性が損なわれ、車輌のシート等の用途に適した良好なフォームを得ることができない。
また、この架橋剤の官能基数(OH基の数)は、2〜6(好ましくは2又は3)である。官能基数が6を超える場合、フォーム原料の粘度が高くなりすぎ、フォームの製造が困難となる。
更に、架橋剤の平均分子量は、100〜1200(より好ましくは200〜1000、更に好ましくは250〜800)であるものが好ましい。この範囲であれば、良好なフレームラミネーション性が保証される。一般に、官能基数が同じで架橋剤の分子量が小さいと水酸基価は高くなる。本発明においては、架橋剤は、官能基数が多く、平均分子量が小さいものが好ましい。従って、水酸基価は上記範囲内で高い範囲が好ましい。
【0011】
更に、この架橋剤としては、EO付加体、PO付加体を使用することができる。特に、極性が高く、接着強度を向上させることができるため、EO付加体であることが好ましい。尚、EO付加体及びPO付加体は、前記ポリオキシアルキレンエーテルポリオールでの説明を適用できる。
このような架橋剤としては、商品名「PP200」(PO付加体、官能基数:2、水酸基価:561、平均分子量:200、三洋化成工業株式会社製)、商品名「PEG200」(EO付加体、官能基数:2、水酸基価:561、平均分子量:200、三洋化成工業株式会社製)、商品名「Dabco2035」(EO付加体、官能基数:3、水酸基価:620、平均分子量:271、三共エアプロダクツ株式会社製)、商品名「SU464」(PO付加体、官能基数:6、水酸基価:449、平均分子量:750、三井武田ケミカル株式会社製)、及び商品名「MN300」(PO付加体、官能基数:3、水酸基価:547、平均分子量:308、三井武田ケミカル株式会社製)等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明において、この架橋剤は、官能基数が2〜3であり、且つEO付加体であるものが好ましい。
【0012】
架橋剤の配合量は、前記ポリオキシアルキレンエーテルポリオールを100質量部とした場合に、1〜12質量部(より好ましくは2〜10質量部、更に好ましくは3〜6質量部)とすることが好ましい。配合量が1質量部未満の場合、フォームの溶融開始温度を十分に低下させることができず、フレームラミネーション加工ができないことがある。一方、配合量が12質量部を超える場合、フレームラミネーション性に優れ、且つ接着強度に優れるフォームを得ることができるが、圧縮ひずみが大きくなる傾向にある。
【0013】
また、ポリオキシアルキレンエーテルポリオール、ポリイソシアネート及び架橋剤の組み合わせとしては、平均分子量が2000〜4000、水酸基価が30〜80、官能基数が2又は3であり、且つEO/PO付加体であるポリオキシアルキレンエーテルポリオールと、トリレンジイソシアネートと、平均分子量が200〜1000、水酸基価が300〜700、官能基数が2又は3であり、且つEO付加体であるポリオールからなる架橋剤との組み合わせが好ましい。
また、架橋剤の配合量は、ポリオキシアルキレンエーテルポリオールを100質量部とした場合に、1〜12質量部(より好ましくは2〜10質量部、更に好ましくは3〜6質量部)とすることが好ましい。
【0014】
上記「フォーム原料」には、前述のポリオキシアルキレンエーテルポリオール、ポリイソシアネート及び架橋剤以外に、触媒、発泡剤及び助剤等を配合することができる。
触媒としては、例えば、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、ニッケルアセチルアセトエート、ニッケルジアセチルアセトエート等の有機ニッケル化合物、鉄アセチルアセトエート等の有機鉄化合物、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド、フェノキシドなどの金属触媒を使用することができる。更に、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンジメチルアミノメチルフェノール、イミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン等の3級アミン系触媒を用いることができる。また、有機酸塩等を使用することもできる。これらは単独で配合してもよいし、2種以上を混合して配合してもよい。
【0015】
発泡剤としては、水が使用されることが多い。その他としては、例えば、ハロゲン置換された脂肪族炭化水素(トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、メチレンジクロライド等)を使用することができる。これらは単独で配合してもよいし、2種以上を混合して配合してもよい。
【0016】
助剤としては、例えば、界面活性剤及び添加型リン酸エステル系難燃剤等を用いることができる。この、界面活性剤としては、例えば、シリコン油(ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)等が用いられる。また、添加型リン酸エステル系難燃剤としては、例えば、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリスβ−クロロプロピルフォスフェート、テトラキス2−クロロエチルエチレンジフォスフェート等を用いることができる。これらは単独で配合してもよいし、2種以上を混合して配合してもよい。
尚、フォーム原料には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機充填剤、着色剤等、ウレタン配合に一般に使用される原料を適宜配合することもできる。
【0017】
また、本発明のポリウレタンフォームは、下記実施例と同様にしてJIS K 6401に準じて測定した反発弾性率が20〜50%(好ましくは25〜50%)である
更に、このポリウレタンフォームは、下記実施例と同様にして測定した密度が20〜40kg/m(好ましくは25〜35kg/m)のものとすることができる。
また、このポリウレタンフォームは、下記実施例と同様にして測定した圧縮ひずみ率が20%以下(好ましくは10%以下)のものとすることができる。
更に、上記の反発弾性率、密度及び圧縮ひずみ率の各々の範囲は、それぞれを組み合わせたものとすることができる。
特に、本発明のポリウレタンフォームは、軟質スラブポリウレタンフォームとすることができる。また、このフォームをスキ加工して得られる発泡シートは、車輌等に用いられるクッションなどに好適である。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)使用原料
(A)ポリオキシアルキレンエーテルポリオール
ポリオキシエチレン/オキシプロピレンエーテルポリオール(EO/PO付加体、官能基数:3、水酸基価:56.1)
(B)ポリイソシアネート
トリレンジイソシアネート(2,4−TDIと、2,6−TDIとが80:20の割合であるTDI)、商品名「TDI−80」、日本ポリウレタン工業株式会社製
(C)架橋剤
(a)PP200(PO付加体、官能基数:2、水酸基価:561、平均分子量:200)、商品名「PP200」、三洋化成工業株式会社製
(b)PP400(PO付加体、官能基数:2、水酸基価:281、平均分子量:400)、商品名「PP400」、三洋化成工業株式会社製
(c)PP1000(PO付加体、官能基数:2、水酸基価:112、平均分子量:1000)、商品名「PP1000」、三洋化成工業株式会社製
(d)PEG200(EO付加体、官能基数:2、水酸基価:561、平均分子量:200)、商品名「PEG200」、三洋化成工業株式会社製
(e)Dabco2035(EO付加体、官能基数:3、水酸基価:620、平均分子量:271)、商品名「Dabco2035」、三共エアプロダクツ株式会社製
(f)SU464(PO付加体、官能基数:6、水酸基価:449、平均分子量:750)、商品名「SU464」、三井武田ケミカル株式会社製
(g)MN300(PO付加体、官能基数:3、水酸基価:547、平均分子量:308)、商品名「MN300」、三井武田ケミカル株式会社製
(D)発泡剤
水;イオン交換水
(E)助剤
界面活性剤;シリコン整泡剤(商品名「L−520」、日本ユニカー株式会社製)
(F)触媒
(a)金属触媒;スタナスオクトエート(商品名:「MRH−110」、城北化学株式会社製)
(b)アミン触媒;33%トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール(商品名:「ダブコ33LV」、三共エアプロダクツ株式会社製)
【0019】
(2)ポリウレタンフォームの製造
(実施例1〜7及び比較例1〜3)
ポリイソシアネート以外の各成分を表1に示す所定の割合でハンドミキサーを用いて攪拌した後、所定のイソシアネート指数に従って、所定の割合でポリイソシアネートと混合し、混合物を発泡箱に投入して発泡、硬化させた。このようにして得られた各ポリウレタンフォームを室温で1日静置した。
尚、表1中のフォーム原料の各成分の割合はイソシアネート指数以外全て質量部で表されており、各成分はポリオキシアルキレンエーテルポリオールの100質量部に対する質量部で表されている。
【0020】
【表1】
Figure 0004060612
【0021】
(3)性能試験
上記(2)で得られた実施例1〜7及び比較例1〜3のポリウレタンフォームにおいて、以下の方法により性能試験を行った。
(a)物性試験
各ポリウレタンフォームにおける、密度(kg/m)、反発弾性率(%)、及び圧縮ひずみ率(%)をJIS K 6401に準じて測定した。それぞれの結果を表1に併記する。
(b)各ポリウレタンフォームを用いて、フォームの溶融開始温度及び分解温度を、熱重量分析法(TG−DTA)(セイコー電子工業株式会社製、「SSC−5200」を使用)により測定した。その結果を表1に併記する。尚、溶融開始温度と、分解温度の差が大きいほど、フレームラミネーション性に優れる。
(c)熱融着試験
各ポリウレタンフォームより、フォーム片(長さ:200mm、幅:50mm、厚み:10mm)を切り取り、各フォーム片を、幅100mm、高さ70mmに調整されたLPガスの火炎上を8m/分の速度で通過させ、表面を溶融させた後、表面にナイロン不織布を重ね合わせ、ロールを通過させ圧着した。圧着後、初期剥離強度の測定においては幅50mm、長さ150mm、最終剥離強度の測定においては幅25mm、長さ150mmに切断し、以下の方法により初期剥離強度及び最終剥離強度を測定した。それぞれの結果を表1に併記する。
(初期剥離強度の測定)
初期剥離強度は、ナイロン不織布圧着後、2分後の剥離強度をJIS L1066に準じて測定した。
(最終剥離強度の測定)
最終剥離強度は、ナイロン不織布圧着後、24時間後の剥離強度をJIS L1066に準じて測定した。
尚、表1中において、「*」は、剥離試験における剥離の際、界面剥離ではなく、材料破壊であったことを意味する。
【0022】
(3)実施例の効果
表1によれば、架橋剤を用いなかった比較例1、及び本発明の請求の範囲(架橋剤の水酸基価:300〜700)よりも水酸基価が低い架橋剤(水酸基価:112)を用いた比較例3では、密度、反発弾性率及び圧縮ひずみ率においては、共に問題はなかったが、これらは溶融開始温度が高く、分解温度との差が90℃であり、ナイロン不織布と熱融着させることができず、フレームラミネーション性に劣っていた。また、本発明の請求の範囲(架橋剤の水酸基価:300〜700)よりも水酸基価が低い架橋剤(水酸基価:281)を用いた比較例2では、密度、反発弾性率及び圧縮ひずみ率においては、問題はなかったが、溶融開始温度が高く、分解温度との差が101℃とあまり大きくはなく、フレームラミネーション加工を施すことはできたが、初期剥離強度が0.1N/50mm、最終剥離強度が1.0N/25mmであり、初期接着性が低く、強固に接着することができなかった。
【0023】
これに対して、実施例1〜6では、密度、反発弾性率及び圧縮ひずみ率においては問題なく、溶融開始温度が105〜130℃と低く、分解温度との差も113〜142℃と十分に大きく、容易にフレームラミネーション加工を施すことができた。更に、初期剥離強度が0.7〜2.0N/50mm、最終剥離強度が2.0〜4.7N/25mmであり初期接着性に優れるとともに、強固に接着することができた。また、実施例1、3〜6においては最終剥離試験において、界面剥離ではなく、材料破壊であり、強固な接着性を有していた。
実施例7では、圧縮ひずみ率が15.6%と、実施例1〜6に対して大きかったものの、密度、反発弾性率においては問題なく、溶融開始温度が95℃と低く、分解温度との差も155℃と実施例の中では最も大きく、容易にフレームラミネーション加工を施すことができた。更に、初期剥離強度が3.9N/50mm、最終剥離強度が5.0N/25mm(材料破壊)であり初期接着性に優れるとともに、強固に接着することができた。
また、EO付加体の架橋剤を用いたもの(実施例1、3、6及び7)は、初期剥離強度及び最終剥離強度においてより優れていた。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、特殊なポリオール、及び特殊なイソシアネートを用いることなく、汎用のポリオール及び汎用のポリイソシアネートと、特定の架橋剤とを用いることにより、初期接着性に優れるフレームラミネーション用ポリウレタンフォームをることができる。また、これにより十分な反発弾性を備えるフレームラミネーション用ポリウレタンフォームを容易にることができる。
他の本発明によれば、十分な反発弾性を備え、初期接着性に優れ、且つ接着強度に優れるフレームラミネーション用ポリウレタンフォームをることができる。

Claims (2)

  1. 水酸基価が300〜700、官能基数が2又は3であり、且つエチレンオキサイド付加体であるポリオールからなる架橋剤と、該架橋剤を除くポリオキシアルキレンエーテルポリオールと、ポリイソシアネートと、を含むフォーム原料を発泡させることにより得られるフレームラミネーション用ポリウレタンフォームであって、
    上記ポリオキシアルキレンエーテルポリオールは、平均分子量が1500〜5000、官能基数が2〜4であり、且つエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加体であり、
    上記ポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネートであり、
    上記架橋剤の配合量は、上記ポリオキシアルキレンエーテルポリオールを100質量部とした場合に、1〜12質量部であり、
    JIS K 6401に準じて測定された反発弾性率が、20〜50%であり、
    JIS L 1066に準じて測定された初期剥離強度が、1.0〜3.9N/50mmであり、
    且つJIS L 1066に準じて測定された最終剥離強度が、2.8〜5.0N/25mmであることを特徴とするフレームラミネーション用ポリウレタンフォーム。
  2. 平均分子量が2000〜4000、水酸基価が30〜80、官能基数が2又は3であり、且つエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加体であるポリオキシアルキレンエーテルポリオールと、トリレンジイソシアネートと、下記(1)〜(5)のポリオールのうちの少なくとも1種からなる架橋剤と、を含むフォーム原料を発泡させることにより得られ、
    JIS K 6401に準じて測定された反発弾性率が、20〜50%であり、
    JIS L 1066に準じて測定された初期剥離強度が、0.7〜3.9N/50mmであり、
    且つJIS L 1066に準じて測定された最終剥離強度が、2.0〜5.0N/25mmであることを特徴とするフレームラミネーション用ポリウレタンフォーム。
    (1)官能基数が2、水酸基価が561、且つ平均分子量が200のプロピレンオキサイド付加体であるポリオール
    (2)官能基数が2、水酸基価が561、且つ平均分子量が200のエチレンオキサイド付加体であるポリオール
    (3)官能基数が3、水酸基価が620、且つ平均分子量が271のエチレンオキサイド付加体であるポリオール
    (4)官能基数が6、水酸基価が449、且つ平均分子量が750のプロピレンオキサイド付加体であるポリオール
    (5)官能基数が3、水酸基価が547、且つ平均分子量が308のプロピレンオキサイド付加体であるポリオール
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