JP4060540B2 - アルミニウム電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムを含む負極か、アルミニウム合金を含む負極か、あるいはアルミニウム及びアルミニウム合金を含む負極と、電解液とを有する一次電池に関するものであり、特に電解液を改良した一次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、携帯機器の一次電池としてマンガン電池及びアルカリ電池が広く使用されている。マンガン電池及びアルカリ電池は、亜鉛からなる負極と、二酸化マンガンを含む正極とを備え、かつ起電力が1.5Vである。携帯機器の発達に伴い、この一次電池において高電圧、高容量並びに軽量化が要望されている。
【0003】
負極にアルミニウムを使用する一次電池は、亜鉛からなる負極を備える一次電池に比べて高容量化が期待できるため、古くから検討されている。米国特許公報2838591号には、二酸化マンガンを含む正極と、アルミニウムからなる負極と、塩化アルミニウムの弱酸性水溶液とを備えたアルミニウム電池が開示されている。
【0004】
しかしながら、このアルミニウム電池は、電解液と負極との反応性に問題があるため、高電圧が得られず、自己放電が大きく、水素発生量が多く、さらに容量が小さくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高電圧で、高容量で、かつ軽量な一次電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のアルミニウム電池は、ポリオレフィン樹脂、アクリルニトリル・スチレン(AS)樹脂、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂およびエチレン−プロピレン−コポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂から形成された外装材と、
前記外装材内に収納された円筒状の正極合剤と、
前記外装材と前記正極合剤の間に配置され、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及び炭素質物よりなる群から選ばれる1種類以上の導電性成分からなる正極集電体と、
前記正極合剤の中空内に収納され、アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される1種類以上の活物質を含む負極と、
前記負極と前記正極合剤との間に配置されたセパレータと、
前記外装材内に収容され、硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンおよびハロゲンイオンを含む電解液と
を具備することを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る第2のアルミニウム電池は、ポリオレフィン樹脂、アクリルニトリル・スチレン(AS)樹脂、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂およびエチレン−プロピレン−コポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂から形成された外装材と、
前記外装材内に収納された円筒状の正極合剤と、
前記外装材と前記正極合剤の間に配置され、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及び炭素質物よりなる群から選ばれる1種類以上の導電性成分からなる正極集電体と、
前記正極合剤の中空内に収納され、アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される1種類以上の活物質を含む負極と、
前記負極と前記正極合剤との間に配置されたセパレータと、
前記外装材内に収容され、硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオン、ハロゲンイオン及びアルミニウムイオンを含電解液とを具備することを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係る第1のアルミニウム電池は、正極と、
アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される1種類以上の活物質を含む負極と、
硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の第1のイオンおよびハロゲンイオンを含む電解液とを具備する。
【0019】
まず、本発明に係る第1のアルミニウム電池の一例である第Iのアルミニウム電池について説明する。
【0020】
この第Iのアルミニウム電池は、アルミニウム金属もしくはアルミニウム合金から実質的に構成され、負極を兼ねる容器と、
前記負極容器内に収納される正極と、
前記負極容器と前記正極の間に配置されるセパレータと、
硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の第1のイオンと、ハロゲンイオンとを含み、少なくとも前記セパレータに保持される電解液Aと、
前記負極容器の開口部に絶縁ガスケットを介して配置され、正極端子を兼ねる封口板とを備える。
【0021】
負極を兼ねる容器、正極及びセパレータについて説明する。
【0022】
(1)負極を兼ねる容器
アルミニウム金属の純度は、99.5%以上にすることが好ましい。純度を99.5%未満にすると、容器が電解液により腐食されやすくなるため、容器に孔食を生じる恐れがある。純度のさらに好ましい範囲は、99.9%以上である。
【0023】
アルミニウム金属は、不純物としてFe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素を含むことを許容する。但し、アルミニウム金属中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量は、遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるような範囲内にすることが望ましい。例えば、アルミニウム金属中にFe,Ni及びCuが含有されている場合、Fe含有量を500ppm以下にし、Ni含有量を500ppm以下にし、かつCu含有量を500ppm以下にすることが好ましい。アルミニウム金属中の各遷移金属元素の含有量が500ppmを超えると、容器の腐食反応が進むため、自己放電の進行が大きくなって電池の容量が低下する恐れがある。アルミニウム金属中の不純物量のより好ましい範囲は、アルミニウム金属中に含有されている遷移金属元素の種類毎に0〜100ppmとするものである。
【0024】
アルミニウム合金としては、例えば、Mn,Cr,Sn,Ca,Mg,Pb,Si,In及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素と、Alとを含有する合金等を挙げることができる。中でも、Al及びZnを含有する合金、Al,Mg及びCrを含有する合金が好ましい。
【0025】
アルミニウム合金は、不純物としてFe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素を含むことを許容する。但し、アルミニウム合金中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量は、遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるように設定することが望ましい。例えば、アルミニウム合金中にFe及びCuが含有されている場合、Fe含有量を500ppm以下にし、かつCu含有量を500ppm以下にすることが好ましい。アルミニウム合金中の各遷移金属元素の含有量が500ppmを超えると、容器の腐食反応が進むため、自己放電の進行が大きくなって電池の容量が低下する恐れがある。アルミニウム合金中の不純物量のより好ましい範囲は、アルミニウム合金中に含有されている遷移金属元素の種類毎に0〜100ppmとするものである。
【0026】
アルミニウム金属中の不純物量並びにアルミニウム合金中の不純物量は、ICP質量分析法(inductively coupled plasma mass spectrometry)またはICP発光分析法(inductively coupled plasma atomic emission spectrometry)によりそれぞれ測定される。
【0027】
(2)正極
この正極は、活物質を含む正極合剤と、前記正極合剤に電気的に接する正極集電体とを含む。
【0028】
前記正極活物質としては、例えば、金属酸化物、金属硫化物、導電性ポリマー等を挙げることができる。前記金属酸化物としては、例えば、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化鉛(PbO2)、水酸化ニッケル{NiOOHまたはNi(OH)2}、酸化銀(Ag2O)、例えばFeO、Fe23、FeOx(xはx>1.5を示す)などの酸化鉄等を挙げることができる。前記金属硫化物としては、例えば、硫化鉄、硫化ニッケルなどを挙げることができる。前記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、例えばジスルフィド化合物、硫黄などの有機硫黄化合物等を挙げることができる。中でも、電解二酸化マンガンが望ましい。
【0029】
前記正極合剤は、さらに導電剤を含むことが望ましい。前記導電剤としては、例えば、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラックを挙げることができる。前記正極合剤中の導電剤の含有量は、5〜20重量%の範囲にすることが好ましい。
【0030】
前記正極合剤は、例えば、活物質、導電剤及びバインダー混合した後、ペレット状に加圧成形することにより作製される。
【0031】
前記バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを挙げることができる。
【0032】
前記正極集電体は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、鉛(Pb)及び窒化チタン(TiN)よりなる群から選ばれる1種類以上の導電性成分を含むシートか、または炭素質物を含有するシートから構成されることが好ましい。各シートは、多孔質か、あるいは無孔にすることができる。タングステン(W)、モリブデン(Mo)および鉛(Pb)よりなる群から選ばれる2種類以上の導電性成分を含むシートにおいて、各導電性成分は単体金属の状態で存在していても良いが、タングステン、モリブデンおよび鉛よりなる群から選択される2種類以上の元素を含有する合金がシート中に含まれていても良い。また、窒化チタン(TiN)含む正極集電体としては、例えば、ニッケル板などの金属板の表面が窒化チタンで被覆またはメッキされたもの、窒化チタン製のシート等を挙げることができる。特に、正極集電体には、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属を含むシート、炭素質物を含むシートが好ましい。
【0033】
前記正極集電体が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、鉛(Pb)及び窒化チタン(TiN)よりなる群から選ばれる1種類以上の導電性成分を含む場合、集電体中の導電性成分の含有量は、99重量%以上にすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、99.9重量%以上である。
【0034】
炭素質物を含む正極集電体は、例えば、炭素質物粉末及びバインダーを混合した後、シート状に加圧成形することにより作製される。
【0035】
前記正極集電体の厚さは、10〜200μmの範囲内にすることが好ましい。
【0036】
前記炭素質物粉末としては、例えば、黒鉛粉末、炭素繊維を挙げることができる。
【0037】
前記正極集電体中の炭素質物含有量は、80重量%以上にすることが好ましい。さらに好ましい範囲は、90重量%以上である。
【0038】
(3)セパレータ
このセパレータとしては、例えば、クラフト紙、合成繊維製シート、天然繊維製シート、不織布、ガラス繊維製シート、ポリオレフィン製の多孔質膜を挙げることができる。
【0039】
セパレータの厚さは、10〜200μmの範囲内にすることが望ましい。
【0040】
次いで、本発明に係る第1のアルミニウム電池の別な例である第IIのアルミニウム電池について説明する。
【0041】
この第IIのアルミニウム電池は、
アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される1種類以上の活物質を含む負極と、
前記負極を囲むように配置される正極と、
前記負極と前記正極の間に配置されるセパレータと、
硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の第1のイオンと、ハロゲンイオンとを含み、少なくとも前記セパレータに含浸される電解液Aと、
前記負極、前記正極、前記セパレータ及び前記電解液Aを有する発電要素が収納され、かつ少なくとも内面が樹脂から形成されている外装材とを具備する。
【0042】
正極及びセパレータとしては、前述した第Iのアルミニウム電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。以下、負極及び外装材について説明する。
【0043】
(4)負極
この負極は、アルミニウム金属粉末及びアルミニウム合金粉末から選ばれる1種類以上の活物質粉末、増粘剤および電解液Aを含む負極ゲルと、このゲルと少なくとも一部が接している集電体とを含む。
【0044】
アルミニウム金属の純度は、99.5%以上にすることが好ましい。純度を99.5%未満にすると、負極が電解液により腐食されやすくなって自己放電の進行が大きくなる恐れがある。純度のさらに好ましい範囲は、99.9%以上である。
【0045】
アルミニウム金属は、不純物としてFe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素を含むことを許容する。但し、アルミニウム金属中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量は、遷移金属元素1種類毎に0〜500ppmとすることが望ましい。アルミニウム金属中の各遷移金属元素の含有量が500ppmを超えると、負極の腐食反応が進むため、自己放電の進行が大きくなって電池の容量が低下する恐れがある。アルミニウム金属中の不純物量のより好ましい範囲は、アルミニウム金属中に含有されている遷移金属元素の種類毎に0〜100ppmとするものである。
【0046】
アルミニウム合金としては、例えば、Mn,Cr,Sn,Ca,Mg,Pb,Si,In及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素と、Alとを含有する合金等を挙げることができる。中でも、Al及びZnを含有する合金、Al,Mg及びCrを含有する合金が好ましい。
【0047】
アルミニウム合金は、不純物としてFe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素を含むことを許容する。但し、アルミニウム合金中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量は、遷移金属元素1種類毎に0〜500ppmとすることが望ましい。アルミニウム合金中の各遷移金属元素の含有量が500ppmを超えると、負極の腐食反応が進むため、自己放電の進行が大きくなって電池の容量が低下する恐れがある。アルミニウム合金中の不純物量のより好ましい範囲は、アルミニウム合金中に含有されている遷移金属元素の種類毎に0〜100ppmとするものである。
【0048】
アルミニウム金属中の不純物量並びにアルミニウム合金中の不純物量は、ICP質量分析法(inductively coupled plasma mass spectrometry)またはICP発光分析法(inductively coupled plasma atomic emission spectrometry)によりそれぞれ測定される。
【0049】
粉末の平均粒径は、0.01〜3mmの範囲内にすることが好ましい。
【0050】
前記増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、デンプン、無水ケイ酸(SiO2)を挙げることができる。
【0051】
前記集電体は、例えば、ステンレス、ニッケル、炭素質物から形成することができる。
【0052】
(5)外装材
外装材は、樹脂のみからか、もしくは樹脂層と金属層とを含む多層シートから形成することができる。
【0053】
外装材の内面を形成する樹脂は、ポリオレフィン樹脂、アクリルニトリル・スチレン(AS)樹脂、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂およびエチレン−プロピレン−コポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂から構成されることが望ましい。中でも、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0054】
外装材の厚さは、0.5mm以下にすることが好ましい。
【0055】
次いで、前述した第I及び第IIのアルミニウム電池において使用される電解液Aについて説明する。
【0056】
(6)電解液A
この電解液Aは、電池に組み込まれる前の状態ではアルミニウムイオンを含んでいない。しかしながら、この電解液Aがアルミニウム電池に組み込まれ、放電が開始されると、負極が電解液Aに若干溶解し、電解液A中にアルミニウムイオンが存在するようになる。電解液A中のアルミニウムイオンの濃度は、放電の進行に伴って増加する。また、放電を開始する前でも、自己放電により負極が電解液Aに溶解することがあるため、電解液A中にアルミニウムイオンが存在することがある。放電開始前もしくは放電開始後のアルミニウム電池における電解液A中のアルミニウムイオン濃度は、0.01M/Lより低い。
【0057】
アルミニウムイオンは、例えば、水分子と溶媒和した状態のAl(H2O)6 3+か、あるいは例えばAl6(OH)15 3+、Al(OH)4 -などのアルミニウム錯体イオンとして電解液中に存在することができる。
【0058】
ここで、アルミニウムイオンの濃度とは、アルミニウムの水和イオンの濃度やアルミニウムの錯イオンの濃度ではなく、アルミニウム原子のみを対象として算出した濃度を意味する。
【0059】
(A)第1のイオン
この第1のイオンは、硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類からなる。第1のイオンには、硫酸イオンと硝酸イオンの双方を使用することが可能である。
【0060】
第1のイオンの濃度は、0.05〜10M/Lの範囲内にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。第1のイオンの濃度を0.05M/L未満にすると、電気伝導度が小さくなる可能性があるばかりか、負極表面への皮膜形成が不十分になって自己放電の進行が早くなる恐れがある。一方、第1のイオンの濃度が10M/Lを超えると、負極表面の皮膜成長が顕著となって負極の界面抵抗が大きくなり、高電圧を得られなくなる恐れがある。より好ましい範囲は0.2〜10M/Lで、さらに好ましい範囲は0.5〜5M/Lである。
【0061】
硫酸イオンを提供する塩としては、例えば、硫酸、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムなどを挙げることができる。
【0062】
硝酸イオンを提供する塩としては、例えば、硝酸、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウムなどを挙げることができる。
【0063】
(B)ハロゲンイオン
このハロゲンイオンには、フッ素イオン(F-)、塩素イオン(Cl-)、臭素イオン(Br-)及び沃素イオン(I-)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンが使用される。中でも、塩素イオン、臭素イオン及び沃素イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンから構成されることが望ましい。特に、塩素イオンが好ましい。
【0064】
ハロゲンイオンの濃度は、0.01〜6M/Lの範囲内にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。ハロゲンイオンの濃度を0.01M/L未満にすると、電気伝導度が小さくなる可能性があるばかりか、負極表面に形成された皮膜の電解液への溶解量が低下し、負極表面に厚い皮膜が残存して高い電圧を得られなくなる恐れがある。一方、ハロゲンイオンの濃度が6M/Lを超えると、負極容器の孔食もしくは負極の腐食が顕著に生じて自己放電の進行が大きくなる恐れがある。より好ましい範囲は、0.05〜1M/Lである。
【0065】
ハロゲンイオンを提供する塩としては、例えば、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化アルカリを挙げることができる。
【0066】
(C)アンモニウムイオン
この電解液Aは、1種類以上のアンモニウムイオンをさらに含むことが好ましい。ここで、アンモニウムイオンは、下記化1で表わされる骨格を有するカチオンを意味する。具体的には、NH4 +、(CH34+、(C254+などを挙げることができる。
【0067】
【化1】
Figure 0004060540
【0068】
アンモニウムイオンの濃度は、0.01〜6M/Lの範囲内にすることが好ましい。アンモニウムイオンの濃度を前記範囲にすることによって、正極の分極を大幅に低下させることができ、正極の利用率を向上させることができるため、容量を高くすることができ、かつ電圧平坦性を改善することができる。より好ましい範囲は、0.01〜2M/Lである。
【0069】
アンモニウムイオンを提供する塩としては、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリドを挙げることができる。
【0070】
この電解液Aは、1種類以上のアルカリ金属イオンをさらに含むことが好ましい。中でも、Li+、Na+およびK+よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のアルカリ金属イオンが好ましい。第1のイオン及びハロゲンイオンを含む電解液にアルカリ金属イオンを添加することによって、正極反応を促進することができるため、電圧及び容量を更に向上することができる。
【0071】
電解液AのpHは、−2〜3の範囲内にすることが望ましい。これは次のような理由によるものである。pHを−2未満にすると、負極が電解液により腐食されやすくなって自己放電の進行が早くなる恐れがある。一方、pHが3を超えると、電解液の伝導度が低下して高容量並びに高電圧を得られなくなる恐れがある。より好ましい範囲は、−1.5〜1である。
【0072】
この電解液Aは、目的とする塩を水に溶解させることにより調製され、液状である。この電解液Aの代わりに、電解液Aを含有するゲル状電解質を用いても良い。ゲル状電解質は、例えば、カルボキシメチルセルロース、デンプンなどの高分子あるいは無水ケイ酸(SiO2)と電解液Aを混合することにより調製される。
【0073】
次いで、第2のアルミニウム電池について説明する。
【0074】
この第2のアルミニウム電池は、正極と、
アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される少なくとも1種類の活物質を含む負極と、
硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の第1のイオン、ハロゲンイオン及びアルミニウムイオンを含む電解液Bとを具備する。
【0075】
この第2のアルミニウム電池は、以下に説明する3つの状態を規定している。
【0076】
(1)前述した第1のアルミニウム電池における起電力が1.7V以上である状態。
【0077】
(2)前述した第1のアルミニウム電池において放電がなされ、起電力が1.7V未満である状態。放電は、間欠放電、連続放電、重負荷放電、中負荷放電、軽負荷放電等のいかなる方法で行っても良く、また、部分放電でも、完全放電でも良く、放電量は問わない。
【0078】
(3)電池組立て前から電解液中にアルミニウムイオンが存在する電池。
【0079】
以下、(3)の条件を満足する第III、第IVのアルミニウム電池について説明する。
【0080】
本発明に係る第IIIのアルミニウム電池は、
アルミニウム金属もしくはアルミニウム合金から実質的に構成され、負極を兼ねる容器と、
前記負極容器内に収納される正極と、
前記負極容器と前記正極の間に配置されるセパレータと、
硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の第1のイオンと、ハロゲンイオンと、アルミニウムイオンとを含み、少なくとも前記セパレータに保持される電解液Bと、
前記負極容器の開口部に絶縁ガスケットを介して配置され、正極端子を兼ねる封口板とを備える。
【0081】
負極を兼ねる容器、正極及びセパレータとしては、前述した第1のアルミニウム電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0082】
次いで、第IVのアルミニウム電池について説明する。
【0083】
この第IVのアルミニウム電池は、
アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される1種類以上の活物質を含む負極と、
前記負極を囲むように配置される正極と、
前記負極と前記正極の間に配置されるセパレータと、
硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の第1のイオンと、ハロゲンイオンと、アルミニウムイオンとを含み、少なくとも前記セパレータに含浸される電解液Bと、
前記負極、前記正極、前記セパレータ及び前記電解液Bを有する発電要素が収納され、かつ樹脂製の内面を有する外装材とを具備する。
【0084】
正極およびセパレータとしては、前述した第Iのアルミニウム電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。また、外装材としては、前述した第IIのアルミニウム電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。さらに、負極には、電解液Aの代わりに電解液Bを用いること以外は前述した第IIのアルミニウム電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0085】
前述した第III、第IVのアルミニウム電池に使用される電解液Bについて説明する。
【0086】
(7)電解液B
この電解液Bは、電池に組み込まれる前からアルミニウムイオンを含んでいる。
【0087】
(a)アルミニウムイオン
アルミニウムイオンは、例えば、水分子と溶媒和した状態のAl(H2O)6 3+か、あるいは例えばAl6(OH)15 3+、Al(OH)4 -などのアルミニウム錯体イオンとして電解液中に存在することができる。
【0088】
アルミニウムイオンの濃度は、0.01〜2M/Lの範囲内にすることが好ましい。電解液中に予めアルミニウムイオンを存在させると、共通イオン効果を生じさせることができるため、負極の電解液による腐食をより一層抑制することができる。アルミニウムイオン濃度を0.01M/L未満にすると、共通イオン効果を生じ難くなる。一方、アルミニウムイオン濃度が2M/Lを超えると、電解液の電気伝導度が低下して高容量並びに高電圧を得られなくなる恐れがある。より好ましい範囲は、0.1〜1M/Lである。
【0089】
ここで、アルミニウムイオンの濃度とは、アルミニウムの水和イオンやアルミニウムの錯イオンを対象として算出した濃度ではなく、アルミニウム原子のみを対象として算出した濃度を意味する。
【0090】
アルミニウムイオンを提供する塩としては、例えば、ハロゲン化アルミニウムを挙げることができる。
【0091】
(b)第1のイオン
この第1のイオンは、硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類からなる。第1のイオンには、硫酸イオンと硝酸イオンの双方を使用することが可能である。
【0092】
第1のイオンの濃度は、前述した電解液Aで説明したのと同様な理由により0.05〜10M/Lの範囲内にすることが好ましい。より好ましい範囲は0.2〜10M/Lで、さらに好ましい範囲は0.5〜5M/Lである。
【0093】
硫酸イオンを提供する塩および硝酸イオンを提供する塩としては、前述した電解液Aで説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0094】
(c)ハロゲンイオン
このハロゲンイオンには、フッ素イオン(F-)、塩素イオン(Cl-)、臭素イオン(Br-)及び沃素イオン(I-)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンが使用される。中でも、塩素イオン、臭素イオン及び沃素イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンから構成されることが望ましい。特に、塩素イオンが好ましい。
【0095】
ハロゲンイオンの濃度は、前述した電解液Aで説明したのと同様な理由により0.01〜6M/Lの範囲内にすることが好ましい。より好ましい範囲は、0.05〜1M/Lである。
【0096】
ハロゲンイオンを提供する塩としては、前述した電解液Aで説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0097】
(d)アンモニウムイオン
この電解液Bは、1種類以上のアンモニウムイオンをさらに含むことが好ましい。ここで、アンモニウムイオンは、前述した化1で表わされる骨格を有するカチオンを意味する。具体的には、前述した電解液Aで説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0098】
アンモニウムイオンの濃度は、前述した電解液Aで説明したのと同様な理由により0.01〜6M/Lの範囲内にすることが好ましい。より好ましい範囲は、0.01〜2M/Lである。
【0099】
アンモニウムイオンを提供する塩としては、前述した電解液Aで説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0100】
この電解液Bは、1種類以上のアルカリ金属イオンをさらに含むことが好ましい。中でも、Li+、Na+およびK+よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のアルカリ金属イオンが好ましい。第1のイオン、ハロゲンイオン及びアルミニウムイオンを含む電解液にアルカリ金属イオンを添加することによって、正極反応を促進することができるため、電圧及び容量を更に向上することができる。
【0101】
電解液のpHは、前述した電解液Aで説明したのと同様な理由により−2〜3の範囲内にすることが望ましい。より好ましい範囲は、−1.5〜1である。
【0102】
この電解液Bは目的とする塩を水に溶解させることにより調製され、液状である。この電解液Bの代わりに、電解液Bを含有するゲル状電解質を用いても良い。ゲル状電解質は、例えば、カルボキシメチルセルロース、デンプンなどの高分子または無水ケイ酸(SiO2)と電解液Bを混合することにより調製される。
【0103】
前述した第Iのアルミニウム電池及び第IIIのアルミニウム電池の一例を図1に示す。
【0104】
すなわち、アルミニウム金属もしくはアルミニウム合金から実質的に構成され、負極を兼ねる有底円筒状容器1内には、セパレータ2が収納されている。ペレット状の正極合剤3は、前記負極容器1内の前記セパレータ2上に収納されている。円盤状の正極集電体4は、前記正極合剤3に積層されている。電解液Aまたは電解液Bは、前記正極合剤3及び前記セパレータ2に含浸されている。有底円筒状の金属製正極封口板5は、前記負極容器1にリング状の絶縁ガスケット6を介してかしめ固定されている。
【0105】
前述した第I、第IIIのアルミニウム電池においては、負極容器内に負極合剤を更に収納しても良い。この場合、負極容器内には、負極合剤、セパレータ、正極合剤および正極集電体をこの順番に収納する。負極合剤は、例えば、アルミニウム金属粉末及びアルミニウム合金粉末から選ばれる1種類以上の粉末をペレット状に加圧成形することにより作製される。アルミニウム金属及びアルミニウム合金には、前述した(1)の負極容器の欄で説明したのと同様なものを用いることができる。また、粉末の平均粒径は、0.01〜3mmの範囲内にすることが好ましい。負極容器と、負極合剤を備えるアルミニウム電池は、負極活物質としてアルミニウム金属およびアルミニウム合金の双方を使用することが可能である。
【0106】
前述した第II,IVのアルミニウム電池の一例を図2に示す。
【0107】
すなわち、この図2に示す構造を有するアルミニウム電池は、正極、負極、セパレータ及び電解液を有する発電要素と、前記発電要素が収納される密閉容器とを具備する。密閉容器は、外装材15と、前記外装材15の下端に接着性の絶縁材料16により固定され、負極端子板として機能する底板7とを有する。
【0108】
負極端子板7には、棒状の負極集電体8が溶接されている。負極封口板9は、前記負極集電体8の下部に挿着されている。有底円筒形のセパレータ10は、前記封口板9上に前記負極集電体8を囲むように配置されている。負極ゲル11は、前記セパレータ10と前記封口板9とにより囲まれた空間に充填されている。円筒状の正極合剤12は、前記セパレータ10の側周面に配置されている。有底円筒形の正極集電体13は、前記セパレータ10の上面、前記正極合剤12の上面及び前記正極合剤12の側周面を被覆している。この正極集電体13は、正極容器としての機能を有する。電解液Aまたは電解液Bは、前記負極ゲル11、前記セパレータ10及び前記正極合剤12に含浸されている。帽子形の正極端子14は、前記正極集電体13の上面に配置されている。有底円筒形で、端部が内方に折り曲げられ、かつ底部に穴18が開口されている外装材15は、前記正極集電体13の側周面を覆うと共に、底部内面が前記正極端子14の周縁に接着性の絶縁材料により接着され、下部の折り曲げ部が前記負極端子板7の周縁に接着性の絶縁材料16により接着されている。接着性の絶縁材料としては、例えば、タール、ピッチ等を挙げることができる。前記外装材15は、少なくとも内面が樹脂から形成されている。例えば金属箔からなる外装チューブ17は、前記外装材15を被覆している。
【0109】
以上詳述した本発明に係るアルミニウム電池は、正極と、
アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される1種類以上の活物質を含む負極と、
硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の第1のイオンと、ハロゲンイオンとを含む電解液とを具備する。
【0110】
このようなアルミニウム電池によれば、起電力及び容量を向上することができる。また、この電池は、アルミニウム金属もしくはアルミニウム合金を含む軽量な負極を備えるため、負極に亜鉛が使用された電池に比べて軽量にすることができる。
【0111】
すなわち、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、ハロゲンイオンを含む電解液に、硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の第1のイオンを添加すると、電解液の電気伝導度を向上することができ、かつ負極表面にAl23を主体とする保護皮膜が過度に形成されるために負極の腐食、つまり自己放電を抑制できることを究明した。さらに、この第1のイオン及びハロゲンイオンの双方のイオンを含む電解液では、ハロゲンイオンが保護皮膜を適度に破壊するため、保護皮膜の厚さ及び緻密さを適度なものにすることができ、負極が円滑に放電できることを見出した。ハロゲンイオンが保護皮膜を破壊するメカニズムは、明らかでないものの、保護皮膜中のAl23とハロゲンイオンが反応することにより塩化アルミニウム(AlCl3)が生成し、これが加水分解という過程を経た結果、保護皮膜が電解液中に溶解されるためであると推測される。また、塩化アルミニウムイオンの加水分解の結果、水分子(H2O)及びハロゲンイオンが生成するため、保護皮膜の破壊反応後も電解液中のハロゲンイオン濃度及び水分子の量をほぼ一定に保つことができる。
【0112】
従って、第1のイオン及びハロゲンイオンの双方のイオンを含む電解液を用いることによって、(1)負極の腐食、つまり自己放電を抑制することができるために水素発生量を低減することができ、(2)負極をスムーズに放電させることができ、同時に(3)電解液の電気伝導度を向上することができる。これら(1)〜(3)の結果、電圧が例えば1.5V以上と高く、かつ容量が向上されたアルミニウム電池を提供することができる。
【0113】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記電解液中の前記第1のイオンの濃度を0.05〜10M/Lの範囲内にし、かつ前記ハロゲンイオンの濃度を0.01〜6M/Lの範囲内にすることによって、自己放電の抑制と負極放電の促進のバランスを適正化することができるため、容量及び電圧をより向上することができる。
【0114】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記電解液のpHを−2〜3の範囲内にすることによって、電気伝導度を高くすることができ、併せて自己放電の抑制と負極放電の促進のバランスを最適化することができるため、容量及び電圧をより一層向上することができる。
【0115】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記電解液中にアンモニウムイオンを更に含有させることによって、容量及び電圧をより向上することができる。
【0116】
本発明に係るアルミニウム電池の正極には、正極合剤と、前記正極合剤の少なくとも一部と接する正極集電体とを有するものを使用することが可能である。この正極集電体が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、鉛(Pb)及び窒化チタンよりなる群から選ばれる1種類以上の導電性成分を含有するか、または炭素質物を含有することによって、正極集電体が電解液により腐食されるのを抑制することができるため、正極の利用率を向上することができ、容量及び電圧をより向上することができる。
【0117】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記負極のアルミニウムの純度を99.5%以上にすることによって、負極の腐食、つまり自己放電をさらに抑制することができるため、容量及び電圧をより向上することができる。
【0118】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記負極のアルミニウム合金を、Mn,Cr,Sn,Ca,Mg,Pb,Si,In及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素とAlとを含有するものにすることによって、負極の腐食、つまり自己放電をさらに抑制することができるため、容量及び電圧をより向上することができる。
【0119】
本発明に係るアルミニウム電池において、アルミニウム金属及びアルミニウム合金が、Fe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素をそれぞれ含有する際、前記アルミニウム金属中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるように設定し、かつ前記アルミニウム合金中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるように設定することが好ましい。このような構成にすることによって、負極の腐食をさらに抑えることができるため、自己放電の進行を小さくして電池の容量をより向上することが可能になる。
【0120】
本発明に係るアルミニウム電池において、正極、負極及び電解液を収容するための外装材の少なくとも内面を樹脂から形成することによって、外装材が電解液により腐食されるのを回避することができるため、電池の形状をコイン型電池に比べて高容量な円筒構造にすることができる。また、樹脂成分を含む外装材は、金属製外装材に比べて軽く、かつ厚さを薄くすることができるため、薄くて軽量な一次電池の製造が可能になる。特に、樹脂成分を含む外装材には、少なくとも一方の最外層が樹脂層である厚さが0.5mm以下のラミネートフィルムを使用することが好ましい。このラミネートフィルムの樹脂層は、外装材の内面となる。
【0121】
また、本発明に係る別なアルミニウム電池は、正極と、
アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される1種類以上の活物質を含む負極と、
硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の第1のイオンと、ハロゲンイオンと、アルミニウムイオンとを含む電解液とを具備する。
【0122】
このようなアルミニウム電池によれば、電解液中に第1のイオンとハロゲンイオンの双方が存在しているため、前述した(1)〜(3)の効果を得ることができる。さらに、このアルミニウム電池では、電池組立て前から電解液中にアルミニウムイオンが存在しているため、共通イオン効果を生じさせることができ、前述した(1)〜(3)の効果のうち特に(1)の自己放電を抑制する効果を高めることができる。その結果、電圧及び容量が更に向上され、かつ軽量なアルミニウム電池を実現することができる。
【0123】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記電解液中の前記第1のイオンの濃度を0.05〜10M/Lの範囲内にし、前記ハロゲンイオンの濃度を0.01〜6M/Lの範囲内し、かつ前記アルミニウムイオンの濃度を0.01〜2M/Lの範囲内にすることによって、自己放電の抑制と負極放電の促進のバランスを適正化することができるため、容量及び電圧をより向上することができる。
【0124】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記電解液のpHを−2〜3の範囲内にすることによって、電気伝導度を高くすることができ、併せて自己放電の抑制と負極放電の促進のバランスを最適化することができるため、容量及び電圧をより一層向上することができる。
【0125】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記電解液中にアンモニウムイオンを更に含有させることによって、容量及び電圧をより向上することができる。
【0126】
本発明に係るアルミニウム電池の正極には、正極合剤と、前記正極合剤の少なくとも一部と接する正極集電体とを有するものを使用することが可能である。この正極集電体が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、鉛(Pb)及び窒化チタンよりなる群から選ばれる1種類以上の導電性成分を含有するか、または炭素質物を含有することによって、正極集電体が電解液により腐食されるのを抑制することができるため、正極の利用率を向上することができ、容量及び電圧をより向上することができる。
【0127】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記負極のアルミニウム金属の純度を99.5%以上にすることによって、負極の腐食、つまり自己放電をさらに抑制することができるため、容量及び電圧をより向上することができる。
【0128】
本発明に係るアルミニウム電池において、前記負極のアルミニウム合金を、Mn,Cr,Sn,Ca,Mg,Pb,Si,In及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素とAlとを含有するものにすることによって、負極の腐食、つまり自己放電をさらに抑制することができるため、容量及び電圧をより向上することができる。
【0129】
本発明に係るアルミニウム電池において、アルミニウム金属及びアルミニウム合金が、Fe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素をそれぞれ含有する際、前記アルミニウム金属中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるように設定し、かつ前記アルミニウム合金中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるように設定することが好ましい。このような構成にすることによって、負極の腐食をさらに抑えることができるため、自己放電の進行を小さくして電池の容量をより向上することが可能になる。
【0130】
本発明に係るアルミニウム電池において、正極、負極及び電解液を収容するための外装材の少なくとも内面を樹脂から形成することによって、外装材が電解液により腐食されるのを回避することができるため、電池の形状をコイン型電池に比べて高容量な円筒構造にすることができる。また、樹脂成分を含む外装材は、金属製外装材に比べて軽く、かつ厚さを薄くすることができるため、薄くて軽量な一次電池の製造が可能になる。
【0131】
【実施例】
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
【0132】
参考例1)
<正極の作製>
正極活物質として電解二酸化マンガン(MnO2)を用い、これに導電剤としてアセチレンブラックを10重量%と、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレンを3重量%とを添加して混合した後、加圧成形により正極ペレットを作製した。
【0133】
正極集電体として厚さが100μmの炭素繊維からなる炭素フィルムを使用した。
【0134】
<電解液の調製>
塩化アルミニウム(AlCl3)と硫酸アンモニウム{(NH42SO4}を2M/Lの硫酸水溶液にそれぞれの濃度が0.25M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表1に示す。
【0135】
<電池組み立て>
有底円筒形状で、板厚が0.3mmのアルミニウム製容器を用意した。この容器に含まれる構成成分をICP発光分析法により分析したところ、アルミニウムの純度は99.99%で、アルミニウム中のFe含有量が30ppmで、Ni含有量が5ppmで、Cu含有量が10ppmであった。
【0136】
このような容器内に、セパレータとして厚さが30μmのガラス繊維製シートを収納し、このセパレータ上に正極ペレットを配置し、さらに正極ペレット上に正極集電体を配置した。次いで、容器内に電解液を注入後、この容器に有底円筒形の金属製正極封口板を絶縁ガスケットを介してかしめ固定することにより、前述した図1に示す構造を有し、直径が20mmで、厚さが1.6mmのコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0137】
参考例2)
塩化アルミニウムと硫酸アンモニウムを2M/Lの硫酸水溶液にそれぞれの濃度が0.05M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表1に示す。
【0138】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0139】
参考例3)
塩化アルミニウムが2M/L及び硫酸アンモニウムが0.5M/L溶解された水溶液を調製することにより電解液を得た。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表1に示す。
【0140】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0141】
参考例4)
硫酸アルミニウムと硫酸アンモニウムを1M/Lの塩酸水溶液にそれぞれの濃度が1M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表1に示す。
【0142】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0143】
参考例5)
塩化アルミニウムと塩化アンモニウムを2M/Lの硫酸水溶液にそれぞれの濃度が0.5M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表1に示す。
【0144】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0145】
参考例6)
負極容器の材料を、以下に説明する組成を有するアルミニウム合金に変更すること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0146】
負極容器の構成成分をICP発光分析法により分析したところ、アルミニウム合金は、Al,Mg,Cr,Fe,Ni及びCuを含有し、合金中のMg含有量が3.5%で、Cr含有量が0.25%で、Fe含有量が100ppmで、Ni含有量が5ppmで、Cu含有量が10ppmであった。
【0147】
参考例7〜13)
電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表1に示すように変更すること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0148】
参考例14)
6M/Lの硫酸水溶液に塩化アルミニウムをその濃度が0.2M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表1に示す。
【0149】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0150】
参考例15)
塩化カリウム(KCl)と硫酸アンモニウムを3M/Lの硫酸水溶液にそれぞれの濃度が0.1M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン、アンモニウムイオン(NH4 +)及びアルカリ金属イオン濃度を下記表1に示す。
【0151】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0152】
参考例16)
塩化リチウム(LiCl)と硫酸アンモニウムを3M/Lの硫酸水溶液にそれぞれの濃度が0.1M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン、アンモニウムイオン(NH4 +)及びアルカリ金属イオン濃度を下記表2に示す。
【0153】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0154】
参考例17)
臭化アルミニウム(AlBr3)と硫酸アンモニウムを2M/Lの硫酸水溶液にそれぞれの濃度が0.25M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の臭素イオン(Br-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)濃度を下記表2に示す。
【0155】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0156】
参考例18)
ヨウ化アルミニウム(AlI3)と硫酸アンモニウムを2M/Lの硫酸水溶液にそれぞれの濃度が0.25M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の沃素イオン(I-)、硫酸イオン(SO4 2-)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)濃度を下記表2に示す。
【0157】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0158】
参考例19)
正極集電体として純度が99.9%のタングステン箔を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0159】
参考例I)
0.05M/Lの硫酸水溶液に塩化アルミニウムをその濃度が3M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)及びアルミニウムイオンの濃度を下記表2に示す。
【0160】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0161】
参考例II)
0.1M/Lの硫酸水溶液に塩化アルミニウムをその濃度が2M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO4 2-)及びアルミニウムイオンの濃度を下記表2に示す。
【0162】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0163】
参考例III)
負極容器を構成する材料として、純度が99.9999%で、Fe含有量が5ppmで、Ni含有量が1ppmで、かつCu含有量が5ppmであるアルミニウムを用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。なお、アルミニウムの構成成分は、ICP発光分析法により分析した。
【0164】
(比較例1)
電解液として2M/Lの硫酸水溶液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0165】
(比較例2)
電解液として0.3M/Lの塩化アルミニウム水溶液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0166】
(比較例3)
電解液として1M/Lの塩化カリウム水溶液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0167】
(比較例4)
電解液として2M/Lの硫酸アンモニウム水溶液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0168】
(比較例5)
負極に亜鉛、電解液に1M/Lの塩化亜鉛水溶液が用いられた亜鉛マンガン電池を用意した。
【0169】
得られた参考例1〜19、I〜III及び比較例1〜5の電池について、10mAで0.8Vまで放電試験を行い、起電力並びに容量を測定し、その結果を下記表3〜4に示す。また、参考例1〜19、I〜III及び比較例1〜5の電池の重量を下記表3〜4に併記する。なお、表1〜2には、参考例1〜19、I〜III及び比較例1〜5の電解液のpHを併記する。
【0170】
【表1】
Figure 0004060540
【0171】
【表2】
Figure 0004060540
【0172】
【表3】
Figure 0004060540
【0173】
【表4】
Figure 0004060540
【0174】
表1〜4から明らかなように、ハロゲンイオン及び硫酸イオンを含む電解液を備えた参考例1〜19及びI〜IIIの電池は、電圧及び容量を向上することができ、かつ軽量化を図れることがわかる。
【0175】
これに対し、電解液として硫酸水溶液を備えた比較例1の電池と、電解液として塩化アルミニウム水溶液を備えた比較例2の電池は、参考例1〜19及びI〜IIIの電池に比べて容量が低いことがわかる。また、電解液として塩化カリウム水溶液を備えた比較例3の電池と、電解液として硫酸アンモニウム水溶液を備えた比較例4の電池は、参考例1〜19及びI〜IIIの電池に比べて電圧及び容量が低いことがわかる。一方、比較例5の亜鉛マンガン電池は、参考例1〜19及びI〜IIIの電池に比べて電圧及び容量が低いばかりか、参考例1〜19及びI〜IIIの電池に比べて重いことがわかる。
【0176】
また、前記放電試験後、参考例15〜16の電池を分解し、電解液の成分を測定したところ、電解液中にアルミニウムイオンが存在していた。各電解液中のアルミニウムイオンの濃度は0.01M/L未満であった。
【0177】
参考例20)
塩化アルミニウム(AlCl3)と硝酸アンモニウム{NH4NO3}を2M/Lの硝酸水溶液にそれぞれの濃度が0.25M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硝酸イオン(NO3 -)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表5に示す。
【0178】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0179】
参考例21〜24,26〜32)
電解液中の塩素イオン(Cl-)、硝酸イオン(NO3 -)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表5〜6に示すように変更すること以外は、前述した参考例20と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0180】
参考例25)
負極容器の材料を、以下に説明する組成を有するアルミニウム合金に変更すること以外は、前述した参考例20と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0181】
負極容器の構成成分をICP発光分析法により分析したところ、アルミニウム合金は、Al,Mn、Mg,Fe,Ni及びCuを含有し、合金中のMn含有量が1.2%で、Mg含有量が1.0%で、Fe含有量が50ppmで、Ni含有量が10ppmで、Cu含有量が5ppmであった。
【0182】
参考例33)
2M/Lの硝酸水溶液に塩化アルミニウムをその濃度が0.25M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硝酸イオン(NO3 -)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)の濃度を下記表6に示す。
【0183】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0184】
参考例34)
塩化カリウムと硝酸アンモニウムを6M/Lの硝酸水溶液にそれぞれの濃度が0.1M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硝酸イオン(NO3 -)、アルミニウムイオン、アンモニウムイオン(NH4 +)及びアルカリ金属イオン濃度を下記表6に示す。
【0185】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0186】
参考例35)
塩化リチウムと硝酸アンモニウムを6M/Lの硝酸水溶液にそれぞれの濃度が0.1M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硝酸イオン(NO3 -)、アルミニウムイオン、アンモニウムイオン(NH4 +)及びアルカリ金属イオン濃度を下記表6に示す。
【0187】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0188】
参考例36)
臭化アルミニウムと硝酸アンモニウムを2M/Lの硝酸水溶液にそれぞれの濃度が0.25M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の臭素イオン(Br-)、硝酸イオン(NO3 -)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)濃度を下記表6に示す。
【0189】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0190】
参考例37)
ヨウ化アルミニウムと硝酸アンモニウムを2M/Lの硝酸水溶液にそれぞれの濃度が0.25M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の沃素イオン(I-)、硝酸イオン(NO3 -)、アルミニウムイオン及びアンモニウムイオン(NH4 +)濃度を下記表6に示す。
【0191】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0192】
参考例38)
正極集電体として純度が99.9%のモリブデン箔を用いること以外は、前述した参考例20と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0193】
参考例IV)
0.05M/Lの硝酸水溶液に塩化アルミニウムをその濃度が3M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硝酸イオン(NO3 -)及びアルミニウムイオンの濃度を下記表6に示す。
【0194】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0195】
参考例V)
0.1M/Lの硝酸水溶液に塩化アルミニウムをその濃度が2M/Lになるように溶解させ、電解液を調製した。得られた電解液中の塩素イオン(Cl-)、硝酸イオン(NO3 -)及びアルミニウムイオンの濃度を下記表6に示す。
【0196】
このような電解液を用いること以外は、前述した参考例1と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。
【0197】
参考例VI)
負極容器を構成する材料として、純度が99.8%で、Fe含有量が480ppmで、Ni含有量が450ppmで、かつCu含有量が490ppmであるアルミニウムを用いること以外は、前述した参考例20と同様にしてコイン型アルミニウム電池を組み立てた。なお、アルミニウムの構成成分は、ICP発光分析法により分析した。
【0198】
得られた参考例20〜38及びIV〜VIの電池について、10mAで0.8Vまで放電試験を行い、起電力並びに容量を測定し、その結果を下記表7〜表8に示す。また、参考例20〜38及びIV〜VIの電池の重量と、比較例1〜5の結果を下記表7〜表8に併記する。なお、表5〜表6には、参考例20〜38、参考例IV〜VI及び比較例1〜5の電解液のpHを併記する。
【0199】
【表5】
Figure 0004060540
【0200】
【表6】
Figure 0004060540
【0201】
【表7】
Figure 0004060540
【0202】
【表8】
Figure 0004060540
【0203】
表5〜表8から明らかなように、ハロゲンイオン及び硝酸イオンを含む電解液を備えた参考例20〜38及びIV〜VIの電池は、電圧及び容量を向上することができ、かつ軽量化を図れることがわかる。
【0204】
また、前記放電試験後、参考例34〜35の電池を分解し、電解液の成分を測定したところ、電解液中にアルミニウムイオンが存在していた。各電解液中のアルミニウムイオンの濃度は0.01M/L未満であった。
【0205】
(実施例39)
<正極の作製>
正極活物質として電解二酸化マンガン(MnO2)を用い、これに導電剤としてアセチレンブラックを10重量%と、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレンを3重量%とを添加して混合した後、円筒状に加圧成形することにより正極合剤を作製した。
【0206】
正極集電体として厚さが100μmの炭素繊維からなる炭素フィルムを使用した。
【0207】
<負極の作製>
負極活物質としてアルミニウム粉末を用意した。このアルミニウム粉末をICP発光分析法により分析したところ、アルミニウムの純度は99.99%で、アルミニウム中のFe含有量が20ppmで、Ni含有量が5ppmで、Cu含有量が10ppmであった。
【0208】
このようなアルミニウム粉末を95重量%と、増粘剤として無水ケイ酸を5重量%とを混合した後、電解液を加えて負極ゲルを調製した。
【0209】
また、負極集電体として、ステンレス製の金属棒を用意した。
【0210】
<電池組み立て>
有底円筒形の正極集電体内に円筒状の正極合剤と、厚さが30μmのガラス繊維製セパレータを配置し、このセパレータ内に負極ゲルを充填した後、正極合剤、セパレータ及び負極ゲルに前述した参考例1で説明したのと同様な電解液を注入した。次いで、この負極ゲルに負極集電体を挿入した後、負極端子板、正極端子及びポリプロピレン製の外装材を用いて封口処理を行うことにより、前述した図2に示す構造を有し、径が14mmで、総高さが50mmの円筒型アルミニウム電池を組み立てた。
【0211】
(実施例40)
電解液として前述した参考例20で説明したのと同様な種類のものを用いること以外は、前述した実施例39と同様にして円筒型アルミニウム電池を組み立てた。
【0212】
(実施例41)
外装材の材料をアクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂に変更すること以外は、前述した実施例39と同様にして円筒型アルミニウム電池を組み立てた。
【0213】
(実施例42)
外装材の材料をエチレン−プロピレン−コポリマーに変更すること以外は、前述した実施例39と同様にして円筒型アルミニウム電池を組み立てた。
【0214】
(実施例VII)
負極活物質として以下に説明する組成のアルミニウム合金粉末を用いること以外は、前述した実施例39と同様にして円筒型アルミニウム電池を組み立てた。
【0215】
ICP発光分析法による分析結果から、アルミニウム合金は、Al、Cr、Zn、Fe、Ni及びCuを含有し、合金中のCr含有量が0.3%で、Zn含有量が0.2%で、Fe含有量が5ppmで、Ni含有量が1ppmで、Cu含有量が5ppmであった。
【0216】
(比較例6)
電解液として前述した比較例1で説明したのと同様な種類のものを用いること以外は、前述した実施例39と同様にして円筒型アルミニウム電池を組み立てた。
【0217】
(比較例7)
電解液として前述した比較例2で説明したのと同様な種類のものを用いること以外は、前述した実施例39と同様にして円筒型アルミニウム電池を組み立てた。
【0218】
(比較例8)
電解液として前述した比較例3で説明したのと同様な種類のものを用いること以外は、前述した実施例39と同様にして円筒型アルミニウム電池を組み立てた。
【0219】
(比較例9)
電解液として前述した比較例4で説明したのと同様な種類のものを用いること以外は、前述した実施例39と同様にして円筒型アルミニウム電池を組み立てた。
【0220】
(比較例10)
負極に亜鉛、電解液に1M/Lの塩化亜鉛水溶液が用いられた亜鉛マンガン電池を用意した。
【0221】
得られた実施例39〜42及び比較例6〜10の電池について、100mAで0.8Vまで放電試験を行い、起電力並びに容量を測定し、その結果を下記表9に示す。
【0222】
【表9】
Figure 0004060540
【0223】
表9から明らかなように、ハロゲンイオン及び硫酸イオンを含む電解液を備えた実施例39〜42、VIIの電池は、比較例8〜10の電池に比べて電圧が高く、また比較例6〜10の電池に比べて容量を向上できることがわかる。
【0224】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るアルミニウム電池によれば、電圧及び容量を向上することができると共に、軽量化を図ることができる等の顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミニウム電池の一例であるコイン型アルミニウム電池を示す断面図。
【図2】本発明に係るアルミニウム電池の一例である円筒型アルミニウム電池を示す部分断面図。
【符号の説明】
1…負極容器、
2…セパレータ、
3…正極合剤、
4…正極集電体、
5…正極封口板、
6…絶縁ガスケット。

Claims (18)

  1. ポリオレフィン樹脂、アクリルニトリル・スチレン(AS)樹脂、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂およびエチレン−プロピレン−コポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂から形成された外装材と、
    前記外装材内に収納された円筒状の正極合剤と、
    前記外装材と前記正極合剤の間に配置され、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及び炭素質物よりなる群から選ばれる1種類以上の導電性成分からなる正極集電体と、
    前記正極合剤の中空内に収納され、アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される1種類以上の活物質を含む負極と、
    前記負極と前記正極合剤との間に配置されたセパレータと、
    前記外装材内に収容され、硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンおよびハロゲンイオンを含電解液と
    を具備することを特徴とするアルミニウム電池。
  2. 前記電解液中の前記ハロゲンイオンの濃度は0.01〜6M/Lの範囲内で、前記硫酸イオン及び硝酸イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンの濃度は0.05〜10M/Lの範囲内であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム電池。
  3. 前記電解液中の前記ハロゲンイオンの濃度は0.01〜6M/Lの範囲内で、前記硫酸イオン及び硝酸イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンの濃度は0.2〜10M/Lの範囲内であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム電池。
  4. 前記電解液には、アンモニウムイオンがさらに含有されることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  5. 前記アルミニウム金属の純度は、99.5%以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  6. 前記アルミニウム合金は、Mn,Cr,Sn,Ca,Mg,Pb,Si,In及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素と、Alとを含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  7. 前記アルミニウム金属及び前記アルミニウム合金は、Fe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素をそれぞれ含有し、前記アルミニウム金属中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるように設定し、かつ前記アルミニウム合金中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるように設定することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  8. 前記アルミニウム金属及び前記アルミニウム合金は、Fe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素をそれぞれ含有し、前記アルミニウム金属中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜100ppmとなるように設定し、かつ前記アルミニウム合金中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜100ppmとなるように設定することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  9. 前記電解液のpHは、−2〜3の範囲内であることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  10. ポリオレフィン樹脂、アクリルニトリル・スチレン(AS)樹脂、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂およびエチレン−プロピレン−コポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂から形成された外装材と、
    前記外装材内に収納された円筒状の正極合剤と、
    前記外装材と前記正極合剤の間に配置され、タングステン(W)、モリブデン(Mo)及び炭素質物よりなる群から選ばれる1種類以上の導電性成分からなる正極集電体と、
    前記正極合剤の中空内に収納され、アルミニウム金属及びアルミニウム合金よりなる群から選択される1種類以上の活物質を含む負極と、
    前記負極と前記正極合剤との間に配置されたセパレータと、
    前記外装材内に収容され、硫酸イオン(SO4 2-)及び硝酸イオン(NO3 -)よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンハロゲンイオン及びアルミニウムイオンを含む電解液と
    を具備することを特徴とするアルミニウム電池。
  11. 前記電解液中の前記ハロゲンイオンの濃度は0.01〜6M/Lの範囲内で、前記硫酸イオン及び硝酸イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンの濃度は0.05〜10M/Lの範囲内で、前記アルミニウムイオンの濃度は0.01〜2M/Lの範囲内であることを特徴とする請求項10記載のアルミニウム電池。
  12. 前記電解液中の前記ハロゲンイオンの濃度は0.01〜6M/Lの範囲内で、前記硫酸イオン及び硝酸イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンの濃度は0.2〜10M/Lの範囲内で、前記アルミニウムイオンの濃度は0.01〜2M/Lの範囲内であることを特徴する請求項10または11記載のアルミニウム電池。
  13. 前記電解液には、アンモニウムイオンがさらに含有されることを特徴とする請求項10〜12いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  14. 前記アルミニウム金属の純度は、99.5%以上であることを特徴とする請求項10〜13いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  15. 前記アルミニウム合金は、Mn,Cr,Sn,Ca,Mg,Pb,Si,In及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素と、Alとを含有することを特徴とする請求項10〜14いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  16. 前記アルミニウム金属及び前記アルミニウム合金は、Fe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素をそれぞれ含有し、前記アルミニウム金属中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるように設定し、かつ前記アルミニウム合金中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜500ppmとなるように設定することを特徴とする請求項1〜15いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  17. 前記アルミニウム金属及び前記アルミニウム合金は、Fe,Ni及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種類の遷移金属元素をそれぞれ含有し、前記アルミニウム金属中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜100ppmとなるように設定し、かつ前記アルミニウム合金中の前記少なくとも1種類の遷移金属元素の含有量を遷移金属元素1種類毎の含有量が0〜100ppmとなるように設定することを特徴とする請求項1〜1いずれか1項記載のアルミニウム電池。
  18. 前記電解液のpHは、−2〜3の範囲内であることを特徴とする請求項1〜17いずれか1項記載のアルミニウム電池。
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