JP4060303B2 - 赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子の製造方法 - Google Patents

赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、Znと3価および/または4価をとり得る金属元素(Md)とを金属成分とし、X線回折学的に酸化亜鉛結晶性を示す赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子の製造方法に関する。
近年、農業用フィルムや光電変換素子など各種分野において、赤外線による温度上昇の抑制等のために赤外線を遮蔽できる材料が求められている。
従来知られている多くの赤外線遮蔽材料のうちで、特開平8−253317号公報で提案されている、酸化亜鉛系の微粒子に少量のIII B族金属またはIVB族金属元素をドーピングしたものは、酸化亜鉛微粒子本来の紫外線遮蔽性、可視光透過性と、ドーピングによる効果として赤外線遮蔽性と導電性を示すため、これらの特性を生かした種々の用途への応用が期待されている。
酸化亜鉛系粒子において、赤外線非透過性を向上させるにはIII B族、IVB族金属元素を増やせばよいと一般的には考えられる。しかしながら、特開平8−253317号公報に記載の製法においてIII B族、IVB族金属元素の量を増やしていくと、ある量までは赤外線非透過性は向上するが、量を増やしていくと、得られる粒子の単分散性が低下してしまい、膜としたときの膜の均質性がミクロなレベルであるが低下し、膜の耐久性が低下する傾向がある。これは、本発明者らの知見によると添加した金属元素(III B族、IVB族)の一部が酸化亜鉛系粒子に含有されず、得られる酸化亜鉛系粒子の凝集剤として作用するためである。さらに、ある量を超えると逆に膜としたときの赤外線遮蔽性や透明性が低下してしまう。これは、本発明者らの知見によると、III B族元素やIVB族元素の量をある程度以上に増やすと不純物として析出しやすいためと考えられる。
したがって、本発明の課題は、酸化亜鉛系粒子の単分散性と赤外線遮蔽性及び導電性を同時に向上させることにある。
上記課題を解決するため、本発明は、以下に示す赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子の製造方法を提供する。
(1) Zn化合物と、3価および/または4価をとり得る金属元素(Md)の化合物とを、金属元素Mdの含有量が、Znと金属元素Mdとを合計した金属成分の総原子数に対するMdの原子数の比で表して0.1〜20%になる割合で含有する溶液(S)を加熱することにより、ZnおよびMdを金属成分としX線回折学的に酸化亜鉛結晶性を示す酸化亜鉛系粒子を析出させる赤外線非透過性酸化亜鉛系微粒子の製造方法において、
溶液(S)中に、1価または2価の金属元素Maの化合物を、溶液(S)に含まれるMd化合物のMdに対するMa化合物のMaの原子比(Ma/Md)で、
0.00001≦Ma/Md<1
の範囲で含有し、
さらに、溶液(S)が、Znに対するモル比で1.90倍以上8倍以下のモノカルボン酸化合物と、Zn化合物の酸化亜鉛換算重量に対して1〜30倍量のアルコールとを含有する
ことを特徴とする赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子の製造方法。
(2) 前記(1)に記載の方法で、前記金属成分を供給するZn化合物、Md化合物、Ma化合物の少なくともいずれか一種が、前記モノカルボン酸化合物となるモノカルボン酸塩である赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子の製造方法。
本発明によると、酸化亜鉛系粒子の単分散性と赤外線遮蔽性、導電性が同時に向上し、該粒子を含有する組成物は、透明性および赤外線非透過性に優れたものとなる。
本発明で得られる酸化亜鉛系粒子は、酸化亜鉛系粒子本来の紫外線遮蔽性、可視光透過性に加えて、赤外線非透過性、導電性等を示す。
酸化亜鉛系粒子は、Znと3価および/または4価をとり得る金属元素(Md)を金属成分とする。Mdの含有量は、該金属成分の総原子数に対するMdの原子数の比で表して0.1〜20%であることが好ましく、より好ましくは1〜10%、さらに好ましくは3〜8%である。前記範囲を上回ると組成、結晶サイズ等の均一性に富む微粒子となりにくく、前記範囲を下回ると熱線をはじめとする赤外線遮蔽性が不十分となる。
添加元素であるMdとしては、B,Al,Ga,In,Tl,C,Si,Ge,Sn,Pb等のIII B族元素およびIVB族元素の他、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Rv、Os、Rh、Ir、La、Ce、Sb等が挙げられ、これらの中でガリウム、タリウム、インジウム、アルミニウムが最も好ましい。
酸化亜鉛系粒子は、X線回折学的に酸化亜鉛結晶性を示すことが必要である。
酸化亜鉛系粒子の一次粒子の粒径としては、可視光波長域の光に対する透過性、赤外線遮断性に優れる点で、Wilson法を用いて求めた結晶子径Dwが1〜50nm(0.001〜0.05μm)であることが好ましい。塗料中に含有される場合には、特にこれらの1次粒子が2次凝集せずに分散していることが好ましい。
酸化亜鉛系粒子の分散粒径Ddは、透明感が高く、組成物に添加したときに得られる組成物の色相に実質的に影響を与えない点、赤外線の遮断効率の点から1μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。特に0.05μm以下が好ましい。透明性と赤外線遮断性の点から単分散性が高いことが好ましい。単分散性は、結晶子径DwとDdとの比R(Dd/Dw)で定義され、Rが4以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、さらに2以下、特に1.5以下が好ましい。
分散粒径は、動的光散乱法、遠心沈降法などにより測定することができる重量基準の平均粒子径である。0.1μm未満の場合には、前者の値を、0.1μm以上の場合は、後者の測定装置で測定される。
酸化亜鉛系粒子が、ポリマーがマトリックスを構成し、このマトリックス中に粒子が分散している形態のもの(ポリマー複合体粒子)も含まれる。該粒子が中空状であると光拡散透過性に優れるものとなる。該粒子における酸化亜鉛系粒子の含有量は特に限定されないが、酸化亜鉛換算で複合体粒子全量に対し1〜90重量%の範囲であることが望ましい。
複合化に用いられるポリマーとしては、アクリル樹脂系ポリマー、アルキド樹脂系ポリマー、アミノ樹脂系ポリマー、ビニル樹脂系ポリマー、エポキシ樹脂系ポリマー、ポリアミド樹脂系ポリマー、ポリイミド樹脂系ポリマー、ポリウレタン樹脂系ポリマー、ポリエステル樹脂系ポリマー、フェノール樹脂系ポリマー、オルガノポリシロキサン系ポリマー、アクリルシリコーン樹脂系ポリマー、ポリアルキレングリコール等の他、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン系ポリマー、フッ素樹脂系などの熱可塑性または熱硬化性樹脂;エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどの合成ゴムや天然ゴム;ポリシロキサン基含有ポリマーなどが挙げられる。
複合体粒子の形状としては、球状又は楕円球状であることが好ましい。粒子の外形状とは無関係に、表面が凹凸性に富むことが好ましい。表面に凹凸があると、複合体粒子が含有された塗膜や樹脂組成物等において塗膜のバインダー成分や樹脂組成物のマトリックス成分との親和性が高くなるためである。複合体粒子の平均粒子径としては、特に限定されないが、通常、0.001〜10μmの範囲である。
酸化亜鉛系粒子は、塗料用樹脂との相溶性、塗料中、溶媒中での分散性、分散安定性、酸化亜鉛との光触媒活性低減による耐候性付与などの目的で、表面修飾剤で処理されてなるものが好ましい。
好ましい表面修飾剤としては、前記したポリマーも使用できるが、耐候性付与の目的からは、M−X基を含有する化合物が挙げられる。ただし、Xはアルコキシ基、アシロキシ基、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、β−ジカルボニル基(配位子)、β−ケトエステル基(配位子)からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Mは金属元素、中でもSi、Ti、Zr、Alからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。分散性(塗料や溶媒への分散性、塗料の安定性等)の付与の観点からは、有機高分子鎖を有するポリマーが挙げられる。耐候性および分散性の両面で好ましいものは、M−X基を含有し、且つ有機高分子鎖を有するポリマーであり、例えばポリシロキサン基含有ポリマーやアクリルシリコーン等が挙げられる。
酸化亜鉛系粒子は、1価または2価の金属元素MaをMdに対するMaの原子比で、0.00001≦Ma/Md<1の範囲で含む。0.0001≦Ma/Md≦0.4の範囲であることがより好ましい。また亜鉛に対する原子比で、0.0001〜2%の範囲であることが好ましい。Maの存在効果は、ZnO結晶中にMaを均質に(よりモノメリックな状態で)含有せしめ、しかも結晶表面を安定化し、2次凝集や結晶成長を抑制する点にある。したがって、単分散性の高い微細な結晶となる。したがって、Md量を多くして赤外線遮蔽性を向上させることも可能となる。特開平8−253317号公報では、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の存在は好ましくないと記載されているが(第5頁第7欄第40〜47行)、本発明では上記範囲で積極的に含むことで上記のような効果を奏することを見出したものである。Ma量が少なすぎると効果が発現せず、Ma量が多すぎると、該粒子を含有する塗膜の耐候性が低下する場合がある。1価または2価の金属元素Maとは、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素であり、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。中でも、粒子の赤外遮蔽性が高い点でアルカリ金属が好ましい。
酸化亜鉛系粒子は、Fを除くハロゲン元素(すなわち、塩素Cl、臭素Br、ヨウ素I)のイオンおよび/または原子、硫酸根SO 2−および硝酸根NO (不純物H)の合計含有量が、亜鉛に対する原子数(ただし、硫酸根の場合はSの原子数、硝酸根の場合はNの原子数として計算する)比で0.5%以下であることが好ましい。より好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.01%以下、特に好ましくは0.001%以下である。これには、不純物Hを全く含まない場合も含む。不純物Hを含有しないか、含有する場合にでもこの範囲を越えない場合にのみ、赤外線非透過性に優れた粒子となり得る。
また、酸化亜鉛系粒子は、結晶性酸化亜鉛に特有の回折ピークである、格子面(100)、(002)、(101)に回折ピークを示すことが好ましく、以下の結晶子パラメータを満たすことが好ましい。
Scherrer法(Cauchy関数近似)を用いて求めた、各回折面(hkl)に対して垂直方向の結晶子の大きさをDs(hkl)とするとき、Ds(002)/Ds(100)<1.2を満足することが好ましい。より好ましくは、0.5<Ds(002)/Ds(100)<1.0である。この範囲にある場合に、赤外線非透過性に優れるためである。
そして、Wilson法を用いて求めた、結晶子の大きさをDw、格子歪みをAwとするとき、1≦Dw≦100(nm)、かつ、0≦Aw≦1(%)を満足することが好ましい。より好ましくは5≦Dw≦30(nm)、かつ0≦Aw≦0.5(%)の範囲である。Dwが小さすぎると紫外線吸収性および赤外線非透過性が低下し、大きすぎると可視光に対する透明性が低下する。Dwは赤外線非透過性の点からは結晶子が大きい方が好ましく、可視光透過性の点からは小さい方が好ましい。Dwが5〜30nmの範囲が両性能のバランスがとれる点で好ましいのである。Dwが前記範囲にある場合に、透明性、赤外線遮断性、紫外線吸収性に優れたものとなる。Awが前記範囲にあるときには、Mdがよりモノメリックに含有されているためと考えられるが、赤外線遮断性能が最も高くなる。
酸化亜鉛系粒子の形状、粒子径等のモルフォルジーは特に限定されない。
形状の具体例としては、球状、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、(六角)板状等の薄片状などが例示されるが、結晶子形態が上述の範囲にあることが好ましい。
酸化亜鉛系粒子は、カルボン酸のカルボキシル残基を、ZnOに対する重量比で0.01〜5%含有することが好ましい。0.1〜3%含有することがより好ましい。カルボキシル基が粒子表面に存在することで、2次凝集が抑えられ、塗料としたときに透明性が高くなる。一方、カルボキシル基が多すぎると、赤外線遮断性能が低下する。カルボキシル基量が前記範囲にあるときに単分散性と赤外線遮断性能の両方に優れたものとなる。また、酸化亜鉛系粒子は炭酸基をZnOに対する重量比で好ましくは3%以下の範囲で含有していてもよい。

本発明にかかる酸化亜鉛系粒子の製造方法について説明する。
酸化亜鉛系粒子の製造方法としては、例えば、Zn化合物とMdの化合物とMaの化合物を含有する溶液(S)を加熱することにより酸化亜鉛系粒子を析出させる方法が挙げられる。
本発明において用いられるZn化合物としては、金属亜鉛(亜鉛末)、酸化亜鉛(亜鉛華等)、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、置換基があってもよいモノ−またはジ−カルボン酸塩(たとえば、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛 乳酸亜鉛、酒石酸亜鉛およびナフテン酸亜鉛)、亜鉛の(アルキル)アルコキシド類、β−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ケトエステル、ケトアルコール、アミノアルコール、グリコール、キノリン等の亜鉛のキレート化合物等の有機亜鉛化合物からなる群のうちから選ばれた少なくとも1つが好ましい。これらのZn化合物を用いるときは脱塩工程が不要となり、脱塩工程が必要な塩化亜鉛、硝酸亜鉛または硫酸亜鉛を使用するときに比べて工程が少なくなる。これらのZn化合物を用いると、不純物Hの含有量が少ない又はない、赤外線遮断性に優れる粒子が得られる。中でも、金属亜鉛(亜鉛末)、酸化亜鉛(亜鉛華)、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛および酢酸亜鉛は、安価で取扱いが容易な点で好ましい。酸化亜鉛、水酸化亜鉛および酢酸亜鉛は、加熱過程に於ける酸化亜鉛の結晶の生成反応を阻害するような不純物を実質的に含まず、しかも、結晶と粒子との大きさと形状を制御しやすいので、さらに好ましい。特に気相法(フランス法、アメリカ法)で作られる酸化亜鉛が好ましい。気相法の酸化亜鉛は安価に入手できるばかりかモノカルボン酸の種類を任意に選択できることに加えて、これらの原料を用いることにより形状または粒子径等の制御された微粒子が特に得られ易く、不純物Hを含んでいるとしても極めて少ないので、特に好ましい。
本発明において用いられる金属(Md)化合物としては、たとえば、金属Mdの、金属単体、合金などの金属;酸化物;水酸化物;炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、フッ化物等のハロゲン化物等の無機塩類;酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ラウリン酸塩等のカルボン酸塩;金属アルコキシド類;β−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ケトエステル、ケトアルコール、アミノアルコール、グリコール、キノリン等との金属キレート化合物、などの金属(Md)を含有する全ての化合物が挙げられる。金属MdがIn,Tl等のように複数の原子価をとり得る金属元素の場合、粒子生成過程で最終的に3価または4価に変化し得る低原子価の金属を含有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物(この化合物は、金属単体や合金などの金属をも含む概念である)が使用される。これらの中で、金属Mdの金属、酸化物、水酸化物、炭酸塩(酸性、塩基性炭酸塩を含む)、酢酸塩、アルコキシド化合物、β−ジケトン化合物のような不純物Hを含まない有機金属錯体が不純物Hが少ない、あるいはない点で好ましい。
本発明において用いられる金属(Ma)化合物としては、たとえば、金属Maの、金属単体、合金などの金属;酸化物;水酸化物;炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、フッ化物等のハロゲン化物等の無機塩類;酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ラウリン酸塩等のカルボン酸塩;金属アルコキシド類;β−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ケトエステル、ケトアルコール、アミノアルコール、グリコール、キノリン等との金属キレート化合物、などの金属(Ma)を含有する全ての化合物が挙げられる。これらの中で、金属Maの金属、酸化物、水酸化物、炭酸塩(酸性、塩基性炭酸塩を含む)、酢酸塩、アルコキシド化合物、β−ジケトン化合物のような不純物Hを含まない有機金属錯体が不純物Hが少ない、あるいはない点で好ましい。
溶液(S)は、モノカルボン酸化合物およびアルコールを含むことが好ましい。
Zn化合物、Md化合物、Ma化合物の少なくともいずれか一種がモノカルボン酸塩である場合、後述のモノカルボン酸を別途加えなくても溶液(S)はモノカルボン酸を含むものとみなされる。
モノカルボン酸化合物とは、分子内にカルボキシル基を1個だけ有する化合物である。該化合物の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸(飽和モノカルボン酸);アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸(不飽和モノカルボン酸);シクロヘキサンカルボン酸等の環式飽和モノカルボン酸類;安息香酸、フェニル酢酸、トルイル酸等の芳香族モノカルボン酸;無水酢酸等の上記モノカルボン酸の無水物;トリフルオロ酢酸、モノクロル酢酸、o−クロロ安息香酸等のハロゲン含有モノカルボン酸;乳酸などである。これらのモノカルボン酸化合物は単独で使用してもよいし、2以上併用してもよい。
好ましいモノカルボン酸化合物は、1気圧で200℃以下の沸点を有する飽和脂肪酸である。具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸が単分散性に優れる粒子が得られやすい点で好ましい。該飽和脂肪酸は、モノカルボン酸化合物の総量に対して、60〜100モル%の範囲で使用することが好ましく、80〜100モル%の範囲で使用することがより好ましい。前記範囲を下回ると得られる粒子における酸化亜鉛の結晶性が低くなるおそれがある。
モノカルボン酸化合物は、Md化合物のMdに対してモル比で50〜200倍が好ましい。また、Znに対するモル比で1.90倍以上8倍以下が好ましい。単分散性に優れ、IRカット性能に優れる粒子が得られやすいためである。
本発明で用いられるアルコールとしては、脂肪族1価アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、ステアリルアルコール等)、脂肪族不飽和1価アルコール(アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパギルアルコール等)、脂環式1価アルコール(シクロペンタノール、シクロヘキサノール等)、芳香族1価アルコール(ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、メチルフェニルカルビノール等)、複素環式1価アルコール(フルフリルアルコール等)等の1価アルコール類;アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等)、芳香環を有する脂肪族グリコール類(ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、フタリルアルコール等)、脂環式グリコール類(シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等)、ポリオキシアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)等のグリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート等の上記グリコール類のモノエーテル及びモノエステル等の誘導体;ヒドロキノン、レゾルシン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール及びこれらのモノエーテル及びモノエステル;グリセリン等の3価アルコール及びこれらのモノエーテル、モノエステル、ジエーテル及びジエステルなどである。これらのアルコールは、単独で使用してもよいし、2以上併用してもよい。
アルコールは、仕込みのZn化合物の酸化亜鉛換算重量に対して1〜30倍量とすることが好ましく、15〜25倍量とすることがより好ましい。また、モノカルボン酸化合物に対するアルコールのモル比は1〜10倍とすることが好ましい。
溶液(S)中に、Maの化合物を、溶液(S)に含まれるMd化合物のMdに対するMa化合物のMaの原子比(Ma/Md)で1未満の範囲で含有させることにより、前述のようなMaを含む酸化亜鉛系粒子を容易に得ることができる。Maを共存させることで、金属Md量(亜鉛に対する添加比)にかかわらず、単分散性に優れる微粒子が得られる効果がある。さらに、製法上、Md化合物、Zn化合物を含有する溶液(S)を得るために必要な溶媒の量を少なくすることができ、したがって、経済的に優れた条件下で目的とする酸化亜鉛系粒子が得られる。
溶液(S)の好ましい調製法として、
[1] 予め、Ma化合物、Md化合物を溶媒中で均一溶解し、得られた溶液(Sa)と、亜鉛化合物または亜鉛化合物を含有する液(溶液でも懸濁液でもよい)を混合し、Ma、Md、亜鉛を含有する溶液(S)を得る方法
[2] 予め、Ma化合物、Md化合物、および亜鉛化合物の一部を溶媒中で均一溶解し、得られた溶液(Sb)と、残りの亜鉛化合物または亜鉛化合物を含有する液(溶液でも懸濁液でもよい)を混合し、Ma、Md、亜鉛を含有する溶液(S)を得る方法
が挙げられる。上記の溶液(Sa、Sb)を得るために、通常50℃以上で加熱することができ、リフラックスする温度で加熱することが好ましい。また、Sa、Sbで用いる好適な溶媒としては、前述したモノカルボン酸、該モノカルボン酸の無水物、水、前述したアルコールなどの1種または2種以上の混合物が挙げられる。
さらに、溶液(S)を、好ましくは150〜200℃に加熱し、酸化亜鉛系粒子を析出させることにより、結晶子サイズの揃った、かつ凝集のない粒子の分散液が得られやすい。得られた分散液をさらに、密閉容器中で、ガス部分の雰囲気が酸素濃度0.1%以下の非酸化性雰囲気下において、200℃以上400℃未満の温度で1分以上24時間以内の加熱処理を施すことにより、より結晶性の高い赤外線遮断性の高い粒子が得られる。加熱処理の温度を220〜300℃の範囲とすることにより、特に単分散性に優れた粒子を得ることができる。また、酸化性雰囲気下とすると赤外線遮断性能が低下する場合があるため、好ましくない。
溶液(S)中の不純物Hの合計含有量を、亜鉛に対する原子数(ただし、硫酸根の場合はSの原子数、硝酸根の場合はNの原子数として計算する)比で0.5%以下、より好ましくは0.1%以下、さらには0.01%以下、特に0.001%以下とすることにより、前述のような不純物Hの少ない酸化亜鉛系粒子を容易に得ることができる。もちろん溶液(S)中に不純物Hを全く含まない場合も含む。
溶液(S)が、炭酸塩を、溶液(S)に含まれるZn化合物のZnに対するCOのモル数比で0.001〜5%の範囲で含むことにより、光触媒活性の抑制された粒子を得ることもできる。
以上の製法により、0.5<Ds(002)/Ds(100)<1.0、5≦Dw≦30(nm)、0≦Aw≦0.5(%)を満足し、不純物Hの少ない粒子を得ることができる。
酸化亜鉛系粒子の用途について説明する。
酸化亜鉛系粒子は、得られた分散液から分散媒を除去することにより、粉末として用いることもできる。
酸化亜鉛系粒子は、樹脂の可塑剤または可塑剤含有溶液中に、分散してなる可塑剤分散体として使用することができる。可塑剤分散体とは、酸化亜鉛系粒子と可塑剤とを少なくとも含むものであり、必要に応じて樹脂や溶媒成分を含むことができる。該粒子と可塑剤とは合計量が可塑剤分散体に対して50〜100重量%であることが好ましく、可塑剤に対する粒子の割合が重量比で0.01〜5であることが好ましい。
可塑剤とは、従来公知の樹脂の可塑剤を全て含み、例えば、フタル酸エステル(フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸イソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等)、脂肪酸一塩基酸エステル(オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル等)、脂肪酸二塩基酸エステル(アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アルキル610等のアジピン酸エステル;セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等のセバシン酸エステル;アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル等のアゼライン酸エステルなど)、リン酸エステル(リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシルなど)、二価アルコールエステル(ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど)、オキシ酸エステル(アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど)、塩素化パラフィン(C2545Cl17など)、ポリエステル系可塑剤(ポリプロピレングリコールアジペート、1,3−ブチレングリコールアジペート等、平均分子量が1000〜15000で、アジピン酸、フタル酸、アゼライン酸、セバチン酸等の二塩基酸と、グリコール類、グリセリン類および一塩基酸等との共縮合ポリマーなど)、エポキシ系可塑剤(エポキシステアリン酸アルキル、エポキシトリグリセリドなど)、その他(ステアリン酸系可塑剤;塩素化ビフェニル、2−ニトロビフェニル、ジノニルナフタリン;o−トルエンスルホンエチルアミド、ショウ脳、アビエチン酸メチルなど)、などが例示され、いずれか1種または2種以上が使用される。
中でも、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤、脂肪酸二塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤からなる群から選ばれる少なくとも1つが、樹脂、特に塩化ビニル樹脂との相溶性が高く好ましい。
上述した可塑剤分散体は、可塑剤本来の目的である、高分子物質の加工性を改良したり、可撓性を付与したりする目的を兼ねて、酸化亜鉛系粒子を含有する樹脂組成物や成形体、あるいは塗料組成物や塗工品を製造する際の粒子原料として使用することができる。すなわち、酸化亜鉛系粒子を含有する塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、メタクリル酸樹脂、アセテートセルロース系、ニトロセルロース系、ポリスチレン系、酢酸ビニル樹脂系、ポリビニルブチラール系等の樹脂組成物、これらを加工してなるシート、フィルム等の成形体、あるいはこれらの樹脂成分をバインダー成分とした塗料組成物および該塗料組成物を成膜してなる塗工品を製造する際に、粒子および可塑剤原料の一部または全部として使用することができる。また、リン酸エステル系可塑剤を含む可塑剤分散体は上述した樹脂成形体や塗工品に難燃性も同時に付与できるものである。
酸化亜鉛系粒子は、溶媒中に分散してなる溶媒分散体として使用することができる。溶媒分散体とは、酸化亜鉛系粒子と溶媒とを少なくとも含むものである。酸化亜鉛系粒子は、溶媒分散体総量に対する金属酸化物換算で2〜80重量%の割合で含有されていることが好ましい。特に20〜60重量%が好ましい。
溶媒としては、水、アルコール類、ケトン類、脂肪族及び芳香族のカルボン酸エステル類、エーテル類、エーテルエステル類、脂肪族及び芳香族の炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類のほか、鉱物油、植物油、ワックス油、シリコーン油等が挙げられる。
汎用性の点から好ましい溶媒は、常圧に於ける沸点が40℃〜250℃である、アルコール類、脂肪族及び芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族及び脂肪族カルボン酸エステル類、ケトン類、(環状)エーテル類、エーテルエステル類、水から選ばれる1種または2種以上の混合溶媒である。さらに、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トルエン、キシレン、ベンゼン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、水、からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合溶媒を少なくとも含有する溶媒分散体は、各種塗料系に使用できるので、特に好ましい。
溶媒分散体には、他の成分、例えば、塗料用途のバインダーとして用いられている有機系バインダーや無機系バインダー等を含んでいてもよい。
このような溶媒分散体は、可塑剤分散体と同様、酸化亜鉛系粒子を含有する樹脂組成物や成形体、あるいは塗料組成物や塗工品を製造する際の粒子原料として使用することができる。
上記した酸化亜鉛系粒子は塗料組成物中に分散して使用することができる。塗料組成物は、例えば、前述の可塑剤分散体や溶媒分散体から製造することができる。
塗料組成物の組成は、酸化亜鉛系粒子の他に、これらを結合し被膜を形成しうるいわゆるバインダー成分および溶媒成分を含有する。
酸化亜鉛系粒子とバインダー成分の総重量に対して酸化亜鉛系粒子を0.1〜99wt%、バインダー成分を99.9〜1wt%の割合で含み、かつ組成物全量に対する酸化亜鉛系粒子とバインダー成分の総量が重量比で10〜90wt%、さらには30〜90wt%であることが好ましい。
バインダーとしては、特に限定されないが、例えば(メタ)アクリル系;(メタ)アクリルウレタン系;(メタ)アクリルシリコーン系;アルキルポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン系;塩化ビニル系;塩化ビニリデン系;メラミン系;ウレタン系;スチレン系;アルキド系;フェノール系;エポキシ系;ポリエステル系;ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテルポリマー等のフッ素系樹脂などの熱可塑性もしくは熱硬化性、湿気硬化性、紫外線硬化性、電子線硬化性等の硬化性合成樹脂、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどの合成ゴムもしくは天然ゴムなどの有機系バインダー、シリカゾル、アルカリ珪酸塩、シリコンアルコキシドおよびそれらの(加水分解)縮合物、リン酸塩等の無機系バインダなど従来公知のバインダーが使用できる。
上述のバインダーの中には、従来から、ハードコート用樹脂として知られる、紫外線硬化型の(メタ)アクリル樹脂、熱硬化型あるいは湿気硬化型の((メタ)アクリル)シリコーン系樹脂や、耐熱性塗料として用いられる純シリコーン樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂等の変性シリコーン樹脂なども含まれる。
これらのバインダーは単独または2種以上を混合して使用される。
上述した中でも、比較的低温で成膜、乾燥でき耐候性、耐久性に優れる点で、(メタ)アクリル系;(メタ)アクリルウレタン系;(メタ)アクリルシリコーン系;純シリコーン樹脂;シリコーンアルキド樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂等の変性シリコーン樹脂;ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテルポリマー等のフッ素系樹脂が好ましく、これらのうち少なくとも1種をバインダー全量の50wt%以上とすることが好ましい。
上述の酸化亜鉛系粒子、バインダー成分は、通常溶媒に溶解、乳化あるいは懸濁して使用される。
溶媒としては、特に限定されず、塗料組成物の使用目的、バインダーの種類などに応じて適宜選択される。例えば、アルコール類、脂肪族及び芳香族カルボン酸エステル類、ケトン類、エーテル類、エーテルエステル類、脂肪族及び芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等の有機系溶剤;水;鉱物油、植物油、ワックス油、シリコーン油等が例示され、必要に応じて2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
上述の塗料を、基材に塗布し、硬化・架橋等の目的で必要に応じて、加熱、電子線照射等を行うことによって、赤外線非透過性の膜が形成された塗装品を得ることができる。塗装品には、合わせガラスの中間膜の如く2枚のガラスに膜が挟まれているものも含まれる。
塗布方法は、特に限定されず、ディッピング法、スプレー法、スクリーン印刷法、ロールコータ法、フローコート法等従来公知の方法が採用される。
塗料を用いて、目的とする基材や素子などの上に直接膜を形成してもよいし、膜を予め基材上に形成して成型体としてから目的とする素子などと組み合わせてもよい。基材の片面または両面に膜を形成することができる。基材としては、樹脂成形品、ガラス、紙などを用いることができる。基材に用いる樹脂成形品の形態としては、フィルム状、シート状、繊維状などが例示される。
樹脂の材質は任意のものが使用できる。フィルムやシートとしては、LDPE、HDPE、アモルファスポリエチレン、OPP(延伸ポリプロピレン)、CPP(結晶化ポリプロピレン)等のポリプロピレン、ポリイソブチレンなどのポリオレフィン系;EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)系;ポリスチレン系;軟質又は硬質ポリ塩化ビニル;EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)系;PVA系(ビニロン系);PVDC系(ポリ塩化ビニリデン);ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系;ポリカーボネート系;ポリウレタン系;ポリアミド系;ポリイミド系;ポリアクリロニトリル系;ポリサルフォン系;ポリエーテルサルフォン系;ポリフェニレンサルファイド系;ポリアリレート系;ポリエーテルイミド系;アラミド系;(メタ)アクリル系;ポリエーテルエーテルケトン系;テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂等の各種フィル卯やシート(板を含む)が例示される。
また、光学レンズなど極めて高度な可視光透過性、透明性が要求される用途で用いる場合には、PMMA、MMA−スチレンランダム共重合体、ポリカーボネート、透明ポリプロピレン、MMAとα−メチルスチレンまたはシクロヘキシルメタクリレート等の共重合体、ABS樹脂のMMA変性タイプ、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、透明エポキシ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、フッ素化ポリイミド、非晶質フッ素樹脂、透明フェノキシ樹脂、非晶質ナイロン樹脂、フルオレン系等の各種樹脂が使用される。
また、廃棄処理問題から、生分解性に対する要求に応えるものとして、生分解性樹脂を基材として用いることは今後ますます重要になる。このような場合、例えば、ポリ−3−ハイドロキシ酪酸エステル、キチン・キトサン系、ポリアミノ酸系、セルロース系、ポリカプロラクトン系、アルギン酸系、ポリビニルアルコール系、脂肪族ポリエステル系、糖類系、ポリウレタン系、ポリエーテル系などの生分解性プラスチックを基材として用いることが好ましい。
またフィルムやシートとして使用し、長期にわたる耐候性と透明性が要求される場合には、上述したうち、フッ素樹脂系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系等が好ましい。
また、ガスバリア性が要求される食品包装用途などには、EVA系、EVOH系、PVDC系、PVA系などが使用しうる。
また、繊維として用いる場合、例えば、木綿、麻、絹、羊毛、コラーゲン繊維等の天然繊維、再生セルロース繊維、ナイロン−6、ナイロン−66等の脂肪族ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエチレン繊維、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリオキシメチレン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリイミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール等の複素環状高分子系繊維、PMMA等のアクリル繊維などの合成繊維に適用しうる。
基材としては、上述の基材に予めUV吸収膜を配したものや、塗料組成物からなる塗膜と基材との密着性などを高める目的でプライマー層等を予め配したものも含まれる。これらの中でも、プラスチックフィルム、シートのうち、耐候性が高い点でフッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。ただし、酸化亜鉛系粒子は、紫外線をカットできるので、耐候性が低いポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の樹脂基材を用いても耐候性を改善するものである。
塗料組成物を塗布・成膜した後、耐水性、耐溶剤性、耐酸、耐アルカリ等の耐薬品性、耐擦傷性などの点から、熱硬化(室温硬化を含む)、湿気硬化、紫外線硬化、電子線硬化などの硬化方法で硬化膜とすることが好ましい。
得られた膜は、赤外線非透過性を有する。赤外線非透過性とは、赤外線、好ましくは近赤外線(780nm〜2.5μm)を吸収および/または反射することのできる性質をいい、さらに好ましくは可視光に対する透過性が、近赤外線に対する透過性より高いものが好ましい。塗料組成物からなる塗膜は主に吸収によって赤外線を遮蔽するものである。具体的には、波長0.6μm、1.2μm、1.5μmにおける全光線透過率をT0.6 、T1.5 とするとき、T0.6 >T1.5 の関係を有するものが好ましく、T0.6 >T1.2 であることがより好ましい。さらに、酸化亜鉛系粒子を含有する膜に関して、酸化亜鉛換算で塗布量が12g/mのときに、ΔT=T0.6 −T1.5 が40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。T0.6 は70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
ここで全光線透過率とは、分光測光器を用いて測定された所定の波長域の入射光量に対する透過光量を意味する。分光測光器としては、例えば、JIS R 3106-1985 の3.2項,4.2項に記載された条件を満足する分光測光器を使用することができ、簡易的には、市販の、例えば、(株)島津製作所製の積分球付属装置(ISR−3100)をその試料室にとりつけてなる自記分光光度計(UV−3100)を使用することができる。
得られた膜の可視光域の透過率は高ければよく、透明ガラスのごとくかかる透過率が高くヘイズが実質的にないいわゆる透明体から、すりガラスのごとくヘイズは高いが全光線透過率の高い即ち優れた拡散透過性を有するものまで可能である。紫外線・赤外線カットフィルムや合わせガラスのガラス中間膜等で応用する場合、可視光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。ヘイズは、透明性が高いという点から10%以下が好ましく、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。可視光透過率、ヘイズ値は市販の濁度計で測定することができる。
基材上に膜を形成した塗工品については、塗工品の可視光透過率(可視光に対する全光線透過率をいう)と基材の可視光透過率との差が±30%以下が好ましく、より好ましくは±20%以下、特に好ましくは±10%以下であり、塗工品のヘイズ(可視光に対するヘイズをいう)と基材のヘイズとの差が±10%以下が好ましく、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
さらに、上記に加えて、基材が、板、シート、フィルム状の樹脂成形体あるいはガラスである場合、塗工品の可視光透過率が80%以上、ヘイズが10%以下であることが好ましく、可視光透過率が85%以上、ヘイズが5%以下であることが更に好ましい。
塗工品においては、可視光の反射によるロスを低減するために、赤外線非透過膜の設けられた塗工品の片面または両面に多孔質膜や反射防止膜を設けることが好ましい。また、塗工品の赤外線非透過膜にハードコートや水蒸気バリア層等を、耐久性を付与するためにオーバーコートすることが好ましい。また、屋外で使用する場合等、ちり、埃、油等で塗工品の表面が汚れることによって可視光線透過性が低下することを防止する目的で耐汚染性に優れる膜を塗工品の少なくとも片面に設けることも、塗工品の特性を長期にわたって発揮するためには有効である。
上記した酸化亜鉛系粒子は、樹脂組成物中に分散して使用することができる。樹脂組成物の組成は、酸化亜鉛系粒子と、これが分散された連続相を形成しうる樹脂とを含む。酸化亜鉛系粒子と樹脂の総重量に対して酸化亜鉛系粒子を0.1〜99重量%、樹脂を99.9〜1重量%の割合で含むことが好ましい。樹脂としては、塗工品の基材として例示したもの(フィルム、シート、繊維)を使用できる。
樹脂組成物は、前述の可塑剤分散体や溶媒分散体から製造してもよいし、粉末状の酸化亜鉛系粒子をポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等の樹脂と混合し溶融混練りすることによって、製造してもよい。このような樹脂組成物を、シート状、フィルム状に成形し、必要に応じてさらに延伸などの加工を施すことによって樹脂成形品を得ることができる。別法として(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマー等中に酸化亜鉛系粒子を分散含有させたものを加熱や紫外線照射によって注型重合することによっても樹脂中に酸化亜鉛系粒子が分散したシートを得ることができる。
樹脂組成物から得られる樹脂成形品については、成形品の可視光透過率と、該粒子を含有しない以外は同様にして製造された成形品の可視光透過率との差が±30%以下が好ましく、より好ましくは±20%以下、特に好ましくは±10%以下であり、粒子含有成形品のヘイズと粒子無しの成形品のヘイズとの差が±10%以下が好ましく、より好ましくは±3%以下、特に好ましくは±1%以下である。しかも、粒子含有成形品の可視光透過率が80%以上、ヘイズが10%以下、更に好ましくは可視光透過率が85%以上、ヘイズが5%以下を満足するものは、透明性に優れる樹脂成形品として有用であり、本発明で容易に得られる。
また、酸化亜鉛系粒子を含有する塗料、塗膜、樹脂組成物中には、従来公知の熱線吸収性の物質を含有させることもできる。このような化合物としては、特開平9−59591号公報に記載のシアニン色素、ピリリウム色素、スクワリウム色素、ジチールニッケル錯体色素、アゾ色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン系色素、ジイモニウム色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素などの熱線吸収色素や、2価の銅イオンが結合した、リン酸基、例えば、下記式(1)で表されるような特殊なリン酸基、を有するポリマーなどが例示される。
Figure 0004060303
また、これらの熱線吸収性の物質を含有する塗膜やフィルムを、酸化亜鉛系粒子を含有する塗膜やフィルムと複合した形で使用することもできる。
このようにして得られた膜、塗工品、成型品の用途としては、赤外線非透過性、紫外線吸収性、帯電防止性、導電性が求められる用途が挙げられる。
具体的には、紫外線からの内容物の保護、紫外線による印刷物やカラーフィルターなど各種材料の退色・変質・劣化の防止、紫外線からの人体の保護などを目的とした紫外線の遮断、冷房時の室内温度上昇の抑制、暖房時に於ける室内の保温等を目的とした赤外線の遮断などを必要とする種々の分野、さらに静電気障害の防止、プラスチック、紙、布等の導電性付与など帯電防止、導電化などを必要とする種々の分野で有用である。
例えば、食品包装、医薬品包装、化粧品包装、電子材料包装等に使用される各種包装用フィルム・容器、農業用フィルム、温室用フィルム、建材用、自動車用などでの保護フィルム、建造物、自動車、高温炉等の窓材に使用可能な粘着フィルム、接着フィルム、合わせガラス中間膜あるいは塗料、衣服や帽子等衣料用の涼感性あるいは保温性に優れる繊維製品、サングラス等の眼鏡レンズ用保護膜材料、傘、サンルーフ、化粧品などに酸化亜鉛系粒子を利用することにより、紫外線、赤外線を有効に遮断することができる。同時に帯電防止性を付与することもできる。
また、日射による温度上昇が材質の劣化や性能の変動あるいは低下をひきおこすような材料、たとえば窒化ガリウム系等の発光ダイオードやシリコン系太陽電池の保護膜としても使用することができる。
特に、可視光透過性に優れ、熱線を有効に遮断する上で農業用のフィルムとして好適である。すなわち、野菜、果物など植物栽培において、温度や光質等の環境要因が植物の育成に強く影響する。太陽光から放射される電磁波のうち可視光を透過し、赤外線中でも特に熱線や、紫外線を遮蔽する材料が求められている。熱線カットは、ハウス栽培などにおける温度管理をする上で遮断することが好ましい。紫外線カットは、害虫の発生を抑制できる等の点で好ましい。
農業用フィルムの構成としては、基材フィルムの少なくとも片面に、酸化亜鉛系粒子含有塗膜が設けられた赤外線非透過性フィルムとすることができる。さらに、フィルムの可視光透過性能が使用時において低下する原因となる、水滴、霧の付着、ちりやほこりなどによる汚染などを防止するために、防滴性、防霧性、防塵性などの処理またはこれらの機能を有する塗膜または層をフィルムの片面または両面に形成することが好ましい。また、従来よりグリーンハウスの保温性を高める目的で、日射時に赤外線を吸収し夜間時に赤外線を放射する機能を有するシリカ、珪酸塩などのシリカ系化合物、ハイドロキシ炭酸アルカリアルミニウムやハイドロタルサイト類などの複水酸化物系化合物などの保温剤として知られる粒子を基材フィルムに添加したものを基材として使用すること、また、これらの粒子を赤外線非透過性の膜中あるいはこれらの粒子を含有する層を設けることもできる。また、耐擦傷性や耐酸性雨対策等の耐候性など、耐久性を付与する目的で、ハードコート性の保護膜が設けられていることが好ましい。
また、フィルム表面の反射による可視光透過性のロスを抑制する目的で前記の反射防止膜を設けたり、光合成に特に必要な600〜700nmの波長の光の透過率を高める目的で600nm以下の光または700nm以上の光を吸収し、600〜700nmの波長領域の光に変換する蛍光材料、いわゆる波長変換能のある色素等を含有する層を設けることも可能である。該色素は酸化亜鉛系粒子を含有する膜中に混合することも可能である。
また、前記した熱線吸収色素、前記リン酸基含有ポリマー等の熱線を選択的に吸収しうる材料を含有する膜を設けてもよく、また、これらの材料を酸化亜鉛系粒子を含有する膜中に含有せしめてもよい。
農業用フィルム用の基材フィルムとしては、特に限定されないが、従来より農業用フィルムとして使用されているポリエチレン等のポリオレフィン系、塩化ビニル系、フッ素樹脂系等のほかに、可視光透過性が高い点でPET、PENなどのポリエステル、ポリカーボネート系、(メタ)アクリル系などのフィルムが使用可能である。中でも、農業用フィルムは通常屋外で使用されるため耐久性に関する要望が厳しく、そのため、ポリエステル系、フッ素樹脂系が特に好ましい。
バインダーとしては、前記した中の耐候性、耐久性に優れるバインダー及びその硬化方法のものが好ましく使用できる。
酸化亜鉛系粒子としては、前記した中の耐候性、耐久性に優れる粒子、すなわち、特定の表面修飾剤で処理された粒子(表面修飾粒子)が特に好ましく使用される。
また、酸化亜鉛系粒子を含む塗料組成物から得られた膜、塗工品、成型品の用途の他の具体例としては、ステルスバーコーター等バーコータ材料にも有用な塗料、フィルム等を挙げることができる。さらに、クリーンルームや自動車等の車両用窓、衣料、各種CRT、LCD等の各種ディスプレーの画面、タッチパネル等の帯電防止化、ファクシミリ用記録紙等の静電記録紙等の導電化などにも利用できる。
また、他の具体例としては、太陽電池、各種ディスプレー、タッチパネル、光学素子、光学センサーなどで使用される透明導電膜を形成するための塗料の成分として、あるいは、スパッタリング用燒結体原料粒子としても有用である。
さらに、他の具体例として、光電変換素子の光入力側に酸化亜鉛系粒子を含む膜を設けることができる。該膜により光電変換素子に到達する熱線をカットできるので出力低下の原因となる温度上昇を抑制することができ、素子の紫外線による劣化を抑制することもできる。この場合、例えば、A:光電変換素子に直接形成された赤外線非透過膜である場合、B:赤外線非透過膜を、プラスチックフィルム、シート、ガラス等の可視光透過性の高い基材上に形成してなる場合、等が挙げられる。
Aの場合、例えば、光電変換素子が絶縁基板上に金属電極、シリコン層、透明電極を重畳形成してなる場合は、透明電極表面上に、あるいは透明電極上に透明な中間層を介して赤外線非透過膜を形成することができる。あるいは、光電変換素子が、ガラス等の透明基板上に、透明電極、無定形シリコン層、金属電極を重畳形成してなる場合は、透明基板上に赤外線非透過膜を形成してもよいし、透明基板と透明電極の中間層として赤外線非透過膜を形成してもよい。
基材およびバインダーとしては、上記農業用フィルムと同様のものを使用しうる。
さらに、酸化亜鉛系粒子を含む塗料組成物から得られた膜、塗工品、成型品の用途の他の具体例としては、テントが挙げられる。テントの表面に赤外線非透過性かつ紫外線吸収性の膜を設けることにより、熱線カットによる内部の温度上昇等の抑制ができ、紫外線カットによるテントの耐久性の向上が可能となる。
バインダーとしては、上記農業用フィルムと同様のものを使用しうる。
以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施例における評価等は次の手法により行った。
1.微粒子の評価
<粉末試料の作製法>
得られた分散体中の微粒子を遠心分離操作によって分離した後、メタノールによる洗浄、さらにアセトンによる洗浄を充分行った後、30℃で1日真空乾燥し、さらに80℃にて1日真空乾燥し、揮発成分を完全に除去して微粒子の粉末を得、これを粉末試料とした。
<カルボキシル基含有量>
粉末試料1gを0.01Nの水酸化ナトリウム水溶液に混合し、3日間撹拌した後、遠心分離操作によって得た上澄みをイオンクロマト分析することによって測定した。
<結晶性>
粉末X線回折により評価した。
<結晶子径Ds(hkl)、Dw、格子歪Aw>
粉末試料の粉末X線回折測定を行い求めた。
Ds(hkl):Scherrer法(Cauchy関数近似による)によって、得られる各回折面(hkl)に対して垂直な方向の結晶子径
Dw、Aw:Wilson法を用いて求めた結晶子の大きさ及び格子歪
<平均分散粒径Dd>
酸化亜鉛系粒子を含む分散液を必要に応じて塗料溶媒で希釈して、動的光散乱方式による粒子径アナライザー(野崎産業(株)製NICOMP Mode1370)を用いて重量基準の平均粒子径を求め、これを平均分散粒径とした。
<微粒子組成>
粉末試料の金属成分の組成は、蛍光X線分析、原子吸光分析、プラズマ発光分析、重量分析および元素分析などにより求めた。
<分散体の微粒子濃度>
分散体の一部を100℃において溶媒等の揮発成分を完全に除去し得るまで真空乾燥することにより乾燥粉末を得、これを空気中、500℃で1時間加熱したときの残分を金属酸化物として、金属酸化物分の分散体に対する重量分率を求め、この値を分散体中の微粒子濃度(金属酸化物換算濃度)とした。
<単分散性>
分散体のDd/Dwについて、以下の評価基準に従って評価した。
4≦Dd/Dw :×
2≦Dd/Dw<4 :△
1.5≦Dd/Dw<2 :○
Dd/Dw<1.5 :◎
<成膜したときの可視光に対する透明性>
濁度計(日本電色工業(株)製NDH−1001 DP)によりヘイズを測定した。なお、以下の各実施例で示されるヘイズのデータは、特に断りのない場合は、成膜品の値である。膜そのものの値を示す場合の測定方法ならびに算出方法を以下に示す。
[1] 空気をベースとする(空気:ヘイズ0%とした)
[2] 基材のヘイズを測定し、これをHO (%)とする
[3] 基材に膜を形成したもののヘイズを測定しこれをHS (%)とする。
[4] 膜のヘイズを下式により算出する。
H(%)=HS −HO (%)
なお、HS ≦HOの場合は、H=0(%)とした。
膜そのもののヘイズについて、以下の評価基準に従って評価した。
1%未満 :○
1%以上3%未満:△
3%以上 :×
赤外線カット性能および紫外線カット性能の有無は、積分球付属装置((株)島津製作所製ISR−3100)を試料室にとりつけてなる自記分光光度計((株)島津製作所製UV−3100)により、照射波長2500〜200nmにおける各波長光に対する透過率を測定評価することにより行った。得られた分光透過曲線から以下のように評価した。
<赤外線カット性能>
酸化亜鉛換算で塗布量が12g/m2 のときのΔT(%)=T0.6 −T1.5 について以下の評価基準に従って評価した。
40%未満 :×
40%以上50%未満:△
50%以上60%未満:○
60%以上 :◎
なお、実施例1および2における粒子自体の透明性及び赤外線カット性能の評価については、粒子をアクリル樹脂バインダー((株)日本触媒製、アロセットューダヴルS5161)と粒子/バインダー比=50/50(重量比)、固形分濃度30重量%となるように調製し、これをPETフィルムに塗布、乾燥することによって得られたフィルムを評価した。
<紫外線カット性>
酸化亜鉛換算で塗布量が10g/m2 のときの370nmにおける透過率T0.37(%)について以下の評価基準に従って評価した。
T0.37≦10(%) :○
T0.37>10(%) :×
2.塗工品、組成物の光学的特性(透明性、紫外線カット性、赤外線カット性) 基本的に粒子の光学的特性評価方法に準じる。
赤外線カット性能としては、ΔT=T0.6 −T1.5 について以下の評価基準に従って評価した。
20%以上40%未満:A
40%以上60%未満:B
60%以上 :C
分光特性については、積分球付属装置((株)島津製作所製ISR−3100)を試料室にとりつけてなる自記分光光度計((株)島津製作所製UV−3100)により、照射波長2500〜200nmにおける各波長光に対する透過率を測定評価した。
〔実施例1〕
撹拌機、滴下口、温度計、開閉制御可能な留出ガス出口、窒素ガス導入口を備えた、20Lのガラス製反応器中で、酢酸2600重量部、イオン交換水1855重量部、酸化亜鉛(フランス法酸化亜鉛)488重量部、水酸化インジウム(酸化インジウム含有量78.5重量%)53重量部、炭酸ナトリウム0.318重量部からなる混合物を、100℃で2時間加熱することにより均一溶液を得た後、2−ブトキシエタノール10000重量部を添加混合することにより、均一溶液(S1)を得た。
次に、留出ガス出口を開の状態で、窒素ガス導入口より窒素を流し、内部の雰囲気を窒素で置換した後、窒素ガスを流しながら、溶液(S1)を昇温し、溶液中の揮発成分の一部を留出させながら、内温を170℃まで加熱昇温し30時間保持することにより、ZnO結晶性粒子が分散してなる紺色の分散体(D1)を得た。
分散体(D1)は、結晶子径12nmの微粒子が分散粒径14nmで分散したものであり、分散体(D1)中の微粒子は、In含有量がZnに対する原子比で5%、アセトキシ基が酸化亜鉛に対する重量比で3重量%の割合で結合してなるものであった。また極めて分散性に優れるものであった。
〔比較例1(1)〕
実施例1において炭酸ナトリウムを用いない以外は実施例1と同様にして均一溶液(S’1)を得、分散体(D’1)を得た。
〔比較例1(2)〕
実施例1において炭酸ナトリウムを用いず、酢酸量、水量をそれぞれ表1に示す量とした以外は実施例1と同様にして均一溶液(S’2)を得、分散体(D’2)を得た。
実施例1、比較例1(1)、比較例1(2)で得られた各分散体について、単分散性、成膜時の可視光に対する透明性、赤外線カット性能について評価した結果を表2に示す。
Figure 0004060303
Figure 0004060303
〔実施例2(1)〕
実施例1において、表3と4に示す原料を使用した以外は、実施例1と同様にして均一溶液S2(1)を得、同様に170℃に加熱することによって、分散体D2(1)を得た。
〔実施例2(2)〕
実施例1において、表3と4に示す原料を使用し、反応器の材質をハステロイ製とした以外は、実施例1と同様にして均一溶液S2(2)を得、次に、留出ガス出口を開の状態で、窒素ガスを流しながら、溶液S2(2)を昇温し、溶液中の揮発成分の一部を留出させながら、内温を170℃まで加熱昇温し2時間保持することにより、ZnO結晶性粒子が分散してなる紺色の分散体(D2(2)−a)を得た。さらに、留出ガス出口を閉の状態に切り替え、引き続き昇温し、220℃で20時間加熱を行うことによって、分散体D2(2)を得た。
〔実施例2(3)〕
実施例2(2)において、表3に示す原料を用い、また予め水酸化インジウム、酢酸リチウムを酢酸と水の混合溶媒中に均一に溶解させた後、酢酸亜鉛と2−ブトキシエタノールを混合することによって得られた均一溶液(S3)を、実施例2(2)と同様にして加熱することによって、酸化亜鉛結晶性の粒子を分散含有する分散体(D2(3)−a)を得た。実施例2(2)と加熱処理条件を250℃5時間とする以外は同様にして、分散体D2(3)を得た。
〔実施例2(4)、(5)〕
耐圧100kgf/cm2 のハステロイ製オートクレーブ容器内に、表4に示す組成比となるよう、酢酸亜鉛、金属Md化合物、金属Ma化合物、溶媒を仕込んだ後、撹拌することによって、半透明溶液S2(4)、(5)を得、内部の雰囲気ガス組成が酸素濃度0.02%以下となるまで窒素ガスで充分にパージした後、密閉状態で撹拌しながら、加熱昇温し、190℃で10時間加熱処理を行うことにより、青色の分散体D2(4)、(5)を得た。
各実施例で得られた分散体中の粒子の組成、結晶性等を表5に示す。
〔比較例2(1)〜(5)〕
実施例2(1)〜(5)において、金属Maの化合物を使用しない以外は、各実施例と同様の反応装置、反応操作を行うことにより、それぞれ分散体D2’(1)〜(5)を得た。
各実施例および比較例で得られた分散体の単分散性、結晶子径Dw、Ds(002)/Ds(100)、赤外線カット性能、紫外線カット性能の評価結果を表5、6に示す。
Figure 0004060303
Figure 0004060303
Figure 0004060303
Figure 0004060303
〔実施例3(1)〜(3)〕
実施例2(3)において得られた分散体D2(3)を撹拌しながら、表7に示す表面処理剤をそれぞれ酸化物に対して表7に示す量となるよう添加し、表7に示す条件下で処理することによって粒子表面が表面処理されてなる粒子の分散体を得た。
次に、各分散体をエバポレータを用いて減圧加熱濃縮することによって、酸化物濃度25〜30重量%の濃縮分散体を得た。
該濃縮分散体に酸化物濃度が5重量%となるようにIPAを添加した後、遠心分離することによって得たウエットな沈降物に、表7に示す溶媒を添加し、サンドミルによって分散処理を施すことによって各種溶媒分散体を得た。
Figure 0004060303
〔実施例3(4)〕
実施例2(1)において、均一溶液S2(1)を得た後、昇温し170℃で加熱することによって分散体を得る際、加熱過程でアクリルシリコーンポリマー(鐘淵化学製ゼムラックYC5920)を酸化物に対して3重量%添加する以外は、実施例2(1)と同様にして分散体を得、該分散体をエバポレータで酸化物濃度60重量%まで減圧加熱濃縮した後、キシレンを添加することにより、キシレン分散体を得た。得られたキシレン分散体D3(4)は、結晶子径Dwが8nm、分散粒径Ddが11nmの単分散性に優れる分散体であった。
〔実施例3(5)〕
実施例2(3)において得られた分散体D2(3)を、エバポレータを用いて減圧加熱濃縮することによって、酸化物濃度60重量%の濃縮分散体を得た。
得られた濃縮分散体に、IPA−水(1:9)を、酸化物濃度が10重量%となるように添加することにより水性分散体を得た。得られた水性分散体D3(5)は、分散粒径Ddが20nmの単分散性に優れる分散体であった。
〔実施例3(6)〕
実施例3(1)で得られた分散体D3(1)100重量部に、フタル酸ジ− エチルヘキシル60重量部を添加混合した後、減圧加熱濃縮することによって、粒子濃度(酸化物換算)20重量%の粘稠なフタル酸ジ−2エチルヘキシル分散体D3(6)を得た。該分散体は、分散粒径Ddが17nmの単分散性に優れる分散体であった。
〔実施例4(1)〜(5)〕
実施例3(1)〜(4)で得られた各種分散体を用いて、表8に示す組成で塗料を作製した。各塗料を表9に示す基材に塗布し、表9に示す硬化条件で乾燥することによって各種酸化亜鉛径粒子が分散含有された塗膜及び塗工品を得た。
各種塗膜及び塗工品の物性データを表9に示す。
実施例4(3)で得られた塗工フィルム(フィルムA)ならびに基材として用いたフッ素樹脂フィルム(フィルムB)の各フィルムについて図2に示す装置を用いて断熱効果を測定した。環境条件はいずれのフィルムの場合も同じ温度20℃、相対湿度50%の雰囲気であった。ランプ照射後10分後、ブラックパネル温度計の温度がフィルムBの場合は44℃であるのに対し、フィルムAの場合は30℃であった。
Figure 0004060303
Figure 0004060303
〔実施例4(6)〕
実施例3(5)で得られた分散体100重量部とアクリルエマルション50重量部を混合することにより、塗料を作製し、該塗料にポリエステル繊維を浸漬して乾燥することにより微粒子目付量10g/m2 のポリエステル繊維を得た。得られた繊維は紫外線および熱線を吸収し、透明感にも優れるものであった。
〔実施例5(1)〕
実施例3(6)で得られた分散体D3(6)50重量部とポリ塩化ビニル樹脂100重量部を160℃にて溶融混合し、PVCコンパウンドを製造した。該コンパウンドを用いて押し出し成形することにより微粒子の分散含有された厚さ50μmの塩化ビニルフィルムを得た。得られたフィルムは、可視光に対する透明性に優れ、しかも紫外線および赤外線を有効に遮蔽するものであった。得られたフィルムの物性を表10に示す。
Figure 0004060303
〔実施例6〕
実施例3(3)で得られたトルエン分散体D3(3)とアクリル系バインダー樹脂溶液を粒子/樹脂=6/4(重量比)で混合し、バーコーターでガラスに塗工した後、80℃2分間熱風乾燥することにより透明な塗工ガラスを得た。該ガラスの可視光透過率、日射透過率、熱線透過率、紫外線透過率、およびヘイズを表11に示す。
なお、ヘイズ値は、前記した方法(濁度計による測定値)によって測定した値であり、これ以外の各透過率の値は以下のようにして求めた。
前記した積分球附属装置を試料室に取り付けてなる自記分光光度計により、340〜1800nmの範囲で各波長光に対する透過率を測定した。測定結果に基づき、以下のようにして求めた。
可視光透過率:JIS R3106-1985 の3.3に記載の測定方法、3.4に記載の計算方法
(各波長光における係数Dλ・Vλは付表1の値を使用)に従って求めた。
日射透過率:JIS R3106-1985 の4.3に記載の測定方法、4.4に記載の計算方法
(各波長光における係数Eλ・Δλは付表2の値を使用)に従って求めた。
熱線透過率:波長800〜1800nmの光の透過率に対し、日射透過率の場合の計算方法を適用して、下記式に従って求めた。各波長光における係数Eλ・Δλは付表2の値を使用した。
Figure 0004060303
τ(λ):800〜1800nmにおける各透過率
紫外線透過率:波長340〜380nmの光の透過率に対し、日射透過率の場合の計算方法を適用して、下記式に従って求めた。各波長光における係数Eλ・Δλは付表2の値を使用した。
Figure 0004060303
τ(λ):340〜380nmにおける各透過率
基材のガラスに対しても同様に求めた。
分光透過率曲線を図1に示す。
Figure 0004060303
〔実施例7〕
実施例3(1)〜(3)で得られた分散体D3(1)〜D3(3)を、表12に示すバインダーを混合した後、撹拌することによって塗料C7(1)〜C7(3)を得た。
次に、予め、金の櫛形電極を蒸着したパイレックス(登録商標)ガラス上に、各塗料を用いてスピンコータにより成膜し、常温乾燥後、50℃で加熱乾燥することによって、それぞれ乾燥膜を得た。
得られた膜は厚み0.5μmであった。
各乾燥膜を表12に示す温湿度条件下で遮光状態で1時間放置した後、ケスレー社製エレクトロメータ617型を用いて、同条件下における表面抵抗値を測定(印加電圧0.1V)した結果を表12に示す。
Figure 0004060303
実施例6における分光透過率曲線を示す。 実施例で用いた測定装置の概略図を表す。
符号の説明
1:ブラックパネル温度計
2:サンプル支持台
3:フィルム
4:光源(ランプ)

Claims (2)

  1. Zn化合物と、3価および/または4価をとり得る金属元素(Md)の化合物とを、金属元素Mdの含有量が、Znと金属元素Mdとを合計した金属成分の総原子数に対するMdの原子数の比で表して0.1〜20%になる割合で含有する溶液(S)を加熱することにより、ZnおよびMdを金属成分としX線回折学的に酸化亜鉛結晶性を示す酸化亜鉛系粒子を析出させる赤外線非透過性酸化亜鉛系微粒子の製造方法において、
    溶液(S)中に、1価または2価の金属元素Maの化合物を、溶液(S)に含まれるMd化合物のMdに対するMa化合物のMaの原子比(Ma/Md)で、
    0.00001≦Ma/Md<1
    の範囲で含有し、
    さらに、溶液(S)が、Znに対するモル比で1.90倍以上8倍以下のモノカルボン酸化合物と、Zn化合物の酸化亜鉛換算重量に対して1〜30倍量のアルコールとを含有する
    ことを特徴とする赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子の製造方法。
  2. 前記金属成分を供給するZn化合物、Md化合物、Ma化合物の少なくともいずれか一種が、前記モノカルボン酸化合物となるモノカルボン酸塩である
    請求項1に記載の赤外線非透過性酸化亜鉛系粒子の製造方法。
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