JP4059434B2 - 斜面安定化工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象斜面に擁壁を設けて安定化を図る斜面安定化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地山等の斜面の安定化を図る斜面安定化工法として、対象斜面を被覆する擁壁を形成して、安定化を図る工法が普及している。係る安定化工法は、対象斜面に補強筋を設置した後、この鉄筋を被覆するように木製の型枠(木枠とも呼ばれる)を配置し、その後に前記木枠内にコンクリートを流し込み、斜面上に擁壁等を形成する。
【0003】
他方、比較的簡易に施工が可能であり施工時間も短いことから、対象斜面にモルタル等の表層硬化材を吹付けて、対象斜面上にモルタル吹付壁を構築するモルタル吹付工法および岩盤斜面をロックネットと呼ばれる可撓性のネットで被覆して落石の防止または飛散を図るロックネット工法も普及している。
【特許文献1】
特開2000−54395
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の擁壁を形成する安定化工法では、木枠形成のための重量のある木製板を、風の影響や落下時の安全性の面から、高所に堅固な支持工が必須であり、また、コンクリート固化後に木枠の撤去を行わなければならない。
【0005】
一方、モルタル吹付工法やロックネット工法等により構築されたモルタル吹付壁やロックネット既設斜面は、風化あるいは老朽化により新たな安定化処置が必要となったり、他の工法によって追加的に安定化処置を施す必要が生じる場合がある。このように老朽化等により再構築や改修が必要になった場合には、老朽化等したモルタル吹付壁の剥離除去やロックネットを撤去する必要が生ずるが、斜面に設置されているモルタル吹付壁やロックネットの撤去作業は相当な危険が伴う。また、剥離したモルタル吹付壁の屑や撤去したロックネット等を保管する場所の確保やロックネット等を撤去する際の斜面下方の安全性の確保が困難となる場合もある。例えば、当該斜面が使用中の道路に面している場合には、使用中の道路を閉鎖する必要が生じて交通や物流の妨げとなる場合がある。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、老朽化したモルタル吹付壁やロックネット配設斜面等の剥離撤去作業を行わずとも、既設処置面に対して施工が可能な斜面安定化工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明およびその作用効果は次記載のとおりである。
<請求項1記載の発明>
対象斜面上に擁壁を形成して斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、
複数のロックボルト類をその頭部を突出させた状態で対象斜面に打設した後、
これらロックボルト類の頭部を鉄筋で連結して格子面状の鉄筋組体を形成し、
この鉄筋組体に対して網体を付設して、鉄筋組体と網体とによって、前記対象斜面との間に間隔を開けた位置でその対象斜面を被覆しかつ法肩側面が開口する網壁を形成し、
その後に、前記法肩側面の開口から前記網体と対象斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填することを特徴とする斜面安定化工法。
【0008】
<請求項2記載の発明>
対象斜面上に擁壁を形成して斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、
複数のロックボルト類をその頭部を突出させた状態で対象斜面に打設した後、
これらロックボルト類の頭部に鉄筋を連結して格子面状の鉄筋組体を形成し、
この鉄筋組体に対して網体を付設して、鉄筋組体と網体とによって、前記対象斜面との間に間隔を開けて位置し、かつ、法肩側面が開口する網壁を形成し、
その後に前記法肩側面の開口から前記網体と対象斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填する施工を、
前記対象斜面の法尻から法肩に向かって繰り返し、前記所定幅および所定長の擁壁を法尻から法肩に向かって順次連続的に積み重ねて対象斜面全体を被覆する一体的な擁壁を形成することを特徴とする斜面安定化工法。
【0009】
<請求項3記載の発明>
前記対象斜面が既設モルタル吹付壁面であり、その既設モルタル吹付壁を剥離せずに、複数のロックボルト類をその頭部を突出させた状態で打設する請求項1記載の斜面安定化工法。
【0010】
<請求項4記載の発明>
ロックボルト類を打設する際に、既設モルタル吹付壁と地山との間に空隙が存在しているか否かを調査し、空隙が認められた場合にその部位に印を付与し、
その後の鉄筋組体の設置時、網体の付設時又は網体の付設後に、前記印に基づいて前記空隙に注入材を注入して既設モルタル吹付壁と地山との間の空隙を埋め、
その後に前記法肩側面の開口から前記網体と対象斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填する請求項3記載の斜面安定化工法。
【0011】
<請求項5記載の発明>
ロックネット既設斜面に擁壁を形成して斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、
既設ロックネットを撤去せずに、その既設ロックネットに対して網体を付設して、既設ロックネットと網体とによって、前記対象斜面との間に間隔を開けた位置でその対象斜面を被覆しかつ法肩側面が開口する網壁を形成し、
その後に前記法肩側面の開口から前記網体と斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填し、
前記ロックネット既設斜面上に擁壁を形成することを特徴とする斜面安定化工法。
【0012】
<請求項6記載の発明>
ロックネット既設斜面に擁壁を形成して斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、
既設ロックネットを撤去せずに、その既設ロックネットに対して網体を付設して、既設ロックネットと網体とによって、斜面との間に間隔を開けた位置でその対象斜面を被覆しかつ法肩側面が開口する網壁を形成し、
その後に前記法肩側面の開口から前記網体と斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填し、
前記ロックネット既設斜面上に所定幅および所定長の擁壁を形成する施工を、
前記ロックネット既設斜面の法尻から法肩に向かって繰り返し、前記所定幅および所定長の擁壁を法尻から法肩に向かって順次連続的に積み重ねてロックネット既設斜面全体を被覆する一体的な擁壁を形成することを特徴とする斜面安定化工法。
【0013】
<請求項7記載の発明>
前記擁壁を形成する前に、予め対象斜面の軟弱部を掘削除去する請求項1〜6の何れか1項に記載の斜面安定化工法。
【0014】
<請求項8記載の発明>
混練時のスランプ値が18〜27cmであって、充填後にそのスランプ値が5〜12cmの範囲に変化する組成のコンクリート又はモルタルを充填する請求項1〜7に記載の斜面安定化工法。
【0015】
<請求項9記載の発明>
混練時のスランプ値が18〜27cmのコンクリート又はモルタルを圧送路の途中でエアと混合しつつ圧送して充填し、充填後におけるそのスランプ値を5〜12cmの範囲にする請求項1〜3の何れか1項に記載の斜面安定化工法。
【0016】
(作用効果)
勾配が急な岩盤斜面や風化の著しい斜面では吹付けによってモルタル吹付壁を構築したのでは、表層滑り、地滑り等が発生してモルタル吹付壁が崩落する危険性が少なくない。また、表面の凹凸が多い斜面やオーバーハングしている斜面等においては、モルタルを斜面に吹付けることが困難である。本発明では、対象斜面にコンクリート類を吹付けるのではなく、法肩側面の開口から網体と対象斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリートまたはモルタルを流し込み、対象斜面の下端側から所定範囲の擁壁を設ける施工を行う。そして必要に応じてかかる施工を繰り返し、連続的に擁壁を積み重ねて一体の擁壁を形成する。従って、上記のようなモルタル吹付壁の形成が困難な対象斜面であっても容易に施工ができる。
【0017】
一方、対象斜面が既設モルタル吹付壁面である場合には、このモルタル吹付壁面を埋めるような態様となり、モルタル吹付壁を地山から剥離せずに施工を行う。従って、剥離後のモルタル吹付壁を一時的に保管しておく場所が確保できないような対象斜面等、例えば、使用中の道路に面している対象斜面等において、当該道路の使用を停止させずに施工が可能となる。また、特に、老朽化しているモルタル吹付壁面では、地山とモルタル吹付壁との間に侵食による空隙が生じている場合がある。この場合に本発明では、既設のモルタル吹付壁との間の空隙に注入材を打設する。従って、施工後形成される擁壁は、モルタル吹付壁と地山との境から地滑り等が生ずるおそれが格段に少ないものとなる。
【0018】
他方、対象斜面が既設ロックネット斜面である場合には、ロックネットを埋めるような態様となり、ロックネットを撤去せずに施工が行われる。従って、ロックネットを撤去する必用がないので、ロックネット撤去に伴う危険性がなくなる。また、モルタル吹付壁面と同じように、撤去したロックネットを保管しておく場所が確保できないような対象斜面等においても施工が可能となる。さらに、ロックネット既設斜面に施工する場合にあっては、既設ロックネットに用いられている既設のロックボルト類、既設ネットが補強筋の効果を奏するので、形成される擁壁の強度が高いものとなる。さらに、新たに鉄筋組体を付設する施工を省略でき、迅速な施工が可能となる。
【0019】
他方、網体と対象斜面との間に充填するコンクリートまたはモルタルのスランプ値は0〜25cmとするのが好適である。
【0020】
なお、本明細書においてロックボルト類とは、ロックボルト、アンカーロッド、アンカーピンを少なくとも含み、その他、これらと同様の作用効果をもって擁壁を地山に対して固定するものを意味する。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、以下三態様に分けて説明する。
なお、いずれの態様であっても、本発明の法面安定化工法は、直高が150m未満であり、斜面の勾配が1:0.6以下であり、斜面上の凹凸が50cm未満であり、標準施工規模が100m3以上であり、打設厚さ(擁壁の最薄部の厚さ)を150〜350mmにでき、圧送距離を500m以下にできる、斜面に好適である。
【0022】
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態として、風化した岩盤斜面に対する施工例を示す。
(施工例の概略)
本実施の形態は、図1に示すように、対象岩盤の法尻側(下端)から法肩側に向かってまず所定範囲αに擁壁x1を形成し、その後にこの擁壁x1の法肩側に当該擁壁x1に連続するようにして新たな所定範囲βに擁壁x2を形成し、先に構築した擁壁x1と一体化させる施工を行う。そしてその後に擁壁x2の法肩側に所定範囲γに擁壁x3を形成し、先に構築した擁壁x1,x2と一体化させる施工を行う。このようにして先に構築した所定範囲の擁壁に、新たな所定範囲の擁壁を順次積み重ねて対象岩盤R全体を被覆する一体的な擁壁Xを構築する。前記施工における各工程の詳細は、次記の(A:準備工)〜(G:次の範囲への移行)で詳述する。
【0023】
(A:準備工)
擁壁の形成前に対象斜面の準備工を行う。準備工としては、例えば、対象となる岩盤斜面上に浮石・転石がある場合には、これを人力等で除去する。対象斜面上に表土が被っている場合には、表土の除去などの法面清掃を行う。対象岩盤にロックボルト類の打設が困難な軟弱部が存在している場合には、かかる軟弱部分を掘削するなどして除去する。対象斜面上に湧水がある場合には、法面清掃の後、適当な位置に、暗渠、水抜パイプ等を設置し、湧水の処理を行う。かかる水抜パイプ等は所定の勾配を設けた状態で設置し、後段のコンクリートまたはモルタル(以下、コンクリート類と記載する。)の打設時に動かないようにしっかりと固定する。水抜きパイプには吸出防止材として透水マットを取り付けるのが望ましい。なお、図面において、水抜パイプ等は省略する。
【0024】
(B:足場、配管の設置)
準備工が完了したならば、ロックボルト類の打設、鉄筋組体の形成、網体の付設、コンクリート類の打設のための足場(図面において足場は省略する。)を組み立てる。打設等に好適な足場幅は、1.0〜3.0m程度であり、一度に立ち上げる足場の高さは、コンクリート類の打設効率を考慮して決定する。足場は、施工が簡易であることから単管足場とするのが望ましい。足場の組み立て方法については、特に限定されない。従来既知の一般的な足場組み立て法により形成すればよい。
【0025】
一方、足場組み立てと並行して、コンクリート類の打設に必要となるコンクリート類を斜面上に搬送する配管を組み立てる。配管の組み立て方法については、特に限定されない。従来既知の斜面にコンクリート類を搬送するのに用いる配管を組み立てる技術により行うことができる。
【0026】
(C:ロックボルト類の打設)
足場および配管が設置できたならば、次いで、図2に示されるように、対象岩盤Rに対してロックボルト類10を打設する。ロックボルト類として、ロックボルト、アンカーロッド、アンカーピンの何れを使用するかについては、対象岩盤Rの形状や特性によって適宜選択する。ロックボルトとアンカーロッドの双方を打設するようにしてもよい。このロックボルト類10の打設は、図示例のように、その頭部10Hが斜面上に突出するように打設する。突出長10Lについては、特に限定されないが、突出長10Lが後に形成される擁壁の厚さにほぼ相当することになるので、対象岩盤R上にどの程度の厚さの擁壁を形成するのか等の設計事項を考慮しつつ突出長10Lを決定する。このロックボルト類10は、後に形成する鉄筋組体の補助筋としての効果を奏するとともに、擁壁の固定筋としての効果を奏する。従って、コンクリート類の打設時には、コンクリート重量を直接的に受けることになるため、対象岩盤Rにしっかりと固定する。その他のロックボルト類の具体的な打設方法は特に限定されるものではなく、従来既知の技術に従って行うことができる。
【0027】
(D:鉄筋組体の形成)
次いで、図3に示されるように、前記ロックボルト類の頭部10Hに、異型鉄筋20を連結しつつ配筋してほぼ30cm間隔の格子面状の鉄筋組体2を形成する。ロックボルト類10と前記鉄筋20との連結方法は、特に限定されず、溶接により連結してもよいし、針金等の剛線によって結束して連結してもよい。用いる鉄筋20はD13〜D19程度の異型鉄筋20が施工性に優れ好適である。もちろん、この径に限られるわけではなく、施工部位、対象岩盤や擁壁の設計計算に応じて適宜変更することができる。また、鉄筋20は1種類の径だけでなく、数種の径の鉄筋を組み合わせて鉄筋組体2を形成してもよい。また、鉄筋組体2は、例えば、擁壁の厚さが厚くなることが予想される部位では、コンクリート類の打設時に鉄筋組体2や後にこの鉄筋組体2に付設する網体などの撓み変形が生ずることが予想されるので、かかる部位について鉄筋組体2の格子の目を細かくしたり補強鉄筋を設けたりするなどして予め補強しておくことができる。
【0028】
また、現在施工中の擁壁と後にこの施工中の擁壁の上方に形成される擁壁とを連結する連結筋としての効果を奏するように、高さ方向の鉄筋については、現在施工中の所定高さの擁壁の設計上の上面よりも端部が上方に所定長突出されるように取り付けるのが望ましい。
【0029】
他方、鉄筋組体を形成する際に、高さ方向に配筋される鉄筋の一部に30D以上の角型鉄筋などの補強筋を取り付けることができる。高さ方向に配筋される鉄筋の一部を係る補強筋と置換してもよい。取り付け方法については、溶接や結束等でよい。対象斜面の法尻から所定範囲の施工の場合には、かかる補強筋は、鉄筋組体に連結するのではなく地面に打設してもよい。
【0030】
(E:網体の付設)
面状の鉄筋組体2を形成したならば、次いで、図4および図5に示すように、鉄筋組体2に網体30を付設する。網体30を鉄筋組体2に対して付設するにあたっては、実質的に対象斜面全部を一度に被覆するように網体を付設することは困難であることから、図示例のように、所定範囲に分けて所定大きさの網体30を複数枚を鉄筋組体2に取り付けるようにする。また網体30は法肩側面Qには設置せず、法肩側面Qは開口させた状態とする。すなわち、対象岩盤Rとの間にロックボルトの突出長10Lにほぼ相当する間隔を空けて、対象岩盤Rを被覆する鉄筋組体2と網体30とで構成される壁3(以下、網壁ともいう)が形成される。
【0031】
網体30の鉄筋組体2への取り付けは、針金等により、前記鉄筋組体2へ結束することにより行うことができる。網体30の取り付けにあたっては、図5に示すように、上下方向(法尻から法肩に向かう方向)において隣接する網体30,30同士は、5cm程度の重なり合わせをもたせて取り付ける。このように重なり部分を設けると、隣接する網体30,30間の間隙が形成されなくなり、また、隣接する網体30,30が一体でないことに起因する脆弱性が小さくなり、コンクリート類の打設時に、隣接する網体30,30間の間隙からコンクリート類が流出したり、脆弱部において網壁3が撓んだりすることが防止される。このように網体30,30同士の重ね合わせるときは、法尻側に位置する網体が、法肩側に位置する網体の外方になるようにして重ねる。このように重ねることで、コンクリート類を打設したときに重なり部分からコンクリート類が流出する危険性が小さくなる。
【0032】
なお、図5に示す例では、網体30は、鉄筋組体2に対して外方側から取り付けているが、対象岩盤R側から鉄筋組体2に取り付けてもよい。いずれの側から取り付けるかは、施工部位により選択すればよい。例えば、対象岩盤Rと鉄筋組体岩盤2との間の隙間があまりなく、対象岩盤R側から取り付けるのが困難な場合には、外方側から取り付ければよく、反対に、外方からの取り付けが困難な部位で、対象岩盤R側からの取り付けが容易である場合には、対象岩盤R側から取り付ければよい。
【0033】
前記網体30の構成は、特に限定はされるものではないが、直径3〜10mm程度の金属線等の剛線を編んで形成した金網等を使用することができる。この金網は、コンクリート類の打設時にコンクリート重量を受け止めることになるので、ある程度の剛性を有するものとするのが望ましい。網目の大きさは、コンクリート類の流し込み後このコンクリート類が養生して固化するまでの間に、コンクリート類が流出しない程度の大きさにする必要がある。これら金網の直径、剛性、網目の大きさ等の詳細な構成は、対象岩盤を考慮した擁壁の設計事項あるいは施工性やコンクリート類の搬送性等から導き出されるコンクリート類の物性に応じて適宜選択する。
【0034】
ここで網体30は、予め鉄筋20に係止するための係止部を形成しておき、この係止部を鉄筋20に引っ掛けて仮固定した後、針金等で結束・固定するようにすることができる。このように予め網体30を構成しておくと、施工時間が短縮される。
【0035】
また、網体30を付設するにあたって、後のコンクリート類打設の際に用いる圧送ホースを送入するために、網壁3の上部に網体30を付設しない部位(ホース送入口)を設けるように付設してもよい。
【0036】
(F:コンクリート類の打設)
鉄筋組体2に対して網体30,30…を付設して、対象岩盤Rの所定範囲を被覆する網壁3を設けたならば、次いで、コンクリート類の打設を行う。コンクリート類は、図6に示されるように、鉄筋組体2と網体30とで構成される網壁3と対象岩盤Rとの間の部位に、法肩側面の開口部Qあるいは網壁3に設けた圧送ホース送入口からコンクリート類の圧送ホース6を送入して、コンクリート類Gを当該部位に噴射あるいは流し込んで充填する。
【0037】
用いるコンクリート類Gとしては、上述のように網体30の網目から流出しない物性のものとするが、網壁3には実質的にコンクリート重量が荷重され、特に法尻に近い側の部位ではその荷重圧が高くなるので、網壁3にかかる圧力の小さいコンクリート類を用いるのが望ましい。
【0038】
係るコンクリート類としては、セメント:砂の重量比を1:1〜4未満としたコンクリート類基材と水および各種添加剤とを混練してなるもので、その混練時のスランプ値が18〜27cmであり、充填後にそのスランプ値が5〜12cmに変化する組成のものが望ましい。スランプ値が変化するようにするには、レオペキシー的性能を有する添加剤を添加すればよい。
【0039】
レオペキシー効果によりスランプ値の変化が生じ、ダレが防止され、均一かつに材料を充填することができるとともに、搬送時および充填時の作業性が向上する。前記添加剤としては、無機質粘土鉱物等が挙げられ、なかでも、セピオライトが好適である。添加量としては、セメント量に対して前記無機質粘土鉱物を、0.5〜20重量%添加すればよい。
【0040】
また、必要に応じて、圧力ホースの先端ノズルの手前3〜40mにおいてコンクリート類に対してエアを混合しつつ圧送して充填を行うと、コンクリート類中の水分が拡散し、レオペキシー効果がより効果的に得られ、スランプ値の変化が確実なものとなる。
【0041】
ここで、充填後のスランプ値は、充填直後のコンクリート類を採取して測定してもよいし、圧送ホース先端のノズルから直接採取して測定してもよい。いずれの方法で測定しても同様の結果が得られる。なお、スランプ値は、JIS A 1101に基づいて測定する。
【0042】
ただし、上記のように網壁3にかかる荷重が小さい物性のコンクリート類Gを用いても、作業性、安全性を考慮して、1回で形成する所定高さの擁壁の高さ(法尻から法肩に向かう方向)は、1.0〜2.0m程度とするのが望ましい。コンクリート類Gの打設が終了したならば、従来既知の技術に従ってコテ仕上げ等を施して外表面の体裁を整え、対象岩盤Rの所定範囲αを被覆する擁壁x1を形成する施工を完了する。
【0043】
(G:次の範囲への移行)
上記に示す一連の施工が完了し、岩盤斜面の法尻側から所定範囲αに擁壁x1が形成されたならば、図1に示すように、その後に、この擁壁x1の上端部分を下端として、上述の(B:足場、配管の設置)から(F:コンクリート類の打設)までの工程を繰り返し、既設擁壁x1の法肩側に当該擁壁x1に連続する新たな擁壁x2を形成し、先に構築した擁壁x1と一体化させる。この施工を繰り返して、図7に示されるように、対象岩盤R全体を被覆する擁壁Xを形成する。
【0044】
(その他)
上記例では、対象岩盤全体に(A:準備工)を行った後、所定範囲に分けて(B:足場、配管の設置)から(F:コンクリート類の打設)までの工程を繰り返し、対象斜面全体を被覆する擁壁を設けることとしたが、必ずしもこのような工程の手順を踏む必要はない。すなわち、対象斜面全体に対して(A:準備工)から(C:ロックボルトの打設)までの工程を行った後に、所定の範囲について(D:鉄筋組体の設置)から(F:コンクリートの打設)までの工程を繰り返し、対象斜面全体を被覆する擁壁を設けてもよい。また、対象斜面全体に対して(A:準備工)から(D:鉄筋組体の設置)までの工程を行った後に、所定の範囲について(D:網体の付設)から(F:コンクリートの打設)までの工程を繰り返し、対象斜面全体を被覆する擁壁を設けてもよい。さらには、対象岩盤に一回の施工で擁壁を形成できる場合、例えば、構築すべき擁壁の高さが低い物である場合には、各工程を繰り返さずに1回の施工で擁壁を形成してもよい。
【0045】
<第2の実施の形態>
(概略)
第2の実施の形態として、老朽化したモルタル吹付壁に対する施工例を示す。本実施の形態では、図8に示すように、モルタル吹付壁Mを剥離せずに、このモルタル吹付壁Mを被覆する擁壁Xを設ける。このモルタル吹付壁M全体を被覆する擁壁Xを構築するに際しては、第1の実施の形態で述べたように所定範囲α,β,γの擁壁x1,x2,x3を順次積み重ねて構築する施工を行う。一方、地山R上に構築されたモルタル吹付壁Mでは、図示例のように、老朽化等により当該モルタル吹付壁Mの裏面側、すなわち地山Rとモルタル吹付壁Mとの間に、侵食等によって生じた空隙S(図9参照)に、セメントコンクリート類の注入材を注入して空隙Sを埋め、モルタル吹付壁Mと地山Rとの接着性を高める施工をも行う。このようにすると、地山Rとモルタル吹付壁Mとの間において侵食の進行が防止され後に形成される擁壁の崩壊が予防される。各施工の詳細は次記のとおりである。
【0046】
(A:準備工)
第1の実施の形態と同様である。
【0047】
(B:足場・配管の設置)
第1の実施の形態と同様である。
【0048】
(C:ロックボルトの打設)
ロックボルト類10の打設態様等、例えば、頭部が斜面上(モルタル吹付面上)に突出するように打設することなどは、第1の実施の形態と同様であるが、本実施の形態では、このロックボルト類の打設の際に、モルタル吹付壁Mと対象地盤Rとの間に間隙Sが生じているかを調査する。調査方法については特に限定されない。従来既知の調査方法によればよい。そして、調査により間隙Sが認められた場合には、当該部位に目印を付与する。この目印はどのようなものでも構わない。例えば、視認しやすいように当該部位にペンキ等で印を付する。
【0049】
(D:鉄筋組体の設置)
第1の実施の形態と同様である。
【0050】
(E:網体の付設)
第1の実施の形態と同様である。
【0051】
(H:注入管の設置)
図9に示されるように、前記鉄筋組体2の設置および網体30の付設と同時に、あるいは、網体30の付設後に、前記目印に基づいて、モルタル吹付壁Mと地山Rとの間の間隙Sに注入材を注入するための、注入管4を設置する。注入管4は、従来既知のいわゆる注入工法に用いられているものを使用できる。注入管4の設置は、図9に示されるように、モルタル吹付壁M外面から注入管4をその先端が空隙Sに達するまで挿入し、注入口4iとなる管の後端が鉄筋組体2に網体30を付設して構築した網壁3よりも外方に突出するように配設する。
【0052】
(F:コンクリートの打設)
第1の実施の形態と同様である。
【0053】
(I:注入材の注入)
コンクリート類の打設が完了し、所定範囲の擁壁が形成されたならば、前記注入管4を介して、モルタル吹付壁Mと地山Rとの間の空隙Sに注入材を注入する。先の注入管4の設置において、注入管4の後端を網壁3よりも外方に突出させて配置しているので、注入口4iは形成された擁壁外面よりも突出した位置にある。従って、この注入口4iに、注入材を圧送する管路等を接続し注入材を圧送すれば、空隙Sに注入材が注入される。注入材を単位時間あたりどの程度圧送するかなど、注入に関するその他の詳細な事項については、現場の態様等に応じて適宜決定する。注入材についても、従来既知のセメントグラウト、セメントコンクリート類の注入材のなかから、モルタル吹付壁の物性、風化具合、地山の地質等を考慮して、適宜選択する。空隙Sに注入材が注入されたならば、注入口4iの口元処理を行うとともに、注入口4iから漏れた注入材の清掃を行う。
【0054】
かくして、モルタル吹付壁Mと地山Rとの間の空隙Sに注入材が注入されるとともに、所定範囲の擁壁が形成される。
【0055】
(G:次の工程への移行)
第1の実施の形態と同様である。
【0056】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態として、ロックネットが既設されている斜面に対する施工例を示す。
(概略)
従来の技術の欄でも述べたとおり、ロックネット既設斜面は、道路に面した斜面であることが多く、ロックネットを取り外して施工すると危険性が高く、また、直下の道路の通行の妨げとなる。本実施の形態では、図10に示されるように、既設ロックネット50を撤去せずにロックネット50を被覆するように擁壁Xを設ける。施工の概略としては、第1および2の実施の形態においては、網体30を鉄筋組体2に取り付けていたが、本実施の形態では、既設のロックネット50に対して網体30を取り付けて網壁3を構築する。施工の詳細は次記のとおりである。
【0057】
(A:準備工)
第1の実施の形態と同様である。
【0058】
(B:足場・配管の設置)
第1の実施の形態と同様である。
【0059】
(C:ロックボルトの打設)
図11に示されるように、ロックネット50は、対象斜面に複数のロックボルト類10,10を打設した後、PC鋼線等で形成される可撓性の線材等を前記ロックボルト類の頭部に連結しつつ、崩落や落石の危険性のある岩盤部位を被覆するようにネット状に配置して構成されている。従って、ロックボルト類10,10は既に打設されているため、基本的にはあらたに打設する必要はない。ただし、既設のロックボルト類10,10のみでは、補強筋としての効果が小さい場合などは、新たにロックボルト類10,10を打設する。このようなロックボルト類の増設は対象斜面の状況に応じて適宜行う。新たなロックボルトを打設するにあたっては、第1の実施の形態と同様にして行う。
【0060】
(D:鉄筋組体の設置)
ロックネット既設斜面は、上記のように、対象斜面を被覆するように線材等がネット状に配置されており、かかるネットは網体30の付設対象として、上述の鉄筋組体2とほぼ同様の作用効果が得られるので、本実施の形態では、図示例のように、網体30は当該ネット50に付設する。従って、基本的には、鉄筋組体2を構成する必要はないが、ロックボルト類の打設と同様に、既設ネット50のみでは、補強筋としての効果が小さい場合や、ネット50に網体30を付設することが困難である部位では、鉄筋組体2を設置してもよい。この鉄筋組体2は、既設ロックボルト類10を利用して組み立ててもよいし、新たにロックボルト類を打設して形成してもよい。
【0061】
(H:ロックネットに対する網体の付設)
網体30をロックネット50等に対して付設すること以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0062】
(F:コンクリート類の打設)
第1の実施の形態と同様である。
【0063】
(G:次の工程への移行)
第1の実施の形態と同様である。
【0064】
【発明の効果】
以上、詳述のとおり本発明によれば、老朽化したモルタル吹付壁の剥離作業やロックネットの撤去作業を行わずに施工が可能な斜面安定化工法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の概略を説明するための図である。
【図2】 第1の実施の形態のロックボルトの打設態様を説明するための図である。
【図3】 第1の実施の形態の鉄筋組体の設置態様を説明するための図である。
【図4】 第1の実施の形態の網体の設置態様を説明するための図である。
【図5】 第1の実施の形態の網体の設置態様を説明するための他の図である。
【図6】 第1の実施の形態のコンクリート類の打設態様を説明するための図である。
【図7】 対象岩盤全体を被覆する擁壁を示す断面図である。
【図8】 モルタル吹付面に対する施工概略を示す断面図である。
【図9】 注入管の設置態様を説明するための図である。
【図10】 ロックネット既設斜面に対する施工態様を示す図である。
【図11】 ロックネット既設斜面に対する網体の付設態様を説明するための図である。
【符号の説明】
2…鉄筋組体、3…網壁、4…注入管、4i…注入口、5…線材(ロックネットのネット部材)、6…コンクリート類の圧送ホース、10…ロックボルト、10H…ロックボルトの頭、10L…ロックボルトの突出長、20…鉄筋、30…網体、50…ロックネット、X…対象範囲全体を被覆する擁壁、x1…所定範囲αの擁壁、x2…所定範囲βの擁壁、x3…所定範囲γの擁壁、α,β,γ…所定範囲、G…コンクリート類、M…モルタル吹付壁、R…対象岩盤,地山、S…空隙、Q…法肩側開口部。
Claims (9)
- 対象斜面上に擁壁を形成して斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、
複数のロックボルト類をその頭部を突出させた状態で対象斜面に打設した後、
これらロックボルト類の頭部を鉄筋で連結して格子面状の鉄筋組体を形成し、
この鉄筋組体に対して網体を付設して、鉄筋組体と網体とによって、前記対象斜面との間に間隔を開けた位置でその対象斜面を被覆しかつ法肩側面が開口する網壁を形成し、
その後に、前記法肩側面の開口から前記網体と対象斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填することを特徴とする斜面安定化工法。 - 対象斜面上に擁壁を形成して斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、
複数のロックボルト類をその頭部を突出させた状態で対象斜面に打設した後、
これらロックボルト類の頭部に鉄筋を連結して格子面状の鉄筋組体を形成し、
この鉄筋組体に対して網体を付設して、鉄筋組体と網体とによって、前記対象斜面との間に間隔を開けて位置し、かつ、法肩側面が開口する網壁を形成し、
その後に前記法肩側面の開口から前記網体と対象斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填する施工を、
前記対象斜面の法尻から法肩に向かって繰り返し、前記所定幅および所定長の擁壁を法尻から法肩に向かって順次連続的に積み重ねて対象斜面全体を被覆する一体的な擁壁を形成することを特徴とする斜面安定化工法。 - 前記対象斜面が既設モルタル吹付壁面であり、その既設モルタル吹付壁を剥離せずに、複数のロックボルト類をその頭部を突出させた状態で打設する請求項1記載の斜面安定化工法。
- ロックボルト類を打設する際に、既設モルタル吹付壁と地山との間に空隙が存在しているか否かを調査し、空隙が認められた場合にその部位に印を付与し、
その後の鉄筋組体の設置時、網体の付設時又は網体の付設後に、前記印に基づいて前記空隙に注入材を注入して既設モルタル吹付壁と地山との間の空隙を埋め、
その後に前記法肩側面の開口から前記網体と対象斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填する請求項3記載の斜面安定化工法。 - ロックネット既設斜面に擁壁を形成して斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、
既設ロックネットを撤去せずに、その既設ロックネットに対して網体を付設して、既設ロックネットと網体とによって、前記対象斜面との間に間隔を開けた位置でその対象斜面を被覆しかつ法肩側面が開口する網壁を形成し、
その後に前記法肩側面の開口から前記網体と斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填し、
前記ロックネット既設斜面上に擁壁を形成することを特徴とする斜面安定化工法。 - ロックネット既設斜面に擁壁を形成して斜面の安定化を図る斜面安定化工法であって、
既設ロックネットを撤去せずに、その既設ロックネットに対して網体を付設して、既設ロックネットと網体とによって、斜面との間に間隔を開けた位置でその対象斜面を被覆しかつ法肩側面が開口する網壁を形成し、
その後に前記法肩側面の開口から前記網体と斜面との間に前記網体の網目から流出しない物性のコンクリート又はモルタルを充填し、
前記ロックネット既設斜面上に所定幅および所定長の擁壁を形成する施工を、
前記ロックネット既設斜面の法尻から法肩に向かって繰り返し、前記所定幅および所定長の擁壁を法尻から法肩に向かって順次連続的に積み重ねてロックネット既設斜面全体を被覆する一体的な擁壁を形成することを特徴とする斜面安定化工法。 - 前記擁壁を形成する前に、予め対象斜面の軟弱部を掘削除去する請求項1〜6の何れか1項に記載の斜面安定化工法。
- 混練時のスランプ値が18〜27cmであって、充填後にそのスランプ値が5〜12cmの範囲に変化する組成のコンクリート又はモルタルを充填する請求項1〜7に記載の斜面安定化工法。
- 混練時のスランプ値が18〜27cmのコンクリート又はモルタルを圧送路の途中でエアと混合しつつ圧送して充填し、充填後におけるそのスランプ値を5〜12cmの範囲にする請求項1〜3の何れか1項に記載の斜面安定化工法。
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