JP4058827B2 - Cd−rwディスクの消去方法およびcd−rwディスク装置 - Google Patents
Cd−rwディスクの消去方法およびcd−rwディスク装置Info
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マルチセッション記録されたCD−RW(コンパクトディスク‐リライタブル)ディスクの消去方法およびCD−RWディスク装置に関し、ディスク全体の消去(フルイレーズ)よりも短時間で消去することができ、かつ消去したはずの情報を誤って読み込むのを防止したものである。
【0002】
【従来の技術】
CD−RWディスクの記録方式の1つとしてマルチセッション記録が規格化されている。これは、リードイン領域、プログラム領域、リードアウト領域の組合せを1セッションとして、複数セッションを1枚のディスクに記録するようにしたものである。各セッションにおいて、リードイン領域は、各セッションにあるトラックの情報であるTOC(Table of Contents)情報を格納している。プログラム領域にはユーザデータおよび前のセッションからのパステーブルを含む情報が格納されていることが多い。また、記録は、ディスクの内周より外周に向けてセッションを順番に記録していく決まりになっている。
【0003】
したがって、マルチセッション対応光ディスク装置(CD−ROMドライブ、CD−Rドライブ、CD−RWドライブなど)においては、すべてのトラック情報および最新のユーザデータ情報すなわち最終セッションに記録されたパステーブルを取得するために、ディスクが装填された以降、最内周のリードイン領域のQサブコード情報を読み取って、該ディスクがマルチセッション記録されたディスクであることを判別すると、最終セッションまでのすべてのトラック情報および最終セッションのパステーブルを探すためのディスクサーチを行う。
【0004】
最終セッション迄のすべてのトラック情報を探す方法として、各セッションのリードイン領域を順次読み継いでいく方法がある。すなわち、初めに第1セッションのリードイン領域のTOC情報の読み取りを行い、このとき得られる第2セッションのプログラム開始時間情報を手がかりに次に第2セッションのリードイン領域にアクセスして第2セッションのTOC情報の読み取りを行い、このとき得られる第3セッションのプログラム開始時間情報を手がかりに次に第3セッションのリードイン領域にアクセスして第3セッションのTOC情報の読み取りを行うようにして、各セッションのリードイン領域に順次アクセスしていく。そして、アクセスした先にリードイン領域のデータが無かった場合は未記録部分と判断して、その直前のセッションを最終セッションと判定する。最終セッションまでのすべてのトラック情報が得られたら、引き続き最終セッションのトラック情報を基に最終セッションのパステーブル等へのアクセスを実施して、最終セッションのパステーブル等を取得する。
【0005】
ところで、CD−RWディスクの全面を消去する従来の消去方法にはフルイレーズ(Full Erase)とクイックイレーズ(Quick Erase)がある。フルイレーズは論理“0”を全面に書き込んでいくもので、記録した内容を完全に消去できるメリットがある反面、消去時間が長くかかる欠点がある。例えば、74分ディスクを1倍速で消去するときは、74分以上かかることになる。一方、クイックイレーズは第1セッションのリードイン領域よりも内周側にあるPMA(Program Memory Area:1つのセッションが完結する前の該セッションの各トラックの情報を書き留めておく領域)および第1セッションのリードイン領域からプリギャップまでのみ消去するものである。PMA領域および第1セッションのリードイン領域を消去すると、該CD−RWディスクが装填されたマルチセッション対応型光ディスク装置は、最初にアクセスするPMA領域からもリードイン領域からもトラックに関する何の情報も取得できないので、すべてのトラックが消去されたディスクと判定する。したがって、クイックイレーズはフルイレーズと同等の効果を短時間の消去動作で実現することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
クイックイレーズされたCD−RWディスクはPMA領域および第1セッションのリードイン領域以外のデータは依然として残されているため、新たにマルチセッション記録を行うと問題が発生する場合がある。すなわち、クイックイレーズし、新たに第1セッションまで記録したCD−RWディスクをマルチセッション対応光ディスク装置に装填すると、該光ディスク装置は新第1セッションのリードイン領域から第2セッションのプログラム領域の開始時間情報を取得し、この情報に基づいて第2セッションのリードイン領域が存在すべきアドレスをアクセスする。このとき偶然にもクイックイレーズ前の旧データのリードイン領域がそのアドレスに存在していた場合には、光ディスク装置はそれを第2セッションのリードイン領域と誤って判断してしまい、該旧データのリードイン領域を順次読み継いでいって、残存している旧セッションの全TOC情報を取得するとともに、旧最終セッションのTOC情報に基づいて旧最終セッションのパステーブルを取得する。その結果、該光ディスクには新第1セッションが記録されているにもかかわらず、取得されたパステーブルには新第1セッションに対応した情報が存在しないため、新第1セッションの各ファイルにはアクセスできなくなる。また、新第2セッションを記録しようとしても新第1セッションの直後に続けて記録することができなくなる。
【0007】
この発明は、従来のクイックイレーズの上述した問題点を解決して、クイックイレーズ前のデータを誤って読み込むのを防止したCD−RWディスクの消去方法およびCD−RWディスク装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のCD−RWディスクの消去方法は、マルチセッション記録されたCD−RWディスクの消去方法であって、全セッションのプログラム領域およびリードアウト領域を残して、PMA領域および全セッションのリードイン領域を消去するものである。
【0009】
また、この発明のCD−RWディスクの消去方法は、マルチセッション記録されたCD−RWディスクが装填された後の適宜の時点で、第1セッションのリードイン領域のQサブコードに記録されている第2セッションのプログラム領域の開始時間情報を読み取って、該情報に基づき該プログラム領域の直前にある第2セッションのリードイン領域にアクセスし、該第2セッションのリードイン領域のQサブコードに記録されている第3セッションのプログラム領域の開始時間情報を読み取って、該情報に基づき該プログラム領域の直前にある第3セッションのリードイン領域にアクセスし、この動作を繰り返すことにより全セッションのプログラム領域の開始時間情報または該情報に基づくリードイン領域の記録位置情報を取得して記憶し、その後、CD−RWディスクの消去指令が与えられたときに、PMA領域を消去し、かつ前記記憶された全セッションのプログラム領域の開始時間情報またはリードイン領域の記録位置情報に基づき、全セッションのリードイン領域に順次アクセスして該領域を消去するものである。
【0010】
この発明のCD−RWディスク装置は、マルチセッション記録されたCD−RWディスクの消去指令が与えられたときに、全セッションのプログラム領域およびリードアウト領域を残して、PMA領域および全セッションのリードイン領域を消去する制御を行う制御部を具備しているものである。
【0011】
また、この発明のCD−RWディスク装置は、マルチセッション記録されたCD−RWディスクが装填された後の適宜の時点で、第1セッションのリードイン領域のQサブコードに記録されている第2セッションのプログラム領域の開始時間情報を読み取って、該情報に基づき該プログラム領域の直前にある第2セッションのリードイン領域にアクセスし、該第2セッションのリードイン領域のQサブコードに記録されている第3セッションのプログラム領域の開始時間情報を読み取って、該情報に基づき該プログラム領域の直前にある第3セッションのリードイン領域にアクセスし、この動作を繰り返すことにより全セッションのプログラム領域の開始時間情報または該情報に基づくリードイン領域の記録位置情報を取得してメモリに記憶し、その後、CD−RWディスクの消去指令が与えられたときに、PMA領域を消去し、かつ前記記憶された全セッションのプログラム領域の開始時間情報またはリードイン領域の記録位置情報に基づき、全セッションのリードイン領域に順次アクセスして該領域を消去する制御を行う制御部を具備しているものである。
【0012】
この発明によれば、PMA領域および全セッションのリードイン領域を消去するので、消去前の情報を誤って読み込むのが防止され、しかもプログラム領域およびリードアウト領域は消去しなくて済むので、短時間で消去することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を以下説明する。図1は、この発明が適用されたCD−RWドライブ10の概要構成を示したものである。CD−RWディスク12はスピンドルモータ14で回転され、光ヘッド16で記録が行われる。スピンドルモータ14の回転制御、光ヘッド16の送り制御、フォーカス制御、トラッキング制御等は光ヘッド16の戻り光検出信号に基づきサーボ回路18によって行われる。記録・消去信号生成回路20は、記録時にホストコンピュータ22から送出される記録情報に基づき記録信号(レーザ駆動信号)を生成して光ヘッド16内のレーザ光源を駆動してCD−RWディスク12に該情報の記録を行う。また、消去時には、所定フォーマットの消去信号を生成して同レーザ光源を駆動してCD−RWディスク12に該消去信号の記録(すなわち消去)を行う。制御部24は、記録、再生、消去等の指令入力に基づくホストコンピュータ22からの指令に基づき、CD−RWドライブ10内の各部を制御して、該当する動作を実行させる。メモリ26は、CD−RWディスク12のPMA領域、各セッションのリードイン領域等から読み取られる情報等を記憶する。
【0014】
メモリ26への情報の取り込みはCD−RWドライブ10がディスクの装填を検出した時に、制御部24からの指令に基づき自動で行われる。すなわち、CD−RWドライブ10にCD−RWディスク12が装填されると、制御部24は光ヘッド16をPMA領域の開始位置(固定位置)に位置決めして、該PMA領域に記録されている情報(記録途中のセッションのTOC情報)のメモリ26への取り込みを行う。次いで、光ヘッド16を第1セッションのリードイン領域の開始位置(固定位置)に位置決めして、該リードイン領域の情報のメモリ26への取り込みを行う。この時、メモリ26に取り込まれた情報のQサブコードの“ADR”データがモード5のときに“POINT”データがB0を示すときは、制御部24はマルチセッションディスクであることを判断し、その時のQサブコードの“PMIN,PSEC,PFRAME”の値を次セッション(第2セッション)のプログラム領域の開始時間情報と判断する。
【0015】
そして、該第1セッションのリードイン領域の情報のメモリ26への取り込みが終了したら直ちに第2セッションのリードイン領域の開始位置(CD−RW規格では、プログラム領域の開始時間の01分00秒00フレーム前の位置として定められている。)にアクセスして、同様に該リードイン領域の情報のメモリ26への取り込みを行う。以後同様にして、各セッションのリードイン領域から読み取られる次セッションの開始時間情報に基づき該次セッションのリードイン領域の開始位置に順次アクセスして、各セッションのリードイン領域に記録されている情報のメモリ26への取り込みが行われる。次セッションのリードイン領域の開始位置としてアクセスした位置からリードイン領域を示す情報が読み取られなかった場合は、未記録領域または消去された領域と判断して、ディスク装填時の初期動作を終了する。
【0016】
この初期動作の結果、メモリ26には、PMA領域および各セッションのリードイン領域から読み取られたデータ(現時点迄に記録済の最終セッション番号、各セッションのプログラム領域の開始時間、第1セッションの開始時間、PMA領域の開始時間、PMA領域内の既記録部の最終時間等の情報を含む。)が記憶されている。初期動作が終了すると、CD−RWドライブ10は記録、再生、消去等の指令を受け付けるスタンバイ状態となり、外部からの指令入力に基づくホストコンピュータ22からの指令により、該当する動作を実行する。
【0017】
CD−RWディスク12全体の消去が指令された時の制御部24による消去制御を図2のフローチャートに基づいて説明する。外部からホストコンピュータ22にクイックイレーズによる全トラックの消去指令が与えられると、ホストコンピュータ22はCD−RWドライブ10に対しクイックイレーズによる全トラックの消去指令を発行する。制御部24はこれを受けて、メモリ26に記憶されているPMA領域の開始時間およびPMA領域内の既記録部の最終時間の情報に基づき、PMA領域の開始位置から少なくともPMA領域内の既記録部の終了位置まで、PMA領域の所定の消去フォーマットで消去信号の記録を行って、PMA領域に記録されている情報の消去を行う(S1)。
【0018】
次に、全セッションのリードイン領域の消去を行う(S2〜S5)。一例として、先頭のセッション(第1セッション)から順番に消去を行う場合について説明する。第1セッションのリードイン領域は、メモリ26に記憶されている第1セッションの開始時間(=第1セッションのリードイン領域の開始時間)の情報に基づき、該開始位置から第1セッションのリードイン領域の最終時間として定められている99分59秒74フレームまでを消去する。第2セッション以降はメモリ26に記憶されている各セッションのプログラム領域の開始時間情報に基づき、その時間の1分00秒00フレーム前として定められている当該セッションのリードイン領域の開始位置からプログラム領域の開始位置までをリードイン領域の所定の消去フォーマットまたはプログラム領域の所定の消去フォーマットで消去信号の記録を行うことによって消去する。
【0019】
全セッションのリードイン領域の消去が終了したら、メモリ26内の情報(最大セッション番号、各セッションのプログラム領域の開始時間、第1セッションの開始時間、PMA領域の開始時間、PMA領域内の既記録部の最終時間等の情報等を含む。)をブランクディスク(未記録ディスク)の状態に設定する(S6)。以上で消去動作を終了する。
【0020】
図3は、以上の消去動作による消去前と消去後の状態を示したものである。ハッチングで示したのが有効な情報が記録されている部分である。消去動作によってPMA領域および各セッションのリードイン領域が消去されている。プログラム領域には依然として情報が記録されたままになっているが、PMA領域および各セッションのリードイン領域が消去されているので、プログラム領域の情報を読む手がかりが得られず、これらプログラム領域の情報を読み込むことはできない。
【0021】
なお、上記実施の形態ではメモリ26に各セッションのプログラム領域の開始時間情報を記憶しておき、消去が指令された時にこれを基にその1分00秒00フレーム前の位置をリードイン領域の開始位置として求めてそこから消去を開始するようにしたが、各セッションのプログラム領域の開始時間情報を基に予めその1分00秒00フレーム前の位置を求めてメモリ26に記憶しておき、消去が指令された時に、該記憶されている各セッションのリードイン領域の開始時間情報で示される位置を直接アクセスして消去を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示すCD−RWドライブの概要構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の制御部24による消去制御を示すフローチャートである。
【図3】 図2の消去制御によるCD−RWディスクの消去前の記録状態および消去後の記録状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10…CD−RWドライブ(CD−RWディスク装置)、12…CD−RWディスク、24…制御部、26メモリ。
Claims (4)
- マルチセッション記録されたCD−RWディスクの消去方法であって、全セッションのプログラム領域およびリードアウト領域を残して、PMA領域および全セッションのリードイン領域を消去するCD−RWディスクの消去方法。
- マルチセッション記録されたCD−RWディスクが装填された後の適宜の時点で、第1セッションのリードイン領域のQサブコードに記録されている第2セッションのプログラム領域の開始時間情報を読み取って、該情報に基づき該プログラム領域の直前にある第2セッションのリードイン領域にアクセスし、該第2セッションのリードイン領域のQサブコードに記録されている第3セッションのプログラム領域の開始時間情報を読み取って、該情報に基づき該プログラム領域の直前にある第3セッションのリードイン領域にアクセスし、この動作を繰り返すことにより全セッションのプログラム領域の開始時間情報または該情報に基づくリードイン領域の記録位置情報を取得して記憶し、
その後、CD−RWディスクの消去指令が与えられたときに、PMA領域を消去し、かつ前記記憶された全セッションのプログラム領域の開始時間情報またはリードイン領域の記録位置情報に基づき、全セッションのリードイン領域に順次アクセスして該領域を消去するCD−RWディスクの消去方法。 - マルチセッション記録されたCD−RWディスクの消去指令が与えられたときに、全セッションのプログラム領域およびリードアウト領域を残して、PMA領域および全セッションのリードイン領域を消去する制御を行う制御部を具備しているCD−RWディスク装置。
- マルチセッション記録されたCD−RWディスクが装填された後の適宜の時点で、第1セッションのリードイン領域のQサブコードに記録されている第2セッションのプログラム領域の開始時間情報を読み取って、該情報に基づき該プログラム領域の直前にある第2セッションのリードイン領域にアクセスし、該第2セッションのリードイン領域のQサブコードに記録されている第3セッションのプログラム領域の開始時間情報を読み取って、該情報に基づき該プログラム領域の直前にある第3セッションのリードイン領域にアクセスし、この動作を繰り返すことにより全セッションのプログラム領域の開始時間情報または該情報に基づくリードイン領域の記録位置情報を取得してメモリに記憶し、その後、CD−RWディスクの消去指令が与えられたときに、PMA領域を消去し、かつ前記記憶された全セッションのプログラム領域の開始時間情報またはリードイン領域の記録位置情報に基づき、全セッションのリードイン領域に順次アクセスして該領域を消去する制御を行う制御部を具備しているCD−RWディスク装置。
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