JP4058763B2 - 電子部品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体部品あるいは水晶振動子、水晶発振器等の圧電振動デバイス等の電子部品の製造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体部品あるいは圧電振動デバイスはその小型化が急速に進むとともに、駆動電圧についても低電圧化しており、また多機能化も進んでいる。これに伴い従来の電子部品に較べて多くの製造あるいは検査を必要としている。例えば、水晶振動子と、発振回路および温度補償回路を内蔵した半導体チップとを一体的に気密収納した水晶発振器においては、パッケージの気密封止後出荷前の最終製造や検査として、数種類の製造、調整あるいは検査を行っている。例えば、周波数温度特性検査や、半導体チップへの必要な情報の書き込み、波形特性検査等である。これら製造および検査においては円板形状のインデックステーブルを有する製造装置を用い、インデックステーブルを間欠的に回転させ、インデックステーブルに設けられた複数の製造ステーションにより、製造または検査を実行し電子部品を製造しあるいは所望の特性を有しているか検査を行っていた。
【0003】
このようなインデックステーブルを用いた製造装置の例として、特開2001−165978号(特許文献1)がある。特許文献1においては水晶片の振動周波数を測定し、所定の周波数毎に分類する装置に関するものであるが、水晶片をパレットから回転板の保持孔に移載し、回転板により所定の位置まで移動させ、当該位置で水晶片の振動周波数を測定する。そしてさらに回転板を回転させ、回転アームの吸着ノズルで水晶片を吸着させ、測定結果に基づいて分類箱に水晶片を投入する構成が開示されている。
【0004】
このようにインデックステーブルを用いた装置はテーブルの回転により作業領域を順次変えていくことができるので、従来においても多用されていた。しかしながら、当該構成において電子部品の製造、検査を行った場合、多品種生産に対応させるには不向きであり、生産性の低下を招くことがあった。例えば、最初の製造対象電子部品に対して異なる製造が必要な場合は、製造ステーションの製造機構を取り替える必要があったり、電子部品のサイズあるいは電極パッドの配置が異なった場合は、各ステージに設けられた電子部品を保持するワークポケットの変更や、検査端子等を有するコンタクトブロックの変更を行う必要があった。このような取り替え作業等は多品種生産の防げとなり、生産性の低下を招いていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−165978号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、多品種生産に対応し、生産性を向上させることのできる電子部品の製造方法および製造装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平面的に回転する、例えば円板形あるいは多角形のインデックステーブルを用いるとともに、このインデックステーブルの半回転の間に必要な製造を行い、インデックステーブルを正回転または逆回転させることにより、正回転側の半回転と逆回転側の半回転で異なる製造を行わしめることに着目してなされたもので、次のような製造方法および製造装置を特徴的構成としている。なお、本発明において製造とは、電子部品の製造のほかに、その電子部品の特性の調整や特性の検査等についても含んだ意味として使用している。
【0008】
請求項1は、平面的に正回転および逆回転が可能なインデックステーブルに所定の間隔で設けられたステージを供給ステーションに位置させる工程と、前記インデックステーブルを一方向に間欠的に回転させるとともに、当該供給ステーションにおいて順次電子部品を搭載する工程と、前記電子部品の搭載されたステージをインデックステーブルの所定の位置に対して少なくとも1つ設けられた製造ステーションに位置するようインデックステーブルを回転移動させる工程と、前記製造ステーションにおいて前記電子部品に対して必要な製造を行う工程と、排出ステーションまでインデックステーブルを回転移動させる工程と、当該排出ステーションにおいて前記電子部品をインデックステーブルから所定の格納部に移載する工程を有する電子部品の製造方法であって、
前記製造ステーションは正回転方向と逆回転方向のそれぞれにおいて、インデックステーブルが半回転する内に必要な製造が完了するよう設けられ、製造する電子部品の種類に応じてインデックステーブルの回転方向を選択する工程とを有することを特徴としている。
【0009】
上記発明によれば、インデックステーブルの正回転および逆回転を可能とし、供給ステーションから正回転あるいは逆回転で排出ステーションへ移動する、それぞれの半回転内において予定するすべての製造を完了させている。このような場合、インデックステーブルを挟んで供給ステーションの対面側には排出ステーションが位置することになり、インデックステーブル上の処理における開始点と終点を共用しつつ、かつ正回転と逆回転で異なった製造処理を行うことができる。これにより、供給ステーションと排出ステーションを固定することができるので、汎用性の高い製造方法を提供できる。またインデックステーブルの回転方向を適宜切り替えることにより、形状、製造内容の異なった電子部品の製造を行うことができるので、多品種生産に適している。
【0010】
またこのような製造方法において、良否判定を行ってもよい。すなわち請求項2に示すように、製造ステーションにおける製造情報をもとに電子部品の良否判定を行い、当該判定に基づき排出ステーションにおいて良品と不良品を分けて排出する工程を有する電子部品の製造方法である。
【0011】
請求項2によれば、製造ステーションでの不具合の生じた電子部品、あるいは検査において不具合品と判断された電子部品を区別して排出ステーションから分別して排出することにより、製造後の不良品を製造工程上に流すことがなくなる。
【0012】
また請求項3に示すように、上記製造方法において、インデックステーブルには正回転用と逆回転用の2種類のステージが設けられ、当該各ステージは交互にインデックステーブル外周に配置している構成としてもよい。
【0013】
例えば、正回転用のステージには外形サイズが大の電子部品(ワーク)用のワークポケットを設け、また逆回転用のステージには外形サイズ小の電子部品(ワーク)用のワークポケットを設け、このような各ステージを等間隔で交互にインデックステーブル外周に配置する。これにより正回転時には外形サイズ大用のステージを供給ステーションに位置させ、当該ステージの配置間隔でインデックステーブルを間欠的に回転させることにより外形サイズ大の電子部品のみの製造を行うことができる。
【0014】
また逆回転時には外形サイズ小用のステージを供給ステーションに位置させ、当該ステージの配置間隔で(実質的には外形サイズ大用の間隔と同じ)インデックステーブルを間欠的に回転させることにより、外形サイズ小の電子部品のみの製造を行うことができる。なお、このような外形サイズの大小のみならず、種類、機能の異なった電子部品に対する製造等に適用してもよい。
【0015】
さらに請求項4に示すように、上述の製造方法において、予め異なる回転用のステージを前記供給ステーションに移動させた後、異なる回転方向により製造を行う工程を設けてもよい。例えば、正回転から逆回転に切り替える場合、正回転においては正回転用のステージのみが各ステーションに位置するような回転角度毎に間欠動作をさせている。これを逆回転させる場合、逆回転用のステージを各ステーションに位置するように供給ステーションに移動させることにより、逆回転用の原点を作り出している。なお、この場合、製造時における回転角度の1/2の角度の移動を行うことになる。
【0016】
次に本発明による製造装置について説明する。請求項5に示す製造装置は、複数種類の電子部品に対応した各々複数のステージを有するとともに、平面的に回転するインデックステーブルと、当該インデックステーブルのステージに電子部品を搭載する供給ステーションと、当該インデックステーブルの正回転における半回転内に第1の電子部品に対する所定の製造を行う一方の製造ステーションと、インデックステーブルの逆回転における半回転以内に第2の電子部品に対する所定の検査を行う他方の製造ステーションと、検査の完了した電子部品をインデックステーブルのステージから排出する排出ステーションと、製造対象となる電子部品に応じてインデックステーブルの正回転または逆回転に動作させるとともに、各回転方向に応じた検査を実行するよう制御する制御部とからなる構成を特徴としている。
【0017】
上記発明によれば、インデックステーブルの正回転および逆回転を可能とし、それぞれの回転の半回転内において予定するすべての製造を完了させている。このような場合、供給ステーションの対面側には排出ステーションが位置することになり、インデックステーブル上の処理における開始点と終点を共用しながら、かつ異なった製造処理を行うことができる。これにより、供給ステーションと排出ステーションを固定することができるので、汎用性の高い製造方法を提供できる。またインデックステーブルの回転方向を適宜切り替えることにより、形状、製造内容の異なった電子部品の製造を行うことができるので、多品種生産に適している。
【0018】
なお、上記構成において、製造ステーションにおける製造情報をもとに良否判定を行い、当該判定に基づき排出ステーションにおいて良品と不良品を分けて排出する機構を設けてもよい。
【0019】
本構成によれば、製造ステーションでの不具合の生じた電子部品、あるいは検査において不具合品と判断された電子部品を区別して排出ステーションから分別して排出することにより、製造後の不良品を製造工程上に流すことがなくなる。さらに請求項7に示すように、上記構成に付加して、インデックステーブルに設けられたステージは、正回転用と逆回転用の2種類の電子部品用ステージであり、当該各ステージは交互にインデックステーブル外周に配置されている構成であってもよい。
【0020】
上記構成により、正回転時には第1のステージ(例えば電子部品大のもの)の間隔でインデックステーブルを間欠的に回転させることにより、また逆回転時には第2のステージ(例えば電子部品大のもの)の間隔でインデックステーブルを間欠的に回転させることにより2種類の電子部品を効率よく製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面とともに説明する。図1は本実施の形態に係る製造装置の概略構成図であり、図2は図1においてインデックステーブル部分のみを示すとともに、供給ステーションに位置するステージを逆回転用に切り替えた状態を示す図である。また図3は本発明の実施の形態に係るシステムブロック図である。図1において1はパーツフィーダ、2は第1の移載装置、3はインデックステーブル、4は第1の製造ステーション、5は第2の製造ステーション、6は第2の移載装置、7は第3の移載装置、Pはパレット、Dは不良品収納箱である。
【0022】
パーツフィーダ1は投入された電子部品(ワーク)を整列して排出口へ供給する装置であり、すり鉢状の容器11にらせん状の流路を形成し(図示せず)、容器に微小振動を与えることにより、電子部品が排出口12に順次押し出される構成である。なお、パーツフィーダに代えて例えばパレットからインデックステーブルに供給する方式であってもよい。
【0023】
パーツフィーダの排出口12に送られた電子部品は第1の移載装置2によりインデックステーブル3の供給ステーションIに位置するステージに移載される。図1においては供給ステーションIにはステージA1が位置している。第1の移載装置2はアーム21を有し、当該アーム21は上下方向並びに縦方向の2次元的な動作が可能となっており、またアーム先端領域には吸引口21aが設けられている。排出口12にある電子部品Wをアーム21の吸引口21aにより吸引し、上部方向へ移動後縦方向に移動し、さらに下方向に移動してインデックステーブル3の供給ステーションI上に位置するステージA1のワークポケットに移載する。
【0024】
インデックステーブル3は円板形状であり、その表面の外周領域にはステージA1〜A8が所定の等間隔を保って全周に渡って設けられている。また同じく外周領域にはステージB1〜B8が前記ステージA1〜A8とは逆方向に、かつステージA1〜A8の各中間の位置に等間隔で全周に設けられている。これによりステージAの種類とBの種類が交互にインデックステーブル3の外周に設けられた構成となっており、ステージA1とA5、ステージA2とA6、ステージA3とA7、ステージA4とA8がそれぞれ180度対向配置されるとともに、ステージB1とB5、ステージB2とB6、ステージB3とB7、ステージB4とB8がそれぞれ180度対向配置されている。またインデックステーブル3において、パーツフィーダから移載される場所は供給ステーションIとなり、また供給ステーションの対面には排出ステーションOが形成されている。
【0025】
ところでインデックステーブル3は平面的に回転駆動可能となっており、一方の回転(正回転)と他方の回転(逆回転)が自在な構成となっている。当該回転は例えばサーボモータで駆動される。サーボモータはNC装置の制御部からのパルス信号で駆動し、回転速度、回転量等を制御するが、これによりインデックステーブル3を任意の設定で動作させることができる。本実施の形態においては、正回転用と逆回転用のステージをそれぞれ8つ設けているので、製造時には45度づつ間欠的に回転を行う。この回転量は製造工数等によって任意に設定することができ、サーボモータへの制御信号により調整することができる。
【0026】
またインデックステーブルの上部には製造ステーション4と製造ステーション5が設けられている。製造ステーション4は本実施の形態においてはステージA1〜A8に対する製造ステーションとなっており、複数の製造領域である製造ステーション41〜43が設けられている。また製造ステーション5はステージB1〜B8に対する製造ステーションとなっており、複数の製造領域である製造ステーション51〜53が設けられている。これら各製造ステーションには製造する内容に応じてそれぞれ必要な治具、装置、端子等が設けられ、必要に応じて駆動電源、マルチメータ、あるいはデータ書き込み装置、その他製造装置、調整装置、検査装置に接続されている。
【0027】
第2の移載装置6はインデックステーブル3の排出ステーションOに送られた電子部品を第3の移載装置7に移載する機能を有している。第2の移載装置6は吸引口を有するアーム61を有している。当該アーム61は本体60を中心として180度反転する動作を行い、排出ステーションOの電子部品を吸引後、反転して点線で示すような位置62に電子部品を保持する。一般的にインデックステーブル3上においては製造や検査の関係で電子部品の外部導出電極が上方を向いた位置に配置されるので、この反転動作により、電子部品の外部導出電極が下を向いた状態で次の移載動作に対し待機することになる。
【0028】
第3の移載装置7は本体70からアーム71が伸長した構成であり、アーム71が上下方向、縦方向、横方向の3次元方向に自在に動作させることができる。アーム71の先端領域には吸引口71aが設けられた構成であり、前述の第2の移載装置6により反転状態で保持された電子部品を吸引し、パレットPの所定の収納部分に格納することができる。パレットPはマトリクス状に格納領域を有するもので、電子部品を整列して配置することができる。
【0029】
なお、図3に本発明による制御システムの例を示している。図3における制御システムは複数の製造ステーション4、5を制御する制御部81と、インデックステーブルの動作を制御する回転制御部85、第1〜第3の移載装置2,6,7をそれぞれ制御する移載制御部82、83、84を有しているとともに、各制御部を統括管理する中央制御部80が設けられている。
【0030】
次に本製造装置を用いて2種類の水晶発振器(電子部品)を製造する製造工程例について説明する。1つの品種は第1の製造ステーション4において製造するTCXO(温度補償形水晶発振器)であり、各製造ステーションにおいて周波数偏差の検査を行い、その後TCXO内部の半導体チップに対して必要な補償データの書き込みを行い、その後波形特性の検査を行う例を示している。もう一つの品種は第2の製造ステーション5において製造するVCXO(電圧制御形水晶発振器)であり、各製造ステーションにおいて周波数温度特性、周波数制御データ書き込み、波形特性の検査を行う例を示す。
【0031】
まずパーツフィーダ1には第1の品種であるTCXO(電子部品W)を投入し、これによりパーツフィーダ1の排出口12には順次TCXOが送られる。図3に示す制御システムにおいては、第1移載制御部82により、第1の移載装置2に移載命令を出し、これにより当該TCXOを第1の移載装置のアーム21で吸引し、インデックステーブル3の供給ステーションIに位置するステージA1に移載する。なお、ステージA1へは電子部品の外部導出電極が上方を向くように搭載される。移載後、回転制御部85からインデックステーブル3に対し回転命令を出し、これによりインデックステーブルのステージA1は矢印で示す検査Aの方向に動作し、間欠的な回転により製造ステーション41に移動する。この際次のステージであるA8が供給ステーションに移動し次のTCXOの供給を受ける。
【0032】
さて、製造ステーション41においては周波数偏差の検査を行うが、TCXOの各外部導出電極に対してプローブ端子を当接させ、測定を実行する。測定データは製造ステーション41から制御部81を介してデータ記憶領域を有する中央制御部80に送られる。この測定データが送られると中央制御部80の指示により回転制御部からインデックステーブルに対して回転命令を出し、ステージA1は製造ステーション42に移動する。当該製造ステーション42においてはTCXO内部の半導体チップに対して必要な補償データの書き込みを行う。この書き込みは前段の測定データを参照し、適切な補償データを書き込む。補償データの書き込みが完了すると回転制御部からインデックステーブルに対して回転命令を出し、ステージA1は製造ステーション43に移動する。当該製造ステーション43においては波形特性の検査を行う。検査終了後回転制御部85の指示によりステージA1は排出ステーションOに移動する。このとき第1の製造ステーション4で行った製造あるいは検査におけるデータを中央制御部で判定し、排出ステーションOに位置しているTCXOの良否判定を行う。次に第2移載制御部の指令により第2の移載装置6で排出ステーションからTCXOを反転移載させ、さらに第3移載制御部の指令により第3の移載装置7で前記良否判定に基づいて、良品をパレットPに格納し、また不良品を不良品収納箱Dに収納する。以上の工程をパーツフィーダに投入されたTCXOについて順次製造を実行することにより、良品のみをパレットPに順次格納する。
【0033】
次に当該製造装置を用いて、別の電子部品であるVCXOを製造する工程例について説明する。VCXOの製造においてはインデックステーブル3を逆回転させ、ステージB1〜B8を用いるとともに、第2の製造ステーション5において製造を行う。まずステージBを用いるための原点を変更する動作を行う。例えば前工程の製造完了時点では供給ステーションIにおいてはステージA1〜A8のいずれかが位置している。これを隣接するB群のステージが供給ステーションすなわち原点位置に移動するよう、インデックステーブルを正回転あるいは逆回転方向に回転移動させる。この移動は製造時の1/2の回転、すなわち本実施の形態においては22.5度の移動量となる。図2は図1においてインデックステーブル部分のみを示す図であるが、ステージA1が供給ステーションに位置していたものを、隣接するB群(B1〜B8)のステージに移動させる。このとき移動は正回転方向であっても逆回転方向であってもよい。
【0034】
なお、このようなステージ変更のための移動動作は予め原点ステージ決定しておいて必ず特定のステージから動作が開始されるように設定してもよい。例えばA群(A1〜A8)のステージを用いる場合の製造開始位置はA1と決定しておき、B群のステージを用いる場合の製造開始位置はB1と決定しておき、必ずA1あるいはB1のステージが供給ステーションに原点復帰するように設定しておいてもよい。
【0035】
VCXOの製造においても、パーツフィーダ1には第2の品種であるVCXO(電子部品W)を投入し、これによりパーツフィーダ1の排出口12には順次VCXOが送られる。図3に示す制御システムにおいては、第1移載制御部により、第1の移載装置に移載命令を出し、これにより当該VCXOWを第1の移載装置のアーム21で吸引し、インデックステーブル3の供給ステーションIに位置するステージB1に移載する。移載後、回転制御部85によりインデックステーブル3に対し逆回転の回転命令を出し、これによりインデックステーブル3のステージB1は矢印で示す検査Bの方向に動作し、間欠的な回転により製造ステーション51に移動する。この際次のステージであるB8が供給ステーションに移動し次のVCXOの供給を受ける。
【0036】
さて、製造ステーション51においては周波数温度特性の検査を行うが、VCXOの各外部導出電極に対してプローブ端子を当接させ、測定を実行する。測定データは製造ステーション51から制御部81を介してデータ記憶領域を有する中央制御部80に送られる。この測定データが送られると回転制御部85からインデックステーブル3に対して回転命令を出し、ステージB1は製造ステーション52に移動する。当該製造ステーション52においてはVCXO内部の半導体チップに対して必要な制御データの書き込みを行う。この書き込みは前段の測定データを参照し、適切な制御データを書き込む。制御データの書き込みが完了すると回転制御部からインデックステーブルに対して回転命令を出し、ステージB1は製造ステーション53に移動する。当該製造ステーション53においては波形特性の検査を行う。検査終了後回転制御部の指示によりステージB1は排出ステーションOに移動する。このとき製造ステーション5で行った製造あるいは検査におけるデータを中央制御部80で判定し、排出ステーションOに位置しているVCXOの良否判定を行う。次に第2移載制御部の指令により第2の移載装置で排出ステーションからVCXOを反転移載させ、第3移載制御部の指令により第3の移載装置で前記良否判定に基づいて、良品をパレットPに格納し、また不良品を不良品収納箱Dに収納する。以上の工程をVCXOについて順次製造を実行することにより、良品のみをパレットPに順次格納する。
【0037】
本実施の形態においては、製造ステーションを3つ設けた例を示したが、1つ以上の製造ステーションがインデックステーブルの半回転内に設定されていればよい。また製造ステーションで行う作業は、検査のみを行ってもよいし、製造あるいは調整のみを行ってもよい。さらに良否判定は必ずしも行う必要はなく、必要に応じて採用すればよい。
【0038】
また本実施の形態においては、TCXOとVCXOの製造例について説明したが、例えば半導体装置と水晶振動子や他の受動部品等の製造に適用してもよい。また2種類のステージに限定されるものではなく、例えば4種類のステージを設け、4種類のステージの並びを順番にインデックステーブル上に配置することにより、より多種類の電子部品の製造を行うことができる。この場合、インデックステーブルの回転量や各製造ステーションについては適宜設定変更する必要がある。
【0039】
【発明の効果】
上記発明によれば、インデックステーブルの正回転および逆回転を可能とし、それぞれの回転の半回転内において予定するすべての製造を完了させている。このような場合、インデックステーブルを挟んで供給ステーションの対面側には排出ステーションが位置することになり、インデックステーブル上の処理における開始点と終点を共用しつつ、かつ正回転と逆回転で異なった製造処理を行うことができる。これにより、供給ステーションと排出ステーションを固定することができるので、汎用性の高い製造方法を提供できる。またインデックステーブルの回転方向を適宜切り替えることにより、形状、製造内容の異なった電子部品の製造を行うことができるので、多品種生産に適している。
【0040】
請求項2によれば、製造ステーションでの不具合の生じた電子部品、あるいは検査において不具合品と判断された電子部品を区別して排出ステーションから分別して排出することにより、製造後の不良品を製造工程上に流すことがなくなる。
【0041】
また請求項3に示すように、回転方向を選択することにより、異なった電子部品の製造を行うことができる。
【0042】
さらに請求項4によれば、正回転用あるいは逆回転用の原点を容易に創り出すことができる。
【0043】
請求項5によれば、インデックステーブルの正回転および逆回転を可能とし、それぞれの回転の半回転内において予定するすべての製造を完了させる。このような場合、供給ステーションの対面側には排出ステーションが位置することになり、開始点と終点を共用しつつ、かつ異なった製造処理を行うことができる。これにより、供給ステーションと排出ステーションを固定することができるので、汎用性の高い製造方法を提供できる。またインデックステーブルの回転方向を適宜切り替えることにより、形状、製造内容の異なった電子部品の製造を行うことができるので、多品種生産に適している。
【0044】
請求項6によれば、製造ステーションでの不具合の生じた電子部品、あるいは検査において不具合品と判断された電子部品を区別して排出ステーションから分別して排出することにより、製造後の不良品を製造工程上に流すことがなくなる。
【0045】
請求項7によれば、上記構成により、正回転時には第1のステージ(例えば電子部品大のもの)の間隔でインデックステーブルを間欠的に回転させることにより、また逆回転時には第2のステージ(例えば電子部品大のもの)の間隔でインデックステーブルを間欠的に回転させることにより2種類の電子部品を効率よく製造することができる。
【0046】
以上、本発明によれば、多品種生産に対応し、生産性を向上させることのできる電子部品の製造方法および製造装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態を示す図
【図2】本発明による実施の形態を示す図
【図3】本発明による実施の形態を示す図
【符号の説明】
1 パーツフィーダー
2 第1の移載装置
3 インデックステーブル
4,41,42,43,5,51,52,53 製造ステーション
6 第2の移載装置
7 第3の移載装置

Claims (7)

  1. 平面的に正回転および逆回転が可能なインデックステーブルに所定の間隔で設けられたステージを供給ステーションに位置させる工程と、前記インデックステーブルを正回転または逆回転方向に間欠的に回転させるとともに、当該供給ステーションにおいて順次電子部品をステージに搭載する工程と、前記電子部品の搭載されたステージをインデックステーブルの所定の位置に対して少なくとも1つ設けられた製造ステーションに位置するようインデックステーブルを回転移動させる工程と、前記製造ステーションにおいて前記電子部品に対して必要な製造を行う工程と、排出ステーションまでインデックステーブルを回転移動させる工程と、当該排出ステーションにおいて前記電子部品をインデックステーブルから所定の格納部に移載する工程を有する電子部品の製造方法であって、
    前記製造ステーションは正回転方向と逆回転方向のそれぞれにおいて、インデックステーブルが半回転する内に必要な製造が完了するよう設けられ、製造する電子部品の種類に応じてインデックステーブルの回転方向を選択する工程とを有する電子部品の製造方法。
  2. 製造ステーションにおける製造情報をもとに電子部品の良否判定を行い、当該判定に基づき排出ステーションにおいて良品と不良品を分けて排出する工程を有する請求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. インデックステーブルには正回転用と逆回転用の2種類のステージが設けられ、当該各ステージは交互にインデックステーブル外周に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子部品の製造方法。
  4. 予め異なる回転用のステージを前記供給ステーションに移動させた後、異なる回転方向により製造を行うことを特徴とする請求項3記載の電子部品の製造方法。
  5. 複数種類の電子部品に対応した各々複数のステージを有するとともに、平面的に回転するインデックステーブルと、当該インデックステーブルのステージに電子部品を搭載する供給ステーションと、当該インデックステーブルの正回転における半回転内に第1の電子部品に対する所定の製造を行う一方の製造ステーションと、インデックステーブルの逆回転における半回転以内に第2の電子部品に対する所定の検査を行う他方の製造ステーションと、検査の完了した電子部品をインデックステーブルのステージから排出する排出ステーションと、製造対象となる電子部品に応じてインデックステーブルの正回転または逆回転に動作させるとともに、各回転方向に応じた検査を実行するよう制御する制御部とからなる電子部品の製造装置。
  6. 製造ステーションにおける製造情報をもとに良否判定を行い、当該判定に基づき排出ステーションにおいて良品と不良品を分けて排出する機構を設けてなる請求項5記載の電子部品の製造装置。
  7. インデックステーブルに設けられたステージは、正回転用と逆回転用の2種類の電子部品用ステージであり、当該各ステージは交互にインデックステーブル外周に配置されていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の電子部品の製造装置。
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