JP4058655B2 - 水上構造物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水上に構築される交通機関用の走行路、飛行場の滑走路や誘導路、ヘリコプターの基地及び公共用広場等、さらに、これ等の付帯施設(建物や格納庫等)のための建設基地として用いる水上構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、社会的に必要とされる各種の施設、例えば、交通機関の走行路や飛行場等は、土地の取得や環境への影響及び経済上の問題等のために容易に造成することができない状況となっている。このための解決策の一環として、建設基地(人工の地盤)を水上または海上に求めているが、例え、上記基地が静穏な水域に確保できたとしても、水上に設置される施設の基礎となるべく浮体に構造上、また、整備補修上いろいろと問題が多く、理想的な浮体が得られないのが現状である。
【0003】
従来、水面上に設置して陸上交通機関等の走行路に使用している浮体(以下、水上構造物という)として、特公平4−80163号公報(水面埋立工法)に記載されているものがある。この水上構造物は、沿岸部や湾岸部等の臨水部を埋め立てる際に使用されているもので、土堤で囲んだ臨水部に注ぎ入れた海水に複数隻の台船を浮かべ、これを走行路に供するものである。
【0004】
上記走行路に使用している水上構造物を図22及び図23に基づいて詳述する。図22において、符号1は臨水部に造成される埋立地であり、符号2は臨水部の全周を囲んだ土堤である。この土堤2の内部に海3より海水を注ぎ入れ、この水面に複数の台船4を幅広側を近接させて一列に浮かべ、これらを相互に連結すると共に、台船4と台船4との間に間隙板5(図23参照)を架け渡して水上構造物6を形成している。
【0005】
この水上構造物6により形成された走行路により、埋立地1内にはダンプカー等の土砂運搬用車両7及びグラブバケット等の重機8の建設機が進入できるようになり、建設機が効率的に活用されて埋立が行われている。なお、台船4は、通常、積載量50t以上の平面矩形または方形のもので、前記建設機を載置するのに充分な大きさを有している。なお、図22において、符号10は護岸壁を示し、図23において、符号10Aは水面を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来技術において、水面上に台船を一列に並べ、これらを相互に連結して形成した水上構造物を建設機用の走行路とする手段が開発されていたが、この手段では台船を並べる方向に線的(一列)に延ばして台船を設置することはできるが、建設技術上、台船の形状と大きさには限度があって、横方向(台船を並べる方向に直交する方向)への広がりを要求することは難しかった。
【0007】
また、上記横方向への広がりが不可能なものに対して、メガフロートというものが案出されている。これは剛性の台船を水上で溶接して繋ぎ合わせ、縦横方向に数百米から数千米の浮体を構築しようとするものである。
【0008】
しかしながら、これにおいても波浪、津波及び潮汐などの原因による、水面の上下方向の不等な揺れや振動に因る内部応力の発生に対する強度の確保や、金属疲労による破壊の対策が困難であった。いずれにしても、現在では、水面上に面的に大きな建設基地を造成する手段は開発されておらず、このような建設基地を造ることのできる水上構造物の開発が必要であり望まれている。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、三角形の床板の隅角部を各々別々の台船によって支持させて、連続的に複数隻の台船と複数枚の床板とを組み合わせ、必要に応じて、水面上の空間に面的に拡がる建設基地が造成され、交通機関用の走行路等に使用可能な水上構造物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、水面上に複数の台船を千鳥状に配設し、該台船の略重心位置に設置した支承台に平面三角形の床板の一つの隅角部を自在継手を介して結合させると共に、前記床板の他の隅角部を隣接する他の台船の支承台に各々自在継手を介して結合させ、台船と床板とを連続的に組み合わせた水上構造物において、前記自在継手は、支承台の上面に形成された断面略半円形の第一の軸受溝と、床板の下面の隅角部に形成された断面略半円形の第二の軸受溝と、二つの軸体を相互に中心軸をずらして直交させて結合した十字形部材とから成り、該十字形部材の二つの軸体を各々前記第一の軸受溝と前記第二の軸受溝とに嵌合させたことを特徴とするものである。
【0011】
このように水面上に千鳥状に配設した複数の台船の支承台に平面三角形の床板の一つの隅角部を係合させ、床板の他の隅角部を隣接する他の台船の支承台に各々係合させて、連続的に台船と床板とを組み合わせて水上構造物を形成させる。
【0012】
この水上構造物によって、所望する長さと幅とを有する、面的に広い建設基地が水面上に造成される。これによって、水面上に交通機関の走行路、航空機の滑走路及び誘導路、ヘリコプターの基地及び公共用広場等、さらに、これ等の付帯設備等の建設が可能になる。
【0014】
また、本発明においては、自在継手を支承台の上面に設けた断面略半円形の第一の軸受溝と、床板の下面の隅角部に設けた断面略半円形の第二の床板軸受溝と、二つの軸体を中心軸をずらして直交させて結合させた十字形部材とで形成し、十字形部材の二つの軸体を各々第一の軸受溝と第二の軸受溝とに嵌合させることにより、台船と床板とを係合させ、床板上の荷重の変化、波浪、津波、潮流等によって、台船及び床板が上下運動をした際、台船の甲板と、床板の上面との角度変化に対応させる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図5に基づき、図22及び図23と同一の部材には同一の符号を付して説明する。図において、符号11は水面上に設置され走行路や滑走路等の広場に使用する本発明の水上構造物である。水上構造物11は台船12と、支承台13と、床板14とから概略構成されている。
【0020】
台船12は通常、積載量50t以上の平面矩形または方形をした(鋼鉄又はFRP又は鉄筋コンクリート製、高さが、例えば、150cmの)函形のもので、ダンプトラック等の土砂運搬用車両7及びグラブバケット等の重機8など、上部からの荷重に対して十分に耐えうる大きさ及び浮力を持つものである。台船12の略重心位置である甲板の略中央部には、床板14を支持する後述の支承台13(鉄筋コンクリート又は鋼鉄製)が設置されている。支承台13は、図2乃至図4に示すように、一辺の長さが150cm程度、高さが50cm程度の平面六角形のものである。そして、その上面には三角形の床板、本実施の形態では正三角形をした床板14の一つの隅角部14aが一つずつ、合計六枚の床板14の隅角部14aが係合するようになっている(係合については後述する)。なお、床板14の材料には鋼鉄、鉄筋コンクリート、木及びFRP等がある。そして、その高さは、ダンプトラック、クローラークレーン等を載せるため、鋼鉄製のもので70cm〜80cm程度である。
【0021】
このような支承台13を備えた台船12を複数隻千鳥形に並べ、台船12の甲板に設置された支承台13の上に、上部に掛かる荷重に対し充分な強度を持つ床板14の一つの隅角部14aを載置していけば、すなわち、一個の支承台13の上に六枚の床板14の隅角部14aを自在継手Jを介して一つずつ係合させ、床板14を敷き並べていけば、床板14は台船12上に隙間なく配設されることになる。
【0022】
そして、台船12と床板14の数を適宜決めるようにすれば、水面上に必要な形状と面積を有する水上構造物11を形成することができる。すなわち、台船12と床板14の数を適当に増やすことにより、縦横何れの方向にも広がりを持たせた水上構造物11を形成することができる。これにより水上に陸上交通機関の走行路や飛行場の滑走路、誘導路、ヘリコプターの基地及び公共用広場等、さらに、これ等の付帯施設(建物や格納庫等)を建設するための広大な基地(人工の地盤)を造成することができる。なお、上記の床板14はプレキャストパネルにすることが望ましい。
【0023】
床板14を支えている台船12は、各々独立した上下運動が可能であり、台船12に、上述したように、床板14からの荷重に耐える浮力と強度を持たせておけば、台船12や床板14の数が面的に拡張されても各々の台船12の浮力や強度を増加させる必要はない。
【0024】
次に、図3及び図4に基づいて、台船12の支承台13と、床板14の隅角部14aとの係合部の自在継手Jについて説明する。平面六角形の支承台13の上面の各角部13aの近傍には径方向に刻設された断面略半円形の第一の軸受溝15が形成されている。また、三角形の床板14の隅角部14a近傍の下面の、第一の軸受溝15と対向する位置にも第一の軸受溝15と直交する形に刻設した断面略半円形の第二の軸受溝16が各々形成されている。そして、これら第二の軸受溝16と第一の軸受溝15との間には二つの軸体、すなわち二つの円筒体の中心軸を少しずらし、浅く直交する形に組み合わせて結合した十字形部材17が介装されている。この十字形部材17と第一の軸受溝15と第二の軸受溝16とによって自在継手Jが構成されている。また、第一の軸受溝15と第二の軸受溝16と十字形部材17とは、係合した支承台13と床板14の動く際の支点となっている。なお、十字形部材17bは鋼鉄またはコンクリート製のものである。
【0025】
なお、二つの円筒体が浅く直交するように中心軸を少しずらしてあるのは、支承台13と床板14との間の揺れ角度を許容するためと、第一の軸受溝15及び第二の軸受溝16に十字形部材17を嵌合させる際、十字形部材17と軸受溝15,16の縁部との干渉を避けるためである。また、十字形部材17の軸体を円筒体にしたが、円柱体でもよい。さらに、十字形部材17を一体成型によって形成したが、個々に組み合わせて接着材等によって結合してもよい。
【0026】
この十字形部材17を、図4乃至図7に示すように、支承台13の第一の軸受溝15と、床板14の第二の軸受溝16とに嵌め込むことによって、台船12の甲板の面と、床板14の上面との角度変化に容易に対応できるようになる。
【0027】
すなわち、第一の軸受溝15と第二の軸受溝16との間に十字形部材17を介装させたので、床板14の上面と、台船12の甲板面との間に傾斜による角度が生じた場合には、各支点部位における無理な応力の発生が防止され、傾斜が円滑に行われるようになる。上記床板14の上面と、台船12の甲板面との間の傾きは、例えば、床板14の各部分に上部から荷重がかかり、支承台13を介して台船12に下向きの力が働いて、台船12が水中に沈下したような場合に発生する。
【0028】
また、図8及び図9に示すように、支承台13に形成された第一の軸受溝15の彫り込みの長さLを十字形部材17の軸長Mよりも長くしてある。このように長さLを長くしてあるのは、床板14に荷重がかかり床板14が傾斜した場合、例えば、隣接する床板14の間の対角線の水平距離が短くなるので、その短くなった距離に合わせて床板14を移動させるためである。
【0029】
このように床板14の水平距離が短縮する場合は、支承台13の第一の軸受溝15の長さLを十字形部材17の軸長Mよりも長く形成することによって解決している。この第一の軸受溝15の長さLを長くするのは第一の軸受溝15の必要個所のみで十分である。なお、床板14に形成された第二の軸受溝16の長さは、十字形部材17の軸長と同じにしてある(図8及び図10参照)。
【0030】
上述したように構成された水上構造物11の作用を説明する。図1に示す水上構造物11の床板14の上部に土砂運搬用車両7や重機8等の建設機の荷重がかかった場合、荷重の重心位置によって床板14の三か所の隅角部14aに設けた第二の軸受溝16に各々力が加わり床板14を保持している台船12が水中に沈下する。
【0031】
台船12に設けられた支承台13は、図2に示すように、台船12の甲板の略中央部(重心位置)に設けられているため、上部より荷重(外力)がかかっても台船12は略水平を保ったまま沈んだり浮かんだりするので、台船12の上下運動は常に安定する。
【0032】
そして、三角形の一枚の床板14の各隅角部14aに設けられた三個所の軸受溝16と、これに対応する三隻の台船12の支承台13の第一の軸受溝15とは十字形部材17を介して各々連繋しているので、床板14の傾斜により、三隻の台船12は各々異なった大きさの振幅で上下運動をすることになる。これによって、床板14が傾斜しても各々の床板14の第二の軸受溝16と、支承台13の第一の軸受溝15とが離れるような力の発生はない。
【0033】
すなわち、床板14が上部からの荷重によって傾き支点の部位において、台船12との間にどの方向の角度が生じても、床板14に設けられた第二の軸受溝16と、これに対応する支承台13の第一の軸受溝15との間には十字形部材17が介装されているので、傾斜が円滑に行われ、支点部における無理な応力の発生はない。また、潮汐等による水面10Aの傾きや水面の上下運動によって、台船12自体が傾いた場合も同様である。
【0034】
また、敷き並べた複数の床板14の上部のいずれかに荷重がかかり、床板14の支点から支承台13に力が働き台船12が沈下すれば、同じ台船12の支承台13に支点を持つ他の複数の床板14の支点も同時に沈下する。この状態で床板14は水平に対して傾斜するが、これらの床板14の影響によって他の台船12の沈下を促す力は生じない。
【0035】
さらに、隣接する二枚の床板14の支点は何れも同じ台船12の支承台13に載っているため、二枚の床板14の間には段差がほとんど生じない。また、本発明の水上構造物11は、台船12と、三角形の床板14とが各々独立構造になっており、適宜切り離して、別のものと取り換えて使用できるので、順次、補修整備することが可能である。
【0036】
また、水上構造物11を岸壁等の陸上部18に接岸させて使用する場合は、図11及び図12に示すように、床板14の一部を陸上部18に自在継手Jを介して取り付ける。この場合、自在継手Jの十字形部材17と係合する第一の軸受溝15は陸上部18に形成される。このように通路を陸上部18に接続することによって、土砂運搬用車両7等が陸上部18から水上構造物11上に円滑に移動することが可能になる。また、水上構造物11を陸上部18に接岸させ、陸上部18と水上構造物11との間に出入用の橋を架けるようにしてもよい。
【0037】
図13及び図14は、本発明の水上構造物11と、従来の水面埋立工法に使用されている設備(水上構造物6の方形の台船4、図17及び図18参照)とを併用したものである。この場合、台船4の甲板に敷き並べた床板14Aは本実施の形態で使用した平面三角形のものではなく方形(長方形)のものが取り付けられている。この場合、台船4上の支承台の形状も床板14Aに合わせて変形したものが使用される。このように従来使用されている設備と、本発明の実施の形態の水上構造物11とを連繋しても十分に使用可能な建設基地を形成することができる。
【0038】
また、台船12の形も六角形や円形など必要に応じてどのような形でも選択することができる。さらに、台船12の配置も台船12に係合する床板14の形状によって自由に決定することができる。図15で示す水上構造物19は、台船20を六角形に形成し、その甲板に三角形の床板14を敷き並べたものである。また、図16で示す水上構造物21は丸形の台船22の甲板に正三角形の床板14を敷き並べたものである。なお、図15及び図16とも台船20,22と、床板14との間に介装される支承台13は省略してある。また、床板14を平面正三角形に形成したものを使用したが、床板14は必ずしも平面正三角形にする必要はなく、場所や用途の条件によって、必要な形状を決定すればよい。例えば、他の三角形(直角三角形、二等辺三角形)、四角形、六角形、台形、菱形等と、台船12上に隙間なく敷き詰めことができれば、上記多角形のものでもよい。この場合、床板14を支持する支承台13の形状も床板14の形状に合わせて変形することになる。
【0039】
本実施の形態においては、自在継手Jを台船12の支承台13上面の角部13a近傍に形成した径方向の第一の軸受溝15と、床板14の下面の隅角部14a近傍に形成した第二の軸受溝16と、これら第一の軸受溝15及び第二の軸受溝16に嵌合する十字形部材17とによって構成したが、このようにせず、他の部材を組み合わせて別の自在継手を形成してもよい。この別の自在継手(J1 で示す)を図17乃至図21に基づいて説明する。
【0040】
すなわち、図17乃至図21に示すように、台船12上に設けた平面六角形の支承台13の上面の各角部13a近傍に保持台23を設け、この保持台23の上面に半球面状の凹部24を形成する。また、台船12に載置される三角形の床板14の下面の各隅角部14a近傍の、前記支承台13の半球面状の凹部24と対向する位置にも半球面状の凹部25を各々形成する。
【0041】
そして、これら支承台13の半球面状の凹部24と、床板14の半球面状の凹部25との間に球体26を介装させる。支承台13の半球面状の凹部24の鉛直方向の径(深さ)は、図20及び図21に示すように、球体26の径Pよりも短かく(浅く)形成されている。これによって、台船12と床板14との間の揺れが許容される。すなわち、台船12と床板14との角度変化に容易に対応させることができるようになる。このように自在継手J1 は、台船12と床板14が揺動する際の支点となっている。なお、上記自在継手J1 は、球体26と、上下二つの半球面状の凹部24,25とによって概略構成されることになる。
【0042】
また、図17、図19及び図20に示すように、支承台13の保持台23に形成された半球面状の凹部24の、支承台13の径方向の開口長さNを球体26の径Pよりも長くしてある。このように開口長さNを長くしてあるのは、例えば、図1において、床板14に荷重がかかって床板14が傾斜した場合、隣接する床板14の間の対角線の水平距離が短くなるので、その短くなった距離に対応して床板14を移動させるためである。なお、床板14の下面に形成された半球面状の凹部25の開口直径Qは球体26の径Pと同じにしてある(図17及び図21参照)。
【0043】
上記したように支承台13に形成した半球面状の凹部24の、支承台13の径方向の開口長さNを球体26の径Pよりも長くしたが、このようにせず、床板14に形成した半球面状の凹部25の開口直径Qの内、図1に示す、隣接する二つの床板14の対角線方向の開口長さを球体26の径Pよりも長くし、支承台13に形成した半球面状の凹部24の開口長さNを球体26の径Pと同じにしてもよい。このようにしても、支承台13と床板14との間には球体26が介装するので、自在継手J1 は滑らかに回動し不具合は発生しない。
【0044】
また、自在継手J1 を、台船12の支承台13に形成した保持台23の半球面状の凹部24と、床板14に形成した半球面状の凹部25と、これら凹部24,25に嵌合する球体26とで構成したが、球体26をこのようにせず半球体にしてもよい。この場合、半球体の平面部を床板14に固定し、半球体の球面部を台船12の支承台13に形成した保持台23の半球面状の凹部24に嵌合させてもよいし、また、半球体の平面部を支承台13に固定し、半球体の球面部を床板14に形成した半球面状の凹部25に嵌合させてもよい。
【0045】
また、本発明の水上構造物11は、台船12を鋼鉄またはFRPまたは鉄筋コンクリートで形成すると共に、床板を鋼鉄または鉄筋コンクリートまたは木またはFRPで形成し、さらに、十字形部材を鋼鉄、コンクリートで形成したが、小型タイプの水上構造物(積載量が小さい)であるならば、台船12、床板14及び球体26または半球体を合成樹脂(プラスチック)製のものにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、水面上に複数の台船を千鳥状に配設し、この台船上に平面三角形の床板を敷き並べて水上構造物を形成したので、水面上に交通機関の走行路、飛行場の滑走路、誘導路、ヘリコプターの基地、及び公共用広場等、さらに、これ等の付帯施設等の建設基地を自由に造成することができる。したがって、従来の土地の取得の問題、環境への影響の問題及び経済上の問題を確実に解決することができる。
【0047】
また、台船に設置した支承台に平面三角形の床板の一つの隅角部を係合させ、床板の他の隅角部を隣接する他の台船の支承台に各々載置させて、台船と床板とを連続的に組み合わせるようにしたので、台船を平面横方向にも縦方向にも自由に延設することができるようになり、水面上に面的に無制限な拡がりを持つ水上構造物を形成することができる。したがって、水面上に所望する長さ及び幅を備えた大きな基地を建設することができる。
【0048】
一台の台船に三角形の床板の一つの隅角部を係合させ、床板の他の隅角部を隣接する他の台船の支承台に各々係合させるようにしたので、台船の床板を支持する部分が各々独立した構造となり、床板の傾斜に対して、台船が各々異なった大きさの上下運動をするようになる。これによって、床板と台船とが離れるような力の発生を抑えることができる。また、台船の床板支持部分が各々独立構造となっているので、相互を適宜切り離して別のものと交換することができ、順次、補修整備をすることができて作業性がよい。
【0049】
本発明はまた、自在継手を支承台の上面に設けた断面略半円形の第一の軸受溝と、床板の下面の隅角部に設けた断面略半円形の第二の床板軸受溝と、二つの軸体を中心軸をずらして直交させて結合した十字形部材とで形成し、十字形部材の軸体を各々第一の軸受溝と第二軸受溝とに嵌合させたので、床板の上部に荷重がかかって、床板の上面と、台船の甲板面との間に角度が生じるような場合には、床板と台船とが円滑に傾斜するようになり、第一の軸受溝と第二の軸受溝との連結部における無理な応力の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、台船と床板の配置状況を示した上面斜視図である。
【図2】台船及び支承台の支点の態様を示した平面図である。
【図3】支承台と床板との連結部の分解斜視図である。
【図4】支承台と床板との連結状態を示す拡大斜視図である。
【図5】図2に示すもののA矢視図である。
【図6】図2に示すもののB矢視図である。
【図7】図2に示すもののC矢視図である。
【図8】支承台と床板との連結状態を示す上面図である。
【図9】図8に示すもののD−D線に沿う断面図である。
【図10】図8に示すもののE−E線に沿う断面図である。
【図11】本発明の水上構造物を岸壁等の陸上部に接岸させた際の一例を示す平面図である。
【図12】図11に示すものの右側面図である。
【図13】本発明の水上構造物と、従来の水面埋立工法に使用した設備とを連結させたものの平面図である。
【図14】図13に示すものの右側面図である。
【図15】本発明の他の実施の形態を示し、台船を平面六角形に形成した水上構造物の平面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施の形態を示し、台船を平面円形に形成した水上構造物の平面図である。
【図17】支承台と床板との間に設けた他の自在継手の分解斜視図である。
【図18】支承台と床板との連結状態を示す斜視図である。
【図19】支承台と床板との連結状態を示す上面図である。
【図20】図19に示すもののS−S線に沿う断面図である。
【図21】図19に示すもののT−T線に沿う断面図である。
【図22】従来の水面埋立工法の説明図である。
【図23】図22をF−F方向から見た断面図である。
【符号の説明】
11 水上構造物
12 台船
13 支承台
14 床板
14a 隅角部
15 第一の軸受溝
16 第二の軸受溝
17 十字形部材
24 半球面状の凹部
25 半球面状の凹部
26 球体
J 自在継手
1 自在継手

Claims (1)

  1. 水面上に複数の台船を千鳥状に配設し、該台船の略重心位置に設置した支承台に平面三角形の床板の一つの隅角部を自在継手を介して結合させると共に、前記床板の他の隅角部を隣接する他の台船の支承台に各々自在継手を介して結合させ、台船と床板とを連続的に組み合わせた水上構造物において、前記自在継手は、支承台の上面に形成された断面略半円形の第一の軸受溝と、床板の下面の隅角部に形成された断面略半円形の第二の軸受溝と、二つの軸体を相互に中心軸をずらして直交させて結合した十字形部材とから成り、該十字形部材の二つの軸体を各々前記第一の軸受溝と前記第二の軸受溝とに嵌合させたことを特徴とする水上構造物。
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