JP4058552B2 - 自動販売機用のダミー体及びこれを用いた自動販売機並びに自動販売機用ダミー体展示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、缶入りや壜入りの飲料の自動販売機に設置される自動販売機用のダミー体及びこれを用いた自動販売機並びに自動販売機用ダミー体展示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のダミー体として、円筒を縦に半分あるいは略半分に割った形状の縦割りのハーフダミー体がある。このダミー体は、自動販売機の展示室のステージに形成されたダミー体取付孔に対して着脱を容易にし、併せて大量生産によるコストダウンまで可能にするために考え出されたもので、壜の形状、図柄(ラベル、キャップを含む。)が予め印刷されたシートを真空成形または圧空成形によって成形することができるとともに、トムソン法により打ち抜きが可能であるので、壜タイプの容器のような複雑な形状のものでも簡単に、かつ能率良く成形することができる。そして、このダミー体の下部側の左右側面部分を内側に押圧して前記ダミー体を変形しながら、前記ダミー体の下部側に真空成形または圧空成形加工してある凹溝形状の係止部をダミー体取付孔の周縁部に嵌入させることで、前記係止部は、ダミー体取付孔に挿抜可能で弾性的に嵌入保持される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、縦割りのハーフダミー体は、量産が可能で、成形コストを下げることができるが、前記ステージの厚さが1mm程度の薄肉であることから、しっかりと位置決めして安定的な取付ができるように、これに的確に嵌入する細い溝を前記係止部に施すことは、真空成形または圧空成形では、難しく精密な成形が困難であった。
【0004】
この発明の目的は、真空成形または圧空成形によって成形され、かつ、ダミー体取付孔の周縁部に強固に嵌入保持できる自動販売機用のダミー体及びこれを用いた自動販売機並びに自動販売機用ダミー体展示装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願の請求項1に係る発明(第1発明)は、真空成形又は圧空成形により成形した縦割りハーフダミー体であって、その胴部下面部分から下方に突 設されたフランジと、このフランジから径方向外側に向けて突設した突出部とを有し、前記胴部下面部分とフランジと突出部とで凹溝を形成し、前記胴部下面部分に下方へ突出する突起部を設け、展示室のステージに形成されたダミー体取付孔の周縁部を、前記突起部と突出部とで挟み込むように構成してある。
ここで、前記突出部が、上方に突出する突起を備えていてもよい(請求項2)。
【0006】
第1発明において、前記ダミー体取付孔の周縁部を突起部と突出部とで挟み込むための手段として以下の二つのものを主として挙げることができる。
【0007】
(一)前記突出部が上方に突出する突起を備え、この突起と前記突起部とをそれぞれダミー体取付孔の前記周縁部に当接させる。すなわち、前記突起の頭と前記突起部とで前記周縁部を挟み込む。
例えば、図1、図2(A)は、前記突起部(以下、上突起という)および前記突出部の突起(以下、下突起という)を互い違いに設けた例を示し、図2(B)は、上突起と下突起を突き合わせた状態で設けた例を示す。
【0008】
【0009】
(二)前記上突起(突起部)と前記突出部とをそれぞれダミー体取付孔の前記周縁部に当接させる。すなわち、前記上突起の頭と前記突出部とで前記周縁部を挟み込む〔図3(B)参照〕。
【0010】
また、別の観点から、本願の請求項3に係る発明(第2発明)は、前記突出部を複数個に分割してあり、前記突起部と突出部とが互い違いとなるように配置してある。
【0011】
第2発明は、ダミー体取付孔の周縁部の上面側に位置する上突起(突起部)と、前記周縁部の下面側に位置する突出部を互い違いに有するものであり、上突起と突出部で前記周縁部を挟み込むことができるので、ダミー体取付孔に対してダミー体を簡易に装着できるとともに、ダミー体取付孔からのダミー体2の離脱防止を安定的に行える。また、ダミー体取付孔からダミー体を取り外す作業も装着時と同様に簡易に行える。
そして、本願の請求項4に係る発明(第3発明)は、展示室のステージに形成されたダミー体取付孔に、請求項1〜3のいずれかに記載の自動販売機用のダミー体を着脱自在に取り付けてある自動販売機であり、本願の請求項5に係る発明(第4発明)は、自動販売機の展示室内に設けられダミー体取付孔を有するステージと、前記ダミー体取付孔に着脱自在である請求項1〜3のいずれかに記載の自動販売機用のダミー体とを備えた自動販売機用ダミー体展示装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を添付の図面を参考にしながら説明する。
自動販売機は、飲料商品の内容を示す複数の縦割りハーフダミー体(以下、単にダミー体という)2を展示するための展示室に、これらダミー体2を支持するステージ4を有する。
【0013】
前記ダミー体2は、例えばポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート等およびそれらの再生品からなるもので、図1に示すように、瓶タイプの容器を縦割りの形状に真空成形または圧空成形して成り、その表面には、商品の内容を示す図柄が表示され(図示を省略)、ダミー体2の胴部2aの下部には、半円弧状で、凹溝形状の係止部20が形成されている。この係止部20は、X方向(径方向)で、内側に半円弧状の谷を有する。30は、前記谷の底部(以下、単に谷という)で半円孤状であり、この谷30は胴部2a下面部分から下方に突設されたフランジとなっている。
【0014】
以下、この発明の特徴的構成について説明する。
【0015】
図1、図2(A)および図4は、係止部20の上面Aおよび下面Bに突起を設け、この突起をダミー体取付孔の前記周縁部に当接させて前記係合を強固にするよう構成してあるこの発明の第1の実施例を示す。
【0016】
図1、図2(A)および図4において、21は、凹溝形状の係止部20の上面(ダミー体2の胴部下面部分)Aに設けた突起部(以下、上突起という)、22は、前記係止部20の下面(前記フランジ30から径方向外側に向けて突設した突出部42の上面でもある)Bに設けた突起(以下、下突起という)で、互い違いに複数個設けてある。
成形性、取付・取外しの作業性、取付後の安定性を考慮すると、この第1の実施例が最も好ましい。
【0017】
23は、前記ステージ4に形成してある平面視円形のダミー体取付孔である。このステージ4は既設のもので、前記ダミー体取付孔23は回り止め用の一対の切欠24,24を有する。この切欠24,24は、円周より外側にステージ4を切欠いて形成されるもので、円周上で180°離れて位置している。
【0018】
また、ダミー体取付孔23は回り止め用の二対の凹部25,25および26,26を有する。凹部25,25および26,26は、それぞれ円周より外側にステージ4を切欠いて形成されるもので、凹部25,25は、円周上で180°離れて位置している。また、凹部26,26も、円周上で180°離れて位置している。
【0019】
前記ダミー体2は、大量生産によるコストダウンまで可能にするために考え出されたもので、壜の形状、図柄(ラベル、キャップを含む。)が予め印刷されたシートを真空成形または圧空成形によって成形される反面、精密な成形が困難であり、前記係止部20の谷30の幅(図1における矢印Zで示す方向での幅)Hは3mm程度が限界である(これに対して前記ステージ4の厚みhは約1mmである。)。前記谷30は半円弧状に成形されており、曲率半径Rを有する。この谷30は、後述する両端部を除いて深さ(図1における矢印Xで示す方向での幅)Tを有する。この高さTは、上突起21、下突起22のX方向の幅Sに略等しい〔図2(A)参照〕。
【0020】
前記上突起21および下突起22は、ダミー体取付孔23の周縁部Mに、上側から上突起21の下面21aを当接させるとともに、下側から下突起22の上面22aを当接させて、周縁部Mと係止部20の係合を強固にするためのものである。前記ステージ4は例えば鉄板で、図2(A)に示すように、略1mmの厚みhを有する一方、前記下面21aおよび上面22a間に形成される隙間のZ方向における長さL〔図2(A)参照]を前記ステージ4の厚みh以下に形成してある。
なお、この発明における好ましい前記長さLの範囲として以下に示す三つの場合(イ.ロ.ハ.)を挙げることができる。
イ.長さLを、h以下であって、零以上(0≦L≦h)にするのが好ましい場合がある。
ロ.長さLを、零未満(L<0)にするのが好ましく、少し負(つまり、上突起21の下面21aよりも下突起22の上面22aの方がやや上になる)にするのがより好ましい場合がある。
ハ.長さLを、hよりも大きくする(h<L)のが好ましい場合もあり、hよりも少し大きくするのがより好ましい場合がある。
そして、一つのダミー体2に対して前記イ.ロ.ハ.のいずれか一つだけを選択すること以外に、一つのダミー体2に対して前記イ.ロ.ハ.のいずれか二つと残りの一つを組み合わせてもよく、一つのダミー体2に対して前記イ.ロ.ハ.のいずれか二つを組み合わせてもよく、その組み合わせは任意である。要は、ステージ4に対してダミー体2の着脱を容易にし、かつ、係合を強固にできるような構成を実現できる組み合わせであればよい。
【0021】
そして、前記上突起21および下突起22は、ダミー体2の係合時に、少なくとも前記周縁部Mを挟持可能なように、一方では上突起21および下突起22相互間の距離は成形性を考慮して間隔を置くよう適宜な位置に形成されていればよい。
【0022】
また、この実施例では、前記上突起21および下突起22は、それぞれ真空成形または圧空成形によって成形し易く、係止部20が周縁部Mに嵌まり易く、しかも、金型のメンテナンスが行い易いような形状に成形されている。すなわち、前記各突起21,22は平面視偏平な台形状で、前記下面21aおよび上面22aの周縁部Mに対する当接面積が大きく、かつ、左右のエッジa,bが丸みをおびている。
【0023】
更に、前記回り止め用の一対の切欠24,24のそれぞれ一方の回り止め面24a,24aと、係止部20とでダミー体2を回り止めできるよう、係止部20に回り止めの構成が施されている。すなわち、前記谷30の両端部31,31を高さTより浅く成形してある。tは、谷30よりもdだけ浅くなった両端部31,31のX方向における深さを示す。すなわち、両端部31,31は、谷30の曲率半径Rよりも長い曲率半径R’を有する。Qは、曲率半径Rから長い曲率半径R’に移行する領域を示す。
【0024】
そして、ダミー体2の係合時に、前記両端部31,31を回り止め用の一対の切欠24,24に位置するように周縁部Mを前記上突起21と下突起22とで挟むようにする。すなわち、周縁部Mに、上側から上突起21の下面21aを当接させるとともに、下側から下突起22の上面22aを当接させて、周縁部Mと係止部20の係合を強固にするとともに、前記両端部31,31の端面31a,31aが長さdだけ谷30より突出しているので、切欠24,24の一方端24a,24aにそれぞれ端面31a,31aが係止される。
【0025】
図2(B)は、上突起21と下突起22を突き合わせた状態で凹溝形状の係止部20の上下面A,Bに設けたこの発明の第2の実施例を示す。なお、図2(B)において、図1、図2(A)および図4に示した符号と同一のものは、同一の物(部材)である。
【0026】
図3(A)は、下突起22と係止部20の上面Aとをそれぞれ周縁部Mに当接させるように構成した参考例を示す。なお、図3(A)において、図1、図2(A)、図2(B)および図4に示した符号と同一のものは、同一の物(部材)である。
図3(A)において、L’は、下突起22の上面22aおよび前記上面A間に形成される隙間のZ方向における長さである。この長さL’の隙間も、前記Lと同様、前記ステージ4の厚みh以下に形成してある。
【0027】
図3(B)は、上突起21と係止部20の下面Bとをそれぞれ周縁部Mに当接させるように構成したこの発明の第3の実施例を示す。なお、図3(B)において、図1、図2(A)、図2(B)、図3(A)および図4に示した符号と同一のものは、同一の物(部材)である。
図3(B)において、L’は、上突起21の下面21aおよび前記下面B間に形成される隙間のZ方向における長さである。この長さL’の隙間も、前記Lと同様、前記ステージ4の厚みh以下に形成してある。
【0028】
図5は、上突起21と下突起22をそれぞれ周縁部Mに当接させるとともに、前記谷30の両端部を谷30の前記高さTに相当する高さに形成してなる突起部30’,30’を設け、この突起部30’,30’を回り止め用の一対の切欠24,24に位置させることで、ダミー体2を回り止めできるように構成したこの発明の第4の実施例を示す。なお、図5において、図1、図2(A)、図2(B)、図3(A)、図3(B)および図4に示した符号と同一のものは、同一の物(部材)である。
【0029】
図5において、ダミー体2の係合時に、切欠24,24の一方端24a,24aに突起部30’,30’の端面c,cが係止される。この突起部30’,30’は、略直方体形状をなす。
【0030】
なお、この実施例では、係合部20の上下面A,Bを繋ぐ突起部30’,30’を設けたが、上面Aあるいは下面BからZ方向に突出し、一方端24a,24aに係止するような外側端面を有する、上突起21と下突起22と同様の突起を形成してもよい。
【0031】
図6は、回り止め用の一対の切欠24,24ではなく、二対の凹部25,25および26,26のいずれか一つに係止されることによりダミー体2を回り止めするように構成したこの発明の第5の実施例を示す。なお、図6において、図1〜5に示した符号と同一のものは、同一の物(部材)である。
【0032】
図6において、係合部20の上下面A,Bを繋ぐ突起部30’’,30’’を略三角柱形状にしてある。この突起部30’’のX方向の厚みd’は谷30の深さTより小さく設定してある。なお、突起部30’’の上端40をX方向で外側に延ばして突起部30’’のX方向の厚みを谷30の深さTと同一にしてもよい。
【0033】
この実施例では、ダミー体2の係合時に、突起部30’’の例えば一方の面40aが凹部26に係止される。
【0034】
なお、突起部30’’は、略三角柱形状でなくても、略四角柱形状、略円柱形状でもよく、また、柱形状でなくても、円錐、三角錐、四角錐などの錐状形状でもよい。
【0035】
また、突起部30’’を凹部25に係止させるよう構成してもよい。また、上記第1の実施形態のように前記谷30の両端部31,31を高さTより浅く成形し、凹部25および/または26と両端部31,31とでダミー体2を回り止めするように構成してもよい。
【0036】
また、突起21(22)の成形にあたり、金型をP方向に抜くときにひっかから無いように、図7に示すように、領域J,Kに位置する突起21(22)の両端面21a(22a)は、領域Nに位置する突起21(22)の両端面21’(22’)と異なる形状にしてある。
【0037】
上記各実施例では、胴部2aの下部に、半円弧状で、凹溝形状の係止部20が形成されているタイプの縦割りハーフダミー体2について説明した。
【0038】
図8、図9は、胴部2a’直下が、胴部下面部分40から下方に突設された短半円筒状フランジ41と、このフランジ41から径方向外側に向けて突設した突出部42とからなり、前記胴部下面部分40とフランジ41と突出部42とで凹溝を形成し、また、前記胴部下面部分40に下方へ突出する上突起(突起部)43を設け、前記突出部42は複数個の下突起に分割されており、前記突起部43と突出部の下突起とが互い違いとなるように配置してある縦割りハーフダミー体2’を、展示室のステージ4に形成されたダミー体取付孔23に対して簡易に着脱できるようにするとともに、ダミー体取付孔23からのハーフダミー体2’の離脱防止を安定的に行えるように構成したこの発明の第6の実施例を示す。なお、図7において、図1〜6に示した符号と同一のものは、同一の物(部材)である。
【0039】
図8(A)は、下部側で斜め方向からみた縦割りハーフダミー体(以下、単にダミー体という)2’を示し、図8(B)は、ダミー体2’の底面図を示す。また、図9(A)には、短半円筒状フランジ41の外周に形成された下突起42a〜42dのうちの下突起42aおよび下突起42bと、胴部下面部分40に形成された上突起43と、短半円筒状フランジ41の外周および胴部下面部分40にわたり形成され回り止め用の前記切欠24,24に係止される左右二つの突起部44a、44bのうち正面向かって右側の突起部44aとが示されている。
また、図9(B)は、上突起43aと下突起42aの形状を示している。
【0040】
図8、図9において、前記胴部下面部分40は、幅S(径方向の幅)を有する半リング状で、外径X、内径Yを持つ。一方、前記短半円筒状フランジ41は、胴部下面部分40の内周側から下方に長さWだけ突出されてなり、半径Yを有する。
【0041】
前記短半円筒状フランジ41は、外周における両端に、胴部下面部分40の幅Sあるいはそれ以下の長さS’(≦S)だけ径方向に突出した左右一対の突起部44b,44aを有する。前記突起部44b,44aは、胴部下面部分40および短半円筒状フランジ41の外周にわたり形成される。前記突起部44bおよび44aは、ダミー体2’の係合時に、例えば図5に示すダミー体取付孔23に形成された回り止め用の一対の切欠24および24にそれぞれ位置させることで、ダミー体2’を回り止めさせるものであり、そのように突起部44b,44a間の間隔は設定されている。
【0042】
すなわち、ダミー体2’の係合時には、例えば図5における切欠24,24の一方端24a,24aに、突起部44b,44aの端面c’,c’が係止される。
【0043】
また、前記短半円筒状フランジ41は、ダミー体2’の係合時において、例えば図5に示す二対の凹部25,25および26,26のいずれか一つに係止する突起部47を外周に有する。
【0044】
この突起部47は、胴部下面部分40および短半円筒状フランジ41の外周にわたり形成されており、略三角柱形状にしてある。この突起部47の径方向の厚みd’’は胴部下面部分40の幅Sより小さく設定してある。
【0045】
この実施例では、ダミー体2’の係合時に、突起部47の両面i,kが例えば図5に示す凹部26に係止されることになる。
【0046】
一方、短半円筒状フランジ41は、外周の下部に、胴部下面部分40の幅Sあるいはそれ以下の幅W’(≦S)だけ短半円筒状フランジ41の外周面から径方向に突出した複数の前記下突起42a〜42dを有する一方、胴部下面部分40は胴部下面部分40から下方向に突出した複数の前記上突起43a〜43cを有する。この実施例では、前記上突起43a〜43cは胴部下面部分40の幅Sに相当する幅だけ径方向に突出している。そして、ダミー体2’正面向かって右側から順に、下突起42a〜42dと上突起43a〜43cが設けられている。
なお、下突起42cのダミー体2’正面向かって左側の上部に、胴部下面部分40および短半円筒状フランジ41の外周にわたり前記突起部47が形成されている。
そして、下突起42a〜42dと上突起43a〜43cによってステージ4に形成されたダミー体取付孔23の周縁部Mに係合される係止部59が構成される。
【0047】
更に、下突起42a,42b間に(下突起42a,42b間に形成される空間Uの上部)において、上突起43aがダミー体2’正面向かって右側に位置し、下突起42b,42c間において、ダミー体2’正面向かって中央に上突起43bが位置し、下突起42c,42d間において、上突起43cがダミー体2’正面向かって左側に位置する。すなわち、下突起42a〜42dと上突起43a〜43cは互い違いに配列されている。
この実施例では、図9(B)に示すように、下突起42aは、上述したように幅W’(≦S)だけ径方向に突出した状態で、径方向外側に向かって山形状をなしている。更に、係合時において、ステージ4の前記周縁部M〔図9(B)に二点鎖線で示す〕の下面に当接する下突起42aの頭部(上面)42a’は、水平な平坦面に形成されている。なお、残りの下突起42b〜42dも下突起42aと同一形状である。
一方、上突起43aは、胴部下面部分40から下方向に向かって山形状をなしている。すなわち、上突起43aは、前記周縁部M〔図9(B)に二点鎖線で示す〕の上面に当接する頭部43a’を上突起43aの下面qの最下位置に有し、更に、前記下面qは、前記頭部43a’から径方向内側にいくにつれ、成形型からの製品(ダミー体2’)の取外しが可能な程度に上方に傾斜し、短半円筒状フランジ41の外周面に至る傾斜面に形成されている。残りの上突起43b,43cも上突起43aと同一形状である。
【0048】
而して、ダミー体2’は、上突起43a〜43cと下突起42a〜42dを互い違いに有し、上突起43a〜43cおよび下突起42a〜42dのそれぞれ頭43a’〜43c’および頭42a’〜42d’同士でステージ4の周縁部Mを挟み込むことができるので、ダミー体取付孔23に対してダミー体2’を簡易に装着できるとともに、ダミー体2’の回り止めを行いながら、ダミー体取付孔23からのダミー体2’の離脱防止を安定的に行える。また、ダミー体取付孔23からダミー体2’を取り外す作業も装着時と同様に簡易に行える。
【0049】
なお、上突起43a〜43cの頭43a’〜43c’と、下突起42a〜42dの頭42a’〜42d’間に形成される隙間(ギャップ)のZ方向における長さEをこの実施例では、前記ステージ4の厚みh以下に形成してある(図9参照)。前記長さEは、例えば前記頭43a’および頭42a間の間隔である。つまり、前記頭43a’〜43c’および前記頭42a’〜42d’間の間隔である。
なお、この発明における好ましい前記長さEの範囲として以下に示す三つの場合(1.2.3.)を挙げることができる。
1.長さEを、h以下であって、零以上(0≦E≦h)にするのが好ましい場合がある。
2.長さEを、零未満(E<0)にするのが好ましく、少し負(つまり、Z方向に沿って頭43a’〜43c’の位置よりも頭42a’〜42d’の位置の方をやや高くする)にするのがより好ましい場合がある。
ハ.長さEを、hよりも大きくする(h<E)のが好ましい場合もあり、hよりも少し大きくするのがより好ましい場合がある。
そして、一つのダミー体2’に対して前記1.2.3.のいずれか一つだけを選択すること以外に、一つのダミー体2’に対して前記1.2.3.のいずれか二つと残りの一つを組み合わせてもよく、一つのダミー体2’に対して前記1.2.3.のいずれか二つを組み合わせてもよく、その組み合わせは任意である。要は、ダミー体取付孔23に対するダミー体2’の着脱作業を容易にし、かつ、ダミー体取付孔23からの離脱防止を安定的に行えるような構成を実現できる組み合わせであればよい。
【0050】
また、前記突起部47は、略三角柱形状でなくても、略四角柱形状、略円柱形状でもよく、また、柱形状でなくても、円錐、三角錐、四角錐などの錐状形状でもよい。
【0051】
また、前記突起部47を凹部25に係止させるよう構成してもよい。
【0052】
更に、この実施例では、例えば図9(B)を例にとると、下突起42aの頭部42a’を水平な平坦面に形成する一方、上突起43aの下面qを前記頭部43a’から径方向内側にいくにつれ上方に傾斜させているので、前記突起42a,43aの成形にあたり、前記突起42a,43a間に形成される前記隙間(ギャップ)に対応する成形型(金型)側の隙間(ギャップ)部分を大きくとっても例えば前記頭43a’および頭42a間の間隔Eの精密な成形が行える利点を有する。
この場合、下突起42aの上面を径方向内側にいくにつれ下方に傾斜させて上突起43aの下面qとの隙間(ギャップ)を更に大きくすることにより、前記長さEを、零、あるいは、零未満(E<0)にする精密な成形も行える。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明では、真空成形または圧空成形によって成形され、かつ、ダミー体取付孔の周縁部に強固に嵌入保持できる自動販売機用のダミー体を提供することができる。
【0054】
また、この発明の真空成形または圧空成形によって成形されたダミー体は、上突起と下突起を互い違いに有し、ダミー体取付孔の周縁部を挟み込むことができるので、ダミー体取付孔に対してダミー体を簡易に装着できるとともに、ダミー体取付孔からの離脱防止を安定的に行える。
【0055】
また、同一の自動販売機において、円筒状の丸缶ダミー体も展示できるので、丸缶ダミー体とハーフダミー体を同時に展示でき、多種類の飲料を展示、販売することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】 (A)は、上記実施例における上下突起の配置の一例を示す図である。(B)は、上記実施例における上下突起の配置の他の例を示す図である。
【図3】 (A)は、参考例に係る係止部の上面に対する下突起の配置の一例を示す図である。(B)は、上記実施例における係止部の下面に対する上突起の配置の一例を示す図である。
【図4】 (A)は、上記実施例における回り止め作用を示す図である。(B)は、上記実施例における回り止め作用を示す図である。
【図5】 (A)は、この発明の第4の実施例における回り止め作用を示す図である。(B),(C)は、それぞれ上記第4の実施例における回り止め作用を示す図である。
【図6】 (A)は、この発明の第5の実施例における回り止め作用を示す図である。(B),(C)は、それぞれ上記第5の実施例における回り止め作用を示す図である。
【図7】 この発明の突起の成形状態を示す図である。
【図8】 (A)は、この発明の第6の実施例を示す要部斜視図である。(B)は、上記実施例を示す底面図である。
【図9】 (A)は、上記第6の実施例を示す要部側面図である。(B)は、図9(A)におけるb−b線の方向からみた図である。
【符号の説明】
2:ダミー体
4:ステージ
20:係止部
21,22:突起
23:ダミー体取付孔
M:周縁部
A:上面
B:下面
Claims (5)
- 真空成形又は圧空成形により成形した縦割りハーフダミー体であって、その胴部下面部分から下方に突設されたフランジと、このフランジから径方向外側に向けて突設した突出部とを有し、前記胴部下面部分とフランジと突出部とで凹溝を形成し、前記胴部下面部分に下方へ突出する突起部を設け、展示室のステージに形成されたダミー体取付孔の周縁部を、前記突起部と突出部とで挟み込むように構成してある自動販売機用のダミー体。
- 前記突出部は、上方に突出する突起を備えている請求項1に記載の自動販売機用のダミー体。
- 前記突出部は複数個に分割されており、前記突起部と突出部とが互い違いとなるように配置してある請求項1に記載の自動販売機用のダミー体。
- 展示室のステージに形成されたダミー体取付孔に、請求項1〜3のいずれかに記載の自動販売機用のダミー体を着脱自在に取り付けてある自動販売機。
- 自動販売機の展示室内に設けられダミー体取付孔を有するステージと、前記ダミー体取付孔に着脱自在である請求項1〜3のいずれかに記載の自動販売機用のダミー体とを備えた自動販売機用ダミー体展示装置。
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