JP4057936B2 - 深孔切削具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガンドリルシステムに適用されるドリルやリーマなどの深孔切削具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
深孔加工システムとして、ガンドリルシステム、BTAシステム、エジェクタシステムなどが知られているが、比較的小径の深孔加工には簡単な構成のガンドリルシステムが汎用されている。
【0003】
ガンドリルシステムとして、一般的に例えば特許文献1或いは同2に掲げる従来技術を挙げることができる。この構造を図6の(A)によって説明すると、中空筒状で外面に長手方向に沿う断面V字状の凹溝34を形成したシャンク軸31の先端にドリルヘッド32を一体的に固着し、そのシャンク軸31の中空部内をクーラントCの供給通路33とし、凹溝を切屑Sの排出溝34としたガンドリル30を用い深孔加工時に、高圧のクーラントCを供給通路33を通してドリルヘッド32の先端側より吐出させ、被加工物Wの切削孔H内で発生した切屑Sを当該クーラントCと共に排出溝34を通して外部に排出するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭59−12405号公報
【特許文献2】
実開昭60−53416号公報
【0005】
上記のガンドリルシステムに使用されるガンドリルとしては、同(b)の断面図に示すように、シャンク軸31の中空部内をクーラントCの供給通路33a,33bを形成すると共に、該シャンク軸31の切除断面がシャンク軸心Oを中心として略90度のV字状をなすようにして軸方向略全域に切除してクーラントの排出溝34を形成しており、このようにクーラントの排出溝34の排出面積を大きく取りクーラントの排出能力を余裕を持って設けるようにしている。その反面、シャンク軸31の軸心付近に形成されるクーラントCの供給通路33a,33bの断面積を強度上の理由から余り大きく取ることができず、それがために、例えクーラントの排出面積を大きく取ってその排出能力を上げても、クーラントCの供給能力に限界があるため、結局のところ、被加工物Wの切削孔H内で発生した切屑Sを当該クーラントCと共に排出溝34を通して外部に排出する排出能力に一定の限界があった。
【0006】
しかも、前述のように、シャンク軸31の断面積の略4分の1をその軸心Oを中心として切除してクーラントの排出溝34の断面積は大きく取るようになっているため、シャンク軸31の軸心付近に形成されるクーラント供給通路33a,33bは、図示のようにシャンク軸31の軸心Oを避けて小径の単独又は複数の貫通通路33a,33bとならざるを得ず、これがためにシャンク軸31の長さが1.5メートルを超えると孔明け加工において貫通通路33a,33bの直進性を維持することが困難で、その製作面で問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の課題に鑑みなされたものであり、クーラントの供給通路とクーラントの排出溝の形成あるいはシャンク軸の構造に工夫を凝らすことにより、シャンク軸の充分な強度の確保と精度良好な製作の容易性を確保し、併せてクーラントによる切屑の排出能力を向上させることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、実施形態に示す参照符号を付して示すと、外周部にはクーラントの排出溝1が設けられ内部にはクーラントの供給通路2が設けられたシャンク軸3と、シャンク軸3の先端部に切削ヘッド4を備える深孔切削具であって、前記シャンク軸3は外周側のパイプ状体5と、 該外周側のパイプ状体5の内部に挿入されその内周面に固着された内周側のパイプ状体6からなり、内周側のパイプ状体6のパイプ孔7が上記クーラントの供給通路2を形成し、外周側のパイプ状体5は、該パイプ状体5を形成する周壁の一部が軸方向に直線状に切除されて該切除部8が上記クーラントの排出溝1を形成してなることを特徴とする構成からなるものである。
【0009】
請求項1に係る発明によれば、まず、シャンク軸3が外周側のパイプ状体5とこれに嵌合固着された内周側のパイプ状体6とからなり、内周側のパイプ状体6のパイプ孔7を利用して、これをクーラントの供給通路2としたため、該供給通路の製作が容易であり、市販のパイプ材を使用することも可能であり、市販のパイプ材であれば製造コストを大幅に低減することが可能となる。なお、このシャンク軸3は、後述のように複数のシャンク軸部材9が互いにねじ結合されて形成される場合以外に、長尺の一本のシャンク軸からなる場合にも適用されることは勿論である。
【0010】
また、中実丸軸部材の中心部を穿孔してパイプ状体5,6を形成する場合にあっても、中実丸軸部材と同軸心にパイプ孔を形成するために、中実丸軸部材と孔明け工具との相対回転によって孔明け作業を行うことが可能であり、このため中実丸軸部材が1.5メートルを超える長尺部材であっても直進性の優れたパイプ孔を形成することができ、精度良好な深孔切削具を容易に製作することができる。
【0011】
更に、シャンク軸3を形成する外周側のパイプ状体5とこれに嵌合固着される内周側のパイプ状体6において、内周側のパイプ状体6のパイプ孔7をクーラント供給通路2となすため、クーラント供給通路2を大径に形成することが可能となり、それだけクーラントの供給能力を向上させることができる。このように、クーラント供給通路2を大径に形成しても、シャンク軸3が外周側のパイプ状体5とこれに嵌合固着される内周側のパイプ状体6との互いに補完し合う2重パイプ状体からなるため、必要充分な軸強度を確保することができる。
【0012】
そして、シャンク軸3を形成する内外周パイプ状体5,6のうちの外周側パイプ状体5を形成する周壁の一部を軸方向に切除して、この切除部8をクーラント及び切屑の排出溝1となしたため、製作上からはパイプ状体5の一部を軸方向に切削するだけでよいからその製作が容易である。
【0013】
そしてまた、外周側のパイプ状体5を形成する周壁の一部を切除することによって該切除部8の底部に内周側のパイプ状体6の外周面8aの一部が露出することになり、従って、該切除部8は内周側のパイプ状体6の露出した外周面8aと外周側のパイプ状体5の切除端面8b,8cとに囲繞された空隙部によって形成され、このように、該切除部8は内周側のパイプ状体6の外側に形成されるため、従来のシャンク軸の軸心を通る断面V字状のクーラント排出溝の断面積にくらべて、その断面積が小さくなるが、上述のようにクーラントの供給通路2のクーラント供給能力が向上することと相まって、クーラントの排出溝の断面積が多少小さくなっても、むしろクーラントの流速が速くなり、切屑の排出能力が格段に向上させことができる。
【0014】
また請求項2に係る発明は、前記シャンク軸3は、先端部に切削ヘッド4がねじ結合により着脱可能に設けられてなる請求項1に記載の構成からなるものである。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、切削ヘッド4がシャンク軸3から着脱可能に設けられることによって、切削ヘッド4あるいはシャンク軸3の摩耗や欠損等で何れか一方を取り替える必要がある場合に、従来の切削ヘッドとシャンク軸との一体のものに比べて、摩耗や欠損した上記部品のみを交換すればよいからそれだけ修理費用が安価につく。
【0016】
更にはドリリングとリーミングのように他の切削作業に切り換えたりする場合には、この切削ヘッド4のみを交換し、シャンク軸3を継続使用することができる。
【0017】
このように切削ヘッド4がシャンク軸3がねじ結合によって連結されるようになっているため、両者の連結構造が簡単で安価に製作することが可能であり、且つ摩耗や欠損時の何れか一方の部品の交換作業を容易に行うことができる。
【0018】
また請求項3に係る発明は、前記シャンク軸3は、複数のシャンク軸部材9からなり、各シャンク軸部材9は互いに着脱可能にねじ結合されてなる請求項1又は2に記載の構成からなるものである。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、シャンク軸3が複数の互いにねじ結合された複数のシャンク軸部材9からなるため、各シャンク軸部材9として長さの異なる複数本を用意しておけば、その交換によってシャンク長さを変更でき、もって基端部側のドライバ部16を有するシャンク軸部材9Aを交換することなく、適用する削孔深さに応じた適正なシャンク長さを設定できると共に、このシャンク軸部材9の損耗、折損、変形等を生じた際には、該シャンク軸部材9のみを交換して継続使用できる。
【0020】
また請求項4に係る発明は、前記シャンク軸部材9の両側のねじ結合部10の一方が雄ねじ5d、他方が雌ねじ5bを構成すると共に、このシャンク軸部材9と切削ヘッド4とのねじ結合部13が、当該シャンク軸部材9相互のねじ結合部10と同一寸法形状に設定されてなる請求項1〜3の何れかに記載の構成からなるもである。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、必要に応じて複数本のシャンク軸部材9をねじ結合部10において結合したり、シャンク軸部材9に切削ヘッド4をねじ結合部13において結合して所用の切削加工を施すことが可能となる。
【0022】
また請求項5に係る発明は、上記ねじ結合部10,13に用いるねじは角ねじであり、かつ該角ねじにおける雄ねじ5dの末端側と雌ねじ5bの開口端側の不完全ねじ部13aを上記クーラントの排出用の溝1(1A,1B,1C)の形成範囲内に入って存在しない状態である請求項〜4の何れかに記載の構成からなるものである。
【0023】
請求項5に係る発明によれば、シャンク軸部材9相互あるいはシャンク軸部材9と切削ヘッド4との各ねじ係合部10,13を角ねじとすれば、結合強度が大きくなると共に、隙間を生じにくいためにねじ結合部10,13からのクーラントの漏れを防止できる。
【0024】
また、シャンク軸部材9相互或いはシャンク軸部材9と切削ヘッドとの各ねじ係合部10,13における雄ねじ5dの末端側と雌ねじ5bの開口端側の不完全ねじ部13aが、前記排出溝1(1A,1B,1C)の形成範囲内に入って存在しない状態となっているため、排出溝1(1A,1B,1C)を形成する切除端面に完全な端面形状のねじ端が臨んで隙間を生じないので、隙間に切屑が引っ掛かって円滑に排出できないというような不具合の発生を防止できる。
【0025】
また請求項6に係る発明は、前記シャンク軸3の外周のクーラントの排出溝1は、軸に直交する方向の切断面の深さL1はシャンク軸半径の1/2乃至1/4の割合であり、周方向には全周の略1/3〜1/5以下の長さL2の割合に形成されてなる請求項1〜5の何れかに記載の構成からなるもである。
【0026】
請求項6に係る発明によれば、クーラントの排出溝1は、外周側のパイプ状体5を形成する周壁の一部が切除された部分8に形成されるものであるが、その部分の径方向の深さ、即ち該パイプ状体5の厚み方向の深さL1と外周側パイプ状体5の周方向の周壁の切除量L2を上記の範囲内に自在に設定することができ、これによってクーラントの排出能力、従って、被加工物Wの切削孔H内で発生した切屑Sの排出能力を自在に調整することができる。
【0027】
また請求項7に係る発明は、切削ヘッド4には、シャンク軸3側のクーラントの供給通路2側に連通して単数又は複数のクーラントの吐出口15が設けられてなる請求項1〜6の何れかに記載の構成からなるものである。
【0028】
切削ヘッド4には切刃である超硬チップが取り付けられるようになっているため、そのヘッド本体4aには中心部から略90°の断面V字状の開口部が形成されなければならず、これがために、他の部分に形成するようなの前述の切除部8からなる供給通路2を形成することができない。これがために、この発明にあっては、シャンク軸3側のクーラントの供給通路2側に連通して単数又は複数のクーラントの吐出口15が設けられてなるため、ヘッド本体4aにはその中心部から略90°の断面V字状の開口部を形成することができ、なおかつ切屑やクーラントの排出能力を妨げることはない。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る深孔切削具の好適実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0030】
本発明の一実施形態であるガンドリルは、図1(A)〜(C)に示すように、ドライバ部16を備えた基部シャンク軸部材9Aと、その先端に一端側をねじ結合部10でねじ結合して同軸状に着脱可能に連結された中間部シャンク軸部材9Bと、この中間部シャンク軸部材9の他端側にヘッド部シャンク軸部材9Cを同じくねじ結合部13でねじ結合して同軸状に着脱可能に連結されたドリリング用の切削ヘッドであるドリルヘッド4とで構成されている。なお、図1(A)のBで囲んだ部分は、図1(B)に、またCで囲んだ部分は、図1(C)に拡大して示す。
【0031】
基端部側のシャンク軸部材9Aは、図2(A)〜(C)で詳細に示すように、外周側のパイプ状体5と、該外周側のパイプ状体5の内部に挿入されその内周面に固着された内周側のパイプ状体6からなり、内周側のパイプ状体6のパイプ孔7が上記クーラントの供給通路2を形成し、外側のパイプ状体5は、該パイプ状体5を形成する周壁の一部が軸方向に直線状に切除されて該切除部8が上記クーラントの排出溝1Aを形成してなる。
【0032】
内外周両パイプ状体5,6は、市販の鋼管材によって形成することによって安価に製作することができるが、長尺な中実丸軸部材を用いて、この中心部に孔明け加工を施して、パイプ状体に形成してもよい。後者のように、例えば1.5メートルを超える中実丸軸部材の中心部に孔明け作業を行う場合に、孔明け作業具と中実丸軸部材を相対回転させながら孔明け作業を行うことができるから、直進性の良好なパイプ状体を製作することができる。
【0033】
外周側のパイプ状体5は、肉厚なパイプ材によってチャックなどに保持されて回転駆動力を受ける太径のドライバ部16が同軸状に切削加工によって一体形成されてもよいが、大径な肉厚筒状のドライバ部16を独立して製作しておき、これとは別に前述のように外周側のパイプ状体5とこれに嵌合固着した内周側のパイプ状体6とからなる基部シャンク部材9Aを筒状のドライバ部16に嵌合して固着して形成してもよい。固着手段としては圧入、焼嵌め、ねじ止め或いは溶接等の周知の固着手段を採用することができる。
【0034】
そして、ドライバ部16を備えた外周側のパイプ状体5のパイプ孔に鋼管などからなる内周側のパイプ状体6を嵌合し、両者を固着手段によって分離不能に固着する。この固着手段としても前述と同じように圧入、焼嵌め、ねじ止め或いは溶接等の周知の固着手段を採用することができる。
【0035】
また、図2の(B),(C)に示すように、この外周側のパイプ状体5を形成する周壁の一部が軸方向に切除されることによって内周側のパイプ状体6の外周面の一部が露出することになり、この内周側のパイプ状体6の露出した外周面8aと外周側のパイプ状体5の切除端面8b,8cとに囲繞されて切除部8が形成され、該切除部8がクーラントの排出溝1Aを形成することになる。
【0036】
この切除部8は、外周側のパイプ状体5の内部に内周側のパイプ状体6を嵌合固着した後に、外周側のパイプ状体5の周壁を切除して形成してもよいが、予め外周側のパイプ状体5の周壁を切除した後に、該パイプ状体6に内周側のパイプ状体6を嵌合固着して切除部8を形成する方が製作が容易である。
【0037】
基部シャンク軸部材9Aの外周面、即ち外周側のパイプ状体5には、図2の(A)に示すように、基端側の大径なドライバ部16の付近まで切除部8であるクーラント排出溝1Aが長手方向に沿って形成されると共に、基部シャンク部材9Aの先端側には接続筒部5aが設けてあり、正確には基部シャンク部材9Aを形成する内外周パイプ状体5,6のうち、外周側のパイプ状体5に接続筒部5aが形成されており、この接続筒部5aの内奥側に角ねじにて構成される雌ねじ5bが刻設されている。しかして、排出溝1Aは、図2(B),(C)に示すように、基部シャンク軸部材9Aを形成する外周側のパイプ状体5がシャンク軸心Oを中心として略90°の開きをなす周方向長さL2で該パイプ状体5の厚み幅L1分が欠いた形になっており、接続筒部5a及び雌ねじ5bでは周壁5a1を切り欠いて切除部8が形成される。また、ドライバ部16には基端から中間位置に達する中心孔16aが形成され、この中心孔10aの内底から基部シャンク軸部材9Aの接続筒部5aの雌ねじ5bの直前に至るパイプ孔7であるクーラント供給通路2が形成されている。
【0038】
上述のように、排出溝1Aである切除部8は、図2(B),(C)に示すように、基部シャンク軸部材9Aを形成する外周側のパイプ状体5がシャンク軸心Oを中心として略90°の開きをなす周方向長さL2で該パイプ状体5の厚み幅L1分が欠いて形成されるため、排出溝1Aの排出断面積は、上記周方向長さL2と外周側のパイプ状体5の厚み幅L1との割合で決定されることになり、該パイプ状体5の厚み幅L1が一定であれば、上記周方向長さL2によって排出溝1Aの排出断面積、従ってクーラントの排出能力が決定されることになる。
【0039】
中間部シャンク部材9Bは、前述の基部シャンク部材9Aと同一外径の丸筒状であり、図3(A)〜(C)で詳細に示すように、外周側のパイプ状体5と、該外周側のパイプ状体5の内部に挿入されその内周面に固着された内周側のパイプ状体6からなり、内周側のパイプ状体6のパイプ孔7が上記クーラントの供給通路2を形成し、外側のパイプ状体5は、該パイプ状体5を形成する周壁の一部が軸方向に直線状に切除されて該切除部8が上記クーラントの排出溝1(1B)を形成してなる。
【0040】
そして、中間部シャンク部材9Bの一端側には前述の基部シャンク部材9A、正確にはその外周側パイプ状体5に形成した接続筒部5a内に密に嵌入し得る外径の接続軸部5cを有し、この接続軸部5cの先端側に前記接続筒部5aの雌ねじ5bに螺合する角ねじからなる雄ねじ5dが刻設されると共に、他端側には基部シャンク軸部材9Aの接続筒部5aと同一寸法形状で内奥に角ねじからなる雌ねじ5bを刻設した接続筒部5aが形成されている。そして内周側パイプ状体6のパイプ孔7であるクーランク供給通路2は、その一端部が雌ねじ5bの直前に至り、他端部が雄ねじ5dの先端面に至るまで設けられている。
【0041】
しかして、排出溝1Bは、図3(B),(C)に示すように、中間部シャンク軸部材9Bの外周側のパイプ状体5を軸心Oを中心として略90°の開きをなす周方向長さL2で該パイプ状体5の厚み幅L1分が欠いた形になっており、他端部の接続筒部5a及び雌ねじ5bでは周壁5a1を切り欠いて切除部8が形成され、一端部の接続軸部5c及び雄ねじ5dでも周壁5c1を切り欠いて切除部8が形成される。
【0042】
しかして、基部シャンク軸部材9Aと中間部シャンク軸部材9Bとは、図1(A),(C)に示すように、両者の連結状態、つまり基部シャンク部材9Aの外周側パイプ状体5に形成した接続筒部5aに中間部シャンク軸部材9Bの外周側パイプ状体5に形成した接続軸部5cを一杯に嵌入螺合して、接続軸部5cの基部側の段部5gが接続筒部5aの端面に密接した状態で、両者の排出溝1A,1B同士がずれなく直線的に連なると共に、外周側のパイプ状体5に嵌合固着した内周側のパイプ状体6のパイプ孔7であるクーラント供給通路2と後者のクーラント供給孔2とが連通するように設定されており、これによってシャンク軸3が形成されることになる。
【0043】
ドリルヘッド4は、図4(A)〜(D)で詳細に示すように、基端側に外周側パイプ状体5を形成し、このパイプ状体5のパイプ孔に内周側パイプ状体6が嵌合固着されてヘッド部シャンク軸部材9Cが形成され、該軸部材9Cの外周側パイプ状体5に接続軸部5cが形成され、この接続軸部5cの先端側に前記中間部シャンク部材9B側の前記接続筒部5aの雌ねじ5bに螺合する角ねじからなる雄ねじ5dが刻設されると共に、パイプ孔7であるクーランク供給通路2は、その一端部が後述のドリル本体4bの端面に至り、他端部は雄ねじ5dの先端面に至るまで設けられている。また、排出溝1Cは、図4(C)、(D)に示すように、ヘッド部シャンク軸部材9Cの外周側パイプ状体5を軸心Oを中心として切除して形成され、これがために接続軸部5c及び雄ねじ5dはその一部周壁5c1が切除されることは前記中間部シャンク軸部材9Bと同じである。
【0044】
そして、ドリルヘッド4の切刃側のヘッド本体4bは中実となっており、この中実ヘッド本体4bに前記ヘッド部シャンク軸部材9C、正確にはその外周側パイプ状体5に形成した切除部8である排出溝1Cに隣接するヘッド本体4bには、切刃を形成する超硬チップ17を取り付ける必要があるため、軸心を中心として約90°に開いた断面V字状の排出溝4cが形成され、この排出溝4cの一側に臨むように超硬チップ17がロー付けなどによって取り付けられる一方、中実ヘッド本体4bには接続軸部5cの端面、正確には内側パイプ状体6のパイプ孔7である供給通路2に連通して当該ヘッド本体4bの先端面4dに至る2本のクーラント供給孔6c,6cが穿設され、当該先端面4dに両クーラント供給孔6c,6cの開口部である吐出口15,15が開いている。また、排出溝4cを外れた外周部の二箇所にガイドパッド18が固着されている。
【0045】
しかして、このドリルヘッド4は、図1(A),(B)に示すように、そのヘッド部シャンク部材9Cに形成した接続軸部5cを中間部シャンク軸部材9Bの接続筒部5aに一杯に嵌入螺合して、接続筒部5aの端面が接続軸部5cの基部側の段部5gに密接した状態で、排出溝4cおよび1Cが中間部シャンク軸部材9Bの排出溝1Bにずれなく直線的に連なると共に、ドリルヘッド4側のクーラント供給通路2が中間部シャンク軸部材9Bのクーラント供給孔2に連通するように設定されている。なお、ドリルヘッド4の接続軸部5cと中間部シャンク軸部材9Bの接続軸部5cとは同一寸法形状になっている。
【0046】
基部側シャンク部材9A及び中間部シャンク軸部材9Bの接続筒部5a,5a(図2(A),図3(A))における雌ねじ5b,5bの末端側と、中間部シャンク軸部材9B及びドリルヘッド4のヘッド部シャンク軸部材9Cの接続軸部5c,5c(図2(A),図3(A))における雄ねじ5d,5dの開口端側においては、図4(C)におけるドリルヘッド4のヘッド部シャンク軸部材9Cと中間部シャンク軸部材9Bとのねじ結合部13(図1(B)参照)で代表して示すように、雌雄ねじ5a,5dの不完全ねじ部13aを排出溝1(1C)の形成範囲に収め、これら排出溝1(1C)の両側面で完全なねじ断面形状でねじ端が終了し、排出溝1に臨むねじ端で隙間が生じないようになっている。
【0047】
なお、中間部シャンク軸部材9B及びヘッド部シャンク軸部材9Cの接続軸部5c,5c、ならびにこれらに各々対応する中間部シャンク軸部材9B及び基部シャンク軸部材9Aの接続筒部5a,5aとは、同一長さで且つ略同じ内外径のパイロット部として、接続筒部5a,5aに接続軸部5c,5cが円滑に嵌入して正確に同芯状態に螺合できるように構成されている。
【0048】
このようなガンドリルにあっては、シャンク軸3として通常150〜500mm程度の長さのものが使用されるが、このような範囲で長さの異なる複数本の中間部シャンク軸部材9A…を用意しておく。また、上記実施形態では切削ヘッドとしてドリルヘッド4を例示したが、例えばミリングヘッド等の他の切削作業に用いる切削ヘッドとしても、ドリルヘッド4と同様に基端側にヘッド部シャンク部材9Cを形成して、これに雄ねじ5dを有する接続軸部5cと、外周面に全長に排出溝4c,1Cを設けたものを用意することが推奨される。
【0049】
このガンドリルにあっては、まず、シャンク軸3が外周側のパイプ状体5とこれに嵌合固着された内周側のパイプ状体6とからなり、内周側のパイプ状体6のパイプ孔7を利用して、これをクーラントの供給通路2としたため、該供給通路の製作が容易であり、市販のパイプ材を使用することも可能であり、市販のパイプ材であれば製造コストを大幅に低減することが可能となる。なお、このシャンク軸3は、複数のシャンク軸部材9が互いにねじ結合されて形成される場合以外に、図5に示すように、長尺の一本のシャンク軸3、例えば基端部にドライバ部16を備えたシャンク軸3の先端部に切削ヘッド4を一体に取り付けた深孔切削具に適用できることは勿論である。この場合、ドリルベッド4を有するシャンク部材3Aとシャンク軸3とを予め別に製作しておき、両者を山形の接続端面19でロー付けによって一体形成することが好ましい。またドリルヘッド4を備えるヘッド部シャンク軸部材9Cをシャンク軸3に前述のようなねじ結合部13で着脱可能に結合するようにしてもよい。
【0050】
また、中実丸軸部材の中心部を穿孔してパイプ状体5,6を形成する場合にあっても、従来のように偏心位置に孔明けするものであるから、中実丸軸部材の軸心にパイプ孔を形成する際に、中実丸軸部材と孔明け工具との相対回転によって孔明け作業を行うことが可能であり、このため中実丸軸部材が1.5メートルを超える長尺部材であっても直進性の優れたパイプ孔を形成することができ、精度良好な深孔切削具の製作を容易に行うことができる。
【0051】
更に、シャンク軸3を形成する外周側のパイプ状体5とこれに嵌合固着される内周側のパイプ状体6において、内周側のパイプ状体6のパイプ孔7をクーラント供給通路2となすため、クーラント供給通路2を大径に形成することが可能となり、それだけクーラントの供給能力を向上させることができる。このように、クーラント供給通路2を大径に形成しても、シャンク軸3が外周側のパイプ状体5とこれに嵌合固着される内周側のパイプ状体6との互いに補完し合う2重パイプになっているため、軸強度も必要充分に確保することができる。
【0052】
そして、シャンク軸3を形成する内外周パイプ状体5,6のうちの外周側パイプ状体5を形成する周壁の一部を軸方向に切除して、この切除部8をクーラント及び切屑の排出溝1となしたため、製作上からはパイプ状体5の一部を軸方向に切削するだけでよいからその製作が容易である。
【0053】
そしてまた、外周側のパイプ状体5を形成する周壁の一部を切除して切除部8を形成することによって内周側のパイプ状体6の外周面の一部が露出することになり、従って、該切除部8は内周側のパイプ状体6の露出した外周面8aと外周側のパイプ状体5の切除端面8b,8cとに囲繞された空隙部によって形成され、該切除部8は内周側のパイプ状体6の外側に形成されるため、従来のシャンク軸の軸心を通る断面V字状のクーラント排出溝の断面積にくらべて、その断面積が小さくなるが、上述のようにクーラントの供給通路2のクーラント供給能力が向上することと相まって、クーラントの排出溝の断面積が多少小さくなっても、むしろクーラントの流速が速くなり、切屑の排出能力を格段に向上させことができる。
【0054】
また本実施形態のガンドリルによれば、シャンク軸3が基部側シャンク部材9Aと独立部材である中間部シャンク軸部材9Bとから構成されているから、シャンク軸部材9Bとして長さの異なるものを交換することによってシャンク長さを変更でき、もって同じ基部シャンク軸部材9Aを用いて適用する削孔深さに応じた適正なシャンク長さに設定することが可能となる。従って、従来のようにシャンク長さが数段階に異なる複数種の深孔切削具を用意する場合に比較して、備品コストが大幅に低減される。また、経時的なシャンク側の損耗、ならびに使用中におけるシャンク側の突発的な折損や変形の殆どは、切削負荷による捩れ応力が集中し易いシャンク軸中間部で生起するが、本発明の実施形態のガンドリルでは、該捩れ応力の集中部分が概して中間部シャンク軸部材9Bになるため、傷んだ中間部シャンク軸部材9Bのみを新品と交換することにより、傷みにくいが構造的及びサイズ的に製作コストの高い基部シャンク部材9Aを長期にわたって継続使用でき、これによって保全コストも大きく低減できる。
【0055】
更に、本実施形態のガンドリルにあっては、中間部シャンク軸部材9Bの一端側が雄ねじ5dを有する接続軸部5c、他端側が雌ねじ5bを有する接続筒部5aを構成し、基部側シャンク部材9Aと中間部シャンク軸部材9Bの接続筒部5a,5a、ならびに中間部シャンク軸部材9Bとドリルヘッド4のヘッド部シャンク部材9Cの接続軸部5c,5cが同一寸法形状に設定されているから、複数本の中間部シャンク軸部材9B…を直線状に連結したり、中間部シャンク軸部材9Bを介さずに基部にドライバ部16を備えた長尺な一本のシャンク軸3に対してドリルヘッド4を直接に連結することも可能であり、複数本の中間部シャンク軸部材9B…の連結によって極端に長い削孔にも対応できる一方、逆に一本の長尺なシャンク軸3へのドリルヘッド4の直接連結によって比較的に短い削孔にも対応できる。
【0056】
一方、ドリルヘッド4の切刃である超硬チップ17の消耗や折損を生じた際は、該ドリルヘッド4のみを取り替えるだけでよく、基部シャンク軸部材9A及び中間部シャンク軸部材9Bをそのまま継続使用でき、段取り替えに際しても該ドリルヘッド4のみをねじ込み交換するだけでよいため、簡単に短時間で作業を行えて生産効率が向上し、また、ドリリングとリーミングのように他の切削作業に切り換える場合にも、対応する種類の切削ヘッドだけを用意しておけばよいので、備品コストを低減できると共に交換作業も短時間で容易に行える。
【0057】
また、本実施形態では、中間部シャンク軸部材9Bと基部シャンク部材9A及びドリルヘッド4のヘッド部シャンク部材9Cとの各ねじ結合部における雌ねじ5b及び雄ねじ5dを角ねじにて構成しているので、高い結合強度が得られると共に、ねじ部に隙間が生じ難いため、ねじ結合部からのクーラントの漏れが防止される。
【0058】
また、各ねじ係合部における雄ねじ5dの末端側と雌ねじ5bの開口端側の不完全ねじ部が、図4の(C)に示すように、前記排出溝1(1A,1B,1C)の形成範囲内に収まっているため、これら排出溝の両側面に完全な断面形状のねじ端が臨んで隙間を生じないから、隙間に切屑が引っ掛かって円滑に排出できないといった不具合も防止される。
【0059】
なお、上記実施形態では、基部シャンク軸部材9A及び中間部シャンク軸部材9Bの一端部を接続筒部5a及び雌ねじ5bとし、中間部シャンク軸部材9Bの他端部を接続軸部5c及び雄ねじ5dとし、ヘッド部シャンク軸部材9Cの一端部も接続軸部5c及び雄ねじ5dとしているが、これとは反対に基部シャンク軸部材9A及び中間部シャンク軸部材9Bの一端部を接続軸部5c及び雄ねじ5dとし、中間部シャンク軸部材9Bの他端部を接続筒部5a及び雌ねじ5bとし、ヘッド部シャンク軸部材9Cの一端部を接続筒部5a及び雌ねじ5bとし、これによってねじ結合部10,13を形成するようにしてもよい。また、実施形態の説明ではドリルヘッド4に切刃を形成する超硬チップ17をロウ付けした例を示したが、ドリルヘッド4の如き切削ヘッド全体を工具鋼にて構成し、その先端に切刃を直接形成したり、前記超硬チップ8をドリルヘッド3にねじ止めしたりする構成も採用可能である。更に、各部材9A,9B,9Cの排出溝1(1A,1b,1C)の周方向長さL2は、V字状断面の開き角が90°のものを例示したが、略90°〜130°の範囲の適当な開き角に設定することもできる。
【0060】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、まず、シャンク軸が外周側のパイプ状体とこれに嵌合固着された内周側のパイプ状体とからなり、内周側のパイプ状体のパイプ孔を利用して、これをクーラントの供給通路としたため、該供給通路の製作が容易であり、市販のパイプ材を使用することも可能であり、市販のパイプ材であれば製造コストを大幅に低減することが可能となる。なお、このシャンク軸は、後述のように複数のシャンク軸部材が互いにねじ結合されて形成される場合以外に、長尺の一本のシャンク軸からなる場合にも適用されることは勿論である。
【0061】
また、中実丸軸部材の中心部を穿孔してパイプ状体を形成する場合にあっても、中実丸軸部材の軸心にパイプ孔を形成する際に、中実丸軸部材と孔明け工具との相対回転によって孔明け作業を行うことが可能であり、このため中実丸軸部材が1.5メートルを超える長尺部材であっても直進性の優れたパイプ孔を形成することができ、精度良好な深孔切削具の製作を容易に行うことができる。
【0062】
更に、シャンク軸を形成する外周側のパイプ状体とこれに嵌合固着される内周側のパイプ状体において、内周側のパイプ状体のパイプ孔をクーラント供給通路となすため、クーラント供給通路を大径に形成することが可能となり、それだけクーラントの供給能力を向上させることができる。このように、クーラント供給通路を大径に形成しても、シャンク軸が外周側のパイプ状体とこれに嵌合固着される内周側のパイプ状体との互いに補完し合う2重パイプになっているため、軸強度も必要充分に確保することができる。
【0063】
そして、シャンク軸を形成する内外周パイプ状体のうちの外周側パイプ状体を形成する周壁の一部を軸方向に切除して、この切除部をクーラント及び切屑の排出溝となしたため、製作上からはパイプ状体の一部を軸方向に切削するだけでよいからその製作が容易である。
【0064】
そしてまた、外周側のパイプ状体を形成する周壁の一部を切除して切除部を形成することによって該切除部に内周側のパイプ状体の外周面の一部が露出することになり、従って、該切除部は内周側のパイプ状体の露出した外周面と外周側のパイプ状体の切除端面とに囲繞された空隙部によって形成され、該切除部は内周側のパイプ状体の外側に形成されるため、従来のシャンク軸の軸心を通る断面V字状のクーラント排出溝の断面積にくらべて、その断面積が小さくなるが、上述のようにクーラントの供給通路のクーラント供給能力が向上することと相まって、クーラントの排出溝の断面積が多少小さくなっても、むしろクーラントの流速が速くなり、切屑の排出能力が格段に向上させことができる。
【0065】
請求項2に係る発明によれば、切削ヘッドがシャンク軸から着脱可能に設けられることによって、切削ヘッドあるいはシャンク軸の摩耗や欠損等で何れか一方を取り替える必要がある場合に、従来の切削ヘッドとシャンク軸との一体のものに比べて、摩耗や欠損した上記部品のみを交換すればよいからそれだけ修理費用が安価につく。
【0066】
更にはドリリングとリーミングのように他の切削作業に切り換えたりする場合には、この切削ヘッドのみを交換するだけで、ドリリング作業からリーミング作業に容易に転換することができ、一方シャンク軸は継続使用することができる。
【0067】
このように切削ヘッド4がシャンク軸3がねじ結合によって連結されるようになっているため、両者の連結構造が簡単で安価に製作することが可能であり、且つ摩耗や欠損時の何れか一方の部品の交換作業を容易に行うことができる。
【0068】
請求項3に係る発明によれば、シャンク軸が複数の互いにねじ結合された複数のシャンク軸部材からなるため、各シャンク軸部材として長さの異なる複数本を用意しておけば、その交換によってシャンク長さを変更でき、もって基端部側のドライバ部を有するシャンク軸部材を交換することなく、適用する削孔深さに応じた適正なシャンク長さを設定できると共に、このシャンク軸部材の損耗、折損、変形等を生じた際には、該シャンク軸部材のみを交換して継続使用できる。
【0069】
請求項4に係る発明によれば、必要に応じて複数本のシャンク軸部材を連結したり、シャンク軸部材に切削ヘッドを連結して所用の切削加工を施すことが可能となる。
【0070】
請求項5に係る発明によれば、シャンク軸部材相互あるいはシャンク軸部材と切削ヘッドとの各ねじ係合部を角ねじとすれば、結合強度が大きくなると共に、隙間を生じにくいためにねじ係合部からのクーラントの漏れを防止できる。
【0071】
また、シャンク軸部材相互或いはシャンク軸部材と切削ヘッドとの各ねじ係合部における雄ねじの末端側と雌ねじの開口端側の不完全ねじ部が、前記排出溝の形成範囲内に入って存在しない状態となっているため、排出溝を形成する切除端面に完全な端面形状のねじ端が臨んで隙間を生じないので、隙間に切屑が引っ掛かって円滑に排出できないというような不具合の発生を防止できる。
【0072】
請求項6に係る発明によれば、クーラントの排出溝は、外周側のパイプ状体を形成する周壁の一部が切除された部分に形成されるものであるが、その部分の径方向の深さ、即ち該パイプ状体の厚み方向の深さと外周側パイプ状体の周方向の周壁の切除量を上記の範囲内に自在に設定することができ、これによってクーラントの排出能力、従って、被加工物Wの切削孔内で発生した切屑の排出能力を自在に調整することができる。
【0073】
請求項7に係る発明によれば、切削ヘッドには切刃である超硬チップが取り付けられるようになっているため、そのヘッド本体には中心部から略90°の断面V字状の開口部が形成されなければならず、これがために、他の部分に形成するようなの前述の切除部からなる供給通路を形成することができない。これがために、この発明にあっては、シャンク軸側のクーラントの供給通路側に連通して単数又は複数のクーラントの吐出口が設けられてなるため、ヘッド本体にはその中心部から略90°の断面V字状の開口部を形成することができ、なおかつ切屑やクーラントの排出能力を妨げることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるガンドリルを示し、(A)は全体構成を示す部分省略正面図、(B)は(A)の仮想線円B内の拡大図、(C)は(A)の仮想線円C内の拡大図である。
【図2】 同実施形態のガンドリルに用いる基部シャンク軸部材を示し、(A)は全体構成を示す部分省略正面図、(B)は先端から見た側面図、(C)は(A)のC−C線の矢視断面図である。
【図3】 同実施形態のガンドリルに用いる中間部シャンク軸部材を示し、(A)は全体構成を示す部分省略正面図、(B)は先端から見た側面図、(C)は(A)のC−C線の矢視断面図である。
【図4】 同実施形態のガンドリルに用いる切削ヘッドを示し、(A)は全体構成を示す部分省略正面図、(B)は先端から見た側面図、(C)は(A)のC−C線の断面図、(D)は基端から見た側面図である。
【図5】 本発明の他の実施形態を示すガンドリルの正面図である。
【図6】 (a)および(b)は、従来から使用されているガンドリルシステムの概略構成とそれに用いるガンドリルの断面図である。
【符号の説明】
1 クーラントの排出溝
2 クーラントの供給通路
3 シャンク軸
4 切削ヘッド
5 外周側のパイプ状体
6 内周側のパイプ状体
7 パイプ孔
8 切除部
9 シャンク軸部材
10 ねじ結合部
5d 雄ねじ
5b 雌ねじ
13 ねじ結合部
13a 不完全ねじ部
15 吐出口
16 ドライバ部

Claims (7)

  1. 外周部にはクーラントの排出溝が設けられ内部にはクーラントの供給通路が設けられたシャンク軸と、シャンク軸の先端部に切削ヘッドを備える深孔切削具であって、前記シャンク軸は外周側のパイプ状体と、 該外周側のパイプ状体の内部に挿入されその内周面に固着された内周側のパイプ状体からなり、内周側のパイプ状体のパイプ孔が上記クーラントの供給通路を形成し、外周側のパイプ状体は、該パイプ状体を形成する周壁の一部が軸方向に直線状に切除されて該切除部が上記クーラントの排出溝を形成してなることを特徴とする深孔切削具。
  2. 前記シャンク軸は、先端部に切削ヘッドがねじ結合により着脱可能に設けられてなる請求項1に記載の深孔切削具。
  3. 前記シャンク軸は、複数のシャンク軸部材からなり、各シャンク軸部材は互いに着脱可能にねじ結合されてなる請求項1又は2に記載の深孔切削具。
  4. 前記シャンク軸部材の両側のねじ結合部の一方が雄ねじ、他方が雌ねじを構成すると共に、このシャンク軸部材と切削ヘッドとのねじ結合部が、当該シャンク軸部材相互のねじ結合部と同一寸法形状に設定されてなる請求項1〜3の何れかに記載の深孔切削具。
  5. 上記ねじ結合に用いるねじは角ねじであり、かつ該角ねじにおける雄ねじの末端側と雌ねじの開口端側の不完全ねじ部を上記クーラントの排出用の溝の形成範囲内に入って存在しない状態である請求項〜4の何れかに記載の深孔切削具。
  6. 前記シャンク軸の外周のクーラントの排出溝は、軸に直交する方向の切断面の深さがシャンク軸半径の1/2乃至1/4の割合であり、周方向には全周の略1/3乃至1/5以下の長さの割合になるよう形成されてなる請求項1〜5の何れかに記載の深孔切削具。
  7. 切削ヘッドには、シャンク軸側のクーラントの供給通路と連通して単数又は複数のクーラントの吐出口が設けられてなる請求項1〜6の何れかに記載の深孔切削具。
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