JP4047703B2 - 深穴切削具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガンドリルシステムに適用されるドリルの如き深穴切削具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
深穴加工システムとして、ガンドリルシステム、BTAシステム、エジェクタシステムなどが知られているが、比較的小径の深穴加工には簡単な構成のガンドリルシステムが汎用されている。
【0003】
ガンドリルシステムは、図11に示すように、中空筒状で外面に長手方向に沿う断面V字状の凹溝を形成した工具シャンク31の先端に、ドリルヘッド32を一体的に固着したガンドリル30を用い、その工具シャンク31の中空部内をクーラントCの供給通路33、凹溝を切屑Sの排出溝34とし、深穴加工時に、高圧のクーラントCを供給通路33を通してドリルヘッド32の先端側より吐出させ、被加工物Wの切削穴H内で発生した切屑Tを当該クーラントCと共に排出溝34を通して外部に排出するように構成されている。しかして、このガンドリルシステムでは、小径でも排出溝34のスペースを大きくとれることで、切屑Tを比較的容易に排出できる利点がある。
【0004】
このようなガンドリル30として、図12に示す構成のものが一般的に知られている。その工具シャンク31は、チャックなどに保持されて回転駆動力を受ける円筒状のドライバ部31aに、比較的薄肉のパイプ材の基端部を除くダイス成形によって外面に長手方向に沿う断面V字状の排出溝34aを形成した筒軸部31bの基端部を嵌入固定した構造を備えている。また、ドリルヘッド32は、鋼材の研削加工によって外周面に前記筒軸部31bと同様の排出溝34bが形成され、先端部に該排出溝34bの一側面に臨んで切刃を形成する超硬チップ35がロウ付けされると共に、内部に工具シャンク31の供給通路33aに連通する供給通路33bを有し、先端面に該供給通路33bに連通する吐出口36が開口している。なお、ドリルヘッド32としては、全体が工具鋼からなって先端部に研削加工による切刃を形成したものや、超硬チップからなる切刃をねじ止めしたものも使用されている。そして、工具シャンク31とドリルヘッド32とは、筒軸部31bのV字状をなす先端にドリルヘッド32の山形基端部32aを嵌合し、この嵌合部でロウ付けすることによって一体化されている。
【0005】
しかるに、上記の従来汎用のガンドリル30では、ドリルヘッド32の切刃の消耗や折損を生じた際に工具シャンク31を含めて切削具全体を取り替える必要があってコスト高になる上、段取り替えにおいても長尺の切削具全体を交換するのに長時間を要して加工効率の低下を招き、また切刃の消耗に伴う再研磨作業も容易ではなく再研磨コストが高く付き、更にドリリングの他にリーミング行う場合は工具シャンク31の先端にリーマヘッドを固着したリーマ専用工具が必要になって一層コスト高になるという問題があった。
【0006】
そこで、本出願人は、先に特願2002−295789において、中空内部をクーラント供給通路とし、外周面に長手方向に沿う断面V字状の排出溝を有する工具シャンクの先端に、切削ヘッドをねじ孔係合にて着脱可能に取り付けた深穴切削具を提案している。
【0007】
この提案に係る深穴切削具では、例えば図8に示すように、工具シャンク21は、円筒状のドライバ部21aにパイプ材からなるシャンク部21bが基端側を嵌入固定され、その先端に中空筒状の被装着部21cが一体的に設けられており、これらの全体にわたって連通する中空内部をクーラント供給通路23aとし、シャンク部21bの基端部を除いて当該シャンク部21bから被装着部21cの先端までの外周面に長手方向に沿う断面V字状の排出溝24aを有すると共に、被装着部21cの先端側に雌ねじ27aが形成されている。そして、切削ヘッド22は、図9でも示すように、基端側に前記被装着部21cの雌ねじ27aに螺合する雄ねじ27bを備え、内部には被装着部21cに螺合連結した状態で工具シャンク21側のクーラント供給通路23aに連通する連通孔23bを有すると共に、外周面には同じく螺合連結した状態で工具シャンク21側の排出溝24aと直線的に繋がる断面V字状の凹溝24bが雄ねじ27b部分を含めて全長に形成され、先端部には排出溝24bの一側に臨んで設けられた切刃25と前記連通孔23bの開口部である吐出口26とを備えている。
【0008】
このような深穴切削具によれば、切刃25の消耗や折損を生じた際、切削ヘッド22のみを取り替えるだけで工具シャンク21は継続使用できるから、切削ヘッドが一体型の切削具に比較して大幅なコスト低減が図れる上、段取り替えに際しても切削ヘッド22のみをねじ込み交換するだけでよいため、簡単に短時間で作業を行えて生産効率が向上し、また切刃25の消耗に伴う再研磨や交換の作業も切削ヘッド22だけを取り外して容易に行え、ドリリリングとリーミングのように他の切削作業に切り換える場合にも、対応する種類の切削ヘッド22…だけを用意しておけばよいので、備品コストを低減できると共に交換作業も短時間で容易に行えるという利点がある。
【0009】
一方、比較的に大きな径の削孔に用いる油孔付き工具として、複数の切刃を備えたドリルが汎用されている。しかして、このような複数の切刃はドリル先端部の径方向の両側で互いに向きが逆になるように配置するため、ガンドリルシステムにおいて複数の切刃を備えた切削ヘッドを用いる場合、加工中の切屑を効率よく排出するために、前記の長手方向に沿う断面V字状の排出溝を工具シャンク及び切削ヘッドの径方向の両側に設けることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記提案の深穴切削具のように、工具シャンクと切削ヘッドとを別部材として両者をねじ係合にて連結する構成では、工具シャンク及び切削ヘッド径方向両側に排出溝を設けると、両側の排出溝によってねじ係合部におけるねじ部分が少なくなり、これによって両者の連結部の強度が非常に弱くなるため、切削負荷に耐えられなくなるという難点があった。
【0011】
例えば、図10はガンドリルシステムに適用する3つの切刃を有する切削ヘッドを工具シャンクとは別部材とする場合の仮定構成を示しており、(A)はヘッド先端面、(B)は基端側のねじ係合部(雄ねじ部)の断面である。図示のように、切削ヘッド22Pは、径方向両側に断面V字状をなす大小の排出溝24L,24Sを有しており、ヘッド先端部には、大きい排出溝24Lの片側(ヘッド回転方向後方側)の側面に臨んで中央部切刃25aと周辺部切刃25cが設けられると共に、小さい排出溝25Sの同じく片側(ヘッド回転方向後方側)の側面に臨んで中間部切刃25bが設けられ、両排出溝25L,25Sによる括れで分かたれた両側の略扇形の肉部28a,28bに各々クーラント供給孔23が貫設され、各供給孔23がヘッド先端面で吐出口26として開口している。29は肉部28a,28bの外周面に固着されたガイドパッドである。
【0012】
しかして、このような切削ヘッド22Sでは、基端側のねじ係合部における雄ねじ27bの領域は、図10(B)の如く、両排出溝25L,25Sによって切り欠かれて2つの円弧部に分離する上、その2つの円弧部を合わせても全周の1/2をやや上回る程度でしかなく、当然に対応する工具シャンク側のねじ係合部の雌ねじ(図示省略)の領域も同じになる。従って、当該切削ヘッド22Sを工具シャンクにねじ係合で連結した深穴切削具では、両者の連結部の強度が非常に弱くなってしまい、切削負荷による連結部の折損、曲がりや捻じれ等の変形を生じ易くなる。
【0013】
本発明は、上述の情況に鑑み、工具シャンクと切削ヘッドとを別部材として両者をねじ係合にて連結する構成において、該切削ヘッドに複数の切刃を備えたものを用いる場合に、工具シャンクと切削ヘッドと連結部の強度を充分に確保して、しかも切屑の排出性をよくして切削効率を高め得る深穴切削具を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る深穴切削具は、中空内部をクーラント供給通路とし、外周面の長手方向に沿って形成した断面V字状の1本の排出溝を有する工具シャンクと、この工具シャンクの先端部に基端部をねじ係合にて同軸状に着脱可能に連結される切削ヘッドとを備え、前記切削ヘッドは、連結状態において前記工具シャンクのクーラント供給通路に連通するクーラント供給孔と、該工具シャンクの排出溝に直線的に連なる1本の排出溝と、この排出溝に対して径方向の略対向位置で先端面から外周面にわたって開口した排出口と、該排出口からヘッド内部を通って前記排出溝に至るバイパス流路孔とを備え、該切削ヘッドの先端部には、複数の切刃が前記排出溝と前記排出口とに各々臨んで分配形成されると共に、先端面に前記クーラント供給孔に連通する2つの吐出口が径方向の略対向位置に開口してなる構成を採用したものである。
【0015】
上記構成の深穴切削具によれば、工具シャンク及び切削ヘッドの外周面に長手方向に沿って形成される断面V字状の排出溝が1本であるため、両者のねじ係合部の雄ねじ及び雌ねじの領域は、該排出溝によって周方向の1箇所で切り欠かれるだけで、略3/4にわたって周方向に連続した形になる。従って、工具シャンクと切削ヘッドのねじ係合による連結部は、切削負荷に耐える充分な強度が付与され、加工中の折損、曲がりや捻じれ等の変形を生じ難くなる。しかして、前記排出溝は1本であり、この排出溝に臨む一側の切刃によって切削された切屑は、先端の吐出口から吐出されるクーラントに伴ってそのまま当該排出溝を通って排出されるが、他側の切刃によって切削された切屑も、吐出口から吐出されるクーラントと共にバイパス流路を通って該排出溝に流入し、当該排出溝を通って排出され、もって切屑の良好な排出性に基づく高い切削効率が得られる。
【0016】
このような構成において、前記切削ヘッドの先端面に、前記排出溝の先端開放部とそのヘッド回転方向前方側に位置する吐出口との間、ならびに前記排出口とそのヘッド回転方向前方側に位置する吐出口との間に、それぞれクーラント誘導凹所を形成すれば、ヘッド先端部で吐出されるクーラントを排出溝とバイパス流路孔とに偏りなく分配できるから、各々に臨む切刃より発生する切屑を共に効率よく排出できる。
【0017】
また、前記切削ヘッドが中央部切刃及び周辺部切刃と中間部切刃の3つの切刃を有する構成では、前記排出溝側に中央部切刃及び周辺部切刃を、前記バイパス流路孔側に中間部切刃を、それぞれ配置させることが推奨される。これは、切屑がヘッド先端の排出溝側では直接に当該排出溝に流入するのに対し、バイパス流路孔側では曲がった流路を経て該排出溝に合流するため、両者間で流通抵抗による排出性の差があり、切屑発生量が多くなる方を排出性の高い排出溝側とするのが好ましいことによる。
【0018】
しかして、前記工具シャンクは、回転駆動力を受けるドライバ部を備えた工具シャンク本体と、この工具シャンク本体の先端部に一端側をねじ係合して同軸状に着脱可能に連結される連結用シャンク軸とで構成し、該連結用シャンク軸の他端側に前記切削ヘッドに対するねじ係合部を有するものとしてもよい。このように工具シャンクを分割構成とすれば、連結用シャンク軸として長さの異なるものを着脱交換することにより、削孔深さに対応した適正なシャンク長さを選択できると共に、連結用シャンク軸の経時的を損耗、加工中の突発的な折損や変形等を生じた際に、該連結用シャンク軸のみを交換すればよく、工具シャンク本体は継続使用できることになる。
【0019】
また、上記のように工具シャンクを分割構成とする場合に、工具シャンク本体と連結用シャンク軸とのねじ係合部を、連結用シャンク軸と切削ヘッドとのねじ係合部と同一寸法形状に設定すれば、必要に応じて複数本の連結用シャンク軸を連結したり、連結用シャンク軸を介さずに工具シャンク本体に対して切削ヘッドを直接に連結して所用の切削加工を施すことが可能となる。
【0020】
一方、ねじ係合部の雌ねじと雄ねじを角ねじにて構成すれば、結合強度が大きくなると共に、隙間を生じにくいためにねじ係合部からのクーラントの漏れを防止できる。
【0021】
更に、ねじ係合部における雌ねじの奥端部に、ねじ切り用のぬすみ部を埋める埋込部材を配置し、この埋込部材に雄ねじの端面が密接するように構成すれば、部材製作の際にねじ切りを容易に行うためにぬすみ部が生じても、そのぬすみ部が埋められて隙間を生じないので、隙間に切屑が引っ掛かって円滑に排出できないというような不具合の発生を防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る深穴切削具の好適実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1〜図4は第一実施形態のガンドリル、図5〜図7は第二実施形態のガンドリルをそれぞれ示す。
【0023】
第一実施形態のガンドリルは、図1(A)〜(C)に示すように、工具シャンク1と、その先端に基端部をねじ係合して同軸状に着脱可能に連結された切削ヘッド3とで構成されている。
【0024】
工具シャンク1は、チャックなどに保持されて回転駆動力を受ける円筒状のドライバ部10aと、このドライバ部10aに基端側を嵌入固定した略丸軸状のシャンク部10bとで構成されている。このシャンク部10bは、パイプ材の先端に筒状部材をV字カットで突き合わせて溶接固着したものであり、外周面には基端側を除いて長手方向に沿う断面V字状の排出溝3が先端まで形成されると共に、先端側には有底の接続筒部1aが設けてあり、この接続筒部1aの内奥側に角ねじにて構成される雌ねじ4aが刻設されている。しかして、排出溝3は、シャンク部10bの略中心から略90°の開きをなす扇形で、パイプ材にはダイス成形によって形成されており(図12(D)と同じ断面構造)、接続筒部1aにおいては周側壁の略1/4を切り欠く形になっている。また、工具シャンク1には、各構成部材の中空部の連通により、ドライバ部10aの基端から接続筒部1aの内底に至るクーラント供給通路5が排出溝3には開口しない状態で形成されている。
【0025】
切削ヘッド2は、図1、特に図2(A)〜(C)で詳細に示すように、基端側が工具シャンク1の接続筒部1a内に密に嵌入し得る外径の接続軸部2aをなし、この接続軸部2aの先端側に前記接続筒部1aの雌ねじ4aに螺合する角ねじからなる雄ねじ4bが刻設されると共に、外周面には該接続軸部2aを含む全長にわたって長手方向に沿う断面V字状の1本の排出溝6が形成される一方、先端側の該排出溝6とは径方向で略対向する位置に、先端面2bから外周面にわたって開口した排出口7aを有し、該排出口7aからヘッド内部を通って前記排出溝6に至るバイパス流路孔7が形成されている。7bは該バイパス流路孔7の排出溝6に開口した合流口である。また、切削ヘッド2の内部には、接続軸部2aの端面から当該切削ヘッド2の先端面2bに至る2本のクーラント供給孔8a,8bが、排出溝6及びバイパス流路孔7を避けて、且つ径方向に略対向する配置で穿設されている。
【0026】
しかして、該切削ヘッド2の先端部には、超硬チップからなる中央部切刃9aと周辺部切刃9cとが排出溝6のヘッド回転方向後方側の側面に臨んでねじ止めされると共に、同じく超硬チップからなる中間部切刃9bが排出口7aに臨んで且つ中央部切刃9a及び周辺部切刃9cとは逆向きになる配置でねじ止めされ、また排出溝6及び排出口7aを外れた外周部の二箇所にガイドパッド13が固着されている。更に、先端面2bには、両クーラント供給孔8a,8bの開口部である吐出口80a,80bを有し、排出溝6の先端開放部6aとそのヘッド回転方向前方側に位置する吐出口80aとの間、ならびに前記排出口7aとそのヘッド回転方向前方側に位置する吐出口80bとの間に、それぞれクーラント誘導凹所81が形成されている。なお、排出溝6に対応するクーラント供給孔8aとその吐出口80aは、排出口7aに対応するクーラント供給孔8bとその吐出口80bよりも径を大きくしている。
【0027】
工具シャンク1と切削ヘッド2とは、図1に示すように、両者の連結状態、つまり工具シャンク1の接続筒部1aに切削ヘッド2の接続軸部2aを一杯に嵌入螺合して、接続軸部2aの基部側の段部2cが接続筒部1aの端面に密接した状態で、両者1,2の排出溝3,6同士がずれなく直線的に連なると共に、前者1のクーラント供給通路5と後者のクーラント供給孔8a,8bとが連通するように設定されている。なお、工具シャンク1の接続筒部1aにおける端面と雌ねじ4aとの間、ならびに切削ヘッド2の接続軸部2aにおける基部側の段部2cと雄ねじ4bとの間は、同一長さで且つ略同じ内外径のパイロット部として、接続筒部1aに接続軸部2aが円滑に嵌入して正確に同芯状態に螺合できるように構成されている。
【0028】
また、工具シャンク1の接続筒部1aにおける雌ねじ4aの奥端は、これに螺入する切削ヘッド2の接続軸部2aの雄ねじ4bの端面が密接状態で当接して隙間が生じないように軸芯に垂直な平坦面に形成されている。このように雌ねじ4aの奥端が平坦面になるようにねじ切り加工するのは実際には困難であるため、具体的には、図1に示すように、雌ねじ4aの奥端部に、ねじ切り用のぬすみ部を埋める金属片から成る埋込部材14を配置し、ロウ付け等にて一体固着している。
【0029】
上記構成のガンドリルでは、工具シャンク1及び切削ヘッド2の外周面に長手方向に沿って形成される断面V字状の排出溝3,6が1本であるため、両者のねじ係合部の雌ねじ4a及び雄ねじ4bの領域は、該排出溝3,6によって周方向の1箇所で切り欠かれるだけで、略3/4にわたって周方向に連続した形になる。従って、工具シャンク1と切削ヘッド2のねじ係合による連結部は、切削負荷に耐える充分な強度を具備し、加工中の折損、曲がりや捻じれ等の変形を生じ難くなる。しかして、切削ヘッド2の排出溝6は1本であるが、中央部切刃9a及び周辺部切刃9cによって切削された切屑は、先端の吐出口80aから吐出されるクーラントに伴ってそのまま当該排出溝6と工具シャンク1の排出溝3とを通って排出される一方、中間部切刃9bによって切削された切屑も、吐出口80bから吐出されるクーラントと共に排出口7aよりバイパス流路7を通って、合流口7bより該排出溝6に流入し、当該排出溝6と工具シャンク1の排出溝3とを通って排出される。従って、このガンドリルによれば、切屑の良好な排出性に基づく高い切削効率が得られる。
【0030】
また、この実施形態では、切削ヘッド2の先端面2bに、吐出口80a,80bから排出溝6と排出口7aに至るクーラント誘導凹所81が形成されていることから、ヘッド先端部で吐出されるクーラントを排出溝6とバイパス流路孔7とに偏りなく分配でき、これによって各々に臨む切刃9a〜9cより発生する切屑を共に効率よく排出できる。更に、排出溝6側に中央部切刃9a及び周辺部切刃9cが臨み、排出口7a側つまりバイパス流路孔7側に中間部切刃9bが臨んでいるから、中央部切刃9aと周辺部切刃9cから多量に発生する切屑が直接に排出溝6に流入する一方、曲がった流路き流通抵抗で排出性に劣るバイパス流路孔7側には中間部切刃9bによる比較的少量の切屑が流入することになり、排出溝6とバイパス流路孔7との排出性の差に対応して流入する切屑量のバランスがとれ、もって全体として高い切屑排出性が確保される。
【0031】
更に、本実施形態では、工具シャンク1と切削ヘッド2とのねじ係合部における雌ねじ4a及び雄ねじ4bを角ねじにて構成しているので、高い結合強度が得られると共に、螺合部に隙間が生じ難いため、ねじ係合部からのクーラントの漏れが防止される。また、雌ねじ4aの奥端部に雄ねじ4bの先端面が密接するように、ねじ切り用のぬすみ部を埋める埋込部材14を配置しているので、ねじ切りを容易に行うためにぬすみ部が生じても、そのぬすみ部が埋められて隙間を生じず、クーラントの漏れがより確実に防止される。なお又、工具シャンク1の雌ねじ4aの開口端側と、切削ヘッド2の雄ねじ4bの末端側において、雌雄ねじ4a,4bの不完全ねじ部を排出溝3,6の両側面で完全なねじ断面形状でねじ端が終了し、排出溝3,6に臨むねじ端で隙間が生じないようになっている。
【0032】
一方、このガンドリルでは、工具シャンク1に対して切削ヘッド2が着脱自在であるから、該切削ヘッド2の切刃9a〜9cの消耗や折損を生じた際は、該切削ヘッド2のみを取り替えるだけでよく、工具シャンク1をそのまま継続使用でき、段取り替えに際しても該切削ヘッド2のみをねじ込み交換するだけでよいため、簡単に短時間で作業を行えて生産効率が向上し、また切刃9a〜9cの消耗に伴う交換についても切削ヘッド2だけを取り外して単独で取り扱えるから、それらの作業を容易に行え、更にドリリリングとリーミングのように他の切削作業に切り換える場合にも、対応する種類の切削ヘッドだけを用意しておけばよいので、備品コストを低減できると共に交換作業も短時間で容易に行える。
【0033】
第二実施形態のガンドリルは、図5(A)に示すように、工具シャンク1が工具シャンク本体11と連結用シャンク軸12とに分割構成されている。しかるに、切削ヘッド2については、前記第一実施形態のガンドリルと同様構成であるため、各構成部分に第一実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0034】
工具シャンク本体11は、図6(A)〜(C)で詳細に示すように、チャックなどに保持されて回転駆動力を受ける太径のドライバ部11aの先端側に、細径丸軸状の基部シャンク11bが同軸状に一体形成されており、基部シャンク11bの外周面には基端側を除いて断面V字状の排出溝3aが長手方向に沿って先端まで形成されると共に、基部シャンク11bの先端側には前記第一実施形態の工具シャンク1における接続筒部1aと同様の接続筒部1bが設けてあり、この接続筒部1bの内奥側に角ねじにて構成される雌ねじ4aが刻設されている。しかして、排出溝3aは、図6(B),(C)に示すように、基部シャンク11bの略中心から略90°の開きをなす扇形で、基部シャンク11bの円形断面の略1/4を欠いた形になっており、接続筒部1bでは周側壁を切り欠いている。また、ドライバ部11aには基端から中間位置に達する中心孔50が形成され、この中心孔50の内底から基部シャンク11の接続筒部1aの内底に至る2本のクーラント供給通路5a,5aが排出溝3aを避けて穿設されている。
【0035】
連結用シャンク軸12は、工具シャンク本体11の基部シャンク11bと同一外径の丸軸状であり、図7(A)〜(C)で詳細に示すように、その一端側には該工具シャンク本体11の接続筒部1b内に密に嵌入し得る外径の接続軸部12aを有し、この接続軸部12aの先端側に前記接続筒部1bの雌ねじ4aに螺合する角ねじからなる雄ねじ4bが刻設されると共に、他端側には工具シャンク本体11の接続筒部1bと同一寸法形状で内奥に角ねじからなる雌ねじ4aを刻設した接続筒部12bが形成されている。また、この連結用シャンク軸12の外周面には、長手方向に沿う断面V字状の排出溝3bが接続軸部12a及び接続筒部12bの部分を含む全長にわたって形成され、また該連結用シャンク軸12の内部には、接続軸部12aの端面から接続筒部12bの内底に至る2本のクーラント供給通路5b,5bが排出溝3bを避けて穿設されている。
【0036】
しかして、工具シャンク本体11と連結用シャンク軸12とは、図5(A),(C)に示すように、両者の連結状態、つまり工具シャンク本体11の接続筒部1bに連結用シャンク軸12の接続軸部12aを一杯に嵌入螺合して、接続軸部12aの基部側の段部12cが接続筒部1bの端面に密接した状態で、両者の排出溝3a,3b同士がずれなく直線的に連なると共に、前者のクーラント供給通路5a,5aと後者のクーラント供給通路5b,5bとが連通するように設定されている。また、連結用シャンク軸12と切削ヘッド2の接続軸部12a,2aは同一寸法形状であり、図5(A),(B)に示すように、切削ヘッド2の接続軸部2aを連結用シャンク軸12の接続筒部12bに一杯に嵌入螺合して、接続軸部2aの基部側の段部2cが接続筒部12bの端面に密接した状態で、排出溝6が連結用シャンク軸12の排出溝3bにずれなく直線的に連なると共に、クーラント供給通路8a,8bが連結用シャンク軸12のクーラント供給孔5b,5bに連通するように設定されている。
【0037】
工具シャンク本体11及び連結用シャンク軸12の接続筒部1b,12bにおける雌ねじ4aの奥端には、前記第一実施形態ちおける工具シャンク1の接続筒部1aと同様に、ねじ切り用のぬすみ部を埋める金属片から成る埋込部材14を配置してロウ付け等にて一体固着している。また、連結用シャンク軸12及び切削ヘッド2の接続軸部12a,2aにおける基部側の段部12c,2cと雄ねじ5bとの間、ならびにこれらに各々対応する工具シャンク本体11及び連結用シャンク軸12の接続筒部1b,12bにおける端面と雌ねじ5aとの間は、同一長さで且つ略同じ内外径のパイロット部として、接続筒部1b,2bに接続軸部12a,2aが円滑に嵌入して正確に同芯状態に螺合できるように構成されている。
【0038】
上記第二実施形態のガンドリルによれば、切削ヘッド2での良好な切屑の排出性によって高い切削効率が得られることと、切削ヘッド2と連結用シャンク軸12とのねじ係合による連結部に充分な強度を確保できることは前記第一実施形態と同様であるが、これに加えて、工具シャンク1が工具シャンク本体11と独立部材である連結用シャンク軸12とから構成されているから、連結用シャンク軸12として異なる複数本の連結用シャンク軸2…を用意しておけば、その交換によってシャンク長さを変更でき、もって同じ工具シャンク本体11を用いて適用する削孔深さに応じた適正なシャンク長さに設定できるという利点がある。従って、シャンク長さが数段階に異なる複数種の深穴切削具を用意する場合に比較して、備品コストが大幅に低減される。また、経時的なシャンク側の損耗、ならびに使用中におけるシャンク側の突発的な折損や変形の殆どは、切削負荷による捩れ応力が集中し易いシャンク中間部で生起するが、上記構成のガンドリルでは、該捩れ応力の集中部分が概して連結用シャンク軸2になるため、傷んだ連結用シャンク軸12のみを新品と交換することにより、傷みにくいが構造的及びサイズ的に製作コストの高い工具シャンク本体11を長期にわたって継続使用でき、これによって保全コストも大きく低減できる。
【0039】
更に、本実施形態のガンドリルにあっては、連結用シャンク軸12の一端側が雄ねじ4bを有する接続軸部12a、他端側が雌ねじ4aを有する接続筒部12bを構成し、工具シャンク本体11と該連結用シャンク軸12の接続筒部1b,12b、ならびに該連結用シャンク軸12と切削ヘッド2の接続軸部12a,2aが同一寸法形状に設定されているから、複数本の連結用シャンク軸12…を直線状に連結したり、連結用シャンク軸12を介さずに工具シャンク本体11に対して切削ヘッド2を直接に連結することも可能であり、複数本の連結用シャンク軸12…の連結によって極端に長い削孔にも対応できる一方、逆に工具シャンク本体11への切削ヘッド2の直接連結によって比較的に短い削孔にも対応できる。
【0040】
一方、切削ヘッド2の切刃9a〜9cの消耗や折損を生じたり、段取り替えを行う場合は、前記第一実施形態と同様に該切削ヘッド2のみを取り替えるだけでよく、工具シャンク本体11及び連結用シャンク軸12をそのまま継続使用でき、簡単に短時間で作業を行えて生産効率が向上する。また、本実施形態でも、連結用シャンク軸12と工具シャンク本体11及び切削ヘッド2との各ねじ係合部における雌ねじ4a及び雄ねじ4bを角ねじにて構成しているので、高い結合強度が得られると共に、螺合部に隙間が生じ難いため、ねじ係合部からのクーラントの漏れが防止される。また、雌ねじ4aの奥端部に雄ねじ4bの先端面が密接するように、ねじ切り用のぬすみ部を埋める埋込部材14を配置しているので、クーラントの漏れがより確実に防止される。
【0041】
なお、上記第一及び第二実施形態では工具シャンク1及び工具シャンク本体11のねじ係合部を雌ねじ4aとしているが、逆に該ねじ係合部を雄ねじ4bとし、これに対応して切削ヘッド2及び連結用シャンク軸12の一端側のねじ係合部を雌ねじ4aとすることも可能である。排出孔3,3a,3b,5については、V字状断面の開き角が90°のものを例示したが、略90°〜130°の範囲の適当な開き角に設定することができ、また各部材1,11,12,2の中心側の肉部増加による強度向上を図るために底部をアール状としもよい。一方、切削ヘッドとしては、実施形態のように3つ切刃9a〜9cを有するもの以外に、2つあるいは4つ以上の切刃を有するものでもよく、また切刃の超硬チップをロウ付けしたり、切削ヘッド全体を工具鋼にて構成してその先端に切刃を直接形成したものも使用可能である。
【0042】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ガンドリルシステムを適用する工具シャンクと切削ヘッドとを別部材として両者をねじ係合にて連結する構成において、該切削ヘッドに複数の切刃を備えたものを用いる深穴切削具として、工具シャンク及び切削ヘッドの外周面に工具シャンクの排出溝に直線的に連なる1本の排出溝を設けると共に、切削ヘッドには先端部からヘッド内部を通って前記排出溝に至るバイパス流路孔を設け、複数の切刃を前記排出溝とバイパス流路孔側の排出口とに各々臨んで分配形成していることから、工具シャンクと切削ヘッドと連結部の強度を充分に確保して、しかもクーラントによる切屑の排出性をよくして切削効率を高め得るものが提供される。
【0043】
請求項2の発明によれば、上記の深穴切削具において、切削ヘッドの先端面に、前記排出溝の先端開放部とそのヘッド回転方向前方側に位置するクーラントの吐出口との間、ならびに前記排出口とそのヘッド回転方向前方側に位置する同吐出口との間に、それぞれクーラント誘導凹所を形成していることから、ヘッド先端部で吐出されるクーラントを排出溝とバイパス流路孔とに偏りなく分配でき、もって各々に臨む切刃より発生する切屑を共に効率よく排出できる。
【0044】
請求項3の発明によれば、切削ヘッドに中央部切刃及び周辺部切刃と中間部切刃の3つの切刃を有する上記の深穴切削具において、該切削ヘッドの前記排出溝側に中央部切刃及び周辺部切刃を、前記バイパス流路孔側に中間部切刃を、それぞれ配置させることから、排出溝とバイパス流路孔との排出性の差に対応して流入する切屑量のバランスがとれ、全体として高い切屑排出性が確保される。
【0045】
請求項4の発明によれば、上記の深穴切削具において、工具シャンクを、工具シャンク本体と、その先端部にねじ係合して同軸状に着脱可能に連結される連結用シャンク軸とで構成し、該連結用シャンク軸の他端側に前記切削ヘッドに対するねじ係合部を有する構成としているから、連結用シャンク軸として長さの異なるものを着脱交換することにより、削孔深さに対応した適正なシャンク長さを選択でき、シャンク長さの異なる工具シャンクを用意する場合に比較して備品コストが大幅に低減すると共に、連結用シャンク軸の経時的を損耗、加工中の突発的な折損や変形等を生じた際に、該連結用シャンク軸のみを交換して工具シャンク本体は継続使用できるから、工具シャンク全体を新品と交換する場合に比較して保全コストを大きく低減できる。
【0046】
請求項5の発明によれば、工具シャンクが工具シャンク本体と連結用シャンク軸とに分割構成された上記の深穴切削具において、工具シャンク本体と連結用シャンク軸とのねじ係合部を、連結用シャンク軸と切削ヘッドとのねじ係合部と同一寸法形状に設定していることから、複数本の連結用シャンク軸を直線状に連結して極端に長い削孔にも対応できる一方、逆に連結用シャンク軸を介さずに工具シャンク本体に対してドリルヘッドを直接に連結して比較的に短い削孔にも対応できる。
【0047】
請求項6の発明によれば、上記の深穴切削具において、ねじ係合部の雌ねじと雄ねじを角ねじにて構成しているから、高い結合強度が得られると共に、螺合部に隙間が生じ難いため、ねじ係合部からのクーラントの漏れが防止されるという利点がある。
【0048】
請求項7の発明によれば、上記の深穴切削具において、ねじ係合部における雌ねじの奥端部に、ねじ切り用のぬすみ部を埋める埋込部材を配置し、この埋込部材に雄ねじの端面が密接するように構成していることから、部材製作の際にねじ切りを容易に行うためにぬすみ部が生じても、そのぬすみ部が埋められて隙間を生じないので、隙間に切屑が引っ掛かって円滑に排出できないというような不具合の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るガンドリルの全体構成を示す部分省略正面図である。
【図2】同第一実施形態のガンドリルに用いる切削ヘッドを示し、(A)は全体の正面図、(B)は先端から見た側面図、(C)は(A)のC−C線の矢視断面図である。
【図3】同切削ヘッドにおける図2(B)のIII −III 線の矢視断面図である。
【図4】同切削ヘッドの図2(A)とは反対側から見た背面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係るガンドリルを示し、(A)は全体構成を示す部分省略正面図、(B)は(A)の仮想線円B内の拡大図、(C)は(A)の仮想線円C内の拡大図である。
【図6】同第二実施形態のガンドリルに用いる工具シャンク本体を示し、(A)は全体構成を示す部分省略正面図、(B)は先端から見た側面図、(C)は(A)のC−C線の矢視断面図である。
【図7】同第二実施形態のガンドリルに用いる連結用シャンク軸を示し、(A)は全体構成を示す部分省略正面図、(B)は先端から見た側面図、(C)は(A)のC−C線の矢視断面図である。
【図8】本発明の先行技術に係る切削ヘッド交換型のガンドリルの全体構成を示す部分省略正面図である。
【図9】同先行技術に係るガンドリルに用いるドリルヘッドを示し、(A)は全体構成を示す部分省略正面図、(B)は先端から見た側面図、(C)は(A)のC−C線の断面図、(D)は基端から見た側面図である。
【図10】ガンドリルシステムに適用する3つの切刃を有する切削ヘッドを工具シャンクとは別部材とする場合の仮定構成を示し、(A)は切削ヘッドの先端から見た側面図、(B)は基端側のねじ係合部の断面である。
【図11】ガンドリルシステムの概略構成を示す断面図である。
【図12】従来例のガンドリルを示し、(A)は全体構成を示す部分省略正面図、(B)は先端から見た側面図、(C)は(A)のC−C線の矢視断面図、(D)は(A)のD−D線の矢視断面図である。
【符号の説明】
1 工具シャンク
1a,1b 接続筒部(ねじ係合部)
10a ドライバー部
10b シャンク部
11 工具シャンク本体
11a ドライバー部
11b 基部シャンク
12 連結用シャンク軸
12a 接続軸部(ねじ係合部)
12b 接続筒部(ねじ係合部)
2 切削ヘッド
2a 接続軸部(ねじ係合部)
2b 先端面
3,3a,3b 排出溝
4a 雌ねじ
4b 雄ねじ
5,5a,5b クーラント供給通路
50 中心孔(クーラント供給通路)
6 排出溝
6a 先端開放部
7 バイパス流路孔
7a 排出口
8a,8b クーラント供給孔
80a,80b 吐出口
81 クーラント誘導凹所
9a 中央部切刃
9b 中間部切刃
9c 周辺部切刃
14 埋込部材
Claims (7)
- 中空内部をクーラント供給通路とし、外周面の長手方向に沿って形成した断面V字状の1本の排出溝を有する工具シャンクと、この工具シャンクの先端部に基端部をねじ係合にて同軸状に着脱可能に連結される切削ヘッドとを備え、
前記切削ヘッドは、連結状態において前記工具シャンクのクーラント供給通路に連通するクーラント供給孔と、該工具シャンクの排出溝に直線的に連なる1本の排出溝と、この排出溝に対して径方向の略対向位置で先端面から外周面にわたって開口した排出口と、該排出口からヘッド内部を通って前記排出溝に至るバイパス流路孔とを備え、
該切削ヘッドの先端部には、複数の切刃が前記排出溝と前記排出口とに各々臨んで分配形成されると共に、先端面に前記クーラント供給孔に連通する2つの吐出口が径方向の略対向位置に開口してなる深穴切削具。 - 前記切削ヘッドの先端面には、前記排出溝の先端開放部とそのヘッド回転方向前方側に位置する吐出口との間、ならびに前記排出口とそのヘッド回転方向前方側に位置する吐出口との間に、それぞれクーラント誘導凹所が形成されてなる請求項1記載の深穴切削具。
- 前記切削ヘッドは、前記排出溝側に中央部切刃及び周辺部切刃が、前記バイパス流路孔側に中間部切刃が、それぞれ形成されてなる請求項1又は2に記載の深穴切削具。
- 前記工具シャンクは、回転駆動力を受けるドライバ部を備えた工具シャンク本体と、この工具シャンク本体の先端部に一端側をねじ係合して同軸状に着脱可能に連結される連結用シャンク軸とからなり、該連結用シャンク軸の他端側に前記切削ヘッドに対するねじ係合部を有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の深穴切削具。
- 工具シャンク本体と連結用シャンク軸とのねじ係合部が、連結用シャンク軸と切削ヘッドとのねじ係合部と同一寸法形状に設定されてなる請求項4記載の深穴切削具。
- ねじ係合部の雌ねじと雄ねじが角ねじにて構成される請求項1〜5のいずれかに記載の深穴切削具。
- ねじ係合部における雌ねじの奥端部に、ねじ切り用のぬすみ部を埋める埋込部材が配置され、この埋込部材に雄ねじの端面が密接するように構成されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の深穴切削具。
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