JP4057835B2 - 無機顔料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有害なクロム等を含まず、大きさの揃った、彩度の高い無機顔料の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
無機顔料は、有機顔料に比べて化学的に安定であり、耐熱性や耐候性に優れていることから、化粧品、紙、塗料、印刷、プラスチック、磁器等に広範に用いられている。
【0003】
しかしながら、無機顔料は、有機顔料に比べて、鮮やかさに劣っているという問題があり、また、有害なクロムや鉛が使用される場合が多い。従って、環境に有害なクロムや鉛を使用せず、彩度の高い美麗な色を有する無機顔料が望まれている。
【0004】
従来、無機顔料の製造において、適当な原料粉体を混合して製造する場合には、原料粉体を種々の方法で成形後焼結、粉砕する方法が一般的である。このような製造方法では、粒子内部を含む全体を着色するために、着色に必要な比較的高価な原料を多量に使用しなければ、十分に着色した彩度の高い無機顔料を得ることができない。
さらに、焼結体を粉砕して無機顔料を得るために、無機顔料の形状が一定でなく、粒子径の分布が広くなる等の問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題を解決する一つの方法として、比較的安価な原料を基体粒子とし、着色に必要な比較的高価な原料を該基体粒子に被覆する方法がある。例えば、特開平7−331110号では、水熱合成により得られた板状アルミナに、アルミナと反応して有色のスピネル酸化物を生じるCo、Ni、Mn、Fe等の元素を含む化合物を被覆し、か焼することにより板状アルミナ顔料を製造する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、被覆された化合物は反応性を有するため、か焼する際に粒子同士が強固に結合し、凝集する恐れがある。また、強固に結合した粒子を粉砕する場合には、粒子表面に生成した有色のスピネル酸化物が欠損する恐れがあり、大きさの揃った彩度の高い無機顔料を得ることが困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題点を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、基体粒子表面に着色無機化合物が被覆された無機粉体に、特定量の無機塩を加えて混合し、該混合物に特定の熱処理を施すことにより、有害なクロム等を含まず、大きさの揃った、彩度の高い無機顔料を得ることに成功し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.(A)基体粒子表面に、着色無機化合物が被覆された無機粉体と、(B)無機塩を混合し、該混合物を熱処理して得られる無機顔料の製造方法であって、
熱処理温度が無機塩の融点以上沸点以下であり、重量比率で(B)/(A)が以上であることを特徴とする無機顔料の製造方法。
2.重量比率で(B)/(A)が6以上15以下であることを特徴とする1.に記載の無機顔料の製造方法。
3.基体粒子が、酸化亜鉛粒子であり、
着色無機化合物が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、V、Y、Ti、Sn、Sb、Mg、Ca、Biから選ばれる金属元素を含む塩化物、臭化物、アセチルアセトネート、酢酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩、硝酸塩、またはそれらの混合物からなるものであることを特徴とする1.または2.に記載の無機顔料の製造方法。
4.基体粒子が、ウルツ型結晶構造を有する酸化亜鉛粒子であり、
着色無機化合物が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、V、Y、Ti、Sn、Sb、Mg、Ca、Biから選ばれる金属元素を含む塩化物、臭化物、アセチルアセトネート、酢酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩、硝酸塩、またはそれらの混合物からなるもので、着色無機化合物を熱処理して生成される有色化合物がウルツ型結晶構造を有するものであることを特徴とする1.または2.に記載の無機顔料の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0010】
本発明における無機顔料の製造方法は、(A)基体粒子表面に着色無機化合物が被覆された無機粉体(以下「(A)成分」ともいう。)と、(B)無機塩(以下「(B)成分」ともいう。)を混合し、該混合物を熱処理することを特徴とする。基体粒子の被覆に使用する着色無機化合物は、熱処理によって、美麗な色彩を発現する安定な有色化合物を生成するもので、最終的に無機顔料の色彩を発現するものである。
【0011】
本発明では、熱処理温度が無機塩の融点以上沸点以下であり、重量比率で(B)/(A)が0.5以上(好ましくは1以上、さらに好ましくは3以上15以下)であることを必須とする。このような条件に設定することにより、熱処理において、無機塩が液体状態となり、粒子間の空隙に充填されやすく、熱が系全体に均一に安定して伝わるため発色の均一性が保たれ、彩度に高い安定な無機顔料を短時間で得ることができる。また、粒子同士が接触しにくく粒子同士の結合を抑えることができる。さらに熱処理後、無機塩を洗浄するだけで、容易に無機顔料を分離することができ、有色化合物が欠損することもなく、大きさの揃った、彩度に高い無機顔料を得ることができる。
【0012】
(基体粒子)
本発明における基体粒子は、例えば、Fe、V、Ni、Al、Zn、Ti、Si、Zr、Ga等を主成分とする無機化合物が挙げられる。基体粒子としては、例えば、チタン、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム等の金属、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム等の酸化物、硫化亜鉛、硫化銅、硫化鉄等の硫化物、硫酸バリウム、硫酸チタン、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム等硫酸塩、リン酸カルシウム、リン酸チタン、リン酸亜鉛、リン酸ケイ素、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩、珪酸カルシウム、珪酸チタン、珪酸亜鉛、珪酸ケイ素、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸ジルコニウム等の珪酸塩等、水酸化鉄等の水酸化物等が挙げられ、これらの二種以上を複合したものでもよい。また、市販品を用いることもできる。本発明では、特に、安価な基体粒子として、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましく用いられる。
基体粒子の粒子径は、特に限定されないが、0.01から100μm(好ましくは0.1から10μm)であることが好ましい。また基体粒子の形状は、特に限定されず球状、針状、板状、棒状、繊維状、樹枝状、海星状等を使用することが可能である。
【0013】
(着色無機化合物)
本発明における着色無機化合物は、熱処理によって、美麗な色彩を発現する安定な有色化合物を得るもので、最終的に無機顔料の色彩を発現するものである。
着色無機化合物は、基体粒子の表面に被覆させて使用する。着色無機化合物を被覆する方法としては、例えば沈殿法等が挙げられる。沈澱法は、基体粒子を混合した溶液中で、金属イオンを含む化合物を、徐々に基体粒子の表面に生成させる方法である。この場合の被覆物に含まれる元素の添加量は広い範囲で変えることができる。
【0014】
このような着色無機化合物としては、例えば、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、V、Y、Ti、Sn、Sb、Mg、Ca、Bi等の金属元素を含む化合物等が挙げられる。これらの金属元素を適宜選定することにより、種々の色彩を発現することが可能である。
着色無機化合物としては、例えば、上記金属元素を含む塩化物、臭化物、アセチルアセトネート、酢酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩、硝酸塩等、またはそれらの混合物等を挙げることができる。
【0015】
本発明では、基体粒子の表面に被覆させた着色無機化合物は、熱処理することによって、安定な有色化合物を生成し、かつ、美麗な色彩を発現することができる。このような着色無機化合物は、熱処理によりそれ単独で反応し有色化合物を生成することもできるし、基体粒子と着色無機化合物の反応によって有色化合物を生成することもできる。
特に、基体粒子と着色無機化合物が熱処理によって反応する物質を適宜設定すれば、より耐熱性、耐侯性に優れた無機顔料を得ることができる。
【0016】
基体粒子と有色化合物は、上述したような化合物であれば特に限定されず使用できる。その結晶構造としては、例えば、ルチル型結晶構造、アナターゼ型結晶構造、ブルツカイト型結晶構造、ウルツ型結晶構造、閃亜鉛鉱型結晶構造、スピネル型結晶構造、逆スピネル型結晶構造、コランダム型結晶構造、プリデライト型結晶構造、NaCl型結晶構造等が挙げられる。基体粒子と有色化合物の結晶構造は、同じでも異なってもよいが、同じ結晶構造を有するものが好ましい。同じ結晶構造であれば、より耐熱性、耐侯性に優れた無機顔料を得ることができる。
【0017】
(無機塩)
本発明の無機塩としては、熱処理時に燃焼せず、化学的に安定なものであれば特に限定されないが、その融点が500℃から1600℃(好ましくは800℃から1300℃)であるものが望ましい。
無機塩としては、例えば、水溶性の金属のハロゲン化物、リン酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩等を用いることができる。例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等を用いることができる。特に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムが好ましい。
【0018】
(無機顔料の製造方法)
本発明の無機顔料の製造方法は、(A)成分と(B)成分を重量比率で(B)/(A)が0.5以上(好ましくは1以上、さらに好ましくは3以上15以下)となるように混合し、該混合物を、(B)成分の融点以上沸点以下で熱処理することを特徴とする。
【0019】
(A)成分と(B)成分の混合において、(B)成分は、(A)成分の乾燥粉末あるいは合成工程からのプレスケーキまたは懸濁物に添加することができる。(B)成分は、添加前に水及び/または有機溶媒に溶解してもよいし、あるいはまた固体の形状で(A)成分に添加してもよい。必要な場合には、(A)成分と(B)成分を含む混合物はボールミル等の機械的分散媒体を使用する常用の方法で分散させることもできる。攪拌時間は、通常20分乃至12時間の範囲で設定すればよい。
【0020】
(A)成分と(B)成分の混合比は、重量比率で(B)/(A)が0.5以上、好ましくは1以上、さらに好ましくは3以上15以下である。0.5より小さい場合は、粒子同士が接触し結合する場合があり、粒径のバラツキが大きくなり、発色の均一性が失われる。さらに熱処理に時間がかかる場合もある。
【0021】
熱処理温度は、無機塩の融点以上沸点以下で設定する。このような温度範囲であれば、無機塩が液体状態となり、熱が系全体に均一に安定して伝わるため発色の均一性が保たれ、彩度に高い安定な無機顔料を短時間で得ることができる。熱処理温度は、通常500℃から1600℃(好ましくは800℃から1300℃)であることが好ましく、このような温度範囲であれば、着色無機化合物が、美麗な色彩を発現する安定な有色化合物を生成することができ、より彩度に高い無機顔料を得ることができる。
熱処理温度が融点より低ければ、無機塩が溶融せず、熱が均一に伝わらないため、色彩にムラのある顔料となる場合がある。また、被覆した着色無機化合物の反応が十分進行せず、鮮やかな色彩が得られない恐れもある。
【0022】
本発明では、短時間で熱処理できることも特徴である。熱処理時間としては、10分から3時間(好ましくは15分から2時間)であることが好ましい。
また、熱処理は大気中、還元雰囲気下または酸化雰囲気下で行なうことができる。
さらに、熱処理後、無機顔料は(B)成分を洗浄することにより容易に分離することができ、有色化合物が欠損することもなく、大きさの揃った、彩度に高い無機顔料を得ることができる。(B)成分は、水及び/または有機溶剤(好ましくは水)等を用いて、容易に洗浄除去することができ、洗液を乾燥することにより繰り返し使用することが可能である。
【0023】
(無機顔料)
このようにして得られた無機顔料の平均粒子径は、用いる基体粒子、着色無機化合物等により適宜制御することができるが、0.01から100μm(好ましくは0.1から10μm)であることが好ましい。このような範囲である場合、顔料の着色力と隠蔽力が大きく、分散しやすい傾向となる。
本発明の製造方法によれば、大きさの揃った、粒子径のバラツキが小さい顔料を得ることができる。粒子径のバラツキは70%以下(好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下)であることが好ましい。粒子径のバラツキが70%以下である場合、大きさの揃った、彩度の高い無機顔料となる。
また、無機顔料の形状は、基体粒子の形状、被覆する着色無機化合物の量等により種々の形状に製造可能であるが、例えば、球状、針状、板状、棒状、繊維状、樹枝状、海星状等を製造することが可能である。
【0024】
なお、粒子径のバラツキとは、
粒子径のバラツキ(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100(%)
で示され、小さい値ほど分散性に優れている。平均粒子径とは走査型電子顕微鏡写真で観察できる顔料の平均粒子径である。
【0025】
本発明無機顔料は、化粧品、塗料、紙、インク、印刷、プラスチック、陶磁器等に利用可能である。例えば、塗料用、樹脂組成物用、陶磁器用として用いた場合、安価且つ美麗な色彩を有する塗料、樹脂組成物、陶磁器が製造できる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にするが、本発明はこの実施例に限定されない。
【0027】
(測定方法)
1.結晶構造は、X線回折装置(RINT−1100,株式会社リガク社製)により解析した。
2.粒子径は、電子顕微鏡(JSM−5310,日本電子株式会社製)により観察した。
【0028】
(実施例1)
基体粒子として、三井金属株式会社製「酸化亜鉛2種微粒品」(商品名)(平均粒径0.25μm)を使用し、以下の方法にて顔料を作製した。
1.酸化亜鉛2種微粒品100gを水1lに混合し、28.5gのCoCl・6HOを加えた。
2.1mol/lのNaCO水溶液を滴下することにより、析出処理を行った。
3.濾過、洗浄した後110 ℃で乾燥し、塩基性炭酸コバルトで被覆された酸化亜鉛粉体を得た。
4.塩基性炭酸コバルトで被覆された酸化亜鉛粉体100gと、NaCl800g((B)/(A)=8)を1時間混合し、得られた混合粉体を1000℃で30分熱処理した。なお、NaClの融点は約800℃、沸点は約1413℃である。
5.冷却後、混合粉体を水洗してNaClを除去し、乾燥した。
以上の操作により、平均粒子径0.5μm、粒子径のバラツキ34%とする大きさの揃った顔料粉体が得られた。得られた顔料粉体を目視にて確認したところ、彩度の高い緑色を呈していた。
図1には、基体粒子として用いた酸化亜鉛と、上記操作によって得られた顔料のX線回折パターンを示す。顔料紛体のX線回折においては、ウルツ相以外の回折パターンは観察されなかった。このX線回折パターンにより、基体粒子表面にも、酸化亜鉛と同様のウルツ型結晶構造を有する酸化物が生じていることが示された。
また、図2には、得られた粉体の電子顕微鏡写真を示した。
【0029】
(実施例2)
CoCl・6HOの量を10gとした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.3μm、粒子径のバラツキ28%とする大きさの揃った彩度の良好な緑色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0030】
(実施例3)
基体粒子を三井金属株式会社製「酸化亜鉛2種一般品」(商品名)(平均粒径2〜3μm)とした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を5μm、粒子径のバラツキ35%とする大きさの揃った彩度の高い緑色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0031】
(実施例4)
CoCl・6HOの替わりに、MnSO・5HOを用いた以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.5μm、粒子径のバラツキ31%とする大きさの揃った鮮やかなピンク色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0032】
(実施例5)
CoCl・6HOの替わりに、CuSO・5HOを用いた以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.5μm、粒子径のバラツキ36%とする大きさの揃った彩度の良好な緑色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0033】
(実施例6)
NaClの替わりに、CaClを用いた以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.6μm、粒子径のバラツキ42%とする大きさの揃った彩度の良好な緑色の顔料粉体が得られた。なお、CaClの融点は約774℃、沸点は約1600℃以上である。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0034】
(実施例7)
NaClの量を100gとした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.8μm、粒子径のバラツキ52%とする彩度の良好な緑色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0035】
(実施例8)
NaClの量を200gとした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.8μm、粒子径のバラツキ46%とする彩度の良好な緑色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0036】
(実施例9)
NaClの量を400gとした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.7μm、粒子径のバラツキ42%とする彩度の良好な緑色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0037】
(実施例10)
NaClの量を600gとした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.7μm、粒子径のバラツキ38%とする大きさの揃った彩度の良好な緑色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0038】
(実施例11)
NaClの量を1500gとした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.5μm、粒子径のバラツキ32%とする大きさの揃った彩度の良好な緑色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0039】
(実施例12)
NaClの量を60gとした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径を0.8μm、粒子径のバラツキ62%とする彩度の良好な緑色の顔料粉体が得られた。
また、得られた顔料のX線回折パターンは、実施例1と同様であり、ウルツ型結晶構造であることがわかった。
【0040】
(比較例1)
NaClの量を40gとした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したところ、平均粒子径0.8μmの粒子が多数凝集してしまった。
【0041】
(比較例2)
熱処理温度を300℃とした以外は、実施例1と同様に顔料粉体を作製したが、NaClが溶融せず、熱が均一に伝わらないため、色彩にムラのある顔料粉体となった。さらに、被覆した塩基性炭酸コバルトと酸化亜鉛が十分反応が進行せず、鮮やかな色彩が得られなかった。
【0042】
【発明の効果】
基体粒子表面に着色無機化合物が被覆された無機粉体に、特定量の無機塩を加えて混合し、該混合物に特定の熱処理を施すことによって、有害なクロム等を含まず、大きさの揃った、彩度の高い無機顔料を得ることができる。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した顔料の粉末X線回折パターンである。
【図2】実施例1で作製した顔料の電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. (A)基体粒子表面に、着色無機化合物が被覆された無機粉体と、(B)無機塩を混合し、該混合物を熱処理して得られる無機顔料の製造方法であって、
    熱処理温度が無機塩の融点以上沸点以下であり、重量比率で(B)/(A)が以上であることを特徴とする無機顔料の製造方法。
  2. 重量比率で(B)/(A)が6以上15以下であることを特徴とする請求項1に記載の無機顔料の製造方法。
  3. 基体粒子が、酸化亜鉛粒子であり、
    着色無機化合物が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、V、Y、Ti、Sn、Sb、Mg、Ca、Biから選ばれる金属元素を含む塩化物、臭化物、アセチルアセトネート、酢酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩、硝酸塩、またはそれらの混合物からなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無機顔料の製造方法。
  4. 基体粒子が、ウルツ型結晶構造を有する酸化亜鉛粒子であり、
    着色無機化合物が、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、V、Y、Ti、Sn、Sb、Mg、Ca、Biから選ばれる金属元素を含む塩化物、臭化物、アセチルアセトネート、酢酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩、硝酸塩、またはそれらの混合物からなるもので、着色無機化合物を熱処理して生成される有色化合物がウルツ型結晶構造を有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無機顔料の製造方法。
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