JP4057176B2 - 光学部材の研磨用工具とこれに用いられるピッチセグメント、及びそのピッチセグメントの成形型 - Google Patents

光学部材の研磨用工具とこれに用いられるピッチセグメント、及びそのピッチセグメントの成形型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学部材の研磨用工具とこれに用いられるピッチセグメント、及びそのピッチセグメントの成形型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、研磨機で用いられる光学部材の研磨用工具としてターンテーブルにピッチポリシャが設けられたものが知られている。例えば一般の横振り型レンズ研磨機では、ピッチポリシャの表面に麻、木綿、又はプラスチック製の網により亀甲目、角目等の網目が入れられたいわゆる網目皿や、その表面に刃物により溝が刻まれたいわゆるみぞ皿が使用されている。前者の溝(ピッチポリシャの表面において網目状に窪んだ部分)は研磨加工時における砥粒の流動を案内し、そのピッチポリシャ上における分散を均質化して減耗速度を安定化させ、後者の溝はピッチポリシャの表面の一部に接触密度の変化を与え、その形状修正(ツルーイング)に供するようになっている。
【0003】
一方、大型の横振り型レンズ研磨機で使用される研磨用工具としては、図19に示すピッチセグメント1の集合によりピッチポリシャが構成されるものが知られている。ピッチセグメント1は上方から見て正方形状を呈し、縦横に並ぶ多数の方形凸部2により区画された砥粒案内用の縦溝3と横溝4とを備える。
【0004】
図20はその研磨用工具の製造方法を示し、ここで使用されるピッチセグメント1の成形型5はシリコーン製の型本体6と、型本体6を収容する容器7と、型本体6上に載置される蓋体8とを備える。ピッチセグメント1は加熱熔解させたピッチ(以下、「熔融ピッチ」という。)Pを型本体6に流し込み(図20(a))、これを冷却固化させた後に型本体6を容器7から取り出し(図20(b))、ピッチPを脱型させることにより成形される(図20(c))。成形されたピッチセグメント1は、縦溝3及び横溝4が形成された表面を下側として、離型剤が塗布された定盤9上に敷き並べられる(図20(d))。そして、加熱した円盤状のターンテーブル10により上方から加圧され、このターンテーブル10との接触部が熱により熔解してターンテーブル10に溶着される。冷却後一体となったピッチセグメント1とターンテーブル10とは定盤9から取り外され(図20(e))、ピッチセグメント1の集合からなるピッチポリシャ11の一部でターンテーブル10の外周縁からはみ出す部分11a(図20(f)参照)がその外周縁に沿って温めた刃物等で削られることにより、この研磨用工具が完成する。
【0005】
円環状のターンテーブル上にピッチポリシャが設けられてなる研磨用工具(リングポリシャ盤)の例としては、低速回転するターンテーブル上に熔融ピッチを流し込み、これを固化させて製造されるものが知られている。熔融ピッチが固化してなるピッチポリシャの表面は、ターンテーブル回転中の遠心力及び冷却過程の収縮ムラにより歪な形状となっているため、一般に、フェーシング装置で整えられる。この整形された表面は、公知の溝切装置の切削工具により切り込まれ、放射状及び同心円状の幅が広く比較的深い溝が形成される。
【0006】
この放射状及び同心円状の溝はツルーイングに供するピッチ流動溝であって、ピッチポリシャの表層が、それが研磨加工中に回転接触する修正ツール(一般には大型円盤)との間で生じる摩擦せん断力により、微小な塑性すべりを起こしてそのピッチ流動溝に向けて流動変形することによって、ピッチポリシャの表面形状が修正されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ピッチポリシャ11を有する研磨用工具では、縦溝3及び横溝4は砥粒案内用としては機能するもののツルーイングには不向きであり、開放型で成形したピッチセグメント1は厚さのバラツキが大きくピッチポリシャ11の平面性を得にくいという問題があった。
【0008】
他方、上記リングポリシャ盤にあっては、幅、深さが一様となるようにピッチ流動溝を設けるには、これを切削形成する公知の溝切装置との関係上、溝方向が放射状又は同心円状に限定されるという不都合があった。すなわち、放射状にのびるピッチ流動溝同士の間隔は外側に向かうにつれて広がるため、ピッチポリシャの全面にわたり均一な溝分布を得ることができず、この放射状及び同心円状のピッチ流動溝によっては砥粒の分散を均質化することは困難であった。
【0009】
また、そのピッチポリシャを形成するには多量のピッチを熔解する装置やフェーシング装置を必要とし、そのピッチ流動溝を形成するには深く切り込んだ際の切削抵抗に耐えうる高剛性の切削工具や大面積の切削加工に対応しうるストロークの長い切削工具の送り機構等を必要とするので、装置が高額で研磨用工具の製造コストが高くなるという問題があった。
【0010】
さらに、同心円状のピッチ流動溝の被加工物に対する運動軌道の単調性に起因して、その被加工物の研磨面にうねりが生じるというおそれもあった。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、大型の研磨機用として、あるいはリングポリシャ盤として使用されても、砥粒の分散の均質化を図ることができ且つツルーイングが容易で、製造コストに優れる光学部材の研磨用工具とこれに用いられるピッチセグメント、及びそのピッチセグメントの成形型を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、ターンテーブルと該ターンテーブル上に設けられたピッチポリシャとを備え、該ピッチポリシャは正角形状のピッチセグメントが複数集まりその辺同士が接合されてなり、前記ピッチセグメントは正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる砥粒案内用の放射状案内溝と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝と、該放射状案内溝および前記頂点間案内溝と少なくとも正角形の頂点にて交差するように正角形の各辺に形成された辺方向段差部とを備え、該辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて砥粒案内用の辺方向案内溝を形成し、前記頂点は隣接するピッチセグメントの頂点とともに少なくとも前記放射状案内溝、前記頂点間案内溝及び前記辺方向案内溝の放射中心をなし、該放射中心からのびる砥粒案内用の溝の総数が前記中心部からのびる前記放射状案内溝の本数と等しくされることにより、前記放射中心を前記中心部とみなすことができる光学部材の研磨用工具を特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学部材の研磨用工具において、前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝と放射状の溝が設けられていることを特徴とする
【0014】
請求項3の発明は、ターンテーブルと該ターンテーブル上に設けられたピッチポリシャとを備え、該ピッチポリシャは正角形状のピッチセグメントが複数集まりその辺同士が接合されてなり、前記ピッチセグメントは正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる放射状案内溝と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝と、該放射状案内溝および前記頂点間案内溝と交差するように正角形の各辺に形成された辺方向段差部とを備え、該辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて辺方向案内溝を形成し、該辺方向案内溝と前記放射状案内溝と頂点間案内溝とにより前記ピッチポリシャにおける砥粒の分散を均質化する光学部材の研磨用工具を特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3に記載の光学部材の研磨用工具でにおいて、前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝と放射状の溝が設けられていることを特徴とする
【0016】
請求項5の発明は、正角形状に形成され且つターンテーブル上で複数集まり辺同士が接合されてピッチポリシャを構成し、正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる砥粒案内用の放射状案内溝と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝と、該放射状案内溝および前記頂点間案内溝と少なくとも正角形の頂点にて交差するように正角形の各辺に形成された辺方向段差部とを備え、前記ターンテーブル上に設けられたときに、前記辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて砥粒案内用の辺方向案内溝を形成するとともに、前記頂点は隣接するピッチセグメントの頂点とともに少なくとも前記放射状案内溝、前記頂点間案内溝及び前記辺方向案内溝の放射中心をなし、該放射中心からのびる砥粒案内用の溝の総数が前記中心部からのびる前記放射状案内溝の本数と等しくされることにより、前記放射中心を前記中心部とみなすことができるピッチセグメントを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、請求項5に記載のピッチセグメントにおいて、前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝と放射状の溝が設けられていることを特徴とする
【0018】
請求項7の発明は、正角形状に形成され且つターンテーブル上で複数集まり辺同士が接合されてピッチポリシャを構成し、正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる放射状案内溝と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝と、該放射状案内溝および前記頂点間案内溝と交差するように正角形の各辺に形成された辺方向段差部とを備え、前記ターンテーブル上に設けられたときに、前記辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて辺方向案内溝を形成し、該辺方向案内溝と前記放射状案内溝と前記頂点間案内溝とにより前記ピッチポリシャにおける砥粒の分散を均質化するピッチセグメントを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明は、請求項7に記載のピッチセグメントにおいて、前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝と放射状の溝が設けられていることを特徴とする
【0020】
請求項9の発明は、ターンテーブル上で複数集まりピッチポリシャをなすピッチセグメントの裏面側を成形する上型と、前記ピッチセグメントの表面側を成形する下型とを備え、キャビティに熔融ピッチが流し込まれて前記ピッチセグメントを成形するピッチセグメントの成形型であって、前記上型には前記キャビティと外部とを連通する連通穴が設けられ、前記キャビティは上方から見て正角形状を呈し、且つ、正角形の中心部から放射状にのびる放射状稜部と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝を形成する頂点間稜部と、該放射状稜部および前記頂点間稜部と少なくとも正角形の頂点にて交差するように正角形の各辺に形成された辺方向突出段部とを底面に備え、前記放射状稜部は前記ピッチセグメントの表面に砥粒案内用の放射状案内溝を形成するとともに、前記辺方向突出段部は前記ピッチセグメントの表面に辺方向段差部を形成し、前記ピッチセグメントが前記ターンテーブル上に設けられたときに、前記辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて砥粒案内用の辺方向案内溝を形成するとともに、前記ピッチセグメントの正角形の頂点は隣接するピッチセグメントの頂点とともに少なくとも前記放射状案内溝、前記頂点間案内溝及び前記辺方向案内溝の放射中心をなし、該放射中心からのびる砥粒案内用の溝の総数が前記中心部からのびる前記放射状案内溝の本数と等しくされることにより、前記放射中心を前記中心部とみなすことができるピッチセグメントの成形型を特徴とする。
【0021】
請求項10の発明は、請求項9に記載のピッチセグメントの成形型において、前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝を形成する環状凸部と放射状の溝を形成する放射状凸部とが設けられていることを特徴とする
【0022】
請求項11の発明は、ターンテーブル上で複数集まりピッチポリシャをなすピッチセグメントの裏面側を成形する上型と、前記ピッチセグメントの表面側を成形する下型とを備え、キャビティに熔融ピッチが流し込まれて前記ピッチセグメントを成形するピッチセグメントの成形型であって、前記上型には前記キャビティと外部とを連通する連通穴が設けられ、前記キャビティは上方から見て正角形状を呈し、且つ、正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる放射状稜部と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝を形成する頂点間稜部と、該放射状稜部および前記頂点間稜部と交差するように正角形の各辺に形成された辺方向突出段部とを底面に備え、前記放射状稜部は前記ピッチセグメントの表面に砥粒案内用の放射状案内溝を形成するとともに、前記辺方向突出段部は前記ピッチセグメントの表面に辺方向段差部を形成し、前記ピッチセグメントが前記ターンテーブル上に設けられたときに、前記辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて辺方向案内溝を形成し、該辺方向案内溝と前記放射状案内溝と前記頂点間案内溝とにより前記ピッチポリシャにおける砥粒の分散を均質化するピッチセグメントの成形型を特徴とする。
【0023】
請求項12の発明は、請求項11に記載のピッチセグメントの成形型において、前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝を形成する環状凸部と放射状の溝を形成する放射状凸部が設けられていることを特徴とする
【0024】
請求項13の発明は、ターンテーブル上で複数集まりピッチポリシャをなすピッチセグメントの裏面側を成形する上型と、前記ピッチセグメントの表面側を成形する下型とを備え、キャビティに熔融ピッチが流し込まれて前記ピッチセグメントを成形するピッチセグメントの成形型であって、前記上型及び前記下型は弾性材により形成され、前記熔融ピッチが冷却固化してヒケを生じた際にその固化物が所望の厚さとなるように、前記熔融ピッチが流し込まれるときにそれぞれ上方及び下方にたわんで前記キャビティの中央部の高さを拡げることを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載のピッチセグメントの成形型を特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
[実施の形態1]
図1は本発明に係る光学部材の研磨用工具を示す。この研磨用工具21はリングポリシャ盤であって、円環状のターンテーブル22と、ターンテーブル22上に設けられたピッチポリシャ23とを備える。ピッチポリシャ23はターンテーブル22上に敷き詰められた複数のピッチセグメント24から構成されている。
【0027】
研磨用工具21は、例えば大型の光学部材の研磨において使用され、研磨加工時にはピッチポリシャ23の表面が図示を略す被加工物及び修正ツールと接触しつつ回転軸Oを中心として回転する。この回転時の摩擦によって、その被加工物が研磨されるとともにピッチポリシャ23の表面形状が修正される。
【0028】
ピッチセグメント24は、ターンテーブル22の外周又は内周に沿うように輪郭が一部円弧状とされた24a,24b等を除くほか、正六角形状に形成されている。ピッチセグメント24は、隣接するピッチセグメント24と辺同士が接合されて、ターンテーブル22を隙間なく埋めるように接着されている。
【0029】
ターンテーブル22との接着面となるピッチセグメント24の裏面には、図2(a)に示すように、同心円状の溝25と放射状の溝26とが設けられている。この溝25,26によりターンテーブル22とピッチセグメント24との間には一部隙間が発生し、余剰の接着剤がその隙間に流れ込んでピッチポリシャ23の表面の接着剤による平面性の低下が防止される。ここでは、その接着剤としてはアルコール等の有機溶剤が用いられる。
【0030】
ピッチセグメント24の表面には、図2(b)に示すように、正六角形の中心部27から放射状にのびる砥粒案内用の放射状案内溝28,29と、正六角形の各辺に沿った辺方向段差部30とが形成されている。放射状案内溝28,29は、それぞれ正六角形の各頂点及び各辺の中点に向けてのびている。一方、辺方向段差部30は、放射状案内溝28と正六角形の頂点にて交差し、かつ、放射状案内溝29と正六角形の辺の中点にて交差している。
【0031】
正六角形の各頂点からは、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、砥粒案内用の頂点間案内溝31が直線状にのびている。よって、頂点間案内溝31は1つのピッチセグメントにつき計6本設けられている。
【0032】
放射状案内溝28,29及び頂点間案内溝31は同一形状の横断面を有し、図3(a)に示すように、その横断面は上方に向けて拡開した左右対称形となっている。辺方向段差部30は、図3(b)に示すように、その横断面が図3(a)に示す横断面の対称をなす一方と同一形状に形成されている。
【0033】
ピッチセグメント24がターンテーブル22上に設けられたときには、辺方向段差部30は隣接する他のピッチセグメント24の辺方向段差部30と接合されて砥粒案内用の辺方向案内溝32を形成する(図1参照)。また、この辺方向案内溝32、放射状案内溝28,29、及び頂点間案内溝31は、ピッチポリシャ23のピッチ流動溝としても機能する。
【0034】
ターンテーブル22上においてピッチセグメント24の正六角形の頂点は、隣接する2つのピッチセグメント24の頂点とともに放射状案内溝28、頂点間案内溝31、及び辺方向案内溝32の放射中心33をなす。この放射中心33からのびる砥粒案内用の溝28,31,32の総数が中心部27からのびる放射状案内溝28,29の本数(12本)と等しいことにより、放射中心33を中心部27とみなすことができる。
【0035】
このため、砥粒が流れる案内溝と砥粒の流れが交わる中心部27に相当する部分とがピッチポリシャ23上に同様の密度で多数形成されるため、砥粒の分散が均質化して減耗速度が安定化する。
【0036】
また、このように多数均等に存在する案内溝がピッチ流動溝としても機能するので、図示を略す修正ツールとの摩擦により塑性変形したピッチポリシャ23の表層部分が容易にピッチ流動溝に流れ込み、そのツルーイングが容易化する。
【0037】
この研磨用工具21では多数のピッチセグメント24の組合せによりピッチポリシャ23が構成されているため、ピッチポリシャ23の厚さの均一性は個々のピッチセグメント24の寸法誤差範囲内に抑制される。したがって、ターンテーブル22の全面を一体で覆うような大面積のピッチポリシャに比べて厚さの均一性を出し易く、ターンテーブル22の良好な平面性を条件に、フェーシング装置を用いなくてもピッチポリシャ表面の良好な平面性を得ることができる。
【0038】
このようにフェーシング装置が不要であること、及びピッチポリシャ23をピッチセグメント24の集合体とすることによってピッチを多量に熔解する装置が不要であることにより、研磨用工具21はその製造コストを大幅に低減することができるとともに、従来研磨機においてフェーシング装置の存在により行いにくかった被加工物のハンドリング、治具の交換、及びピッチポリシャのメンテナンス等の各種の作業性を向上させることができる。
【0039】
ピッチセグメント24は正六角形状を呈するのでターンテーブル22上に敷設する際には、既に敷き並べられた隣接する2つのピッチセグメント24の接合された辺同士の一端にできるV字形状が、新たに敷き並べるピッチセグメント24の1つの頂点を挟む2辺を案内し、ピッチセグメント24の接着時の位置決めが容易となっている。
【0040】
なお、互いに隣接するピッチセグメント24同士の間に厚さの差があって、ピッチポリシャ23上のその接合箇所に段差が生じたとしても、通常、この段差は辺方向案内溝32の内部で生じて研磨には直接かかわらないこと、及び、万一その段差が研磨面としてかかわったとしても大面積の被加工物に対してはほとんど影響を与えないことにより、実際上は問題とはならない。
【0041】
図4乃至図7は、ピッチセグメント24の成形型を示す。この成形型34は、ピッチセグメント24の表面側を成形する下型35と、ピッチセグメント24の裏面側を成形する上型36とを備える。下型35及び上型36は弾性材としてのシリコーンにより形成され、それぞれパーティングに凹部37及び凸部38を有している。この凹部37及び凸部38は下型35と上型36との型合わせ用であって、互いに係合して両型35,36のずれを防止している。
【0042】
下型35にはキャビティ39が設けられ、キャビティ39はピッチセグメント24の輪郭に合わせて上方から見て正六角形状を呈している。キャビティ39の底面には、放射状案内溝28を形成する放射状稜部40と、放射状案内溝29を形成する放射状稜部41と、辺方向段差部30を形成する辺方向突出段部42と、頂点間案内溝31を形成する頂点間稜部43とが設けられている。この放射状陵部40,41、辺方向突出段部42、及び頂点間稜部43は型抜き容易のためにテーパを有するので、放射状案内溝28,29、辺方向案内溝32、及び頂点間案内溝31は既述のように上方に向けて拡開している。
【0043】
下型35の下方には、下型35を下方から保持する環状の下型保持リング44が設けられている。下型保持リング44は下型35の外周部35aのみを保持し、キャビティ39の底部をなす下型35の中央部35bが弾性域内で下方にたわむことができるようになっている。
【0044】
上型36は、キャビティ39を閉じる円盤部45と、円盤部45の上面中央に形成された円筒部46とを備える。ピッチセグメント24は後述のように熔融ピッチがキャビティ39に流し込まれて成形されるが、円筒部46にはその熔融ピッチをキャビティ39に導く湯口47と、熔融ピッチを予圧用及び補給用に蓄える押し湯部48とが設けられている。また、円筒部46の外周面には、後述の収縮量補正リング49と係合する係合段部50が形成されている。
【0045】
円盤部45には、キャビティ39と外部とを連通してキャビティ39内の空気を外部へと逃がす連通穴51が複数形成されている。円盤部45の下面には、ピッチセグメント24の裏面に同心円状の溝25を形成する環状凸部52と、放射状の溝26を形成する図示を略す放射状凸部とが設けられている。
【0046】
円盤部45の上面には、円筒部46が挿通する上型保持リング53が設置されている。上型保持リング53はその外周部53aのみが円盤部45上に載置され、上型36の中央部36bが弾性域内で上方にたわむことができるようになっている。上型保持リング53には連通穴51からの通気を阻害しないように、複数の通気穴54が形成されている。
【0047】
上型保持リング53の上面には、円筒部46が貫通し、かつ、係合段部50に下方から係合する収縮量補正リング49がネジ55によりネジ止めされている。収縮量補正リング49は熔融ピッチの冷却固化時の収縮量を補正するため、係合段部50と係合して上型36の中央部36bを円筒部46ごと上方に引き上げる。この収縮量補正リング49の厚さを変化させることによって、係合段部50の上型保持リング53からの距離が変化して中央部36bの引上げ量が変化し、ひいてはキャビティ39の中央部の高さを変化させることができるので、収縮量補正リング49の厚さは上記収縮量に基づいて予め設定されている。
【0048】
成形型34によりピッチセグメント24を成形するには、上型36の中央部36bを収縮量補正リング49により予め所定量だけ上方にたわませておき(図4(a))、湯口47を通じてキャビティ39に熔融ピッチを充填する。この際、下型35の中央部35bに僅かにたわみが生じる程度にまで熔融ピッチPを流し込むが(図4(b))、熔融ピッチPの流入に伴いキャビティ39からは連通穴51を通じて空気が外部に抜けるため、熔融ピッチPの流動が容易となっている。
【0049】
熔融ピッチPを冷却固化させると、その固化物は収縮により中央部を中心にヒケを生じるが、このヒケを見込んで下型35と上型36とは予めたわみキャビティ39の中央部の高さが拡がっていたため、固化物の厚さ及び表面と裏面との平行度が所望の精度に仕上げられる。
【0050】
脱型した固化物、すなわち成形品24´は、図8に示すように、湯口47及び連通穴51により生じた湯口残り56及び連通穴残り57を有することがある。これらは脱型時に折れて上型36に残る場合もあるが、このように余剰部分として成形品24´に残った場合には適当な手段で除去する。例えば湯口残り56及び連通穴残り57を手で折ってバリはカッターナイフで削ることにより、ピッチセグメント24を得ることができる。
【0051】
この成形型34では、ピッチセグメント24の表面側は下型36により形成されるので、ピッチセグメント24の表面に気泡が生じず湯口残り56や連通穴残り57を除去した工作履歴が残ることもない。
【0052】
ピッチセグメント24はその数を増減することによって大小さまざまなターンテーブルに適用することができるので、これをターンテーブルの種類に応じてつくり分ける必要がなく、したがって、成形型34は種々の研磨用工具の製造に使用することができる。
【0053】
さらに、下型35と上型36とは以下に述べるように成形されるが、これらを主として構成される成形型34はフェーシング装置等と比べて極めて廉価である。
【0054】
図9乃至図11は、下型35を成形するための下型用成形型を示す。この下型用成形型58は、基盤59と、キャビティ成形体60と、稜部成形体61と、外周成形体62と、蓋体63とを備える。
【0055】
キャビティ成形体60はキャビティ39の高さに応じた厚さを有し、基盤59上に設けられている。稜部成形体61はその上面61aがピッチセグメント24の表面と同一形状を有し、キャビティ成形体60上に設けられている。キャビティ成形体60と稜部成形体61とは図示を略すネジにより基盤59上に固定され、キャビティ39を形成する。
【0056】
基盤59上でキャビティ成形体60の外側には、凹部37を形成する六角穴付きボルト64が同一円上の6カ所にねじ込まれている。各六角穴付きボルト64の図示を略す六角穴は、エポキシ樹脂により埋められている。
【0057】
外周成形体62は円筒状を呈し、六角穴付きボルト64の外側に設けられて下型35の外周面を形成する。この外周成形体62は図示を略すネジにより基盤59上に固定されている。蓋体63は同一円上に配置された複数の貫通穴65を有し、外周成形体62上に載置されて下型35の下面を形成する。
【0058】
この下型用成形型58により下型35を成形する際には、蓋体63を外した状態で液状のシリコーンSを外周成形体62で囲まれた空間66に満たし、蓋体63を載置してシリコーンSを常温で硬化させる。この際、余剰のシリコーンSは貫通穴65を通じて蓋体63上へと溢れ出るため(図9(b))、シリコーンSの硬化後その余剰の部分67を刃物等で切除し、下型用成形型58を分解することにより下型35を取り出すことができる。
【0059】
図12乃至図14は、上型36を成形するための上型用成形型を示す。この上型用成形型68は、基盤69と、凸部成形体70と、押し湯部成形体71と、湯口成形体72と、外周成形体73と、蓋体74と、係合段部成形体75とを備える。
【0060】
凸部成形体70は、その上面70aがピッチセグメント24の裏面と同一形状を有し、さらにその外側に凸部38を形成する円形凹部76を同一円上の6カ所に有する。凸部成形体70の上面70aには、連通穴51の位置に対応して位置決め穴77が設けられている。この位置決め穴77は後述する連通穴成形用のピン78の位置決めに用いられる。
【0061】
押し湯部成形体71は、凸部成形体70の中央にネジ79によりネジ止めされている。押し湯部成形体71には、湯口成形体72がネジ80によりネジ止めされている。凸部成形体70はこれに押し湯部成形体71がネジ止めされた後、ネジ81により基盤69にネジ止めされている。
【0062】
外周成形体73は円筒状を呈し、基盤69上にネジ82により固定されて上型36の外周面を形成する。この外周成形体73と凸部成形体70とは、その間に隙間が生じないように相互に密着している。蓋体74は押し湯部成形体71が貫通する貫通穴83を有し、外周成形体73上に載置されて上型36の円盤部45の上面及び円筒部46を形成する。
【0063】
係合段部成形体75は、押し湯部成形体71が貫通するように蓋体74上に設けられている。係合段部成形体75は、押し湯部成形体71、湯口成形体72、及び蓋体74とともに係合段部50を形成する。この係合段部成形体75と蓋体74とには連通穴51を形成するピン78が貫挿し、その先端部78aが位置決め穴77に位置決めされている。
【0064】
この上型用成形型68により上型36を成形する際には、液状のシリコーンSをと湯口成形体72と係合段部成形体75との間から型内に注入充填し、そのシリコーンSを常温で硬化させる。シリコーンSの硬化後ピン78を引き抜き(図12(b))、上型用成形型68を分解することにより上型36を取り出すことができる。
【0065】
[実施の形態2]
図15乃至図17は本発明に係るピッチセグメントの他の例を示し、図中84は正方形、85は正三角形、86は正六角形のピッチセグメントである。また、各図において(a)、(b)はそれぞれピッチセグメントの単体と集合体とを示している。
【0066】
ピッチセグメント84,85,86の表面には、その中心部(重心位置)84a,85a,86aから各頂点に向けてのびる放射状案内溝84b,85b,86bと、中心部84a,85a,86aから各辺の中点に向けてのびる放射状案内溝84c,85c,86cと、各辺に沿った辺方向段差部84d,85d,86dとが設けられている。各放射状案内溝の横断面は図3(a)に示したと同様であり、各辺方向段差部の横断面は図3(b)に示したと同様である。
【0067】
ピッチセグメント84,85,86は、複数組み合わされた際に辺方向段差部84d,85d,86dが辺方向案内溝84e,85e,86eを形成し、この辺方向案内溝と放射状案内溝とによりピッチポリシャにおける砥粒の分散を均質化するようになっている。これらのピッチセグメント84,85,86の成形型及び成形型の製作については、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0068】
なお、本発明は上述した形態に限られるものではなく、例えばピッチセグメント24において放射状案内溝29及び頂点間案内溝31を設けなくても、放射中心33からのびる案内溝28,32の総数は中心部27からのびる放射状案内溝28の本数(6本)と等しく放射中心33を中心部27とみなすことができるので、ピッチポリシャ23における溝分布を均等化することができる。この際、1つのピッチセグメントに対しては溝が間引かれたことになるが、その分ピッチセグメントの径を小さくすることによってピッチポリシャ全体に対しては溝の密度を確保することができる。
【0069】
また、図15(b)はピッチセグメント84の集合体を示すが、このピッチセグメント84が4つ組み合わさってなる正方形の集合体を単体のピッチセグメントとして用いても、あるいは、図18に示す正方形のピッチセグメント87を用いてもよい。
【0070】
さらに、上記実施の形態においては研磨用工具をリングポリシャ盤としたが、レンズ研磨機の磨き皿等にピッチセグメントを敷き並べることとしてもよい。
【0071】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、正多角形状に形成されたピッチセグメントがターンテーブル上で複数集まり辺同士が接合されてピッチポリシャを構成し、正多角形の中心部から放射状にのびる砥粒案内用の放射状案内溝と、該放射状案内溝と少なくとも正多角形の頂点にて交差するように正多角形の各辺に形成された辺方向段差部とを備え、前記ターンテーブル上に設けられたときに、前記辺方向段差部が隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて砥粒案内用の辺方向案内溝を形成するとともに、前記頂点が隣接するピッチセグメントの頂点とともに少なくとも前記放射状案内溝及び前記辺方向案内溝の放射中心をなし、該放射中心からのびる砥粒案内用の溝の総数が前記中心部からのびる前記放射状案内溝の本数と等しくされることにより、前記放射中心を前記中心部とみなすことができるように構成したので、大型の研磨機用の研磨用工具あるいはリングポリシャ盤に適用しても、砥粒の分散の均質化、ツルーイングの容易化、及び製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学部材の研磨用工具を示す平面図である。
【図2】図1の研磨用工具に用いられるピッチセグメントを示し、(a)は底面図を、(b)は平面図を示す。
【図3】ピッチセグメントの断面を拡大して示し、(a)は放射状案内溝及び頂点間案内溝の横断面を、(b)は辺方向段差部の横断面を示す図である。
【図4】ピッチセグメントの成形型の断面を示し、(a)は上型中央部を引き上げた状態を、(b)はキャビティに熔融ピッチを流し込んだ状態を示す図である。
【図5】下型保持リングに下型が保持された状態を示す平面図である。
【図6】図5の状態にさらに上型が設けられた状態を示す平面図である。
【図7】図6の状態にさらに上型保持リング及び収縮量補正リングが設けられた状態を示す平面図である。
【図8】成形型によりつくられた成形品の例を示す説明図である。
【図9】下型用成形型の断面を示し、(a)はその概略構成を、(b)はシリコーンが流し込まれた状態を示す図である。
【図10】下型用成形型の基盤にキャビティ成形体、稜部成形体、外周成形体、及び六角穴付きボルトが設けられた状態を示す平面図である。
【図11】図10の状態にさらに蓋体が設けられた状態を示す平面図である。
【図12】上型用成形型の断面を示し、(a)はその概略構成を、(b)はシリコーンが流し込まれた状態を示す図である。
【図13】上型用成形型の基盤に凸部成形体が設けられた状態を示す平面図である。
【図14】図13の状態にさらに蓋体が設けられた状態を示す平面図である。
【図15】本発明に係るピッチセグメントの他の例を示し、(a)は正方形状のピッチセグメント単体を、(b)は(a)のピッチセグメントが集合した状態を示す平面図である。
【図16】本発明に係るピッチセグメントの他の例を示し、(a)は三形状のピッチセグメント単体を、(b)は(a)のピッチセグメントが集合した状態を示す平面図である。
【図17】本発明に係るピッチセグメントの他の例を示し、(a)は六角形状のピッチセグメント単体を、(b)は(a)のピッチセグメントが集合した状態を示す平面図である。
【図18】正方形状のピッチセグメントの他の例を示す平面図である。
【図19】従来のピッチセグメントを示す平面図である。
【図20】従来の研磨用工具の製造工程を示し、(a)はピッチセグメントの成形型に熔融ピッチが流し込まれた状態を、(b)は熔融ピッチが固化した後に型本体を取り出した状態を、(c)は型本体からピッチセグメントを脱型させた状態を、(d)はピッチセグメントを定盤上に並べてターンテーブルで加圧する状態を、(e)はピッチセグメントがターンテーブルに溶着された状態を、(f)はピッチポリシャの除去部分を示す説明図である。
【符号の説明】
21 研磨用工具
22 ターンテーブル
23 ピッチポリシャ
24 ピッチセグメント
27 中心部
28,29 放射状案内溝
30 辺方向段差部
32 辺方向案内溝
33 放射中心

Claims (13)

  1. ターンテーブルと該ターンテーブル上に設けられたピッチポリシャとを備え、該ピッチポリシャは正角形状のピッチセグメントが複数集まりその辺同士が接合されてなり、
    前記ピッチセグメントは正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる砥粒案内用の放射状案内溝と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝と、該放射状案内溝および前記頂点間案内溝と少なくとも正角形の頂点にて交差するように正角形の各辺に形成された辺方向段差部とを備え、該辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて砥粒案内用の辺方向案内溝を形成し、前記頂点は隣接するピッチセグメントの頂点とともに少なくとも前記放射状案内溝、前記頂点間案内溝及び前記辺方向案内溝の放射中心をなし、該放射中心からのびる砥粒案内用の溝の総数が前記中心部からのびる前記放射状案内溝の本数と等しくされることにより、前記放射中心を前記中心部とみなすことができる光学部材の研磨用工具。
  2. 前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝と放射状の溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学部材の研磨用工具。
  3. ターンテーブルと該ターンテーブル上に設けられたピッチポリシャとを備え、該ピッチポリシャは正角形状のピッチセグメントが複数集まりその辺同士が接合されてなり、
    前記ピッチセグメントは正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる放射状案内溝と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝と、該放射状案内溝および前記頂点間案内溝と交差するように正角形の各辺に形成された辺方向段差部とを備え、該辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて辺方向案内溝を形成し、該辺方向案内溝と前記放射状案内溝と頂点間案内溝とにより前記ピッチポリシャにおける砥粒の分散を均質化する光学部材の研磨用工具。
  4. 前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝と放射状の溝が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光学部材の研磨用工具。
  5. 角形状に形成され且つターンテーブル上で複数集まり辺同士が接合されてピッチポリシャを構成し、正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる砥粒案内用の放射状案内溝と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝と、該放射状案内溝および前記頂点間案内溝と少なくとも正角形の頂点にて交差するように正角形の各辺に形成された辺方向段差部とを備え、
    前記ターンテーブル上に設けられたときに、前記辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて砥粒案内用の辺方向案内溝を形成するとともに、前記頂点は隣接するピッチセグメントの頂点とともに少なくとも前記放射状案内溝、前記頂点間案内溝及び前記辺方向案内溝の放射中心をなし、該放射中心からのびる砥粒案内用の溝の総数が前記中心部からのびる前記放射状案内溝の本数と等しくされることにより、前記放射中心を前記中心部とみなすことができるピッチセグメント。
  6. 前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝と放射状の溝が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のピッチセグメント。
  7. 角形状に形成され且つターンテーブル上で複数集まり辺同士が接合されてピッチポリシャを構成し、正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる放射状案内溝と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝と、該放射状案内溝および前記頂点間案内溝と交差するように正角形の各辺に形成された辺方向段差部とを備え、
    前記ターンテーブル上に設けられたときに、前記辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて辺方向案内溝を形成し、該辺方向案内溝と前記放射状案内溝と前記頂点間案内溝とにより前記ピッチポリシャにおける砥粒の分散を均質化するピッチセグメント。
  8. 前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝と放射状の溝が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のピッチセグメント。
  9. ターンテーブル上で複数集まりピッチポリシャをなすピッチセグメントの裏面側を成形する上型と、前記ピッチセグメントの表面側を成形する下型とを備え、キャビティに熔融ピッチが流し込まれて前記ピッチセグメントを成形するピッチセグメントの成形型であって、
    前記上型には前記キャビティと外部とを連通する連通穴が設けられ、前記キャビティは上方から見て正角形状を呈し、且つ、正角形の中心部から放射状にのびる放射状稜部と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝を形成する頂点間稜部と、該放射状稜部および前記頂点間稜部と少なくとも正角形の頂点にて交差するように正角形の各辺に形成された辺方向突出段部とを底面に備え、前記放射状稜部は前記ピッチセグメントの表面に砥粒案内用の放射状案内溝を形成するとともに、前記辺方向突出段部は前記ピッチセグメントの表面に辺方向段差部を形成し、
    前記ピッチセグメントが前記ターンテーブル上に設けられたときに、前記辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて砥粒案内用の辺方向案内溝を形成するとともに、前記ピッチセグメントの正角形の頂点は隣接するピッチセグメントの頂点とともに少なくとも前記放射状案内溝、前記頂点間案内溝及び前記辺方向案内溝の放射中心をなし、該放射中心からのびる砥粒案内用の溝の総数が前記中心部からのびる前記放射状案内溝の本数と等しくされることにより、前記放射中心を前記中心部とみなすことができるピッチセグメントの成形型。
  10. 前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝を形成する環状凸部と放射状の溝を形成する放射状凸部とが設けられていることを特徴とする請求項9に記載のピッチセグメントの成形型。
  11. ターンテーブル上で複数集まりピッチポリシャをなすピッチセグメントの裏面側を成形する上型と、前記ピッチセグメントの表面側を成形する下型とを備え、キャビティに熔融ピッチが流し込まれて前記ピッチセグメントを成形するピッチセグメントの成形型であって、
    前記上型には前記キャビティと外部とを連通する連通穴が設けられ、
    前記キャビティは上方から見て正角形状を呈し、且つ、正角形の中心部から各頂点及び各辺の中点にのびる放射状稜部と、各頂点から、それが隣り合う頂点のさらに隣の頂点に向けて、直線状にのびる頂点間案内溝を形成する頂点間稜部と、該放射状稜部および前記頂点間稜部と交差するように正角形の各辺に形成された辺方向突出段部とを底面に備え、
    前記放射状稜部は前記ピッチセグメントの表面に砥粒案内用の放射状案内溝を形成するとともに、前記辺方向突出段部は前記ピッチセグメントの表面に辺方向段差部を形成し、
    前記ピッチセグメントが前記ターンテーブル上に設けられたときに、前記辺方向段差部は隣接するピッチセグメントの辺方向段差部と接合されて辺方向案内溝を形成し、該辺方向案内溝と前記放射状案内溝と前記頂点間案内溝とにより前記ピッチポリシャにおける砥粒の分散を均質化するピッチセグメントの成形型。
  12. 前記ピッチセグメントの裏面に同心円状の溝を形成する環状凸部と放射状の溝を形成する放射状凸部が設けられていることを特徴とする請求項11に記載のピッチセグメントの成形型。
  13. ターンテーブル上で複数集まりピッチポリシャをなすピッチセグメントの裏面側を成形する上型と、前記ピッチセグメントの表面側を成形する下型とを備え、キャビティに熔融ピッチが流し込まれて前記ピッチセグメントを成形するピッチセグメントの成形型であって、
    前記上型及び前記下型は弾性材により形成され、前記熔融ピッチが冷却固化してヒケを生じた際にその固化物が所望の厚さとなるように、前記熔融ピッチが流し込まれるときにそれぞれ上方及び下方にたわんで前記キャビティの中央部の高さを拡げることを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載のピッチセグメントの成形型。
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