JP4056788B2 - 圧力膜と空気ばねと管継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圧力膜と空気ばねと管継手に関し、詳しくは、車両のサスペンション等に用いられ、ゴム被覆された複数の鋼芯材を内部に含むビードリングを両端部に備えると共に、これら両ビードリングを被覆し、これら両ビードリング間を結ぶ略筒状のゴムとからなる圧力膜と、これを装着している空気ばね又は管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冒記した圧力膜を装着した空気ばねとしては、例えば図3に示すような構造のものがある。この空気ばね1は、略円筒状のゴム膜を主体として構成されていて、内圧が加わると、矢印Aに示すように、外側に向けてゴム製の圧力膜2が張り出す方向に引っ張り力が強く作用する。そのため、この引っ張り力に抗すべく、複数本のビードワイヤを束ねたものを上下両端部に円環状をしたビードリング3として使用すると共に、これら両端部のビードリング3を互いに包み込みようにして連結した繊維コード4を、内側ゴム層2aと外側ゴム層2bとからなる圧力膜2内部に埋設して一体的になるよう構成されている。
【0003】
このビードワイヤは、断面円形をした硬鋼線からなり、表面は未加硫ゴムで被覆されており、これらを束ねて使用されていた。繊維コード4については、プライ数を多くしたもの、配列密度を高めたもの、炭素繊維、スチールコード、ガラス繊維などを使用したものなどがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の圧力膜は、単線のビードワイヤ夫々に未加硫ゴムを被覆し、縦横方向に規則的に角形になるよう配列するようにしているので、以下のような問題点がある。
【0005】
(1) 縦横方向に規則的に未加硫ゴムを被覆した単線を配列するのに、少なくない工数を要する。
【0006】
(2) 各ビードワイヤは硬鋼線にゴム被覆されているので、全体に断面積当たりのゴム部分が多く、引っ張り強度は十分高いとはいえない。
【0007】
(3) 断面円形をした硬鋼線を縦横方向に角形になるように配列しているので、成形加硫中にビードワイヤの配列が変形する。特に、内圧を負荷して加硫するベローズタイプに成形する場合に変形が大きく、大径製品になるほど変形量は大きい。
【0008】
(4) その結果、ビードワイヤでの変形に起因して、圧力変動や、圧力膜の取り付け境界部からシール漏れが発生する可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、少ない工数で、鋼材の断面積を相対的に大きくでき、加硫時にも変形し難くし、ビードワイヤでの変形に起因する圧力変動やシール漏れの発生を極めて少なくできる圧力膜とこれを装着した空気ばねを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る圧力膜の特徴構成は、ゴム被覆された複数の鋼芯材を内部に含むビードリングを両端部に備えると共に、これら両ビードリングを被覆し、これら両ビードリング間を結ぶ略筒状のゴム層を有していて、前記ビードリングを構成する鋼芯材が帯状に構成されていることにある。
【0011】
この構成によれば、ビードワイヤ単線を配列する従来技術に比べて配列個数を少なくできるので、製造工数を確実に少なくでき、それでいて全体に断面積当たりのゴム部分を少なくして(芯材部分を多くして)引っ張り強度を高くすることができ、内圧を負荷して加硫するベローズタイプに成形する場合でも変形を少なくできて、結果的に圧力変動やシール漏れを顕著に防止することができる。又、高温で加硫する際、端部での繊維コードによってビード部が外側に拡がろうとするが、ビード部を構成する芯材が帯状になっていると、ゴム部分が相対的に少ないため、ゴム部分の流動による形状くずれが生じ難くなる。
【0012】
前記帯状の鋼芯材が荷重がかかる方向に長辺を有する断面略長方形をしていて、各辺の隅部が丸みを有することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、荷重がかかる方向に対して座屈強度を顕著に高くすることができるので、口径の大きい空気ばねや管継手に使用することができるようになり、しかも、各辺の隅部が丸みをおびているので、荷重がかかった場合に、被覆ゴムを損傷を極力少なくでき、耐久性の高いものとすることができる。
【0014】
又、本発明に係る空気ばねの特徴構成は、請求項1又は2の圧力膜が装着されていることにある。
【0015】
この構成によれば、少ない工数で、鋼材の断面積を相対的に大きくでき、加硫時にも変形し難くし、ビードワイヤでの変形に起因する圧力変動やシール漏れの発生を極めて少なくできる空気ばねを提供することができる。
【0016】
更に又、本発明に係る管継手の特徴構成は、請求項1又は2の圧力膜が装着されていることにある。
【0017】
この構成によれば、少ない工数で、鋼材の断面積を相対的に大きくでき、加硫時にも変形し難くし、ビードワイヤでの変形に起因する圧力変動やシール漏れの発生を極めて少なくできる管継手を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る圧力膜中に埋設される鋼製帯状のビードリングの断面構造を示す。図1(a)は、1本のビードリング13aの断面構造を示し、(b)はこの1本のビードリング13aにゴム被覆13bしたときの断面構造を示し、(c)はこれらゴム被覆ビードリングを2本束ねた状態を示す。実際の芯材としてのビードリングは、更に複数本が束ねられた構造となる。
【0019】
本実施形態のビードリングは、図1に示すように、従来のビードワイヤと異なり、断面長方形をした帯状のビードリング13aが複数本長辺側を重ねるようにして束ねた構造からなり、1本のビードリング13aは従来のビードワイヤの1列を縦方向に所定個数だけ配列した長さとなっている。そして、帯状のビードリングを図1(c)のようにして重ねることにより、従来のビードワイヤを縦方向のみならず、横方向にも配列したと同等な形状にビードリング13を形成することができる。
【0020】
この実施形態のビードリング13は、図1に示す構造となっているので、従来のビードワイヤ毎にゴム被覆した構造のものに比べて、相対的にゴム被覆部分が少なく、逆に断面積当たりの鋼材部分が多くなるように構成されている特徴を有する。しかも、従来のビードワイヤ毎にゴム被覆した構造の場合、各ゴム被覆ビードワイヤ間の隙間に空気溜まりができ易いが、本実施形態のような構造であると、空気溜まりはほとんど発生することがない。又、強度的にも、従来技術のビードワイヤを配列した構造に比べて、引っ張り強度が顕著に高くなるのみならず、荷重がかかる縦方向に長辺を配列していることから座屈強度も高くなる。このように強度を高くできることから、比較的口径の大きい空気ばね(例えば、ビードリング径200mm以上)に用いることが可能になる。
【0021】
又、図1に示すビードリング13aの各辺の隅は、圧力が作用した場合であっても被覆ゴムを損傷させないように、丸みをもったアール形状に形成されている。
【0022】
図1に示すゴム被覆ビードリングの複数本を束ねた後、図2に示すように、このビードリングは、繊維コード4により包み込まれると共に、内側ゴム層2aと外側ゴム層2bとからなるゴム製圧力膜2によって一体的に成形される。繊維コードとしては、ポリアミド繊維やポリエステル繊維などの種々の材質のものを使用可能であり、形状についても種々の市販のものを選択して使用でき、又、プライ数、ビードリング13を包み込む方法などは目的、用途などに応じて種々の選択が可能である。圧力膜を構成する未加硫ゴムは、その後、加硫されることになるが、その場合でも、ビード部を構成する芯材が帯状になっているので、ゴム部分が相対的に少ないため、ゴム部分の流動による形状くずれ(例えば、楕円形になる)がほとんど生じることがない。
【0023】
この圧力膜2を空気ばねとして使用する場合、空気ばね自体も種々の形式のものに用いることができ、例えば、車両用のサスペンション等に用いる空気ばねでは、略円盤状の受け板(図示略)とピストン(図示略)の間に圧力膜2を取り付け接続し、内部に空気を充填すると共に、受け板に設けた孔を介して車体上の空気補助室あるいは給気管などと連通させるようにする。
【0024】
【実施例】
実施例として、7.4mm幅(断面長方形の長辺)で1mm厚(断面長方形の短辺)の帯状鋼製リングに、ゴム厚み0.3mmを被覆して5列に配置したビードリングを製造した。これと略同等な外形サイズとなるように、従来技術に基づく硬鋼線からなるビードワイヤを製造して比較した。つまり、比較例としては、被覆するゴムの厚みを0.3mmとした、1mm径の鋼線を縦横に5列づつ配列してビードリングとした。
【0025】
その結果、実施例の鋼材の1列の断面積は、1×7.4=7.4(mm2 )であり、5列では、7.4×5=29.6(mm2 )となる。これに対して、比較例の鋼材の全断面積は、0.5×0.5×25=19.6(mm2 )となり、実施例の鋼材は比較例に比べて、[(29.6−19.6)/19.6]×100=51%の断面積増加となる。このことは、相対的に鋼材部分の占める割合が大きくなり、強度が高くなる。
【0026】
〔別実施の形態〕
(1)上記実施形態では、1本のビードリングの厚みを従来技術のビードワイア単線の径と略同等としたが、これに限定されるものではなく、更に厚みを厚くしてもよいし、薄くしてもよい。但、厚みを厚くしてブロック状の断面のものとすると、ビードリング自体のコストが高くなり好ましくない。
【0027】
(2)本発明にかかる圧力膜の用途としては、上記した空気ばねのみに限定されるものではなく、ゴム製管継手など、端部にビードワイヤを使用している器具・装置などに適用できる。管継手の場合、端部外周部には、フランジのような接続用治具が装着されていることが好ましく、このフランジの外周部近傍の周面に沿って形成された貫通孔に、ボルトなどの接続治具を装着してナットで固着し、管どうしを接続するようにすることができる。
【0028】
(3)上記実施形態では、帯状のビードリングを圧縮荷重のかかる縦方向に長辺を配置する構造としたが、横方向に長辺を配置する構造としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る圧力膜を構成する1本のビードリングの断面図、(b)(a)のビードリングにゴム被覆したときの断面図、(c)(b)のゴム被覆ビードリングを束ねた構造を示す断面図
【図2】圧力膜の端部構造を示す概略部分断面図
【図3】従来技術の圧力膜を空気ばねに取り付けた状態を示す半断面図
【符号の説明】
2a,2b ゴム層
13 ビードリング
Claims (4)
- ゴム被覆された複数の鋼芯材を内部に含むビードリングを両端部に備えると共に、これら両ビードリングを被覆し、これら両ビードリング間を結ぶ略筒状のゴム層を有する圧力膜において、前記ビードリングを構成する鋼芯材が帯状に構成されていることを特徴とする圧力膜。
- 前記帯状の鋼芯材が荷重がかかる方向に長辺を有する断面略長方形をしていて、各辺の隅部が丸みを有する請求項1の圧力膜。
- 請求項1又は2の圧力膜が装着されている空気ばね。
- 請求項1又は2の圧力膜が装着されている管継手。
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