JP4056406B2 - テープ状媒体走行装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ状の磁気記録媒体を用いるカセットビデオテープレコーダ等の磁気記録再生装置に搭載されている、高速走行を行うテープ状媒体走行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、記録再生媒体としてアクセス速度の有利なディスクが伸びてきている中、アクセス速度の不利な磁気記録テープについてモータの回転速度を高速にすることにより、テープの巻取り走行速度を高速にして早送り/巻戻し時間を短縮して使いやすさを改善することが求められている。
【0003】
テープ状媒体走行装置は(特許文献1)などに記載されたものが知られている。図10は従来のテープ状媒体走行装置を示す。
1はテープを駆動するモータ、2は磁気記録テープの一端が巻かれた巻取側リールで、モータ1の回転がベルトや歯車により伝達され回転により磁気記録テープを走行させる。3は磁気記録テープの他端が巻かれた供給側リールで、巻取側リール2の回転により磁気記録テープが走行し巻取側リール2に磁気記録テープを供給する。
【0004】
4は回転検出手段で、モータ1の周辺部に所定の間隔で着磁されている極性(N極とS極)を検出して周波数信号を出力するMR素子(磁気抵抗素子)を有しモータ1の回転速度に比例した周波数の信号を出力する。5は巻径検出手段で、巻取側リール2および供給側リール3の回転数から巻径を繰り返し計算して巻径に応じた信号を出力する。
【0005】
6は高速目標速度算出手段で、モータ1の回転速度を、高速で磁気記録テープを巻き取る第1の速度に設定する高速目標速度を出力する。
7は低速目標速度算出手段で、モータ1の回転速度を、第1の速度から時間と共に徐々に減速させ最終的に磁気記録テープの終端で停止する第2の速度に設定する低速目標速度を出力する。
【0006】
8は巻径比較手段で、巻径検出手段5の出力と予め内部に設定された巻径比較基準値との比較を行い結果を出力する。
101は巻径検出手段5の出力に基づいて異常状態を検出する異常検出手段で、前回巻径検出出力記憶手段35と、巻径異常判別手段36と、巻径異常回数カウンタ37および巻径異常回数比較手段38とで構成されている。
【0007】
前回巻径検出出力記憶手段35は、巻径検出手段5の出力が更新される直前の値を一時的に記憶しその値を出力する。
巻径異常判別手段36は、巻径検出手段5の出力と前回巻径検出出力記憶手段35の出力とを比較して、巻径検出手段5の出力が前回巻径検出出力記憶手段35の出力よりも大きい場合に異常と判断してパルスを出力する。
【0008】
巻径異常回数カウンタ37は、巻径異常判別手段36の出力パルスをカウントし結果を出力する。
巻径異常回数比較手段38は、巻径異常回数カウンタ37の出力と予め内部に設定された巻径異常回数上限値との比較を行い比較結果を出力する。
【0009】
前記巻径比較手段8の出力と異常検出手段101の出力信号である前記巻径異常回数比較手段38の出力信号とに基づいて選択した信号を出力する目標速度設定手段9には、高速目標速度算出手段6の出力と低速目標速度算出手段7の出力とが入力されており、このいずれかを目標速度として選択して出力する。
【0010】
速度制御手段10は駆動手段11を介して前記モータ1の速度制御を実施するもので、前記回転検出手段4の出力が前記目標速度設定手段9の出力する目標速度に近づくように制御する。
【0011】
まず、テープカセットの巻取リールから供給リールに磁気記録テープを巻き取るようにテープ状媒体走行装置に指令が入力されると、早送りおよび巻戻しの開始時の目標速度設定手段9は、高速目標速度算出手段6の出力を選択して目標速度として速度制御手段10に出力し、磁気記録テープを高速(第1の速度)で巻き取れるようにモータ1の回転速度が制御される。
【0012】
この巻戻しの場合にはテープカセットの供給リールが巻取側リール2となり、テープカセットの巻取リールが供給側リール3となるので、モータ1の回転により巻取側リール2は磁気記録テープを供給側リール3から巻き取り、巻き取り中の供給側リール3であるテープカセットの巻取リールの巻径は、時間の経過と共に細くなっていく。
【0013】
この時間の経過と共に細くなっていく供給側リール3の時々の巻径は、巻径検出手段5で検出されて、巻径比較手段8で巻径比較基準値と比較される。
巻径比較手段8に入力されている巻径比較基準値は、供給側リール3に残った磁気記録テープが終端に近づいたことを検出できるように予め設定されており、巻径比較手段8は、巻径検出手段5の出力が巻径比較基準値よりも小さくなったことから磁気記録テープの終端が近づいたと判定する。
【0014】
この巻戻し中に巻径比較手段8が磁気記録テープの終端が近づいたと判定したタイミングには、これを認識した目標速度設定手段9は、モータ1の目標速度として、第1の速度よりも低速(第2の速度)を出力するように低速目標速度算出手段7の出力を選択して速度制御手段10に出力し、モータ1の回転速度が磁気記録テープの終端の手前のポイントで第1の速度よりも低速(第2の速度)に自動減速して巻取られる。
【0015】
以上の動作は巻径検出手段5において巻径の検出が正常に行われ続けた場合であって、巻径検出手段5での巻径の検出を誤った場合には、磁気記録テープの終端の手前のポイントでモータ1の回転速度が低速(第2の速度)に減速されずに終端に突入する異常事態が発生する。この異常事態が発生した場合にはテープ切れが発生するおそれがある。
【0016】
従来では、次のようにして前記異常検出手段101によって上記の異常事態の発生を回避しようとしている。
つまり、巻径異常判別手段36では、巻戻し中に巻径検出手段5から出力されている最新の巻径と、巻径検出出力記憶手段35から出力されている前回の巻径とを繰り返し比較しており、最新の巻径が前回の巻径より小さい場合は、巻径検出手段5の巻径の検出が正常であると判定され、一方、最新の巻径が前回の巻径より大きい場合には、巻径検出手段5の巻径の検出が異常であると判定される。
【0017】
これによって、巻戻し中に巻径検出手段5による異常な巻径検出が発生した場合には、巻径異常判別手段36から巻径異常カウンタ37にパルスが出力される。
【0018】
巻径異常回数比較手段38では、巻径異常回数カウンタ37で計数された巻径異常判別手段36の出力パルス数と予め内部に設定されている巻径異常回数上限値を比較しており、巻径異常回数カウンタ37の計数値が巻径異常回数の上限値よりも大きくなった状態を検出すると、巻径検出手段5が誤動作していることを示す信号を巻径異常回数比較手段38が目標速度設定手段9に出力する。
【0019】
巻径異常回数比較手段38によって巻径検出手段5の誤動作が検出されたことを認識した目標速度設定手段9は、巻径比較手段8の出力信号にかかわらずに、モータ1の回転速度を第1の速度よりも低速(第2の速度)に強制減速して巻き取る。
【0020】
なお、ここでは巻戻しの場合を例に挙げて説明したが、早送りの場合も同様である。
【0021】
【特許文献1】
特開2000−215559号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
前記巻径比較基準値、つまり第1の速度から第2の速度に減速を開始させる巻径位置(以降、減速点と呼ぶ)をより供給側リール3の巻径の小さい位置に設定して、第2の速度で走行する区間を短くすることによって、早送りまたは巻戻し時間の更なる短縮を実現できる。
【0023】
しかしながら上記の従来の構成では、巻径検出手段5で検出された巻径が、誤って検出されているにもかかわらず、巻径検出手段5による最新検出の巻径が前回の巻径より小さい場合には、前記減速点を検出せず、また異常検出手段101では異常と検出されないので、第2の速度に減速できずに、高速(第1の速度)のまま磁気記録テープの終端に突入する事態が発生し、磁気記録テープに損傷を与えることになる。
【0024】
図11にその具体例を示す。
この図11は、供給側リール3の巻径について、実際の値と巻径検出手段5で検出された値の一例を時間の経過と共に示したグラフで、縦軸に供給側リール3の巻径、横軸に経過時間を示す。実際の巻径の変化を破線Jで示し、巻径検出手段5で検出された時々の巻径をP1,P2,P3,P4,P5,P6,・・・で示す。磁気記録テープの走行中に負荷変動などが発生して、巻径が誤検出された個所が点P5,P6,・・・である。その前後の要部Qの拡大を、その右側に示した。
【0025】
磁気記録テープの走行中に負荷変動などが発生して、巻径が誤検出された場合、従来の異常検出手段101では、検出された巻径P5は、前回巻径検出出力記憶手段35で記憶されている前回の巻径P4よりも小さいため異常と検出されない。巻径P5,P6,・・・は、このような巻径の誤検出が磁気記録テープの終端まで続けて発生した場合には、減速点を正しく検出できずに、実際には巻径Pnにおいて高速(第1の速度)から低速(第2の速度)に切り換わって磁気記録テープの終端に向かうところが、磁気記録テープの走行速度は高速(第1の速度)のまま、磁気記録テープの終端に突入する。
【0026】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、巻径検出手段5での巻径の誤検出をより正確に検出することができ、走行速度が高速のまま磁気記録テープの終端に突入してテープが損傷することを防止でき、かつ早送り/巻戻し時間を短縮できるテープ状媒体走行装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明のテープ状媒体走行装置は、一方のリールに巻かれた磁気記録テープを他方のリールに高速の第1の速度で巻き取る場合に、リールに巻かれた磁気記録テープの巻径に応じて磁気記録テープ終端の手前位置で巻取り速度を第2の速度に減速するテープ状媒体走行装置であって、供給側リールに巻かれている磁気記録テープの巻径を検出する巻径検出手段の出力に基づき異常状態を検出する異常検出手段を、前記巻径検出手段で検出した巻径をもとに巻径変化を検出する巻径変化検出手段と、前記巻径変化検出手段で検出した巻径変化と巻径変化比較基準とをもとに前記巻径検出手段で検出した巻径について正誤判別を行い前記目標速度設定手段に異常状態の発生を通知する巻径変化異常判別手段とで構成したことを特徴とする。
【0028】
この構成によって、磁気記録テープの巻径の誤検出により、走行速度が高速のまま磁気記録テープの終端に突入してテープが損傷することを防止でき、且つ、早送りおよび巻戻し時間を短縮できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載のテープ状媒体走行装置は、一方のリールに巻かれた磁気記録テープを他方のリールに高速の第1の速度で巻き取る場合に、リールに巻かれた磁気記録テープの巻径に応じて磁気記録テープ終端の手前位置で巻取り速度を第2の速度に減速するテープ状媒体走行装置であって、モータと、前記モータの回転速度に比例した周波数の信号を検出する回転検出手段と、前記磁気記録テープの一端が巻かれ前記モータの回転に同期して回転する巻取側リールと、前記磁気記録テープの他端が巻かれた供給側リールと、前記供給側リールに巻かれている磁気記録テープの巻径を検出する巻径検出手段と、前記モータの回転速度を前記第1の速度に設定する目標速度を出力する高速目標速度算出手段と、前記モータの回転速度を前記第2の速度に設定する目標速度を出力する低速目標速度算出手段と、前記巻径検出手段の出力と予め内部に設定された巻径比較基準値との比較を行う巻径比較手段と、前記巻径検出手段の出力に基づき異常状態を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段の出力が異常状態を示す場合又は前記巻径検出手段の出力が巻径比較基準値よりも小さいと検出した場合は前記低速目標速度算出手段の出力を目標速度として出力し、それ以外の場合は前記高速目標速度算出手段の出力を目標速度として出力する目標速度設定手段と、前記回転検出手段の出力と前記目標速度設定手段の出力とに基づいて回転指令信号を出力する速度制御手段と、回転指令信号に基づいて前記モータを回転させる駆動手段とを備え、前記巻径検出手段で検出した巻径をもとに巻径変化を検出する巻径変化検出手段と、前記巻径変化検出手段で検出した巻径変化と巻径変化比較基準とをもとに前記巻径検出手段で検出した巻径について正誤判別を行い前記目標速度設定手段に異常状態の発生を通知する巻径変化異常判別手段と、前記巻径変化比較基準を前記巻径変化検出手段で検出した巻径変化最大値に応じて変化させる巻径変化比較基準最適化手段と、を設け、予め内部に設定された複数の巻径比較基準値と前記巻径検出手段で検出した巻径に応じて現在のテープ位置を判別して前記異常検出手段ならびに前記目標速度設定手段を制御して、異常検出手段を経由せずにモータの目標速度を前記第1の速度に設定する区間と、巻径変化の検出と巻径変化の最大値の記憶だけ行った後にモータの目標速度を前記第1の速度に設定する区間と、異常検出手段を経由して前記モータの目標速度を前記第1の速度あるいは前記第2の速度に設定する区間と、異常検出手段を経由せずに前記モータの目標速度を前記第2の速度に設定する区間と、を、テープ位置に応じて切り替えて、巻径変化の異常検出を行う巻径領域と行わない巻径領域を設けるように構成したことを特徴とする。
【0030】
この構成によると、巻径変化検出手段により検出した巻径変化と巻径変化比較基準とをもとに、巻径検出手段で検出した巻径について正誤を判断することにより、巻径の誤検出を正確に検出することができ、巻径の誤検出によって減速点を誤り、走行速度が高速のまま磁気記録テープの終端に突入してテープが損傷することを防止でき、且つ、減速点を供給側リールの巻径のより小さい位置に設定することができるようになり、モータが第2の速度である低速速度で走行する時間を最小限にすることができるため、早送り/巻戻し時間を短縮でき、また、巻径変化比較基準を前記巻径変化検出手段で検出した巻径変化最大値に応じて変化させることにより、磁気記録テープの厚みや長さの違いにより発生する巻径変化異常判別手段での異常検出感度のばらつきを小さくでき、また、リールの巻径によって、巻径検出手段で検出した巻径について正誤判別を行う巻径領域と行わない巻径領域を分けることができ、巻径について誤検出しても減速点の検出には影響がない巻径領域では正誤判別を行わないようにすることが可能となることにより、減速点の検出には影響がない巻径領域での正誤判別による早送り/巻戻し時間の延びを防ぐことができる。
【0035】
本発明の請求項2記載のテープ状媒体走行装置は、請求項1において、前記低速目標速度算出手段の第2の速度を、第1の速度から時間と共に減速させ最終的に磁気記録テープの終端で停止する目標速度としたことを特徴とする。
【0036】
この構成によると、早送り/巻戻し時の終端でのより安全な磁気記録テープ走行の終了を期待できる。本発明の請求項3記載のテープ状媒体走行装置は、請求項1において、巻径変化比較基準を巻径変化最大値に応じて変化させるに代わって、前回までの巻径の平均値などの別の統計値に応じて巻径変化比較基準を変化させるよう構成したことを特徴とする。
【0037】
この構成によっても、磁気記録テープの厚みや長さの違いにより発生する巻径変化異常判別手段での異常検出感度のばらつきを小さくできる。
以下、本発明の各実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0038】
(実施の形態1)
図1〜図3は本発明の(実施の形態1)を示す。
図1は本発明の(実施の形態1)におけるテープ状媒体走行装置を示し、従来と同一の構成要素には同一番号を付けて説明を省略する。
【0039】
図1において、異常検出手段101は、巻径変化検出手段12と巻径変化最大値記憶手段13および巻径変化異常判別手段15によって構成されている。なお、この実施の形態では、破線で囲んだ各種の機能手段をマイクロコンピュータ100を主要部として実現している。
【0040】
巻径変化検出手段12は、前記巻径検出手段5の出力を予め内部に設定された単位時間毎に検出して単位時間当たりの巻径変化を検出し出力する。
巻径変化最大値記憶手段13は、前回までに巻径変化検出手段12から出力された巻径変化の中の最大値を記憶し出力する。
【0041】
巻径変化異常判別手段15は、巻径変化最大値記憶手段13から出力される値と巻径変化検出手段12から出力される値および予め入力した巻径変化比較基準とをもとに、巻径検出手段5で検出した巻径の正誤を判別する。この巻径変化異常判別手段15の出力が異常検出手段101から目標速度設定手段9への出力信号となっている。
【0042】
マイクロコンピュータ100のソフトウェア処理の部分を図2に示す。この図2に基づいて異常検出手段101の構成を詳しく説明する。
なお、巻径検出手段5は図2の巻径検出ステップ16で実現される。巻径比較手段8は図2の巻径T比較ステップ26で実現される。巻径変化検出手段12は図2の巻径変化検出ステップ27で実現される。巻径変化異常判別手段15は図2の巻径変化比較ステップ31で実現される。巻径変化最大値記憶手段13は図2の巻径変化最大値比較ステップ23と巻径変化最大値記憶ステップ24で実現される。高速目標速度算出手段6と低速目標速度算出手段7および目標速度設定手段9は図2の高速目標速度設定ステップ25で実現される。速度制御手段10は図2の速度制御ステップ34で実現されている。
【0043】
図2において、16は供給側リール3に巻かれている磁気記録テープの巻径を検出する巻径検出ステップ、17は巻径変化を検出する時間間隔の入力を行う巻径変化検出間隔入力ステップ、18は巻径比較基準値:Tの入力を行う巻径比較基準値入力ステップ、20は前回巻径変化を検出してからの経過時間が巻径変化検出間隔入力ステップ17で入力した時間間隔より大か否かを判別する巻径変化検出間隔比較ステップ、23は今回検出した巻径変化が前回までに検出した巻径変化の最大値より大か否かを判別する巻径変化最大値比較ステップ、24は今回検出した巻径変化を巻径変化最大値として記憶する巻径変化最大値記憶ステップ、25はモータ1の回転速度が第1の速度である高速目標速度になるように目標速度を設定する高速目標速度設定ステップ、26は巻径検出ステップ16で得た巻径が巻径比較基準値入力ステップ18で入力した巻径比較基準値:Tより大か否かを判別する巻径T比較ステップ、27は巻径変化を検出する巻径変化検出ステップ、28は巻径変化基準の入力を行う巻径変化比較基準入力ステップ、29は前回までに検出された巻径変化の中の最大値を入力する巻径変化最大値入力ステップ、31は、巻径変化検出ステップ27で検出された巻径変化が正常な値であるか、異常な値であるかを判別する巻径変化比較ステップ、32はモータ1の回転速度が第2の速度である低速目標速度になるように目標速度を設定する低速目標速度設定ステップ、33は回転検出手段4で検出した回転速度を入力する回転速度入力ステップ、34は回転速度と目標速度からモータ1を目標速度で回転するための回転指令を出力する速度制御ステップである。
【0044】
このように構成されたテープ状媒体走行装置について、図1、図2を用いてその動作を説明する。
まず、テープカセットの巻取リールから供給リールに磁気記録テープを巻戻するようにテープ状媒体走行装置に指令が入力されると、速度制御手段10は駆動手段11を介してモータ1を起動する。巻戻しの場合にはテープカセットの供給リールが巻取側リール2となり、テープカセットの巻取リールが供給側リール3となるので、モータ1の回転により、回転を伝達された巻取側リール2(テープカセットの供給リール)は磁気記録テープを供給側リール3(テープカセットの巻取リール)から巻き取る。
【0045】
磁気記録テープの巻取り中には巻径検出ステップ16において、巻取側リール2および供給側リール3の1回転する時間から供給側リール3に巻かれている磁気記録テープの巻径を検出する。
【0046】
ここで、巻径検出ステップ16における具体的な巻径算出方法を説明する。
巻取側リール2の1回転する時間と供給側リール3の1回転する時間より求められたテープ速度をV、供給側リール3が1回転する時間をT、供給側リール3に巻かれている磁気記録テープの巻径をLとすると、リール1回転で巻取られる磁気記録テープの長さは、
V・T (1)
で求められる。このときのリールの外周は、円周率πを用いると、
π・L (2)
である。巻取側リール2の回転により磁気記録テープは巻き取られるため、(1)式と(2)式の長さは等しい。従って、両者から巻径Lは、
L = V × T / π (3)
で求められる。
【0047】
なお、リールの回転を検出する方法としては、例えば、リールに設けられたスリットが、フォトセンサによる検出位置を通過したか否かで検出する方法がある。また、上記ではリール1回転の時間を用いた巻径算出方法を説明したが、上記スリットがリールにA個設けられていた場合、(1/A)回転のリール回転時間からも巻径を求めることができる。前記フォトセンサに代わってMR素子を用いても同様に実施できる。
【0048】
巻径変化検出間隔入力ステップ17では、予め設定されている巻径変化の検出の時間間隔を入力し、巻径比較基準値入力ステップ18では、予め設定されている巻径比較基準値:Tを入力する。
【0049】
巻径変化検出間隔比較ステップ20では、巻径変化検出間隔入力ステップ17で入力された検出間隔と、前回の巻径変化が検出された時からの経過時間とを比較する。なお、前回の巻径変化が検出された時からの経過時間は、後述の巻径変化検出ステップ27で検出される。更に具体的には、巻径変化検出間隔比較ステップ20では“条件a”を満たすかどうかが判定されており、この“条件a”とは、前回の巻径変化が検出された時からの経過時間が入力された検出間隔より大きい場合、または、前回までに一度も巻径変化を検出していないとき、初めて巻径変化検出間隔比較ステップ20に進んでからの経過時間が巻径変化検出間隔入力ステップ17で入力された検出間隔より大きい場合であって、この“条件a”を満たすとき( = 条件a )は、巻径変化検出間隔比較ステップ20に次いで巻径比較ステップ26を実行する。巻径変化検出間隔比較ステップ20において“条件a”を満たさない( ≠ 条件a )ときは、次いで高速目標速度設定ステップ25を実行する。
【0050】
高速目標速度設定ステップ25では、モータ1の回転速度が磁気記録テープを高速(第1の速度)である高速目標速度になるように目標を設定する。
巻径比較ステップ26では、巻径検出ステップ16で検出された巻径と巻径比較基準値:Tとを比較し、巻径が巻径比較基準値:Tより大きい場合は、巻径変化検出ステップ27を実行し、大きくない場合は低速目標速度設定ステップ32を実行する。
【0051】
巻径変化検出ステップ27では、前回の巻径変化検出時に計算に用いた変化前と変化後の巻径のうち、変化後の巻径と、巻径検出ステップ16で検出された最新の巻径との差を計算して巻径変化として出力する。
【0052】
なお、ここで、前回までに一度も巻径変化を検出していない場合は、初めて巻径変化検出間隔比較ステップ20に進んだ時の巻径と今回検出された巻径との差を計算して、巻径変化として出力する。
【0053】
巻径変化検出ステップ27に次いでは巻径変化比較基準入力ステップ28が実行される。ここでは、予め設定されている巻径変化比較基準を入力する。次いで、巻径変化最大値入力ステップ29では、後述の巻径変化最大値記憶ステップ24で記憶された巻径変化最大値を入力する。ここで、巻径変化最大値が記憶されていない場合は“0”を入力する。
【0054】
巻径変化最大値入力ステップ29に次いで実行される巻径変化比較ステップ31では、巻径変化検出ステップ27で検出した巻径変化の値が正常な値か、異常な値かを判別する。ここで、その判別の方法としては、下記の“条件b”を満足するかどうかが判定する。
【0055】
“条件b”とは、例えば、以下を挙げることができる。
巻径変化最大値ステップ29で入力された巻径変化最大値を巻径変化検出ステップ27で検出した巻径変化の値で割った値が、巻径変化比較基準入力ステップ28で予め設定されている巻径変化比較基準より大きいか、または、“0”より小さい場合であって、この“条件b”を満たす( = 条件b )ときは、低速目標速度設定ステップ32を実行する。巻径変化最大値ステップ29において“条件b”を満たさない( ≠ 条件b )と検出された場合には、巻径変化最大値比較ステップ23を実行する。
【0056】
巻径変化最大値比較ステップ23では、下記の“条件c”を満足するかどうかが判定する。
“条件c”とは、今回検出された巻径変化と前回までの巻径変化最大値とを比較する。このとき、今回検出された巻径変化が巻径変化最大値より大きい場合、あるいは、巻径変化最大値が記憶されていない場合であって、“条件c”を満たさない( ≠ 条件c)と巻径変化最大値比較ステップ23で検出された場合には、巻径変化最大値記憶ステップ24を飛び越して高速目標速度設定ステップ25を実行する。巻径変化最大値比較ステップ23で“条件c”を満たす( = 条件c )と検出された場合には、巻径変化最大値記憶ステップ24を実行してから高速目標速度設定ステップ25を実行する。
【0057】
なお、巻径変化最大値記憶ステップ24では、今回検出された巻径変化を最大値として記憶する。
前記の巻径変化比較ステップ31において、“条件b”を満足する( = 条件b )と検出された場合には、低速目標速度設定ステップ32が次いで実行される。
【0058】
低速目標速度設定ステップ32では、モータ1の回転速度を高速(第1の速度)から時間の経過と共に減速させ最終的に磁気記録テープの終端で停止するための第2の速度である低速目標速度になるように目標を設定し、回転速度入力ステップ33を次いで実行する。
【0059】
回転速度入力ステップ33では、回転検出手段4で検出したモータ1の回転速度を入力し、速度制御ステップ34では、回転検出ステップ33で検出された回転速度と高速目標速度設定ステップ25あるいは低速目標速度設定ステップ32で設定された目標速度からモータ1を目標速度で回転させるための回転指令信号を出力する。速度制御ステップ34で出力された回転指令信号に基づき駆動手段11によりモータ1を回転駆動する。
【0060】
高速目標速度設定ステップ25を実行して高速目標速度でモータ1の回転が制御されている場合には、再び巻径検出ステップ16に戻り、低速目標速度設定ステップ32を実行して低速目標速度でモータ1の回転が制御されている場合には、その速度設定でテープの巻戻しを完了する。
【0061】
なお、ここでは巻戻しの場合を例に挙げて説明したが、早送りの場合も同様である。
この(実施の形態1)の構成によると、図11で示したような従来の巻径異常検出手段では検出できない巻径の誤検出を検出してモータ1の回転速度を制御できる。
【0062】
その具体的な動作を図3に基づいて詳しく説明する。
図3は、供給側リール3の巻径について、実際の値と巻径検出手段5で検出された値の一例を時間の経過と共に示したグラフで、縦軸に供給側リール3の巻径、横軸に経過時間を示し、実際の巻径の変化を破線Rで示す。また、巻径変化検出手段12を実現している巻径変化検出ステップ27で巻径変化を検出した時に、巻径検出手段5を実現している巻径検出ステップ16で検出された巻径をP1,P2,P3,P4,・・・で示している。
【0063】
また、巻径変化検出手段12で検出された巻径変化を検出された順番に下記のようにD1からD4で示している。
D1 = P1−P2
D2 = P2−P3
D3 = P3−P4
D4 = P4−P5
の関係にある。DTは巻径変化検出間隔を示し、巻径変化検出間隔入力ステップ17で入力される巻径変化検出間隔(規定値)に基づくものであり、巻径P1〜P5における検出ポイント間のDTは等間隔とした。
【0064】
ここで、磁気記録テープの走行中に負荷変動などが発生したその前後の要部Kの拡大を、その右側に示した。巻径P5に示すように誤検出された場合について詳しく説明する。
【0065】
まず、図3の巻径P1に至る前は、磁気記録テープを停止状態から高速走行させ、所定時間間隔で巻径検出を行い、モータ1の速度制御を行う。その具体的な流れは図2に示した通りである。
【0066】
所定時間経過後、図3に示すように巻径検出ステップ16で巻径P1が検出され、前回までに検出された巻径変化の統計値としての最大値:Mが巻径変化最大値記憶ステップ24で記憶される。
【0067】
巻径検出ステップ16で巻径P1が検出されてから時間DTの経過後に、巻径検出ステップ16で巻径P2が検出され、巻径変化検出間隔入力ステップ17で巻径変化検出間隔DTが入力され、巻径比較基準値入力ステップ18でTが入力され、巻径変化検出間隔比較ステップ20で前回巻径が検出されてから時間DTが経過したと判断され、巻径T比較ステップ26を実行する。
【0068】
巻径T比較ステップ26では、P2>Tと判断され、巻径変化検出ステップ27を実行する。巻径変化検出ステップ27では、巻径変化D1をD1=P2−P1に基づき検出し、巻径変化比較基準入力ステップ28で巻径変化比較基準:Eが入力され、巻径変化最大値入力ステップ29で巻径変化最大値Mが入力され、巻径変化比較ステップ31に入力される。
【0069】
巻径変化比較ステップ31では、M/D1<Eと判断され、巻径変化最大値比較ステップ23を実行する。巻径変化最大値比較ステップ23では、M>D1と判断され、高速目標速度設定ステップ25を実行する。
【0070】
高速目標速度設定ステップ25では、モータ1の回転速度が高速目標速度になるように目標を設定され、モータ1の回転が制御され、再度巻径検出ステップ16に戻る。
【0071】
その後、上記同様のステップで巻径P3,P4を検出し、巻径変化検出ステップ27で巻径変化D2,D3を検出する。ステップ23で最大値:Mと比較して,最大値:MよりもD2,D3の方が大きければステップ24で最大値:Mを更新して高速目標速度設定ステップ25に進み、最大値:Mの方が大きければ最大値:Mはそのままで高速目標速度設定ステップ25を実行する。そして巻径検出ステップ16に戻る。
【0072】
次に、外乱などでテープテンションが急に上がると、巻取側リール2に巻かれたテープ間空気層が抜けるため、回転速度が一時的に上がる場合がある。巻径検出手段5では、巻取側リール2の回転速度に基づき磁気記録テープの速度:Vを算出しているため、回転速度が上がると磁気記録テープの速度:Vの値も上がる。速度:Vの値が上がると、前述の(3)式から算出される巻径:Lの値も、実際の供給側リール3の巻径に比べて大きな値が算出される。
【0073】
しかし、実際には巻取側リール2は、テープテンションが急に上がった際にリールに巻かれたテープの空気層が抜けるため、回転速度は一時的に上昇するもののテープ速度は変わっておらず、よって供給側リール3の巻径も図3の破線に沿って変化している。図3を用いて説明すると、巻径P4の次の巻径検出は、実際の検出は巻径P5aの付近であるにもかかわらず、巻径検出手段5では巻径P5の位置にあると検出される。つまり、実際の巻径変化よりも小さな巻径変化である、と誤検出している。
【0074】
このように巻径検出手段5で巻径の誤検出が発生し、巻径検出ステップ16で、巻径P5が検出されたとする。この時、巻径変化最大値としてMが記憶されているとして、巻径変化検出ステップ27で巻径変化D4が検出され、巻径変化比較ステップ31を実行する。
【0075】
巻径変化比較ステップ31ではM/D4と巻径変化比較基準:Eとが比較されるが、巻径変化D4が最大値:Mに比べて極端に低くなっているため、M/D4>Eと判断され、巻径の検出は誤検出であると認識され、低速目標速度設定ステップ32を実行する。
【0076】
低速目標速度設定ステップ32では、モータ1の回転速度が低速目標速度になるように目標を設定され、モータ1の回転は減速する。
次に、巻径比較基準:Tおよび巻径変化比較基準値:Eの設定根拠について説明する。
【0077】
まず、巻径比較基準:Tは、巻径Tの位置からモータを減速した時、磁気記録テープが終端に到達するまでにテープ速度が始終端突入速度(本実施の形態の低速目標速度)まで減速可能な巻径値に設定している。なお、この巻径値は、テープのばらつき(記録時間やテープ厚さなど)に影響されない値を実験によって求めてある。例えば、本実施の形態ではテープ終端位置までのテープ残量の長さが約10メートルの位置での供給側リール3の巻径を、巻径比較基準:Tとした。
【0078】
次に巻径変化比較基準:Eは、巻径誤検出の検出感度に影響されるので、検出感度に大きく影響されない値を実験によって求めた値となっている。例えば、巻径変化比較基準:Eの値を小さく設定すると、巻径誤検出の無い状態での巻径変化に対してわずかに巻径検出ズレが発生しただけで「誤検出」と判別するため、高速から低速に移行する頻度が高くなり、結果的に早送り/巻戻し時間が伸びてしまう。また、巻径変化比較基準:Eの値を大きく設定すると、実際に巻径誤検出しているにもかかわらず「誤検出」と判別されないため、テープ終端への高速突入が発生する。よって、リールセンサーの検出感度のばらつきやテープのばらつき等で発生する巻径検出の誤差は巻径誤検出として検出しないような値を実験によって求め、巻径変化比較基準:Eとして設定している。例えば、本実施の形態では、巻径誤検出の無い状態での巻径変化に対して、約30%の巻径検出ズレが発生したときに誤検出と判断するように設定した。
【0079】
このように(実施の形態1)によれば、巻径の変化の割合によって巻径の誤検出を判別する巻径変化異常判別手段15を設けることにより、巻径の誤検出を正確に判別することができ、巻径を誤検出して減速点を検出できずに、磁気記録テープの走行速度が高速のまま磁気記録テープの終端に突入する事態の発生を防ぐことができる。
【0080】
(実施の形態2)
図4〜図6は本発明の(実施の形態2)におけるテープ状媒体走行装置を示す。同図において従来と同一の構成要素には同一番号を付与し説明を省略する。
【0081】
(実施の形態1)における巻径変化異常判別手段15は、巻径変化最大値記憶手段13から出力される値と、巻径変化検出手段12から出力される値と、予め入力した巻径変化比較基準とをもとに、巻径検出手段5で検出した巻径の正誤を判別し、この巻径変化異常判別手段15の出力を異常検出手段101から目標速度設定手段9への出力信号とするように構成されており、巻径変化異常判別手段15に入力される巻径変化比較基準は一定であったが、この(実施の形態2)においては、巻径変化比較基準最適化手段14から巻径変化異常判別手段15に巻径変化比較基準が供給されており、この巻径変化比較基準最適化手段14は、巻径変化検出手段12で検出した巻径変化最大値に応じて、予め内部に設定された巻径変化比較基準を変化させる巻径変化比較基準最適化手段14を備えた点だけが(実施の形態1)とは異なっている。
【0082】
詳しくは、巻径変化比較基準最適化手段14は、予め内部に設定された巻径変化比較基準を、巻径変化検出手段12で検出した巻径変化最大値を記憶している巻径変化最大値記憶手段13の出力に応じて変化させて巻径変化異常判別手段15に入力するように構成されている。
【0083】
マイクロコンピュータ100のソフトウェア処理の部分を図5に示す。この図5に基づいて異常検出手段101の構成を詳しく説明する。
なお、巻径検出手段5は図5の巻径検出ステップ16で実現される。巻径比較手段8は図5の巻径T比較ステップ26で実現される。巻径変化検出手段12は図5の巻径変化検出ステップ27で実現される。巻径変化比較基準最適化手段14は図5の巻径変化比較基準最適化ステップ30で実現される。巻径変化異常判別手段15は図5の巻径変化比較ステップ31で実現される。巻径変化最大値記憶手段13は図5の巻径変化最大値比較ステップ23と巻径変化最大値記憶ステップ24で実現される。目標速度設定手段9は、図5の高速目標速度設定ステップ25と高速目標速度算出手段6および低速目標速度算出手段7とで実現される。速度制御手段10は図5の速度制御ステップ34で実現されている。
【0084】
図5において、16は供給側リール3に巻かれている磁気記録テープの巻径を検出する巻径検出ステップ、17は巻径変化を検出する時間間隔の入力を行う巻径変化検出間隔入力ステップ、18は巻径比較基準値:Tの入力を行う巻径比較基準値入力ステップ、20は前回巻径変化を検出してからの経過時間が巻径変化検出間隔入力ステップ17で入力した時間間隔より大か否かを判別する巻径変化検出間隔比較ステップ、23は今回検出した巻径変化が前回までに検出した巻径変化の最大値より大か否かを判別する巻径変化最大値比較ステップ、24は今回検出した巻径変化を巻径変化最大値として記憶する巻径変化最大値記憶ステップ、25はモータ1の回転速度が第1の速度である高速目標速度になるように目標速度を設定する高速目標速度設定ステップ、26は巻径検出ステップ16で得た巻径が巻径比較基準値入力ステップ18で入力した巻径比較基準値:Tより大か否かを判別する巻径比較ステップ、27は巻径変化を検出する巻径T変化検出ステップ、28は巻径変化基準の入力を行う巻径変化比較基準入力ステップ、29は前回までに検出された巻径変化の中の最大値を入力する巻径変化最大値入力ステップ、30は巻径変化比較基準入力ステップ28で入力された巻径変化比較基準を巻径変化最大値入力ステップ29で入力された巻径変化最大値に応じて変化させる巻径変化比較基準最適化ステップ、31は巻径変化検出ステップ27で検出された巻径変化が正常な値であるか、異常な値であるかを判別する巻径変化比較ステップ、32はモータ1の回転速度が第2の速度である低速目標速度になるように目標速度を設定する低速目標速度設定ステップ、33は回転検出手段4で検出した回転速度を入力する回転速度入力ステップ、34は回転速度と目標速度からモータ1を目標速度で回転するための回転指令を出力する速度制御ステップである。
【0085】
このように構成されたテープ状媒体走行装置について、図4、図5を用いてその動作を説明すると、図2に示した(実施の形態1)のフローチャートでは、巻径変化最大値入力ステップ29に次いで巻径変化比較ステップ31が実行されていたが、図5に示した(実施の形態2)のフローチャートでは、巻径変化比較基準最適化ステップ30が、巻径変化最大値入力ステップ29と巻径変化比較ステップ31との間に介装されている点が異なっている。
【0086】
巻径変化最大値入力ステップ29に次いで実行される巻径変化比較基準最適化ステップ30では、巻径変化比較基準入力ステップ28で入力された巻径変化比較基準を巻径変化最大値入力ステップ29で入力された巻径変化最大値に応じて変化させる。例えば、予め入力した巻径変化比較基準をE、巻径変化最大値をM、巻径変化最大値:Mの基準となる値をM0、最適化された巻径変化比較基準をNとすると、
N = E × M / M0 (4)
の計算を行い、最適化された巻径変化比較基準を求める。このように、巻径変化基準値を巻径変化最大値の値に応じて変化させるのは、巻径変化最大値が大きい場合に、巻径変化比較基準が小さ過ぎると、巻径を誤検出しても減速点の検出には影響せず、異常検出する必要のない巻径変化まで、異常と判断してしまうことを防ぐためである。つまり、巻径変化最大値が大きいほど、巻径変化比較基準を大きくして、巻径変化異常判別の感度を緩める方が、不必要な異常検出を防ぐことができるためである。
【0087】
次に、巻径変化比較ステップ31では、巻径変化検出ステップ27で検出した巻径変化の値が正常な値か、異常な値かを判別する。ここで、その判別の方法としては、下記の“条件b”を満足するかどうかが判定する。
【0088】
“条件b”とは、例えば、以下を挙げることができる。
巻径変化最大値ステップ29で入力された巻径変化最大値を巻径変化検出ステップ27で検出した巻径変化の値で割った値が、巻径変化比較基準最適化ステップ30で算出した巻径変化比較基準より大きいか、または、“0”より小さい場合であって、この“条件b”を満たす( = 条件b )ときは、低速目標速度設定ステップ32を実行する。巻径変化最大値ステップ29において“条件b”を満たさない( ≠ 条件b )と検出された場合には、巻径変化最大値比較ステップ23を実行する。
【0089】
この巻径変化比較基準最適化ステップ30と巻径変化比較ステップ31の他の部分は(実施の形態1)と同様である。
なお、ここでは巻戻しの場合を例に挙げて説明したが、早送りの場合も同様である。
【0090】
この(実施の形態2)の構成によると、巻径変化最大値に応じて巻径変化比較基準を最適に設定できる巻径変化比較基準最適化手段14を設けることにより、磁気記録テープの巻かれている量や磁気記録テープの厚みが変化した場合でも、それぞれに適した巻径変化比較基準によって巻径の誤検出を判別できる。
【0091】
なお、上記の「巻かれている量」や「磁気記録テープの厚み」とは次のことを言う。
まず、磁気記録テープの「量」とは長さのことで、「厚み」とはテープ厚である。磁気記録テープはテープカセットの種類(120分テープや180分テープなど)毎に、異なる長さや厚さを有しており、記録時間が短い磁気記録テープ(例えば120分テープ)の場合は、テープ長さは短くテープ厚は厚く、記録時間が長い磁気記録テープ(例えば180分テープ)の場合は、テープ長さは長くテープ厚は薄くなる。
【0092】
このようにテープカセットの種類が異なると、早送り/巻戻し時の巻径変化も図6に示すように異なる。図6は、テープの種類の一例として120分テープの実際の巻径変化特性W120と180分テープの実際の巻径変化特性W180を示しており、120分テープは180分テープに対してテープ長さが短いので、テープ始端からテープ終端までの巻取り時間が短くなり、巻径変化の特性も傾斜が急になる。
【0093】
まず、120分テープの巻取りについて説明する。テープ始端から巻取りを開始し、一定時間おきに巻径検出手段5によって巻径検出P1,P2,P3,P4,P5,・・・を行い(図中●印)、上記の処理に基づき異常判別を行った場合、誤検出巻径P5の前後の要部Gの拡大図に見られるように、D1の値は、M/D1>Eが成り立ち、巻径P5では「異常」と判別され、テープ速度を低速に移行する。実際の巻径との関係は要部Gに示すように、巻径P5における実際の巻径P5a(図中○印)と算出された巻径との差:Xは大きく、実際に巻径検出の異常が発生しているので、異常判別の結果は正しいということになる。
【0094】
一方、180分テープの巻取りの場合には、一定時間おきに巻径検出手段5によって巻径検出p1,p2,p3,p4,p5,・・・を行い(図中●印)、前述の120分テープの巻径検出および異常検出方法および巻径変化比較基準値:Eを用いて異常判別を行うと、M/D2>Eの関係が成り立ち、誤検出巻径p5の前後の要部Hの拡大図に見られるように、120分テープと同様に巻径p5で「異常」と判別する。しかし、要部Hに示すように、巻径p5における実際の巻径p5a(図中○印)と検出された巻径との差:Yは小さく、検出された巻径は実際の巻径に近似し、実際には「異常」ではないにも関わらず「異常」と判別され、テープ速度は低速へ移行してしまう。したがって、低速で走行させる期間が多くなり、テープ巻取りに要する時間が増加してしまう。
【0095】
この(実施の形態2)では、上記のように「長さ」や「厚さ」が異なる磁気記録テープに応じて巻径変化比較基準値:Eを変化させ、どのような種類のテープカセットがカセットビデオテープレコーダに挿入されても、短時間で早送り/巻戻しを行えるようにしたものである。
【0096】
具体的には、前記の(4)式に基づき、巻径変化最大値Mに応じて巻径変化比較基準値:Eを最適化したNを算出し、巻径変化比較基準値(最適化)Nに基づき巻径変化比較を行っている。巻径変化最大値:Mは、図6からもわかるようにテープの種類により異なる値(記録可能時間が長くなるほど小さくなる)となり、巻径変化最大値:Mを基準値:M0との除算で算出される割合を、巻径変化比較基準値:Eに乗算することで、巻径変化最大値つまりテープカセットの種類に応じて最適化された巻径変化比較基準値Nを算出することができる。このように算出された巻径変化比較基準値Nに基づき異常判別を行うことで、テープカセットの種類に応じて異常判別精度を向上させ、「長さ」や「厚さ」が異なるテープカセットであっても早送り/巻戻しを短時間で完了させることができる。
【0097】
(実施の形態3)
図7〜図9は本発明の(実施の形態3)を示す。
図7は本発明の(実施の形態3)におけるテープ状媒体走行装置を示し、従来と同一の構成要素には同一番号を付けて説明を省略する。
【0098】
(実施の形態1)における巻径比較手段8には単一の巻径比較基準値が設定されていたのに対して、この(実施の形態3)では3つの巻径比較基準値を設定して、この3つの基準値のうちの適当な一つと前記巻径検出手段5の出力との比較を行う。また、(実施の形態1)における異常検出手段101の巻径変化検出手段12には巻径比較手段8から信号が入力されていなかったが、この(実施の形態3)では巻径比較手段8から異常検出手段101に信号が入力するように構成した点だけが(実施の形態1)とは異なっている。
【0099】
マイクロコンピュータ100のソフトウェア処理の部分を図8に示す。この図8に基づいて異常検出手段101の構成を詳しく説明する。
図8と図2とのフローチャート違いは、下記の3点である。
【0100】
(1) 図8の巻径比較基準値入力ステップ18では巻径比較基準値:F,S,Tの3つの基準値入力を行う点
(2) 巻径比較基準値入力ステップ18と巻径変化検出間隔比較ステップ20の間に、巻径F比較ステップ19が介装されている点
(3) 巻径変化検出間隔比較ステップ20と巻径T比較ステップ26の間に巻径S比較ステップ21が介装されている点である。
【0101】
巻径F比較ステップ19では、巻径検出ステップ16で得た巻径が巻径比較基準値入力ステップ18で入力した巻径比較基準値:Fより大か否かを判別する。巻径が巻径比較基準値:Fより大きい( 巻径 > 巻径比較基準値:F )と検出された場合には高速目標速度設定ステップ25を実行する。巻径F比較ステップ19において、巻径が巻径比較基準値:Fより大きくはない( 巻径 ≦ 巻径比較基準値:F )と検出された場合には巻径変化検出間隔比較ステップ20を実行する。
【0102】
巻径変化検出間隔比較ステップ20では、前回巻径変化を検出してからの経過時間が巻径変化検出間隔入力ステップ17で入力した時間間隔より大か否かを判別する。この巻径変化検出間隔比較ステップ20において、前記“条件a”を満たさない( ≠ 条件a )と検出された場合には、高速目標速度設定ステップ25を実行する。巻径変化検出間隔比較ステップ20において、前記“条件a”を満たす( = 条件a )と検出された場合には、巻径S比較ステップ21を実行する。
【0103】
巻径S比較ステップ21では、巻径検出ステップ16で得た巻径が巻径比較基準値入力ステップ18で入力した巻径比較基準値:Sより大きいか否かを判別する。巻径S比較ステップ21において、巻径が巻径比較基準値:Sより大きい(巻径 > 巻径比較基準値:S )と検出された場合には、巻径変化を検出する巻径変化検出ステップ22を実行して巻径変化最大値比較ステップ23を実行する。巻径S比較ステップ21において、巻径が巻径比較基準値:Sより大きくない( 巻径 ≦ 巻径比較基準値:S )と検出された場合には、巻径T比較ステップ26を実行する。その他は図2と同じである。
【0104】
このように構成されたテープ状媒体走行装置について、図7,図8を用いてその動作を説明する。
まず、テープ状媒体走行装置に磁気記録テープを巻き取るように指令が入力されると、速度制御手段10は駆動手段11を介してモータ1を起動する。モータ1の回転により、回転を伝達された巻取側リール2は磁気記録テープを供給側リール3から巻き取る。
【0105】
磁気記録テープの走行中、巻径検出ステップ16において、巻取側リール2および供給側リール3の1回転する時間から供給側リール3に巻かれている磁気記録テープの巻径を検出する。
【0106】
巻径変化検出間隔入力ステップ17では、予め設定されている巻径変化の検出の時間間隔を入力し、巻径比較基準値入力ステップ18では、予め設定されている巻径比較基準値:F,S,Tを入力する。なお、F > S > T の関係にある。
【0107】
巻径比較ステップ19では、巻径検出ステップ16で検出された巻径と巻径比較基準値:Fを比較し、巻径が巻径比較基準値:Fよりも大きい場合は、高速目標速度設定ステップ25を実行する。高速目標速度設定ステップ25では、モータ1の回転速度が磁気記録テープを高速で巻き取るための第1の速度である高速目標速度になるように目標を設定する。一方、巻径が巻径比較基準値:Fよりも大きくない場合は、巻径変化検出間隔比較ステップ20に進み、巻径変化検出ステップ22あるいは巻径変化検出ステップ27で、前回の巻径変化が検出された時からの経過時間と巻径変化検出間隔入力ステップ17で入力された検出間隔とを比較する。すなわち、前回の巻径変化が検出された時からの経過時間が入力された検出間隔より大きい場合、または、前回までに一度も巻径変化を検出していないとき、初めて巻径変化検出間隔比較ステップ20に進んでからの経過時間が巻径変化検出間隔入力ステップ17で入力された検出間隔より大きい場合、以上の場合を“条件a”と定義し、“条件a”を満たすとき( = 条件a )は、巻径比較ステップ21に進み、“条件a”を満たさないとき( ≠ 条件a )は、高速目標速度設定ステップ25を実行する。
【0108】
次に、巻径S比較ステップ21では、巻径検出ステップ16で検出された巻径と巻径比較基準値:Sとを比較し、巻径が巻径比較基準値:Sより大きい場合は、巻径変化検出ステップ22に進み、大きくない場合は、巻径比較ステップ26を実行する。
【0109】
巻径変化検出ステップ22では、前回、巻径変化検出時に計算に用いた変化前と変化後の巻径のうち、変化後の巻径と、今回巻径検出ステップ16で検出された巻径との差を計算して、巻径変化として出力する。このとき、前回までに一度も巻径変化を検出していない場合は、初めて巻径変化検出間隔比較ステップ20に進んだ時の巻径と今回検出された巻径との差を計算して、巻径変化として出力する。次に、巻径変化最大値比較ステップ23では、今回検出された巻径変化と前回までの巻径変化最大値とを比較する。このとき、今回検出された巻径変化が巻径変化最大値より大きい場合、あるいは、巻径変化最大値が記憶されていない場合、以上の場合を“条件c”と定義し、“条件c”を満たすとき( = 条件c)は、巻径変化最大値記憶ステップ24で今回検出された巻径変化を最大値として記憶した後、高速目標速度設定ステップ25に進み、“条件c”を満たさないとき( ≠ 条件c )は、直接に高速目標速度設定ステップ25を実行する。
【0110】
巻径比較ステップ26では、巻径検出ステップ16で検出された巻径と巻径比較基準値:Tとを比較し、巻径が巻径比較基準値:Tより大きい場合は、巻径変化検出ステップ27に進み、大きくない場合は、低速目標速度設定ステップ32を実行する。低速目標速度設定ステップ32では、モータ1の回転速度を第1の速度から時間と共に減速させ最終的に磁気記録テープの終端で停止するための第2の速度である低速目標速度になるように目標を設定する。巻径変化検出ステップ27では、前回、巻径変化検出時に計算に用いた変化前と変化後の巻径の変化後の方の巻径と、今回巻径検出ステップ16で検出された巻径との差を算出して出力する。
【0111】
巻径変化比較基準入力ステップ28では、予め設定されている巻径変化比較基準を入力し、巻径変化最大値入力ステップ29では、巻径変化最大値記憶ステップ24で記憶された巻径変化最大値を入力する。このとき、巻径変化最大値が記憶されていない場合は、“0”を入力する。
【0112】
巻径変化比較ステップ31では、巻径変化検出ステップ27で検出した巻径変化の値が正常な値か、異常な値かを判別する。ここで、その判別の方法としては、例えば、以下を挙げることができる。巻径変化最大値ステップ29で入力された巻径変化最大値を巻径変化検出ステップ27で検出した巻径変化の値で割った値が、巻径変化比較基準入力ステップ28で予め設定されている巻径変化比較基準より大きいか、または、“0”より小さい場合、以上の場合を“条件b”と定義し、“条件b”を満たすとき( = 条件b)は、低速目標速度設定ステップ32へ進み、“条件b”を満たさないとき( ≠ 条件b)には、巻径変化最大値比較ステップ23を実行する。
【0113】
次に、回転速度入力ステップ33では、回転検出手段4で検出したモータ1の回転速度を入力する。速度制御ステップ34では、回転検出ステップ33で検出された回転速度と高速目標速度設定ステップ25あるいは低速目標速度設定ステップ32で設定された目標速度からモータ1を目標速度で回転させるための回転指令信号を出力する。速度制御ステップ34で出力された回転指令信号に基づき駆動手段11によりモータ1が回転する。
【0114】
最後に、高速目標速度でモータ1の回転が制御されている場合には再び巻径検出ステップ16に戻り、低速目標速度でモータ1の回転が制御されている場合にはその速度設定でテープの早送り/巻戻しを完了する。
【0115】
なお、巻径検出ステップ16は、巻径検出手段5で行い、巻径F比較ステップ19と巻径S比較ステップ21と巻径T比較ステップ26は巻径比較手段8で行い、巻径変化検出ステップ22と27は巻径変化検出手段12で行い、巻径変化比較ステップ31は巻径変化異常判別手段15で行い、巻径変化最大値比較ステップ23と巻径変化最大値記憶ステップ24は巻径変化最大値記憶手段13で行い、高速目標速度設定ステップ25は高速目標速度算出手段6と目標速度設定手段9で行い、低速目標速度設定ステップ32は低速目標速度算出手段7と目標速度設定手段9で行い、速度制御ステップ34は速度制御手段10で行う。
【0116】
このように(実施の形態3)によれば、検出された巻径と巻径比較基準値:F,S,Tとの比較結果により、現在のテープ位置を検出するとともに、巻径検出や異常検出の動作を制御するものであり、図9に示すように、検出された供給側リール3の巻径が第1の巻径比較基準値である巻径比較基準値:Fより大きいテープ始端付近(F<巻径)では、目標速度設定手段9はモータ1の目標速度を高速に設定し、磁気記録テープを高速走行させる。この時、巻径変化検出手段12は巻径比較手段8からの比較結果により動作せず、異常判別は行わない。
【0117】
巻径が第1の巻径比較基準値:Fより小さく第2の巻径比較基準値である巻径比較基準値:Sより大きい場合( S < 巻径 < F )は、テープを高速走行させるとともに、巻径比較手段8からの比較結果により巻径変化検出手段12は動作し、巻径を巻径変化最大値記録手段13に出力する。
【0118】
巻径が第2の巻径比較基準値:Sより小さく、第3の巻径比較基準値である巻径比較基準値:Tより大きい場合( T < 巻径 < S )は、巻径比較手段8からの比較結果に基づき異常検出手段101が異常検出動作を行う。具体的には、巻径変化検出手段12が巻径変化最大値記憶手段13と巻径変化異常判別手段15とに巻径変化を出力し、(実施の形態1)と同様に巻径変化に基づき異常検出動作を行う。
【0119】
巻径が第3の巻径比較基準値:Tより小さい場合( 巻径 < T )は、目標速度設定手段9はテープを低速へ移行する。この時、巻径比較手段8の比較結果により巻径変化検出手段12は動作を停止して異常判別を実施しない。
【0120】
つまり、供給側リール3の巻径によって、巻径変化の異常検出を行う巻径領域と行わない巻径領域を分けることができ、巻径がまだ十分に大きい場合に、巻径検出手段5で検出した巻径が誤検出であると判断をした場合、その後のテープ走行速度が遅くなるために発生する早送り/巻戻し時間の延長を防ぐことができる。
【0121】
また、巻径変化の検出と巻径変化最大値の記憶のみを行う巻径領域を設けることで、上記のように早送り/巻戻し時間の延長を防ぎながら、異常検出の精度を高めることができる。異常検出の精度を高めることができるのは、巻径変化最大値の検出に必要な巻径変化の検出の数が多くなり、巻径検出手段5で検出した巻径についての正誤判断の基礎となる巻径変化最大値のばらつきを小さく抑えることができるためである。
【0122】
なお、上記の各実施の形態では、巻戻しの場合を例に挙げて説明したが、早送りの場合も同様である。具体的には、早送りの場合にはテープカセットの供給リールから巻取リールにテープを早く巻き取るので、テープカセットの供給リールが供給側リール3となり、テープカセットの巻取リールが巻取側リール2となる。
【0123】
なお、以上の説明では巻径検出手段で検出した巻径の正誤判断を、前回までの巻径の最大値をもとに行ったが、前回までの巻径の平均値などの別の統計値をもとに行ってもよい。
【0124】
【発明の効果】
以上のように本発明は、巻径検出手段で検出した巻径と前回検出した巻径を比較するだけでは正誤判断できない巻径についても正誤判断をすることができ、減速点を検出できずに走行速度が高速のまま磁気記録テープの終端に突入してテープが損傷することを防止でき、かつ、早送り/巻戻し時間を短縮できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)におけるテープ状媒体走行装置の構成図
【図2】同実施の形態の要部の構成を示すフローチャート
【図3】同実施の形態の早送り/巻戻し時の巻径と経過時間の相関図
【図4】本発明の(実施の形態2)におけるテープ状媒体走行装置の構成図
【図5】同実施の形態の要部の構成を示すフローチャート
【図6】同実施の形態の早送り/巻戻し時の巻径と経過時間の相関図
【図7】本発明の(実施の形態3)におけるテープ状媒体走行装置の構成図
【図8】同実施の形態の要部の構成を示すフローチャート
【図9】同実施の形態の早送り/巻戻し時の巻径とテープ速度の相関図
【図10】従来のテープ状媒体走行装置の構成を示すブロック図
【図11】従来のテープ状媒体走行装置の早送り/巻戻し時の巻径と経過時間の相関図
【符号の説明】
1 モータ
2 巻取側リール
3 供給側リール
4 回転検出手段
5 巻径検出手段
6 高速目標速度算出手段
7 低速目標速度算出手段
8 巻径比較手段
9 目標速度設定手段
10 速度制御手段
11 駆動手段
12 巻径変化検出手段
13 巻径変化最大値記憶手段
14 巻径変化比較基準最適化手段
15 巻径変化異常判別手段
16 巻径検出ステップ
17 巻径変化検出間隔入力ステップ
18 巻径比較基準入力ステップ
19 巻径F比較ステップ
20 巻径変化検出間隔比較ステップ
21 巻径S比較ステップ
22,27 巻径変化検出ステップ
23 巻径変化最大値比較ステップ
24 巻径変化最大値記憶ステップ
25 高速目標速度設定ステップ
26 巻径T比較ステップ
28 巻径変化比較基準入力ステップ
29 巻径変化最大値入力ステップ
30 巻径変化比較基準最適化ステップ
31 巻径変化比較ステップ
32 低速目標速度設定ステップ
33 回転速度入力ステップ
34 速度制御ステップ
100 マイクロコンピュータ
101 異常検出手段

Claims (3)

  1. 一方のリールに巻かれた磁気記録テープを他方のリールに高速の第1の速度で巻き取る場合に、リールに巻かれた磁気記録テープの巻径に応じて磁気記録テープ終端の手前位置で巻取り速度を第2の速度に減速するテープ状媒体走行装置であって、
    モータと、
    前記モータの回転速度に比例した周波数の信号を検出する回転検出手段と、
    前記磁気記録テープの一端が巻かれ前記モータの回転に同期して回転する巻取側リールと、
    前記磁気記録テープの他端が巻かれた供給側リールと、
    前記供給側リールに巻かれている磁気記録テープの巻径を検出する巻径検出手段と、
    前記モータの回転速度を前記第1の速度に設定する目標速度を出力する高速目標速度算出手段と、
    前記モータの回転速度を前記第2の速度に設定する目標速度を出力する低速目標速度算出手段と、
    前記巻径検出手段の出力と予め内部に設定された巻径比較基準値との比較を行う巻径比較手段と、
    前記巻径検出手段の出力に基づき異常状態を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段の出力が異常状態を示す場合又は前記巻径検出手段の出力が巻径比較基準値よりも小さいと検出した場合は前記低速目標速度算出手段の出力を目標速度として出力し、それ以外の場合は前記高速目標速度算出手段の出力を目標速度として出力する目標速度設定手段と、
    前記回転検出手段の出力と前記目標速度設定手段の出力とに基づいて回転指令信号を出力する速度制御手段と、
    回転指令信号に基づいて前記モータを回転させる駆動手段とを備え、
    前記異常検出手段には、
    前記巻径検出手段で検出した巻径をもとに巻径変化を検出する巻径変化検出手段と、
    前記巻径変化検出手段で検出した巻径変化と巻径変化比較基準とをもとに前記巻径検出手段で検出した巻径について正誤判別を行い前記目標速度設定手段に異常状態の発生を通知する巻径変化異常判別手段と、
    前記巻径変化比較基準を前記巻径変化検出手段で検出した巻径変化最大値に応じて変化させる巻径変化比較基準最適化手段と、
    を設け
    予め内部に設定された複数の巻径比較基準値と前記巻径検出手段で検出した巻径に応じて現在のテープ位置を判別して前記異常検出手段ならびに前記目標速度設定手段を制御して、
    異常検出手段を経由せずにモータの目標速度を前記第1の速度に設定する区間と、
    巻径変化の検出と巻径変化の最大値の記憶だけ行った後にモータの目標速度を前記第1の速度に設定する区間と、
    異常検出手段を経由して前記モータの目標速度を前記第1の速度あるいは前記第2の速度に設定する区間と、
    異常検出手段を経由せずに前記モータの目標速度を前記第2の速度に設定する区間と、
    を、テープ位置に応じて切り替えて、巻径変化の異常検出を行う巻径領域と行わない巻径領域を設けるように構成したテープ状媒体走行装置。
  2. 前記低速目標速度算出手段の第2の速度を、第1の速度から時間と共に減速させ最終的に磁気記録テープの終端で停止する目標速度とした請求項1記載のテープ状媒体走行装置。
  3. 巻径変化比較基準を巻径変化最大値に応じて変化させるに代わって、前回までの巻径の平均値などの別の統計値に応じて巻径変化比較基準を変化させるよう構成した請求項1に記載のテープ状媒体走行装置。
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