JP4056336B2 - アクリル酸及びアクリル酸エステルプロセス廃棄物の処理方法 - Google Patents
アクリル酸及びアクリル酸エステルプロセス廃棄物の処理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル酸製造プロセスとアクリル酸エステル製造プロセス、更にはポリアクリル酸製造プロセスとからの廃棄物の処理方法に関し、より詳細には、アクリル酸製造プロセスから排出した廃油、廃水、廃ガスとアクリル酸エステル製造プロセスから得た廃油、廃水、廃ガス、更にはポリアクリル酸製造プロセスから得た廃水、廃ガスとを燃焼させることで配管の詰まりや炉内の付着物の発生を防止する、環境保全に優れる廃棄物の処理方法である。
【0002】
【従来の技術】
アクリル酸は凡用化学物質であり、プロピレン等の接触気相酸化反応によって大規模に製造されることが一般的である。接触気相酸化反応ではアクリル酸のほかに低沸点物質、高沸点物質等が副生するため、各種の工程によってこれらを分離除去しアクリル酸を精製している。従って、原料から高純度の目的物を得る工程で分離・除去された不純物が、廃ガス、廃水、廃油等として排出されるが、工業的規模では排出される廃ガスや廃液も大量となる。
【0003】
これら廃ガスや廃液等の廃棄物は、高度に浄化処理することが環境汚染防止の観点から要求され、製造コストを抑制する観点から廃棄物の処理コストの低減が要求されている。このような技術として、熱交換器を用いた廃ガスの処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、有機酸のほかにエステルやアルデヒド類を含む廃水のアルカリ処理、濃縮及び焼却による処理方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。廃水にアルカリ性物質を添加しpH12以上として反応させて不揮発性化合物と揮発性化合物を誘導し、該揮発性化合物の少なくとも一部を気化させて除去した後の廃水を更に濃縮した後に燃焼する。該発明は、酸性物質の中和後廃水は継続的に有機酸を放出するため凝縮水のCODが上昇し生物化学的処理が困難となる問題点に鑑みて、揮発性有機酸と不揮発性有機酸とを分離してCOD値を処理可能な範囲に調整する、廃水の処理方法である。
【0004】
また、(メタ)アクリル酸の製造時に副生するガス状の低沸点成分を燃焼させ、水に溶解している低沸点または中沸点の他の成分を該ガス状の低沸点成分の燃焼工程に供給する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。(メタ)アクリル酸の製造において形成される低沸点、中沸点および高沸点の第2成分を廃棄する物質方法であって、ガス状で低沸点第2成分を燃焼させ、一方で、水に溶解している低沸点および中沸点の第2成分を高沸点の第2成分と一緒に添加させる点に特徴がある。
【0005】
一方、製造されたアクリル酸は様々な化学製品の原料として用いられているが、アクリル酸製造プラントから得られたアクリル酸を、該プラントと同一ないし隣接する場所に設置したアクリル酸エステル製造プラント、吸水性樹脂などのポリアクリル酸製造プラントに供給し連続的な工程で製造している。この様にアクリル酸製造設備と同一ないし隣接する場所でアクリル酸エステル、ポリアクリル酸を製造する場合、該アクリル酸エステル製造、ポリアクリル酸プロセスにおいても廃ガス、廃水、廃油などの不純物が排出されており、これら不純物についても高度浄化処理を効率的に成し得る技術が求められている。
【0006】
このような技術として、アクリル酸エステル製造工程からのアルカリ塩含有廃水の浄化方法が記載されている(例えば、特許文献4参照。)。プロピレンまたはアクロレインの接触気相酸化反応により得られる気相混合物からアクリル酸を回収し、精製後にエステル化し、得られる混合物をアルカリ性洗浄に付してアクリル酸エステルを回収する方法において、上記気相混合物にこれより高い温度に加熱したアルカリ洗浄廃水を接触させて含まれる水分を該気相混合物に蒸発させ、または水分量の減少したアルカリ洗浄廃水を焼却処理する方法であり、気相混合物とアルカリ洗浄廃水とを別個に処理している。
【0007】
【特許文献1】
特公昭63−67090号公報
【特許文献2】
特公平7−112555号公報
【特許文献3】
特表2000−514419号公報
【特許文献4】
特開昭53−142057号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開昭53−142057号公報に記載された方法は、気相混合物とアルカリ洗浄廃水に限定するものであり、他の廃棄物を処理するには不十分である。
【0009】
一般に、アクリル酸製造工程で排出される廃油を燃焼すると、アクリル酸の粘度が高いため、そのまま燃焼処理すると該廃油が配管内で詰まり易い。また、廃油を焼却処理用の燃料として使用すると、燃料の過不足が発生したり燃焼エネルギーが余剰に発生するなどの問題がある。更に、炉内に付着物が発生し燃焼装置の劣化を促進し、廃ガスを単独で燃焼すると熱交換器が腐食しやすく、かつ燃焼も困難である。また、廃液と同様に、熱交換器に付着物が発生し該装置の寿命を短命とする場合がある。
【0010】
本発明は上記従来技術に存する問題に鑑みてなされたものであって、その目的はアクリル酸製造プロセスから排出される廃ガス、廃油、廃水と、製造されたアクリル酸を用いるアクリル酸エステル、ポリアクリル酸製造プロセスから排出される廃ガス、廃水、廃油とを合一にして効率的に高度浄化処理する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手投】
アクリル酸製造プロセスからの廃棄物とアクリル酸エステル製造プロセスからの廃棄物との特性や排出量などを検討したところ、アクリル酸製造プロセスからの廃棄物とアクリル酸エステル製造プロセスからの廃棄物とを同時に処理することで合計燃焼燃料が低減でき、廃棄物物性の調整によって処理装置を長寿にしかつ処理操作を簡便にでき、環境負荷を低減できることが判明した。
【0012】
すなわち本発明は、アクリル酸製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種とを合わせて浄化することを特徴とする、廃棄物の処理方法である。
【0013】
アクリル酸製造プロセスから排出される廃油は燃焼燃料として使用することができるが、アクリル酸製造プロセスのみでこれを使用すると廃水が少ないため燃料の無駄となる。また、該廃油は粘度が高いため、燃焼装置に直接投入すると配管内で詰まったり、焼却装置内に付着物を発生する場合がある。そこで、アクリル酸製造プロセスからの廃油にアクリル酸エステル製造プロセスからの廃水を添加して該廃油を希釈し、これをアクリル酸エステル製造プロセスからの廃油を燃料として使用し、アクリル酸エステル製造プロセスの廃水と合一に燃焼処理すれば燃焼燃料を有効に使用でき、廃油の粘度を低下させて燃焼処理を円滑に進行させ、かつ燃料希釈によって装置内の付着物の発生を防止することができる。特に、アクリル酸製造プロセスからの廃水はアクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃水よりもCODが高いため、燃焼処理することで環境保全につなげることができる。しかも、アクリル酸エステル製造プロセスからの廃水を混合して燃焼すると、該廃水には水酸化ナトリウムなどのアルカリ性物質が混入しているため、炉内の付着物の発生をより有効に抑制できる。また、アクリル酸エステル製造プロセスからの廃ガスとアクリル酸製造プロセスからの廃ガスとを同時に処理すると、廃ガス中のイオウ分濃度が低下し、熱回収熱交換器の腐食も防止することができる。また、更にアクリル酸製造プロセス、特に吸収性樹脂製造プロセスからの廃水および/または廃ガスを合わせて燃焼処理することが推奨される。
【0014】
このように本発明によれば、廃棄物の処理工程で発生するエネルギーや処理水などの発生物をアクリル酸製造プロセスで利用して廃棄物の処理と目的物の製造とが一体化でき、全製造工程における工程数の低減、製造コストの低減、処理用地の低減に寄与し、エネルギーや原料を有効利用することができ、および環境負荷を低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、アクリル酸製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種とを合わせて浄化することを特徴とする、廃棄物の処理方法である。
【0016】
本発明において、アクリル酸製造プロセスとしては特に制限はなく、原料、製造工程の種類を問わない。一般には、プロピレンやアクロレインを接触気相酸化反応し、これを溶剤で捕集してアクリル酸含有溶液を得て、該溶液に含まれる低沸点物質、高沸点物質などを分離精製してアクリル酸を製造する工程が例示できる。同様に、アクリル酸エステル製造プロセスとしても特に制限はなく、原料、製造工程の種類を問わない。一般には、アクリル酸と炭素数1〜12の直鎖または分岐を有する脂肪酸とのエステル化物であり、酸触媒または塩基性触媒を使用してエステル化物を製造し、その後、脱溶媒、低沸点物質、高沸点物質を分離して精製して製造する。
【0017】
また、「ポリアクリル酸(塩)」とは、アクリル酸および/またはその塩を主成分(好ましくはアクリル酸および/またはその塩が70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上)とする(共)重合体である。
【0018】
本発明において「廃ガス」とは、アクリル酸製造プロセス、アクリル酸エステル製造プロセスおよびポリアクリル酸(塩)製造プロセスの実施に際して、廃棄を目的に系外に取り出されるガス状物であり、可燃性化合物(例えば炭素数1〜6の炭化水素類、一酸化炭素及び有機酸、アルデヒド類、エステル類、アルコール類など)を含む気体である。アクリル酸やアクリル酸エステルの製造時に限らず、稼動に関連する装置の洗浄、駆動によって生じるものも対象となる。アクリル酸製造プロセスから排出される廃ガスとしては熱交換器などから排出されるガス、捕集塔から排出される残存ガスが挙げられる。また、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃ガスとしては、例えばエステル化反応器からの排出ガス、熱交換器から排出されるガスが挙げられる。また、ポリアクリル酸(塩)製造プロセスからの廃ガスとしては、例えば重合機からの排出ガス、ポリアクリル酸(塩)(好ましくは吸水性樹脂)の乾燥に用いられた乾燥用ガス、乾燥後の改質工程(例えば表面架橋)からの排出ガスなどが挙げられる。
【0019】
また「廃油」とは、アクリル酸製造プロセス、アクリル酸エステル製造プロセスの実施に際して廃棄を目的に系外に取り出される油状物であり、有機物を主成分とし、水は溶解度まで含有可能な液体をいい、例えば高沸点不純物を含む蒸留残渣液、軽沸点不純物を含む蒸留溜出液などが挙げられる。廃ガスと同様に、アクリル酸やアクリル酸エステルの製造時に限らず、稼動に関連する装置の洗浄、駆動によって生じるものも対象となる。
【0020】
「廃水」とは、アクリル酸製造プロセス、アクリル酸エステル製造プロセスおよびポリアクリル酸(塩)製造プロセスの実施に際して廃棄を目的に系外に取り出される水状物であり、水を主成分とし、有機物は溶解度まで含有可能な液体をいう。アクリル酸やアクリル酸エステル、ポリアクリル酸(塩)の製造時に限らず、稼動に関連する装置の洗浄、駆動によって生じるものも対象となる。例えば、アクリル酸製造原料反応時に生成する生成水、プロセスに供給される水から生じる廃水(吸収水、抽剤、中和、空気中水分など)、中和生成廃水、エジェクターなど装置を駆動させるために生じる廃水、廃ガスをNaOH水(尚、濃度は特に限定されないが、好ましくは0.01質量%〜飽和濃度、より好ましくは0.1〜40質量%の範囲内のNaOH濃度であることが望ましい。)などの溶媒で捕集して得られたものがある。本発明では各種処理工程から生じる廃油、廃水、廃ガスを対象とするため、廃油、廃水、廃ガスに含有されている物質の種類については特に限定されない。
【0021】
本発明において、「低沸点物質」とは、標準状態において製造目的物よりも沸点が低い物質をいい、「高沸点物質」とは、標準状態において製造目的物よりも沸点が高い物質をいう。なお、製造目的物とは、アクリル酸製造プロセスではアクリル酸を、アクリル酸エステル製造プロセスではアクリル酸エステルを、ポリアクリル酸(塩)製造プロセスにおいてはポリアクリル酸(塩)をいう。
【0022】
本発明において、「蒸留塔」とは、その名称を問わず、捕集塔、吸収塔、脱水塔、共沸脱水塔、低沸点物質分離塔、高沸点物質分離塔、酢酸分離塔、精製塔、薄膜蒸発器など、沸点の差によって含まれる成分を分離するために使用される装置を広く含む。
【0023】
「精製」には、蒸留、放散、晶析、抽出、吸収等が含まれる。ここに、「蒸留」とは、溶液をその沸点まで加熱し含まれる揮発性成分を分離する方法であり、「放散」とは、放散ガスを供給して溶液中に溶解する気体または蒸気を気相に移す方法をいうものであり、「晶析」とは目的物を結晶として分離するものを意味するものとする。
【0024】
まず、本発明の方法における廃ガス、廃油、廃水の発生を、プロピレンおよび/またはアクロレインの反応生成物からアクリル酸を製造するプロセス、及び該プロセスで製造されたアクリル酸を用いてアクリル酸エステル製造プロセスを例示する図1に基づいて説明する。但し、本発明は以下の製造プロセスに限定される趣旨ではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で製造プロセスに適宜変更を加えることができる。従って、アクリル酸製造プロセスから排出される廃ガス、廃油、廃水、及びアクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃ガス、廃水は以下の種類に限定される趣旨ではなく、例示以外の廃ガス、廃油、廃水等についても同様に本発明の方法で好適に処理できる。
【0025】
アクリル酸製造プロセスは、原料成分、不活性ガス、分子状酸素、水蒸気などを含む原料ガス1を接触気相酸化反応器10に供給して、原料を分子状酸素含有ガスで接触気相酸化反応する。具体的には、酸化触媒11を充填した多管式反応器等の反応器10に、原料ガスを供給する。原料成分としてプロピレンを酸化するとアクロレインが生成され、これを更に接触気相酸化反応してアクリル酸が得られる。なお、原料としてはプロピレンおよび/またはプロパン(以下、「プロピレン等」と略記することがある。)などの何れを使用してもよい。また、使用する原料ガス、酸化触媒、不活性ガス、分子状酸素含有ガス、反応温度などのアクリル酸の反応条件は、従来公知のアクリル酸の反応工程の何れの条件でもよい。
【0026】
なお、原料ガスの組成は、1種または2種以上のプロピレン、プロパン、またはアクロレインなどの原料成分を濃度1〜15容量%、分子状酸素を原料成分に対して1〜3倍、残りは水蒸気と二酸化炭素等の不活性ガスとする。接触気相酸化反応を行う反応器は特に制限されないが、反応効率に優れる点で多管式反応器を好ましく使用することができる。アクロレインを原料成分として使用する場合には一段反応で、プロピレンを原料成分とする場合には、いわゆる二段接触気相酸化反応によってアクリル酸を製造する。二段接触気相酸化反応に使用する前段触媒、後段触媒も特に制限はなく、例えばモリブデン−ビスマス系触媒やモリブデン−バナジウム系触媒をそれぞれ使用することができる。
【0027】
接触気相酸化反応で得られたアクリル酸含有ガスをアクリル酸捕集塔20に供給する。反応工程で得たガス中に含まれるアクリル酸を水性捕集溶剤で捕集する工程であり、反応ガスのガス成分組成、水性捕集溶剤の組成、捕集温度等の捕集条件は、従来公知のアクリル酸の捕集工程の何れの条件を適用することができる。また、該ガスは、冷却した後に捕集塔20に供給してもよい。ガス温度が低い方が捕集効率が向上するからである。
【0028】
該捕集塔20では、アクリル酸含有ガスを捕集塔20に導入し、一方、捕集塔20の上部からアクリル酸を吸収する捕集溶剤21を塔内に導入して前記ガスと向流接触させてアクリル酸を吸収させる。
【0029】
捕集溶剤21としては、例えば水などの低沸点溶剤(アクリル酸より低沸点)を用いることできる。アクリル酸を捕集した後の捕集塔20内の残存生成物は排出ガスとして捕集塔20塔頂から排出させる。尚、該排出ガスは未捕集の反応ガスであり、一部を反応器10に循環させ一部を廃ガス23として浄化処理してもよい。
【0030】
また、捕集溶剤21として例えば高沸点溶剤(アクリル酸より高沸点)を用いる場合、アクリル酸含有ガスを捕集塔20に供給すると共に、例えばジフェニルエーテルとビフェニルとの混合溶剤を高沸点溶剤として該捕集塔20に供給して気液接触させ、反応ガスの一部を高沸点溶剤中に捕集させてアクリル酸を捕集する。捕集塔20に残存する反応ガスは、水捕集の場合と同様に捕集塔20塔頂部から排出させる。尚、該ガスは反応器10に循環させてもよく、一部を廃ガスとして浄化処理してもよい。
【0031】
捕集溶剤21にアクリル酸などの重合性物質の重合を防止するために、N−オキシル化合物、フェノール化合物、酢酸マンガン等のマンガン塩、ジブチルチオカルバミン酸銅などのジアルキルジチオカルバミン酸銅塩、ニトロソ化合物およびアミン化合物、フェノチアジンからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含有してもよい。
【0032】
捕集塔20塔底液には、アクリル酸以外に、未反応状態で残存するプロピレン等の副生物、ホルムアルデヒド、アクロレイン、フルフラール、ベンズアルデヒド、蟻酸、酢酸、マレイン酸、アクリル酸オリゴマーなどの副生物、重合防止剤などの添加物が存在する。
【0033】
アクリル酸捕集溶剤が水などの低沸点物質である場合には、次いで該アクリル酸含有溶液を共沸脱水塔30に導き、共沸溶剤を供給して共沸蒸留する。共沸脱水塔30の運転条件は特に制限はなく、アクリル酸の製造プロセスにおいて採用され得る条件であればいずれも適用できる。
【0034】
この際、アクリル酸含有溶液を予め蒸留塔22に供給してアクロレインなどの低沸点物質を除去してから塔底液を共沸脱水塔30へ供給してもよい。蒸留塔22で除去された低沸点物質は、捕集塔20を経て捕集塔20からの排出ガスとして処理することができる。一方、蒸留塔22からの排出ガスを、捕集塔20からの排出ガスとは個別に処理してもよく、これが系外に出される廃ガスの場合には、本発明の方法で浄化処理することができる。なお、蒸留塔22からの排出ガスは、任意の他の工程に供給して使用してもよい。
【0035】
本発明では共沸溶剤を用いて共沸脱水蒸留を行なう例を説明するが、共沸蒸留に代えて任意の蒸留方法を採用してアクリル酸溶液から不純物を分離・除去してもよく、この際の蒸留方法、蒸留条件、蒸留操作回数、蒸留装置の組合せなどは目的に応じて適宜選択することができる。
【0036】
共沸溶剤としては公知の共沸溶剤を用いればよく、特にアクリル酸とは共沸しない性質を有する共沸溶剤を用いることが望ましい。また共沸溶剤が水に難溶性であれば、共沸溶剤を回収、再利用する際に留出水相との分離が容易になるので好ましい。この様な共沸溶剤としてはトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチルなどが例示される。また共沸溶剤は1種、或いは2種以上の混合物として用いてもよく、十分な分離効果が得られる量を用いることが共沸蒸留効率向上の観点から望ましい。
【0037】
該共沸脱水によって、アクリル酸よりも低沸点の副生物や水などの低沸点物質が、共沸溶剤と共に塔頂から蒸留留出液として排出される。一般には、共沸脱水塔には油水分離器が塔頂部に附属され、油相31に含まれる共沸溶媒は共沸脱水塔30に還流される。本発明では該油相31の一部を廃液として系外に出し浄化処理してもよい。また、水相は、捕集塔20の捕集溶媒21として使用することができるが、廃水として処理してもよい。連続使用によって油相または水相内の低沸点物質濃度が高くなり、精製効率が低下する場合があるからである。なお、水相32に溶解して残存する共沸溶剤成分を蒸留等により回収する処理工程を更に介在させ、残存物を廃水として処理してもよい。
【0038】
また、マレイン酸、アクリル酸ダイマーなどの高沸点物質、アクリル酸、重合防止剤は塔底から抜き出され、次工程に供給される。
【0039】
共沸脱水処理によってアクリル酸含有水溶液に含まれる水が除去されるが、該工程に次いで更に低沸点物質除去工程を行なってもよい。一般には、脱水処理の後に、高沸点物質分離工程、その他の精製工程を行なうが、アクリル酸の精製方法としては従来公知の精製法のいずれを組み合わせであってもよい。従って、共沸脱水後に低沸点物質例えば、酢酸を除去し、次に高沸点物質を除去してもよい。さらにこのような蒸留方法に限られず、晶析してアクリル酸を精製してもよい。
【0040】
なお、図1には示していないが、捕集溶剤として高沸点溶剤を使用した場合には、アクリル酸含有溶液を低沸点物質分離塔に供給し該溶液に含まれる蟻酸、酢酸、アクロレイン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、水等の低沸点物質を除去する。この低沸点物質分離塔の分離条件は、従来公知の方法のいずれでもよい。該低沸分離塔からの留出液は、依然としてかなりのアクリル酸を含有しているので捕集塔20に循環させてアクリル酸の回収率を向上させてもよい。いずれにしても、このような低沸点物質分離塔から系外に出されるガス、液は、廃ガス、廃油、廃水として本発明において浄化処理することができる。
【0041】
次いで、共沸脱水塔の塔底液を高沸点物質分離塔40に導入する。尚、該塔底液に含まれる不純物量を低減すべく、高沸点物質分離塔40に導入する前に更に他の蒸留工程を介在させてもよく、例えば該塔底液を、図示しない酢酸分離塔や高沸点不純物分離塔などの任意の工程に導入して不純物低減を図ってもよい。本発明では、これらの介在工程で系外に排出される排出油を廃油として処理することができる。また、例えば、アクリル酸溶液を共沸分離塔30に導入して1回の蒸留操作により実質的に、酢酸、水、共沸溶剤を含まないアクリル酸を分離精製する工程に供給してもよい。本発明では、通常のアクリル酸製造プロセスにおいて採用され得るアクリル酸の分離精製工程を、その目的や条件等に応じて任意に組合せてもよく、その際に系外に排出されるガス、水、油を廃ガス、廃水、廃油として浄化処理することができる。
【0042】
図中、高沸点物質分離塔40では、共沸脱水塔塔底液からアクリル酸の精製を目的とする蒸留操作が行なわれ、該蒸留によって高沸点物質を含まないアクリル酸が得られる。高沸点物質分離塔40に供給した液中に含まれるアクリル酸は蒸留操作によって蒸気となり、塔頂部に附属するコンデンサー41によって凝縮され、凝縮液はタンク42に保存され、またはタンク42を経てエステル化反応器50に導入される。
【0043】
一方、供給液に含まれていた高沸点不純物や重合防止剤は該蒸留によりアクリル酸から分離されて塔底に蓄積され、高沸点物質分離塔40の塔底液となる。該塔底液が系外に排出される場合には、廃油43として本発明の浄化処理を行なうことができる。
【0044】
なお、共沸脱水塔30、高沸点物質分離塔40においても、重合防止の目的で重合防止剤を添加することができ、添加方法は、フィード液に混入しても他の個所から添加してもよく、例えば塔内に導入するアクリル酸溶液や還流液など塔内に導入される液体に予め添加しておき、塔内に供給してもよく、或いは重合防止剤を塔内に直接供給してもよい。例えば、重合防止剤をエアーバブリングなどを採用して塔底からに直接供給してもよいし、また重合防止剤を他の溶媒に溶解させて間接的に供給してもよい。このように添加された重合防止剤の大部分は、高沸点物質分離塔40の塔底液に回収されて系外に出される。
【0045】
アクリル酸からアクリル酸エステルを製造する方法も特に制限はない。以下に、酸触媒を用いてエステルを製造する方法の一態様を示す。
【0046】
触媒として強酸性陽イオン樹脂を充填させたエステル化反応器50に、高沸点物質分離塔40で得たアクリル酸を供給し、アルコールその他を該反応器50に仕込みエステル化物を生成する。該反応器50には反応生成水を除去するためにその上部に蒸留塔60を設備し、該蒸留塔60から排出する生成水61を廃水として処理することができる。次いで、該反応液を酸分離塔70に導入し、塔頂からアクリル酸エステル、未反応アルコール、水などの低沸点物質を留出させる。次いで、酸分離塔70の塔頂からの留出物を油水分離器に導入し、アクリル酸エステルを含む油相71と水やアルコール等を主成分とする水相72とに分離させる。アクリル酸エステルを含む油相71は低沸物分離塔80で脱水しおよび低沸点物質が除去される。一方、水相72は系外に出され廃水として処理される。なお、該油相71の一部は酸分離塔70に還流してもよい。
【0047】
一方、低沸物分離塔80では、塔底からアクリル酸エステルを抜き出し精製塔90へ供給し、塔頂からアクリル酸エステル製品100を留出させる。低沸物分離塔80の塔頂から留出した水、アルコールその他の低沸点物質は、エステル化反応器50の上部に備えた蒸留塔60を介してエステル化反応器50に循環させてもよい。
【0048】
このようなアクリル酸エステルの製造工程において、酸分離塔70の塔底液には、アクリル酸等の原料成分と共に、アクリル酸ダイマーが含まれている。そこで、図1に示すように酸分離塔70の塔底液をエステル化反応器50に循環させてもよく、または別個に設けた高沸点物質分離塔110に供給して含まれるアクリル酸オリゴマーを分離してもよい。なお、図示しないが、ダイマー分解槽を設けて該塔底液に含まれるアクリル酸ダイマーをアクリル酸に分解し、該アクリル酸をアクリル酸製造プロセスやアクリル酸エステル製造プロセスで再使用してもよい。
【0049】
また、アクリル酸エステルを製造した場合、粗エステルをアルカリ水溶液で洗浄し、その後にアルカリ除去のために水洗してもよく、アルカリ洗浄水が排出される。本発明では、このようなアルカリ洗浄水を廃水として浄化処理してもよい。
【0050】
なお、アクリル酸エステルの製造方法としては、アクリル酸とアルコールとを脱水反応させてエステルを得る方法であって、好ましいアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノニルアルコール、ラウリルアルコールなどの各種アルコールを挙げることができ、これらは直鎖状のものであっても分岐を有するものであってもよい。また、これらは1種を単独で使用する場合に限られず、2種以上を併用する場合であってもよい。なお、上記各工程の反応条件、蒸留条件などは公知の条件を採用することができる。
【0051】
また、ポリアクリル酸(塩)を製造する場合には、タンク42のアクリル酸を原料として使うこともできるが、更に精製(蒸留、晶析)することによって、実質的にアルデヒドを含まないアクリル酸を使うのが好ましい。
【0052】
なお、本発明においてポリアクリル酸(塩)の具体例としては、水溶性ポリアクリル酸(塩)、吸水性樹脂(吸水性ポリアクリル酸(塩))などが挙げられる。ポリアクリル酸塩としては、好ましくは一価塩、より好ましくはアルカリ金属塩,アンモニウム塩がある。これらポリアクリル酸(塩)は他の単量体と共重合させたり、0.001〜5モル%の架橋剤で架橋させてもよく、また澱粉やポリビニルアルコールなどの他の親水性ポリマーにグラフト重合させてもよい。尚、水溶性ポリアクリル酸(塩)とは実質的に100%が水に溶解する重合体であり、また吸水性樹脂とは水膨潤性水不溶性の架橋構造を有するポリアクリル酸(塩)であり、自重の3倍以上、好ましくは10〜1000倍の純水乃至生理食塩水を吸水し、実質的に水不溶性(水溶性成分が25質量%以下、より好ましくは10質量%以下)のヒドロゲルを生成するものを指す。これら吸水性樹脂の例示や物性測定法としては米国特許第607196号公報、同第6107358号公報、同第6174978号公報、同第6241928号公報の記載を参照する。
【0053】
ポリアクリル酸(塩)製造プロセスの一例として、吸水性樹脂製造プロセスにおいては該アクリル酸を中和工程、重合工程、乾燥工程に導入して所望の処理を施すことによって吸水性樹脂が製造される。もちろん、各種物性の改善を目的として所望の処理を施してもよく、例えば重合中、あるいは重合後に架橋工程を介在させてもよい。
【0054】
中和工程は任意の工程であり、例えば所定量の塩基性物性の粉末や水溶液とアクリル酸や、得られたポリアクリル酸(塩)とを混合する方法が例示されるが、公知の方法を採用すればよく、特に限定されない。尚、中和工程は重合前或いは重合後のいずれで行なってもよく、また重合前後の両方で行なってもよい。
【0055】
アクリル酸の中和に用いられる塩基性物質としては、例えば炭酸(水素)塩,アルカリ金属の水酸化物,アンモニア,有機アミンなどの公知の塩基性物質を適宜用いればよい。またポリアクリル酸の中和率についても特に限定されず、任意の中和率(例えば30〜100モル%の任意の値)となる様に調整すればよい。
【0056】
重合工程での重合方法は特に限定されず、ラジカル重合開始剤による重合,放射線重合,電子線重合,光増感剤による紫外線重合など公知の重合方法を用いればよい。また重合開始剤,重合条件など各種条件については任意に選択できる。勿論、必要に応じて架橋剤や他の単量体、更には水溶性連鎖移動剤や親水性高分子など公知の添加剤を添加してもよい。
【0057】
重合後のポリアクリル酸(塩)(以下、「吸水性樹脂」に代表する)は乾燥工程に付すことができる。乾燥方法としては特に限定されず、熱風乾燥機,流動層乾燥機,ナウター式乾燥機など公知の乾燥手段を用いて、適宜所望の乾燥温度(好ましくは70〜230℃)で乾燥させればよい。また乾燥工程に供給し、排出された高温ガスそのまま廃ガスとして排出して本発明の廃ガス処理工程に付してもよく、或いは該高温ガスを捕集塔に導入し、該捕集塔に別途NaOH水溶液など任意の捕集溶液を導入し、捕集塔内での気液接触によって、廃ガスを捕集して廃水として排出し、本発明の廃液処理工程に供給してもよい。なお、本発明では乾燥用ガスに適用するのが好ましい。
【0058】
本発明で浄化処理できる廃水、廃油、廃ガスとしては、上記アクリル酸製造プロセス、アクリル酸エステル製造プロセスまたはポリアクリル酸(塩)製造プロセスで使用する装置の洗浄液なども廃水、廃油として浄化処理の対象とすることができる。アクリル酸は重合性の化合物であり、その製造工程において重合物が発生する場合があり、装置を酸性またはアルカリ性の洗浄水で洗浄し、または有機溶媒を使用して洗浄し、その後に水洗する場合がある。このような廃液も廃水や廃油として浄化処理することができる。
【0059】
次に、アクリル酸製造プロセスから排出された廃ガス、廃液(廃水、廃油)とアクリル酸エステル製造プロセスから排出された廃ガス、廃液を浄化処理する方法について説明する。なお、本発明における浄化処理とは廃棄物の処理方法であり、廃ガスに含まれる成分を無害化して大気に放出する方法、廃水や廃油に含まれる成分を燃焼して有機物を二酸化炭素や水に変換して大気に放出する方法、活性汚泥処理、湿式酸化処理その他のいずれの方法が含まれる。
【0060】
本発明においては、アクリル酸製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種とを合わせて浄化することを特徴とする。アクリル酸製造プロセスから排出される廃ガス、廃油、廃水とアクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃ガス、廃油、廃水とは、含まれる成分、粘度、排出量、濃度その他の特性が異なり、一般にアクリル酸製造プロセスからの廃棄物は、アクリル酸エステル製造プロセスからの廃棄物に比較して、大量、高濃度、高粘度である。このため、アクリル酸製造プロセスからの廃棄物とアクリル酸エステル製造プロセスからの廃棄物とを別個に処理すると、アクリル酸エステル製造プロセスの廃棄物処理には燃焼助剤が必要となるがアクリル酸製造プロセスでは燃焼燃料として使用できる廃油が余剰となる、などの不都合が発生する。そこで、隣接する製造プロセスからの廃棄物を合一に処理することにした。本発明によれば、廃油を廃棄物処理用の燃料として使用するとアクリル酸製造プロセスのみの処理では過剰となり、余剰分の別個の処理が必要となるが、隣接する関連製造プロセスからの廃水、廃油、廃ガスを同時に処理することで燃料の過不足を無くし、同時に廃棄物の粘度を調整して流動性の低下による浄化処理の困難性を回避することができる。本発明では、アクリル酸製造プロセス及びアクリル酸エステル製造プロセスから排出された廃ガス、廃水、廃油の全量を燃焼処理に供給することができるが、燃焼処理能力に応じて適宜供給量を調整し、残部を他の浄化処理に供してもよい。また、処理量を低減させるために廃油、廃水、廃ガス等は予め濃縮してから浄化処理に供給してもよい。
【0061】
本発明では、特に、アクリル酸製造プロセスおよび/またはアクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃油の少なくとも1種と、アクリル酸製造プロセスおよび/またはアクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃水の少なくとも1種との混合液を燃焼処理することが好ましい。廃油は廃棄物処理の際の燃料として使用することができ、燃焼処理によって有機物を二酸化炭素等に変換できる利点がある。しかしながら、アクリル酸製造プロセスからの廃油量は、燃焼処理の際の燃料として使用するには多量である。また、アクリル酸製造プロセスからの廃油には上記したようにマレイン酸が多く含まれており重合物や析出物が生成しやすい。製造稼動中はこれを防止するために温度50〜150℃に管理しているが該液温では粘度が高くなり、これを焼却炉に移送して燃料処理すると配管内の流動性が低下する。このような場合、流動性を確保するために廃水を添加する方法があり、廃水を燃焼処理することで過剰の廃油を燃焼燃料として使い切ることができる。廃水希釈後は、廃油中のマレイン酸からフマル酸が生成しやすいため、温度を20〜100℃、好ましくは、30〜80℃に管理するのが好ましい。このような希釈用水としてアクリル酸製造プロセスからの廃水を使用すると、該廃水はアクリル酸エステル製造プロセスからの廃水よりもCOD値が高いため、これを焼却処理すると活性汚泥処理よりも簡便に浄化することができるという利点もある。また、アクリル酸エステル製造プロセスで排出されるアルカリ廃水を混合すると、燃焼装置の付着物の発生を防止でき、燃焼装置洗浄回数を著しく減少できる。なお、アクリル酸エステル製造プロセスからの廃油は燃焼燃料となるため、アクリル酸製造プロセスの廃油と共に燃焼処理することが好ましい。
【0062】
更には、該廃水の一部を燃焼処理し、残部の廃水を湿式酸化および/または活性汚泥処理することが好ましい。例えば、廃油を燃焼燃料として使用する際、廃油量と熱量バランスする廃水のみを燃焼処理し、残りの廃水を湿式酸化処理または活性汚泥処理により浄化する。特に、アクリル酸製造プロセスから排出される廃油(以下、「アクリル酸廃油」という)とアクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃水(以下、「エステル廃水」という)を合わせて燃焼処理すると、エステル廃水は燃焼性が微弱なために別途必要となっていた燃焼助剤を不要とし、燃焼コストを低減することができる。
【0063】
本発明の廃棄物の処理方法の内、廃油と廃水の燃焼方法の態様の一例を図2を用いて説明する。
【0064】
本発明において燃焼処理に用いる装置としては特に限定されないが、気液燃焼、液体燃焼の場合には縦型燃焼装置、横型燃焼装置など公知燃焼装置が推奨され、気体燃焼の場合には触媒を用いた燃焼が推奨される。
【0065】
アクリル酸製造プロセスからの廃油(以下、アクリル酸廃油とも称す。)210、アクリル酸エステル製造プロセスからの廃油(以下、エステル廃油とも称す。)220、アクリル酸製造プロセスからの廃水(以下、アクリル酸廃水とも称す。)230、アクリル酸エステル製造プロセスからの廃水(以下、エステル廃水とも称す。)240の適当量をバルブ211,221,231,241で調整しながら、燃焼装置250に供給し、ここで各廃油を燃料として焼却炉内の廃油および廃水を燃焼処理する。
【0066】
燃焼装置250に供給する廃油および廃水の種類に制限はないが、少なくとも、アクリル酸製造プロセスおよび/または前記アクリル酸エステル製造プロセスからの廃油とアクリル酸製造プロセスおよび/または前記アクリル酸エステル製造プロセスからの廃水であり、より具体的にはアクリル酸廃油210とアクリル酸廃水230とを合わせて浄化することが好ましい。アクリル酸廃油210の粘度を低下させ、配管の目詰まりを防止することができることができるからである。また、アクリル酸廃水230のCOD値はエステル廃水240のCOD値よりも高いため、アクリル酸廃水230を燃焼処理することで、廃水処理も簡便となる。
【0067】
本発明では、アクリル酸廃油210の全量とエステル廃油220の全量、これにアクリル酸廃油210の粘度を低下させるに至適量のアクリル廃水230または、アクリル酸エステル廃水240を燃焼処理することが好ましい。アクリル酸廃油210とアクリル酸廃水230またはアクリル酸エステル廃水240の混合比率については特に限定されないが、アクリル酸廃水230を高効率で燃焼させ、かつアクリル酸廃油210の粘度を低下させるには、アクリル酸廃油210に対してアクリル酸廃水230またはアクリル酸エステル廃水240を3〜30容量%(廃水量/廃油量)添加することが望ましい。
【0068】
アクリル酸廃油210が廃油タンク(図示せず)に供給される前に配管でアクリル酸廃水230またはアクリル酸エステル廃水240で希釈されるのが好ましい。一般的にアクリル酸プロセスから燃焼させるための廃油タンクまでの配管距離が長いため、その部分の閉塞トラブルを防止するためである。
【0069】
アクリル酸廃油210とアクリル酸廃水230は、個別の供給管を介して燃焼装置250に導入して該装置内にて該廃油と該廃水を混合させつつ燃焼することもできるが、予めアクリル酸廃油210に必要なアクリル酸廃水230を混合した混合液を燃焼装置に導入し、残りのアクリル酸廃水230を個別に導入することが好ましい。供給管内でのアクリル酸廃油210の付着による管閉塞を抑止でき、燃焼装置250に混合液を供給する手投(例えばノズルなど)先端部の閉塞を抑止できるからである。更に、混合液とすれば、比較的粘性の高いアクリル酸廃油210が希釈(粘性低下)され、ノズル等の供給手段を介して燃焼装置内に噴霧しても該ノズル閉塞が抑制され、混合液を燃焼に好適な程度にアトマイズできる。
【0070】
本発明では、アクリル酸廃油の粘度低下ため、その他の目的のために低燃焼性のエステル酸廃水240をアクリル酸廃油210、エステル廃油220やアクリル酸廃水230と共に燃焼してもよい。この際、エステル酸廃水240もアクリル酸廃水230と同様に、燃焼装置250にアクリル酸廃油210等とは異なる供給管から燃焼装置に供給してもよく、予めアクリル酸廃油210等にエステル廃水240を混合して燃焼装置250に供給してもよく、アクリル酸廃油210とアクリル酸廃水230との混合液にエステル廃水240を混合してから燃焼装置250に供給してもよい。尚、エステル廃水240をアクリル酸廃水230と共にアクリル酸廃油210に混合する場合、アクリル酸廃水230とエステル廃水240の合計量が上記の様にアクリル酸廃油210の3〜30容量%となる様にすることが望ましい。この際のアクリル酸廃水230とエステル廃水240の混合比率については特に限定されない。エステル廃油220の粘度が高く、そのままでは配管内で目詰まりが発生したり、燃焼装置内に付着物を発生する恐れがある場合には、アクリル酸廃油210と同様にアクリル酸廃水230やエステル廃水240で予め希釈して適度な粘度に調整した後に、燃焼装置に導入してもよい。
【0071】
本発明においては、廃油、廃水の燃焼処理に際して、アクリル酸製造プロセスやアクリル酸エステル製造プロセスからの廃ガス(以下、アクリル酸廃ガス、エステル廃ガスとも称す。)(図示せず)を燃焼装置250に供給して同時に燃焼処理してもよい。なお、アクリル酸廃ガスおよび/またはエステル廃ガスをアクリル酸廃油210、エステル廃油220、アクリル酸廃水230、エステル廃水240と合わせて燃焼処理してもよい。アクリル酸廃ガスやエステル廃ガスには有機物等が含有されており、燃焼処理によって該廃ガスに含まれている有機物等の不純物を除去できる。この際、アクリル酸廃ガスとエステル廃ガスとのいずれかをアクリル酸廃油210と燃焼させる場合に比べて、両廃ガスの混合ガスをアクリル酸廃油210と併せて燃焼処理する方が好ましい。エステル廃ガス中の可燃性化合物の濃度がアクリル酸廃ガスによって希釈されるため、被燃焼ガス中の可燃性化合物の燃焼・除去を高効率で行なうことができるからである。また、混合によってエステル廃ガスに含まれる有機物濃度を低減できるため目詰まり等を抑止でき、エステル廃ガスの希釈ガスとしてエステル廃ガスを用いることでコスト削減を図ることもできる。
【0072】
本発明では、廃ガス、廃水、廃油の燃焼処理として、上記のように廃油を燃焼燃料として使用する場合に限らず、例えば、アクリル酸廃水および/またはアクリル酸廃ガスと、エステル廃水および/またはエステル廃ガスとを任意に組み合わせて燃焼処理してもよい。例えば、アクリル酸廃ガスとエステル廃ガスと共にエステル廃水を燃焼処理すると、該廃ガスの燃焼に伴ってエステル廃水も燃焼でき、燃料コストを低減できる。またアクリル酸廃ガスと共にエステル廃水の燃焼処理、或いはアクリル酸廃水と共に、エステル廃ガスを燃焼処理してもよい。
【0073】
同様に、アクリル酸廃水にエステル廃水を添加して燃焼することで、アクリル酸廃水に含まれる有機物濃度を更に低減できる。また燃焼効率を高めるために必要に応じてケロシンなどの助燃剤と空気とを燃焼装置に供給して燃焼させ、炉内温度を600〜1200℃程度に維持してアクリル酸廃水および/またはエステル廃水を炉内に噴霧供給してアクリル酸廃ガスおよび/またはエステル廃ガスと共に燃焼してもよい。
【0074】
燃焼温度や燃焼時間などは、使用する燃焼装置の性能や投入する廃油、廃水量に応じて適宜選択することができる。
【0075】
燃焼後の処理方法に制限はないが、一般には燃焼装置250からの排出物に含まれる固形分を除去した後に、排出される燃焼ガス251を水槽260に受ける。燃焼ガスの液性や含有物に対応して水槽の処理水261の液性を調整してもよい。例えば、燃焼ガス251に硫黄分が含まれ該ガスが酸性である場合には、水酸化ナトリウムなどで液性をアルカリ性にし、酸性成分を処理水261に捕集する。また、本発明では重合防止剤を使用し、これが廃油に含まれるため金属類が燃焼ガス251に存在する場合がある。このような金属類が水酸化物の形成によって水槽260内に沈殿分離できる場合には、やはり水槽内の処理水261の液性をアルカリ性に調整するとその後の浄化が容易である。
【0076】
該水槽内の処理水261に含まれる有用金属を回収した後、処理水261が有害な金属その他の化合物等を含まず放水が可能であれば、これを放水処理する。本発明の廃棄物の処理方法は、異なる製造プロセスからの廃油、廃水、廃ガスを組み合わせて処理する点に特徴があり、具体的な処理方法は公知の方法を使用することができる。
【0077】
一方、水槽260の上部には水槽内の処理水261で洗浄された高温の廃ガス262がある。本発明では、該廃ガス262の熱エネルギーを有効に利用して処理効率を向上させることができる。例えば、アクリル酸廃水230やエステル廃水240の全部または一部を放散塔270に供給し、該廃ガスで昇温、空気で放散する。予め廃水を昇温しこれを燃焼装置250に供給することで燃焼燃料を低減することができる。なお、廃ガス262に含まれる粉塵を除去するためにベンチュリー280を経た後に放出する。
【0078】
更に、上記アクリル酸製造プロセス、アクリル酸エステル製造プロセスの燃焼装置にポリアクリル酸(塩)製造プロセスからの廃水および/または廃ガスを供給することもできる。ポリアクリル酸(塩)製造プロセスからの廃水は燃焼性が微弱なため、従来では該廃水を燃焼するには別途燃焼燃料を要し燃焼コストが高くなっていたが、アクリル酸廃油および/またはエステル廃油と燃焼することによって、燃焼性の高い廃油で効率的にポリアクリル酸(塩)製造プロセスからの廃水を燃焼することができる。また、アクリル酸廃油とともに該廃水を燃焼することによって、アクリル酸廃油濃度が希釈され、またNaを含有しているために燃焼後のアクリル酸廃油残渣が燃焼装置内壁に付着するのを防止でき、燃焼装置洗浄回数を著しく減少できる。
【0079】
特に本発明では、アクリル酸および/またはエステル廃ガスと共に、ポリアクリル酸(塩)製造プロセスからの廃ガスを燃焼処理することが好ましい。アクリル酸および/またはエステル廃ガスに含まれる有機物などの濃度が高いため、該濃度を低減でき、燃焼装置や熱交換器などの付着物を更に少なくできる。
【0080】
本発明の廃棄物の処理方法において、廃ガスは、上記したように廃油や廃水と同時に燃焼処理することができるが、単独で燃焼処理してもよい。この際、アクリル酸廃ガスやエステル廃ガスのみでは燃焼性が低い場合には、プロパン、天然ガス、ケロシンなどの燃焼助剤を供給し燃焼効率を向上させてもよい。また、廃ガスの燃焼処理においては、燃焼装置に変えて触媒燃焼装置を用いてもよい。触媒燃焼装置とは、貴金属を担持させた、或いは担持させない公知の触媒を装置内に充填した装置であって、例えば昇温したアクリル酸廃ガスとエステル廃ガスを触媒燃焼装置に導入して該廃ガスに含まれる有機物を燃焼によって酸化処理するものである。また、触媒燃焼置を用いる場合でも、エステル酸廃ガスによる触媒の劣化等の問題が生じるため、上記のようにエステル酸廃ガスをアクリル酸廃ガスで希釈することが好ましい。
【0081】
本発明の廃棄物の処理方法では、アクリル酸廃油とエステル廃油とを燃焼燃料として使用し、アクリル酸廃油の粘度調整のためにアクリル酸廃水またはエステル廃水を添加する態様が好ましい一例であるが、燃焼処理の対象としないエステル廃水は湿式酸化処理することが好ましい。エステル廃水はCOD値が低く湿式酸化処理に適すること、および湿式酸化処理は燃焼燃料を必要とせず、しかも処理後の排水も再使用できる程度に純度が高いからである。もちろん、活性汚泥処理なども可能であるが、有機物の分解に時間がかかり迅速な処理が困難である。また、藻類やバクテリアの生育に適した濃度に廃水を希釈する必要があり活性汚泥施設の面積も広大なものとなる。そこで、従来公知の湿式酸化処理装置を使用すれば処理が簡便である。
【0082】
本発明は、前記浄化後の処理水を前記アクリル酸製造プロセスおよび/またはアクリル酸エステル製造プロセスに再利用することもできる。アクリル酸製造プロセスでは、アクリル酸の捕集に際して捕集溶剤として水を多量に使用する。この水は、共沸脱水塔から排出して一部は捕集溶剤として捕集塔に循環され再使用されるが一部は廃水として処理される。従って、連続的なアクリル酸の製造プロセスでは捕集溶剤が不足する。本発明では、アクリル酸捕集溶剤として湿式酸化処理によって浄化した後の処理水を使用することができる。
【0083】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
【0084】
(実施例1)
図1に準じてアクリル酸およびアクリル酸エステルを製造した。まず、プロピレンを含む原料ガスを気相酸化しアクリル酸含有ガスを得て、該ガスを捕集溶剤に供給して水を捕集溶剤としてアクリル酸を捕集し、アクリル酸含有溶液を得た。次いで、該アクリル酸含有溶液を共沸脱水塔に供給し、共沸溶剤を用いて水を含む低沸点不純物を塔頂から留出して分離し、油水分離後の水相32を2.0m3/hを廃水として得た。なお、共沸脱水塔の塔底液は高沸点物質分離塔に供給して塔頂からアクリル酸を留出させた。高沸点物質分離塔の塔底液43は、薄層蒸発器で更に濃縮したところ、440kg/hの廃油を得た。
【0085】
高沸点物質分離塔から得たアクリル酸の一部を、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールでそれぞれエステル化し、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルを製造した。アクリル酸エステル製造プロセスで、蒸留塔廃水61と油水分離器内水相72とから合計3.7m3/hの廃水を得て、高沸点物質分離塔110の底部から555kg/hの廃油を得た。
【0086】
上記アクリル酸およびアクリル酸エステルから得た廃油全量と、アクリル酸製造プロセスからの廃水とアクリル酸エステル製造プロセスからの廃水の一部(廃油燃焼バランス分)を廃液竪型燃焼装置に供給して950℃で燃焼した。
【0087】
1カ月稼働後に炉内を点検した結果、炉内付着物はほとんどみられなかった。尚、廃水は、放散塔で燃焼装置排ガスを用いて放散し、塔頂ガスは直接燃焼装置に供給し、塔底の濃縮液も直接燃焼装置に供給した。
【0088】
また、上記アクリル酸エステル製造プロセスから得た残りの廃水は、湿式酸化処理設備に供給して260℃で処理し、処理水をアクリル酸設備の捕集溶媒として、0.5m3/hで回収した。
【0089】
(実施例2)
図1に準じて、プロピレンを含む原料ガスを気相酸化してアクリル酸含有ガスを得た。該ガスを捕集塔に供給し、ここで水を捕集溶剤に用いてアクリル酸含有溶液を得た。なお、捕集塔塔頂から610Nm3/min(アクリル酸900体積ppm、水20.8体積%)のガスが排出された。
【0090】
次いで、実施例1と同様にして、該アクリル酸含有溶液を共沸脱水塔に供給し、共沸溶剤を用いて水を含む低沸点不純物を塔頂から留出して分離した。なお、共沸脱水塔の塔底液は高沸点物質分離塔に供給して塔頂からアクリル酸を留出させた。高沸点物質分離塔の塔底液は、薄層蒸発器で更に濃縮した。
【0091】
高沸点物質分離塔から得たアクリル酸の一部を、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールでそれぞれエステル化し、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルを製造した。
【0092】
また、アクリル酸及びアクリル酸エステルタンクから発生する廃ガスをブロワーで空気により希釈し、廃ガス30Nm3/minを得た。
【0093】
上記廃ガスを同じ触媒燃焼装置に供給し、プレート熱交換器で昇温後、触媒燃焼装置で燃焼させた。
【0094】
1カ月稼働後プレート熱交換器内点検した結果、付着物は、みられなかった。また、処理したガスをアクリル酸エステルタンクのシール用ガスとして使用した。
【0095】
(実施例3)
図1に準じて、プロピレンを含む原料ガスを気相酸化してアクリル酸含有ガスを得る。該ガスを捕集塔に供給し、ここで水を捕集溶剤に用いてアクリル酸含有溶液を得る。捕集塔塔頂から610Nm3/min(アクリル酸900体積ppm、水20.8体積%)のガスが排出される。
【0096】
次いで、実施例1と同様にして、該アクリル酸含有溶液を共沸脱水塔に供給し、共沸溶剤を用いて水を含む低沸点不純物を塔頂から留出して分離し、油水分離後の水相を1.7m3/hを廃水として得る。なお、共沸脱水塔の塔底液は高沸点物質分離塔に供給して塔頂からアクリル酸を留出させる。
【0097】
高沸点物質分離塔から得たアクリル酸の一部を、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールでそれぞれエステル化し、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルを製造する。
【0098】
また、アクリル酸及びアクリル酸エステルタンクから発生する廃ガスをブロワーで空気により希釈し、廃ガス30Nm3/minを得る。
【0099】
上記廃ガス、廃水を同じ燃焼装置に供給し、燃料として天然ガスを用い炉内温度が900℃になる様に燃焼し、無害なガスを戸外に放出する。
【0100】
【発明の効果】
本願によれば、アクリル酸製造プロセスとアクリル酸エステル製造プロセスとからの廃棄物の処理方法に際し、アクリル酸製造プロセスから排出した廃油、廃水、廃ガスとアクリル酸エステル製造プロセスから得た廃油、廃水、廃ガスとを燃焼させることで配管の詰まりや炉内の付着物の発生を防止でき、環境保全に優れる。隣接する製造プロセスからの廃棄物を同時に処理することで処理効率にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アクリル酸エステル製造工程含む、アクリル酸製造工程の概略を示すフロー図である。
【図2】 本発明の廃棄物の処理方法における、燃焼処理の好ましい態様の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1・・・原料ガス、10・・・接触気相酸化反応器、11・・・酸化触媒、20・・・アクリル酸捕集塔、21・・・捕集溶剤、22・・・蒸留塔、30・・・共沸脱水塔、31・・・油水分離器内溶媒相、32・・・油水分離器内水相、40・・・高沸点物質分離塔、41・・・コンデンサー、42・・・タンク、43・・・廃油、50・・・エステル化反応器、60・・・蒸留塔、61・・・廃水、70・・・酸分離塔、71・・・油水分離器内油相、72・・・油水分離器内水相、80・・・低沸点物質分離塔、90・・・精製塔、100・・・アクリル酸エステル、110・・・高沸点物質分離塔、210・・・アクリル酸製造プロセスからの廃油、211・・・バルブ、220・・・アクリル酸エステル製造プロセスからの廃油、221・・・バルブ、230・・・アクリル酸製造プロセスからの廃水、231・・・バルブ、240・・・アクリル酸エステル製造プロセスからの廃水、241・・・バルブ、250・・・燃焼装置、251・・・燃焼ガス、260・・・水槽、261・・・処理水、262・・・廃ガス、270・・・放散塔、280・・・ベンチュリー塔、290・・・排ガス放出口、300・・・水処理工程。
Claims (7)
- アクリル酸製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種とを合わせて浄化する廃棄物の処理方法であって、
(1)アクリル酸製造プロセスから排出される少なくとも廃ガスを含む廃棄物と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される少なくとも廃ガスを含む廃棄物とを混合して処理すること、または
(2)前記(1)の処理と共にアクリル酸製造プロセスから排出される少なくとも廃油を含む廃棄物と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される少なくとも廃水を含む廃棄物とを混合して燃焼処理を行うことを特徴とする廃棄物の処理方法。 - アクリル酸製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種とを合わせて浄化する廃棄物の処理方法であって、
(i)アクリル酸製造プロセスから排出される少なくとも廃油を含む廃棄物と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される少なくとも廃水を含む廃棄物とを混合して燃焼処理すること、および/または(ii)アクリル酸製造プロセスから排出される少なくとも廃ガスを含む廃棄物と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される少なくとも廃ガスを含む廃棄物とを混合して処理することを特徴とする廃棄物の処理方法において、
該廃水の一部を燃焼処理し、残部の廃水を湿式酸化および/または活性汚泥処理することを特徴とする廃棄物の処理方法。 - 前記浄化後の処理水および/または処理ガスを前記アクリル酸製造プロセスおよび/またはアクリル酸エステル製造プロセスに再利用することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- アクリル酸製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種と、アクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃油、廃水、廃ガスよりなる群から選ばれる少なくとも1種とを合わせて浄化する廃棄物の処理方法であって、
更に、ポリアクリル酸(塩)製造プロセスを実施するに当り、該プロセスから排出される廃水および/または廃ガスを合わせて浄化することを特徴とする、廃棄物の処理方法。 - アクリル酸製造プロセスおよび/またはアクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃油の少なくとも1種と、アクリル酸製造プロセスおよび/またはアクリル酸エステル製造プロセスから排出される廃水の少なくとも1種との混合液(但し、アクリル酸製造プロセスの廃油と廃水のみの混合液、及びアクリル酸エステル製造プロセスからの廃油と廃水のみの混合液は除く。)を燃焼処理することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
- 該廃水の一部を燃焼処理し、残部の廃水を湿式酸化および/または活性汚泥処理することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 前記浄化後の処理水および/または処理ガスを前記アクリル酸製造プロセスおよび/またはアクリル酸エステル製造プロセスに再利用することを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
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