JP4055964B2 - 平行流型フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不純ガスや不純粒子の除去性に優れ、超清浄空気を提供し易い優れた平行流型フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体や液晶などの生産工程において、空気中のガスを除去するための機能性フィルタが使用されている。これらのフィルタには直行流形式と平行流形式とがあり、それぞれ、フィルタ基材の内部もしくは表面に空気中のガス成分を分解、吸着する機能性物質が含まれている。
【0003】
上記の2形式のフィルタの中でも、平行流形式のフィルタが、圧力損失が低い特徴を生かし数多く使われている。それらのフィルタの大部分は、コルゲート構造体を接着剤により積層・固定して製造されている。コルゲート構造体は、中芯となるシート状物を波形ロールを通すことにより波形に成形し、波の段頂に接着剤を塗布した後、ライナーと言われるもう1枚のシート状物と張り合わせ、波形加工されたコルゲート構造体が得られる。通常さらにこの構造体を接着剤により再度接合重ね合わせて、立体形状のフィルタ濾材を製造し、その後フィルタのケースに入れて最終的なフィルタとなる。
【0004】
しかしながら、上記従来の平行流型フィルタでは、コルゲート構造体の積層固定時およびコルゲート構造体製造時に多くの接着剤を使用するために、かかる接着剤からのアウトガス(不純ガス)が発生するという問題があった。この問題は、アウトガスを除去する目的で使用するフィルタにおいて、アウトガス除去機能を有しつつ、その一方でフィルタ自体がアウトガスを発生するということで特に問題となってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、不純粒子およびアウトガス(不純ガス)の除去性に優れ、超清浄空気を提供し易い優れた平行流型フィルタを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、つぎのような手段を採用するものである。すなわち、本発明の平行流型フィルタは、シート状のライナとこれに張り合わされる波形の中芯とが、ライナおよび/または中芯に含有されている熱溶着性繊維および熱溶着性粒子から選ばれた少なくとも1種からなる溶着物を介して溶着され、かつ、ライナと中芯の少なくともいずれかにガス吸着性および/またはガス分解性物質が含有されているコルゲート構造体用シートを用いて、巻上げ構造または複数枚積層構造のいずれかの形態に形成されてなるコルゲート構造体を、フィルタ外枠内に充填して構成された平行流型フィルタであって、該フィルタは、実質的に該コルゲート構造体とフィルタ外枠のみからなり、かつ、該コルゲート構造体が、該フィルタ外枠による無負荷時の厚さに対して0.5%から20%の範囲の圧縮量の充填圧で圧縮充填されて、該外枠へ該コルゲート構造体が固定されており、かつ、該フィルタの溶剤溶出樹脂の含有量が0.1重量%以下であることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、不純粒子の除去はもとより、アウトガス(不純ガス)の除去性にも優れたフィルタ、つまり超清浄空気を容易に提供することができるフィルタについて、鋭意検討したところ、特定な構造のフィルタ用シートと外枠のみを使用して、これらを、該外枠内に特定な圧縮充填圧で圧縮充填し、かつ、溶剤溶出樹脂(接着剤)を使用しないで、フィルタをつくってみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0008】
本発明は、ライナと中芯とからなるコルゲート構造体用シートを用い、これを巻上げ構造または複数枚積層構造のいずれかの形態に形成されたコルゲート構造体を使用するものであり、かかるコルゲート構造体をフィルタ外枠に充填する方法としては、該コルゲート構造体をフィルタ外枠の内寸に合うよう定長にカットし、圧縮充填するものであり、その場合、該コルゲート構造体に圧縮充填圧がかかるように必要量巻き上げるか、積み重ねた後、厚み方向に充填を行う。
【0009】
本発明は、このように、コルゲート構造体用シートからなる特定な構造のフィルタ用シートと外枠のみを使用して、これらを、該外枠内に特定な圧縮充填圧で圧縮充填して固定して構成されているところに特徴を有するものである。
【0010】
ここでいう圧縮充填圧は、該コルゲート構造体が、該フィルタ外枠による圧縮充填圧で圧縮充填されたときに生ずる、つまり該コルゲート構造体の厚さ方向の圧縮により発生するものである。かかる圧縮を発生させる一方法としては、上部の一辺を外したフィルタ外枠に定長にカットしたコルゲート構造体用シートを過剰に積み重ね、コルゲート構造体を圧縮させながら上部の枠を充填固定することにより達成することができる。この時の圧縮充填に際しては、無負荷時の0.5%から20%の範囲、好ましくは1%から5%の範囲に圧縮充填するのがよい。かかる圧縮量が0.5%未満では十分な固定ができず、また20%を越えては、コルゲート構造体が著しく変形し、フィルタとして必要な面内方向の圧力損失の均一性が損なわれるという欠点が発生する。
【0011】
また、コルゲート構造体の充填方法として奥行き方向に縦積みと横積みの少なくとも2つの層を有することがより好ましい。この方法によれば、圧縮方向が縦横に発生しそれぞれの層のコルゲート構造体をより安定して固定することができる。さらに本方法によれば、空気の流路が層の境で変わるために乱流が発生しガス除去に用いた場合より除去効率が向上するという利点も有する。
【0012】
フィルタ外枠の形状については、特に限定されないが、奥行き方向両端部につばを有することにより充填したコルゲート構造体をより安定して固定できるので好ましい。
【0013】
本発明のフィルタは、溶剤溶出樹脂、すなわち、接着剤の含有量が0.1重量%以下である。すなわち、本発明のフィルタは、接着材である溶剤溶出樹脂を使用しないか、または空気中に不純ガスとして排出しない程度にしか含有されていないものである。ここでいう溶剤溶出樹脂は、下記熱溶着性物質は含まれないものとする。
【0014】
また、コルゲート構造体は、ライナと中芯とをライナおよび/または中芯に含有される熱溶着性繊維または熱溶着性粒子の溶着物を介して接着させることが必要である。かかるコルゲート構造体を用いることにより塗布型の接着剤を全く用いずにフィルタを構成する事ができる。塗布型の接着剤不使用により、接着剤に含有する溶剤や接着剤そのものの分解によるアウトガスの発生を完全に回避することができる。熱溶着のためには、ライナ用基材または中芯用基材の少なくとも一方に熱溶着性繊維または熱溶着性粒子を含有させる。
熱溶着性の物質としては、抄紙段階から含有させることができる繊維を含有するのが好ましい。その繊維または粒子の軟化点としては50〜200℃、さらに10〜150℃の範囲のものが好ましい。その量としては含有される基材に対して0.01〜50重量%の含有量とするのが好ましい。
【0015】
かかる熱溶着性の物質としてはそれぞれ上記の軟化点をもつナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィンポリマー等があげられる。特に、外側鞘部分に低融点ポリマーを配した芯鞘構造を有する熱融着繊維を好ましく用いることができる。またライナ用基材または中芯用基材のベースとなる物質としては、繊維状化合物であればとわず、ガラス、炭素繊維などの無機質繊維、セルロース、パルプ、合成繊維などの有機繊維が使用できる。
【0016】
かかる熱溶着コルゲート構造体の製法としては、ライナ用基材または中芯用基材を準備し、中芯用基材を表面に凹凸を有するロールを通過させて、波形加工した後、中芯側に波形の形状をもつロール、ライナ側にフラットな形状をもったロールに、ライナ用基材および中芯用基材をはさみ、ライナ用基材に対して中芯用基材の波の山を部分的に圧着、加熱することにより、中芯の波の一部のみが溶着したコルゲート構造体が得られる。
【0017】
また、当該フィルタは、接着剤によるアウトガスの懸念がないことからガス除去フィルタ濾材として特に好ましく使用することが出来る。ガス除去用のフィルタとしては、ライナと中芯の少なくともいずれかにガス吸着性および/またはガス分解性物質を含有もしくは付着させることによりその機能を付与することが出来る。ガス吸着性もしくは分解性物質としては、活性炭・活性炭素繊維やそれらに各種の化学物質を担持させたもの、分解触媒性を有する金属粉、イオン交換性を有する樹脂または繊維が挙げられ、これらを適宜組み合わせて使用することも出来る。除去対象のガスがアンモニア・ガスなどのイオン性の物質の場合には、イオン交換性樹脂または繊維が特に好ましく用いることが出来る。
【0018】
かかるイオン交換繊維としては、多芯海島構造により易分割性もしくは易フィブリル化性を有するものが好ましく使用される。すなわち、本発明のコルゲート構造体の中芯用基材もしくはライナ用基材に、あらかじめイオン交換性の物質を混合しておくにあたり、かかるイオン交換繊維を用いれば、その分割性により繊維同士が絡み合い、湿式抄紙をきわめて容易に行うことができるという利点がある。さらに、分割もしくはフィブリル化する事によりイオン交換に寄与する表面積を大幅に向上させることができ、きわめて好都合である。
【0019】
かかる海島の成分については少なくともいずれかにイオン交換性を有していれば特に限定されないが、単位重量あたりのイオン交換容量を大きくとるために、海成分にイオン交換基を付与したポリスチレン、島成分に補強・分割用のポリプロピレンを用いて構成されたイオン交換繊維が特に好ましく使用される。
【0020】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
【0021】
実施例1
海成分にスルホン基を付与したポリスチレン、島成分に補強・分割用のポリプロピレンを配した多芯海島型イオン交換繊維と天然パルプ及び外側鞘部に低融点成分を配したポリエステル系熱融着繊維を、60:20:20(重量%)の比率で湿式抄紙を行い、ライナ用基材および中芯用基材として準備した。
【0022】
この基材をコルゲート加工マシン(5号段用シングルフェーサ)において波形の表面形状を有するロール(120℃)、中芯、ライナー用基材およびフラットな表面形状をもつプレッシャロールの順となるようにして、ロール間に圧力を与えながらそれぞれのロールを回転し、中芯用基材とライナー用基材とを加熱、加圧接着し、コルゲート構造体を製造した。この構造体を幅100mm×長さ125mmに切断し、端面をそろえて56枚積み重ねた。このときの無負荷時のコルゲート積層品の高さは128mmであった。
【0023】
また、アルミを材料として高さ125mm×幅125mm×奥行き100mm(開口100mm×100mm、端部のつばは4辺とも12.5mm)のフィルタ外枠を作成し、上記定長カット済みのコルゲート構造体56枚を圧縮しながら充填した。このときの圧縮量は3%であった。
【0024】
この結果、充填密度が均一でかつケースをゆすってもおのおののシートはずれることがないフィルタを作成することができた。このフィルタは、接着剤使用品特有の臭気もなくかつ空気の圧力損失も少なく、ガス除去用エアフィルタとしてきわめて好適であった。
【0025】
実施例2
実施例1と同様に片面コルゲート加工シートを作成し、このシートを幅50mm×長さ125mmに切断した。この切断シートを、高さ125mm×幅125mm×奥行き100mm(開口100mm×100mm)のアルミ製のフィルタケースに手前側は縦積み、奥側は横積みになるように奥行き方向2層でおのおの56枚積み重ねて充填した。
【0026】
このフィルタも接着剤からのアウトガスはなくかつ途中でエアの流路が変わるためよりガス除去効率が向上し、ガス除去用フィルタとしてより好適であった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、接着剤によるアウトガスのないガス除去用フィルタに好適な平行流型フィルタを提供することができる。
Claims (5)
- シート状のライナとこれに張り合わされる波形の中芯とが、ライナおよび/または中芯に含有されている熱溶着性繊維および熱溶着性粒子から選ばれた少なくとも1種からなる溶着物を介して溶着され、かつ、ライナと中芯の少なくともいずれかにガス吸着性および/またはガス分解性物質が含有されているコルゲート構造体用シートを用いて、巻上げ構造または複数枚積層構造のいずれかの形態に形成されてなるコルゲート構造体を、フィルタ外枠内に充填して構成された平行流型フィルタであって、該フィルタは、実質的に該コルゲート構造体とフィルタ外枠のみからなり、かつ、該コルゲート構造体が、該フィルタ外枠による無負荷時の厚さに対して0.5%から20%の範囲の圧縮量の充填圧で圧縮充填されて、該外枠へ該コルゲート構造体が固定されており、かつ、該フィルタの溶剤溶出樹脂の含有量が0.1重量%以下であることを特徴とする平行流型フィルタ。
- 該コルゲート構造体の充填形態が、奥行き方向に縦積みと横積みの少なくとも2つの層を有するものである請求項1記載の平行流型フィルタ。
- 該フィルタ外枠が、奥行き方向の両端部につばを有する構造である請求項1または2に記載の平行流型フィルタ。
- 該ガス吸着性物質が、イオン交換性を有する粒子および繊維から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の平行流型フィルタ。
- 該イオン交換性を有する繊維が、多芯海島構造により易分割性もしくは易フィブリル化性を有する繊維である請求項4記載の平行流型フィルタ。
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1997
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