JP4055742B2 - 含油ポリマ成形品の製造方法、およびこの方法で得られた製品 - Google Patents
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Description
例えば、特公昭63−23239号公報には、ポリエチレン樹脂を用いた組成物が例示されている。また、特開平6−158084号公報には軸受にプラスチックと潤滑グリースを混合した潤滑剤を用いる方法が例示されている。これらの含油性組成物は、軸受等に塗布しまたは封入した後、その軸受等を昇温してその後冷却し、樹脂を固化させる方法で製造する。
そこで、本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、含油ポリマ成形用材料を、スクリュウ式の射出成形機を用いて所定の製品形状に成形するようにした生産性の高い含油ポリマ成形品の製造方法を提供することを目的としている。
潤滑油を多量に含んだ含油ポリマ成形用材料は、通常のスクリュウ式射出成形機ではスクリュウとシリンダとのクリヤランスが大きすぎて材料がうまく供給されない。そこで、本発明にあっては、後述するように材料の準備工程で攪拌により流動性を確保すると共に、成形機の材料入口部へ材料を圧送して供給することにより射出成形を可能とする。
本発明に使用する含油ポリマ成形用材料の樹脂成分としては、ポリエチレン樹脂や超高分子量ポリエチレン樹脂を単独またはそれらを適宜混合した材料や、ポリプロピレン樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1樹脂などのポリオレフィン樹脂やフェノール樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂も使用可能である。これらの樹脂は2種類以上の成分を組み合わせて使用することも可能であり、また、これらの組成中にガラス繊維,カーボン繊維,ウイスカ,ケプラ繊維等を強化材として適宜に添加しても良い。
本発明の材料準備工程は、潤滑油に所定量の樹脂成分を添加し、加熱し均一になるまで攪拌する。樹脂成分がポリオレフィン樹脂であるならば、加熱温度は樹脂融点以上が好ましい。この混合物を冷却し、さらに樹脂成分を添加し攪拌する。この操作で得られる含油ポリマ成形用材料は、グリースのように流動可能状のペースト状であり、均一で流動性を有している。
しかして、本発明の含油ポリマ成形用材料は、潤滑油を含んだペースト状をしており、せん断力を加えると油分の分離が生じる。そのため、通常のインラインスクリュウ式の射出成形機では材料の計量,射出が不安定であり、安定した品質の製品を得ることは困難である。
表1は、本発明に使用する含油ポリマ成形用材料の組成の例を示したものである。
上記のポリエチレン樹脂は三菱油化(株)「ユカロン」(商品名)、また 超高分子量ポリエチレン樹脂は三井石油化学(株)「ミぺロン」(商品名)などとして入手できるものである。
表1に示した組成の含油ポリマ成形用材料A〜Fを準備し、図1に示すスクリュウ式射出成形機の圧送式ホッパ12に供給する。この実施例では、可動の蓋12aに荷重をかける方法で実施した。
射出成形機はテクノプラス(株)製のインラインスクリュウ式を用い、内径15mm,外径20mm,長さ15mmの凹状の成形部を有する金型を装着して円筒状のすべり軸受を製造し、成形性を評価した。
なお、比較例として、表1に示す含油ポリマ成形用材料G〜Iを準備し、これらについても同様に成形性を評価した。
その評価の結果を表1に示す。
◎は、安定成形ができて、且つ精度の優れた製品が得られた材料。
○は、安定成形ができた材料。
×は、製品形状が完全にはできなかった材料。
ポリエチレン樹脂(超高分子量ポリエチレン樹脂を含む)の添加量は10〜80重量%が好ましく、潤滑油の含有量は20〜90重量%が好ましい。製品の強度及び材料1の圧送に、より好ましくは、ポリエチレン樹脂(超高分子量ポリエチレン樹脂を含む)の添加量が20〜40重量%で、潤滑油の含有量は60〜80重量%である。ポリエチレン樹脂(超高分子量ポリエチレン樹脂を含む)の添加量が10重量%未満では形成された製品の強度が不足し、離型時に変形するので好ましくない。一方、ポリエチレン樹脂(超高分子量ポリエチレン樹脂を含む)の添加量が80重量%を越えると、含油ポリマ成形用材料の流動性が低下し、射出成形機の材料入口部3aから材料出口部3b への材料1の圧送が不安定となるため安定成形できず、好ましくない。
図3に示すリニアガイド装置用シール部材20の製造を行った。
ちなみに、このシール部材20は、図示しないリニアガイド装置のスライダ本体の端面に、取付け穴21に通したボルトで固定して装着される。内面にはリニアガイドレールの側面のボール転動溝に当接してシールするシールリップ22を備えている。これを含油ポリマ成形用材料で成形することにより、シールリップ22から潤滑油が徐々にしみ出して、ボール転動溝に潤滑油膜を形成し、長期間にわたりスライダ本体を含むスライダの円滑な運動を保証するものである。
含油ポリマ成形用材料として表1の材料Aを用い、図のシール部材20の成形用金型を東芝機械(株)製の射出成形機(IS55FP:商品名)に装着し、金型温度60〜80℃、樹脂温度170〜190℃、射出時間0.8〜1.5秒で射出成形した。材料供給には、図1に示す方式の加圧式ホッパ12を採用した。
図4に示す玉軸受用保持器30の製造を行った。
この場合は、テクノプラス(株)製の射出成形機(SIM4749:商品名)を使用し、材料供給には、図2に示すスクリュウ式ホッパ15を用いた。
含油ポリマ成形用材料は表1の材料Cおよび表2の材料J,Kを使用した。材料Cについては製品形状に相当する凹状の成形部を有する金型を成形機に取付け、金型温度50〜80℃、樹脂温度170〜180℃、射出時間0.5〜1.0秒、射出圧450〜600kg/cm2 、冷却時間20〜30秒の条件で成形した。
図5に示す含油ポリマ封入転がり軸受40の製造を行った。
この転がり軸受40は、外輪40aと内輪40bとの間に保持器40dに保持された転動体40cが配設され、外輪40aと内輪40bとの間の空間内に含油ポリマ成形用材料からなる自己潤滑性の充填材42を充填して密封したものである。充填材42は軸受内部を外部から遮断して防食作用を果たすと共に、潤滑油を長期にわたり徐々に放出して転動体40cと外輪40a,内輪40bの各軌道面とに供給し、良好な潤滑を行うものである。
含油ポリマ成形用材料は表2の材料Jを使用した。製品形状に相当する凹状の成形部を有する金型を成形機に取付け、金型温度60〜70℃、樹脂温度245〜250℃、射出時間1.2〜1.5秒、射出圧400〜500kg/cm2 、冷却時間40〜50秒の条件で成形した。
図6に示すボールねじ用の自己潤滑性シール部材50の製造を行った。
このシール部材50は、ボール51を介してねじ軸52に螺合されたボールねじナット53の端部に装着され、ねじ軸52のねじ溝52aに密接してシール機能と潤滑機能とを同時に果たすことができる自己潤滑性シール部材である。
この場合、東芝機械(株)製の射出成形機(IS55FP:商品名)を使用し、材料供給ホッパとして図1に示す圧送式を用いた。
含油ポリマ成形用材料は表1の材料Dを使用した。製品形状に相当する凹状の成形部を有する金型を成形機に取り付け、金型温度70〜80℃、樹脂温度180〜185℃、射出時間0.8〜1.0秒、射出圧350〜550kg/cm2 、冷却時間40〜45秒の条件で成形した。
図7に示す直動すべり軸受60の製造を行った。
このすべり軸受60は、合成樹脂製のすべり軸受本体62と、その外周を囲む含油ポリマ成形用材料からなる自己潤滑性組成物成形品63とを備えて一体である。自己潤滑性組成物成形品63は、少なくともその一部が軸受のすべり面61aに表出している。そのすべり面61aを図示されない軌道台のすべり面に接触させて直線運動させると、自己潤滑性組成物成形品63に含有された潤滑油が長期にわたり徐々にしみ出して両すべり面に供給され、常時、良好な潤滑状態が維持されるものである。
表1に示す材料G,H,Iにおいて、
材料Gは、樹脂と潤滑油の攪拌時間が短く両者の混合が十分でないため粉末状を呈しており、図1の圧送式ホッパ12でのフィードは困難であった。
また、材料Hについても、樹脂分が多くて圧送式ホッパ12では圧力が材料に吸収されてしまい、材料が射出成形機の材料入口部にかからず、スクリュウ5へのフィードができなかった。
材料Iは、射出成形機内への材料の移送は可能であるが、樹脂分が少なくて成形品がその形状を維持できない。
3 加熱シリンダ
3a 材料入口部
3b 材料出口部
5 スクリュウ
5a スクリュウのヘッド
6 ノズル
7 金型
11 成形部
12 ホッパ
15 ホッパ
Claims (5)
- ホッパから射出成形機の加熱シリンダの材料入口部へ材料を供給し、加熱シリンダ内へ配設したスクリュウの回転により、材料入口部から、スクリュウのヘッドと加熱シリンダのノズルとの間の材料出口部へ、材料を加熱しながら圧送し、材料出口部内の材料を、前記スクリュウで軸方向に押圧して金型の凹状の成形部へ射出する、スクリュウ式の射出成形機を用いた含油ポリマ成形品の製造方法であって、
前記材料は、超高分子ポリエチレン樹脂を含むポリエチレン樹脂10〜80重量%と、潤滑油20〜90重量%とからなる含油ポリマ成形用材料であり、前記潤滑油に前記ポリエチレン樹脂の一部を添加し、当該ポリエチレン樹脂の融点以上の温度に加熱して相溶させた後、冷却し、さらに残部のポリエチレン樹脂を加えて攪拌することで、前記含油ポリマ成形用材料をペースト状の混合物として得て、ホッパから前記ペースト状にした含油ポリマ成形用材料を加圧して材料入口部へ供給して、材料入口部内の材料の圧力を高めることを特徴とする含油ポリマ成形品の製造方法。 - 請求項1に記載の方法で得られた含油ポリマ成形品からなる玉軸受用保持器。
- 外輪と内輪との間に保持器に保持された転動体が配設され、外輪と内輪との間の空間内に、請求項1に記載の方法で得られた含油ポリマ成形品からなる自己潤滑性の充填材を充填して密封されている転がり軸受。
- 請求項1に記載の方法で得られた含油ポリマ成形品からなるボールねじ用自己潤滑性シール部材。
- 合成樹脂製のすべり軸受本体と、その外周を囲む含油ポリマ成形用材料からなる自己潤滑性組成物成形品とが一体化され、前記自己潤滑性組成物成形品は、請求項1に記載の方法で得られた含油ポリマ成形品である直動すべり軸受。
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