JP4055569B2 - バンパ取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のバンパ取付構造に関わり、特にバンパステイのエネルギ吸収の向上を図ったバンパ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の前後にはバンパが設けられていて、車両に前又は後から入力される衝撃荷重を吸収するようにしている(例えば、特許文献1参照)。この種のバンパ及びその作用の一例を、図9及び図10に示すように車両の前部側に設けられたバンパを例にして説明する。
【0003】
同図において、車両1の車体2は前後方向に延びるサイドメンバ3,4を左右にそれぞれ有しており、この両サイドメンバ3,4の先端部には支持プレート5,6がそれぞれ固定されている。
【0004】
また、車体2の前側又は後側には車体2の前端縁又は後端縁に沿って延びるバンパアーマチャ7が配設されている。このバンパアーマチャ7の両側には、押出材で形成した中空角筒体からなり且つ車体2側に延びるバンパステイ8,9の基部がそれぞれ固定されている。
【0005】
また、上記両バンパステイ8,9の車体側端部には、エンドプレート10,11がそれぞれ溶接固着されている。上記バンパアーマチャ7、両バンパステイ8,9及び両エンドプレート10,11等によりバンパアッセンブリ12が構成されている。
【0006】
そして、両エンドプレート10,11を上記各サイドメンバ3,4の支持プレート5,6にそれぞれボルト(図示しない)により固定することで、バンパアッセンブリ12は車体2に支持されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−19553号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両1が矢印14で示す方向に前進しているときに、車両1の右側(図9において左側)に外物15からオフセット荷重が入力される場合がある。このオフセット荷重により、車体2の右側の固定部13は図10に示すように圧潰する。
【0009】
そして、車両1の左側は圧潰しないので、左側(図9において右側)のバンパステイ8はバンパアーマチャ7によりオフセット側に引っ張られて、バンパステイ8に荷重Fが作用する。
【0010】
この曲げ荷重により、バンパステイ8に曲げ座屈が作用した場合、バンパステイ8の上下の壁が突っ張るためにバンパステイ8は断面変形が起こり難くなっている。
【0011】
このため、バンパステイ8とエンドプレート10との固定部13が図10の破断部13aで示すように少ない変位で外れてしまって、バンパステイ8の曲げ変形によるエネルギ吸収量がきわめて小さいという問題がある。
【0012】
また、車両1にオフセット荷重が入力されたときに、車両1の変形ストロークSとバンパアーマチャ7に働く荷重Fとの関係は、図7に示すように直線Jで示すようになる。
【0013】
この図7から分かるように、バンパステイ8の曲げ座屈強度に対してバンパステイ8とエンドプレート10との固定部13の強度F1の方が低いので、バンパステイ8の固定部13における荷重Fが図7において強度F1(A点)に達したときに固定部13が破断して破断部13aを生じる。
【0014】
このように、車両1のオフセット荷重入力によってバンパステイ8が曲げ変形しないことにより、バンパステイ8において吸収できるエネルギ量は右下がり斜線で示す「E1」となる。
【0015】
すなわち、車両1のオフセット荷重入力時においては、バンパステイ9において大部分の入力荷重エネルギが吸収され、反対側のバンパステイ8においては吸収量が少なく入力荷重エネルギの吸収効率が低下する問題がある。
【0016】
そこで、本発明は、車両の前後の何れか側にオフセット荷重が入力された場合においても、オフセット荷重の非入力側のバンパステイによる入力荷重エネルギの吸収を大きくさせて、入力荷重エネルギの吸収効率を向上させたバンパ取付構造を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、請求項1に記載の発明は、車体の前後方向に配設された一対のサイドメンバと、前記サイドメンバの端部に取り付けられ車体の前後方向に配設された一対のバンパステイと、車幅方向に配設され前記バンパステイに取り付けられたバンパアーマチャとを備えたパンパ取付構造において、前記バンパステイは断面が横向きの台形をなす筒体であって、左右の縦壁の一方の縦壁が他方の縦壁に対して長く形成され、且つ、長い方の縦壁の肉厚は短い方の縦壁の肉厚よりも薄く形成されていることを特徴としている。
【0018】
このように構成された請求項1の発明では、車両のオフセット荷重入力時において、オフセット荷重が非入力側のバンパステイにバンパアーマチャの引っ張りによる曲げ荷重が作用したとき、当該バンパステイの曲げ座屈強度が低下し、これにより、非入力側のバンパステイのサイドメンバへの固定部は破断することなく、バンパステイが曲げ変形を起こす。
【0019】
これにより、車両へのオフセット荷重入力時にバンパアーマチャに作用する衝撃力は、オフセット荷重入力側のバンパステイだけではなく、オフセット荷重の非入力側のバンパステイによっても確実に吸収することができて、バンパアーマチャに作用する衝撃力の吸収効率の向上を図ることができる。
【0020】
また、請求項2の発明は、前記横向きの台形をなす筒体には、前記左右の縦壁間の上壁及び下壁に、該筒体の長手方向に沿ってビードがそれぞれ形成されていることを特徴としている。
【0021】
このように構成された請求項2の発明では、バンパステイに曲げ荷重が作用したときに、上下の側壁が座屈変形されると共に、上下の側壁に形成されたビードにより上記座屈変形がより容易に行われる。
【0022】
これにより、車両へのオフセット荷重入力時に、非入力側のバンパステイが固定部が破断する前により確実に曲げ変形する。そして、バンパアーマチャに作用する衝撃力は、オフセット荷重入力側のバンパステイだけではなくオフセット荷重の非入力側のバンパステイによっても確実に吸収することができて、バンパアッセンブリに作用する衝撃力の吸収効率の向上を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図9及び図10に示したものと同一ないし均等なものは同一符号を付して説明する。
【0026】
図1〜図3において、車両16は矢印14方向を前進方向として走行する。車両16の車体17の前後方向の前側の端縁17aに沿って延びるバンパアーマチャ7が設けられている。
【0027】
本実施の形態では、車体17に備えられている両サイドメンバ3,4の先端部3a,4aに支持プレート5,6がそれぞれ固定されている。バンパアーマチャ7の車体側7aには、押出材で形成した中空角筒体からなる左右のバンパステイ18,19の車体側と反対側端部18b,19bがそれぞれ固定されている。
【0028】
また、上記両バンパステイ18,19の車体側端部18a,19aには、エンドプレート10,11がそれぞれ溶接により固着されている。上記バンパアーマチャ7、両バンパステイ18,19及び両エンドプレート10,11等によりバンパアッセンブリ20が構成されている。
【0029】
そして、図2に示すように各エンドプレート10,11を上記各サイドメンバの各支持プレート5,6にそれぞれボルト21により固定することで、バンパアッセンブリ20は車体17の前側の端縁17aに沿って延びるように支持されている。なお、上記端縁17aは、車体17の前端縁であってもよいし、車体17の後端縁であってもよい。
【0030】
図3に示すように、バンパステイ18に対するエンドプレート10の固定部22は、本実施の形態においてはアーク溶接により強い強度で固着されている。図4はバンパステイ18,19の一方(バンパステイ18)の形状の一例を示している。
【0031】
同図において、バンパステイ18はアルミニウム等の押出材で形成されおり、このバンパステイ18は左右の縦壁23,24と上下の壁25,26を有する 中空の略角筒体からなっている。
【0032】
上記バンパステイ18の縦壁23,24の一方の縦壁23の長さ「L2」は、他方の縦壁24の長さ「L1」に対して長く形成されていると共に、この長い方の肉厚「t2」は、短い方の縦壁24の肉厚「t1」よりも薄く形成されている。すなわち、バンパステイ18は横向きの台形状をなしている。
【0033】
また、上記バンパステイ18を上述のように形成したことによって、バンパステイ18の曲げ座屈強度はエンドプレート10に対するバンパステイ18の固定強度(溶接強度)よりも低くなるように構成されている。このバンパステイ18の曲げ座屈強度を低下させるメカニズムは図6により後で詳述する。
【0034】
次に、上記のように構成されたバンパ取付構造の作用を説明する。
【0035】
図1に示すように、矢印14方向に前進している車両16が外物15に対して車両16の幅方向の片側(例えば右側)のみにオフセット荷重が入力される場合において説明する。この場合、車両16の左側にはオフセット荷重が入力されない。このオフセット荷重の非入力側のバンパステイ18には、バンパアーマチャ7の右側がオフセット荷重により生じる引張荷重Fが作用する。
【0036】
このときの、オフセット荷重入力側の車両16の変形ストロークSとバンパステイ18に働く荷重Fとの関係は、前述したように従来構造においては図7の直線Jのようになっている。
【0037】
そして、図9に示すバンパアーマチャ7からの引っ張り荷重Fによりバンパステイ8とバンパステイ9との固定部13が破断部13aにおいて破断すると共に、バンパステイ8により吸収できるエネルギ量は右下がり斜線部で示す「E1」となることはすでに述べた通りである。
【0038】
これに対して本発明においては、バンパステイ18の荷重F−ストロークS特性は、図7の曲線Kで示すようになる。
【0039】
すなわち、本発明においては、バンパステイ18の曲げ座屈強度F3は、固定部13の固定部強度F1よりも低いため、荷重FがD点に達したときの荷重F3(F3≪F1)でバンパステイ18の曲げ座屈が起こり、B点(F1)に達するまでバンパステイ18の折れ変形が進み、荷重がF1に達したときに固定部13が破断する。
【0040】
このように本発明では、バンパステイ18の曲げ座屈強度がF1に達するまでにバンパステイ18によって吸収することができるエネルギ量は図示のように「E2」となっている。
【0041】
従って、本発明に関わるバンパアッセンブリ20のエネルギ吸収量「E2」と従来例のバンパアッセンブリ12の「E1」との大きさは、E2>E1となっているため、車両16へのオフセット荷重入力時においては、本発明に関わるバンパ取付構造の方がオフセット荷重非入力側におけるエネルギ吸収量が多い。
【0042】
このように、車両16へのオフセット荷重入力時において、バンパステイ18とエンドプレート10の固定部13が破断する前にバンパステイ18を曲げ変形させることで、車両16に作用する入力荷重エネルギを衝撃荷重非入力側のバンパステイ18に分散することができる。
【0043】
この結果、車両16のオフセット荷重入力側にのみに片寄った大きな衝撃力が作用するのを抑えることができ、オフセット荷重入力側の車体17の損傷を少なくすることができる。
【0044】
次に、バンパステイ18の曲げ座屈強度を低下させるメカニズムを図6に基づいて説明する。
【0045】
図6(a)において、バンパステイ18に曲げ荷重Fが加わる場合、バンパステイ18の上下の壁25,26にはバンパステイ18の断面を押し潰させようとする力f1が働く。
【0046】
このとき、上下の壁25,26は水平線に対してそれぞれ斜めに設定されているため、上壁25に対してはモーメントM1が、そして下壁26にはモーメントM2がそれぞれ働く。
【0047】
従って、上下の壁25,26はモーメントM1,M2により小さい荷重によっても容易に座屈して、バンパステイ18は固定部13が破断する前に曲げ座屈することとなる。
【0048】
なお、本実施例の場合には図6(a)に示すように短い縦壁24側に向かって曲げ荷重Fが作用した場合を説明したが、図6(b)に示すように縦壁23,24の長さ及び肉厚が逆の場合であっても同様にバンパステイ18の曲げ座屈強度を低下させることができる。
【0049】
すなわち、バンパステイ18に曲げ荷重Fが働いた場合、図6(b)のバンパステイ18では上壁25に(a)図とは逆方向のモーメントM1が、そして下壁26には逆方向のモーメントM2がそれぞれ作用する。
【0050】
そして、上下の壁25,26は図6(a)のバンパステイ18と同様にモーメントM1,M2により小さい荷重によっても容易に座屈して、バンパステイ18は固定部13が破断する前に曲げ座屈して入力荷重エネルギを大きく吸収する。
【0051】
なお、図4においてバンパステイ18に軸方向の荷重が作用した場合は、L1<L2、且つ、t1>t2の関係にあるため、Z軸まわりの図心がバンパステイ18の断面の幅方向の中心付近となり、バンパステイ18は軸方向への荷重によっては左右に折れ曲がりにくくなる。
【0052】
この結果、バンパステイ18に作用する軸方向への荷重によりバンパステイ18は軸圧潰して有効に入力荷重エネルギを吸収することができる。
【0053】
〈変形例1〉
図8(a)は本発明の変形例をそれぞれ示している。
【0054】
図8(a)において、バンパステイ18の上下の壁25,26にはバンパステイ18の長手方向に沿ってビード27がそれぞれ設けられている。
【0055】
上下の壁25,26にこのようなビード27を設けることにより、バンパステイ18に曲げ荷重Fが働く場合、図6で説明した荷重f1に対して上下の壁25,26が突っ張り難くいため、上下の壁25,26の座屈がより促進される。
【0056】
すなわち、バンパステイ18に働く曲げ荷重Fによりバンパステイ18は固着部22が破断する前に容易に曲げ座屈して入力荷重エネルギを吸収することができる。
【0057】
〈変形例2〉
また、図8(b)に示すバンパステイ18は、上下の壁25,26を水平状態にすると共に、縦壁24側に斜めの角部28を形成した断面形状になっている。
【0058】
バンパステイ18をこのように構成しても、バンパステイ18に曲げ荷重Fが働いた場合、バンパステイ18の断面を押し潰させようとする力f1の作用点は「29」となるため、上下の壁25,26に前述したモーメントM1,M2がそれぞれ働いて、前述した実施例と同様の作用効果が得られる。
【0059】
なお、本実施の形態では車両16の左側にあるバンパステイ18がオフセット荷重非入力側である場合について説明したが、右側のバンパステイ19もバンパステイ18と同様な構成になっているので、バンパステイ19が車両16のオフセット荷重非入力側であってもバンパステイ19がバンパステイ18と同様に曲げ変形して入力荷重エネルギを吸収することができる。
【0060】
また、バンパアッセンブリ20が車両16の前部に設けられた場合について説明したが、このバンパアッセンブリ20が車両16の後部に設けられた場合おいても同様の作用・効果を得ることができることは勿論である。
【0061】
さらに、車両16にバンパステイ18,19を配置する場合、短い方の縦壁23又は長い方の縦壁24がそれぞれ対向するようにして対称形にすることが望ましい。
【0062】
以上説明した本発明の実施の形態のバンパ取付構造では、車体17の前後方向の端縁17aに沿って延びるバンパアーマチャ7が設けられ、前記バンパアーマチャ7の前記端縁17aの車幅方向両側部に、車体前後方向へ向けてそれぞれ延びる一対のバンパステイ18,19が一体に設けられている。この各バンパステイ18,19の車体側端部18a,19aに設けられたエンドプレート10,11が前記端縁17aの両側部にそれぞれ固定されている。
【0063】
また、上記バンパステイ18,19の取付構造においては、前記バンパステイ18,19の曲げ強度を、前記エンドプレート10,11に対する前記バンパステイ18,19の固着部22の固定強度よりも小さくなるように構成している。
【0064】
この構成によれば、バンパステイ18,19の曲げ強度を、エンドプレート10,11に対する前記バンパステイ18,19の固着部22の固定強度よりも小さくしてあるので、車両16へのオフセット荷重入力時において、オフセット荷重非入力側のバンパステイ18,19にバンパアーマチャ7の引っ張りによる荷重Fが作用したときに、オフセット荷重非入力側のバンパステイ18の固着部22は破断することなくバンパステイ18が曲げ変形を起こす。
【0065】
これにより、車両16へのオフセット荷重入力時にバンパアッセンブリ20に作用する衝撃力は、オフセット荷重入力側のバンパステイ19だけではなくオフセット荷重非入力側のバンパステイ18によっても確実に吸収することができて、バンパアーマチャ7に作用する衝撃力の吸収効率の向上を図ることができる。
【0066】
また、この発明の実施の形態のバンパ取付構造では、前記バンパステイ18,19は断面が左右の縦壁23,24と上下の壁25,26を有する中空の略角筒体であって、且つ、前記左右の縦壁23,24の一方の縦壁23は他方の縦壁24に対して長く形成されている。また、前記上下の壁25,26の長手方向にビード27がそれぞれ形成されている。
【0067】
この構成によれば、バンパステイ18,19に曲げ荷重Fが作用したときに、上下の側壁25,26が座屈変形されると共に、上下の側壁25,26に形成されたビード27により上記座屈変形がより容易に行われる。
【0068】
これにより、車両16へのオフセット荷重入力時にオフセット荷重非入力側のバンパステイ18が固着部22が破断する前により確実に曲げ変形する。そして、バンパアッセンブリ20に作用する衝撃力は、オフセット荷重入力側のバンパステイ19だけではなくオフセット荷重非入力側のバンパステイ18によっても確実に吸収することができて、バンパアーマチャ7に作用する衝撃力の吸収効率の向上を図ることができる。
【0069】
さらに、この発明の実施の形態では、前記バンパステイ18,19は断面が左右の縦壁23,24と上下の壁25,26を有する中空の略角筒体であって、且つ、前記左右の縦壁23,24の一方の縦壁23は他方の縦壁24に対して長く形成されていると共に、この長い方の縦壁23の肉厚は前記短い方の縦壁24の肉厚よりも薄く形成されている。
【0070】
この構成によれば、バンパステイ18,19に曲げ荷重Fが作用したときに、上下の壁25,26にモーメントが作用して上下の壁25,26が座屈変形するので、バンパステイ18,19は容易に曲げ変形する。
【0071】
これにより、車両16へのオフセット荷重入力時にオフセット荷重非入力側のバンパステイ18が固着部22が破断する前に確実に曲げ変形する。そして、バンパアーマチャ7に作用する衝撃力は、オフセット荷重入力側のバンパステイ19だけではなく、オフセット荷重非入力側のバンパステイ18によっても確実に吸収することができて、バンパアーマチャ7に作用する衝撃力の吸収効率の向上を図ることができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係わる発明によれば、車両へのオフセット荷重入力時において、オフセット荷重非入力側のバンパステイにバンパアーマチャの引っ張りによる曲げ荷重が作用したときに、オフセット荷重非入力側のバンパステイのサイドメンバへの固定部は破断することなく、バンパステイが曲げ変形を起こす。
【0073】
これにより、車両へのオフセット荷重入力時にバンパアーマチャに作用する衝撃力は、オフセット荷重入力側のバンパステイだけではなくオフセット荷重非入力側のバンパステイによっても確実に吸収することができて、バンパアーマチャに作用する衝撃力の吸収効率の向上を図ることができる。
【0074】
また、請求項2に係わる発明によれば、バンパステイに曲げ荷重が作用したときに、上下の側壁が座屈変形されると共に、上下の側壁に形成されたビードにより上記座屈変形がより容易に行われる。
【0075】
これにより、車両へのオフセット荷重入力時にオフセット荷重非入力側のバンパステイが固定部が破断する前により確実に曲げ変形する。そして、バンパアーマチャに作用する衝撃力は、オフセット荷重入力側のバンパステイだけではなくオフセット荷重非入力側のバンパステイによっても確実に吸収することができて、バンパアーマチャに作用する衝撃力の吸収効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わるバンパ取付構造が適用された車両の前部を示す平面図である。
【図2】バンパアッセンブリ一部及びサイドメンバを示す斜視図である。
【図3】バンパステイの車体側端部とエンドプレートとの固定部を示す斜視図である。
【図4】バンパステイの断面図であって、図1におけるA−A線断面図である。
【図5】オフセット荷重が入力された車両の前部を示す平面図である。
【図6】(a)図はバンパステイに曲げ座屈強度を低下させるメカニズムを説明するためのバンパステイの断面図、(b)図はバンパステイの他の断面形状における曲げ強度を低下させるメカニズムを説明するための断面図である。
【図7】車両へのオフセット荷重入力時の入力側のストロークと非入力側のバンパスティに働く荷重との関係を示す線図である。
【図8】(a)図は本発明の変形例1を示すバンパステイの断面図、(b)図は変形例2に関わるバンパステイの断面図である。
【図9】従来のバンパ取付構造が適用された車両の前部を示す平面図である。
【図10】同じく、オフセット荷重が入力された従来の車両の平面図である。
【符号の説明】
L1,L2 バンパステの縦壁の長さ
t1,t2 バンパステイの縦壁の肉厚
7 バンパアーマチャ
10,11 エンドプレート
16 車両
17 車体
17a 車体前側の端縁
18 左側のバンパステイ
18a,19a バンパステイの車体側端部
18b,19b バンパステイの車体側と反対側端部
19 右側のバンパステイ
20 バンパアッセンブリ
22 固定部
23,24 縦壁
25 上壁
26 下壁
27 ビード
1 上下の壁の角部
Claims (2)
- 車体の前後方向に配設された一対のサイドメンバと、
前記サイドメンバの端部に取り付けられ車体の前後方向に配設された一対のバンパステイと、
車幅方向に配設され前記バンパステイに取り付けられたバンパアーマチャとを備えたパンパ取付構造において、
前記バンパステイは断面が横向きの台形をなす筒体であって、左右の縦壁の一方の縦壁が他方の縦壁に対して長く形成され、
且つ、長い方の縦壁の肉厚は短い方の縦壁の肉厚よりも薄く形成されていることを特徴とするバンパ取付構造。 - 前記横向きの台形をなす筒体には、前記左右の縦壁間の上壁及び下壁に、該筒体の長手方向に沿ってビードがそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1記載の記載のバンパ取付構造。
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