JP4055567B2 - 入場記念チケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遊園地や公園、記念館などの入場記念チケットに関し、特には付加価値をもつチケットであり、かつ入退場の情報管理を可能とする入場記念チケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような遊園地や公園、記念館では、入場者に入場料等と引き換えに紙製のチケットを発行し、入場時間などを記録したり、入場時にチケットに印字したり、入場時に一部を切り取ったり、退場時に回収するなどして、入場者数、入退場の時刻、中にいた時間などの情報管理など行なっている。
【0003】
しかしながら、これらの紙製のチケットは、表面は文字だけであったり、カラー印刷があったとしてもこれら遊園地や公園、記念館の外観の写真やポスター等の他の広告と同じ絵であったりなど、入場者として特に付加価値を感じるものではなかった。
【0004】
そして、退場時に回収する場合などでは上記のようなことから廃棄してしまうこともあるため回収率が悪い。たとえ回収できたとしても紙製のチケットであるため、折り曲げ、破れ、汚れ、濡れ、しわ等に対する耐性が弱いものであるので、回収できても管理情報の読み出しが困難となるという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、付加価値を有し、耐性があり、入場者の情報管理を可能とする入場記念チケットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を解決するため、すなわち請求項1記載の発明は、表面に微細な凹凸面を有するレンチキュラレンズシートを有し、この裏面に画像層と、接着剤層と、合成紙と、機械読取可能な印刷を含む層とを、少なくともこの順に設け、前記レンチキュラレンズシートの凹凸模様と平行方向に前記合成紙の目の方向を垂直にして、前記レンチキュラレンズシートと前記合成紙を貼り合せてなることを特徴とする入場記念チケットである。
【0007】
本発明はこの手段により、レンチキュラレンズシートとその裏面に設けられた画像印刷層により、立体視可能な画像や見る角度により変化する画像となりカラーコピー等の偽造物との対比が目視により容易に可能となる。また、レンチキュラレンズシートと合成紙の接着により、折り曲げ、破れ、反りなどに対する耐性の高いものとすることが可能となる。さらに合成紙に機械読取可能な印刷層を設けることで入退場の情報管理に利用可能なものとする事が可能となる。さらに画像層や印刷層を入場記念として付加価値の高いものとすることが可能となる。
そして、本発明はこの手段により、レンチキュラレンズの凹凸の溝方向に対する強度と合成紙の目の方向に対する強度をそれぞれ補完することが可能となり、チケット一体としてどの方向に対しても折り曲げ、反り、伸縮に対して耐性を有することが可能となる。
【0008】
また請求項2記載の発明は、前記レンチキュラレンズシートは、グリゴール変性ポリエチレンテレフタレートを8〜12%配合した非結晶性ポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1記載の入場記念チケットである。
【0009】
本発明はこの手段により、塩化ビニル系樹脂を用いず、非結晶性ポリエチレンテレフタレートである事で、廃棄処理する場合の環境問題を低減し、押出成形によるレンチキュラレンズシートの製造が容易なものとなる。さらにグリゴール変性ポリエチレンテレフタレートを8〜12%配合することで、裏面への直接印刷が好適なものとなり、さらには合成紙との接着が良好なものとすることが可能となる。
【0010】
また請求項3記載の発明は、前記非結晶性ポリエチレンテレフタレートは、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMとする)変性ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項2記載の入場記念チケットである。
【0011】
本発明はこの手段により、グリゴール変性ポリエチレンテレフタレートと混合する非結晶性ポリエチレンテレフタレートをCHDM変性ポリエチレンテレフタレートとすることで、深絞り適性に優れ、レンチキュラレンズシートの成形に特に優れたものとすることが可能となる。
【0012】
また請求項4記載の発明は、画像層は紫外線硬化型インキによる印刷層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の入場記念チケットである。
【0013】
本発明はこの手段により、本発明のレンチキュラレンズシートに施した印刷層を乾燥させるのに熱ではなく紫外線照射により可能となる。これにより熱によるレンチキュラレンズシートの変形等の問題を回避可能となる。かつ、画像印刷に重ねて全面に高濃度の白色反射印刷層を設ける場合であっても、溶剤をつかわないのでクラック等の問題が発生せずに印刷することが可能となる、さらにインキ皮膜が比較的柔軟であるので、好適に切断、積層等の後加工をすることが可能となる。
【0014】
また請求項5記載の発明は、前記合成紙はポリプロピレン樹脂を主原料とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の入場記念チケットである。
【0015】
本発明はこの手段により、水や油や薬品その他汚れに強いものとなる。また、特に上記非結晶性ポリエチレンテレフタレートと接着した場合の反りや収縮の問題がなく、組み合わせに適したものとなる。さらには特に感熱転写印刷が好適に適用可能なものとなり、後述する合成紙裏面への印刷に好適なものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。
図1に本発明の入場記念チケットの一実施例の断面の構造の概略を示す。レンチキュラレンズ1の裏面に、画像層2、接着剤層3、合成紙4、機械読取可能な印刷を含む層5とを設けてなる。
【0019】
本発明におけるレンチキュラレンズ1としては、グリゴール変性ポリエチレンテレフタレートを8〜12%配合した非結晶性ポリエチレンテレフタレートが好適である。完全非結晶性ポリエチレンテレフタレート(といわれる)グリゴール変性ポリエチレンテレフタレートはその物性に優れているが、耐性、コスト等が問題となることもあり、本発明においてはこれを他の非結晶性ポリエチレンテレフタレート特にはCHDM変性ポリエチレンテレフタレートに8〜12%好ましくは9〜11%最も好ましくは約10%配合することで、加工適性、印刷適性、合成紙との接着の適性などの点で優れたものとした。
【0020】
本発明における画像層2としては、紫外線硬化型インキによる印刷が、製造工程上乾燥の為に熱を加えない事から、レンチキュラレンズシートに直接印刷する場合に特に好適であるが、特にこれに限定するものではなく、レンチキュラレンズシートを通して立体視や見る角度によって画像が変わって見えるような印刷であれば実施可能である。また、画像層は4色印刷であって、さらに重ねて白色全面印刷層を設けても良い。
【0021】
本発明における接着剤層3としては、後述する合成紙により、用途別に特に合致するものより選定されている接着剤を用いるのが好適であるが、特にこれらに限定されるものではなく、適用可能である。
【0022】
本発明における合成紙4としては、ポリプロピレン樹脂を主成分とするものがしなやかさと強さを共存したものとして、挙げられる。例えば「ユポ」(YUPO、三菱化学、王子製紙)が、好適であるが特にこれに限定するものではなく、下記の機械読取可能の印刷を含む層を印刷可能であり、各種耐性、レンチキュラレンズシートとの接着適性に優れたものであれば適用可能である。
【0023】
本発明における入場記念チケットの機械読取可能な印刷を含む層5としては、印刷として、特にはバーコードであるが、カルラコード、2次元バーコードなど、上記合成紙に印刷可能であり、各種耐性に優れ、機械読取可能であれば適用可能である。また、図2に一例を示すように、機械読取可能なバーコード6の他、入場時間や退場時間7を入口、出口の読取装置で読み取りつつ記録しても良い。また印刷装置にて名前を入力することで自分の名前8を印刷できるようにしても良い。また、例えば公園内の各エリア毎に設けた通過確認装置にて通過エリアを示す印刷9を施しても良い。その他当日の入場記念となるような情報を印刷するようにして記念チケットとしての付加価値を高めることが可能となる。
【0024】
本発明の入場記念チケットの製造方法としては、まずレンチキュラレンズシートとしては凹凸ロールとニップロール間に連続押出にウエブ状連続成形が製造効率上好適であるが、特にこれに限定されるものではなく、金型によるプレス成形等でも可能である。印刷層は枚葉状レンチキュラレンズシート裏面に紫外線硬化型インキを枚葉オフセット印刷により施すのが、上記レンチキュラレンズシートに熱圧の負荷をそれほどかけずに印刷可能であるので好適であるが、特にこれに限定されるものはなく、位置あわせをして転写印刷するものであってもよい。合成紙の接着としては、各種合成紙推奨の接着剤を適用すればよい。合成紙への機械読取可能な印刷としては、入場記念チケットの発行と連動するものであれば感熱転写印刷が好適であるが、特にこれに限定するものではなく、合成紙の種類にもよるがインクジェット印刷などでも可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上に示した様に、本発明における請求項1記載の発明によれば、レンチキュラレンズシートとその裏面に設けられた画像印刷層により、立体視可能な画像や見る角度により変化する画像となりカラーコピー等の偽造物との対比が目視により容易に可能となる。また、レンチキュラレンズシートと合成紙の接着により、折り曲げ、破れ、反りなどに対する耐性の高いものとすることが可能となる。さらに合成紙に機械読取可能な印刷層を設けることで入退場の情報管理に利用可能なものとする事が可能となる。さらに画像層や印刷層を入場記念として付加価値の高いものとすることが可能となるという作用効果を奏する。
そして、レンチキュラレンズの凹凸の溝方向に対する強度と合成紙の目の方向に対する強度をそれぞれ補完することが可能となり、チケット一体としてどの方向に対しても折り曲げ、反り、伸縮に対して耐性を有することが可能となるという作用効果を奏する。
【0026】
また、請求項2記載の発明によれば、塩化ビニル系樹脂を用いず、非結晶性ポリエチレンテレフタレートである事で、廃棄処理する場合の環境問題を低減し、押出成形によるレンチキュラレンズシートの製造が容易なものとなる。さらにグリゴール変性ポリエチレンテレフタレートを8〜12%配合することで、裏面への直接印刷が好適なものとなり、さらには合成紙との接着が良好なものとすることが可能となるという作用効果を奏する。
【0027】
また請求項3記載の発明によれば、グリゴール変性ポリエチレンテレフタレートと混合する非結晶性ポリエチレンテレフタレートをCHDM変性ポリエチレンテレフタレートとすることで、深絞り適性に優れ、レンチキュラレンズシートの成形に特に優れたものとすることが可能となる。
【0028】
また請求項4記載の発明によれば、本本発明のレンチキュラレンズシートに施した印刷層を乾燥させるのに熱ではなく紫外線照射により可能となる。これにより熱によるレンチキュラレンズシートの変形等の問題を回避可能となる。かつ、画像印刷に重ねて全面に高濃度の白色反射印刷層を設ける場合であっても、溶剤をつかわないのでクラック等の問題が発生せずに印刷することが可能となる、さらにインキ皮膜が比較的柔軟であるので、好適に切断、積層等の後加工をすることが可能となるという作用効果を奏する。
【0029】
また、請求項5記載の発明により、水や油や薬品その他汚れに強いものとなる。また、特に上記非結晶性ポリエチレンテレフタレートと接着した場合の反りや収縮の問題がなく、組み合わせに適したものとなる。さらには特に感熱転写印刷が好適に適用可能なものとなり、後述する合成紙裏面への印刷に好適なものとなるという作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の入場記念チケットの一実施例の断面の構造を示す説明図である。
【図2】本発明の入場記念チケットの一実施例の機械読取可能な印刷を含む印刷を示す説明図である。
【符号の説明】
1…レンチキュラレンズシート
2…画像層
3…接着剤層
4…合成紙
5…機械読取可能な印刷を含む層
6…バーコード
7…入場時間、退場時間
8…名前
9…通過エリアを示す印刷
Claims (5)
- 表面に微細な凹凸面を有するレンチキュラレンズシートを有し、
この裏面に画像層と、接着剤層と、合成紙と、機械読取可能な印刷を含む層とを、少なくともこの順に設け、
前記レンチキュラレンズシートの凹凸模様と平行方向に前記合成紙の目の方向を垂直にして、前記レンチキュラレンズシートと前記合成紙を貼り合せてなることを特徴とする入場記念チケット。 - 前記レンチキュラレンズシートは、グリゴール変性ポリエチレンテレフタレートを8〜12%配合した非結晶性ポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1記載の入場記念チケット。
- 前記非結晶性ポリエチレンテレフタレートは、1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項2記載の入場記念チケット。
- 前記画像層は紫外線硬化型インキによる印刷層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の入場記念チケット。
- 前記合成紙はポリプロピレン樹脂を主原料とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の入場記念チケット。
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