JP4055068B2 - 車両の乗員保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、側面衝突時に確実に作動する車両の乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の衝突時に、乗員を死亡等から保護する乗員保護装置(エアバッグ)が装着された車両が増えている。衝突には、車両の前面(正面)が衝突する正面衝突の他、側面が衝突する側面衝突がある。側面衝突は通常車両の側面に配置した側面センサにより衝突を検知し、それに基づき駆動装置が作動してエアバッグが展開する。
【0003】
従来のエアバッグ装置(特許文献1参照)では、車両の左側面及び右側面に側面衝突を検知するためのセンサを1つずつ配置し、左側面の衝突も右側面の衝突も左側部のセンサと右側部のセンサとで検知している。例えば、左側面が衝突すると、左側面のセンサ及び右側面のセンサで衝突を検知し、ECUが作動して左座席用エアバッグが展開する。乗員保護装置の起動に左側面のセンサ及び右側面のセンサの信号を使用して冗長系を構成し、信頼性を向上することを意図している。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−86787号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のエアーバッグ装置は衝突判定性能が十分とは言い難い。例えば左側面の衝突時、左側面には大きな衝撃が加わるので、左側面のセンサは衝突を確実に検知できる。これに対して、右側面の衝撃は右側面に伝達される間にある程度減衰するので、右側面のセンサは伝達される衝撃を確実に検知できるとは言い難い。右側面のセンサにより左側面の衝突をより確実に検知するためには、右側面のセンサの感度を向上させなければならない。つまり、左側面の1つのセンサと右側面の1つのセンサとで確実に作動させるには限界がある。
【0006】
これを考慮して、左側面に2つのセンサを配置するとともに右側面の2つのセンサを配置することも試みられている。その場合、左側面の2つのセンサ及び右側面の2つのセンサをそれぞれECUに並列に接続すると、左側面とECUとの間及び右側面とECUとの間にそれぞれ2本のバスが延び、煩雑である(後述する比較例参照)。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両の左側面に2つのセンサを配置し右側面にそれぞれ2つのセンサを配置した場合でも、バスの配線が簡素で、しかも確実な冗長性を持つ車両の乗員保護装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の発明者は、左側部の2つのセンサを直列に接続するとともに右側部の2つのセンサを直列に接続し、左側部の衝突を左側部のセンサと右側部のセンサで検知し、右側部の衝突を右側部のセンサと左側部のセンサとで検知することを思い付いて、本発明を完成した。
【0009】
本願の第1発明による車両の乗員保護装置は、請求項1に記載したように、車両の側面衝突から乗員を保護する装置が、車両の左側部に配置され直列に接続された左座席用主センサ及び右座席用副センサと;車両の右側部に配置され直列に接続された右座席用主センサ及び左座席用副センサと;左座席用エアバッグ駆動装置及び右座席用エアバッグ駆動装置と;車両の中央部に配置され、衝突判定手段及びゲート手段を含むセンタECUと、から成る。
【0010】
衝突判定手段は、左座席用主センサの信号及び右座席用主センサの信号を取り出す主衝突判定部と、左座席用副センサの信号及び右座席用副センサの出力を取り出す副衝突判定部とを有する。ゲート手段は、主衝突判定部及び副衝突判定部からの信号に基づき左座席用エアバッグ駆動装置を作動させる左座席用ゲートと、主衝突判定部及び前記副衝突判定部からの信号に基づき右座席用エアバッグ駆動装置を作動させる右座席用ゲートとを有する。
【0011】
この乗員保護装置において、左側部の衝突を左側部の左座席用主センサ及び右側部の左座席用副センサで、右側部の衝突を右側部の右座席用主センサ及び左側部の右座席用副センサで検知する。検知結果に基づき、主衝突判定部及び副衝突判定部が衝突の有無を判定する。判定結果に基づき、左座席用ゲート及び右座席用ゲートが左座席用及び右座席用エアバッグ駆動装置を作動させるかどうかを判断する。
【0012】
更に、左座席用主センサ及び右座席用副センサからの信号を変換して主衝突判定部及び副衝突判定部に入力する第1信号変換部と、右座席用主センサ及び左座席用副センサからの信号を変換して主衝突判定部及び副衝突判定部に入力する第2変換部と、を有する信号変換手段を含む。
【0013】
副衝突判定部は、第1信号変換部から右座席用副センサの信号を盗信し、第2信号変換部の信号から左座席用副センサの信号を盗信する盗信機能を持つ。
【0014】
請求項2の乗員保護装置は、請求項1において、主衝突判定部は、第1信号変換部の信号から左座席用主センサの信号を取り出すとともに第2信号変換部の信号から右座席用主センサの信号を取り出す。
【0015】
本願の第2発明による車両の乗員保護装置は、請求項3に記載したように、
車両の側面衝突から乗員を保護する装置であって、
車両の左側部に配置され直列に接続された左座席用主センサ及び右座席用副センサと、
車両の右側部に配置され直列に接続された右座席用主センサ及び左座席用副センサと、
左座席用エアバッグ駆動装置及び右座席用エアバッグ駆動装置と、
車両の中央部に配置され、衝突判定手段及びゲート手段を含むセンタECUと、から成り、
前記衝突判定手段は、前記左座席用主センサの信号及び前記右座席用主センサの信号を取り出す主衝突判定部と、前記左座席用副センサの信号及び前記右座席用副センサの出力を取り出す副衝突判定部とを有し、
前記ゲート手段は、前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部からの信号に基づき前記左座席用エアバッグ駆動装置を作動させる左座席用ゲートと、前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部からの信号に基づき前記右座席用エアバッグ駆動装置を作動させる右座席用ゲートと、を有し、
更に、前記左座席用主センサ及び右座席用副センサからの信号を変換して前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部に入力する第1信号変換部と、前記右座席用主センサ及び左座席用副センサからの信号を変換して前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部に入力する第2信号変換部と、を有する信号変換手段を含み、
前記信号変換手段と前記副衝突判定部との間に、第1信号変換部から前記右座席用副センサの信号を盗信し、第2信号変換部から前記左座席用副センサの信号を盗信する盗信手段を持つ。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明による車両の乗員保護装置は、左座席用主センサ及び左座席用副センサと、右座席用主センサ及び右座席用副センサと、左座席用エアバッグ駆動装置及び右座席用エアバッグ駆動装置と、センタECUと、を含む。
(1) センサ
左側部の左座席用主センサと右側部の左座席用副センサとで左側面への衝突を検知し、右側部の右座席用主センサと左側部の右座席用副センサとで右側面への衝突を検知する。主センサ及び副センサは例えば、四角枠体の一辺から内向きにカンチレバー部を突出させ、その自由端にピエゾ素子から成るゲージ部を設けたものである。
(2) センタECU
A.信号変換手段
▲1▼信号変換手段は、主センサ及び副センサが出力する信号をデコード(通常信頼性を向上させるためにコーディングされているセンサの信号から基の信号を取り出すこと)し、内部のメモリに格納する。左側部に配置された左座席用主センサ及び右座席用副センサの信号を変換する第1変換部と、右側部に配置された右座席用主センサ及び左座席用副センサの信号を変換する第2変換部とを含む。
▲2▼信号変換手段には2つのタイプがある。第1タイプでは、第1変換部は第1通信ICからなり、第2変換部は第2通信ICから成る。第2タイプでは、第1変換部は第1通信IC及び第1コピー部から成り、第2変換部は第2通信IC及び第2コピー部から成る。
B.衝突判定手段
▲1▼衝突判定手段は、信号変換手段からの信号に基づき、左側部及び/又は右側部で衝突に相当する加速度の変化が生じているか否かを判定する。主センサからの信号に基づき判定する主衝突判定部(メインマイコン)と、副センサからの信号に基づき判定する副衝突判定部(サブマイコン)とを含む。
▲2▼主衝突判定部は、第1信号変換部から左座席用主センサの信号を、第2信号変換部から右座席用主センサの信号を取り出す。
【0018】
副衝突判定部には3つのタイプがあり、第1タイプは第1信号変換部及び第2信号変換部の信号から各々右座席用副センサ及び左座席用副センサの信号を盗信する。第2タイプは盗信機能を持たず、代わりに信号変換手段と副衝突判定部との間に盗信(スチール)手段が配置される。
【0019】
第3タイプの副衝突判定部は第1信号変換部から右座席用副センサの信号を、第2信号変換部から左座席用副センサの信号を取り出す(盗信機能は不要)。
C.ゲート手段
ゲート手段は左座席用ゲートと右座席用ゲートを含む。左座席用ゲートは左座席用の主衝突変換部と副衝突変換部の信号に基づき、左座席用エアバッグ駆動装置を作動させる。右座席用ゲートは右座席用の主衝突変換部と副衝突変換部の信号に基づき、右座席用エアバッグ駆動装置を作動させる。
(3) エアバッグ、エアバッグ駆動装置
エアバッグは車両の左側部の前方座席及び/又は後方座席に対応する部分と、右側部の前方座席及び/又は後方座席に対応する部分とに装備される。エアバッグ駆動装置はエアバッグに対応して配置される。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施例>
図1及び図2に第1実施例を示す。センサの配置を示す図1において、車両10の前後方向の中央部即ち前方座席11L、11Rと後方座席12L、12Rとの間で、しかも左右(幅)方向で中央部即ち左側座席11L、12Lと右側座席11R、12Rとの間に、センタECU30が配置されている。
【0021】
車両の左側部14Lの前後方向の中央部即ち左前方座席11Lと左後方座席12Lとの間に右座席用副センサ16が配置され、ほぼ同じ位置に左座席用主センサ17が配置されている。右座席用副センサ16がセンタECU30に接続され、左座席用主センサ17が右座席用副センサ16に接続されている。同様に、右側部14Rの前後方向に中央部即ち右前方座席11Rと右後方座席12Rとの間に左座席用副センサ19が配置され、ほぼ同じ位置に右座席用主センサ21が配置されている。左座席用副センサ19がセンタECU30に接続され、右座席用主センサ21が左座席用副センサ19に接続されている。
【0022】
左側部14Lにはセンタピラー付近に、左前方座席11Lの乗員を保護するエアバッグを展開させる左前方座席用駆動装置70Lが配置されている。右側部14Rにはセンタピラー付近に、右前方座席11Rの乗員(運転者)を保護するためのエアバッグを展開させる右前方座席用駆動装置70Rが配置されている。
【0023】
上記センタECU30の詳細を図2に示す。このセンタECU30は車両の前面衝突を検知するメカニカルセンサ(不図示)の他、信号変換手段32と、衝突判定手段45と、ゲート手段65とを含む。このうち、信号変換手段32は並列に配置された2つの信号変換部34及び38を含み、第1信号変換部34は第1通信IC35を、第2信号変換38は第2通信IC39を持つ。第1通信IC35はバス18を介して、右座席用副センサ16及び左座席用主センサ17の信号が入力される。第2通信IC39はバス22を介して左座席用副センサ19及び右座席用主センサ21からの出力信号が入力される。
【0024】
衝突判定手段45は左座席用主衝突判定部46及び右座席用主衝突判定部51を持つ主衝突判定部(メインマイコン)55と、左座席用副衝突判定部56及び右座席用副衝突判定部61を持つ盗信用の副衝突判定部(サブマイコン)60とを有する。
【0025】
左座席用主衝突判定部46はリード47を介して第1通信IC35の信号から左座席用主センサ17からの信号を取り出す。右座席用主衝突判定部51はリード52を介して第2通信IC39の信号中から右座席用主センサ21からの信号を取り出す。左座席用主衝突判定部46の信号はリード48を介して左座席用ゲート66に出力され、右座席用主衝突判定部51の信号はリード53を介して右座席用ゲート68に出力される。
【0026】
上記左座席用主衝突判定部46よりも性能が低い左座席用副衝突判定部56は第2通信IC39の信号から左座席用副センサ19の信号をリード57を介して盗信し、リード58を介して左座席用ゲート66に出力する。上記右座席用主衝突判定部51よりも性能が低い右座席用副衝突判定部61は第1通信IC35の信号から右座席用副センサ16の信号をリード62を介して盗信し、リード63を介して右座席用ゲート68に出力する。
【0027】
左座席用主衝突判定部46からの信号及び左座席用副衝突判定部56からの信号に基づき、アンド要件が満たされたか否かを、左座席用ゲート66が判断し、リード67を介して上記左座席用エアバッグ駆動装置70Lに作動信号を出力する。同様に、右座席用主衝突判定部51及び右座席用副衝突判定部61からの信号に基づきアンド要件を右座席用ゲート68が判断し、リード69を介して右座席用エアバッグ駆動装置70Rに作動信号を出力する。
(作用)
他の車両が左側部14L上の左座席用主センサ17に衝突した場合を想定する。左側部14Lに加わる衝撃を、左座席用主センサ17及び右座席用副センサ16が検知し、これらの信号が第1通信IC35に入力される。左側面14Lへの衝突は右側部14へも伝達するので、右側部14Rの右座席主センサ21及び左座席副センサ19も衝撃を検知し、これらの信号が第2通信IC39に入力される。
【0028】
第1通信IC35に入力される二種類の信号のうち、左座席用主センサ17からの信号(実線で図示)をリード47を介して左座席用主衝突判定部46が取り出す。また、第2通信IC39に入力される二種類の信号のうち、左座席用副センサ19の信号(破線で図示)をリード57を介して左座席用副衝突判定部56が盗信する。
衝突が左座席用主センサ17の近傍で起こったので、左座席用主衝突判定部46は衝突を判定する。また、左側部14Lの衝撃が右側部14Rにも伝達するので左座席用副衝突判定部56も衝突を判定する。その結果、左座席用ゲート66が左側部14Lへの衝突があったと判断し、左座席用エアバッグ駆動装置70Lを作動させ、左座席用エアバッグが展開される。
【0029】
一方、第2通信IC39に入力される二種類の信号のうち、右座席用主センサ21からの信号(実線で図示)をリード52を介して右座席用主衝突判定部51が取り出す。また、第1通信IC35に入力される二種類の信号のうち、右座席用副センサ16の信号(破線で図示)をリード62を介して右座席用副衝突判定部61が盗信する。但し、右側部14Rに加わる衝撃は小さいので、右座席用主衝突判定部51は衝突なしと判定する。よって、右シー用ゲート64でアンド条件が満たされず、右座席用エアバッグ駆動装置70Rは作動しない。
(効果)
この実施例によれば、以下の効果が得られる。先ず、左側部14Lの左座席用主センサ17及び右座席用副センサ16とセンタECU30との間のバス18、及び右側部14Rの右座席用主センサ21及び左座席用副センサ19とセンタECU30との間に、バス22がそれぞれ1本で済む。これは、座席用主センサ17と右座席用副センサ16とを直列に、右座席用主センサ21と左座席用副センサ19とを直列に接続し、その上でサブマイコン60に盗信機能を持たせたことによる。
【0030】
第2に、左座席用主センサ17から左座席用ゲート66までの駆動系と、左座席用副センサ19から左座席用ゲート66までの駆動系とが冗長系となっている。右座席用主センサ21及び右座席用副センサ16から右座席用ゲート68までについても同様である。よって、一カ所の故障のみで乗員保護装置が誤って動作することはない。
【0031】
第3に、コストの上昇が抑制されている。左座席用主センサ17及び右座席用副センサ16が1つの第1通信IC35に接続され、右座席用主センサ21及び左座席用副センサ19が1つの第2通信IC39に接続され、通信IC35及び39が2つで済むからである。これに関連して、左座席用副衝突判定部56及び右座席用副衝突判定部61は、主衝突判定部の補助的役割であり、複雑な判定をしなくて良い、性能が低くても良く、安価になる。
【0032】
最後に、センタECU30は側面衝突検知用のセンサを持つことが不要で、その分センタECU30の構成が簡単になる。
<比較例>
図3及び図4に第1実施例の比較例を示す。図3に示すように、この比較例では、左側部14Lに配置された左座席用主センサ17及び右座席用副センサ16、並びに右側部14Lに配置された右座席用主センサ21及び左座席用副センサ19が、それぞれ並列的にセンタECU30に接続されている。
【0033】
図4に示すように、センタECU30の主信号変換部110は並列に配置された左座席用主通信部112及び右座席用主通信部115を含む。左座席用主センサ17が左座席用主通信部112に接続され、右座席用主センサ21が右座席用主通信部115に接続されている。左座席用主通信部112からのリードと右座席用主通信部115からのリードは合流した後主衝突判定部120内で2本に分岐し、一方が左座席用主衝突変換部122に、他方が右座席用主衝突変換部125に、それぞれ接続されている。
【0034】
左座席用副センサ16が左座席用副通信部135に接続され、右座席用副センサ16が右座席用副通信部132に接続されている。左座席用副通信部132からのリードと右座席用副通信部132からのリードは合流した後副衝突判定部140内で分岐し、一方が左座席用副衝突変換部142に接続され、他方が右座席用副衝突変換部145に接続されている。
【0035】
この比較例では、左座席用主センサ17及び右座席用副センサ16とセンタECU30とが2本の経路101及び102で接続され、右座席用主センサ21及び左座席用副センサ19センタとECU30とが2本の経路103及び104で接続され、その分コストが上昇している。
<第2実施例>
図5に本発明の第2実施例を示す。この実施例は、上記第1実施例と比べて、サブマイコン150は盗信機能を持たず、信号変換手段32とサブマイコン150との間に盗信(スチール)IC160が配置されている点が異なる。
【0036】
詳述すると、第1通信IC35から左座席用主衝突判定部46に延びたリード47から分岐した第1分岐リード161がスチールIC160に接続されている。また、第2通信IC39から右座席用主衝突判定部51に延びたリード52から分岐した第2分岐リード162がスチールIC160に接続されている。スチールIC160から延びた1本のリード164が分岐して左座席用副衝突判定部152及び右座席用副衝突判定部155に接続されてい
左側部14Lが衝突したとき、第1通信IC35及び第2通信IC39と左座席用副衝突判定部152及び右座席用副衝突判定部155との間では、スチールIC160を介して信号が授受される。即ち、スチールIC160は第1通信IC35から右座席用副センサ16の出力をスチール(盗信)し、右座席用副判定部155に出力する。同様に、第2通信IC39から左座席用副センサ19の出力をスチールし、左座席用副判定部155に出力する。これらの信号に基づき、メインマイコン55及びサブマイコン150で第1実施例と同様の判定がなされる。
【0037】
この実施例によれば、専用のスチールIC160が第1通信IC35及び第2通信IC39から信号を盗信するので、サブマイコン150が盗信機能を持つことは不要となる。その結果、サブマイコン150は第1実施例のサブマイコン60に比べてさらに性能の低いもので済み、その分安価になる。なお、衝突判定の設定値は車両によって異なるため、サブマイコンは車両毎に異なり、高価になる。これに対して、スチールICはIC製造技術によって量産でき、比較的安価である。
<第3実施例>
図6に示す本発明の第3実施例は、上記第1実施例と比べて、信号変換手段及び衝突判定手段の構成が異なる。
【0038】
信号変換手段200の第1信号変換部210は、左座席用主センサ17からの信号を変換する第1通信IC212と、右座席用副センサ16からの信号をデータコピーする第1コピー部215とを持つ。第1通信IC212の信号がリード213を介して衝突判定手段230のメインマイコン240の左座席用主衝突判定部242に入力され、第1コピー部215の信号がリード216を介して、サブマイコン250の右座席用副衝突判定部255に入力されている。
【0039】
同様に、 右座席用信号変換部220は、右座席用主センサ21の信号を変換する第2通信IC222と、左座席用副センサ19の信号をデータコピーする第2コピー部225とを持つ。第2通信IC222の信号がリード223を介して右座席用主衝突判定部245に入力され、第2コピー部225の信号がリード226を介して左座席用副衝突判定部255に入力されている。
【0040】
左側部14Lへの衝突時、左座席用主センサ17の信号が第1通信IC212から左座席用主衝突判定部242に入力される。右座席用副センサ16の信号が第1コピー部215でコピーされ、右座席用副衝突判定部255に入力される。同様に、右座席用主センサ21の信号が第1通信IC222から右座席用主衝突判定部245に入力され、左座席用副センサ19の信号が第2コピー部225でコピーされ、左座席用副衝突判定部252に入力される。
【0041】
左座席用衝突判定部242及び左座席用副衝突判定部252からの信号に基づき、左座席用ゲート66が左座席用エアバッグの作動の要否を判断する。
【0042】
この実施例によれば、信号変換手段210にデータコピー機能を持たせたことにより、サブマイコン250が盗信機能を持つことも、スチールICを介在させることも不要となる。
【0043】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明による車両の乗員保護装置によれば、左右側部に主センサ及び副センサを直列に配置し、これらセンサからの信号に基づき主衝突判定部及び副衝突判定部で衝突の有無を判定する。よって、左側部のセンサ及び右側部のセンサとECUとが1本のバスで接続されながら、冗長性を持つので一カ所の故障のみで誤作動することがない乗員保護装置を実現することができる。
【0044】
また、本発明の乗員保護装置によれば、主センサ及び副センサの信号に基づく衝突判定手段での衝突判定が容易になり、また変換された信号から副衝突判定部が副センサの信号を容易に取り出し、衝突の判定に使用できる。
【0045】
また、本発明の乗員保護装置によれば、途中に介在させた盗信手段のおかげで、主衝突判定部が盗信機能を持つことが不要となり、構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体図である。
【図2】第1実施例のセンタECUの説明図である。
【図3】第1実施例の比較例の説明図である。
【図4】第2実施例のセンタECUの説明図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す全体図である。
【図6】第3実施例のセンタECUの説明図である。
【符号の説明】
10:車両 11L:左前方座席
11R:右前方座席 12L:左後方座席
12R:右後方座席 14L:左側部
14R:右側部 16:右座席用副センサ
17:左座席用主センサ 19:左座席用副センサ
21:右座席用主センサ 32:信号変換手段
34:第1信号変換部 38:第2信号変換部
45:衝突判定手段
55:メインマイコン(主衝突判定部)
60:サブマイコン(副衝突判定部)
66:第1ゲート 68:第2ゲート
Claims (3)
- 車両の側面衝突から乗員を保護する装置であって、
車両の左側部に配置され直列に接続された左座席用主センサ及び右座席用副センサと、
車両の右側部に配置され直列に接続された右座席用主センサ及び左座席用副センサと、
左座席用エアバッグ駆動装置及び右座席用エアバッグ駆動装置と、
車両の中央部に配置され、衝突判定手段及びゲート手段を含むセンタECUと、から成り、
前記衝突判定手段は、前記左座席用主センサの信号及び前記右座席用主センサの信号を取り出す主衝突判定部と、前記左座席用副センサの信号及び前記右座席用副センサの出力を取り出す副衝突判定部とを有し、
前記ゲート手段は、前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部からの信号に基づき前記左座席用エアバッグ駆動装置を作動させる左座席用ゲートと、前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部からの信号に基づき前記右座席用エアバッグ駆動装置を作動させる右座席用ゲートと、を有し、
更に、前記左座席用主センサ及び右座席用副センサからの信号を変換して前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部に入力する第1信号変換部と、前記右座席用主センサ及び左座席用副センサからの信号を変換して前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部に入力する第2信号変換部と、を有する信号変換手段を含み、
前記副衝突判定部は、第1信号変換部の信号から前記右座席用副センサの信号を盗信し、第2信号変換部の信号から前記左座席用副センサの信号を盗信する盗信機能を有することを特徴とする車両の乗員保護装置。 - 前記主衝突判定部は、前記第1信号変換部の信号から前記左座席用主センサの信号を取り出すとともに前記第2信号変換部の信号から前記右座席用主センサの信号を取り出す請求項1に記載の乗員保護装置。
- 車両の側面衝突から乗員を保護する装置であって、
車両の左側部に配置され直列に接続された左座席用主センサ及び右座席用副センサと、
車両の右側部に配置され直列に接続された右座席用主センサ及び左座席用副センサと、
左座席用エアバッグ駆動装置及び右座席用エアバッグ駆動装置と、
車両の中央部に配置され、衝突判定手段及びゲート手段を含むセンタECUと、から成り、
前記衝突判定手段は、前記左座席用主センサの信号及び前記右座席用主センサの信号を取り出す主衝突判定部と、前記左座席用副センサの信号及び前記右座席用副センサの出力を取り出す副衝突判定部とを有し、
前記ゲート手段は、前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部からの信号に基づき前記左座席用エアバッグ駆動装置を作動させる左座席用ゲートと、前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部からの信号に基づき前記右座席用エアバッグ駆動装置を作動させる右座席用ゲートと、を有し、
更に、前記左座席用主センサ及び右座席用副センサからの信号を変換して前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部に入力する第1信号変換部と、前記右座席用主センサ及び左座席用副センサからの信号を変換して前記主衝突判定部及び前記副衝突判定部に入力する第2信号変換部と、を有する信号変換手段を含み、
前記信号変換手段と前記副衝突判定部との間に、第1信号変換部から前記右座席用副センサの信号を盗信し、第2信号変換部から前記左座席用副センサの信号を盗信する盗信手段を有することを特徴とする車両の乗員保護装置。
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