JP4054528B2 - n−ブタノールを製造するための方法 - Google Patents

n−ブタノールを製造するための方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、n−ブチルアルデヒドの水素化および生成する粗製のn−ブタノールの精留による精製n−ブタノールを製造するための改良法に関する。
【0002】
関連分野の説明を含む背景情報
例えば、一酸化炭素および水素と反応させることによるプロピレンのヒドロホルミル化によって得られるn−ブチルアルデヒドの水素化によりn−ブタノールを製造することは公知である。しかし、種々の用途について、例えば、脂肪、ワックスおよび樹脂用の溶剤として、および、レーヨン、洗剤および種々のブチル化合物の製造において適するためには、n−ブタノールは、ヒドロホルミル化および水素化反応によって生成する種々の不純物が特に低レベルである高純度を有する必要がある。この問題に対処するために、水素化反応によって生成する粗製のn−ブタノールは、概して、精留によって精製する必要がある。蒸留によって取り除かんと意図される不純物の1つは、大気圧沸点142℃を有するが、水が存在しないと、n−ブタノールと大気圧沸点約117.6℃を有する2成分共沸混合物を形成するジ−n−ブチルエーテル(DBE)である。これは、純粋なn−ブタノールの沸点約117.2℃に非常に近く、水が存在しない時に、n−ブタノールからDBEを分離することを困難とする。しかし、水の存在では、沸点約90.6℃を有する水、n−ブタノールおよびDBEの3成分共沸混合物を形成し、これは、大量のn−ブタノール生成物からDBEを分離するのに利用することができる。n−ブチルアルデヒドを接触水素化してn−ブタノールを形成する間に生成されるその他の不純物は、いわゆる“ヘビーエンド(heavy ends)”であり、これは、比較的高沸であり、蒸留による精製の間に壊れやすく、“過マンガン酸塩時間浪費物(permanganate time consumers)”(PTC)、すなわち、ある一定の不飽和化合物および発色団、例えば、オレフィン類、アルデヒド類およびケトン類を蒸留の間に形成する。PTCは、DBEのようなその他の不純物のように、n−ブタノール生成物中に存在する場合には、また、最終使用用途に悪影響を及ぼすかもしれず、DBEのように、n−ブタノールからのそれらの分離は、蒸留塔内における水の存在によって促進される。
【0003】
いずれかのある一定の触媒、例えば、ラネーニッケルをn−ブチルアルデヒドのn−ブタノールへの水素化のために使用する時、かなり大量の水、例えば、約8〜15重量%の水がアルデヒド供給物に加えられるが、これは、そのような量の水を存在させることによりアルデヒドの水素化の副反応物として形成されるDBEの量を減少させるためであり、また、形成される大量のDBEを先に考察した3成分共沸混合物としてn−ブタノール生成物から確実に分離しうるようにするためであり、精留塔内でヘビーエンドから形成されるPTCの除去もまた促進するためである。しかし、精留塔内におけるこのような大量の水の存在は、存在する水を気化させるために、概して、スチーム消費によるエネルギーの実質的な浪費をまねき、また、精製を行うためにより大きな塔を必要としかねない。かくして、生成物中に存在するDBEおよびPTCの量を増大させることなく、反応器および精留塔で必要とされる水の量を少なくし、かくして、エネルギー消費を少なくし、また、恐らくは、塔のサイズを小さくすることをもたらすプロセスにおける変更は、いずれも、望ましい。
【0004】
以下の従来技術文献は、請求する本発明に関して重要であると考えることができる。
【0005】
Saito et al.に対して1981年4月21日に発行された米国特許No.4,263,449は、アルケニル化合物、例えば、プロピレンのヒドロホルミル化;および、生成するアルデヒドの水素化触媒、例えば、ラネーコバルトの存在での水素化によりアルコール類、例えば、ブタノールを製造するための方法を開示している。水は、水素化前にヒドロホルミル化によって製造されるアルデヒドに基づき、重量で、0.5〜30倍の比で加えられる。
【0006】
Cheng et al.に対し1989年5月2日に発行された米国特許No.4,826,799は、ラネープロセス金属合金、例えば、コバルトおよびアルミニウムのラネープロセス金属合金をポリマーおよび可塑剤のマトリックス内で造粒し;続いて、可塑剤、または、可塑剤とポリマーとを除去し、アルミニウムを苛性アルカリで浸出させる各工程を含むラネープロセスにより触媒を製造する方法を教示している。
【0007】
発明の概要
本発明に従えば、精製n−ブタノールは、水素化域で、n−ブチルアルデヒドおよび水素を、アルデヒドからアルコールを生成させるための温度および圧力についての水素化条件下で、実質的に水を存在させないか、または、生成する粗製のn−ブタノール液体水素化反応生成物の重量に基づき約6重量%以下の量、水を存在させて、活性多孔質コバルト触媒と接触させ、精留塔への供給物の合計重量に基づき約0.01〜約6重量%の水の存在で精留によりその反応生成物を精製することを含む方法によって製造される。
【0008】
水素化プロセスにおける活性多孔質コバルト触媒の使用は、驚くべきことに、ラネーニッケルのような触媒を使用する時よりも、DBEおよびヘビーエンドを含め大部分の不純物について、有意に少ない量の生成をもたらす。これは、n−ブタノールからDBEを分離するために必要とされる3成分共沸混合物の形成およびPTCの除去に必要とされる水の量が少ないので、水素化プロセスからのn−ブタノール生成物を精製する精留塔における水の使用量を実質的に少なくすることを可能とする。これは、ひいては、塔において水を気化するために必要とされる、例えば、スチームの形でのエネルギーを少なくし、また、より小さな塔の使用、または、既存の塔によるn−ブタノールの生産率を高めることを可能とする。
【0009】
発明の詳細な説明
本発明のプロセスへのn−ブチルアルデヒド供給物は、いずれの源、例えば、プロピレンの貴金属−ホスフィンリガンド触媒ヒドロホルミル化より得ることができる。供給物が上記後者のプロセスより得られる場合、それを水素化に使用する前に、長い精製に賦す必要は通常ないが、このような供給物は、概して、ホスフィンリガンドを除去するために処理される。
【0010】
本発明の水素化反応に使用するのに適した活性多孔質コバルト触媒は、コバルトと少なくとも1種のその他金属、例えば、アルミニウムとの合金を化学薬剤、例えば、水酸化ナトリウムで処理して、その合金から前記他の金属を抜き取り、高度に多孔質形態のコバルトを得ることによって製造される。このような活性多孔質コバルト触媒は、当分野で、“ラネーコバルト”触媒として公知である。これらは、W. R. Grace & Co.から市販入手可能であり、典型的には、商標名“Raney”の下に一覧されている。これらは、担持されていなくとも、例えば、アルミナまたはシリカのような多孔質キャリヤーに担持されていてもよく、金属部分は、例えば、少なくとも約80重量%のコバルトを含有し、若干の残る金属は、例えば、アルミニウム、鉄、ニッケルおよび/またはクロムであり、クロムは、存在する場合、コバルトについて活性剤として作用するかもしれない。例示するだけの目的であるが、担持されていない触媒は、平均粒子寸法、例えば、約15〜約60ミクロン;比重、例えば、約6.5〜約7.5;および、水中約56%の固形物触媒スラリー重量に基づく嵩密度、例えば、約14〜18lb/galを有することができる。
【0011】
水素化は、概して、アルデヒドからアルコールを製造するための水素化条件下、例えば、約100〜約160℃の温度;約100〜約700psigの水素圧;および、液体供給物の重量に基づき約2〜約20重量%、好ましくは、約8〜約10重量%の触媒使用量で行われる。また、液体供給物は、例えば、実質的に水を含有しないか、または、例えば、粗製の水素化反応生成物の重量に基づき約6重量%以下、好ましくは、約2〜約6重量%、最も好ましくは、約0.1〜約3重量%の量の水を含有する必要がある。“実質的に水を含有しない”とは、反応器に水を加えないことを意味し、反応物液体は、ブチルアルデヒドの形成の間に生成する水のみを含有する。水素化反応は、連続式、半連続式またはバッチ式で、好ましくは、反応の間の一部の逆混合(backmixing)、例えば、押出し流と逆混合との間で操作される連続スラリー床システムで行うことができる。回転混合素子は、必ずしも必要ではないが、使用される場合には、それは、例えば、約1000〜2000rpmの回転速度で操作される。水素化反応体の反応域での滞留時間は、例えば、約10〜約120分の範囲であるのがよい。多くの例において、水素化反応生成物は、水素化をラネーニッケル触媒で行いその他の条件が等しい時に通常得られる量よりも有意に少ない約100ppm以下のジ−n−ブチルエーテル(DBE)を含有するのみであろう。
【0012】
前述したように、水素化域からの粗製のn−ブタノールの精製は、精留塔への供給物の重量に基づき、約0.01〜約6重量%の水、好ましくは、約0.1〜約3重量%の水の存在で精留によって行われる。この範囲内の水の量は、水素化流出液中に存在しないかもしれないので、精留塔内の水のレベルを所望される濃度にする必要がある場合には、それを精留塔に供給する前に、このような流出液に水を加えてもよい。これに関連して、水は、塔内で冷却剤として作用することができ、DBEの効率的な分離に必要とされる共沸混合物を形成するために必要とされ、ヘビーエンドを除去するための薬剤として作用すると考えるべきである。冷却効果を達成するためには、水蒸気が塔の頂部に向かうにつれて凝縮し、それが熱を吸収する位置まで下降し、再度気化されてサイクルを再開する内部還流か、あるいは、水含有液体流、例えば、3成分共沸混合物または先に考察した水含有ヘビーエンドを塔から取り出す外部還流かによって、大部分の水を循環させ;例えば、デカンテーションによって、有機物から流中の大部分の水を分離し;液体水を塔の上方部分の点に戻す。
【0013】
蒸留は、好ましくは、大気圧で行われるが、ある一定の事情の下で望ましい場合には、亜大気圧または超大気圧で操作することも可能である。
【0014】
概して、塔内のトレーの数および塔内で精製される物質に伝達される熱の量は、少なくとも約99.5重量%のn−ブタノールを含有する精製n−ブタノールの液体流を生成させるのに十分である。典型的には、大気圧沸点75.7℃を有するn−ブチルアルデヒド;および、n−ブチルアルデヒドの源がプロピレンのヒドロホルミル化である場合に、アルデヒドの合計重量に基づき、大気圧沸点約64℃を有するイソブチルアルデヒド約9〜10重量%を含む液体または気体流は、塔の頂部およびその近傍で取り出され;水素化流出液中の本質的に全てのDBE不純物を含有し、かつ、大気圧沸点約90.6℃を有する、水、n−ブタノールおよびDBEの凝縮3成分共沸混合物は、n−ブチルアルデヒドのそれよりも下方の点で塔の上方部分において取り出され;大気圧沸点約117℃を有する精製n−ブタノールは、凝縮3成分共沸混合物の取り出しのそれよりも下方の点で取り出される。残る有意な不純物は、n−ブタノールよりも実質的に高沸であり、精製n−ブタノールのそれよりも下方の点で単一化合物または混合物として取り出される。水素化流出液中のDBE不純物および大部分のヘビーエンドの量は、例えば、ラネーニッケルのような触媒よりもむしろ活性多孔質コバルト触媒を使用しその他の全ての条件が等しい時には、実質的に少ないので、このようなDBE不純物の実質的に全てを含有する3成分共沸混合物を形成し、ヘビーエンドによって生成するPTCを除去するために塔内に存在する必要のある水の量は、有意に少なくなり、その結果、このような水を蒸発させるためのエネルギーコストが低くなり、恐らくは、n−ブタノールの生産率がより高くなり、および/または、より小さなサイズの塔が要求されるに過ぎない。
【0015】
以下の実施例は、さらに、本発明を例示するものであるが、何ら本発明を制限するものではない。
【0016】
実施例 1
実施例1においては、Grace Davison Division of W. R. Grace & Co.により“Raney Cobalt 2700”として販売され、組成少なくとも93.0重量%のコバルト;および、6.0重量%以下のアルミニウム、0.7重量%の鉄および0.8重量%のニッケルを有し、平均粒子寸法20〜50ミクロン;比重約7;および、水中56%固形物の触媒スラリー重量に基づく嵩密度15〜17lbs/galを有する担持されていない活性多孔質コバルト触媒を使用し、プロピレンの貴金属−ホスフィンリガンド触媒ヒドロホルミル化より得られ、流中の純粋なアルデヒドの合計重量に基づき約9〜10重量%のイソブチルアルデヒドを含有する粗製のn−ブチルアルデヒドを水素化した。水素化するのに先立ち、ヒドロホルミル化のために使用されるホスフィンリガンドを除去した以外は、粗製のn−ブチルアルデヒドを処理しなかった。水素化は、攪拌完全逆混合反応器内、135〜138℃の温度、400psigの水素圧および1750rpmの攪拌速度で、連続式で行った。触媒使用量は、反応器内の液体反応混合物の重量に基づき約8〜10重量%であり、液体水素化流出液中の含水率は、水素化のために水を加えることによって、粗製のn−ブタノール水素化反応生成物の重量に基づき2.80〜3.60重量%に調節し、反応器への流入および流出を調節して、反応器内での滞留時間を40分程度とした。
【0017】
約1.2〜3時間の試料取り出し間隔で、オンストリーム合計プロセス時間2〜15時間後、粗製の水素化反応生成物の抜き取り試料を取り出し、カール−フィッシャー滴定によって水(H2O)の重量%について分析し、ガスクロマトグラフィーによって以下の不純物のppmについて分析した:n−ブチルアルデヒド(n−BuH);ジ−n−ブチルエーテル(DBE);ブチルブチレート(BBt);ブチルブチラール(BBI);酪酸(BA);および、以下のヘビーエンド:イソブチルアルデヒドのエステルのトリマーによって構成されるテキサノール(Tex);2−エチル−4−メチルペンタンジオール(EMP);2−エチルヘキサノール(EH);2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(EHD);i−およびn−ブチルアルデヒドのエステルのトリマーによって構成されるC12トリマー(C−12T);および、2,2,4−トリメチルペンタンジオール(TMP)。また、n−およびi−ブチルアルデヒドの合計重量に基づきi−ブチルアルデヒド約9〜10重量%;および、n−およびi−ブタノールの合計重量に基づきi−ブタノール約9〜10重量%も、粗製の水素化反応生成物中に存在すると推測された。
【0018】
比較実施例 A
比較実施例Aにおいては、水素化触媒が、Grace Davison Division of W. R. Grace & Co.により“Raney Nickel 3300”として販売されているラネーニッケル、すなわち、金属成分が約90.0〜99.1重量%のニッケル、約0.5〜1.5重量%のモリブデン、約8.0重量%以下のアルミニウムおよび約0.8重量%以下の鉄を含み、平均粒子寸法約25〜約65ミクロン;比重約7;および、水中56%固形物の触媒スラリー重量に基づく嵩密度15〜17lbs/galを有する担持されていないモリブデン−活性化多孔質ニッケルであり;含水率を粗製のn−ブタノール水素化反応生成物の重量に基づき3.50〜4.40重量%に調節し、約0.5〜3.2時間の試料取り出し間隔で、合計プロセス時間約1.8〜15時間後、水素化反応生成物の抜き取り試料を取り出し分析した以外は、概して、実施例1の処理に従った。
【0019】
実験の進行につれての分析の結果を表1に示す。この表には、また、試料間の間隔について測定するかまたは計算した、水素化反応器への供給速度(Feed Rate:供給速度=アルデヒドの合計供給速度)、生成物速度(Prod. Rate)、すなわち、反応器からの流出液速度および反応体の反応器での滞留時間(Res. Time)を挙げてある。
【0020】
【表1】
Figure 0004054528
【0021】
表1の値で示されるように、本発明の下での実施例1のプロセスは、活性多孔質コバルト水素化触媒(ラネーコバルト)を使用し、はるかに少ないジ−n−ブチルエーテル(DBE)を含有する粗製の水素化反応生成物を生成し、特に合計反応時間が15時間に近づくにつれ、慣用的なラネーニッケル水素化触媒を使用する比較実施例Aのプロセスよりもはるかに少ない量のヘビーエンドを生成する。それゆえに、実施例1の水素化生成物は、精留塔で精製する時に、水素化反応生成物中の実質的に全てのDBEを除去するために十分な、水、n−ブタノールおよびDBEの3成分共沸混合物を形成し、また、PTCを除去するために十分な、比較的少量の水、すなわち、塔への供給物の重量に基づき約6重量%以下の水を必要とするに過ぎない。対照的に、比較実施例Aの水素化生成物は、そのDBEおよびヘビーエンドの含量がはるかに高いゆえに、塔内で生成する実質的に全てのDBEおよびPTCを除去するために、精留塔内において有意に多くの水、例えば、約8重量%より多い水を必要とする。また、比較実施例Aの結果に示したように、慣用的なラネーニッケル触媒を使用する時の水素化反応で生成するDBEおよびヘビーエンドの量は、より多くの水、例えば、少なくとも約8重量%の水を液体水素化反応混合物に加えることによって少なくすることができる。しかし、より多くの水を使用する時に生成するこれら不純物の量は、なお、概して、水素化反応器内における実質的により少ない量の水で、活性多孔質コバルト水素化触媒を使用する時よりも多い。さらに、不純物の形成を少なくするためにラネーニッケル触媒水素化に加えられる水の大部分は、粗製のn−ブタノール水素化生成物を精製する時に、最終的に、精留塔に移される。かくして、活性多孔質コバルト触媒(ラネーコバルト)を使用する時よりもラネーニッケルを使用する時には、より大量の水が精留塔内に必然的に存在する。したがって、本発明の下での後者の触媒の使用は、結果的に、エネルギーコストが低く、n−ブタノールの生産率が高く、および/または、より小さな塔を必要とするのみである。これは、慣用的なラネーニッケル水素化触媒を使用する時よりも、所望される精製度を達成するために、塔内でより少ない水を必要とすることによる。
【0022】
実施例 2
追加の水を水素化反応物に加えず、したがって、水素化反応物よりの流出液が、たとえ存在しても、プロピレンヒドロホルミル化流出液中に存在するか、および/または、水素化反応で形成される水のみを含有し;プロセスを200時間にわたって継続した以外は、実施例1の処理に従った。表2は、ほぼ20時間の間隔で取り出した試料の分析結果;および、各試料取り出し時における水素化供給物速度、生成物速度および滞留時間を示す。
【0023】
【表2】
Figure 0004054528
【0024】
表1および表2に示した実施例1および実施例2の結果を比較すると、実施例2におけるように、水素化反応に追加の水を加えない時に、実施例1におけるように、水素化反応に追加の水を加える時よりも、なお少量のDBEおよびヘビーエンド、例えば、テキサノール、2−エチル−4−メチルペンタンジオール、2−エチルヘキサノールおよびC12トリマーが形成されることを示す。かくして、水素化反応器に追加の水を加えない時には、先に記載したように、3成分共沸混合物の形成によりDBEを除去し、塔内に存在するヘビーエンドから生成するPTCを除去するために、精留塔内において、なおさらに、水を必要としない。したがって、塔内の水を気化させるために必要とされるエネルギーが少ないことにより、なおさらなる省力化を達成することができる。

Claims (12)

  1. 精製n−ブタノールを製造するための方法であって、水素化域で、n−ブチルアルデヒドおよび水素を、アルデヒドからアルコールを生成させるための温度および圧力についての水素化条件下で、実質的に水を存在させないか、または、液体水素化反応生成物の重量に基づき重量%以下の量の水を存在させて、活性多孔質コバルト触媒と接触させてn−ブタノールを含む反応生成物を生成させ、精留塔への供給物の合計重量に基づき0.01重量%の水の存在下での精留によりその反応生成物を精製することを含む方法。
  2. 前記水素化反応生成物が100ppm以下のジ−n−ブチルエーテルを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記n−ブチルアルデヒドがプロピレンのヒドロホルミル化より得られる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記活性多孔質コバルト触媒の金属部分が少なくとも80重量%のコバルトを含有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記触媒が、コバルトと少なくとも1種のその他金属との合金を化学薬剤で処理して、その合金から前記他の金属を抜き取り、高度に多孔質形態のコバルトを得ることによって製造される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記その他の金属がアルミニウムであり、前記処理剤が水酸化ナトリウムである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記触媒が担持されておらず、粒子寸法1560ミクロン;比重6.57.5;および、水中56%の固形物触媒スラリー重量に基づく嵩密度14〜18lb/galを有する、請求項5に記載の方法。
  8. 前記水素化が、100160℃の温度;100700psigの水素圧;および、液体供給物の重量に基づき20重量%の触媒使用量で少なくとも一部を逆混合することによって連続式で行われる、請求項1に記載の方法。
  9. 前記精留が、水素化流出液中の実質的に全てのジ−n−ブチルエーテルを含有する、水、n−ブタノールおよびジ−n−ブチルエーテル(DBE)の凝縮3成分共沸混合物を塔の上方部分で取り出し、精製n−ブタノールを前記共沸混合物のそれより下方の点で取り出し、高沸不純物を前記精製n−ブタノールの取り出しのそれよりも下方の点で取り出すように行われる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記精製n−ブタノールが少なくとも99.5重量%の純粋なn−ブタノールを含有する、請求項9に記載の方法。
  11. 精製n−ブタノールを製造するための方法であって、水素化域で、n−ブチルアルデヒドおよび水素を、アルデヒドからアルコールを生成させるための温度および圧力についての水素化条件下で、実質的に水を存在させないで、活性多孔質コバルト触媒と接触させてn−ブタノールを生成させ、精留塔への供給物の合計重量に基づき0.01重量%の水の存在下での精留により前記n−ブタノールを精製することを含む方法。
  12. 精製n−ブタノールを製造するための方法であって、水素化域で、n−ブチルアルデヒドおよび水素を、アルデヒドからアルコールを生成させるための温度および圧力についての水素化条件下で、液体水素化反応生成物の重量に基づき重量%以下の量の水を存在させて、活性多孔質コバルト触媒と接触させてn−ブタノールを生成させ、精留塔への供給物の合計重量に基づき0.01重量%の水の存在下での精留により前記n−ブタノールを精製することを含む方法。
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