JPH0662468B2 - β−フエネチルアルコ−ルの精製法 - Google Patents

β−フエネチルアルコ−ルの精製法

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JPH0662468B2
JPH0662468B2 JP12818686A JP12818686A JPH0662468B2 JP H0662468 B2 JPH0662468 B2 JP H0662468B2 JP 12818686 A JP12818686 A JP 12818686A JP 12818686 A JP12818686 A JP 12818686A JP H0662468 B2 JPH0662468 B2 JP H0662468B2
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phenethyl alcohol
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purifying
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慶之 平子
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はβ−フェネチルアルコールの精製方法に関する
ものである。
本発明の方法によれば、純度の高いβ−フェネチルアル
コールを得ることが出来る。
β−フェネチルアルコールはバラ系香料として化粧品,
洗浄剤等に広く使用されている物質であり、その使用に
際しては高純度でかつ香気の優れた製品品質が要求され
る。
<従来技術> および <発明が解決しようとする問題点> 一般にスチレンオキシドを原料として接触還元によりβ
−フェネチルアルコールを製造する場合、製品中に含ま
れる異臭不純物としては原料のスチレンオキシドの他、
フェニルアセトアルデヒド,スチレン,ベンジルアルコ
ール,エチルベンゼン等があげられる。
これらの不純物のうち、β−フェネチルアルコールの精
留中に副生するものとしてフェニルアセトアルデヒドと
スチレンがありこれらはそれぞれ下式の反応によって生
成する。
式(1),(2) で示される反応は粗β−フェネチルアルコー
ルをそのまま精留しようとした場合、粗液中に微量残留
している接触還元触媒(例えばラネーニッケルなどで触
媒分離に沈降分離法を用いた場合、特に微粒子が浮遊し
て残留する)や反応助触媒であるアルカリ水溶液(例え
ば水酸化ナトリウム水溶液)によって加熱時に生起させ
られる副反応であり、これらによって生じたフェニルア
セトアルデヒドやスチレンはそれぞれ特有の不快臭を有
しているのでこれらが不純物としてβ−フェネチルアル
コールに含まれることは香料として用いられる場合、特
に好ましくないことである。
従来スチレンオキシドの接触還元によりβ−フェネチル
アルコールを得る方法としては(1) フェニルアセトアル
デヒドの生成を阻止する為に酸性物質を反応系に添加し
てスチレンオキシドを水添する方法(特開昭58-83645)
(2) 粗製β−フェネチルアルコールにヒドラジン化合物
等を接触させる方法(特開昭56-43226)(3) スチレンオ
キサイドの接触還元を水溶媒中で行なう方法(特開昭58
-34449)等が既に知られているが、(1) の方法は添加物
質の効果によりフェニルアセトアルデヒドが顕著に減少
すると確認しながらも、更に次工程として生成したフェ
ニルアセトアルデヒドを還元していることから到底簡便
な方法とは言い難い。
(2) の方法に関しては、ヒドラジン化合物等の添加物を
添加したのち、不純物との反応を行なうための時間が必
要であり、又ヒドラジン水和物のような爆発の危険性を
有する添加物を使用する点で実施困難と言わざるを得な
い。
更に(3) の方法に関しては水溶媒を使用により、β−フ
ェネチルアルコールの精留に多大なエネルギー(ex.加
熱用蒸気)を必要とし、経済的とは言えない。
又スチレンオキシドの接触還元にアルカリ助触媒を使用
した場合には、還元触媒の除去法(沈降法,ろ過法)で
は同時に分離出来ないので一般には反応終了後、酸によ
り中和することが通常行なわれているが、操作の繁雑
さ,経済性,更に設備の腐蝕などの問題があった。
<発明の目的> 本発明者は、これら従来技術の欠点を解決すべく検討を
重ね、ついに本発明を完成するに至った。
即ち本発明に従ったβ−フェネチルアルコールの精製法
とはスチレンオキシドを接触還元用触媒及びアルカリ助
触媒の存在下に還元させて得られるβ−フェネチルアル
コール含有反応粗液を蒸留精製する方法において該反応
粗液より触媒を分離回収した後、まず単蒸留により微量
の触媒及び助触媒を分離除去し、その留出液を更に精留
分離することを特徴とするβ−フェネチルアルコールの
精製法である。
以下に本発明の構成を詳細に説明する。
先ず、スチレンオキサイドの接触還元反応によるβ−フ
ェネチルアルコールの合成は例えばカナダ特許512,236
(1955) に開示されているように以下の手順で行なう。
スチレンオキサイドに1/10〜1/2 倍量の溶媒を加え、触
媒をスチレンオキサイドに対して1〜5wt%添加し、助
触媒として水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を添
加し、この混合物をオートクレーブに入れ、10〜50Kg/
cm2Gの水素加圧下、常温〜 100℃で接触還元反応を行
なう。
反応に要する時間は1〜5時間である。
この時用いる溶媒としてはメタノール,エタノール,イ
ソプロパノールなどがあるが、コスト面を考慮するとメ
タノールを用いるのが好ましい。
添加する溶媒の量がスチレンオキサイドに対して1/10倍
量より少ないと、触媒の分散性が悪く、また1/2 倍量よ
り多いと溶媒の回収量が多くなるので好ましくない。
用いられる触媒としてはラネーニッケル,5%pd−炭
素,ptoなどが挙げられる。
触媒の量が1wt%より少ないと反応速度が遅く、5wt%
より多いと反応性は良好ではあるが、経済的でない。
水素加圧条件が10Kg/cm2G以下では未反応STO,P
HDの残留が多く、また、50Kg/cm2G以上では反応は
完結し、良好であるが危険でもあり、経済的ではない。
反応温度が常温以下では温度コントロールが困難で、ま
た、 100℃以上では反応性は変らないが、加熱の為のエ
ネルギー消費が大となるので好ましくない。
以上のようにして得られた反応粗液からデカンテーショ
ンなどにより、触媒を沈降分離し、上澄み液を以下の条
件で単蒸留処理する。
用い得る単蒸留装置としては多孔板塔,泡鐘塔,充填塔
などがあり、単蒸留は回分法でも連続法でも適用可能で
ある。
この単蒸留工程において最初に溶媒を減圧下で留出除去
する。
溶媒を除去した後の反応液の単蒸留を行なう際の条件は
以下の通りである。
この単蒸留工程における留出液の得率は90〜95%が適切
である。
90%以下では非経済的であり、逆に95%以上にすると不
純物含有量が増加するので好ましくない。
この単蒸留工程は通常50〜100Torr の減圧下で行なうの
が良い。
次にこの単蒸留留出液を精密蒸留処理するわけである
が、以下のような条件で行なうのが良い。
本発明において用いる精密蒸留装置としては多孔板塔,
泡鐘塔,充填塔などがある。
段数は5〜30が適切であり、還流比は1〜5で行なうの
が良い。
先ず、低沸留分(塔頂温度60〜 138℃)を留去させるわ
けであるが、この時の留出量は溶媒留出後の液に対して
20〜30%にするのが好ましい。
留出液量が20%以下では製品の純度が上がらず、また、
30%以上にすると収率が低下し経済的でない。
この低沸分の留出は50〜100Torr の減圧下で行なう。
低沸分の留出が20〜30%に達した時点で製品留分(塔頂
温度 138〜 139℃)の留出を行なう。
以上のような手順で行なえばスチレンやフェニルアセト
アルデヒドのような副生物の発生が抑制され、高純度な
β−フェネチルアルコールが得られる。
本発明の精製法は (1) β−フェネチルアルコールの精留中におけるフェニ
ルアセトアルデヒド,スチレンの副生を阻止し、従って
製品純度及び得率が高い。
(2) 精製設備も既存の蒸留設備をそのまま使用すること
が可能であり、設備投資は不必要である。
といった利点を有するものであり工業的応用範囲は広
い。
以下に本発明に従ったβ−フェネチルアルコールの精製
法につき実施例および比較例をあげてより詳しく説明す
る。
なお,本発明の内容は以下の実施例に何ら制限されるも
のではない。
参考例−スチレンオキシドの接触還元反応− スチレンオキシド1177gにメタノール 236gを加え、触
媒としてラネーニッケル29.5g、助触媒として48%水酸
化ナトリウム水溶液 5.8gを添加したのち、この混合物
を電磁攪拌式オートクレーブに入れ水素加圧下(20Kg/
cm2G)反応温度40〜50℃で接触還元を行なう。
5時間後反応を終了し、かくして得られた反応粗液をガ
スクロマトグラフィー分析したところ、β−フェネチル
アルコールは83.9%含有されていた。
分析結果を表−1に示した。
比較例 前述の参考例で得られたβ−フェネチルアルコールの反
応粗液を一晩放置しデカンテーションにより上澄み液を
沈降した触媒より分離した。
この上澄み液 700gを10段の回分式多孔板蒸留塔を用い
て減圧下(70Torr)還流比2で精留を行なったところ、
スチレン,フェニルアセトアルデヒドがしだいに発生
し、β−フェネチルアルコール留分(塔頂温度 138〜 1
39℃)の純度を低下させていることが判明した。
表−1にβ−フェネチルアルコール留分であるフラクシ
ョンNo.-5及び 7の分析値を示した。
なお、表−1におけるフラクションNo.-5は留出率60.34
〜70.9%のもの、フラクションNo.-7は留出率80.9〜8
9.12 %のものである。
実施例−1 前述の参考例と同様にして得られたβ−フェネチルアル
コールの反応粗液を一晩放置しデカンテーションにより
上澄み液を沈降した触媒より分離した。
この上澄み液1235gを10段の回分式多孔板蒸留塔を用い
て減圧下(〜70Torr)全留出にて単蒸留を行ない1185g
の留出液を得た(この留出液の組成はTable-2 に示し
た)。
次にこの留出液を前述の蒸留装置を用いて減圧下(70To
rr)還流比2で精留を行なった低沸点留分(塔頂温度〜
138℃)を留去させた後、 652gの製品留分(塔頂温度
〜 138〜 139℃)を得た。
この場合、スチレン及びフェニルアセトアルデヒドも発
生することなく高純度なβ−フェネチルアルコールが得
られた。
分析結果を表−2に示した。
なお、表−2におけるフラクションNo.-5は留出率55.1
〜69.7%のもの、フラクションNo.-7は留出率83.5〜88.
8%のものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレンオキシドを接触還元用触媒及びア
    ルカリ助触媒の存在下に還元させて得られるβ−フェネ
    チルアルコール含有反応粗液を蒸留精製する方法におい
    て、該反応粗液より触媒を分離回収した後、まず単蒸留
    により微量の触媒及び助触媒を分離除去し,その留出液
    を更に精留分離することを特徴とするβ−フェネチルア
    ルコールの精製法。
JP12818686A 1986-06-04 1986-06-04 β−フエネチルアルコ−ルの精製法 Expired - Lifetime JPH0662468B2 (ja)

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