JP4054456B2 - 高周波増幅器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動体通信や衛星通信等で用いられる高周波増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、高周波用パワートランジスタやMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)では、良好な放熱と十分に低い接地インダクタンスとを実現することが極めて重要である。これは、パワートランジスタやMMICで消費される電力が大きいために発熱量が多いと共に、高い周波数になるほど接地インダクタンスが素子特性に大きな影響を与えるためである。特に高周波用パワートランジスタに一般的に使用されている砒化ガリウム(GaAs)などの化合物半導体は、GaAs基板の熱伝導率が低い。上記GaAs基板を用いた高周波用パワートランジスタの中でも、バイポーラトランジスタの一種であるへテロジャンクションバイポーラトランジスタ(HBT)は、発熱によりコレクタ電流が増幅され、さらに発熱して熱暴走を起こすため、放熱を良くすることが極めて重要である。また、上記高周波用パワートランジスタの出力がある程度大きくなると、図7に示すように、比較的小さな単位トランジスタ68を複数集合して結線したトランジスタアレーが用いられるため、すべての単位トランジスタ68で十分に低い接地インダクタンスを実現することが重要となる。
【0003】
そこで、高い放熱特性と低い接地インダクタンスを実現する方法としてフリップチップボンディングが提案されている(たとえば「電子材料」1995年2月号、46-49ページ)。上記フリップチップボンディングは、半導体チップに形成されたトランジスタの電極上にバンプと呼ばれる金属の柱を形成し、半導体チップを裏返して回路基板上の電極とバンプとを接合するもので、バンプの材料として金やはんだ等が用いられる。そして、複数の単位トランジスタで構成されたパワートランジスタでは、個々の単位トランジスタの接地電極と放熱性に優れた回路基板上の電極とを、高熱伝導でかつ非常に短いバンプで接合することによって、パワートランジスタで発生する熱を効率よく回路基板に逃すと共に、低い接地インダクタンスを実現している。このときのバンプの高さは、放熱性,接地インダクタンスおよび製造上の制限などにより決定され、一般的に数μm〜数100μmである。
【0004】
このようなフリップチップボンディングを行う場合には、半導体チップの接地電極だけでなく、信号電極や電源電極,各種制御電極も同様にバンプ接合を行うため、回路基板には、単なる金属の板ではなく、電極パターンが形成された窒化アルミや炭化珪素の基板(または絶縁膜を形成したシリコン基板や高抵抗シリコン基板)等の高絶縁性,高熱伝導性を有する回路基板が用いられる。したがって、半導体チップ上には、接地電極以外にも信号電極や電源電極,各種制御電極上にバンプを夫々形成し、各バンプを回路基板の表面に形成された複数の電極に接合する。
【0005】
図6は従来の高周波増幅器の回路基板60の平面図を示し、図7は上記高周波増幅器の半導体チップの電極パターンとバンプを示している。図6に示すように、上記回路基板60の中央に所定の間隔をあけて信号出力電極61A,信号入力電極61Bを設ける共に、上記信号出力電極61A,信号入力電極61Bの両側とその間にH字形状の接地電極61Cを設けている。また、図7に示すように、上記半導体チップ70上に一列に形成された複数の単位トランジスタ78の接地電極(図示せず)を挟む信号出力電極76,信号入力電極77を設けると共に、信号出力電極76,信号入力電極77上に信号出力用バンプ74,信号入力用バンプ75を夫々形成している。上記信号出力電極76,信号入力電極77の間の接地電極61C上に接地用バンプ73を形成している(MMIC等では、さらに電源電極用バンプや各種制御電極用バンプ等を半導体チップに形成)。図7に示す半導体チップ70のバンプが形成された側を、図6に示す回路基板60の電極パターンの位置70Aに合わせて、フリップチップボンディング法により、半導体チップ70の信号出力用バンプ74を回路基板60の信号出力電極61Aの信号出力用バンプ接合位置64に接合し、半導体チップ70の信号入力用バンプ75を回路基板60の信号入力電極61Bの信号出力用バンプ接合位置65に接合すると共に、半導体チップ70の接地用バンプ73を回路基板60の接地電極61Cの接地用バンプ接合位置63に接合している。
【0006】
このようにして作成された半導体チップと回路基板とを備えた高周波増幅器は、他の回路素子が実装されているプリント基板にはんだのリフロー等により接合される。そのため、上記高周波増幅器の回路基板は、半導体チップが接合されている面と反対側の裏面に、プリント基板上の電極と接合するための電極を設けなければならない。したがって、図9に示すように、半導体チップ94の電極97がバンプ93により接合される回路基板95表面の電極91と回路基板95裏面に形成された電極96とをビアホール92を介して接続している。
【0007】
ところで、上記フリップチップボンディングを実現するためには、回路基板の電極面の平坦度はバンプの高さより小さいことが不可欠であり、各バンプの電気的および機械的強度を均一にするためには、回路基板の電極面は極力平坦であることが望ましい。上記回路基板にビアホールを形成した場合には、図9の領域Eに示すように、ビアホール92付近の平坦度が劣化し、良好なフリップチップボンディングができないといった問題が生じる。特に、セラミックの多層基板を用いる場合は、電極やビアホールを形成する導体材料をセラミックと同時に焼成を行うため、セラミックと導体材料との収縮率や熱膨張係数の差などにより、ビアホール近傍の平坦性が大幅に劣化する。したがって、バンプと電極とを接合する個所は、ビアホールから一定の距離を離さなければならない。この平坦度が劣化する領域は、ビアホール中心から半径数100μmの領域となり、半導体チップのサイズに比べて比較的大きいため、多数の接地用バンプが存在する半導体チップ直下にビアホールを形成することはできず、さらに、回路基板側の信号電極,電源電極および制御電極の存在も障害となる。このため、図8に示す回路基板60では、ビアホール62の中心から半径数100μmの領域D内に各バンプ接合位置63,64,65が入らない位置にビアホール62を形成している。
【0008】
したがって、図6に示すように、半導体チップ70の中心付近に形成されている接地用バンプ63近傍には、接地用のビアホールを形成することができず、図6中の領域Cにおいて、半導体チップ70の中心付近から半導体チップ70が実装される領域の外側まで接地電極61Cを引き出し、そこに接地用のビアホール66,66,…を形成している。
【0009】
上記高周波増幅器において、詳細な測定などを行った結果、接地電極パターンにより生じるインダクタンス成分は、半導体チップの特性に大きく影響することが判明した。これは、接地インダクタンスにより負帰還を発生し、トランジスタの利得を低下させるためで、特に、トランジスタアレーの中央付近に存在する単位トランジスタでは、接地用バンプと接地用のビアホールとの距離が長くなるため、大きな特性劣化を引き起こすという問題がある。
【0010】
そこで、この発明の目的は、接地インダクタンスを低減して、増幅素子の特性を大幅に向上できる高効率でかつ高利得な高周波増幅器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の高周波増幅器は、
少なくとも増幅素子と上記増幅素子の信号入力電極および上記増幅素子の信号出力電極とを有する半導体チップと、上記半導体チップがフリップチップボンディング法により実装された回路基板とを備え、上記半導体チップの上記増幅素子の接地電極と上記信号入力電極と上記信号出力電極が上記回路基板の表面に対向する高周波増幅器において、
上記半導体チップの上記増幅素子は、上記半導体チップの中心よりも縁側に直線状に配列された複数の単位増幅素子で構成され、
上記半導体チップの上記複数の単位増幅素子の接地電極上に形成された接地用バンプと、
上記複数の単位増幅素子の配列方向に沿った中心線に対して上記半導体チップの中心側と反対の側からその配列の両端近傍まで延びた上記信号出力電極の両端上に夫々形成された信号出力用バンプと、
上記複数の単位増幅素子の配列方向に沿った中心線に対して上記信号出力電極と反対の側から延びた上記信号入力電極上に形成された信号入力用バンプと、
上記回路基板の表面に形成され、上記半導体チップの上記接地用バンプが接合された第1接地電極と、
上記回路基板の裏面に形成された第2接地電極と、
上記半導体チップの中心に対して上記接地用バンプが接合された接合位置よりも外側でかつ上記接合位置に対して所定の間隔をあけて上記回路基板に形成され、上記第1接地電極と上記第2接地電極とを接続するビアホールとを備えたことを特徴としている。
【0012】
上記請求項1の高周波増幅器によれば、上記半導体チップの接地用バンプの位置を従来の半導体チップ中心よりも半導体チップの縁側に近づける。そして、上記回路基板の第1接地電極と第2接地電極とを接続する接地用のビアホールを、上記半導体チップの中心に対して上記接地用バンプが接合された接合位置よりも外側でかつ上記接合位置に対して所定の間隔をあけて上記回路基板に形成し、ビアホール周囲の平坦性が悪い接合不可領域内に接地用バンプを接合しないようにする。こうして、上記ビアホール周囲の第1接地電極の平坦性が悪い接合不可領域に半導体チップが重なる領域を少なくして、回路基板への半導体チップの接合を容易にすると共に、接地用バンプからビアホールまでの距離を可能な限り短くすることによって、上記増幅素子の接地インダクタンスを大幅に低減することができ、増幅素子の特性を大幅に向上でき、高効率でかつ高利得な高周波増幅器を実現できる。
また、上記増幅素子が複数の単位増幅素子が一列に配列されたアレー状の増幅素子 ( トランジスタアレー等 ) である場合、単位増幅素子の接地電極上の接地用バンプからビアホールまでの距離、特にアレー状の増幅素子の中央付近の単位増幅素子の接地用バンプから回路基板上の接地用のビアホールまでの距離も短くでき、接地インダクタンスを低減できる。また、上記各単位増幅素子の接地用バンプから回路基坂上の接地用のビアホールまでの距離が略一定になるようにすることによって、各単位増幅素子の接地インダクタンスが揃い各単位増幅素子の特性が均一化されて、増幅素子の特性を向上できる。
【0013】
また、請求項2の高周波増幅器は、請求項1の高周波増幅器において、上記回路基板がセラミック基板であることを特徴としている。
【0014】
上記請求項2の高周波増幅器によれば、上記回路基板に窒化アルミ等からなるセラミック基板を用いることによって、高絶縁性と高熱伝導性が得られ、上記半導体チップから上記接地用バンプを介して回路基板に効率よく放熱できる。
【0015】
また、請求項3の高周波増幅器は、請求項1の高周波増幅器において、上記回路基板がセラミック多層基板であることを特徴としている。
【0016】
上記請求項3の高周波増幅器によれば、上記回路基板にセラミック多層基板を用いることによって、高絶縁性と高熱伝導性が得られ、上記半導体チップから上記接地用バンプを介して回路基板に効率よく放熱できる。また、上記セラミック多層基板において、電極やビアホールを形成する導体材料をセラミックと同時に焼成するときに、セラミックと導体材料との収縮率や熱膨張係数の差などによりビアホール近傍の平坦性が劣化しても、接地用バンプからビアホールまでの距離を可能な限り短くすることによって、上記増幅素子の接地インダクタンスを大幅に低減できる。
【0017】
また、請求項4の高周波増幅器は、請求項1乃至3のいずれか1つの高周波増幅器において、上記半導体チップが砒化ガリウムGaAsからなることを特徴としている。
【0018】
上記請求項4の高周波増幅器によれば、上記半導体チップに熱伝導率の低い砒化ガリウムGaAsを用いても、フリップチップボンディングによって、高い熱伝導性が得られ、上記増幅素子の温度上昇を抑えて熱暴走を防止できる。
【0019】
また、請求項5の高周波増幅器は、請求項1乃至4のいずれか1つの高周波増幅器において、上記増幅素子がへテロジャンクションバイポーラトランジスタであることを特徴としている。
【0020】
上記請求項5の高周波増幅器によれば、発熱によりコレクタ電流が増幅されさらに発熱して熱暴走を起こすへテロジャンクションバイポーラトランジスタを上記増幅素子に用いても、放熱をよくすることによってへテロジャンクションバイポーラトランジスタの熱暴走を防止でき、高周波増幅に適したへテロジャンクションバイポーラトランジスタを高周波増幅器に採用できる。
【0021】
また、請求項6の高周波増幅器は、請求項1乃至5のいずれか1つの高周波増幅器において、上記半導体チップにおいて上記増幅素子の上記信号出力電極が複数設けられていることを特徴としている。
【0022】
上記請求項6の高周波増幅器によれば、上記出力信号用電極を複数の電極に分割することによって、1電極当りの出力電力が減り、出力インピーダンスを高くして、低損失の出力整合回路を形成しやすくなる。また、2倍波や3倍波などの高調波インピーダンスを制御する場合にも、容易に制御できる。
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の高周波増幅器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0026】
図1はこの発明の実施の一形態の高周波増幅器の回路基板10の平面図を示している。上記略長方形状の回路基板10の両短辺側に、略長方形状の信号出力電極11A,11Bを夫々形成し、回路基板10の一方の長辺側中央に、略長方形状の信号入力電極11Cを形成している。上記回路基板10上の信号出力電極11A,11Bおよび信号入力電極11Cを除く領域に、信号出力電極11A,11Bおよび信号入力電極11Cに対して所定の間隔をあけて第1接地電極11Dを形成している。上記回路基板10は、基板材料として高熱伝導特性を有する窒化アルミを用い、気密封止が可能な多層構造としている。
【0027】
また、図2は上記回路基板10に実装する略長方形状の半導体チップ20の平面図を示している。上記半導体チップ20の一方の長辺近傍に長辺に沿って延びる直線部26aとその直線部26aの両端が他方の長辺側に屈曲して延びる屈曲部26b,26bとを有する信号出力電極26を形成し、その両端の屈曲部26b,26bに信号出力用バンプ24A,24Bを夫々設けている。また、上記半導体チップ20に、信号出力電極26の直線部26aに沿って配列された単位増幅素子としての複数の単位トランジスタ21を形成し、各単位トランジスタ21の接地電極(図示せず)上に接地用バンプ23を夫々設けている。なお、上記複数の単位トランジスタ21は、半導体チップ20の中心よりも縁側に設けている(図2中上側の長辺側)。そして、上記複数の接地用バンプ23に対して信号出力電極26の直線部26aの反対側に、半導体チップ20の他方の長辺側に向かって延びる凸部27aを有する信号入力電極27を設けている。上記信号入力電極27の凸部27a上に信号入力用バンプ25,25を設けている。
【0028】
また、上記半導体チップ20のバンプが形成された側を、図1に示す回路基板10上の電極パターン位置20Aに合わせて、フリップチップボンディング法により、上記半導体チップ20の信号出力用バンプ24A,24Aを信号出力用バンプ接合位置14A,14A(図1に示す)に接合し、信号出力用バンプ24B,24Bを信号出力用バンプ接合位置14B,14B(図1に示す)に接合すると共に、半導体チップ20の信号入力用バンプ25,25を信号入力用バンプ接合位置15,15(図1に示す)に接合する。
【0029】
上記構成の高周波増幅器において、最初に、上記回路基板10単体の特性評価として接地インダクタンスを測定した。この接地インダクタンス測定のため、入出力電極および接地電極をすべてショートした電極パターン上にバンプを形成した半導体チップを、図1に示す回路基板10と図6に示す従来の回路基板60とに応じて夫々作成し、各半導体チップを回路基板10,回路基板60表面の電極パターン上に夫々フリップチップボンディング実装した。上記各回路基板10,60の入出力間アイソレーション特性をネットワークアナライザで測定し、そのS21特性に接地インダクタンスを示す等価回路(図4に示す)でフィッティングすることにより接地インダクタンスLの値を抽出した。その結果、従来構造の回路基板60を用いた場合では、接地インダクタンス値が50pHであるのに対して、本構造の回路基板10を用いた場合では、接地インダクタンス値が20pHであることが判明した。
【0030】
次に、増幅素子としてのパワー用バイポーラトランジスタを有する半導体チップを回路基板10に実装して、その特性を評価した。上記パワー用バイポーラトランジスタの半導体チップとしては、1GHzで数W程度の出力が可能な砒化ガリウム/砒化アルミニウムガリウムからなる高周波パワー用へテロジャンクションバイポーラトランジスタ(以下、HBTという)を用いた。このHBTは、図5に示すエミッタサイズが5×100μmの略長方形状の単位トランジスタ21を100μm間隔で短辺方向に20個配列し、各単位トランジスタ21を並列に接続している(図2参照)。上記各単位トランジスタ21のエミッタ電極53の直上に29×92μmの大きさの略長方形状の接地用バンプ54を形成している。上記接地用バンプ54は、金製で高さ約20μmにメッキ法により形成し、この金製の接地用バンプ54は、熱と圧力により回路基板上の金電極と接合され、接合後の高さは約10μmとなる。
【0031】
図2に示すように、接地用バンプ23の列を半導体チップ20の一方の長辺にできるだけ近接して配置している。この実施形態では、大出力のHBTであるため、熱抵抗を低減することが重視され、放熱経路となる接地用バンプをHBTの直上に形成する配置となっているが、出力電力が小さく発熱の小さなHBTでは、HBTから半導体チップ端まで接地電極を引き出し、半導体チップ端の接地電極に接地用バンプを形成し、信号出力用の配線をHBT直上にエアーブリッジ等を利用して形成することも可能である。また、信号出力用の配線をべース側に形成することも可能である。
【0032】
また、図3は上記回路基板10の電極パターン,バンプ接合位置14A,14B,15およびバンプ接合不可領域Bを示している。図3に示すように、上記回路基板10の第1接地電極11Dの接地用バンプ接合位置13は、半導体チップ20(図2に示す)上の接地用バンプ23に対応している。また、上記回路基板10の両面にある接地電極を接続する接地用のビアホール12を、接地用バンプ接合位置13からの距離が一番短くなるように、接地用バンプ23(図2に示す)の列に対向する位置に形成している。この実施形態で使用した回路基板10では、ビアホール12,16の中心より半径170μmの領域B内では、5μm程度の平坦度の劣化が存在するためにフリップチップ接合が安定して行えず、接地電極からビアホール12,16まで最短で170μmの距離が必要となる。なお、平坦度の高いパッケージや高さがより高いバンプを用いれば、接地電極とビアホールとの間の距離をさらに小さくすることができる。
【0033】
上記構成の高周波増幅器では、上記接地用のビアホール12の周囲の第1接地電極11Dの平坦性が悪い接合不可領域Bに半導体チップ20が重なる領域を少なくして、回路基板10への半導体チップ20の接合を容易にすると共に、従来に比べて単位トランジスタ21上に形成されている接地用バンプ23と回路基板10上の接地用のビアホール12との間の距離が大幅に短くなる。したがって、上記HBTの接地インダクタンスを大幅にして、特性を大幅に向上でき、高効率でかつ高利得な高周波増幅器を実現することができる。なお、上記高周波増幅器の高周波特性を測定した結果、接地インダクタンスの低減によって利得が40%以上も向上していることが確認された。
【0034】
また、上記回路基板10にセラミック多層基板を用いることによって、高絶縁性と高熱伝導性が得られ、半導体チップ20から接地用バンプ23を介して回路基板10に効率よく放熱することができる。また、上記セラミック多層基板において、電極やビアホールを形成する導体材料をセラミックと同時に焼成するときに、セラミックと導体材料との収縮率や熱膨張係数の差などによりビアホール近傍の平坦性が劣化しても、HBTの接地インダクタンスを大幅に低減することができる。
【0035】
また、上記半導体チップ20に熱伝導率の低い砒化ガリウムGaAsを用いても、フリップチップボンディングによって半導体チップ20を回路基板10に実装するので、高い熱伝導性が得られる。
【0036】
また、発熱によりコレクタ電流が増幅されさらに発熱して熱暴走する増幅素子としてのHBTを用いても、放熱をよくすることによってHBTの熱暴走を防止でき、高周波増幅に適したHBTを高調波増幅器に採用することができる。
【0037】
また、上記半導体チップ20の出力信号用電極24A,24Bが2分割され、第1接地電極11Dの両側に引き出され、2つの出力信号用電極24A,24Bは回路基板10上で1つにまとめられている。このように出力信号用電極を2分割することによって、1電極当りの出力電力が減って、出力インピーダンスが高くなり、低損失の出力整合回路を形成しやすくなると共に、2倍波や3倍波などの高調波インピーダンスを制御する場合にも、制御が行いやすくなる。
【0038】
さらに、複数の単位トランジスタが配列されたトランジスタアレーのHBTでは、トランジスタアレー中央付近の単位トランジスタの接地用バンプ23から回路基板10上の接地用のビアホール12までの距離を短くでき、接地インダクタンスを低減することができる。また、上記各単位トランジスタの接地用バンプ23から回路基坂10上の接地用のビアホール12までの距離が略一定になるようにすることによって、各単位トランジスタの接地インダクタンスの値が略同一となって、各単位トランジスタの特性が均一化されて、HBTの特性を向上することができる。
【0039】
上記実施形態では、比較的大出力のパワーアンプを用いた高周波増幅器を示したが、ミリ波などの高い周波数では、小さな出力でも接地インダクタンスの影響が大きく、この発明を適用することにより大幅に特性を向上することができる。また、この実施形態ではパワートランジスタを用いたが、利得の高いMMICではさらに接地インダクタンスの影響が大きいため、この発明の高周波増幅器をMMICに用いることにより大幅に特性を向上することができる。
【0040】
また、上記実施の形態では、増幅素子としてHBT(へテロジャンクションバイポーラトランジスタ)を用いた高周波増幅器について説明したが、増幅素子はこれに限らず、電界効果トランジスタ等の増幅素子を用いてもよく、また、複数の単位トランジスタを配列したトランジスタアレーに限らず、1つの増幅素子でもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の高周波増幅器は、上記半導体チップの接地用バンプの位置を従来の半導体チップ中心よりも半導体チップの縁側に近づけて、上記回路基板の第1接地電極と第2接地電極とを接続する接地用のビアホールを、上記半導体チップの中心に対して上記接地用バンプが接合された接合位置よりも外側でかつ上記接合位置に対して所定の間隔をあけて上記回路基板に形成するものである。
【0042】
したがって、請求項1の発明の高周波増幅器によれば、上記ビアホール周囲の平坦性が悪い接合不可領域に半導体チップが重なる領域を少なくして、回路基板への半導体チップの接合を容易にすると共に、接地用バンプから接地用のビアホールまでの距離を可能な限り短くして、上記増幅素子の接地インダクタンスを大幅に低減することができ、増幅素子の特性を大幅に向上でき、高効率でかつ高利得な高周波増幅器を実現することができる。この発明の高周波増幅器を携帯電話等の移動体無線携帯端末に用いることによって、移動体無線携帯端末の連続通話時間を大幅に延ばし、バッテリーを小型化でき、さらに軽量化することが可能になる。
また、上記増幅素子が複数の単位増幅素子で構成されているので、特にアレー状の増幅素子の中央付近の単位増幅素子の接地用バンプから回路基板上の接地用のビアホールまでの距離を短くでき、接地インダクタンスを低減することができる。また、上記各単位増幅素子の接地用バンプから回路基坂上の接地用のビアホールまでの距離が略一定になるようにすることによって、各単位増幅素子の接地インダクタンスが揃い各単位増幅素子の特性が均一化されて、増幅素子の特性を向上することができる。
【0043】
また、請求項2の発明の高周波増幅器は、請求項1の高周波増幅器において、上記回路基板がセラミック基板であるので、高絶縁性と高熱伝導性が得られ、上記半導体チップから上記接地用バンプを介して回路基板に効率よく放熱することができる。
【0044】
また、請求項3の発明の高周波増幅器は、請求項1の高周波増幅器において、上記回路基板がセラミック多層基板であるので、高絶縁性と高熱伝導性が得られ、上記半導体チップから上記接地用バンプを介して回路基板に効率よく放熱することができる。また、ビアホール周囲の平坦性が悪いセラミック多層基板でも、接地用バンプから接地用のビアホールまでの距離を可能な限り短くでき、上記増幅素子の接地インダクタンスを大幅に低減できる。
【0045】
また、請求項4の発明の高周波増幅器は、請求項1乃至3のいずれか1つの高周波増幅器において、上記半導体チップが砒化ガリウムGaAsからなるので、フリップチップボンディングによって高い熱伝導性が得られ、上記増幅素子の温度上昇を抑えて熱暴走を防止することができる。
【0046】
また、請求項5の発明の高周波増幅器は、請求項1乃至4のいずれか1つの高周波増幅器において、上記増幅素子がへテロジャンクションバイポーラトランジスタであるので、放熱をよくすることによってへテロジャンクションバイポーラトランジスタの熱暴走を防止でき、高周波増幅に適したへテロジャンクションバイポーラトランジスタを高周波増幅器に採用することができる。
【0047】
また、請求項6の発明の高周波増幅器は、請求項1乃至5のいずれか1つの高周波増幅器において、上記半導体チップにおいて上記増幅素子の上記信号出力電極が複数設けられているので、1電極当りの出力電力が減り、出力インピーダンスを高くして、低損失の出力整合回路を形成しやすくなると共に、2倍波や3倍波などの高調波インピーダンスを制御する場合にも、容易に制御することができる。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の一実施形態の高周波増幅器の回路基板の平面図である。
【図2】 図2は上記半導体チップの電極パターンとバンプを示す図である。
【図3】 図3は上記回路基板表面のバンプ接合不可領域を示す図である。
【図4】 図4は上記高周波増幅器における接地インダクタンス抽出時の等価回路を示す図である。
【図5】 図5は上記高周波増幅器に用いたHBTの単位トランジスタの電極構造を示す図である。
【図6】 図6は従来の高周波増幅器の回路基板の平面図である。
【図7】 図7は上記高周波増幅器の半導体チップの電極パターンとバンプを示す図である。
【図8】 図8は上記回路基板表面のバンプ接合不可領域を示す図である。
【図9】 図9は上記半導体チップがバンプ接合された回路基板の要部の断面図である。
【符号の説明】
11A,11B…信号出力電極、
11C…信号入力電極、
11D…接地電極、
12…ビアホール、
13…接地用バンプ接合位置、
14A,14B…信号出力用バンプ接合位置、
15…信号入力用バンプ接合位置、
20…半導体チップ、
20A…半導体チップの電極パターン位置、
23…接地用バンプ、
24A,24B…信号出力用バンプ、
25…信号入力用バンプ、
26…信号出力電極、
B…バンプ接合不可領域。

Claims (6)

  1. 少なくとも増幅素子と上記増幅素子の信号入力電極および上記増幅素子の信号出力電極とを有する半導体チップと、上記半導体チップがフリップチップボンディング法により実装された回路基板とを備え、上記半導体チップの上記増幅素子の接地電極と上記信号入力電極と上記信号出力電極が上記回路基板の表面に対向する高周波増幅器において、
    上記半導体チップの上記増幅素子は、上記半導体チップの中心よりも縁側に直線状に配列された複数の単位増幅素子で構成され、
    上記半導体チップの上記複数の単位増幅素子の接地電極上に形成された接地用バンプと、
    上記複数の単位増幅素子の配列方向に沿った中心線に対して上記半導体チップの中心側と反対の側からその配列の両端近傍まで延びた上記信号出力電極の両端上に夫々形成された信号出力用バンプと、
    上記複数の単位増幅素子の配列方向に沿った中心線に対して上記信号出力電極と反対の側から延びた上記信号入力電極上に形成された信号入力用バンプと、
    上記回路基板の表面に形成され、上記半導体チップの上記接地用バンプが接合された第1接地電極と、
    上記回路基板の裏面に形成された第2接地電極と、
    上記半導体チップの中心に対して上記接地用バンプが接合された接合位置よりも外側でかつ上記接合位置に対して所定の間隔をあけて上記回路基板に形成され、上記第1接地電極と上記第2接地電極とを接続するビアホールとを備えたことを特徴とする高周波増幅器。
  2. 請求項1に記載の高周波増幅器において、
    上記回路基板がセラミック基板であることを特徴とする高周波増幅器。
  3. 請求項1に記載の高周波増幅器において、
    上記回路基板がセラミック多層基板であることを特徴とする高周波増幅器。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の高周波増幅器において、
    上記半導体チップが砒化ガリウムGaAsからなることを特徴とする高周波増幅器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の高周波増幅器において、
    上記増幅素子がへテロジャンクションバイポーラトランジスタであることを特徴とする高周波増幅器。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の高周波増幅器において、
    上記半導体チップに上記増幅素子の上記信号出力電極が複数設けられていることを特徴とする高周波増幅器。
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