JP4054409B2 - 電気湯沸かしポット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を揚水機構で導入し吐出する小型ポンプ装置を有する電気湯沸かしポットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気湯沸かしポット等の給湯装置に組込む小型ポンプ装置として、モータ駆動源を利用した電動式の揚水機構を有する小型ポンプ装置が種々提案されており、その一例を図12及び図13に示して説明する。
【0003】
電気湯沸かしポット61の外枠体62内には、液体を入れるための貯水タンク63と、液体を外枠体62の外部に吐出させるためのポンプ装置64が配置されている。そして、貯水タンク63の底部には、液体をポンプ装置64内に導入する導入部65が設けられ、外枠体62内の上部には、ポンプ装置64に導入した液体を外部に吐出するための吐出部66が設けられている。なお、導入部65と吐出部66とは、液体通路67で連結されている。
【0004】
また、貯水タンク63内に入れられた水等の液体は、図示しない電熱装置によって加熱し沸騰させることができるようになっている。さらに、液体通路67によって、この電気湯沸かしポット61は、貯水タンク63と外枠体62の外側とが連通されている。なお、液体通路67の導入部65の近傍には、液体を汲み上げるための電動式のポンプ機構68が設けられている。
【0005】
このように構成された電気湯沸かしポット61は、ポンプ機構68の図示しないインペラを回転させてインペラの回転中心に負圧を形成することにより、貯水タンク63側の液体をインペラの回転中心内に吸引し、吐出部66方向に送出するものとなっている。なお、ポンプ機構68は、貯水タンク63の底の下側のスペースに制御基板69と共に配置されている。
【0006】
上述したポンプ装置64では、貯水タンク63内で沸騰した液体を揚水する際に、キャビテーション現象が発生するという問題がしばしば生じる。なお、キャビテーション現象とは、沸点近傍まで温度が上昇している液体をインペラ周辺まで汲み上げる際に、インペラ周辺の負圧のため液体の沸点が低くなり、液体がインペラ周辺で一気に気化し、空気が充満してしまったり、液体が沸騰した際に発生する気泡が、インペラ周辺で一気に膨張し空気等の気体でインペラが配置されている室が充満されてしまうという現象のことをいう。沸騰させた湯を汲み上げる際に、このようなキャビテーション現象が発生してインペラの回転中心に気体が集中すると、ポンプ機構68が空回りしてしまい湯を汲み上げられない。
【0007】
なお、このようなキャビテーション現象を防止するポンプ装置として、例えば、特開平7−217600号公報に記載されたような構造を有するポンプ機構70が提案されている(図14参照)。このポンプ機構70は、上述した電気湯沸かしポット61の底の部分、すなわちポンプ機構68と同様な位置に配置されるものとなっている。このポンプ機構70は、回転軸71を有するモータ72と、回転軸71に固定されたインペラ73と、インペラ73を格納する渦室74と、回転軸71の先端部分に固定されたスクリュー羽根75とを有している。すなわち、モータ72の回転軸71には、インペラ73とスクリュー羽根75とが同軸上に固定されている。
【0008】
渦室74は、インペラ73の回転中心を中心とする円柱状空間として形成されており、吸入口76と図示しない吐出口を有している。吸入口76は、液体通路67によって貯水タンク63と連通されている。なお、吸入口76内には、回転軸71に固定されたスクリュー羽根75が延出されている。また、吐出口は、液体通路67によって吐出部66に連通している。
【0009】
上述したように構成されたポンプ機構70は、モータ72が起動し回転軸71が回転することによって、インペラ73が回転する。すると、ポンプ機構70は、インペラ73の回転中心付近に負圧が発生し、貯水タンク63側の液体を渦室74内に吸引することとなる。なお、このときインペラ73の回転中心で発生するキャビテーション現象を抑えるために、スクリュー羽根75もインペラ73と一体的に回転している。すなわち、スクリュー羽根75がインペラ73と一体的に回転することによって、貯水タンク63側の液体を積極的にインペラ73の回転中心に送り込み、インペラ73の回転中心が空気で充満し空回りするのを防止している。
【0010】
また、電気湯沸かしポットではなく、陸上で用いられるポンプ装置として、水の速やかな吸い上げを行うためにポンプ部を2つ設けたポンプ装置が知られている(実開昭61−66693号公報参照)。このポンプ装置80は、図15に示すように、渦巻きポンプ81の羽根車82の回転をフレキシブルワイヤ83を介して軸流羽根車84に伝えている。なお、このフレキシブルワイヤ83は、結合変換部85,86を介して駆動力を伝達するものとなっている。
【0011】
このポンプ装置80では、動作を開始させると、軸流羽根車84によって吸込管87の下端部に充満している水が吸込管87内を上昇し、上方の渦巻きポンプ81のケーシング内に進入する。その後、上方の渦巻きポンプ81によって水は吸入され排出されていく。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した電気湯沸かしポット61では、ポンプ機構68,70が、貯水タンク63の底と外枠体62の底との間に設けられるので、貯水タンク63の底と外枠体62の底との間にポンプ機構68,70を設置するスペースが必要となり、このために底相互間の高さHが大きくなり、製品全体の高さが高くなってしまうという問題が生じている。逆に言えば、製品全体の高さをデザイン上の関係から一定の高さに制限すると、貯水タンク63の容量が小さくなってしまう。
【0013】
また、ポンプ機構68,70のインペラ収納部分は、液体通路67の最も低い位置に設置されているので、インペラ収納部分のインペラの回転半径内に水から出る析出物(水酸化カルシウム)等が溜まり易い構成となっている。しかも、従来のポンプ機構68,70においては、その析出物が堆積しないような特別な措置や、あるいは堆積した析出物を除去するような構成が全く取られていないため、析出物がインペラ収納部分に堆積すると、その析出物がインペラの回転に支障を来たし、モータがロックしてしまうという危険性を有している。
【0014】
また、ポンプ機構70では、キャビテーションを防止するためにリードスクリューからなるスクリュー羽根75を用いているが、スクリューの長さが360°を超えるようなリードスクリューを射出成形で製造する場合、単純に金型を2つに分けて外すように成形すると、螺旋状に形成された羽根部分にアンダーカットという現象が生じてしまう。このアンダーカットとは、成形した部品から金型を外す際に、部品の構造上、金型が部品の一部に干渉してしまい部品にキズをつけてしまうという現象をいう。
【0015】
このようなアンダーカットを防止するために、通常、図16に示すように、リードスクリュー90の歯91の部分に圧力角Mを設け、図示しない金型をスライドまたは回しながら外すことによって、リードスクリュー90を成形するという手段がとられている。このような歯91に圧力角Mを付けたリードスクリュー90をポンプ装置のスクリュー羽根とすると、湯や水が歯91の外周へ逃げてしまい、ポンプ効率が悪くなる。また、スライド型にするにしても回し型にするにしても金型の構造が複雑となってしまう。さらに、数ピッチ分のリードスクリューを一体的に成形するため、金型が大きくなってしまい製造効率が悪くコスト高になるという問題が生じる。
【0016】
さらに、ポンプ機構68,70では、貯水タンク63側の液体を吐出部66側へ送るだけの一方向のみのポンプ装置となっているので、電気湯沸かしポット61に発生する独特な問題に対応できないものとなっている。すなわち、電気湯沸かしポット61では、貯水タンク63内に入れた水を電熱装置で加熱し沸騰させた後に吐出口66から吐出させる際、液体通路67内の水は加熱されていないため、最初のコップ1杯程度の湯はどうしてもぬるくなってしまうという問題が生じている。また、液体の流通方向が一定方向のため、水から出る析出物や水垢等の異物が特定の場所に堆積し易くなってしまう。しかも、これを洗浄するには液体通路67を外枠体62から取り外す必要が生じ手間のかかるものとなっている。
【0017】
本発明は、上述した問題に鑑みて、リードスクリューを効率よく製造できる構造とし、量産性の高い小型ポンプ装置を有する電気湯沸かしポットを提供することを目的とする。さらに、本発明は、最初の1杯がぬるいという問題や洗浄しにくいという問題等を解消した電気湯沸かしポットを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1の電気湯沸かしポットは、液体を導入するU字型の管形状を呈した導入部と、この導入部から導入された液体を導入部より上側の位置から吐出させる吐出部と、外部から水位を視認できるように透明な部材で形成され、かつ導入部のU字の一端と吐出部とを連結した液体通路と、を設け、この液体通路内に揚水機構を1つもしくは複数設け、その揚水機構の最下端が導入部のU字の底部よりも上方の位置にあり、揚水機構の少なくとも1つを、リードスクリューを有するスクリューポンプで構成し、リードスクリューは、1ピッチ毎に成形されたスクリューから構成され、リードスクリューを回転させる駆動源を、流体通路内の液体を吐出部側および導入部側の両方向に流すことができるような双方向回転可能なモータとした小型ポンプ装置を有している。
【0019】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の電気湯沸かしポットにおいて、各スクリューは、回転軸を内周に挿通固定する円筒状の軸部と、この軸部の外周に螺旋状に360°以内の範囲で固定される羽根状の歯から形成されている。
【0020】
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の電気湯沸かしポットにおいて、揚水機構は、吐出部近傍に配置され液体通路内で回転するインペラを有する遠心ポンプと、導入部近傍に配置され液体通路内で回転するリードスクリューを有するスクリューポンプから構成されている。また、請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の電気湯沸かしポットにおいて、リードスクリューは、スクリューを複数用いて、回転軸に軸方向に連続的に積み重ねて固定配置している。加えて、請求項5記載の発明は、請求項1,2,3または4記載の電気湯沸かしポットにおいて、スクリューは、圧力角を保有しない直線状または逆テーパ状の歯を有している。
【0021】
また、請求項6記載の電気湯沸かしポットは、請求項1から5のいずれか1項記載の電気湯沸かしポットにおいて、液体通路を貯水タンクの外側に配置し、スクリューポンプを貯水タンクの底部近傍に設け、導入部を、貯水タンクの下部に設けると共にそのU字の底部がスクリューポンプの下端より低い位置となるように、貯水タンクとスクリューポンプとの間に設けている。
【0022】
本発明の電気湯沸かしポットにおける小型ポンプ装置は、液体の導入部と排出部とを連結する液体通路内にリードスクリューを有するスクリューポンプを配設している。このスクリューポンプによって液体は汲み上げられると共に必要に応じ逆方向に送出される。
【0023】
また、リードスクリューは、1ピッチ毎に成形されたスクリューから構成されるので、リードスクリューを製造する金型は簡単な構造となり低価格なものとすることが出来る。さらに、各スクリューは構造が簡単でかつ小さいため多数個を一回で成形することが可能となる。しかも、1ピッチ毎の成形手段と採ると、アンダーカットの問題を避けることが出来、圧力角を歯に設ける必要がなくなる。このためリードスクリューの歯を直線状または逆テーパ状の歯とすることが出来る。
【0024】
なお、リードスクリューを回転させる駆動源を双方向回転可能なモータとすると、リードスクリューの逆方向の回転を容易に実行できるようになり、ポンプ装置内に水酸化カルシウム等が堆積しづらくなり、好ましいものとなる。また、吐出部近傍に遠心ポンプを配置し、導入部近傍にスクリューポンプを配置するようにすると、この小型ポンプ装置の高さ方向を小さくすることが可能となる。
【0025】
また、1ピッチ毎のスクリューを連続的に積み重ねてリードスクリューを構成すると、各スクリューを小さくでき一体成形に比べると、製造し易く大量生産が可能となる。さらに、スクリューに圧力角を設けず直線状または逆テーパ状の歯とすると、液体が歯の外周へ逃げる量を減少させることができ、ポンプ効率が向上し好ましい小型ポンプ装置となる。
【0026】
このような小型ポンプ装置を組み入れて電気湯沸かしポットを構成すると、ポンプ部分の量産性が上がり、電気湯沸かしポットの生産効率も向上する。また、スクリューポンプを逆回転させることにより、液体通路内の冷めた液体を貯水タンク内の熱い湯に戻したり、ポンプ部分に堆積した水からの析出物を除去したりすることが出来るようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態における小型ポンプ装置1を図1から図11に基づき説明する。なお、小型ポンプ装置1は、電気湯沸かしポット2に組込まれたものとして説明する。
【0028】
電気湯沸かしポット2は、図1に示すように、主に、外枠体3と、液体となる水や湯を溜めておくための貯水タンク4と、貯水タンク4内の液体を外部に汲み上げて吐出させるための小型ポンプ装置1から構成されている。
【0029】
外枠体3は、底部3aを有する略円筒形状で形成されたもので、内部に貯水タンク4を収納し、その貯水タンク4上に形成された開口部に蓋5を開閉自在に取り付けている。また、貯水タンク4の上端周縁には、外側に折れ曲がる形状の折曲部4aが形成されており、この折曲部4aが外枠体3の内側に形成された肩部6の段部6aに係合することによって、貯水タンク4が外枠体3の内側に支持されている。
【0030】
外枠体3の前面上部中央部分には、外側に突出するように形成されたくちばし部7が設けられている。このくちばし部7の下側面には、貯水タンク4から送られてくる液体をカップ等に注ぐための注ぎ口8がその下側面に設けられた湯の出口のための開口に面して設けられている。また、外枠体3の外周面でくちばし部7の下側には、貯水タンク4内の液体の量の目安を知るための水位表示窓9が設けられている。
【0031】
貯水タンク4は、底部4bを有する略カップ形状を有するもので形成されており、液体を入れておくためのものである。この貯水タンク4の外側には、液体を外部に汲み上げるための小型ポンプ装置1が配置されている。また、貯水タンク4の底部4bには、小型ポンプ装置1と連通する連通孔4cが形成されている。
【0032】
小型ポンプ装置1は、貯水タンク4の底部4bより液体を導入する導入部10と、導入された液体を注ぎ口8から吐出させるための吐出部11と、導入部10と吐出部11とを連結した液体通路12と、液体通路12内に配置された電動式の揚水機構としてのスクリューポンプ13及び遠心ポンプ14と、駆動源としてのモータ15から主に構成されている。なお、モータ15は、双方向回転のモータとなっており、スクリューポンプ13及び遠心ポンプ14を一体的に駆動する共通の駆動源となっている。
【0033】
スクリューポンプ13は、液体通路12内の下端部分で導入部10近傍に配置されている。すなわち、スクリューポンプ13は、図2に示すように、円筒状のケース体で形成され導入部10に連通すると共に液体通路12の一部となっているポンプ室16と、ポンプ室16内に回転自在に格納されたリードスクリュー17から主に構成されている。なお、リードスクリュー17の構成については、後で詳述する。
【0034】
一方、遠心ポンプ14は、液体通路12内の上端部分で吐出部11近傍に配置されている。すなわち、遠心ポンプ14は、ケース体18の一部で構成され液体通路12の一部となっている渦室19と、渦室19内に回転自在に格納されたインペラ20から主に構成されている。なお、インペラ20の回転中心には、シャフト21の一端が固定されている。このシャフト21の他端は、液体通路12内を通ってポンプ室16内に進出し、ポンプ室16内の下端に配置されたスライドベアリング59の半球状の突起59aに突き当たり回転自在に支承されている。そして、シャフト21のポンプ室16内に進出している部分にはリードスクリュー17が固定されている。この構成によって、シャフト21は、ストレートパイプ23内で回転自在に支承され、インペラ20とリードスクリュー17とは、一体的に回転するようになっている。
【0035】
また、ケース体18内の上半分程のスペースは、モータ15を格納するためのモータ収納部22となっており、渦室19はケース体18内の下半分程のスペースで構成されている。また、この遠心ポンプ14の渦室19は、吐出部11に連通している。
【0036】
導入部10は、U字状のパイプで形成されており、貯水タンク4の下側に配置されている。導入部10の一端は、貯水タンク4の底部4bに形成された連通孔4cと連結されており、これによって導入部10は貯水タンク4と連通されている。導入部10の他端は、液体通路12の下端に設けられたスクリューポンプ13のポンプ室16に連結されている。
【0037】
液体通路12は、貯水タンク4の外側に縦置きに配置されたストレートパイプ23と、ストレートパイプ23の上端に連結された渦室19と、ストレートパイプ23の下端に連結されたポンプ室16から構成されている。すなわち、液体通路12の下端部分には、リードスクリュー17を有するスクリューポンプ13が設けられている。また、液体通路12の上端部分には、インペラ20を有する遠心ポンプ14が設けられている。
【0038】
また、液体通路12と平行な位置には、液体通路12を補強するための補強板24が配置されている。この補強板24は、図2及び図3に示すように、平板状部材で形成されており、一端側24aの4つのねじ孔24bが渦室19の外側の固定部19aに形成された4つのねじ孔19bに合わされた後ねじで固定され、他端側24cの4つのねじ孔24dがポンプ室16の外側の固定部16aに形成された4つのねじ孔16bに合わされた後ねじで固定される。
【0039】
また、液体通路12のストレートパイプ23は、円筒形状でかつ透明な部材で形成されており、水位表示窓9よりストレートパイプ23内の水位が視認できるようになっている。そして、このストレートパイプ23内の水位を見ることにより貯水タンク4内の液体の残量を推定できるものとなっている。なお、ストレートパイプ23と渦室19との連結部分には、防水キャップ26が嵌め込まれている。この防水キャップ26は、食品衛生法及び食品添加物用の規格基準に適合したゴム製の器具で形成されており、ストレートパイプ23と渦室19との連結を強固なものとして連結部分からの漏水を防止している。
【0040】
スクリューポンプ13のポンプ室16は、図4に示すように、導入部10と液体通路12とを直角に連結するものとなっており、略円筒形状のケース体で形成されている。スクリューポンプ13の下端部には、導入部10と連結された引込み口27が設けられている。また、ポンプ室16の外側には、図5に示すように、補強板24の一端側を固定するための固定部16aが形成されている。また、ポンプ室16の上端縁部分には、防水キャップ28が嵌め込まれている。この防水キャップ28は、防水キャップ26と同様に、食品衛生法及び食品添加物用の規格基準に適合したゴム製の器具で形成されており、ストレートパイプ23とスクリューポンプ13との連結を強固なものとして連結部分からの漏水を防止している。
【0041】
吐出部11は、渦室19に連結され水平方向に延出された送水管29と、送水管29より送られてきた液体を外枠体3の外部に吐出させるための吐出管30と、送水管29と吐出管30との間に設けられた安全弁装置31とから形成されている。なお、この吐出部11は、くちばし部7と肩部6との間に収まるように配置されている。そして、吐出管30の先端部分は注ぎ口8と連結されており、この注ぎ口8は、図4に示すように、くちばし部7に形成されたアンダーカバー32に設けられた吐出開口33に臨んでいる。
【0042】
安全弁装置31は、安全弁ケース34内に収納された転倒時安全弁35と、傾斜時安全弁36から構成されている。転倒時安全弁35は、電気湯沸かしポット2が転倒した際に、送水管29を閉塞するものとなっている。また、傾斜時安全弁36は、電気湯沸かしポット2を後ろ方向に傾斜させた際に送水管29を閉塞するものとなっている。
【0043】
貯水タンク4の下側には、図4に示すように、電熱装置37が設けられている。この電熱装置37を稼動させることによって、貯水タンク4内の液体が加熱されることとなる。また、貯水タンク4の底部4bの周縁部分には、導入部10と連通する連通孔4cが設けられている。このように、貯水タンク4は、導入部10、液体通路12及び吐出部11を介して外枠体3の外部と連通している。
【0044】
なお、液体通路12のストレートパイプ23の上方に配置されたケース体18は、モータ収納部22と渦室19とに分離されている。すなわち、ケース体18は、図6に示すように、略円筒形状の部材で形成されており、上端縁には係合部38が形成されている。この係合部38は、図7に示すように、カップ状に形成された中ケース39を係合するものとなっている。そして、ケース体18の上側から中ケース39を挿入し、係合部38に、中ケース39の上端部分に形成された突起部40を係合させることにより、ケース体18の略上半分の部分には、中ケース39が嵌合配置される。これにより、ケース体18は、上側の部屋、すなわちモータ15を支持するモータ収納部22と、下側の部屋、すなわちインペラ20を格納する渦室19とに分離されることとなる。
【0045】
中ケース39の内側には、モータ15の平面部に固定された樹脂性のプレート41と係合してモータ15を支承する段部42が形成されている。モータ15は、中ケース39に入れる際に、段部42にプレート41が当接するため、中ケース39の途中部分までのみ進入するようになっており、略半分は中ケース39の上側に突出した状態で嵌まっている。なお、モータ15の上側に突出した部分には、モータ端子43を保護するモータキャップ44が被せられている。
【0046】
また、モータ15の上方の外枠体3には、図7に示すように、閉塞蓋45が設けられており、閉塞蓋45にリード線46に通じた一対の可動側接点47が取り付けられている。そして、可動側接点47は、閉塞蓋45を閉じた際に、モータ15の上端面に形成されたモータ端子43に接触するようになっている。リード線46は、図示しない制御回路基板に接続され、外部から吐出ボタンが操作された際に、制御回路基板からの信号によりモータ15が駆動されるようになっている。
【0047】
また、モータ15のプレート41が固定されている側の面の中央からは、モータ出力軸48が回転自在に延出している。このモータ出力軸48の先端部分は、中ケース39の中央凹部39aに進入している。また、モータ出力軸48の途中部分には、インペラ20を誘導するためのドーナツ形の90°毎の4極面着磁がなされた誘導マグネット49がマグネット保持部材49aを介して固定されている。この誘導マグネット49は、この実施の形態では、乾式軸方向異方性フェライト磁石を使用しているが、希土類マグネット等他のマグネットとしても良い。
【0048】
なお、中ケース39の底部分には、この底部分よりさらに下側、すなわち渦室19へ突出するように形成された軸固定部50が形成されている。この軸固定部50には、渦室19に格納されるインペラ19を回転自在に支承する固定軸51が嵌合固定されている。
【0049】
渦室19は、インペラ20を回転自在に格納する空間となっており、図8に示すように、液体を貯水タンク4側から吸引する吸込部52と、吐出部11の送水管29と連結されて吸引した液体を注ぎ口8側へ排出する排出部53とを有している。吸込部52は、図8に示すように、渦室19の底部分でインペラ20の回転中心からずれた位置に形成されている。さらに、吸込部52の近傍には、図9に示すように、渦室19の底部分の一部より吸込部52に向かって徐々に深くなる凹部から形成される斜面部54が設けられている。また、この斜面部54と吸込部52を挟んで反対側には、渦室19の内周壁より内側に突出するように形成された突起部18bが形成されている。
【0050】
このような構成によって、渦室19は、インペラ20の回転方向によって液体の吸引力に差が出るようになっている。すなわち、インペラ20が、図8において矢示A方向(正方向)に回転すると、ストレートパイプ23側の液体が、吸込部52から吸込み能力を若干弱められながら吸込まれるが、その際、斜面部54を伝って渦室19内に吸込まれ易くなる。
【0051】
逆にインペラ20が、図8において矢示B方向(逆方向)に回転すると、吸込部52が中心からずれているため、吸引力は小さくなると共に、突起部18bによりケース体18とインペラ20とのギャップが狭くなるため注ぎ口8側への液体の移動がしづらくなる。しかも、吸込部52の回転前方に斜面部がくるため、渦室19内の液体が斜面部54を伝ってストレートパイプ23側へ逆流し易くなる。この結果、インペラ20を逆回転させた場合には、遠心ポンプ14の吸込能力は低くなり、リードスクリュー17の回転力によって液体が逆流し易いようになる。
【0052】
インペラ20は、PPS等の樹脂磁性材で形成され、図10に示すように、軸部55と複数枚の羽根部56とからなり、軸部55の上側部分には、固定軸51に遊嵌される嵌合孔57が設けられている。この嵌合孔57には、インペラ20を固定軸51に対して回転自在とするための軸受60が嵌合されている。すなわち、嵌合孔57の外周面の1ヶ所に溝57aが形成され、軸受60の外周に設けられる突起が嵌合することによって軸受60は嵌合孔57内に嵌められている。そして、インペラ20は、軸受60の底面に形成された半球状の突起60aを固定軸51の端部に突き当てながら回転自在に支承されている。また、嵌合孔57の下面には、下方のD型嵌合孔55aに貫通する貫通孔57bが形成されている。
【0053】
また、複数枚の羽根部56には、中ケース39内に配置されている誘導マグネット49に磁気誘導されるための90°毎の4極面着磁がなされている。すなわち、モータ15が駆動しモータ出力軸48が回転すると、誘導マグネット49に羽根部56が磁気誘導されて、インペラ20が渦室19内で回転するようになっている。なお、インペラ20が回転すると、インペラ20の回転中心には負圧が発生し、ストレートパイプ23内の空気や液体等を回転中心に吸引する作用が働くこととなる。
【0054】
また、インペラ20の軸部55の下側部分には、シャフト21の断面D型とされた上端21aがD型嵌合孔55aに嵌合固定されている。なお、シャフト21は、ストレートパイプ23内に配置され、下端はストレートパイプ22の下方に配置されたリードスクリュー17に固定されている。したがって、インペラ20とリードスクリュー17は、同軸上に離れた位置で固定されていることとなる。
【0055】
また、リードスクリュー17は、図4に示すように、複数、具体的には5つの同形状のスクリュー17a,17b,17c,17d,17eを軸方向に重ねてシャフト21に固定配置したものとなっている。なお、スクリュー17a,17b,17c,17d,17eは、同形状で構成されているので、以後は5つのスクリューの代表としてスクリュー17bについて説明する。
【0056】
スクリュー17bは、PPS等の樹脂材で形成されている。スクリュー17bは、図11(A),(B)及び(C)に示すように、シャフト21を内周に挿通固定する円筒状の軸部17baと、軸部17baの外周に螺旋状に固定された羽根状の歯17bbから構成されている。そして、軸部17baの上端には、上側に配置されるスクリュー17aの嵌合凸部と嵌合する嵌合凹部17bcが設けられている。一方、軸部17baの下端には、下側に配置されるスクリュー17cの嵌合凹部と嵌合する嵌合凸部17bdが設けられている。
【0057】
この構成によって、スクリュー17bは、スクリュー17aを上側に、スクリュー17cを下側に共に軸方向に積み重ねて嵌合固定するようになっている。他のスクリュー17c,17dも同様に、それぞれ嵌合凹部を、上側に配置されるスクリューの嵌合凸部に嵌合させ、嵌合凸部を、下側に配置されるスクリューの嵌合凹部に嵌合させることにより、他のスクリューと重ねて軸方向に固定される。なお、スクリュー17aは、上端に配置されているため、嵌合凹部には他のスクリューを嵌合されない。また、スクリュー17eは、下端に配置されているため、嵌合凸部には他のスクリューを嵌合されない。
【0058】
一方、羽根状の歯17bbは、軸部17baの外周に360°以内の範囲で螺旋状に内端を固定されていると共に、外側に行くほど厚くなる逆テーパ状に形成されたものとなっている。歯17bbは、図11(A)に示すように、軸方向で見ると、上端17beと下端17bfが重ならないように形成されている。すなわち、スクリュー17bは、軸部17baを含めて軸方向に重なる部分がないように構成されている。
【0059】
この構成によって、スクリュー17bは、射出成形で成形する際に、上下方向に移動可能な上型と下型からなる金型部材の間に樹脂材料を投入し、上型と下型を上下方向に移動させるのみの単純な成形方法で、アンダーカット(金型を材料から抜く際に金型が材料に引っかかる)の出ないものとして製造することが可能となる。このことから、歯17bbに圧力角(アンダーカットが出てしまう構成の場合、金型を材料から抜き易くするために部品側に斜面を設けたもの)をつける必要がなく、リードスクリュー17は、吸込効率の良いものとすることが可能となる。
【0060】
このように構成されたリードスクリュー17は、ポンプ室16内に格納されている。リードスクリュー17は、上述したように1ピッチ毎に形成したスクリュー17a,17b,17c,17d,17eを軸方向に連続的に積み重ねて固定して形成されたリードスクリューとなっているため、シャフト21が正方向に回転する際には、貯水タンク4側の液体を注ぎ口8側に移動させ、逆にシャフト21が逆方向に回転する際には、注ぎ口8側や液体通路12内の液体を貯水タンク4側に逆流させるようになっている。
【0061】
なお、このリードスクリュー17の外径は、ポンプ室16の内壁に対して精度よく構成されているものではなく、そのためポンプ性能としてはインペラ20の部分より弱いものとなっている。これによって、スクリューポンプ13によって液体が汲み上げられ遠心ポンプ14に供給され始めた後は、遠心ポンプ14がメインとなって液体を汲み上げ排出することとなる。また、リードスクリュー17の組立は低精度で良いため、スクリューポンプ13は、組立が容易で量産性の高いものとすることができる。
【0062】
この実施の形態のリードスクリュー17は、5回転(=1,800°)分のスクリュー17a,17b,17c,17d,17eを軸方向に単に重ね合わせて嵌合固定したものとなっているが、この構成では隣接するスクリュー同士の羽根部材の切れ目部分において隙間が生じてしまう。そこで、この隙間を埋めるために、例えば、図11(A)における隙間S分だけ各スクリュー17a,17b,17c,17d,17eを周方向にずらして嵌合させるようにすると、切れ目部分で各々接合され、全体として滑らかなリードスクリュー17とすることができる。なお、この場合、リードスクリュー17の合計角度は1,800°に対して僅かに小さい数値となる。
【0063】
なお、5つのスクリュー17a,17b,17c,17d,17eを軸方向に重ねてつなぎ合わせた構成とせずに、5回転(=1,800°)分を連続的に形成したリードスクリューとすることもできるが、本実施の形態では、上述したように、射出成形する際に、簡単な方法でしかも圧力角のない構造のものを成形できることから、1ピッチ毎に製造したスクリューを重ねて配置している。
【0064】
また、リードスクリュー17は、1ピッチの長さ約8.0mm,圧力角0°,進み角11.9°等としているが、他の数値のものでもよい。特に、圧力角は、上述の実施の形態のようにマイナスの角度とせずプラスの角度としても良い。さらに、リードスクリュー17の外周部とポンプ室16の内周面との間隙は、0.4〜0.8mmとしているが、製造上及びスクリューポンプ13としての機能を考慮すると、0.5〜1.2mmが好ましい。
【0065】
さらに、リードスクリュー17は、複数のスクリューで構成せずに1ピッチ分のみを用いたり、数を少なくして3ピッチ分等としても良い。このようにピッチ数を少なくしても十分汲み上げ力は確保できる。しかし、逆流の作用は、数を少なくすると弱くなる。よって、スクリューの数としては1〜5が好ましく、2つまたは3つが最も好ましいものとなる。
【0066】
このように、スクリューポンプ13は、遠心ポンプ14と比してポンプ性能が低いものとなっているので、その役割としては、▲1▼正回転時、少なくともインペラ20の部分まで液体を供給する▲2▼逆回転時、液体を逆流させるという2つの働きを有している。なお、遠心ポンプ14は、ポンプ性能が高いものとなっており、一旦液体が渦室19内に供給されると、確実に大量に液体を吐出できるものとなっている。しかしながら、渦室19の回転中心は負圧となっており、沸騰した湯を汲み上げる際には、沸点に近い温度となっている湯が気化したり、湯が気化する際に発生する泡が膨張したりして、キャビテーション現象が生じる。
【0067】
すなわち、正回転時、仮に遠心ポンプ14にキャビテーションが発生しても、リードスクリュー17がキャビテーションを防止するようにインペラ20の回転中心に湯を確実に供給する。また、逆転時、リードスクリュー17は、渦室19や液体通路12内の液体を逆流させ貯水タンク4へ戻す。特に、この実施の形態では、逆回転時、遠心ポンプ14の吸引作用が弱くなるため、その戻り量は多くなる。
【0068】
次に、上述したように構成された小型ポンプ装置1を組込んだ電気湯沸かしポット2の動作について説明する。
【0069】
まず、湯沸かしの準備動作として、蓋5を開けて貯水タンク4に水を投入する。すると、貯水タンク4内に投入した水の一部は、連通孔4cから導入部10に導入され、液体通路12内へ進出する。このとき、水は、貯水タンク4内へ投入した水の容量に応じた位置で止まる。液体通路12のストレートパイプ23の水面の位置は、水位表示窓9から見ることが可能で、これにより貯水タンク4内の内容量の推定が可能となる。すなわち、この状態では、導入部10及びスクリューポンプ13内へは完全に水が浸入し、貯水タンク4及びストレートパイプ23の途中部分まで水が入っていることとなる。
【0070】
このような状態で電熱装置37に通電して貯水タンク4内の水を加熱する。水が沸騰すると、このとき発生する蒸気は、蓋5に設けた蒸気孔5aから外部に排出され、モータ15や可動側接点47、モータ端子43を収納するモータキャップ44部分への侵入は肩部6によって遮断される。また、沸騰時に飛び跳ねる湯も、同様に肩部6によって遮断される。
【0071】
湯を吐出させるときは、閉塞蓋45を閉めて可動側接点47とモータ端子43とが接触した状態として吐出ボタン(図示省略)を操作することにより、電動式の揚水機構の駆動源となるモータ15を正回転方向に駆動させる。すると、誘導マグネット49を固定したモータ出力軸48が、中ケース39内で正方向に回転する。
【0072】
このように誘導マグネット49が正方向に回転すると、羽根部56に着磁を施されたインペラ20がシャフト21及びリードスクリュー17と共に一体的に正方向に回転する。まず、リードスクリュー17の回転により貯水タンク4の湯がストレートパイプ23内を上昇する。このため、ストレートパイプ23内の加熱されていない水が遠心ポンプ14側に押し上げられ入っていく。一方、この後遠心ポンプ14に水が供給されると、インペラ20の回転中心には、負圧が発生し、渦室19内にはストレートパイプ23内の水を吸引する吸引力が発生する。そして、渦室19内に侵入してきた水は、排出部53より送水管29及び吐出管30を経由して注ぎ口8より外枠体3の外部に供給される。
【0073】
このようにして、インペラ20の回転によりストレートパイプ23から吸引し注ぎ口8より吐出させた水は、貯水タンク4内で加熱されたものではないので冷たいままである。この冷たいままの水に続き、貯水タンク4内で加熱された湯が、リードスクリュー17の回転によりストレートパイプ13からインペラ20に供給されると、インペラ20の回転により、湯は注ぎ口8方向に供給される。
【0074】
このとき、インペラ20の回転中心は負圧になっており、沸点に近い温度となっている湯が気化したり、または泡が膨張したりして、インペラ20の回転中心が空気が充満するキャビテーション現象を起こす恐れがある。しかしながら、本発明の実施の形態においては、リードスクリュー17によってインペラ20の回転中心に湯を連続的に供給するためキャビテーション現象が起こりにくくなっている。
【0075】
なお、最初に吐出する水が冷たいという状態を嫌う場合、すなわち最初の1杯から熱い湯が必要な場合は、次のようなモード設定ができるようにして対応する。すなわち、所定のボタンを操作することにより、モータ15が逆方向に駆動されるようにする。すると、インペラ20が逆回転時には、上述した渦室19の構造に起因しポンプ能力が低くなるのを利用して、リードスクリュー17は、ストレートパイプ23内の水をすばやく貯水タンク4側へ戻す。
【0076】
これによって、貯水タンク4の外にあって加熱されなかった水が、貯水タンク4内で沸騰した湯に混ざり加熱された状態となる。その後、モータ15は自動的に正方向に駆動され、熱い湯が最初から吐出される。なお、このようなモード設定機能ではなく、戻しボタン(図示省略)のようなものを配置し、その動作によって逆方向駆動させ、その後、吐出ボタンを押すようにしても良い。
【0077】
また、電気湯沸かしポット2を洗浄する場合は、以下のようにする。まず、蓋5を開けて貯水タンク4に適量の水を投入する。すると、貯水タンク4内に投入した水の一部は、連通孔4cから導入部10に導入され、スクリューポンプ13を通りストレートパイプ23を上っていく。
【0078】
このような状態で貯水タンク4内に洗浄剤を投入し、例えば、湯あか洗浄ボタン(図示省略)を操作する。すると、電熱装置37が通電されて貯水タンク4内の水を加熱する。その加熱と同時または沸騰後に、モータ15が逆回転に駆動される。これにより、ストレートパイプ23内の水は貯水タンク4内に戻される。水が貯水タンク4内に戻る程度のタイミングまたは一定時間後に、今度はモータ15は正回転される。すると、貯水タンク4内の洗浄剤が投入された湯は、ストレートパイプ23および渦室19内に汲み上げられる。このような動作を繰り返すことによって、電気湯沸かしポット2の液体通路12の主要な部分の内部、すなわちインペラ20周辺及びスクリューポンプ13の周辺や、導入部10等が洗浄されることとなる。
【0079】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した小型ポンプ装置1は、電気湯沸かしポット2に組込んだものとして構成したが、他の液体吐出装置、例えば給湯器、浄水機等に採用するようにしても良い。なお、本発明の小型ポンプ装置1は、インペラ20の回転中心にリードスクリュー17で液体を供給してキャビテーション現象を防止する構成を有しているため、沸騰させた液体を汲み上げるタイプの液体吐出装置に最適なものとなっている。
【0080】
また、本発明で採用されるスクリューポンプ13は、小型ポンプ装置の中に少なくとも1つ設けるようにする。すなわち、上述の実施の形態のように上部に遠心ポンプ14を、下部にスクリューポンプ13を設けたりする以外に、その配置を反対としたり下部または上部に1つのみ揚水機構を設け、その揚水機構をスクリューポンプとしても良い。
【0081】
また、本実施の形態の小型ポンプ装置1は、ストレートパイプ23と渦室19とを連通する吸込部52が、インペラ20の回転中心からずれた位置に設けられているが、吸込部は渦室19内のインペラ20の回転中心に形成されても良い。しかしながら、本実施の形態は、上述した構成をとることにより、モータを逆回転させて、液体通路12内の液体を貯水タンク4側へスムーズに逆流させることが可能となり、これにより、▲1▼液体通路12内の加熱されていない液体を貯水タンク4内に戻して温めることができる▲2▼液体通路12内の洗浄を行うことができる、という効果を有することとなる。
【0082】
さらに、1ピッチ毎のスクリューとしては、180°以上で360°以内のものが好ましいが180°未満のものとしても良い。また、スクリューの歯は、上述の実施の形態のように、逆テーパ状が好ましいが、直線状としたり従来のように圧力角を持ったものとしても良い。なお、1ピッチ毎のスクリューは、小型ポンプ装置のスクリューポンプの構成部品として適用するだけではなく、他のスクリューを用いる装置全般において適用できる。
【0083】
さらに、本実施の形態の小型ポンプ装置1は、リードスクリュー17の外径寸法をポンプ室16の内壁に対して余裕のあるもので構成したが、リードスクリュー17の外周縁とポンプ室16の内周壁との隙間寸法を小さいものとして構成しても良い。この場合、部品組立及び部品加工の難易度が上がり、製造効率が低下する可能性があるが、完成品としてはスクリュー部分のポンプ能力の高い小型ポンプ装置となる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の電気湯沸かしポットは、双方向回転可能なモータで駆動されるスクリューポンプを有しているため、流体通路内の液体は吐出部側に流出したりまたはその方向と逆方向に送出されることが可能となり、液体通路内の液体を逆流させて貯水タンクへ戻すことが容易に可能となる。このため、水からの析出物や水垢等の堆積物を必要により除去することが可能となり、ポンプ効率の高い装置とすることが出来る。また、液体通路は水位が目視できるように透明な部材で形成されているため、外部から液体通路内の水位を視認することができる。一方、透明な部材を用いることで汚れが目立ち易くなった液体通路内を簡単に洗浄でき、目視性の良さを維持することができる。しかも、1ピッチ毎に成形されたスクリューでリードスクリューを構成しているので、1回に多数個を成形することが可能となる等、量産性の良い小型ポンプ装置を有する電気湯沸かしポットとすることが出来る。
【0085】
また、請求項2記載の発明では、スクリューの羽根状の歯が、軸部の外周に螺旋状に360°以内の範囲で固定されている。そのため、スクリューを製造する場合、射出成形で上下方向に分割される金型の間に材料を流し込み、金型を上下方向に外すという、簡易な製造方法を用いて形成したとしても、金型を外す際に金型が材料と干渉するアンダーカットが起こらないスクリューとなる。したがって、スクリューの製造コストを低コストとすることが可能となり、生産性の高い小型ポンプ装置を有する電気湯沸かしポットとなる。さらに、アンダーカットが起こらない構造となることから、圧力角を0°とすることが出来、これによって、ポンプ能力の高いスクリューとなる。
【0087】
また、請求項3記載の発明では、揚水機構は、遠心ポンプとスクリューポンプから構成され、スクリューポンプの吸込力を遠心ポンプが補うことで、全体として十分に高いポンプ性能が出るようにしている。したがって、スクリュー部の外径寸法及びスクリューポンプの組立精度をラフなものとしても、全体としては高いポンプ能力を出すことができ、生産性の高い小型ポンプ装置を有する電気湯沸かしポットとなる。
【0088】
さらに、請求項4記載の発明では、リードスクリューは、スクリューが回転軸の軸方向に連続的に積み重ねて固定配置されているので、逆転時の吸込能力が大きくなり、確実にかつ速やかに液体を逆流させることが可能となる。そのため、液体通路内の洗浄等が速やかに出来る小型ポンプ装置を有する電気湯沸かしポットとなる。
【0089】
加えて、請求項5記載の発明は、スクリューの歯の形状を直線状または逆テーパ状にしているので、液体が外周に逃げてしまう量を減少させることができ、ポンプ効率の良い小型ポンプ装置を有する電気湯沸かしポットとすることが出来る。
【0090】
また、請求項記載の電気湯沸かしポットでは、貯水タンクの外側に液体通路及びスクリューポンプが配置されたので、小型ポンプ装置を電気湯沸かしポットに組込む際に、液体通路及びスクリューポンプが製品内のスペース、特に高さ方向のスペースに影響を与えることがない。したがって、貯水タンクの容量を大きくしたり、あるいは外枠のデザインを変形させたり等、製品の設計に自由度を持たすことが出来る電気湯沸かしポットとなる。また、この発明によれば、スクリューポンプが縦置きにされた液体通路内に配置されるので、水からの析出物や水垢等の異物が液体通路に堆積したとしてもスクリューポンプによって除去でき、モータロック等の問題が発生しにくい安全性の高い電気湯沸かしポットとなる。また、スクリューポンプを逆転させ、その後、正転させることにより、液体通路内の洗浄を行うことができ、透明の流体通路の目視性の良さを維持できると共に、最初の1杯から熱い液体を取り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における小型ポンプ装置を組込んだ電気湯沸かしポットの全体を示した一部断面斜視図である。
【図2】図1に示した小型ポンプ装置の縦断面図である。
【図3】図2の小型ポンプ装置の補強板を矢示III方向から見た平面図である。
【図4】図1に示した電気湯沸かしポットの小型ポンプ装置付近を示した一部断面図である。
【図5】図2の小型ポンプ装置を矢示V方向から見た図である。
【図6】図2の小型ポンプ装置のケース体部分を示した縦断面図である。
【図7】図1に示した電気湯沸かしポットに組込まれた小型ポンプ装置のモータ周辺部を拡大して示した一部断面図である。
【図8】図6のケース体を矢示VIII方向から見た図である。
【図9】図8のIX−IX断面図である。
【図10】図2の小型ポンプ装置のインペラを示した縦断面図である。
【図11】図2の小型ポンプ装置のスクリューの1ピッチ分を示した図で、(A)は、上から見た平面図、(B)は、(A)を矢示B方向から見た図、(C)は、(A)のC−C断面図である。
【図12】従来の電気湯沸かしポットの全体を示した模式図である。
【図13】図12の電気湯沸かしポットを上から示した平面図である。
【図14】従来の他の小型ポンプ装置を示した縦断面図である。
【図15】従来の陸上で用いられるポンプ装置を示した縦断面図である。
【図16】従来のリードスクリューを示した平面図である。
【符号の説明】
1 小型ポンプ装置
2 電気湯沸かしポット
4 貯水タンク
4b 底部
10 導入部
11 吐出部
12 液体通路
13 スクリューポンプ
14 遠心ポンプ
15 モータ
17 リードスクリュー
17a,17b,17c,17d,17e スクリュー
17ba 軸部
17bb 羽根状の歯
20 インペラ
21 シャフト(回転軸)

Claims (6)

  1. 液体を導入するU字型の管形状を呈した導入部と、この導入部から導入された液体を上記導入部より上側の位置から吐出させる吐出部と、外部から水位を視認できるように透明な部材で形成され、かつ上記導入部のU字の一端と上記吐出部とを連結した液体通路と、を設け、この液体通路内に揚水機構を1つもしくは複数設け、その揚水機構の最下端が上記導入部のU字の底部よりも上方の位置にあり、
    上記揚水機構の少なくとも1つを、リードスクリューを有するスクリューポンプで構成し、上記リードスクリューは、1ピッチごとに成形されたスクリューから構成され、上記リードスクリューを回転させる駆動源を、上記流体通路内の液体を上記吐出部側および上記導入部側の両方向に流すことができるような双方向回転可能なモータとした小型ポンプ装置を有することを特徴とする電気湯沸かしポット
  2. 前記各スクリューは、回転軸を内周に挿通固定する円筒状の軸部と、この軸部の外周に螺旋状に360°以内の範囲で固定される羽根状の歯から形成されたことを特徴とする請求項1記載の電気湯沸かしポット
  3. 前記揚水機構は、前記吐出部近傍に配置され前記液体通路内で回転するインペラを有する遠心ポンプと、前記導入部近傍に配置され前記液体通路内で回転する前記リードスクリューを有するスクリューポンプから構成されることを特徴とする請求項1または2記載の電気湯沸かしポット
  4. 前記リードスクリューは、前記スクリューを複数用いて、回転軸に軸方向に連続的に積み重ねて固定配置していることを特徴とする請求項1,2または3記載の電気湯沸かしポット
  5. 前記スクリューは、圧力角を保有しない直線状または逆テーパ状の歯を有することを特徴とする請求項1,2,3または4記載の電気湯沸かしポット
  6. 記液体通路を貯水タンクの外側に配置し、前記スクリューポンプを上記貯水タンクの底部近傍に設け、前記導入部を、上記貯水タンクの下部に設けると共にそのU字の底部が前記スクリューポンプの下端より低い位置となるように、上記貯水タンクと前記スクリューポンプとの間に設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の電気湯沸かしポット。
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