JP4054297B2 - 折り畳み式シート - Google Patents

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本発明は、折り畳みむことのできるシートに関するものである。
従来、このような分野の技術として、特開2002−240607号公報がある。この公報に記載された折り畳み式シートは、シートクッションフレームとフロアとをリンク部を介して連結している。そして、リンク部を倒すことにより、シートクッションをフロア収容部内に落とし込んで、シートを床下に格納するようにしている。このような構成によって、シートバックとデッキ面とを略同一の高さにして、荷室の拡大を図っている。
特開2002−240607号公報
しかしながら、前述した従来の折り畳み式シートには、次のような課題が存在している。すなわち、シートバックとデッキ面とを略同一の高さにして、荷室の拡大を図るために、シートの真下には、フロア収容部が凹部として形成されるので、この部分にゴミや水が溜まる虞がある。また、前述したシートは、シートクッションのクッション厚がそのまま維持されているので、シート自体の更なる薄型化を図るものではない。
本発明は、シートクッション自体の薄型化を可能にした折り畳み式シートを提供することを目的とする。
本発明に係る折り畳み式シートは、シートバックがシートクッション側に折り畳まれ、シートクッションがフロア上に倒れ込むように構成された折り畳み式シートにおいて、シートクッションに設けられて、フロア側に位置する下側シートクッションフレームと、シートクッションに設けられて、下側シートクッションフレームの上方に位置する上側シートクッションフレームと、上側シートクッションフレームと下側シートクッションフレームとを連結する第1のリンク部と、シートバックに設けられて、下側シートクッションフレームに向けて倒れる回動自在なシートバックフレームと、シートバックフレームの下端と第1のリンク部とを連結する第2のリンク部とを備え、シートバックフレームの倒れ込みによって上側シートクッションフレームが下側シートクッションフレームに向けて沈み込むことを特徴とする。
この折り畳み式シートにおいては、シートバックを倒すことで、第2のリンク部を介して第1のリンク部が回動を開始し、これによって、上側シートクッションフレームが下側シートクッションフレームに向けて沈み込むように移動する。従って、シートバックを倒しながら、上側シートクッションフレームと下側シートクッションフレームとの間隔を狭くすることができ、その結果としてシートクッション自体の薄型化が図られることになる。このことは、折り畳み式シートの薄型化を促進させるものである。
また、下側シートクッションフレームとフロアとを連結する第3のリンク部を更に備え、下側シートクッションフレームがフロアに向けて倒れ込むと好適である。このような構成をセカンドシート又はサードシートに採用すると、シート折り畳み後において、シートバックの背面と荷室の床面との高さを揃えることができ、上側シートクッションフレームの沈み込みと相俟って、荷室の床面を低く設定することができ、荷室における高さ方向の拡大化が達成される。
本発明によれば、シートクッション自体の薄型化を可能にする。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る折り畳み式シートの好適な実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、折り畳み式シート1は、硬質樹脂カバーGによって覆われたシートクッション4を有し、このシートクッション4に設けられたシートクッションフレーム7は、車体のフロアF側に位置する下側シートクッションフレーム5と、下側シートクッションフレーム5の上方に位置してクッション材Pにより被覆された上側シートクッションフレーム6とからなる。更に、このシート1は、前面がクッション性を有して背面及び側面が硬質樹脂からなるシートバック2を具備し、このシートバック2内にはシートバックフレーム3が内蔵されている。また、シートバックフレーム3の下端は、下側シートクッションフレーム5の後端に固定されたヒンジブラケット8に対して枢軸9を介して取り付けられている。これにより、シートバック2をシートクッション4に向けて折り畳むことができる。
さらに、上側シートクッションフレーム6と下側シートクッションフレーム5との間は、第1のリンク部10,10を介して連結され、前後一対の第1のリンク部10,10は、平行リンクを構成している。第1のリンク部10の下端は、下側シートクッションフレーム5に対し回動自在に取り付けられ、第1のリンク部10の上端は、上側シートクッションフレーム6に上端が固定されたクッションブラケット11の下端に対し回動自在に取り付けている。また、第1リンク部10とクッションブラケット11とは、ねじりコイルバネ(図示せず)を介して回動自在に連結されている。これにより、上側シートクッションフレーム6自体にクッション性をもたせている。そして、前後一対の第1のリンク部10,10を同期させるために、前側の第1のリンク部10と後側の第1のリンク部10とは、平行リンクを構成する同期リンク部12で連結されている。
さらに、シートバックフレーム3の最下端と後側の第1のリンク部10とは第2のリンク部14を介して連結されている。この第2のリンク部14の前端は、後側の第1のリンク部10の下端に回動自在に連結され、第2のリンク部14の後端は、シートバックフレーム3の下端に設けられたピン部16に連結されている。そして、図2に示すように、第2のリンク部14の後端には長孔17が形成され、この長孔17にピン部16が差し込まれ、ピン部16は、ヒンジブラケット8に設けられたガイド溝18に沿って摺動する。従って、シートバックフレーム3の前倒回動に追従してピン部16が後方に移動すると、第2のリンク部14は後方に引っ張られ、第1のリンク部10は前に倒れるように回動する。
さらに、シートバック2が起立状態(シート着座状態)を維持するために、このガイド溝18の前端にはロック溝18aが垂れ下がるように形成されている。このロック溝18a内にピン部16が落ち込んでいる状態では、シートバック2が前方に倒れることがない。これに対し、シートバック2を折り畳む場合、バネ付勢されたピン部16を上方(矢印A方向)に一旦持ち上げて、ピン部16をロック溝18aから外す必要がある。
そこで、ピン部16には、ロック解除用のワイヤ20の下端が連結され、このワイヤ20は、シートバック2内を通って延在する。シートバック2の上端にはロック解除レバー21が設けられ、このロック解除レバー21は、シートバックフレーム3に枢軸22を介して取り付けられ、ワイヤ20の上端は、ロック解除レバー21の下端に固定されている。従って、ロック解除レバー21の上部を後方に向けて回動させると、ワイヤ20が引っ張り上げられ、それに伴って、ピン部16をロック溝18aから外すことができる。
さらに、図3に示すように、シート1は、下側シートクッションフレーム5とフロアFとを連結する第3のリンク部23を有し、この第3のリンク部23は、平行リンクとして構成されると共に、レッグ部として利用される。前後一対のレッグ部(第3のリンク部)23,23の下端は、フロアFに固定されたブラケット24に回動自在に取り付けられ、レッグ部23の上端は、下側シートクッションフレーム5に回動自在に取り付けられている。これによって、シートクッションフレーム6は、水平に維持されつつフロアFに向けて倒れ込む。
さらに、図4に示すように、シート1の通常使用状態(シート着座状態)において、レッグ部23の倒れを防止するために、後側のレッグ部23の軸部26には円板状のセクタ27が固定されている。このセクタ27の周縁には、揺動自在なロックレバー28の爪部28aが入り込むための第1の係止凹部27aと第2の係止凹部27bとが形成されている。このロックレバー28の下端は、下側シートクッションフレーム5に対し枢軸29を介して揺動自在に取り付けられ、ロックレバー28の上端には、セクタ27に向けて突出する爪部28aが設けられている。
さらに、ロックレバー28の上端側は、ねじりコイルバネ(図示せず)によって常にセクタ27側に向けて付勢されている。従って、ロックレバー28の爪部28aが第1の係止凹部27aに入り込んでいるときは、レッグ部23は起立状態でロックされ(図3参照)、爪部28aが第2の係止凹部27bに入り込んでいるときは、レッグ部23は倒れ状態でロックされる(図8参照)。
このようなレッグ部23は、使用状況に応じて起立状態と倒れ状態とを切り替える必要がある。そこで、ロックレバー28の上端には、ロック解除用のワイヤ30の下端が連結され、このワイヤ30は、シートバック2内を通って延在する。そして、シートバック2の上端には、前述したロック解除レバー21に並設したロック解除レバー31が設けられ、このロック解除レバー31は、シートバックフレーム3に枢軸32を介して取り付けられ、ワイヤ30の上端は、ロック解除レバー31の下端に固定されている。従って、ロック解除レバー31の上部を後方に向けて回動させると、ワイヤ30が水平方向に引っ張られ、それに伴って、ロックレバー28の爪部28aを第1及び第2の係止凹部27a,27bから外すことができる。
次に、前述したシート1の折り畳み動作について説明する。先ず、図1に示すように、ロック解除レバー21を後方に倒すように回動させると、ワイヤ20は引っ張り上げられ、それに伴ってピン部16がロック溝18aから外れ、シートバック2がフリーになる。その後、図5に示すように、シートバック2を手で前方に倒すと、この動作に同期してピン部16が後方に移動し、それに追従して第2のリンク部14は後方に引っ張られ、第1のリンク部10は前方に倒れるように回動する。
このとき、シートバック2の折り畳みに連動して、上側シートクッションフレーム6が下側シートクッションフレーム5に向けて沈み込むように移動し、上側シートクッションフレーム6と下側シートクッションフレーム5との間隔を徐々に狭める。そして、図6に示すように、最終的に、上側シートクッションフレーム6が、シートクッション4の硬質樹脂カバーG内に格納されるように完全に沈み込み、その結果としてシートクッション4自体が薄型化する。なお、シートクッション4のシートバック2を硬質樹脂カバーGに重ね合わせることで、シートバック2とシートクッション4とが一体化する。このとき、シートクッション4自体を薄型化した際にシートクッション4の上部に作り出された収容空間内に、シートバック2の前側部分2aが入り込むことで、シート1自体の更なる薄型化が達成される(図8参照)。
次に、図7に示すように、ロック解除レバー31の上部を後方に向けて回動させると、ワイヤ30が水平方向に引っ張られ、それに伴って、ロックレバー28の爪部28aが第1係止凹部27aから外れる。このロック解除によって、前後一対のレッグ部23は回動しながら前方に向けて倒れる。そして、図8に示すように、最終的に、レッグ部23が完全に倒れ、レッグ部23が硬質樹脂カバーG内に格納され、シートクッション4がフロアF上に載置される。このとき、ロックレバー28の爪部28aが第2係止凹部27b内に入り込み、この状態でシート1は再度ロックされる。
このようにして折り畳まれたシート1が、セカンドシート又はサードシートである場合、シートバック2の背面2aと荷室40の床面40aとの高さが揃えられる。そして、前述した構成に基づいて上側シートクッションフレーム6が下側シートクッションフレーム5に向けて沈み込むように移動するので、荷室40の床面40aを低く設定することができ、荷室40の高さ方向の拡大化を達成することができる。なお、シート折り畳み後において、硬質樹脂からなるシートバック2の背面及び側面とシートクッション4の硬質樹脂カバーGとのみが露出するので、荷積みや荷降ろしの際に外部の衝撃からシート1のクッション部分を確実に保護することができる。
本発明に係る折り畳み式シートの一実施形態を示す側面図である。 第2のリンク部とピン部とガイド溝との関係を示す側面図である。 レッグ部のロック機構を示す側面図である。 ロックレバーとセクタとの関係を示す側面図である。 シートバックを倒す途中の状態を示す側面図である。 シートバックが完全に倒れた状態を示す側面図である。 レッグ部のロック解除状態を示す側面図である。 シートが完全に折り畳まれた状態を示す側面図である。
符号の説明
1…折り畳み式シート、2…シートバック、3…シートバックフレーム、4…シートクッション、5…下側シートクッションフレーム、6…上側シートクッションフレーム、10…第1のリンク部、14…第2のリンク部、23…第3のリンク部(レッグ部)、F…フロア。

Claims (2)

  1. シートバックがシートクッション側に折り畳まれ、前記シートクッションがフロア上に倒れ込むように構成された折り畳み式シートにおいて、
    前記シートクッションに設けられて、前記フロア側に位置する下側シートクッションフレームと、
    前記シートクッションに設けられて、前記下側シートクッションフレームの上方に位置する上側シートクッションフレームと、
    前記上側シートクッションフレームと前記下側シートクッションフレームとを連結する第1のリンク部と、
    前記シートバックに設けられて、前記下側シートクッションフレームに向けて倒れる回動自在なシートバックフレームと、
    前記シートバックフレームの下端と前記第1のリンク部とを連結する第2のリンク部とを備え、
    前記シートバックフレームの倒れ込みによって前記上側シートクッションフレームが前記下側シートクッションフレームに向けて沈み込むことを特徴とする折り畳み式シート。
  2. 前記下側シートクッションフレームと前記フロアとを連結する第3のリンク部を更に備え、前記下側シートクッションフレームが前記フロアに向けて倒れ込むことを特徴とする請求項1記載の折り畳み式シート。
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