JP4054142B2 - スピンバルブ型磁気抵抗効果型素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁記録媒体からの磁化情報を読取る磁気ヘッドに使用される磁気抵抗効果素子に関し、特に巨大磁気抵抗(giant-magnetoresistive)効果を利用するスピンバルブ型磁気抵抗効果素子(以下、SVMR型素子とする)に関する。SVMR型素子は非常に微小な外部磁界により生じる磁性層の磁気抵抗値変化を検出する高感度な磁気抵抗効果素子であり、近年において急速に高密度化された磁気記録装置で使用する再生素子として有望である。
【0002】
【従来の技術】
従来のSVMR型素子100は図1に示した基本構成を有している。SVMR型素子100は、強磁性層よりなる自由磁性層101、自由磁性層101の上に形成された非磁性導電性層102、非磁性導電性層102の上に形成された強磁性層よりなる固定磁性層103及び固定磁性層103の上に形成された反強磁性層104の4層を含んでいる。なお、図1に示したSVMR型素子100は順方向積層タイプと称されるものあり下側の層から順に薄膜形成技術を用いて形成される積層体である。これとは逆に反強磁性層104を下側として逆順に積層する逆方向積層タイプのSVMR型素子も知られている。ここでは、図1の順方向積層タイプのSVMR型素子100について説明を行なうが逆方向積層タイプのSVMR型素子についても同様である。
【0003】
図1において、自由磁性層101の磁化方向が磁気記録媒体からの信号磁界Hsigにより磁気回転し、固定磁性層103の磁化方向との相対角が変化することによりSVMR型素子100の磁気抵抗は変化する。このSVMR型素子100を再生用の磁気ヘッドに用いる場合には、固定磁性層103の磁化方向をSVMR型素子100の素子高さ方向Hに固定する。そして、外部磁界が印加されていない状態では自由磁性層101の磁化方向を固定磁性層103と直交する素子幅方向Wとするように設計している。このように固定磁性層103の磁化方向と自由磁性層101の磁化方向とが直交する状態に維持できれば、磁気記録媒体からの信号磁界Hsigが固定磁性層103の磁化方向に対しては平行又は反平行であり自由磁性層101の磁化方向に対しては直交状態で侵入することになるので、SVMR型素子100の磁気抵抗を対称的に検出することができる。このような対称的な磁気抵抗変化は磁気記録再生装置内での後の信号処理を容易にし、感度良く磁気記録媒体からの信号磁界Hsigを再生できることになる。
【0004】
しかし、SVMR型素子100の周辺には自由磁性層101の磁化方向を傾けるように作用する漏洩磁界が存在している。自由磁性層101に作用する漏洩磁界としては固定磁性層103の端面に生じる磁荷により発生する磁界を主なものとして、他に固定磁性層103と自由磁性層101との間に作用する交換結合磁界、SVMR型素子100の磁気抵抗を検出するために流されるセンス電流が作るセンス電流磁界等がある。これら漏洩磁界の影響を受けるため、信号磁界Hsigが存在しない場合において自由磁性層101の磁化方向は素子幅方向Wと平行な状態から素子高さ方向Hに傾いてしまう。そのために、信号磁界Hsigに応答するSVMR型素子100の磁気抵抗変化を対称的に維持できなかった。
【0005】
そこで、自由磁性層101の磁化方向を素子幅方向Wと平行とするために、素子高さ方向Hに自由磁性層101の磁化方向の傾きを修正する新たな修正磁界を印加する方法がある。本明細書では、上記素子高さ方向Hで、漏洩磁界を打消すための修正磁界をバイアス磁界と称する。このバイアス磁界は外部磁界が存在しない時に固定磁性層103と自由磁性層101との磁化方向が略直角を成すように設定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、SVMR型素子100の寸法は再生しようとする磁気記録密度により決定される。最近の急激な高記録密度化により磁気記録媒体からの信号磁界Hsigの幅が益々狭くなっている。この信号磁界Hsigを正確に読取るためには素子幅wをさらに減少させる必要がある。ところが、SVMR型素子100の素子幅wの長さが素子高さhの長さよりも短くなると形状異方性から自由磁性層101が素子高さ方向Hへ傾きやすくなる。さらに、磁気記録媒体からの信号磁界Hsigが素子高さ方向Hには侵入しにくくなることも考慮すると素子幅wの減少に伴い素子高さhの減少も必要となる。
【0007】
その一方、磁気ヘッドにおいて実際に使用されているSVMR型素子100はサブミクロン単位の寸法である。上記漏洩磁界のうちで素子高さhが低くなることで固定磁性層103からの漏洩磁界の影響が大きくなってくる。磁気記録媒体の高密度化に伴いさらに素子高さhが減少すると、固定磁性層103からの静磁気的な漏洩磁界がさらに強くなり、自由磁性層101の磁化方向が傾き固定磁性層103と反平行状態になることも予想される。
【0008】
従来において、素子高さhを小さくた場合の改善策として、固定磁性層103からの漏洩磁界を打消す方向にセンス電流磁界が発生するように電流方向を設定する方法がある。しかし、許容センス電流には限界があり、例えば45MA/cm2 のセンス電流を流した場合に発生する磁界は高々10Oeと小さい。したがって、センス電流によるバイアス磁界の大きな改善は望めない。
【0009】
また、固定磁性層103の磁化量を低減するという方法も考えられるが、SVMR型素子100の磁性的な特性を維持するには固定磁性層103は一定以上の層厚が必要であり、磁化量を低減することは困難である。
さらに、最近、強磁性層、反平行結合中間層及び強磁性層を順に積層した積層体を形成して、この積層体を前述した従来の固定磁性層に代えて使用する技術が提案されている(以下、このタイプの固定磁性層を積層型固定磁性層と称す)。この積層型固定磁性層は反平行結合中間層を間に挟んで上下の強磁性層の磁化方向が反平行状態となる。すなわち、上下の強磁性層の磁化方向が平行であり、向きが逆となっている。よって、上下に位置する2つの強磁性層の磁化が互いに打消し合うので、自由磁性層への漏れ磁界の低減が図られている。この積層型固定磁性層は一般に同一の磁性材料で成膜されるため上下の強磁性層の層厚が等しい場合には自由磁性層への漏れ磁界は略ゼロとなり漏洩磁界の防止に効果的である。
【0010】
しかしながら、SVMR型素子の機能を考慮すると一方向異方性磁界(Hua)又は磁気抵抗効果といった磁気的特性を向上させるために上記2つの強磁性層は異なる層厚に形成する必要がある。具体的には、反強磁性層に接する側の強磁性層は薄く、非磁性導電性層に接する側の強磁性層は厚く形成される。そのために、この積層型固定磁性層を使用しても、固定磁性層からの漏洩磁界を完全に打消すことは困難であった。
【0011】
したがって、本発明の目的は漏洩磁界による問題を解消し、自由磁性層の磁化方向が傾くことがなく、対称的な磁気抵抗変化により磁気記録媒体からの信号磁界Hsigを高感度に再生することが可能なスピンバルブ型磁気抵抗効果型素子を提供することにある。
なお、本明細書では、磁化の方向に関して前後方向を考慮するときには「向き」の語を、これを考慮しなくてもよいときには「方向」の語を原則として使用している。また反平行とは逆向きかつ平行であることを意味している。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、自由磁性層と、非磁性導電性層と、磁化の方向が互いに反平行である2つの強磁性層及び前記2つの強磁性層に挟まれている反平行結合中間層を有する固定磁性層とを含むスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であって、前記固定磁性層に積層される反強磁性層と、前記反強磁性層の固定磁性層とは反対側に積層される第3の強磁性層とを備え、前記2つの強磁性層のうち、反強磁性層に近い強磁性層は、反強磁性層から遠い強磁性層よりも膜厚が小さいことにより、反強磁性層から遠い強磁性層よりも自由磁性層に印加する漏洩磁界が弱く、かつ第3の強磁性層と磁化の向きが同じであることを特徴とするスピンバルブ型磁気抵抗効果素子が提供される。
【0013】
本発明によれば、固定磁性層の2つの強磁性層は、磁化の方向が互いに反平行となるので、固定磁性層からの漏洩磁界の発生が抑制され、さらにその漏洩磁界を打消す方向に第3強磁性層の磁化の方向が設定されているので、漏洩磁界を確実に打消すことができ、自由磁性層の磁化方向が傾くことがない。従って、本発明によれば、磁気記録媒体からの信号磁界Hsigを高感度に再生することができる、高密度化に対応したスピンバルブ型磁気抵抗効果素子として提供することができる。
【0014】
本発明の他の観点によれば、自由磁性層と、非磁性導電性層と、固定磁性層と、反強磁性層とが、この順又はその逆順で積層された積層体を含むスピンバルブ型磁気抵抗効果型素子であって、前記反強磁性層の上記積層体の側とは反対側に、漏洩磁界を打消すための漏洩磁界打消層を設け、前記固定磁性層(又は前記漏洩磁界打消層)が、反平行結合中間層と、該反平行結合中間層を挟む2つの強磁性層からなり、前記漏洩磁界打消層(又は前記固定磁性層)が、単層であり、該2つの強磁性層のうち、反強磁性層に接する強磁性層は、反強磁性層から遠い強磁性層よりも膜厚が小さく、前記反強磁性層の交換結合磁界により、反強磁性層に接する強磁性層(又は固定磁性層)および漏洩磁界打消層(又は強磁性層)の磁化が同一の向きに固定されてなることを特徴とするスピンバルブ型磁気抵抗効果素子が提供される。
さらに、前記自由磁性層の非磁性導電性層の反対側に、他の非磁性導電層と、他の固定磁性層と、他の反強磁性層と、他の漏洩磁界打消層とが積層されてなり、前記他の固定磁性層(又は前記他の漏洩磁界打消層)が、他の反平行結合中間層と、該他の反平行結合中間層を挟む2つの他の強磁性層からなり、前記他の漏洩磁界打消層(前記他の固定磁性層)が、単層であり、前記他の反強磁性層の交換結合磁界により、他の反強磁性層に接する他の強磁性層(又は他の固定磁性層)および他の漏洩磁界打消層(又は他の強磁性層)の磁化が同一の向きに固定されてなる構成としてもよい。これにより、デュアル型のSVMR型素子についても、自由磁性層に影響を及ぼす漏洩磁界を打消すことが可能であり、磁気記録媒体からの信号磁界Hsigを高感度に再生することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下図に基づいて本発明の実施例について説明する。
本発明は自由磁性層の磁化方向が漏洩磁界により傾くことを防止したSVMR型素子を提供するものであり、強磁性層、反平行結合中間層及び強磁性層を順次積層した積層体を有効に活用している。
【0019】
第1実施例では、SVMR型素子の固定磁性層として上記積層体を用い積層型固定磁性層とする場合について示す。次に第2実施例では、SVMR型素子の基本構成層は維持し、上記積層体を漏洩磁界を抑制するための第2積層体としてSVMR型素子の基本構成層に付加した場合について示す。第1実施例及び第2実施例は自由磁性層へ悪影響を及ぼすような漏洩磁界を打消す手段を有している点で同様な例であるが、上記積層体の用い方が相違する。これについては以下の具体的な説明で明らかにする。さらに、第3実施例では、デュアルタイプのSVMR型素子で漏洩磁界を打消す層を設けた場合ついて示す。
【0020】
図2は本発明の第1実施例のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子の概要構成を示す図である。
図2には順方向積層タイプのSVMR型素子10が示されている。SVMR型素子10は、下から順に第1強磁性層となる自由磁性層11、非磁性導電性層12、積層型固定磁性層A及び反強磁性層16によりSVMR型素子として機能するための基本構成層を有し、更にその上に漏洩磁界を打消すための第4強磁性層17を有している。上記積層型固定磁性層Aは下から順に第2強磁性層(本第1実施例で第2固定磁性層)13、反平行結合中間層14及び第3強磁性層(本第1実施例で第1固定磁性層)15を順次積層した構成となっている。
【0021】
上記自由磁性層11としては、例えばニッケル−鉄(Ni−Fe)、ニッケル−コバルト(Ni−Co)等の磁性材料を使用することができ、層厚は約2nmから約6nmとすることができる。上記非磁性導電性層12としては、例えば銅(Cu)等の非磁性材料を使用することができ、層厚は約2nmから約4nmとすることができる。上記反強磁性層16としては、例えばマンガン系の合金でニッケル−マンガン(Ni−Mn)等の磁性材料を使用することができ、層厚は約10nmから約30nmとすることができる。上記積層型固定磁性層Aとしては、例えば、コバルト−鉄/ルテニウム/コバルト−鉄(Co−Fe/Ru/Co−Fe)からなる3層を約4nmから約6nmに形成して使用することができる。
【0022】
また、第4強磁性層17としては、例えばニッケル−鉄(Ni−Fe)等の磁性材料を使用することができ、層厚は約1nmから約5nmとすることができる。
上記SVMR型素子10の各層を具体的に説明する。第1固定磁性層15及び第2固定磁性層13は、同一の磁性材料コバルト−鉄(Co−Fe 残留磁化密度1.5テスラ(T))を用い、層厚は第1固定磁性層15が約1nm、第2固定磁性層13が約2nmとした。これら2つの固定磁性層の間に挟まれる反平行結合中間層14としてはルテニウムを用い約0.8nmとした。反平行結合中間層14は接する上下の強磁性層の磁化方向を反平行状態とする機能を有している。したがって、図2にも示されるように第1固定磁性層15の磁化向きと第2固定磁性層13の磁化向きは平行で逆向きである。
【0023】
上記第1固定磁性層15上の反強磁性層16にはパラジウム−白金−マンガン(Pd−Pt−Mn)を用いた。この反強磁性層16の層厚が漏洩磁界に及ぼす影響を確認するために、上述した第1固定磁性層15、第2固定磁性層13及び反平行結合中間層14に関して、反強磁性層16の層厚を10nm及び25nmの2種類準備した。
【0024】
また、反強磁性層16上の第4強磁性層17は、ニッケル−鉄(Ni−Fe 残留磁化密度1テスラ(T))とし、第4強磁性層17の層厚が漏洩磁界に及ぼす影響を確認するために、同様に上記第1固定磁性層15、第2固定磁性層13及び反平行結合中間層14に関して層厚を0、1、2、3、4、5nmとしてSVMR型素子10を製作した。このときの反強磁性層16は層厚25nmとした。なお、第4強磁性層17の磁化向きは第1固定磁性層15の磁化向きと同一となっている。
【0025】
自由磁性層12は、Ni−Fe/Co−Feの積層膜(残留磁化密度1.5テスラ(T))を用い、層厚は約4nmとし、この自由磁性層11と第2固定磁性層13の間の非磁性導電性層12は銅を用い約3nmとした。
上記構成のSVMR型素子10は素子幅wを約1μmに仕上げ、素子高さは0.2から1μmまでとした。
【0026】
上記SVMR型素子10について、自由磁性層11に印加される主な漏洩磁界として積層型固定磁性層Aからのものを測定した。第1固定磁性層15と第2固定磁性層13の磁化方向は反平行にあり互いに打消し合い、漏洩磁界が生じないように設計されてはいる。しかし、SVMR型素子として機能させるためは、第2固定磁性層13の層厚を第1固定磁性層に対し厚く設定しなければならない。そのために第1固定磁性層15と第2固定磁性層13との間を完全な閉磁界とすることができず漏洩磁界が発生する。この漏洩磁界が自由磁性層11の磁化方向を傾ける主な原因であると考えられることからこの漏洩磁界による影響を測定した。
【0027】
この漏洩磁界の検出点は自由磁性層11の厚さ方向Tの中央位置で素子高さ方向Hに0.02μm間隔で配置し、面内での漏洩磁界成分(Hx)の素子高さ方向Hでの平均として平均値(Hx−ave.)を算出した。
まず、図3には上記第4強磁性層17を設けていない従来の積層型固定磁性層を有するSVMR型素子について、平均値(Hx−ave.)と素子高さhとの関係を示した。比較のために、本実施例のSVMR型素子10の平均値(Hx−ave.)を示す前に、前提として従来型のSVMR型素子の場合について示す。平均値(Hx−ave.)は素子高さhに依存し、素子高さhの減少に伴い増大する傾向が確認できる。素子高さhが0.2μmの場合は平均値(Hx−ave.)は90Oe以上にもなり漏洩磁界の影響が極めて大きいことが確認できる。
【0028】
図4は第1実施例の第1固定磁性層15上に反強磁性層16を介して第4強磁性層17を設けた場合の平均値(Hx−ave.)について示している。ここでは第4強磁性層17の層厚を0、1、2、3、4、5nmと変化させた。このとき反強磁性層16の層厚は25nm、素子高さhは0.2μmとした。
素子高さhを最も低い0.2μmに設定しても、第4強磁性層17の層厚の増加に伴い、平均値(Hx−ave.)は減少し、第4強磁性層17の層厚が約3nmの時には略ゼロまで減少することが確認できる。この結果から、第4強磁性層17を反強磁性層16の上に設け、その層厚(磁化量)を調整することで自由磁性層11に印加される漏洩磁界を打消すことができることが確認できる。
【0029】
図5は、他の条件は図4の場合と同様とし反強磁性層16の層厚を25nmより薄い10nmとした場合について示している。平均値(Hx−ave.)がゼロとなる第4強磁性層17の層厚が、図4の場合と比較して約2.5nmまで減少している。よって、第4強磁性層17を固定磁性層(積層型固定磁性層A)に近づけて配置することで、第4強磁性層の層厚を薄くしても平均値(Hx−ave.)をゼロとするこができ、第4強磁性層を薄く形成することが可能であることが分かる。
【0030】
また、一般に磁性層からの磁界は磁性層の層厚に依存すると共に磁性層の磁化量にも依存するため、本実施例で第4強磁性層に用いたニッケル−鉄よりも磁化量の大きな磁性材料を採用すれば、この第4強磁性層17の層厚をより薄く形成することが可能である。
なお、実際の磁気ヘッドに用いられたSVMR型素子に印加される漏洩磁界は、前述したように固定磁性層からの漏洩磁界の他に、固定磁性層と自由磁性層間に作用する強磁性的な交換結合磁界、センス電流によるセンス電流磁界等からのの漏洩磁界も存在する。しかし、第1実施例の説明から明らかなように、第4強磁性層17に使用する磁性材料とその層厚を適宜選択して、磁化量を設定することで自由磁性層11に印加される漏洩磁界をゼロにすることが可能である。
【0031】
上記第1実施例のSVMR型素子10はスパッタ法、蒸着法等の成膜技術とフォトリソグラフィ技術を用いた薄膜形成技術によりアルミナ或いはセラミック基板上に順次成膜する工程により製造することができる。
なお、本実施例では反強磁性層16として規則系の合金を用いている。したがって、製造工程において反強磁性層16を規則化するときに第1固定磁性層15と共に、その反対側で反強磁性層16に接する第4強磁性層17の磁化向きを同一に固定することができる。
【0032】
また、上記第1実施例では順方向に積層したSVMR型素子10について説明したが逆積層タイプのSVMR型素子も同様に効果を奏する。
次に本発明の第2実施例について説明する。図6は第2実施例のSVMR型素子20を示している。下側の第1積層体XはSVMR型素子の基本積層体であり、下から順に自由磁性層21(第1強磁性層)、非磁性導電性層22、固定磁性層23(第2強磁性層)及び反強磁性層24から成っている。この第1積層体の固定磁性層23からは、前述したように自由磁性層21の磁化方向を傾けるような漏洩磁界が発生する。そこで、本第2実施例のSVMR型素子20は反強磁性層24の上に、この漏洩磁界を打消すためにさらに第2積層体Yを有している。
【0033】
この第2積層体Yは、下から第3強磁性層25、反平行結合中間層26及び第4強磁性層27を順次積層して形成されている。
固定磁性層23の磁化向きと第3強磁性層25の磁化向きは、反強磁性層24を間にして同一である。本実施例の場合も反強磁性層24を規則化するときに、その上下の固定磁性層23及び第3強磁性層25の磁化方向を同時に固定できる。だだし、この状態では第3強磁性層25の磁界が増加した分、自由磁性層21へ印加される漏洩磁界が却って増加する。
【0034】
しかし、本第2実施例では第3強磁性層25上に反平行結合中間層26及び第4強磁性層27を順次積層している。第4強磁性層27の磁化向きは、反平行結合中間層26を介して第3強磁性層25(及び固定磁性層23)と反対である。よって、この第4強磁性層27の磁化量を適切に設定することで固定磁性層23及び第3強磁性層25からの漏洩磁界を打消すことができる。
【0035】
上記第2積層体Yの第4強磁性層27は、固定磁性層23及び第3強磁性層25からの漏洩磁界を打消すために、第3強磁性層25より強い磁化量を必要とする。よって、第3強磁性層25と第4強磁性層27に同一の磁性材料を使用した時には第4強磁性層27の層厚が厚くなる。
上記SVMR型素子20は順方向積層タイプであるが、逆方向積層タイプを同様に製作できることは言うまでもない。
【0036】
本第2実施例のSVMR型素子20も、上記第1実施例のSVMR型素子10で例示した磁性材料を使用し、薄膜形成技術により製造することができる。
図7に本発明の第3実施例のSVMR型素子30を示す。SVMR型素子30はいわゆるデュアル型と称されるSVMR型素子である。
自由磁性層31を中間位置にして、その上下に対称的に非磁性導電性層32A、32B、固定磁性層33A、33B、反強磁性層34A、34B及び漏洩磁界を打消すための強磁性層35A、35Bが配置されている。このデュアル型のSVMR型素子30でも強磁性層35A、35Bのそれぞれの層厚を適宜調整して固定磁性層33A、33B等からの漏洩磁界を打消すようにすることができる。
【0037】
その際、固定磁性層33A、33Bのそれぞれは、単層体、又は強磁性層、反平行結合中間層及び強磁性層を順次積層した積層体で構成することができる。固定磁性層33A及び33Bは同一の層構成である必要はなく単層体と積層体とすることも可能である。
同様に漏洩磁界を打消すための強磁性層35A、35Bについても、強磁性層35A、35Bのそれぞれは、単層体、又は強磁性層、反平行結合中間層及び強磁性層を順次積層した積層体で構成することができる。強磁性層35A及び35Bは同一の構成である必要はなく単層体と積層体とすることも可能である。さらに、上記強磁性層35A及び強磁性層35Bは必ず上下それぞれに配置する必要はなく、どちらか一方で漏洩磁界を打消すようにしてもよい。
【0038】
ただし、固定磁性層33A(33B)が単層体である時には、反強磁性層34A(34B)を挟んで配置される強磁性層35A(35B)は積層体とする。一方、固定磁性層33A(33B)が積層体である時には、反強磁性層34A(34B)を挟んで配置される強磁性層35A(35B)は単層体とする。これは、前記第1及び第2実施例を参照すれば明らかなように、固定磁性層を積層型固定磁性層とした時には単層型の強磁性層で漏洩磁界を打消す構成とし、固定磁性層を単層体とした時には積層型の強磁性層で漏洩磁界を打消す構成とする組合せにより漏洩磁界を打消す効果が得られるからである。
【0039】
上記、第3実施例のデュアル型SVMR型素子30においても、自由磁性層31の磁化方向を傾けるような漏洩磁界を抑制して、高感度に信号磁界Hsigを検出できる。
最後に、本発明のSVMR型素子を用いた読取りヘッドを搭載した磁気記録媒体駆動装置について簡単に説明する。図8は磁気記録媒体駆動装置の要部を示す図である。磁気記録媒体駆動装置40には磁気記録媒体としてのハードディスク41が搭載され、回転駆動されるようになっている。このハードディスク41の表面に対向して所定の浮上量で、例えば第1実施例のSVMR型素子10を読取り側に有する複合型磁気ヘッド50で磁気再生動作が行われる。なお、複合型磁気ヘッド50はアーム70の先端にあるスライダ71の前端部に固定されている。磁気ヘッド50の位置決めは、通常のアクチュエータと電磁式微動微動アクチュエータを組合せた2段式アクチュエーが採用できる。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、
反平行結合中間層を間に挟んで第2強磁性層と第3強磁性層との磁化方向は反平行となるので積層型固定磁性層からの漏洩磁界の発生が抑制され、さらに第4強磁性層を設けているので確実に漏洩磁界を打消すことができ自由磁性層の磁化方向が素子幅方向に維持される。
【0042】
よって、本発明によれば磁気記録媒体からの信号磁界Hsigを高感度に再生することができ、高密度化に対応したスピンバルブ型磁気抵抗効果素子として提供できる。
また、請求項2記載の発明によれば、
従来タイプのSVMR型素子において固定磁性層等から発生する漏洩磁界は、第2積層体により打消すことができる。よって、自由磁性層の磁化方向が傾くことが防止でき、磁気記録媒体からの信号磁界Hsigを高感度に再生することができるスピンバルブ型磁気抵抗効果素子として提供できる。
【0043】
また、請求項3に記載の発明によれば、
デュアル型のSVMR型素子についても、自由磁性層に影響を及ぼす漏洩磁界を打消すことが可能であり、磁気記録媒体からの信号磁界Hsigを高感度に再生することができる。
なお、以上の発明に関して更に以下の項を開示する。
【0044】
(1) 第1強磁性層となる自由磁性層と、非磁性導電性層と、第2強磁性層、反平行結合中間層及び第3強磁性層を順次積層した積層型固定磁性層と、反強磁性層とが、この順又はその逆順で積層された積層体を含むスピンバルブ型磁気抵抗効果型素子であって、
上記反強磁性層の上記積層体の側とは反対側に、漏洩磁界を打消すための第4強磁性層を有する、
スピンバルブ型磁気抵抗効果素子。
【0045】
(2) 第1項記載のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であって、
前記記第4強磁性層は前記反強磁性層に接し交換結合磁界によりその磁化が前記第3強磁性層と同一の磁化向きに固定されている、
スピンバルブ型磁気抵抗効果素子。
この場合、積層型固定磁性層の第3強磁性層の磁化方向は反強磁性層との交換結合磁界により固定されており、第4強磁性層の磁化方向も反強磁性層との交換結合磁界により同一の向きに固定される。よって、非磁性導電性層に接して強い磁化量を有する第2強磁性層の磁界を第3強磁性層の磁界で打消せなかった場合にも第4強磁性層の磁界により残りの磁界を打消すことができるため、自由磁性層に影響を与えるような漏洩磁界を打消すことができる。
【0046】
(3) 第1項又は2項記載のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であって、 前記第4強磁性層と前記第3強磁性層とが形成する磁界で前記漏洩磁界を打消すように、該第4強磁性層の磁化量が設定されている、
スピンバルブ型磁気抵抗効果素子。
この磁化量の設定は使用する磁性材料、層厚を適宜調整することで、漏洩磁界を略ゼロとすることができる。
【0047】
(4) 第1強磁性層となる自由磁性層と、非磁性導電性層と、第2強磁性層となる固定磁性層と、反強磁性層とが、この順又はその逆順で順次積層された第1積層体を含むスピンバルブ型磁気抵抗効果型素子であって、
上記反強磁性層の上記第1積層体の側とは反対側に、第3強磁性層、反平行結合中間層及び第4強磁性層を順次積層した漏洩磁界を打消すための第2積層体を有する、
スピンバルブ型磁気抵抗効果素子。
【0048】
(5) 第4項の記載のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であって、
前記第3強磁性層は前記反強磁性層に接し交換結合磁界によりその磁化が前記固定磁性層と同一の磁化向きに固定されている、
スピンバルブ型磁気抵抗効果素子。
この場合、固定磁性層の磁化方向を固定する反強磁性層からの交換結合磁界を利用して、第2積層体の第3強磁性層の磁化方向も同一向きに固定され、第4強磁性層の磁化方向は反平行結合中間層を介しているので反平行となる。よって、固定磁性層からの漏洩磁界は第4強磁性層の磁化量を調整することにより打消すことができる。したがって、自由磁性層に影響を与えるような漏洩磁界を打消すことができる。
【0049】
(6) 第4項又は5項記載のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であって、 前記第4強磁性層が形成する磁界で前記漏洩磁界を打消すように、該第4強磁性層の磁化量が設定されている、
スピンバルブ型磁気抵抗効果素子。
この磁化量の設定は使用する磁性材料、層厚を適宜調整して行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のSVMR型素子の基本構成について示す図である。
【図2】 本発明の第1実施例のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子の概要構成を示す図である。
【図3】 従来の積層型固定磁性層を有するSVMR型素子について、平均値(Hx−ave.)と素子高さhとの関係を示す図である。
【図4】 第1実施例の第1固定磁性層上に反強磁性層を介して第4強磁性層を設けた場合の平均値(Hx−ave.)について示す図である。
【図5】 他の条件は図4の場合と同様とし反強磁性層の層厚を10nmとした場合について示す図である。
【図6】 本発明の第2実施例のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子の概要構成を示す図である。
【図7】 本発明の第3実施例のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子の概要構成を示す図である。
【図8】 第1実施例のSVMR型素子を用いた磁気記録媒体駆動装置の要部を示す図である。
【符号の説明】
10 スピンバルブ型磁気抵抗効果素子
11 自由磁性層
12 非磁性導電性層
A 積層型固定磁性層
(13 第2固定磁性層、14 反平行結合中間層、 15第1固定磁性層)
16 反強磁性層
17 第4強磁性層
Claims (7)
- 自由磁性層と、非磁性導電性層と、磁化の方向が互いに反平行である2つの強磁性層及び前記2つの強磁性層に挟まれている反平行結合中間層を有する固定磁性層とを含むスピンバルブ型磁気抵抗効果素子であって、
前記固定磁性層に積層される反強磁性層と、
前記反強磁性層の固定磁性層とは反対側に積層される第3の強磁性層とを備え、
前記2つの強磁性層のうち、反強磁性層に近い強磁性層は、反強磁性層から遠い強磁性層よりも膜厚が小さいことにより、反強磁性層から遠い強磁性層よりも自由磁性層に印加する漏洩磁界が弱く、かつ第3の強磁性層と磁化の向きが同じであることを特徴とするスピンバルブ型磁気抵抗効果素子。 - 前記2つの強磁性層は、磁化量が互いに異なることを特徴とする請求項1記載のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子。
- 前記自由磁性層の固定磁性層とは反対側に、第2の非磁性導電性層と、第2の固定磁性層をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子。
- 自由磁性層と、非磁性導電性層と、固定磁性層と、反強磁性層とが、この順又はその逆順で積層された積層体を含むスピンバルブ型磁気抵抗効果型素子であって、
前記反強磁性層の上記積層体の側とは反対側に、漏洩磁界を打消すための漏洩磁界打消層を設け、
前記固定磁性層が、反平行結合中間層と、該反平行結合中間層を挟む2つの強磁性層からなり、
前記漏洩磁界打消層が、単層であり、
該2つの強磁性層のうち、反強磁性層に接する強磁性層は、反強磁性層から遠い強磁性層よりも膜厚が小さく、
前記反強磁性層の交換結合磁界により、反強磁性層に接する強磁性層および漏洩磁界打消層の磁化が同一の向きに固定されてなることを特徴とするスピンバルブ型磁気抵抗効果素子。 - 自由磁性層と、非磁性導電性層と、固定磁性層と、反強磁性層とが、この順又はその逆順で積層された積層体を含むスピンバルブ型磁気抵抗効果型素子であって、
前記反強磁性層の上記積層体の側とは反対側に、漏洩磁界を打消すための漏洩磁界打消層を設け、
前記漏洩磁界打消層が、反平行結合中間層と、該反平行結合中間層を挟む2つの強磁性層からなり、
前記固定磁性層が、単層であり、
該2つの強磁性層のうち、反強磁性層に接する強磁性層は、反強磁性層から遠い強磁性層よりも膜厚が小さく、
前記反強磁性層の交換結合磁界により、反強磁性層に接する固定磁性層および強磁性層の磁化が同一の向きに固定されてなることを特徴とするスピンバルブ型磁気抵抗効果素子。 - 前記自由磁性層の非磁性導電性層の反対側に、他の非磁性導電層と、他の固定磁性層と、他の反強磁性層と、他の漏洩磁界打消層とが積層されてなり、
前記他の固定磁性層が、他の反平行結合中間層と、該他の反平行結合中間層を挟む2つの他の強磁性層からなり、
前記他の漏洩磁界打消層が、単層であり、
前記他の反強磁性層の交換結合磁界により、他の反強磁性層に接する他の強磁性層および他の漏洩磁界打消層の磁化が同一の向きに固定されてなることを特徴とする請求項4又は5記載のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子。 - 前記自由磁性層の非磁性導電性層の反対側に、他の非磁性導電層と、他の固定磁性層と、他の反強磁性層と、他の漏洩磁界打消層とが積層されてなり、
前記他の漏洩磁界打消層が、他の反平行結合中間層と、該他の反平行結合中間層を挟む2つの他の強磁性層からなり、
前記他の固定磁性層が、単層であり、
前記他の反強磁性層の交換結合磁界により、他の反強磁性層に接する他の固定磁性層および他の強磁性層の磁化が同一の向きに固定されてなることを特徴とする請求項4又は5記載のスピンバルブ型磁気抵抗効果素子。
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