JP4053830B2 - 柔軟性熱圧成型品及びその成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、枕やクッション材に使用される非常に柔軟性のある発泡体の成型品及びその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、発泡体の2次成形はヒーターや蒸気などの熱と加圧することにより行われている。例えば、ポリオレフィン架橋発泡体を金型内において、ポリオレフィンの軟化点以上の温度に加熱しつつ一方向より20%以上圧縮し、次いで圧力を加えたまま冷却することを特徴とする成形方法(参照:特公昭52−49022号公報)、ゲル分率60〜98%の架橋発泡エチレン系重合体を雌雄一対の金型の間に挿入し加圧加熱して型物を成形する方法(特開昭55−55834号公報)、厚物の架橋ポリエチレン高発泡体を所望の形状に圧縮し、圧縮状態のまま所定の時間加熱した後冷却する方法(特開昭57−146634号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では、所望の形状に成型でき、美麗な表面を得ることが出来るが、発泡体を圧縮して成型する為、発泡倍率が下がり、硬くなる為、柔軟性が低下する。従って、本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、成形後も非常に柔らかい風合いを保持する、発泡体の成形品方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、水を含有する連続気泡体をポリオレフィン発泡体で被覆することを特徴とする柔軟性熱圧成型品である。
【0005】
請求項2に記載の連続気泡体の基材がポリオレフィンである請求項1記載の柔軟性熱圧成型品である。本発明において、連続気泡体としては、気泡がつながり、水を吸収するものであれば、特に限定されないが、耐久性、耐水性等の面で、ポリオレフィンを基材とする連続気泡体が好ましい。
【0006】
請求項3に記載の発明は、水を内封したゴム袋を、ポリオレフィン発泡体で被覆したことを特徴とする柔軟性熱圧成型品である。
【0007】
請求項4に記載の発明は、水を含有した連続気泡体を低温下で凍結させ、ポリオレフィン発泡体シートで被覆して、加圧下金型中で加熱して成形することを特徴とする柔軟性熱圧成型品の成形方法である。
【0008】
請求項5記載の発明は、連続気泡体の基材がポリオレフィンである請求項4記載の成形方法である。
【0009】
請求項6記載の発明は、水を内封したゴム袋を、低温下で凍結させ、ポリオレフィン発泡体シートで被覆して、加圧下金型中で加熱して成形することを特徴とする柔軟性熱圧成型品の成形方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において水を含有する連続気泡体としては、気泡と気泡がつながって、水を吸収することができ、柔軟性を有するものであれば良く、エチレン酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン等のポリオレフィンを基材とする連続気泡体、EPDM等のゴムを基材とする連続気泡体が使用でき、耐水性、弾性の面で、ポリオレフィンを基材とする連続気泡体が好ましく、エチレン酢酸ビニル共重合体及び/又は低密度ポリエチレンを基材とする連続気泡体が特に好ましい。連続気泡体の発泡倍率は、15〜30が好ましい。
【0011】
本発明において、ゴムの袋に水を内封して使用することもできる。
【0012】
次に、水を含有した連続気泡体又は水を内封したゴム袋を、0〜−10℃の雰囲気下で放置して水を冷凍させる。
【0013】
上記の様に凍結させた連続気泡体又はゴム袋を、ポリオレフィン発泡体で表面を覆い、加圧下金型中で加熱する。ポリオレフィン発泡体としては、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などがあげられる。本発明の成形方法において、金型の加熱温度は100〜160℃が好ましい。本発明において使用されるポリオレフィン発泡体の発泡倍率は、10〜50倍、好ましくは15〜30倍が適当である。
【0014】
金型の温度は、ポリオレフィン発泡体を充填するまで常温にしておいてその後成形温度に加熱してもよいが、事前に成形温度に加熱しておく方が成形時間が短くなり、生産性が高くなる。
【0015】
本発明において芯材は、成形開始時には凍っているため硬いが、成形終了後は溶けて柔らかくなり、柔軟性を持った成型品ができる。また、連続気泡発泡体を成形する場合も、内部が硬いため成型時の圧縮率を大きくする必要が無く、連続気泡が押しつぶされず柔らかい風合いを保持できる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例により何等限定されるものではない。
【0017】
実施例1
親水性ポリエチレン連続気泡発泡体(商品名:オプセルLC−300#2A、みかけ密度0.027g/cm3,三和化工株式会社製)に水を十分含ませ、冷蔵庫にて−10℃で10時間放置し、凍らせ芯材を作成した。その芯材の上下をメタロセン触媒を使用して重合したポリエチレンを基材とする発泡体(商品名:サンペルカG−15、みかけ密度0.062g/cm3,三和化工株式会社製)サイズ3×100×500mm2枚で覆い、金型(サイズ15×60×460mm)に充填して130℃、10分間熱圧成形を行い、冷却後取り出した。
【0018】
成型品は、取り出し直後は芯材が凍っており硬い風合いであるが、芯材が溶けるに従って柔軟性のある成型品になった。得られた成型品は、パソコンの入力時に使用するハンドレストとして好適であった。
【0019】
実施例2
実施例1において芯材に水を入れた風船を凍らせたものに変えた以外は、実施例1と同じ条件で成型品を得た。
【0020】
成型品は実施例1と同様の柔軟性のあるものになった。
【0021】
比較例1
実施例1において芯材を、水を含んだまま凍らせない状態のものに変えた以外は、実施例1と同じ条件で成形を行ったが、圧縮と同時に内部の水が抜けて成型品を得ることができなかった。
【0022】
実施例3
ポリウレタンフォーム(みかけ密度0.030g/cm3)を、冷蔵庫にて−10℃で10時間放置し、凍らせ芯材を作成した。その芯材の上下をメタロセン触媒を使用して重合したポリエチレンを基材とする発泡体(商品名:サンペルカG−15、みかけ密度0.062g/cm3,三和化工株式会社製)サイズ3×100×500mm2枚で覆い、金型(サイズ15×60×460mm)に充填して130℃、10分間熱圧成形を行い、冷却後取り出した。
【0023】
成型品は、取り出し直後は芯材が凍っており硬い風合いであるが、芯材が溶けるに従って柔軟性のある成型品になった。得られた成型品は、パソコンの入力時に使用するハンドレストとして好適であり、水を含有しない為腐敗することなく、長期間使用できた。
【0024】
比較例2
実施例1において芯材を凍らせないウレタンフォームに変えた以外は、実施例1と同じ条件で成形を行ったが、芯材が柔らかく内圧が低いため、成型品が薄くなり柔軟性が劣るものであった。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る柔軟性熱圧成型品の成形方法は、凍らせて硬くした芯材を内部に入れて成形することにより、成形後も非常に柔らかい風合いを保持できる。
【0026】
本発明で得られる柔軟性熱圧成型品は、柔軟性に優れ、枕、布団の芯材、パソコン入力時に使用するハンドレスト、クッション材等に有用である。
Claims (6)
- 水を含有する連続気泡体をポリオレフィン発泡体で被覆することを特徴とする柔軟性熱圧成型品。
- 連続気泡体の基材がポリオレフィンである請求項1記載の柔軟性熱圧成型品。
- 水を内封したゴム袋を、ポリオレフィン発泡体で被覆したことを特徴とする柔軟性熱圧成型品。
- 水を含有した連続気泡体を低温下で凍結させ、ポリオレフィン発泡体シートで被覆して、加圧下金型中で加熱して成形することを特徴とする柔軟性熱圧成型品の成形方法。
- 上記連続気泡体の基材がポリオレフィンである請求項4記載の成形方法。
- 水を内封したゴム袋を、低温下で凍結させ、ポリオレフィン発泡体シートで被覆して、加圧下金型中で加熱して成形することを特徴とする柔軟性熱圧成型品の成形方法。
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