JP2004097508A

JP2004097508A - 便座

Info

Publication number: JP2004097508A
Application number: JP2002263580A
Authority: JP
Inventors: Jun Hatakeyama; 畠山　潤; Takakatsu Sonoda; 園田　隆克; Hiroki Fujimura; 藤村　弘樹
Original assignee: Toto Ltd
Current assignee: Toto Ltd
Priority date: 2002-09-10
Filing date: 2002-09-10
Publication date: 2004-04-02
Anticipated expiration: 2022-09-10
Also published as: JP4255257B2

Abstract

【課題】べたつきがなく、冬場のひんやり感もなく、硬くなく、痛くない便座および温水洗浄便座を提供することを目的とする。
【解決手段】便座形状の発泡樹脂基材と布とを熱圧成形し、発泡樹脂の着座面に布地の網目形状を転写した。これにより、便座着座面に布地の網目形状が転写され、発泡樹脂表面に微細な凹凸が形成される。この微細凹凸により、皮膚が完全に密着することがなくなり、べたつきがなくなる。また、皮膚との接触面積が少なくなるため、熱伝導も抑えられ、発泡樹脂基材の断熱効果に加えて、ひんやり感が低減する。
【選択図】　図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、普通便座、暖房便座、温水洗浄便座などの便座に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、便座および温水洗浄便座は硬質のＡＢＳ樹脂やポリプロピレン樹脂を用いて射出成形にて作られている（例えば、特許文献１参照）。それら表面は鏡面光沢を有し、硬いものであった。便座表面は平滑であるため、皮膚が密着し、べたつくや冬場ひんやりするという問題が発生している。また、高齢者にとっては硬く痛いという問題も発生している。
【０００３】
【特許文献１】
特開平７―２３６５９５号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、べたつきがなく、冬場のひんやり感もなく、硬くなく、痛くない便座および温水洗浄便座を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、請求項１では、便座形状の発泡樹脂基材を熱圧成形にて成形した。発泡樹脂を用いることにより、皮膚からの熱伝導が抑えられ、ひんやりしなくなる。また、発泡樹脂は弾力性があるため、やわらかく、痛くない。
【０００６】
上記課題を解決するために、請求項２では、便座形状の発泡樹脂基材と布とを熱圧成形し、発泡樹脂の着座面に布地の網目形状を転写した。便座形状の発泡樹脂基材と布を同時に熱圧成形することにより、便座着座面に布地の網目形状が転写され、発泡樹脂表面に微細な凹凸が形成される。この微細凹凸により、皮膚が完全に密着することがなくなり、べたつきがなくなる。また、皮膚との接触面積が少なくなるため、熱伝導も抑えられ、発泡樹脂基材の断熱効果に加えて、ひんやり感が低減する。
【０００７】
上記課題を解決するために請求項３では、便座形状の弾性率の異なる発泡樹脂基材を熱圧成形して溶着させ、多層構造にした。弾性率が違う発泡樹脂を用いることにより、皮膚との接触側には断熱効果が高い発泡樹脂、その下に弾力性が高い発泡樹脂など特性が違うものの組み合わせが可能になる。
【０００８】
上記課題を解決するために請求項４では、多層に配設された種類が違う便座形状の発泡樹脂基材と布とを熱圧成形し、発泡樹脂の着座面に布地の網目形状を転写することにした。こうすることによって、便座着座面に布地の網目形状が転写され、発泡樹脂表面に形成された微細な凹凸により、皮膚が完全に密着することがなくなって、べたつきがなくなる。また、皮膚との接触側には断熱効果が高い発泡樹脂、その下に弾力性が高い発泡樹脂など特性が違うものの組み合わせが可能になる。
【０００９】
上記問題を解決するために請求項５では、成形する発泡樹脂を、ポリエチレンフォーム、ＥＶＡの中から選ばれた少なくとも１種であることとした。発泡樹脂は、熱伝導率が低く、断熱効果が高いため、ひんやり感を低減することができる。
【００１０】
上記問題を解決するために請求項６では、成形時使用する布を、ジャージ綿、ネル布の中から選ばれた少なくとも１種であることとした。こうすることによって、便座表面に布地の網目形状が転写され、発泡樹脂表面に微細な凹凸が形成されるため、皮膚が完全に密着することがなくなり、べたつきがなくなる。また、皮膚との接触面積が少なくなるため、熱伝導も抑えられ、発泡樹脂基材の断熱効果に加えて、ひんやり感が低減する
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の便座はやわらかく、断熱性に優れるものが好ましく、例えばメタロセン触媒を使用して重合したポリエチレン系樹脂にアゾジカルボンアミド等の有機発泡剤もしくは低密度ポリエチレンにジニトロソペンタメチレンテトラミン等の有機発泡剤と発泡助剤及び架橋剤を添加、混練し、プレス中の金型に充填し、加圧下に加熱後除圧する所謂加圧一段発泡法等の従来公知の方法で発泡倍率５〜２０倍に発泡させたものが、やわらかさ及び断熱性に優れる為好ましい。
本発明においては、前記発泡体層を金型内に配置して、一面の金型又は一対の金型の下金型に仕込み、金型を密閉して圧縮状態を維持しながら、金型が油圧プレスの熱盤に固定されている場合は、熱盤中の熱媒の流路に加熱蒸気を流し、好ましくは、９０〜２００℃で１分〜４０分間加熱した後、冷却し、成形品を金型から取り出す。
上記熱圧成形において、金型内に配置する発泡体層は、１層のみでもよいし、弾性率が違う発泡樹脂を多層に配置してもよい。
上記熱圧成形において、布を金型と発泡体の間に挟んで仕込む。仕込む布としては、ジャージ綿、ネル布、メリヤス生地のジャージ等が挙げられる。
金型と発泡体の間に布を仕込むことにより、成形時の空気溜りを除去出来るし、便座表面に布地の網目形状が転写され、微細な凹凸が形成されるため、皮膚が完全に密着することがなくなり、べたつきがなくなる。また、皮膚との接触面積が少なくなるため、熱伝導も抑えられ、発泡樹脂基材の断熱効果に加えて、ひんやり感が低減する。
【００１２】
【実施例】
以下、本発明の便座について図面に基づいてその好適な態様を具体的に説明する。
図１に本発明の便座の第１の実施例を示す。
便座１は、発泡倍率１５倍の架橋ポリエチレン発泡体を熱圧成形したものである。発泡倍率１５倍の架橋ポリエチレン発泡体はやわらかく、断熱性が高いため、この発泡体を使用することで、皮膚からの熱伝導が抑えられ、ひんやりしない。また、発泡樹脂は弾力性があるため、やわらかく、痛くない。
【００１３】
図２に本発明の便座の第２の実施例を示す。
便座１は、弾性率が違う架橋ポリエチレン発泡体を２層（弾性率が着座側は小さく、基材側は大きい）で熱圧成形したものであり、着座側の架橋ポリエチレン発泡体上には布地の網目模様の凹凸２が形成されている。弾性率が違う架橋ポリエチレン発泡体と布を同時に熱圧成形することにより、便座表面に布地の網目形状が転写され、発泡樹脂表面に微細な凹凸２が形成される。この微細な凹凸２により、皮膚が完全に密着することがなくなり、べたつきがなくなる。また、皮膚との接触面積が少なくなるため、熱伝導も抑えられ、発泡樹脂基材の断熱効果に加えて、ひんやり感が低減する。
さらに、弾性率が違うため（着座側は小さく、基材側は大きい）、着座側は弾力性があり、やわらかく、基材側は剛性が高くなるため便座形状を保持することができる。
【００１４】
図３は、本発明の第２の実施例の便座を熱圧成形するプレスの金型に材料を仕込む時の断面図である。
図３の、３はメリヤス生地のジャージ、４は上金型、５は下金型、６はプレス熱盤、７は弾性率が小さい架橋ポリエチレン発泡体、８は弾性率が大きい架橋ポリエチレン発泡体である。
発泡体と金型４及び５の間に弾性率が小さい架橋ポリエチレン発泡体７、弾性率が大きい架橋ポリエチレン発泡体８および着座側の弾性率が小さい架橋ポリエチレン発泡体７の法にメリヤス生地のジャージ３を挟んで仕込み、金型４及び５を密閉し、プレスの熱盤６中の熱媒の流路に１５０℃の加熱蒸気を流して加圧下に１０分間加熱して熱圧成形し、便座を成形した。成形された便座は、架橋ポリエチレン発泡体層が熱圧成形で脱泡、熱融着され、表面に布目模様を有する外観美麗な架橋樹脂になる。
【００１５】
【発明の効果】
以上から，本発明では、便座の材質に発泡樹脂を用いることにより、皮膚からの熱伝導が抑えられ、ひんやりしなくなる。
また、便座形状の発泡樹脂基材と布を同時に熱圧成形することにより、便座表面に布地の網目形状が転写され、発泡樹脂表面に微細な凹凸が形成される。この微細凹凸により、皮膚が完全に密着することがなくなり、べたつきがなくなる。
また、皮膚との接触面積が少なくなるため、熱伝導も抑えられ、発泡樹脂基材の断熱効果に加えて、ひんやり感が低減する。
さらに、発泡樹脂を多層に配置することで、皮膚との接触側には断熱効果が高い発泡樹脂、その下に弾性率が高い発泡樹脂など特性が違うものの組み合わせが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の便座の第１の実施例を示す斜視図である。
【図２】本発明の便座の第２の実施例を示す斜視図である。
【図３】本発明の第２の実施例の便座を熱圧成形するプレスの金型に材料を仕込む時の模式図である。
【符号の説明】
１…便座、２…凹凸、３…メリヤス生地のジャージ、４…上金型、５…下金型、６…プレス熱盤、７…弾性率が小さい架橋ポリエチレン発泡体、８…弾性率が大きい架橋ポリエチレン発泡体

Claims

便座形状の発泡樹脂を熱圧成形にて成形したことを特徴とする便座。
便座形状の発泡樹脂と布とを熱圧成形し、発泡樹脂の着座面に布地の網目形状を転写したことを特徴とする便座。
便座形状の弾性率の異なる発泡樹脂を熱圧成形して溶着させ、多層構造とすることを特徴とする便座。
多層に配設された便座形状の発泡樹脂と布とを熱圧成形し、発泡樹脂の着座面に布地の網目形状を転写したことを特徴とする便座。
請求項１から４のいずれか１項に記載の便座において、前記発泡樹脂は、ポリエチレンフォーム、ＥＶＡの中から選ばれた少なくとも１種であることを特徴とする便座。
請求項２又は４記載の便座において、前記布は、ジャージ綿、ネル布の中から選ばれた少なくとも１種であることを特徴とする便座。