JP2000070077A - クッション材 - Google Patents

クッション材

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JP2000070077A
JP2000070077A JP10259459A JP25945998A JP2000070077A JP 2000070077 A JP2000070077 A JP 2000070077A JP 10259459 A JP10259459 A JP 10259459A JP 25945998 A JP25945998 A JP 25945998A JP 2000070077 A JP2000070077 A JP 2000070077A
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vacuum
skin material
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Takashi Oi
隆志 大井
Kunio Ogawa
國男 小川
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KACHI KK
Achilles Corp
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KACHI KK
Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、体圧分散効果が高く、接触部がム
レにくくて肌触り感等の良好なクッション材の提供を目
的とする。 【解決手段】 軟質ウレタンフォーム等のベース材2の
表面にクッション構造体3を積層するようにし、クッシ
ョン構造体3として、常温で粘度が高くて粘弾性を有す
る熱可塑性材料4の表面に、真空成形によって所定の凹
凸形状が賦形された表皮材5を貼り付けた構造とし、必
要に応じて裏面材6を貼り付ける。このクッション構造
体3の成形は、凹型形状部11を有する真空成形型10
で表皮材5を真空吸引することで、表皮材5を凹型形状
部11に密着させ、次いで、この表皮材5の凹部内に、
加熱して流動性を付与した熱可塑性材料4を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばマットレス
や椅子等に好適な荷重分散効果の高いクッション材に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、マットレスや椅子等において、人
体支持部に使用されるクッション材として、例えば発泡
ポリウレタンとか発泡ラバー等が知られているが、これ
ら発泡ポリウレタンや発泡ラバー等では特に上下方向に
かかる荷重を荷重方向に吸収するだけで、体圧を多方向
に分散させる効果が少ないことから、例えばゲル状物を
被覆材の内部に封入した封入体をポリウレタンフォーム
等の基材と組み合わせてクッション材としたり、また粘
弾性のフォームと基材を組み合わせたりするようなクッ
ション材が知られている。
【0003】そして前者の場合は、ゲル状物の封入体を
別工程で作製しておき、基材となるポリウレタンフォー
ム等に凹部を設けて、その部分に挿入したり、型成形で
成形する場合は、型の中にゲル状物の封入体を載置して
おき、その後に基材となる樹脂を注入発泡させて一体に
するような方法が一般的である。また後者の場合は、粘
弾性フォームと、基材となる一般のポリウレタンフォー
ム等を積層一体化したり、所望の部分にだけ組み合わせ
て積層するような方法が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ゲル状物の
封入体を使用する場合は、内部のゲル状物が被覆材から
洩れ出すのを防止するため、被覆材の材料に制約を受け
るとともに、体圧をかけた時に接触部のほぼ全域が密着
状に接触するため、特に長時間同じ姿勢をとっているよ
うな場合には接触部がムレて不快感を生じることがあ
る。また粘弾性フォーム等を使用する場合は、使用環境
によって物性、特に硬さが変化しやすく、また弾性を低
く抑えてある特性上、体圧が大きくかかる用途には、底
付き感が生じる恐れがあるとともに、前記と同様に接触
部がムレやすいという問題がある。
【0005】そこで本発明の目的は、体圧分散効果が高
く、しかも接触部がムレにくくて、しかも肌触り感の良
好なクッション材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、ベース材の表面の少なくとも一部にクッショ
ン構造体が積層されているクッション材において、前記
クッション構造体を、常温で粘度が高くて粘弾性を有し
且つ所定温度以上で粘度が低下して流動性を有する熱可
塑性材料の表面に、真空成形型によって所定の形状に賦
形された不通気性表皮材を積層したものとし、またこの
クッション構造体の成形は、凹型形状部を有する真空成
形型で不通気性表皮材を真空吸引することで、不通気性
表皮材を凹型形状部に密着させ、次いで、この不通気性
表皮材の凹所内に前記熱可塑性材料を充填して成形する
ようにした。
【0007】このように、熱可塑性材料の表面を覆う不
通気性表皮材を真空成形型の形状部に密着させて賦形す
れば、例えば接触部をムレにくく且つ肌触り感の良い凹
凸形状等にすることが出来、しかも凹凸形状等によっ
て、上下方向にかかる荷重を横方向、斜め方向に分散さ
せる効果を高めることが出来る。また真空成形すること
で、プレス成形するような各種不具合、例えば表皮材の
材料に制約を受けたり、生地等の表皮材の場合は風合い
を損ねたりするような不具合を防止できる。ここで、不
通気性表皮材としては、例えばプラスチックフィルム
や、生地とフィルムの積層品等の真空成形が可能な材料
を使用することができ、肌触り感や接触感を良好にする
ため、柔軟材料を使用する。
【0008】またクッション構造体の作製は、例えば凹
型形状部内に多数の微細な吸引孔を備えた真空成形型に
不通気性表皮材を載置し、外周を押え枠等で押えたの
ち、真空吸引して凹型形状部に密着させる。そして、凹
型形状部としては、例えば全体として中央部が窪む凹型
内部に任意の形状の凹凸形状等が刻設されたような形態
のものが好適である。この際、あらかじめ表皮材をヒー
タや熱風等で加熱しておいて吸引し、或いはプラグアシ
スト(真空吸引の際、上から表皮材を吸引方向に押すこ
と)する等によって、賦形性を良好にすることが出来
る。
【0009】次いで、真空成形型の凹型形状部に密着し
て中央部が凹所となった表皮材に対して、所定温度以上
にして粘度を低下させ流動性を与えた熱可塑性材料を充
填する。この際、熱可塑性材料が隅々まで充分充填され
るように、前記表皮材を賦形する際に、周縁に立壁部を
設けて箱型形状に賦形しても良い。この場合は、周縁ま
で充分な厚みの熱可塑性材料が充填されるので、クッシ
ョン効果を高めることが出来る。
【0010】また、必要に応じて、充填した熱可塑性材
料の露出面に裏面材を貼着するようにしても良い。すな
わち、熱可塑性材料を充填するだけで裏面材を貼着しな
い場合でも、表皮材と熱可塑性材料は一体となってクッ
ション構造体が作製され、これをベース材に積層する際
は、ベース材の方向に熱可塑性材料を向けて、表皮材を
外側にしてそのまま熱可塑性材料の粘着性を利用してベ
ース材に貼り付けるようにしても良いが、裏面材を貼着
していれば、作業性が向上するとともに、ベース材に対
して強力に接着等で固定することができ、しかもクッシ
ョン構造体を保管する時等に取り扱いやすくなる。この
際、熱可塑性材料が貼着されるベース材には、クッショ
ン構造体の形状に合わせて凹部を形成するようにしても
良く、この場合は、ベース材の凹部内にクッション構造
体を嵌め込むようにして貼着する。
【0011】また、ベース材としては、例えば軟質ウレ
タンフォーム等が好適である。そして前記クッション構
造体の形状、高さ、周縁部の厚み等と、ベース材の軟質
ウレタンフォーム等の密度、厚み等を適宜適切に組み合
わせることにより、寝心地や座り心地を個人の好みに合
わせて適切にすることが出来る。
【0012】また請求項2では、前記熱可塑性材料とし
て、ポリスチレン系樹脂とブチルゴムに、少なくとも軟
化剤と粘着性付与樹脂を配合して構成するようにした。
このような配合物にすることで、荷重がかかった時など
の変形及び回復を緩徐にすることが出来、一方向からの
荷重を多方向に分散させて快適なクッション性を得るこ
とが出来る。しかも、このような配合物は、体温による
温度上昇を招きにくいことに加えて、前記のように表皮
材には、真空成形型の凹型形状部の反転形状が賦形され
ているためムレにくく、接触部の感触性等はきわめて良
好である。
【0013】また請求項3では、前記クッション材をマ
ットレスに適用し、クッション構造体を、仰臥姿勢をと
った人体の少なくとも腰部周辺領域に対応する部分に設
けるようにした。このような人体の腰部周辺領域は、仰
臥姿勢において、頭部や胸部や脚部に較べて身体荷重が
一番大きくかかる個所であり、このような個所にクッシ
ョン構造体を設ければ、例えば寝たきり者などの仙骨周
辺部に生じやすいといわれる床ずれ等を防止するのに有
効である。ここで、マットレスとしては、ベッド用及び
ベッド用以外のマットが含まれる。
【0014】また請求項4では、前記クッション材を椅
子等の着座部に適用し、クッション構造体を、着座姿勢
をとった人体の少なくとも臀部周辺領域に対応する部分
に設けるようにした。このような臀部周辺領域は、例え
ば長時間座っているようなときに鬱血しやすい個所であ
り、特に有効な体圧分散が望まれる個所である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
した図面に基づき説明する。ここで図1は本発明に係る
クッション材の説明図で、(A)は平面図、(B)は
(A)のA−A線断面図、図2はクッション構造体の成
形方法の工程図、図3は本クッション材をマットレスに
適用した場合の平面図、図4は人体の仰臥姿勢の荷重分
布を説明するための説明図、図5は椅子等の着座部に適
用した例を示す平面図である。
【0016】本発明に係るクッション材は、特に身体荷
重が大きくかかるような個所にクッション構造体を積層
することによって、同部にかかる荷重を広く分散させ、
しかも長時間同じ姿勢を保持していても同部をムレにく
くできるよう配慮されており、例えば図3に示すマット
レスや図5に示すような椅子等の着座部等に好適であ
る。
【0017】すなわち、本クッション材1は、図1に示
すように、例えば軟質ウレタンフォーム等のベース材2
と、このベース材2の表面の少なくとも一部に積層され
るクッション構造体3を備えており、このクッション構
造体3は、常温で粘度が高くて粘弾性を有する熱可塑性
材料4の表面側に不通気性の表皮材5が積層され、必要
に応じて熱可塑性材料4の露出面側に裏面材6が貼着さ
れて構成されている。
【0018】そしてこのクッション構造体3は、例えば
ベース材2とは別個に形成され、例えばベース材2の表
面に刻設される凹部内に嵌め込むようにして積層されて
いる。この際、ベース材2に凹部を形成しないでベース
材2の平坦部に直接積層するようにしても良い。
【0019】ここで、クッション構造体3の成形方法の
一例について説明する。クッション構造体3は、図2に
示すような真空成形型10を使用して成形される。この
真空成形型10は、例えば肉厚が5〜8mm程度のアルミ
ニウムから成形され、型面に凹型形状部11を備えてい
る。この凹型形状部11は、全体的に中央部が凹型に窪
む形状にされたうえ、この凹型内部に複数の凹凸形状1
2が設けられて構成され、また、それぞれの凹凸形状1
2の底部には、φ0.5〜2.0mm程度の吸引孔13が
設けられている。
【0020】以上のような真空成形型10の上に、図2
(A)に示すように、柔軟性を有する不通気性の表皮材
5を必要に応じてヒータ、熱風等により加熱して載置
し、外周を押え枠14で押える。ここで、不通気性の表
皮材5としては、例えばポリウレタンフィルムや塩化ビ
ニルフィルムや塩化ビニルレザー等の単層品、または表
生地/フィルムやフィルム/ウレタンフォーム等の2層
構造品、または表生地/ウレタンフォーム/フィルムや
表生地/フィルム/ウレタンフォーム等の3層構造品等
が適用でき、表生地を使用する場合は、柔軟性及び賦形
性等の面から比較的伸びの大きいものを使用することが
好ましい。またウレタンフォームを使用する場合は、賦
形性の面から1〜5mm程度が好ましい。
【0021】ここで、複層構造品に表生地を使用する場
合、表生地を表面側にすることで、肌触り感等の感触性
を良好にすることが出来るが、フィルム単体または塩化
ビニルレザー等、不通気性樹脂面が表面側となる構造の
場合は、失禁等による汚水に対して有効な構造にするこ
とが出来る。
【0022】以上のような表皮材5を、図2(B)に示
すように、吸引孔13から吸引して、表皮材5を凹型形
状部11に密着させて賦形する。この真空吸引の際、必
要に応じて、表皮材5の上から吸引方向に向けて押圧し
て吸引を補助(プラグアシスト)しても良い。このよう
な補助により、賦形性を良好にすることが出来る。
【0023】また、この表皮材5の賦形の際、実施形態
では、(B)に示すように、周縁に立壁部5tを形成す
るようにし、この立壁部5tによって表皮材5の中央部
に形成される凹所を囲むようにしている。このような立
壁部5tを設ければ、以下に述べる熱可塑性材料4を表
皮材5の凹所内に充填する時、隅々まで厚みを十分確保
して充填することができ、クッション性が良好となる。
【0024】次に、図2(C)に示すように、表皮材5
の凹所内に、加熱して粘度を低下させて流動性を付与し
た熱可塑性材料4を充填する。この際、表皮材5を真空
成形型10から脱型して充填するようにしても良いが、
脱型する前に充填すれば、保形性が確保されているため
都合が良い。この熱可塑性材料4は、実施形態ではポリ
スチレン樹脂とブチルゴムに対して、脂肪族炭化水素化
合物の軟化剤と、粘着性付与樹脂と、酸化防止剤を配合
し、150〜220℃程度の温度範囲に加熱すると、粘
度が低下して流動性を呈し、常温では粘度が高まって殆
ど流動性がなくなるような組成物にしている。
【0025】また、この熱可塑性材料4は、常温まで温
度が下がると、タック性を有し、直接手で触るとベトツ
キ感があるものの、真空成形型10から脱型しても、荷
重を加えない限り形が崩れない保形性を有している。こ
のため、熱可塑性材料4を注入充填した後、そのまま常
温まで温度を下げ脱型してクッション構造体3としても
良いが、本実施形態では、熱可塑性材料4を充填した
後、露出部に裏面材6を貼着してクッション構造体3と
することで、熱可塑性材料4の露出部のベタツキをなく
し、次工程までの取り扱いを容易にするようにしてい
る。
【0026】ここで、裏面材6は適宜適切な素材が選択
できるが、例えばフィルムや編織布、軟質ウレタンフォ
ーム等の柔軟性を有する単層品が適しており、クッショ
ン性等の面から軟質ウレタンフォーム等が好適である。
【0027】クッション構造体3は以上のような方法で
成形され、ベース材2に対して裏面材6側が接着等で固
定されるが、熱可塑性材料4に上下方向から荷重が加わ
ると、応力が上下方向だけでなく、横方向、斜め方向に
も広く生じ、荷重を広く分散させることが出来るだけで
なく、表皮材5には、凹型形状部11の凹凸形状12の
反転形状が賦形されているため、横方向、斜め方向に対
する荷重の分散効果が一層高まり、しかも接触部をムレ
にくくすることが出来る。
【0028】また表皮材5は真空成形で賦形されている
ため、例えばプレス成形するような不具合、例えば材料
に制約を受けたり(例えばポリウレタンフィルムなどは
プレス成形不可)、生地等に対する風合いを損ねたりす
る(プレス成形では起毛が倒れたり、変色、退色したり
する)ような不具合がない。
【0029】因みに、前記熱可塑性材料4は、荷重を広
く分散させるだけでなく、厚みを薄くしても底つき感を
少なくでき、また荷重を徐荷した時の変形回復に遅延性
を有するという特性も有している。このため、例えばマ
ットレスとして使用した時に、寝返り等を打っても反動
的な揺り返しがなく、心地よい使用感を得ることが出来
る。
【0030】更に、前記熱可塑性材料4は、体温による
温度上昇が少なく、また温度変化による硬さの変化につ
いても、JIS K 6400に準じた硬さ試験におい
て、直径200mmの加圧子で25%圧縮したときの硬さ
を測定すると、40℃で20.9kg、−20℃で24.
5kgと殆ど変化していない。また耐熱性も良好であり、
100℃で1000時間連続加熱しても、重量変化、内
容物の変質等は認められていない。
【0031】次に、以上のようなクッション材1の適用
例について説明する。図3は、本クッション材1をマッ
トレス21に適用した例であり、人体の仰臥姿勢におけ
る腰部周辺領域にクッション構造体3を設けるようにし
ている。
【0032】すなわち、図4に示すように、人体が仰臥
姿勢をとったとき、aの頭部周辺に体重比で約8%、b
の胸部周辺に約33%、cの腰部周辺領域に約44%、
dの脚部周辺領域に約15%程度の荷重がかかるといわ
れており、cの腰部周辺領域の荷重が一番大きい。この
ため、例えば寝たきり者等においては、一般的に腰部周
辺の仙骨部分に床ずれが発生しやすく、cの腰部周辺領
域の体圧を有効に分散させることが、床ずれ防止等に有
効である。
【0033】そこで、前記マットレス21においては、
ベース材2の表面領域のうち、仰臥姿勢において仙骨部
が含まれる腰部周辺領域に対応する部分に、クッション
構造体3とほぼ同形状の凹部を形成し、この凹部内にク
ッション構造体3を積層するようにしている。尚、実施
形態ではマットレス21のベース材2を軟質ウレタンフ
ォームから構成し、このベース材2は、人体の仰臥姿勢
全体をカバーし得るような縦横長さに形成され、必要に
応じて上下(厚み)方向に対して発泡密度の異なる軟質
ウレタンフォームを積層するようにしている。もちろ
ん、その他のフォーム材料等でも良い。
【0034】そしてこのようにクッション構造体3を積
層したマットレス21と、クッション構造体3を用いな
い従来型のマットレスの身体にかかる圧力の比較を行っ
たところ、一例として、腰部周辺領域の最高圧力が従来
型では96mmHgであったが、本マットレス21では60
mmHgと減少し、効果的であることが確認された。
【0035】次に、図5は本発明に係るクッション材1
を椅子等の着座部31に適用した例を示す平面図であ
る。この場合、クッション構造体3は、座ったときに臀
部周辺領域に対応する部分に設けるが、この臀部周辺領
域は、着座姿勢において体重が一番大きくかかる個所で
あり、体重を広範囲に分散させることで、長時間座って
いても疲れにくい構造にすることが出来る。
【0036】尚、本発明は以上のような実施形態に限定
されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載し
た事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を
奏するものは本発明の技術的範囲に属する。例えば熱可
塑性材料4を使用したクッション構造体3は、マットレ
ス21の腰部周辺領域や椅子等の臀部周辺領域だけに限
られるものではなく、その他の領域を含んで設けても良
い。また表皮材5に賦形する凹凸形状等も任意である。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明に係るクッション材
は、ベース材の少なくとも一部に、粘度が高くて粘弾性
を有する熱可塑性材料と、真空成形型によって所定の形
状に賦形された表皮材を積層したクッション構造体を積
層するようにしたため、例えば接触部をムレにくく且つ
肌触り感の良い凹凸形状等にすることが出来、しかも凹
凸形状等によって、上下方向にかかる荷重を横方向、斜
め方向に分散させる効果を高めることが出来る。また真
空成形することで、表皮材の材料に制約を受けず、また
表生地等の風合いを損ねたりするような不具合を防止で
きる。
【0038】また請求項2のように、熱可塑性材料とし
て、ポリスチレン系樹脂とブチルゴムに、少なくとも軟
化剤と粘着性付与樹脂を配合して構成すれば、荷重がか
かった時などの変形及び回復を緩徐にすると同時に、一
方向からの荷重を多方向に分散させて快適なクッション
性を得ることが出来、しかも、体温による温度上昇を招
きにくいことから好適である。また請求項3のように、
本クッション材をマットレスに適用し、仰臥姿勢をとっ
た人体の少なくとも腰部周辺領域に対応する部分にクッ
ション構造体を設ければ、床ずれ防止等に有効であり、
また請求項4のように、本クッション材を、椅子等の着
座部の臀部周辺領域に対応する部分に設ければ、長時間
座っていても疲れにくい構造にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクッション材の説明図で、(A)
は平面図、(B)は(A)のA−A線断面図
【図2】クッション構造体の成形方法の説明図で、
(A)は真空成形型上に表皮材を載置した状態の説明
図、(B)は真空成形して表皮材を賦形した状態の説明
図、(C)は表皮材の凹所内に熱可塑性材料を充填した
状態の説明図、(D)はクッション構造体を脱型した状
態の説明図
【図3】本クッション材をマットレスに適用した場合の
平面図
【図4】人体の仰臥姿勢の荷重分布を説明するための説
明図
【図5】椅子等の着座部に適用した例を示す平面図
【符号の説明】
1…クッション材、2…ベース材、3…クッション構造
体、4…熱可塑性材料、5…表皮材、10…真空成形
型、11…凹型形状部、21…マットレス、31…着座
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B096 AB02 AB05 4C040 AA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース材の表面の少なくとも一部にクッ
    ション構造体が積層されているクッション材であって、
    前記クッション構造体は、常温で粘度が高くて粘弾性を
    有し且つ所定温度以上で粘度が低下して流動性を有する
    熱可塑性材料の表面に、真空成形型によって所定の形状
    に賦形された不通気性表皮材が積層されたものであり、
    またこのクッション構造体の成形は、凹型形状部を有す
    る真空成形型で不通気性表皮材を真空吸引することで、
    不通気性表皮材を凹型形状部に密着させ、次いで、この
    不通気性表皮材の凹所内に前記熱可塑性材料を充填して
    成形されることを特徴とするクッション材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のクッション材におい
    て、前記熱可塑性材料は、ポリスチレン系樹脂とブチル
    ゴムに、少なくとも軟化剤と粘着性付与樹脂が配合され
    て構成されることを特徴とするクッション材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のクッショ
    ン材において、前記クッション材はマットレスに適用さ
    れ、前記クッション構造体は、仰臥姿勢をとった人体の
    少なくとも腰部周辺領域に対応する部分に設けられてい
    ることを特徴とするクッション材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載のクッショ
    ン材において、前記クッション材は椅子等の着座部に適
    用され、前記クッション構造体は、着座姿勢をとった人
    体の少なくとも臀部周辺領域に対応する部分に設けられ
    ていることを特徴とするクッション材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2009142301A1 (ja) * 2008-05-22 2011-09-29 株式会社デルタツーリング ビーズ発泡樹脂弾性部材、積層弾性構造体及び座席構造
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