JP4053158B2 - タイヤ用金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ用金型に係り、特に、タイヤ用金型を構成するブロックを駆動するブロック駆動手段とを連結する連結部材をブロックに取り付けるために用いる結合ネジ部材の取り付け部分が破損しても簡単に修理することができるタイヤ用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に従来例にか係るタイヤ用金型1を示す。
タイヤ用金型1は8つのブロック3を備えており、このブロック3は組み合わされるとほぼ円筒形になる。ブロック3はアルミ合金によって構成されており、内周面にはタイヤのパターンを形成するための凹凸部4が形成されている。
図4に示すように各ブロック3の外周面には、一対の雌ネジ穴5が形成され、この雌ネジ穴5の内周面には雌ネジ6が形成されている。
【0003】
符号7は鋼材によって構成された結合ネジ部材を示し、この結合ネジ部材7は肉厚のほぼ円筒状で、外周面に雄ネジ9が形成され、内周面に雌ネジ11が形成されている。また、結合ネジ部材7には、先端部から外周面の途中まで延びる一対の切り欠き13が形成されている。
結合ネジ部材7の雄ネジ9は、雌ネジ穴5の雌ネジ6に取り付けられ、結合ネジ部材7は雌ネジ穴5に収容されている。結合ネジ部材7を雌ネジ穴5に取り付ける際には、工具を切り欠き13に挿入して、結合ネジ部材7を回して、雄ネジ9を雌ネジ6にねじ込む。
【0004】
符号15は取り付け板を示し、この取り付け板15は図示しないブロック駆動手段のアーム21が固定されている。取り付け板15には一対の挿入穴17が形成され、この挿入穴17からボルト19が挿入される。そしてボルト19は、結合ネジ部材7の雌ネジ11に取り付けられ、ブロック3が取り付け板15に固定されて、ブロック3が取り付け板15とアーム21を介してブロック駆動手段に連結される。他の6つのブロック3も同様にして取り付け板15にボルト19によって固定され、取り付け板15とアーム21を介してブロック駆動手段に連結される。
【0005】
このタイヤ用金型1では、ブロック駆動手段によってアーム21を駆動させ、取り付け板15と共にブロック3をタイヤ用金型1の中心から離間する方向へ動作させて、タイヤ用金型1を開き、タイヤの半製品を収容する。次に、アーム21を駆動させて、取り付け板15と共にブロック3をタイヤ用金型1の中心に向かって動作させ、タイヤ用金型1を閉じ、さらに図示しない蓋体を上方から被せる。そして、タイヤ用金型1を200℃から300℃に加熱し、ブロック3の凹凸部4によってタイヤの半製品にパターンを形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、タイヤ用金型は、製造するタイヤの種類や大きさによって交換する必要がある。このため、比較的頻繁にブロック3を取り付け板15に着脱する作業が行われ、その度にボルト19が結合ネジ部材7の雌ネジ11に対し取り外されたり、取り付けられたりすることになる。
タイヤ用金型1の交換は、当然、製造作業を中断して行うため、迅速に行うことが要求される。従って、ボルト19の取り付け、取り外しを、つい乱暴に行うこともあり、結合ネジ部材7に無理な力がかかってしまうこともある。前述のようにブロック3は比較的柔らかいアルミ合金によって構成されているめ、結合ネジ部材7に無理な力がかかると、雌ネジ穴5の雌ネジ6が破損してしまうことがある。
【0007】
結合ネジ部材7は雌ネジ穴5に直接ねじ込まれているため、雌ネジ穴5の雌ネジ6が破損すると、雌ネジ穴5の周囲を削らなければ、結合ネジ部材7を取り出すことができない。さらに、破損した雌ネジ穴5を合金で埋めてからでないと、再度雌ネジ穴5を形成することができず、修理が非常に面倒であるという問題があった。
【0008】
本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為されたものであり、結合ネジ部材をブロックに固定しているネジが破損しても、簡単に修理することができるタイヤ用金型を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、型締め状態と型開き状態とに動作する複数のブロックと、前記複数のブロックを動作させるための動力を発揮するブロック駆動手段と、前記ブロックと前記ブロック駆動手段とを連結する連結部材と、前記連結部材に形成された挿入穴と、前記複数のブロックに着脱自在に取り付けられ、内周面に雌ネジが形成された雌ネジ穴を有する結合ネジ部材と、ボルトとを具備し、前記ボルトが前記連結部材の挿入穴から挿入され前記結合ネジ部材の雌ネジに取り付けられることで前記連結部材が前記ブロックに固定されるタイヤ用金型において、前記結合ネジ部材は、前記ブロックに形成された収容穴に収容され、且つ結合ネジ部材の外周面に結合ネジ部材側凹部が形成され、前記収容穴の内周面に穴側凹部が形成されており、しかも前記結合ネジ部材側凹部と前記穴側凹部に雌ネジの一部が形成され、前記結合ネジ部材側凹部と前記穴側凹部の雌ネジの両方に跨るように雄ネジ部材を取り付けたことを特徴とするタイヤ用金型である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るタイヤ用金型を図1と図2に従って説明する。
実施の形態に係るタイヤ用金型は、従来例に係るタイヤ用金型1とほぼ同様の構成を有し、且つ同様にして使用されるので、実施の形態に係るタイヤ用金型については、従来例に係るタイヤ用金型1との相違点についてのみ説明する。また、実施の形態において従来例と同様の部材については従来例と同じ符号を引用して説明することとする。
符号31は実施の形態に係るタイヤ用金型を構成するブロックを示し、このブロック31には一対の結合ネジ部材33が取り付けられている。
【0011】
ブロック31には、収容穴35が形成され、この収容穴35の内周面には一対の穴側凹部37が形成されている。穴側凹部37は円柱を縦断した形状に形成されており、内周面に縦断した雌ネジ39のほぼ半分、即ち雌ネジの一部が形成されている。
結合ネジ部材33は肉厚のほぼ円筒状に形成され、この結合ネジ部材33の外周面には、一対の結合部材側凹部41が形成されている。この結合部材側凹部41は円柱を縦断した形状に形成されており、結合部材側凹部41の内周面には、縦断した雌ネジ41のほぼ半分、即ち雌ネジの一部が形成されている。この雌ネジ43は、穴側凹部37の雌ネジ39と対になって、ほぼ完全な雌ネジとなる。
雌ネジ39、43の形成方法について説明する。
結合ネジ部材33を収容穴35に収容し、その状態でタップを用いて雌ネジ39、43を形成する。このようにして雌ネジ39、43を形成するので、雌ネジ39と雌ネジ43は確実に合致したものとなり、後述する雄ネジ部材47を確実に取り付けることができる。
【0012】
また、結合ネジ部材33の雌ネジ穴44の内周面には、雌ネジ45が形成されている。
雄ネジ部材47の外周面には雄ネジ49が形成されている。また、雄ネジ部材47の先端面には、六角形の工具差込穴51が形成されている。
【0013】
このタイヤ用金型では結合ネジ部材33を収容穴35に収容し、結合部材側凹部41と穴側凹部37とが対向するように位置合わせを行う。そして、雄ネジ部材47の雄ネジ49を結合部材側凹部41の雌ネジ43と穴側凹部37の雌ネジ39に跨るように取り付ける。この際、雄ネジ部材47の工具差込穴51に工具を差し込んで、雄ネジ部材47を回転させる。
このように、雄ネジ部材47が結合部材側凹部41の雌ネジ43と穴側凹部37の雌ネジ39に跨るように取り付けられるので、結合ネジ部材33が収容穴35に収容された状態で固定される。
【0014】
そして、従来例のタイヤ用金型1と同様にして、連結部材としての取り付け板15がボルト19によって取り付けられる。即ち、ボルト19が挿入穴17に挿入され、結合ネジ部材33の雌ネジ穴44の雌ネジ45に取り付けられ、取り付け板15がブロック31に固定される。
【0015】
このタイヤ用金型では、ボルト19を結合ネジ部材33の雌ネジ45から外す際に、無理な力がかかり穴側凹部37の雌ネジ39が破損しても、図2において一点鎖線で示すように破損した穴側凹部39からずれた位置に別の雌ネジ39を形成して修理することができる。そして、結合ネジ部材33を収容穴35に収容し、雄ネジ部材47を、新たに形成した穴側凹部37の雌ネジ39と結合ネジ部材33の雌ネジ43に跨るように取り付ける。
【0016】
このように、破損した雌ネジ39とはずれた位置に新しい雌ネジ39を形成することができるので、従来例のように雌ネジ穴5の内周面全体に雌ネジ6が形成されている場合と比べ、非常に簡単に修理を行うことができる。
また、ブロック31が比較的柔らかいアルミ合金で構成されているため、雌ネジ39のネジ山が潰れる等しても、結合ネジ部材33の雌ネジ43が破損していなければ、雄ネジ部材47を回転させることによって容易に引き出すことができる。万が一、雌ネジ39、43の双方とも破損しても、雌ネジ39、43は従来例の雌ネジ6よりかなり小さい面積に形成されているので、工具を用いて雄ネジ部材47を容易に引き抜くことができる。従って収容穴35内周面を削るような大がかりな作業をする必要はない。
【0017】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、実施の形態においては、穴側凹部及び結合部材側凹部を各々2カ所としたが、3カ所以上形成するようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明にあっては、ブロックと連結部材とを連結するための穴側凹部が破損しても、非常に簡単に修理することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るタイヤ用金型を構成するブロックの一部、結合ネジ部材及び雄ネジ部材の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るタイヤ用金型を構成するブロックの一部、結合ネジ部材及び雄ネジ部材の正面である。
【図3】従来例に係るタイヤ用金型の斜視図である。
【図4】従来例に係るタイヤ用金型の一部斜視図である。
【符号の説明】
31 ブロック
33 結合ネジ部材
35 収容穴
37 穴側凹部
39 雌ネジ
41 結合部材側凹部
43 雌ネジ
47 雄ネジ部材
49 雄ネジ
Claims (1)
- 型締め状態と型開き状態とに動作する複数のブロックと、前記複数のブロックを動作させるための動力を発揮するブロック駆動手段と、前記ブロックと前記ブロック駆動手段とを連結する連結部材と、前記連結部材に形成された挿入穴と、前記複数のブロックに着脱自在に取り付けられ、内周面に雌ネジが形成された雌ネジ穴を有する結合ネジ部材と、ボルトとを具備し、前記ボルトが前記連結部材の挿入穴から挿入され前記結合ネジ部材の雌ネジに取り付けられることで前記連結部材が前記ブロックに固定されるタイヤ用金型において、前記結合ネジ部材は、前記ブロックに形成された収容穴に収容され、且つ結合ネジ部材の外周面に結合ネジ部材側凹部が形成され、前記収容穴の内周面に穴側凹部が形成されており、しかも前記結合ネジ部材側凹部と前記穴側凹部に雌ネジの一部が形成され、前記結合ネジ部材側凹部と前記穴側凹部の雌ネジの両方に跨るように雄ネジ部材を取り付けたことを特徴とするタイヤ用金型。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28859798A JP4053158B2 (ja) | 1998-10-12 | 1998-10-12 | タイヤ用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28859798A JP4053158B2 (ja) | 1998-10-12 | 1998-10-12 | タイヤ用金型 |
Publications (2)
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JP2000117745A JP2000117745A (ja) | 2000-04-25 |
JP4053158B2 true JP4053158B2 (ja) | 2008-02-27 |
Family
ID=17732316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28859798A Expired - Lifetime JP4053158B2 (ja) | 1998-10-12 | 1998-10-12 | タイヤ用金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4053158B2 (ja) |
-
1998
- 1998-10-12 JP JP28859798A patent/JP4053158B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2000117745A (ja) | 2000-04-25 |
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