JP4053142B2 - 小形ティッシュペーパーの包装方法及びその方法に用いる挟持装置 - Google Patents

小形ティッシュペーパーの包装方法及びその方法に用いる挟持装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェットタイプの小形ティッシュペーパーの包装方法及びその方法の実施に直接使用する挟持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウェットタイプと称される小形ティッシュペーパーを収めた包装袋については、包装袋の側面に明けられた蓋付き穴からティッシュペーパーを取り出す構造のもの、最初の使用時に切り口を開封してチャックを開けてティッシュペーパーを取り出す構造のものが一般的に知られている。そのチャック付包装袋aは図3に示すように、短手方向の袋口bのみが開放されて、使用時に開封が施される周縁部cを密閉状に形成した重なり片dを設け、その重なり片dの縦方向位置に開閉自由なチャックeを配置するように構成されたものである。そこで、かかるチャック付包装袋の包装については、作業者が一定枚数の小形ティッシュペーパーpを1カ所だけ解放された袋口bから詰めた後、清浄・殺菌等のためのエチルアルコールや精製水等を適宜量注入し、ついで袋口bを手で引っ張って一文字状に緊張させた状態としてからその袋口b部分を半自動式シール装置により溶封を施していた。
しかして、上記チャック付包装袋に小形ティッシュペーパーを詰めた場合には、そのティッシュペーパーの上端と袋口端との高さ寸法が20〜24mm程度になる。この状態において、従来の包装機のグリップ(挟持装置)により同包装袋を掴着しょうとしてもその高さ寸法が小さくてグリップとヒートシールバーが介入する余地がないことから、包装機を使用して包装の自動化を図ることができなかった。かかる事情により、現在のところ作業者が半自動式シール装置を用いて手作業で1個ずつシール作業を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記チャック付包装袋の手作業による包装方法については、非常に生産性が低いことから量産に向かないという不都合があった。また、包装機による包装の自動化を図るためには、チャック付包装袋に適応可能な新たな構造になる挟持装置を開発する必要があった。
加えて、ウェットタイプの小形ティッシュペーパーに関しては、細菌感染を防止する等の衛生上の観点からも手作業工程を極力少なくして自動化を図るという何らかの対策が望まれていた。
【0004】
この発明の目的は、チャック付包装袋を用いたウェットタイプの小形ティッシュペーパーの包装工程を自動化して生産性の向上を図る包装方法を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、袋供給機の供給ローラコンベア上に整列して待機する多数個の循環ケースに、一定枚数の小形ティッシュペーパーが収められて上方の袋口が未溶封のままのチャック付包装袋を立てた状態で複数個ずつ充填すると、該包装袋を収めた各循環ケースは包装機側に向けて順次移送され、包装機の袋供給ステーションにて間欠回転板にその回転中心から等角度で放射方向に配置された挟持装置の一対の挟持片間に、前記チャック付包装袋が吸着移送手段によって1袋ずつ送り込まれてそれらの挟持片により前後面を押圧されて起立した姿勢で保持されるように設け、液体充填ステーションにて前記挟持片のチャック付包装袋に対する押圧力を緩和しつつ同包装袋に一定量の清浄・殺菌のためのエチルアルコール類を充填し、ヒートシールステーションにて前記チャック付包装袋の袋口の溶封を施してからシール冷却ステーションでその溶封部分を冷却し、ついで刻印・排出ステーションにおいて前記チャック付包装袋に所定の刻印を施すと共に、上記挟持装置による保持作用を解除して同包装袋を機外に放出することを特徴とする。
【0006】
同様の目的を達成するために請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の小形ティッシュペーパーの包装方法において、前記チャック付包装袋は、開封を施す周縁部を密閉状に形成した重なり片の縦方向位置に、開閉自由なチャックを配置するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
同様の目的を達成するために請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の小形ティッシュペーパーの包装方法において、一対の固定挟持片と可動挟持片とを対向して配置すると共に、その可動挟持片をバネにより付勢して固定挟持片に接離自在に設け、駆動手段により上記可動挟持片を前記バネの弾力に抗して固定挟持片から所定位置まで後退作動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の作用及び効果】
作業者が袋供給機の供給ローラコンベア上に待機する多数個の循環ケースに、予め小形ティッシュペーパーを収めた未溶封のチャック付包装袋(以下、単に包装袋と称すこともある)を立てた状態で複数個ずつ充填すると、包装袋を収めた各循環ケースは包装機側に向けて順次移送される。ついで、包装機の袋供給ステーション にて、包装袋が吸着移送手段により挟持装置の挟持片間に1袋ずつ送り込まれて起立した姿勢で動かないように保持される。液体充填ステーション にて、前記挟持片のチャック付包装袋に対する押圧力を緩和しつつ、同包装袋に一定量のエチルアルコールや精製水等が充填され、ヒートシールステーション にて包装袋の袋口の溶封を施してから、シール冷却ステーション でその溶封部分が冷却される。刻印・排出ステーション において包装袋に所定の刻印が施された直後に、挟持装置の挟持片による保持作用が解除されると、包装袋は機外に放出される。
【0009】
請求項3に記載の挟持装置については、可動挟持片がソレノイドや空圧シリンダ等の駆動手段の作動によりバネの弾力に抗して固定挟持片から後退移動することにより包装袋を受け入れ若しくは放出し、駆動手段の非作動により可動挟持片が同包装袋を動かないようにバネによって付勢保持するように機能する。
【0010】
この小形ティッシュペーパーの包装方法及びその方法に用いる挟持装置によれば、ウェットタイプの小形ティッシュペーパーの包装工程が作業者による包装袋を循環ケースに充填する初期の作業を除いてほぼ自動化されるため、従来のすべての工程を手作業により行う方法に比較すると、生産性が著しく向上する。
さらには、上述の初期の手作業を除き、以後の包装工程が自動化されるので、衛生的な包装を実現することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の包装方法を適用する包装機の平面図、図2は袋供給機の概要構成を説明する平面図、図3は未溶封のチャック付包装袋の斜視図、図4は吸着移送手段付近の平面図、図5は挟持装置と間欠回転板との配置関係を示す縦断側面図、図6は挟持装置の平面図、図7は液体充填装置の正面図、図8は包装済みのチャック付包装袋の斜視図である。
【0012】
図1に示すように袋供給機Sを備えたロータリー方式の包装機Hは、袋供給ステーション 、アイドルステーション ・ 、液体充填ステーション 、ヒートシールステーション 、シール冷却ステーション 、刻印・排出ステーション 、アイドルステーション 等の10ステーションとからなる。
【0013】
図2に示す袋供給機Sにおいて、2は多数個の循環ケース1が連続的に整列して待機する供給ローラーコンベア、3は供給ベルトコンベア、4は供給ベルトコンベア3上に放出される先頭の包装袋aの包装機側への移動を制御するための第1シャッター、5は先頭位置の包装袋aと次位の包装袋aとを分断する機能をもつ第2シャッター、6は帰還ローラーコンベア、7は移載位置xにおいて、空になった各循環ケース1を前記帰還ローラーコンベア6側に順次移送させるための第1切替手段、8は帰還ベルトコンベア、9は待機ローラーコンベア、10は移載位置yにおいて、空の循環ケース1を供給ローラーコンベア2側に順次戻すための第2切替手段である。
【0014】
上記構成になる袋供給機Sの作動について説明すれば、図3に示す小形ティッシュペーパーpが収められて未溶封のままの包装袋aを、手作業により循環ケース1に起立状態で重なり片dを後にして10袋ずつ適時に充填すると、各循環ケース1は供給ベルトコンベア3の所定位置まで移動され、移載位置xで包装袋aを供給ベルトコンベア3上に残したまま帰還ローラーコンベア6側に移送される。先頭の包装袋aが後記吸着移送手段15で取り出されるときに、第1シャッター4が後退して包装袋aを通過させてから再び進出し、第2シャッター5を後退させた状態で、次位の包装袋aが供給ベルトコンベア3により先頭位置まで送り込まれる。これと同調して第2シャッター5が再び進出し、新たに先頭となった包装袋aと次位の包装袋aとが分断され、新たに先頭となった包装袋aが吸着移送手段15で取り出される。
【0015】
図4に示すように、吸着移送手段15は支持板16に一組のリンク17を回転自在に取り付け、それらのリンク17の自由端に連杆18を取り付けると共に、一方のリンク17に固定されたクランクレバー19に駆動ロッド20を連結して4節回転連鎖機構とし、前記連杆18に真空作用の吸盤22を横向きに設けた横杆21を取り付けている。しかして、駆動ロッド20の上下作動によって吸盤22が前後方向に平行運動を行うことになり、その吸盤22の前進端で上記供給ベルトコンベア3上の包装袋aを吸着し、その後退端で吸着作用を停止して包装袋aを後記挟持装置35の一対の挟持片36、37間に落下させて送り込むように設ける。
【0016】
25は包装袋aが挟持装置35の開放状態の挟持片36、37間に円滑に落下するように案内を行うためのガイド手段である。このガイド手段25は、機台30に固定されたフレーム26に左右一対のガイドアーム27を回転自由に支持し、該アーム27をモータ装置28の駆動によって開閉するように設けられている(図4)。
【0017】
図5に示すように、上記包装機Hの機台30に立設されたスタンド31には、縦向きのインデックス軸32を間欠回転板33の軸筒33aに挿入して一体化し、該軸筒33aを軸受34で支持することにより該間欠回転板33が回転自由に設けられている。35はその間欠回転板33にインデックス軸32の回転中心から等角度で放射方向に配置された挟持装置であり、前記ステーションと同数だけ設けられている。
【0018】
その挟持装置35は、間欠回転板33の外周囲に平面から見てコ字形の固定挟持片36を穴33bに差し込んで固定し、該固定挟持片36の正面内方に対向する位置に可動挟持片37を設けている(図5、図6)。可動挟持片37を先端に設けた支持杆38は、前記間欠回転板33に軸39、40で夫々回転可能に取り付けたリンク41の自由端及びヘ字形レバー42の長辺部42aの中間位値に軸連結されている。43は前記可動挟持片37を固定挟持片36側に常に押圧するように付勢するためのバネ、44はその押圧状態を調整するためのストッパーを兼ねた調整ネジであり、前記ヘ字形レバー42の長辺部42aの側面を頭部に当接させるように設ける。
【0019】
また、ヘ字形レバー42の短辺部42bの自由端にはローラー45を回転自由に設け、該ローラー45を駆動手段である空気圧シリンダ50のロッドに取り付けられたブロック51と対応するように設ける。その空圧シリンダ50は、袋供給ステーション 、液体充填ステーション 、刻印・排出ステーション の各ステーションに、前記スタンド31と一体に設けられた固定円板31a上に設置されている。31bはその固定円板31aに穿設された排出口である。
【0020】
しかして、上記挟持装置35は空気圧シリンダ50の前進作動によりヘ字形レバー42がバネ43の弾力に抗して揺動するので、可動挟持片37が固定挟持片36から後退作動する。しかして、その可動挟持片37が開いた状態において、包装袋aは受け入れられるか若しくは放出される。また、空気圧シリンダ50の非作動のときには、バネ43が支持杆38を前進方向に付勢するので、包装袋aは固定挟持片36と可動挟持片37により挟まれて起立姿勢で保持される。
【0021】
図7に示す液体充填ステーション に設置される液体充填装置55は、先端に押え片56aを備えた縦向きのバー56を固定したアーム57が図示しない駆動手段により上下動自在に設けられ、一定量のエチルアルコールや精製水等を充填するために2本の細い注入管58を前記バー56に設けている。
【0022】
上記構成になるロータリー方式の包装機Hを用いて小形ティッシュペーパーの包装方法を具体的に説明する。
袋供給機Sの供給ローラコンベア3上に整列して待機する空の循環ケース1に、予め小形ティッシュペーパーを収めた未溶封のチャック付包装袋aを立てた状態で重なり片dを進行方向に対して後側にして充填すると、包装袋aを収めた各循環ケース1は包装機側に向けて順次移送される。
包装機Hの袋供給ステーション において、先頭の包装袋aが吸着移送手段15の吸盤22により吸着されて開放状態の固定挟持片36と可動挟持片37間に1袋ずつ送り込まれると、さの包装袋aは挟持片36、37により前後面を押圧されて起立した姿勢で保持される。
液体充填ステーション において、空気圧シリンダ50を作動させて可動挟持片37の包装袋aに対する押圧力を緩和しつつ、液体充填装置55の注入管58から同包装袋a内に一定量の清浄・殺菌のためのエチルアルコール類を充填すると共に、小形ティッシュペーパーpの上端を押え片56aで押さえてそれを安定した収容状態にさせる。
ヒートシールステーション において、包装袋aの袋口bの溶封を施す。
シール冷却ステーション でその溶封部分を冷却する。ついで、刻印・排出ステーション においてその包装袋aに所定の刻印を施して挟持装置35による保持作用が解除されるので、同包装袋aは固定円板31aの排出口31bを通って機外に放出される。図8には、包装完成後のチャック付包装袋aを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装方法を適用する包装機の平面図
【図2】袋供給機の概要構成を説明する平面図
【図3】未溶封のチャック付包装袋の斜視図
【図4】吸着移送手段付近の平面図
【図5】挟持装置と間欠回転板との配置関係を示す縦断側面図
【図6】挟持装置の平面図
【図7】液体充填装置の正面図
【図8】包装済みのチャック付包装袋の斜視図
【符号の説明】
H→包装機 S→袋供給機 a→チャック付包装袋 d→重なり片
e→チャック p→小形ティッシュペーパー
1→循環ケース 2→供給ローラコンベア 3→供給ベルトコンベア
15→吸着移送手段 31→スタンド 31a→固定円板
32→インデックス軸 33→間欠回転板 35→挟持装置
36→固定挟持片 37→可動挟持片 43→バネ
50→空気圧シリンダ(駆動手段)

Claims (3)

  1. 袋供給機の供給ローラコンベア上に整列して待機する多数個の循環ケースに、一定枚数の小形ティッシュペーパーが収められて上方の袋口が未溶封のままのチャック付包装袋を立てた状態で複数個ずつ充填すると、該包装袋を収めた各循環ケースは包装機側に向けて順次移送され、包装機の袋供給ステーションにて間欠回転板にその回転中心から等角度で放射方向に配置された挟持装置の一対の挟持片間に、前記チャック付包装袋が吸着移送手段によって1袋ずつ送り込まれてそれらの挟持片により前後面を押圧されて起立した姿勢で保持されるように設け、液体充填ステーションにて前記挟持片のチャック付包装袋に対する押圧力を緩和しつつ同包装袋に一定量の清浄・殺菌のためのエチルアルコール類を充填し、ヒートシールステーションにて前記チャック付包装袋の袋口の溶封を施してからシール冷却ステーションでその溶封部分を冷却し、ついで刻印・排出ステーションにおいて前記チャック付包装袋に所定の刻印を施すと共に、上記挟持装置による保持作用を解除して同包装袋を機外に放出することを特徴とする小形ティッシュペーパーの包装方法。
  2. 前記チャック付包装袋は、開封を施す周縁部を密閉状に形成した重なり片の縦方向位置に、開閉自由なチャックを配置するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の小形ティッシュペーパーの包装方法。
  3. 一対の固定挟持片と可動挟持片とを対向して配置すると共に、その可動挟持片をバネにより付勢して固定挟持片に接離自在に設け、駆動手段により上記可動挟持片を前記バネの弾力に抗して固定挟持片から所定位置まで後退作動させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の小形ティッシュペーパーの包装方法に用いる挟持装置。
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