JP4053124B2 - 洗剤粒子組成物及びその製造方法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、ポリエステル系繊維に蓄積した汚れを効果的に除去し、なおかつ繊維に汚れ放出促進性を付与することが出来る、粒子強度、耐ケーキング性に優れた洗剤粒子組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリエステル系繊維は疎水的な性質を持っており、油の汚れや油状のシミの除去が困難であることは知られている。また、ジカルボン酸であるテレフタル酸とポリエチレングルコールのエステルを含むポリエステルである、ポリエチレンテレフタレート−ポリオキシエチレンテレフタレート(PET−POET)ポリマーは、洗濯洗剤組成物における汚れ放出化合物として使用されている(米国特許第3,962,152号)。すなわちポリエステル系繊維の洗濯操作に際し、これらの汚れ放出ポリエステルは洗濯溶液中に浸漬された繊維表面に吸着する。吸着した汚れ放出ポリエステルはついで繊維が洗濯溶液から取り出され乾燥された後にその上に残る親水性膜を形成する。このようにして疎水表面を親水化し油状物質の汚れ放出性を高めることが出来る。さらにこの膜は汚れ放出ポリエステルを含有する洗剤組成物で引き続き洗濯することで更新することが出来る。これらの汚れ放出ポリエステルはアニオン洗剤中で用いるとその性能が劣ることが知られており、ノニオン洗剤組成物として使われることも多い(特開昭61−223099等)。しかし、この発明はノニオン粒状洗剤と安定化PET−POET粒子を別粒子として製造し両者を混合するもので、分級等の問題が考えられる。
【0003】
一方で、ノニオン界面活性剤は、耐硬水性、他成分との混和性などの特長を有する反面、常温で液体であるものも多く粒状洗剤組成物への使用は困難であった。また、ノニオン界面活性剤を大量に配合して粒状洗剤を製造すると、製造時における製造装置への付着、洗剤粒子からのノニオン界面活性剤のしみ出し、洗剤粒子の流動性およびケーキング性の悪化等の問題があった。一方で、製造に際し、噴霧乾燥法により製造すると乾燥中にノニオン界面活性剤の一部が分解したり飛散するという問題がある。そこで、多孔性吸油担体とノニオン界面活性剤とを含む配合成分を特定の攪拌型混合機に仕込んで造粒し、さらに得られた造粒物と微粉体を混合して造粒物の表面を被覆することにより、ノニオン粒状洗剤を簡便かつ省エネルギー的に製造することが報告されている(特開平5−125400)。しかしながら、この洗剤組成粒子は、配合成分の混合度が粗であるために粒子強度が弱く、破壊しやすいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特にポリエステル系繊維に蓄積した汚れを効果的に除去し、なおかつ繊維に汚れ放出促進性を付与することが出来る洗剤粒子組成物を提供するものである。本発明は、また粒子強度、耐ケーキング性に優れ、汚れ放出成分と他成分の分級のない洗剤粒子組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、
a)ノニオン界面活性剤10〜50質量%(以下の「%」は「質量%」を表す。)
b)脂肪酸塩0.1〜5%
c)ジカルボン酸とポリアルキレングリコールのエステルを必須成分とするポリステル0.1〜5%
d)結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質シリカ、結晶性ケイ酸カルシウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウムから選ばれる担体30〜90%
を含有し、非石鹸アニオン界面活性剤含量が5%未満である洗剤粒子組成物とすることにより上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施様態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるa)成分のノニオン界面活性剤としては、特に制限されないが、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテルが好ましく用いられる。特に好ましくは、炭素数8〜18の直鎖または分岐鎖の第1級または第2級アルコールに平均7モル以下のエチレンオキシドを付加したものである。オキシエチレン鎖の平均が3〜7モル以下のものがポリエステル系繊維に蓄積した汚れの洗浄力に特に効果が高い。これらの具体的な例としては、ポリオキシエチレン(EO鎖平均7モル)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(EO鎖平均7モル)C12〜14第2級アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(EO鎖平均6モル)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(EO鎖平均6モル)合成C13アルキルエーテル等があげられる。ノニオン界面活性剤は、10〜50%の範囲、好ましくは10〜35%の範囲で配合される。この配合量が10%未満では蓄積汚れの洗浄力を発揮することが出来ず、一方、50%を超えると洗剤粒子からのしみ出しを防ぐことが出来ず、耐ケーキング性が著しく悪化してしまう。
【0007】
本発明におけるb)成分の脂肪酸塩としては、炭素数10〜24の脂肪酸の水溶性塩が用いられる。具体的には、硬化牛脂、未硬化牛脂、豚脂等の獣脂肪酸塩;ヤシ油、パーム油等の植物油脂肪酸塩;合成脂肪酸塩などが挙げられる。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。脂肪酸塩は0.1から5%、好ましくは0.5%〜3%の範囲で配合される。この配合量が0.1%未満では満足のいく粒子強度が得られず、しみだしがある。また5%を超えると洗剤粒子にべたつきが生じ、流動性が著しく低下する。
【0008】
本発明におけるc)成分はジカルボン酸とポリアルキレングリコールのポリエステル及び/またはその重合体あるいは共重合体である。
ジカルボン酸成分としては、脂肪族、脂環族または芳香族ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、ジグリコール酸等があげられる。アルキレングリコールとしては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体等があげられる。
好ましくは、これらのポリエステルを重合したポリマーあるいは2種類以上のポリエステルを共重合したポリマーが用いられる。具体的には、テレフタル酸とジエチレングリコールから重合されるポリエステルとテレフタル酸とポリエチレングリコールから重合されるポリオキシエチレンカルボキシレートが共重合したポリマー、すなわちポリエチレンテレフタレートーポリオキシエチレンテレフタレート(PET−POET)ポリマーなどが挙げられる。ポリマーの好ましい分子量は2000〜50000である。
c)成分の配合量は0.1〜5%、好ましくは2〜5%の範囲で配合される。この配合量が0.1%未満では汚れ放出性が発現せず、5%を超えると洗剤粒子にべたつきが生じ、流動性が著しく低下する。
【0009】
本発明のa)b)c)成分を添加する担体d)としては、以下の無機粉体があげられる。合成ゼオライトなどの結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質シリカ(商品名:トクシール(トクヤマ)、アエロジル(日本アエロジル))、結晶性ケイ酸カルシウムなどの多孔質無機酸化物粉体、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウムなどの無機質アルカリビルダーなど。担体は、好ましくはSiO2を50%以上含有する多孔質無機粉体(上記例では、非晶質シリカ、アエロジル、結晶性珪酸カルシウム)を全洗剤粒子中に0.2〜5%含有する量で配合する。担体は、洗剤粒子中、30〜90%、好ましくは50〜80%の範囲で配合される。更に、a+b+c:d=1:1〜1:9の範囲が好ましい。
【0010】
本発明の粒状洗剤組成物におけるe)成分は任意に配合される非石鹸アニオン界面活性剤である。これらの例としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、α−オレフィンスルホン酸のアルカリ塩、アルキル硫酸エステルのナトリウム塩、α−スルホ脂肪酸エステルのアルカリ金属塩等があげられる、非石鹸アニオンの配合量は、0〜5%未満、好ましくは0〜3%未満である。5%以上配合すると本発明の洗浄効果が発揮されなくなる。
【0011】
本発明の洗剤粒子の製造は、次のように行うことが好ましい。製造工程において、a)b)c)は予め加温融解して均一混合する。担体d)を造粒機に入れ、均一融解したa)b)c)混合液を、無機粉体d)に添加し、造粒を行い、その後、必要であれば粉砕する。a)b)c)は均一融解を行ったほうが、融解液を別々に配合する場合に比べてしみ出し性が抑えられ良好である。本発明の混合工程で好適に用いられる装置としては連続ニーダー(栗本鉄工所製KRC2型)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)等が挙げられる。得られた粒子にゼオライト、炭酸ナトリウム等のd成分の一部をコーティングすることもより良好な流動性が得られ好ましい。この場合のコーティング剤の量はd成分に属する。
【0012】
本発明のノニオン粒状洗剤組成物には、通常洗剤原料に配合されている以下のような成分を配合することができ、これらは攪拌造粒時に配合してもよく、粉体配合してもよい。
(1)蛍光剤:ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、ビス(スルホスーチリル)ビフェニル塩(チノパールCBS)など
(2)酵素:リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼなど
(3)漂白剤:過炭酸ナトリウムなどの過炭酸塩、過硼酸塩など
(4)帯電防止剤:ジアルキル型4級アンモニウム塩、第3級アミンなど
(5)表面改質剤:ベントナイト、カオリナイトなど
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリエステル繊維に長期に渡り蓄積した汚れを効果的に除去し、なおかつ繊維に汚れ放出物質を付与することで油汚れ洗浄力を高め、すすぎ性が良好なノニオン粒状洗剤組成物が得られる。また本発明の洗剤粒子は、粒子強度、流動性、しみだし性、耐ケーキング性に優れ、汚れ放出成分と他成分の分級による問題が生じない。
【0014】
【実施例】
以下の実施例は本発明の洗剤組成物を例示するものであり、限定するものではない。
(実施例1)
本発明の洗剤粒子組成物を以下の試験方法により評価した。
【0015】
(洗剤粒子の製造)
表1に示す洗剤粒子を下記のように製造した。
【0016】
ノニオン界面活性剤(+他活性剤)、脂肪酸ナトリウム、ポリエステルを80℃に加温して均一に融解した。ゼオライト、トクシール、軽灰をハイスピードミキサーに入れ混合した後、前記混合融解液を添加し、アジテーター回転数200rpm、チョッパー回転数3000rpmで、5分間撹拌造粒した。得られた造粒物を容器回転型混合機にいれ、ゼオライト10%(全量に対して)をコーティングし、洗剤粒子を得た。
【0017】
これらの洗剤粒子組成物を用い、下記評価を行った。
(洗浄力)
洗浄▲1▼→汚垢塗布→洗浄▲2▼を行い、洗浄▲2▼を行った後の反射率を測定した。値が大きい方が洗浄性は高い。
洗浄▲1▼:2槽式洗濯機、30L、25℃、10分、処理布;ポリエステル布400g
洗液;表1記載の組成物50gを溶解
汚垢塗布:表1記載の油性成分とカーボンをベンゼンに分散、溶解し塗布した。
洗浄▲2▼:2槽式洗濯機、30L、25℃、10分、処理布;ポリエステル布400g
洗液;表1記載の組成物50gを溶解
【0018】
(粒子強度)
20mLバイヤル瓶に16#〜60#の範囲の粒子を2gとり、手で200回振とう後の様子を示した。粒子強度が弱ければ、粒子が崩壊し、凝集が起こる。
○;凝集なし(粒子強度良好)
×;凝集あり(粒子強度不足)
【0019】
(しみ出し性)
直径60mmのシャーレにコートボール紙を敷きその上にサンプル3.0gを平らになるように置いた。その上に50gの重石を乗せて圧力をかけ、40℃、7日間静置した。静置後のボール紙の濡れ具合を目視で観察した。
A;濡れほとんどなし
B;やや濡れあり
C;全面に濡れあり
【0020】
【表1】
Claims (4)
- a)ノニオン界面活性剤10〜50質量%
b)脂肪酸塩0.1〜5質量%
c)ジカルボン酸とポリアルキレングリコールのポリエステル0.1〜5質量%
d)結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質シリカ、結晶性ケイ酸カルシウム、炭酸ナトリウム、および珪酸ナトリウムからなる群から選ばれる担体30〜90質量%
を含み、非石鹸アニオン界面活性剤含量が5質量%未満である洗剤粒子組成物。 - a)成分が炭素数10〜18の直鎖または分岐鎖の第1級または第2級アルコールにエチレンオキシドを平均3〜7モル付加したアルコールエトキシレートから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の洗剤粒子組成物。
- d)成分の一部として、非晶質シリカおよび結晶性ケイ酸カルシウムからなる群から選ばれる多孔質無機粉体であって、SiO2を50質量%以上含有する多孔質無機粉体を、洗剤粒子組成物中に0.2〜5質量%となる量で含有することを特徴とする請求項1または2記載の洗剤粒子組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗剤粒子組成物を製造する方法であって、前記a)成分とb)成分とc)成分を加温して均一融解した混合液を得、該混合液を前記担体d)に添加して混合する工程を有することを特徴とする洗剤粒子組成物の製造方法。
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