JP4053112B2 - 半導体製造工程の排ガス処理方法及び半導体製造工程の排ガス処理装置 - Google Patents

半導体製造工程の排ガス処理方法及び半導体製造工程の排ガス処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造工程の排ガス処理方法及び半導体製造工程の排ガス処理装置に関し、特に半導体製造工程から生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを安価に分解或いは酸化して、無害化にしたり、粉塵や処理ガスの後処理が容易になし得るようにした半導体製造工程の排ガス処理方法及び半導体製造工程の排ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータ及びこれを応用する電子制御装置は目を見張るように発達してきており、その発展の方向及び範囲は無限に広がるように思われる。このため、コンピュータに使用される電子部品として主要な地位を占める半導体電子素子の製造技術及びその生産量も著しく急速に成長している。
【0003】
これら半導体素子の原料となる半導体としては、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)が多用され、また、特殊な素子にはガリウム砒素(GaAs)、ガリウム燐(GaP)なども実用化されている。
【0004】
半導体製造工程は、例えば半導体の円柱を形成する半導体柱形成工程、これをスライスして半導体ウエハを形成するウエハ形成工程、この半導体ウエハにマスキング、薄膜形成、ドーピング、エッチングなどを繰り返すことにより多数の素子を形成する素子形成工程、素子が形成された半導体ウエハを各素子に分断する裁断工程などからなる。
【0005】
このような半導体製造工程においては、毒性の強い有害物質が含まれた排ガスが発生し、公害防止の観点から、この排ガスをそのまま放散することが禁止されている。
【0006】
半導体製造工程において使用され、あるいは生成される有害物質としては、以下に例示するシリコン系、砒素系、燐系、硼素系、金属水素系、フロン系、ハロゲン・ハロゲン化物、窒素酸化物、その他のものが挙げられある。
【0007】
シリコン系有害ガスとしては、モノシラン(SiH4)、ジクロルシラン(SiH2Cl2)、三塩化ケイ素(SiHCl3)、四塩化ケイ素(SiCl4)、四フッ化ケイ素(SiF4)、ジシラン(SiH6)、TEOSなどが代表的である。
【0008】
砒素系有害ガスとしては、アルシン(AsH3)、フッ化砒素(III) (AsF3)、フッ化砒素(V) (AsF5)、塩化砒素(III)(AsCl3)、五塩化砒素(V)(AsCl5)などが代表的であり、燐系有害ガスとしては、ホスフィン(PH3) 、三フッ化燐(III)(PF3)、五フッ化燐(V)(PF5)、三塩化燐(III) (PCl3)、五塩化燐(V) (PCl5)、オキシ塩化燐(POCl3) などが代表的である。
【0009】
硼素系有害ガスとしては、ジボラン(B2H6)、三フッ化硼素(BF3) 、三塩化硼素(BCl3)、三臭化硼素(BBr3)などが代表的であり、また、金属水素系有害ガスとしては、セレン化水素(H2Se)、モノゲルマン(GeH4)、テルル化水素(H2Te)、スチビン(SbH3)、水素化錫(SnH4)などが代表的であり、フロン系有害ガスとしては四フッ化メタン(CF4) 、三フッ化メタン(CHF3)、二フッ化メタン(CH2F2) 、六フッ化エタン、六フッ化プロパン(C3H2F6)、八フッ化プロパン(C3F8)などがその例として挙げられる。
【0010】
有害ガスであるハロゲン及びハロゲン化物としては、フッ素(F2)、フッ化水素(HF)、塩素(Cl2) 、塩化水素(HCl) 、四塩化炭素(CCl4)、臭化水素(HBr)、三フッ化窒素(NF3) 、四フッ化硫黄(SF4) 、六フッ化硫黄(SF6) 、六フッ化タングステン(VI)(WF6) 、六フッ化モリブデン(VI)(MoF6)、四塩化ゲルマニウム(GeCl4) 、四塩化錫(SnCl4) 、五塩化アンチモン(V)(SbCl5) 、六塩化タングステン(VI)(WCl6)、六塩化モリブデン(MoCl6) などが代表的である。
【0011】
有害ガスである窒素酸化物としては、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2) 、一酸化二窒素(N2O) などが挙げられるのであり、その他の有害ガスとしては、硫化水素(H2S)、アンモニア(NH3) 、トリメチルアミン((CH3)3Nなどをその例として挙げることができる。
【0012】
この他にも、引火性を有するエタン(C2H6)、プロパン(C3H8)や、窒素(N2)、酸素(O2)、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO2) などが含まれた雰囲気中で微粒子粉塵が生成されることが知られている。
【0013】
公害防止の精神が徹底しつつある今日では、これらの有害成分や粉塵を含んだ排ガスをそのまま大気中に放出することは許されず、種々の処理を施して、安全で清浄なガスにして放出することが求められている。
【0014】
このような社会的要請に対して、従来では、排ガス中の有害物質を触媒で分解したり、有害物質や粉塵を吸着剤で吸着除去したり、無害化する有害物質処理装置と、排ガスを半導体製造装置から有害物質除去装置に導く排気路とを備える排ガス処理装置を設け、半導体製造装置の排ガスを排気路を介して有害物質処理装置に導き、この有害物質処理装置で有害物質を化学的に無害化したり、物理的に除去したりしてから大気中に放出する方法が採用されている。
【0015】
しかしながら、この従来の有害物質処理方法では、排ガスの処理が複雑となる上、半導体製造工程から生じる排ガスを高価な触媒と接触させて分解したり、高価な吸着剤に吸着させて無害化にしているが、これでは触媒や吸着剤に有害物質が吸着され、そのまま廃棄することができず、産業廃棄物として投棄しなければならない。この結果、その処理が至極高価になる。
【0016】
又、このように、従来の半導体製造工程の排ガス処理方法は高価な触媒を必要とし、しかも、この触媒は繰り返し使用できないために直接の処理費用が高くなる上、処理後に更に産業廃棄物として処理する必要があり、全体としての処理費用が一層高価になる。
【0017】
そこで、最近では、半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを加熱処理によって、無害な物質に変化させることが検討されている。具体的には、例えばモノシラン(SiH4)を空気中で加熱すると、二酸化ケイ素と水に変化し、無害になるのである。
【0018】
又、このように半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを加熱処理を行うと、無害ないし処理し易い固形酸化物に変化させたり、或いは後処理が容易な処理ガス、例えば酸性ガス(NO、N2O3又はNO2などのNOx、或いはSO2或いはSO3などのSOx)に変化させ、水やアルカリ水への吸着性を向上させて、除去し易くなる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体製造工程で生じる排ガス中の粉塵や排ガスの加熱処理によって発生した固形酸化物等の粉塵は、平均粒径が0.18μm程度と極めて微細で、ベンチュリースクラバー、スクラバー集塵器、サイクロン等の方法では殆ど集塵効果が無いのである。
【0020】
このため、このような微細な粉塵を除去するにはバグ・フィルターや電気集塵器(静電気集塵器)が最も有効であるが、電気集塵器のメンテナンスは粉塵の量が多い場合、きわめて困難であり、実用的ではない。
【0021】
又、バグ・フィルターは粉塵による目詰まりが発生し易く、圧力の急激な低下が発生する結果、圧力と空気流量の変動が生じる。それゆえ、この変動の制御は極めて困難である上、長期間にわたる有効な除塵効果を期待できないのである。
【0022】
本発明者は、半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを加熱処理したときに発生する固形酸化物等の粉塵は、その平均粒径が0.18μm程度であり、この微細な粉塵は処理室の内壁に強固に、且つ層状に付着し、この粉塵の層が断熱作用を発現するとの知見を得た。
【0023】
従って、処理室に放熱体からの熱を有効に伝えるためには微細な粉塵によって形成、成長した断熱層を除去する必要がある。
【0024】
そこで、本発明者は、前記断熱層を回転ブラシ等の摺動体で除去したところ、処理室の内壁で凝集して成長した粉塵はその平均粒径が数十μm以上に成長しており、その自重による沈降も可能になる等、粉塵の除去が極めて簡便に、しかも廉価に行えるとの知見も得た。
【0025】
本発明は、前記事情に鑑み、従来技術の技術的課題を解決するために完成されたものであって、半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを加熱処理を行うことにより、無害ないし処理し易い固形酸化物に変化させたり、或いは後処理が容易な処理ガスに変化させるようにし、しかも微細な粉塵によって形成、成長した断熱層を摺動体で除去することにより、放熱体の熱効率を向上させたり、粉塵の除去が極めて簡便に、しかも廉価に行える半導体製造工程の排ガス処理方法及び半導体製造工程の排ガス処理装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体製造工程の排ガス処理方法(以下、本発明方法という。)は、前記の目的を達成するため、半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを処理室に導入し、処理室内で加熱することにより当該排ガスを熱分解或いは熱酸化させて無害化ないし後処理が容易に行えるようにする排ガス処理方法において、処理室が管体内に形成され、処理室内には摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられ、この螺旋状体で処理室内の周壁に付着した粉(固形酸化物等)を除去することを特徴とする。
【0027】
即ち、本発明方法においては、半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを処理室で加熱処理する排ガス処理方法を前提とし、特に、処理室が管体内に形成され、前記処理室内には摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設け、この螺旋状体で処理室内の周壁に付着した固形酸化物等の粉塵を除去する点、に最も大きな特徴を有する。
【0028】
以下、本発明方法を更に詳細に説明する。
本発明方法においては、半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスをそのまま処理室に導入し、処理室内で加熱することにより当該排ガスを熱分解或いは熱酸化させて無害化ないし後処理が容易に行えるようにしても良いが、排ガス中において、熱分解或いは熱酸化を促進させる酸化力の有るガス、例えば空気が不足する場合、排ガス中に空気及び/又は酸素ガス、特に空気を混合し、この混合気を処理室に導入して、処理室内で加熱処理を促進することが望ましい。
【0029】
これにより、高価な触媒を用いることなく、いわば地上に無尽蔵にある空気、或いは空気から分離した酸素ガスを利用して半導体製造工程の排ガスを熱分解或いは熱酸化し、これによって、無害化ないし後処理が容易に行えるようにすることができる。この場合、排ガスを熱分解或いは熱酸化することによって、固形酸化物及び/又は酸性ガスや水に変化させ、固形酸化物を簡単に分離して回収したり、酸性ガスを水やアルカリ水に簡単に吸着させて除去できるのである。
【0030】
本発明方法において、半導体製造工程で生じる排ガスと空気及び/又は酸素ガスとは処理室に別々に導入してもよいが、処理室に導入される前に前記排ガスと空気及び/又は酸素ガスとが混合されている方が処理効率を高めることができるので、予めこれらを混合し、混合気として処理室に導入するのが好ましい。
【0031】
処理室に導入される半導体製造工程の排ガスと空気及び/又は酸素ガスとの混合比は特に限定されず、処理される排ガスの濃度と空気及び/又は酸素ガスの中の酸素量とを考慮して適宜決定すればよいが、実験的には排ガス中の有害物質の量が10000ppm以下であることが好ましいことが確認されている。
【0032】
勿論、排ガス中の有害物質の含有量が10000ppmを超える場合でも、排ガスの熱分解或いは熱酸化を繰り返すことによってその無害化ないし後処理が容易に行えるようになるのである。
【0033】
又、本発明方法においては、排ガス中の有害物質の含有量が10000ppmを超える場合には、多量の空気及び/又は酸素ガスを混合して混合気中の排ガスの含有量を10000ppm以下に調整することが好ましい。
【0034】
更に、本発明方法においては、いわば、空気及び/又は酸素ガスと排ガスとを反応させるのであるから、処理量も特に限定されることはない。
【0035】
更に、本発明方法において、半導体製造工程からの排ガスのみ、又は排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種、或いはこれらの混合気を処理室に導入する方法は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば処理室への圧入、処理室への吸入、或いはこれらの圧入と吸入とを併用することができる。
【0036】
本発明方法において、処理室に、排ガスのみ、又は排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種、或いはこれらの混合気を周期的に導入し、これらを処理室内に封入して処理した後、処理ガスを周期的に排出する、いわゆる、バッチ処理方式を採用することは妨げないが、処理室に、排ガスのみ、又は排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種、或いはこれらの混合気を連続的に導入し、処理室内で連続的に処理した後、この排ガスを処理室で連続的に処理して得られた処理ガスを連続的に排出するように構成すると、処理室の容量を小さくできる結果、床面積やスペースを小さくできるので、至極有益である。
【0037】
なお、本発明方法に用いる処理室の構成については、後に本発明に係る半導体製造工程の排ガス処理装置(以下、本発明装置という。)の詳細な説明の中で詳細に説明するので、ここでは省略する。
【0038】
さて、本発明方法においては、処理室内の排ガスのみ、又は排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種、或いはこれらの混合気を加熱するのであるが、この加熱方法としては、処理室内に設けた放熱体で加熱してもよく、又、処理室外に設けた放熱体で加熱してもよく、更に、処理室内に設けた放熱体と処理室外に設けた放熱体とで加熱してもよい。なお、これらの放熱体の構成については、後に本発明装置の詳細な説明の中で説明する。
【0039】
本発明方法において、排ガスのみ、又は排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種、或いはこれらの混合気を加熱する加熱温度としては、排ガスを熱分解或いは熱酸化させて無害化ないし後処理が容易に行えるようにすることができる温度であれば特に限定されるものではないが、一般に、150℃ないし1500℃の範囲であることが好ましい。
【0040】
加熱温度が150℃未満になると排ガスを熱分解或いは熱酸化させる効率が低下し、排ガスの無害化ないし排ガスを処理して得られた処理ガスの処理が困難である恐れが有るので好ましくなく、一方、1500℃を超えると処理効果に限界が生じるうえ、それ以上高温にすることが不経済になったり、空気中の酸素と窒素とが反応して有害な窒素酸化物(NOx)を生成する恐れがあるので好ましくない。これら処理効率、経済性及び安全性を考慮に入れれば、加熱温度としてより好ましいのは400℃ないし1000℃の範囲であり、特に、500℃ないし850℃の範囲とすることが最も好ましい。
【0041】
ところで、本発明方法において、処理室に、排ガスのみ、又は排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種、或いはこれらの混合気を連続的に導入し、処理室内で連続的に処理した後、処理室内で排ガスを処理して得られた処理ガスを連続的に排出するのが好ましい。この場合、処理室の入口と出口で加熱温度の差が生じないように、当該温度を制御するのが好ましい。
【0042】
つまり、排ガスの性格によって当該排ガスの加熱処理中に発熱するものと吸熱するものがあり、従って、処理室の加熱温度が平均化するように、処理室内の加熱温度分布を気流の上流(排ガス導入口側)から下流(排ガスを処理して得られた処理ガス排出口側)に進むに連れて段階的に又は連続的に高くしたり、逆に処理室内の加熱温度分布を気流の上流(排ガス導入口側)から下流(排ガスを処理して得られた処理ガス排出口側)に進むに連れて段階的に又は連続的に低くすることにより、排ガスの処理効率を高めることが推奨される。
【0043】
又、本発明方法においては、排ガスの熱分解或いは熱酸化を効率良く行うために、後述するように、摺動体としての螺旋状体には触媒が担持されているものが望ましい。
【0044】
本発明方法において、摺動体としての螺旋状体としては処理室内の周壁を擦ることによって当該周壁に付着している固形酸化物等の粉塵を除去し得るものであれば良く、具体的には、例えば回転ブラシが挙げられる。
【0045】
本発明方法によれば、処理室内で排ガスを加熱処理することによって、例えば酸化珪素等の固形酸化物が発生したり、水蒸気等の処理ガスが生成するが、この固形酸化物は回収し易く、しかも、水蒸気等の処理ガスは後処理が至極容易になるのである。
【0046】
ところで、半導体製造工程で生じる排ガス中の粉塵や排ガスの加熱処理によって発生した固形酸化物等の粉塵は、前述のように、平均粒径が0.18μm程度と極めて微細で、通常の集塵方法では集塵効果が殆ど無いのである。
【0047】
又、半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを加熱処理したときに発生する固形酸化物等の微細な粉塵は処理室の内壁に強固に、且つ層状に付着し、この粉塵の層が断熱作用を発現する。
【0048】
そこで、処理室の内壁に付着した粉塵からなる断熱層を除去する必要があるが、この断熱層を摺動体としての螺旋状体で擦ることによって簡単に除去できる上、処理室の内壁に付着した粉塵は処理室の熱等によってその平均粒径が数十μm以上に凝集、成長しており、その自重による沈降も可能になる等、粉塵(断熱層)の除去が通常の集塵方法で極めて簡便に、しかも廉価に行えるのである。
【0049】
即ち、本発明方法においては、半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを加熱処理する処理室が管体内に形成され、処理室内には摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられ、この螺旋状体で処理室内の周壁に付着した固形酸化物等の粉塵を除去する点に最も大きな特徴を有するのである。
【0050】
そして、このように処理室内に摺動体としての螺旋状体を備え、当該処理室内の周壁に付着した固形酸化物を前記螺旋状体で除去することにより、放熱体の熱効率を向上させたり、以下に述べる通常の除塵方法で粉塵の除去が極めて簡便に、しかも廉価に行えるのである。
【0051】
この場合、固形酸化物等の粉塵を回収するためには、まず、当該粉塵を処理ガスから分離する必要がある。この固形酸化物等の粉塵を処理ガスから分離する方法は、当該粉塵が凝集して成長しているため特に限定されず、処理室内又はその後段に設けた回収室において自重落下により処理ガスから分離する方法(沈降法)、ベンチュリースクラバー、スクラバー、ルーバー、処理ガスに流れを与えその流れを屈曲させて遠心分離(サイクロン)する方法(遠心分離法)など一般に気体−固体分離法として知られている任意の一方法又は2方法以上を複合した方法を用いて処理ガスから分離すればよい。
【0052】
又、処理ガスから分離された固形酸化物は、そのまま自重で回収タンク内に落下させて回収タンクに回収することができるのであり、更に、固形酸化物を処理室の周壁などに一端付着させたり、堆積させた後、摺動体としての螺旋状体によりこれらを払い落としたり、掃き落としたり、掃き送ったり、掻き落として回収タンクに回収することができる。
【0053】
最も簡単な構成で固形酸化物等の粉塵を回収する方法は、処理室を縦軸の管体内に形成し、この処理室の下方に回収タンクを配置し、処理室の下端を回収タンク内に開放して処理室から固形酸化物等の粉塵を自重落下により回収タンクに回収する方法である。
【0054】
次に、本発明装置は、前記目的を達成するために、半導体製造工程で生じる排ガスを導入する排ガス導入口と、この排ガスを熱分解或いは熱酸化させる処理室と、処理室で排ガスを熱分解或いは熱酸化させて得られた処理ガスを排出する処理ガス排出口と、この処理室内の排ガスを加熱する放熱体とを備える排ガス処理装置において、処理室が管体内に形成され、処理室内にはその周壁を擦るための摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられていることを特徴とする。
【0055】
この本発明装置は、半導体製造工程で生じる排ガスのみを加熱するだけで当該排ガスを熱分解或いは熱酸化させることができ、しかも、このように排ガスのみを加熱処理を行うことにより、無害ないし処理し易い固形酸化物に変化させたり、後処理が容易な処理ガスに変化させることができる場合に適用される。
【0056】
しかしながら、半導体製造工程で生じる排ガスのみを加熱するだけでは、当該排ガスを無害ないし処理し易い固形酸化物に変化させたり、後処理が容易な処理ガスに変化させることができない場合がある。
【0057】
この場合には、以下に述べるように、排ガスに空気及び/又は酸素ガスを混合した混合気にするのが望ましい。
【0058】
即ち、他の本発明装置においては、半導体製造工程で生じる排ガスと空気及び/又は酸素ガスとの混合気を導入する混合気導入口と、この排ガスを熱分解或いは熱酸化させる処理室と、処理室で排ガスを熱分解或いは熱酸化させて得られた処理ガスを排出する処理ガス排出口と、この処理室内の排ガスを加熱する放熱体とを備える排ガス処理装置において、処理室が管体内に形成され、処理室内にはその周壁を擦るための摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられていることを特徴とする。
【0059】
そして、この場合、排ガスと空気及び/又は酸素ガスを混合するために、処理室或いは処理室に排ガスが導入される前の流路に空気及び/又は酸素ガスを導入する酸化促進ガス導入口が設けられていることが望ましい。
【0060】
以下、本発明装置について詳細に説明する。
本発明装置で用いられる処理室は半導体製造工程で生じる排ガスのみ、又は排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種、或いはこれらの混合気が導入されるように構成してあればよく、例えば半導体製造工程からの排ガスのみを導入する排ガス導入口を備えていたり、或いは排ガスと空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種からなる混合気を導入する混合気導入口を備えていたり、空気及び/又は酸素ガスを導入する酸化促進ガス導入口を備えたりするものであればよい。
【0061】
これら半導体製造工程の排ガス導入口、混合気導入口或いは酸化促進ガス導入口は処理ガスを処理室から排出する処理ガス排気口に兼用することも可能であるが、これらとは別に処理ガス排気口を設けると、処理室内に一定の気流を形成して連続処理することができる結果、バッチ処理に比べて全体的な処理時間を短くできると共に、処理室の容積を小さくできるので有利である。もっとも、排ガス導入口、混合気導入口或いは酸化促進ガス導入口とは別に処理ガス排気口を設けた場合の処理方法は連続処理に限られず、バッチ処理をすることも可能である。
【0062】
そして、本発明装置においては、半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを処理室で加熱処理する排ガス処理装置を前提とし、特に、処理室が管体内に形成され、前記処理室内には摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設け、この螺旋状体で処理室内の周壁に付着した固形酸化物等の粉塵を除去する点、に最も大きな特徴を有する。
【0063】
本発明装置においては、このように構成すると、処理室の内壁に付着した断熱性の粉塵の層を摺動体としての螺旋状体で擦ると簡単に除去できる上、処理室の内壁に付着した粉塵は処理室の熱等によってその平均粒径が数十μm以上に凝集、成長しており、その自重による沈降も可能になる等、粉塵(断熱層)の除去が通常の集塵方法で極めて簡便に、しかも廉価に行えるのである。
【0064】
この場合、固形酸化物等の粉塵を回収するためには、まず、当該粉塵を処理ガスから分離する必要がある。この固形酸化物等の粉塵を処理ガスから分離する方法は、当該粉塵が凝集して成長しているため特に限定されず、処理室内又はその後段に設けた回収室において自重落下により処理ガスから分離する方法(沈降法)、ベンチュリースクラバー、スクラバー、ルーバー、処理ガスに流れを与えその流れを屈曲させて遠心分離(サイクロン)する方法(遠心分離法)など一般に気体−固体分離法として知られている任意の一方法又は2方法以上を複合した方法を用いて処理ガスから分離すればよい。
【0065】
本発明装置においては、処理室が縦軸又は傾斜軸の直管状の管体内に形成され、摺動体としての螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられると共に、この螺旋状体を回転させる操作手段が設けられていることにより、処理室の周面に固形酸化物等の粉塵が付着し、これによって、伝熱性が低下し、熱効率の悪化が懸念される恐れがあるときには、前記螺旋状体を回転させて前記粉塵を自然落下によって除去できるので至極有益である。
【0066】
ところで、摺動体としての螺旋状体の上下長さが管体の全長より短く形成され、この螺旋状体が管体の上端部から下端部の間を上下動自在に移動して処理室の周面に付着した固形酸化物等の粉塵を下方又は斜め下方に掻き落とすよう構成しても良いのである。
【0067】
この場合、螺旋状体を水平回転させながら当該螺旋状体を上下動させ、これによって、処理室内の周壁に付着した固形酸化物等の粉塵を除去しても良く、或いは螺旋状体を回転させることなく、単に上下動させ、これによって、処理室内の周壁に付着した固形酸化物等の粉塵を擦って除去しても良いのである。
【0068】
とこで、本発明装置において、連続処理をする場合には、半導体製造工程の排ガス導入口及び混合気導入口や酸化促進ガス導入口と排気口との間には出来るだけ長い流路を形成し、処理室内での混合気の滞留時間をできるだけ長くして処理効率を高めることが好ましい。
【0069】
従って、連続処理をする場合には、処理室内に気流が曲線を描いて流れる曲線流路が形成されていると、処理室内における排ガスの流路の長さを実質的に長くできると共に、その曲線流路において遠心力によって固形酸化物が気流から効率よく分離され、回収し易くなる。
【0070】
そこで、処理室内に螺旋流路を形成する場合、処理室が管体内に形成され、摺動体が前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体であり、この螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられると共に、この螺旋状体を回転させる操作手段が設けられていると、操作手段を用いて螺旋状体を回転させることにより処理室の周面に付着した固形酸化物等の粉塵を除去できる上、この除去された固形酸化物等の粉塵を螺旋状体の螺旋の一端側に掻き寄せることができる結果、固形酸化物等の粉塵が一層回収し易くなるので有益である。
【0071】
本発明装置においては、特に、形酸化物等の粉塵の回収を効率良く、かつ、容易に回収できるようにすると共に、構成を簡単にするために、処理室が縦軸又は傾斜軸の直管状の管体内に形成され、螺旋状体が処理室の内周面に付着した固形酸化物等の粉塵を下方又は斜め下方に掻き落とす方向に回転駆動されるように構成することが推奨される。
【0072】
本発明装置において、螺旋状体としては処理室の内周面に付着した固形酸化物等の粉塵を除去し得るものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば回転ブラシが挙げられるのであり、又、螺旋状体としては螺旋状ブラシや螺旋状薄板体が挙げられるが、特に、回転ブラシが望ましい。
【0073】
本発明装置においては、処理室の下方に回収タンクを配置し、処理室の下端がこの回収タンクに開放されているものが、固形酸化物等の粉塵を当該回収タンクに回収できる上、この回収タンクを移動させて粉塵を処理できる等の利点があるので望ましい。
【0074】
この場合、摺動体としての螺旋状体の素材は、加熱温度で必要とされる機械的強度を保持できる程度の耐熱性を備えることが必要であり、例えば鉄、ステンレス鋼を含む鋼、銅、アルミニウム、サーメットなどの合金を含む金属、石英、アルミナなどのセラミックスなどを用いればよい。もっとも、回転ブラシの刷毛は処理室の周面の摩耗を少なくしてランニングコストを節約するために、処理室の周面よりも摩耗し易い素材を選択することが好ましく、例えば処理室の周壁の素材をアルミナなどのセラミックスで構成する場合には、ステンレス鋼、サーメットなどを用いることが好ましく、特に価格的な問題を考慮すれば、ステンレス鋼を用いることが好ましい。
【0075】
この場合、排ガスの熱分解或いは熱酸化を効率良く行うために、後述するように、摺動体としての螺旋状体には触媒が担持されているものが望ましい。
【0076】
この触媒としては特に限定されるものではないが、シリカ、酸化クロム、アルミナ、ベントナイト、活性白土、酸化鉄、酸化銅、亜酸化銅、酸化錫、五酸化バナジウム、三酸化バナジウム、二酸化マンガン等のマンガン系触媒、鉄、銅、コバルト、ニッケル、酸化ニッケル、酸化モリブデン、モリブデン、リン酸アルミニウム、酸化タングステン、酸化鉄系触媒、酸化銅系触媒、SiO2-Al23、SiO2-MgO、Cu2Cr24、ZnO-Cr23-(CuO)、TiO2-P25、MoO3−CoO、MoO3-Bi23-P25、或いは白金、パラジウム、白金−パラジウム等の貴金属類が挙げられる。
【0077】
もちろん、本発明装置においては、処理室の周囲の壁はその内部に導入された混合気を加熱したときに変形や破損が生じないようにすることが必要であり、従って、その素材は鉄、ステンレス鋼を含む鋼、銅、アルミニウム、サーメットなどの合金を含む金属、石英、アルミナなどのセラミックスなど、加熱温度に対して変形や破損が生じない程度の耐熱性を備えることが必要である。これらの素材の中では、加熱温度下で化学的に安定しているセラミックスを用いることが好ましく、セラミックスの中では、価格が安価なアルミナが特に好ましい。
【0078】
本発明装置においては、処理室に排ガスと空気及び/又は酸素ガスとを混合せずに、これらを同時に、又はこの順に、若しくはこの逆の順に導入し、処理室内で排ガスと空気及び/又は酸素ガスとを混合せるようにしてもよく、この場合には、排ガスを導入する排ガス導入口と、空気及び/又は酸素ガスを導入する酸化促進ガス導入口を有する処理室が用いられる。
【0079】
又、本発明装置において、処理室に排ガスと空気及び/又は酸素ガスとを混合した混合気を導入する場合には、混合気を導入する混合気導入口を有する処理室が用いられ、この混合気導入口に接続される排ガスと空気及び/又は酸素ガスとを混合する混合手段が設けられる。
【0080】
この混合手段としては、空気を用いる場合、まず、空気を加圧して供給する空気ポンプと、この空気ポンプから吐出される加圧空気の流れに排ガスを吸入するエゼクタとを備えるものが挙げられる。
【0081】
又、本発明装置で用いられる混合手段の他の例としては、混合手段が空気を吸入する空気ポンプと、この空気ポンプで吸入される空気に、この空気の静圧を利用して排ガスを吸入して混合するエゼクタとを備えるものが挙げられる。
【0082】
この空気ポンプとしては、レシプロ型の空気ポンプ、ロータリ型の空気ポンプ、遠心型の空気ポンプ(ブロア)、ルーツブロア、外歯又は内歯のギヤポンプなどの他、エゼクタの原理を応用したいわゆる、ジェットポンプを用いることもできる。
【0083】
この空気ポンプとエゼクタとを備える混合手段の場合、空気ポンプを停止した時にエゼクタ及び空気ポンプを経て排ガスが周囲に漏洩する恐れがあるが、この問題は、空気ポンプとエゼクタとの間の空気圧送路又は空気ポンプの吸気路、若しくはエゼクタに半導体製造工程からの排ガスを導入する排ガス導入路に逆止弁又は開閉弁を介在させることにより好適に解決できる。
【0084】
更に、本発明装置で用いられる混合手段の更に他の例としては、空気を加圧して供給する空気ポンプと、この空気ポンプから吐出される加圧空気にこれとほぼ同じ圧力に加圧された排ガスを合流させ、処理室に向かわせる継手とを備えるものを挙げることができる。
【0085】
この場合にも、空気ポンプの停止時に空気ポンプを経て排ガスが周囲に漏洩する恐れがあるので、継手と空気ポンプとの間の空気圧送路、又は空気ポンプの吸気路、若しくは継手に排ガスを導く排ガス導入路に逆止弁又は開閉弁を介在させることが好ましい。
【0086】
本発明装置においては、もちろん処理室の数は1個以上であれば特に限定されるものではなく、複数の処理室を備え、各処理室を共通の排ガス発生源に並列に接続したり、各処理室を順に接続して複数段の処理室を直列に設けたりすることができる。
【0087】
そして、複数段の処理室を設ける場合には、第2段以降の任意の段階で処理室に空気を補充する空気補充手段を設け、第2段以後の処理室に処理に必要な空気を直接に補充したり、各段の間で処理するガスに処理に必要な空気を補充したりすることにより、処理するガス中の酸素濃度を高め、未反応の排ガスや排ガスの分解中間体の熱分解や熱酸化を促進するのが望ましい。
【0088】
本発明において、放熱体は処理室の周囲に設けても、処理室内に設けても、処理室の周囲及び処理室内に設けてもよい。
【0089】
この放熱体は電気ヒータ、可燃性ガスや油の燃焼器など、それ自体が熱源であるものであっても良く、或いは熱源により加熱された熱媒体を処理室内及び/又は処理室の周囲に循環させる熱媒体循環路で構成してもよい。
【0090】
これらの放熱体の中では、始動時の温度の立ち上がりが良好で、しかも、温度制御が容易な電気ヒータを用いることが推奨される。
【0091】
この電気ヒータは、通電により発熱するものであればよく、例えば抵抗体ヒータ、赤外線ランプ、石英管ヒータなどをその例として挙げることができる。
【0092】
又、燃焼器としては、石油ガス、天然ガスなどの気体燃料を燃焼させるものであっても、石油などの液体燃料を燃焼させるものであっても、固体燃料を燃焼させるものであってもよい。
【0093】
ところで、半導体製造工程で生じる排ガス、空気及び/又は酸素ガス或いはこれらの混合気は通常前述した処理温度(150℃〜1500℃)よりも低い温度で処理室に導入されるので、これらが導入される排ガス導入口、酸化促進ガス導入口或いは混合気導入口の近傍では導入された排ガス、空気及び/又は酸素ガス或いはこれらの混合気と処理温度との温度差により処理室の内外や放熱体の内外に熱膨張差による応力が発生し、処理室の周囲の壁や放熱体の表面に亀裂が発生し、この亀裂から排ガスが外部に漏洩することが懸念される。
【0094】
そこで、このような場合においては、放熱体が、その加熱温度の温度分布が処理室の排ガス、空気及び/又は酸素ガス或いは混合気が導入される側で低く、排ガスが加熱処理された処理ガス排出口側で高くなるように段階的に又は連続的に変化する放熱体で構成することが好ましい。
【0095】
具体的には、放熱体として例えば抵抗体からなる電気ヒータを用いる場合には、半導体製造工程で生じる排ガス導入口、酸化促進ガス導入口或いは混合気導入口の近傍で抵抗体の分布密度を小さくしたり、排ガス導入口、酸化促進ガス導入口或いは混合気導入口の近傍で抵抗体の抵抗値を小さくしたりすることにより、加熱温度の温度分布が排ガス、空気及び/又は酸素ガス或いは混合気が導入される側で低く、処理ガスの排出口側で高くなるように段階的に又は連続的に変化させることができる。
【0096】
又、放熱体として燃焼器を用いる場合には、燃焼器の火口を、処理室における処理ガス排出口側で密に、又、排ガス、空気及び/又は酸素ガス或いは混合気が導入される側で粗に配置することによって、加熱温度の温度分布が処理室における排ガスなどの導入口側で低く、処理ガスの排出口側で高くなるように段階的に又は連続的に変化させることができる。
【0097】
更に、放熱体として熱媒体循環路を用いる場合には、熱媒体を処理室の処理ガスの排出口側から排ガスのみ、排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種或いはこれらの混合気が導入される導入口側に循環させたり、熱媒体循環路を処理室の処理ガスの排出口側で密に、又、排ガスのみ、排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種或いはこれらの混合気が導入される導入口側で粗に、それぞれ配置したりすることにより加熱温度の温度分布が処理室の排ガスなどの導入口側で低く、処理ガスの排出口側で高くなるように段階的に又は連続的に変化させることができる。
【0098】
しかしながら、このように加熱温度の温度分布を処理室の排ガスなどの導入口側で低く、処理ガスの排出口側で高くなるように段階的に又は連続的に変化させると、処理効率が低下する恐れが有る。
【0099】
そこで、放熱体の表面や処理室の壁が熱膨張率差による亀裂を生じる恐れが無い場合には、放熱体を前記の場合と逆に、つまり処理室の排ガスなどの導入口側で高く、処理ガスの排出口側で低くなるように段階的に又は連続的に変化させるように構成しても良いのである。
【0100】
本発明装置においては、放熱体の温度が制御され、加熱温度が低くなり過ぎたり、或いは逆に高くなり過ぎないようにし、これによって、排ガスの処理効率の低下を防止したり、エネルギーの無駄を省いたり、過熱による処理室の早期熱劣化を防止するのが望ましい。
【0101】
本発明装置においては、加熱体で加熱された空気及び/又は酸素ガスを処理室内に導入して排ガスの加熱処理を迅速に行うのが望ましい。
【0102】
この場合、空気及び/又は酸素ガスは処理室に導入される前に加熱されるが、その加熱体としては、前記放熱体の場合と同様のものが挙げられる。
【0103】
又、他の加熱体としては、空気及び/又は酸素ガスと高温の処理ガスとの間で熱交換をさせる熱交換装置が挙げられるのであり、また、高温の処理ガスの一部を循環させつつ、この高温の処理ガスと加熱された空気及び/又は酸素ガスの混合気で排ガスを加熱、処理しても良いのである。
【0104】
ところで、この本発明装置においても、排ガスは、加熱された空気及び/又は酸素ガスで処理温度が150℃〜1500℃に調整される。
【0105】
更に、本発明装置においては、加熱体の温度が制御され、加熱温度が低くなり過ぎたり、或いは逆に高くなり過ぎないようにし、これによって、排ガスの処理効率の低下を防止したり、エネルギーの無駄を省いたり、過熱による処理室の早期熱劣化を防止するのが望ましい。
【0106】
ところで、本発明装置は処理室内に常に常備して置く必要は無く、この装置を処理室内に出入自在とし、必要時に本発明装置を処理室内に設けて当該処理室内の周壁を清掃するようにしても良いのである。
【0107】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係る半導体製造工程の排ガス処理方法及び半導体製造工程の排ガス処理装置において、有害物質としてモノシラン(SiH4)を用いた場合の実施例図面に基づいて具体的に説明するが、もちろん、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0108】
図1の構成図に示すように、本発明の一実施例に係る半導体製造工程の排ガス処理装置は、実験的に本発明方法及び本発明装置の効果を確認するために、モノシラン発生源としてモノシランボンベ1を用い、混合手段2でこのモノシランボンベ1から供給される窒素で希釈された20%のモノシランを、更に必要に応じて設けたチッソボンベ3から供給される窒素ガスで希釈した後、空気と混合して例えばモノシラン含有量が約1000ppmの混合気を得るように調製している。
【0109】
この混合手段2は、空気を吸入し加圧して吐出する空気ポンプ(イワキ製、型番AP−450D−S)4と、この空気ポンプ4から吐出された加圧空気と、チッソボンベ3から供給される窒素ガスと、加圧されたモノシランとを合流させ、処理室8に向かわせるT字継手5とを備える。
【0110】
この処理室8は、アルミナからなるセラミックスで内径24mm、外径30mm、長さ600mmの直円管状に形成されたものであり、縦軸に配置され、その上端部に継手5から導出された混合気導入路6と、この混合気導入路6と連通する混合気導入口7を備える。又、その下端部の周面には処理室8でモノシランを加熱処理して得られた処理ガスを排出する処理ガス排出口9が形成されている。
【0111】
前記処理室8の周囲にはほぼその全長にわたって電気ヒータからなる放熱体10が配置され、又、処理室8内にはその中心軸心を中心にして回転可能に螺旋状ブラシ11が配置され、この螺旋状ブラシ11を駆動するための操作手段12としてのモータが処理室8の上方に配置されている。
【0112】
なお、この螺旋状ブラシ11は、処理室8の中心軸心に沿って配置される中心軸11aと、この中心軸から螺旋状に突出し、且つ先端を処理室8の周面に摺接させた刷毛11bとを備え、処理室8内で刷毛11bの間に螺旋形の流路を形成する。
【0113】
更に、処理室8の下方には回収タンク13が設けられ、処理室8の下端をこの回収タンク13に全面的に開放してある。
【0114】
この回収タンク13は処理室8の周壁の下端に外つば状に連設された蓋部14と、これの下側に着脱可能に連結される実部15と、移動時に実部15の開口上面を蓋する移動用蓋16とを備えている。
【0115】
なお、図1においてFM1、FM2、FM3はそれぞれ流量計であり、GAはガス成分分析器(モノシランの検出限界は0.16ppm以下)、17は処理ガスの排気路をそれぞれ示す。
【0116】
前記モノシランボンベ1(モノシランの含有率20%)からは毎分84ミリリットルの流量でモノシランが供給され、窒素ボンベ3からは毎分0.4リットルの流量で窒素ガスが供給され、空気ポンプ4からは毎分16リットルの流量で空気を供給し、これらを混合してなる混合気を処理室8に導入し、放熱体10で600℃に加熱して当該混合気を処理し、処理ガス排気口9から放出される処理ガスの成分を調べた結果、処理ガス中にモノシランが検出されないことが確認され、従来の触媒によるモノシランの処理効率と比較して優れた結果を得ることができた。
【0117】
ところで、回収タンク13内には極めて微細で、純度が高く、しかも、乾燥した酸化珪素が集められていた。
【0118】
このような結果が得られたのは、モノシランが元来還元性の強いガスであり、螺旋状ブラシ11によって処理室8内に形成される螺旋形流路をモノシランが流通する間に当該モノシランが高温下で空気中の酸素と接触することにより酸化されて、水蒸気と酸化珪素とに熱分解し、この酸化珪素は極めて微細で、処理室8内の周壁に付着、凝集して熱効率が悪化するが、螺旋状ブラシ11の回転によって剥がされ、処理室8内の周面や螺旋状ブラシ11によって形成された螺旋形流路を伝って下方に進み、処理室8の下端から回収タンク13に落下したからである。
【0119】
又、前記混合気を10日間連続して加熱、処理した後、操作手段12を作動させて螺旋状ブラシ11をこれが処理室8の周面に付着した酸化珪素を下方に掃き落とす方向に回転させると、処理室8の内面に付着していた酸化珪素が清掃されると共に、螺旋状ブラシ11の刷毛に付着していた酸化珪素が払い落とされ、更に下端側に掃き送られて酸化珪素を回収タンク13内に回収することができた。
【0120】
この回収タンク13は、上述したように、処理室8の周壁の下端に外つば状に連設された蓋部14と、これの下側に着脱可能に連結される実部15とを備えているので、処理室8から回収タンク13に落下する酸化珪素が周囲に放散されることはなく、極めて衛生的な作業環境を保持することができた。
【0121】
又、回収タンク13に回収された酸化珪素は、実部15を蓋部14から取り外し、実部15の上面を別の搬送時用の蓋16で蓋してからこれら実部15及び蓋16と共に移動させることにより、移動時に周囲に酸化珪素の粉塵が放散されることを確実に防止できた。
【0122】
なお、この実施例では螺旋状ブラシ11を10日間にわたって連続処理した後、回転させるようにしているが、この螺旋状ブラシ11は処理中に連続して回転させてもよい。
【0123】
図2に示す本発明の他の実施例では、前例と同様の処理室8が2個設けられ、各処理室8には螺旋状ブラシ11とこれを回転駆動する操作手段12が設けられている。又、各処理室8の下方には前例と同様にして回収タンク13が設けられている。
【0124】
混合気は第1の処理室81の上端部の混合気導入口7に導入され、第1の処理室の下端部に設けた中間処理ガス排気口9から連通路17を介して第2の処理室82の下端部に設けた中間処理ガス導入口7に導入され、第2の処理室82の上端部に設けた処理ガス排気口9から大気中に排出されるようにしている。
【0125】
このように第1の処理室81の下部と第2の処理室82の下部を連通路17で連通させると第1の処理室81から第2の処理室82までの経路を短くすることができ、処理ガスが第1の処理室81から第2の処理室82に移動する間の処理ガスの温度低下を少なくすることができ、第2の処理室82の放熱体10の負荷を軽減することかできる上、混合気の一層の無害化を実現できる。
【0126】
また、この実施例では、第1の処理室81の中間処理ガス排気口9から第2の処理室8の中間処理ガス導入口7に至る連通路(第1の処理室81の排気路)17の途中には、第2の処理室82に空気を補充する空気補充手段18が設けられる。この空気補充手段18は別の空気ポンプ19とこれから吐出される加圧空気を駆動源として連通路17に流れる中間処理ガスを加圧、加速するジェットポンプ20とからなり、このジェットポンプ20により中間処理ガス中の空気量を増加させて、第2の処理室82内で行われる第2段以の処理に必要な空気を補充し、これにより、処理気体中の酸素濃度を高め、未反応の有害物質や有害物質の中間体の熱分解を促進している。
【0127】
なお、この実施例では、第1の処理室81から導出した連通路17の途中に開閉弁が介装され、空気補充手段18及び第2の処理室82を分岐するバイパスを設け、このパイパスを第2の処理室82の連通路17に合流させることにより、第1の処理室81での処理により排ガス中の有害物質が分解されている場合には、直接に、このバイパス及び第2の処理室82の連通路17を通って排気を大気中に放出できるようにしてもよい。
【0128】
この実施例のその他の構成、作用ないし効果は前記の一実施例のそれらと同様であるので、重複を避けるためこれらの説明は省略する。
【0129】
前記の各実施例では、処理室8が縦軸に配置されているが、本発明において、処理室8を縦軸に配置することは必須のことではなく、斜軸あるいは水平軸に配置することも可能である。
【0130】
又、本発明においては、処理室8の中心軸が直線であることは必須のことではなく、例えば螺旋管(コイル管)の中に処理室8を形成してもよい。
【0131】
更に、本発明においては、処理室8の断面が一様であることも必須のことではなく、上流から下流に向かって先細りに形成したり、上流から下流に向かって先太りに形成することも可能である。
【0132】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明方法は、半導体製造工程で生じる排ガスのみ、排ガスと、空気又は酸素ガスから選ばれた少なくとも1種、或いはこれらの混合気を処理室に導入し、処理室内で加熱することにより、有害物質を熱分解或いは酸化して、排ガスを安価に無害化にしたり、処理ガスを水やアルカリ水に吸収させる等、後処理が容易に且つ安価になし得る効果を有するのである。
【0133】
又、本発明方法によれば、高価な触媒を用いて有害物質を分解したり、吸着体に有害物質を吸着させものではなく、いわば地上に無尽蔵にある空気、或いは空気から分離した酸素ガスを利用して排ガスを熱分解或いは熱酸化し、これによって、固形酸化物及び/又は酸性ガスや水に変化させ、固形酸化物を簡単に分離して回収したり、酸性ガスを水やアルカリ水に簡単に吸着させて除去できる結果、産業廃棄物の発生量が著しく低下し、環境の保全や産業廃棄物の処理に伴う費用が著しく低下するのである。
【0134】
特に、本発明方法においては、半導体製造工程で生じる排ガス中の粉塵や排ガスの加熱処理によって発生した固形酸化物等の粉塵は、極めて微細で、通常の集塵方法では集塵効果が殆ど無く、しかも排ガスを加熱処理したときに発生する固形酸化物等の微細な粉塵は処理室の内壁に強固に、且つ層状に付着し、この粉塵の層が断熱作用を発現するが、この粉塵からなる断熱層を摺動体としての螺旋状体で簡単に除去できる上、処理室の内壁に付着した粉塵は処理室の熱等によってその平均粒径が数十μm以上に凝集、成長しており、その自重による沈降も可能になる等、粉塵(断熱層)の除去が通常の集塵方法で極めて簡便に、しかも廉価に行える効果を奏するのである。
【0135】
即ち、本発明方法においては、処理室内の周壁に付着した固形酸化物等の粉塵を摺動体としての螺旋状体で除去することにより、放熱体の熱効率を向上させたり、通常の除塵方法で粉塵の除去が極めて簡便に、しかも廉価に行える効果を奏するのである。
【0136】
次に、本発明装置は、半導体製造工程で生じる排ガスを導入する排ガス導入口と、この排ガスを熱分解或いは熱酸化させる処理室と、処理室で排ガスを熱分解或いは熱酸化させて得られた処理ガスを排出する処理ガス排出口と、この処理室内の排ガスを加熱する放熱体とを備え、しかも処理室が管体内に形成され、処理室内にはその周壁を擦るための摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられているので、本発明方法を確実に実施することができ、これにより、安価に、安全で、しかも確実に半導体製造工程で生じる排ガスの処理が行える効果を奏するのである。
【0137】
又、本発明装置の他のものにおいては、半導体製造工程で生じる排ガスと空気及び/又は酸素ガスとの混合気を導入する混合気導入口と、この排ガスを熱分解或いは熱酸化させる処理室と、処理室で排ガスを熱分解或いは熱酸化させて得られた処理ガスを排出する処理ガス排出口と、この処理室内の排ガスを加熱する放熱体とを備え、しかも処理室が管体内に形成され、処理室内にはその周壁を擦るための摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられているので、空気及び/又は酸素ガスで排ガスを一層確実に熱分解や熱酸化したり、安価に、且つ安全で、しかも確実に半導体製造工程で生じる排ガスの処理が行える効果を奏するのである。
【0138】
この場合、排ガスと空気及び/又は酸素ガスを混合するために、処理室或いは処理室に排ガスが導入される前の流路に空気及び/又は酸素ガスを導入する酸化促進ガス導入口が設けられていると、その操作が容易で、しかも一層確実に排ガスを無害化できる効果を奏するのである。
【0139】
本発明装置においては、処理室が縦軸又は傾斜軸の直管状の管体内に形成され、摺動体としての螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられると共に、この螺旋状体を回転させる操作手段が設けられていることにより、処理室の周面に付着した固形酸化物等の粉塵を除去し、これによって、伝熱性の悪化を防止し、常に熱効率の向上を図ることができる効果を奏する。
【0140】
又、本発明装置において、処理室が管体内に形成され、摺動体が前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体であり、この螺旋状体を回転させる操作手段が設けられる場合には、この螺旋状体の外周部を処理室の内周面に摺接させて、処理室の内周面に付着した固形酸化物を清掃し、処理室の一端に掻き寄せることができるので、固形酸化物等の粉塵の回収が一層容易になったり、特に放熱体を処理室の周囲に配置しているときには処理室内の周面への粉塵の堆積により低下した熱伝導性を回復することができる結果、長期間にわたって処理効率の低下を防止できる効果を奏するのである。
【0141】
更に、本発明装置において、処理室が縦軸又は傾斜軸の直管状の管体内に形成され、螺旋状体が処理室の周面に付着した固形酸化物等の粉塵を下方又は斜め下方に掻き落とす方向に駆動されると、処理室内で生成した固形酸化物等の粉塵が自重で処理室の下方に移動することになり、粉塵の回収が一層容易になる上、特に放熱体を処理室の周囲に配置しているときには固形酸化物の処理室内周面への堆積により低下した熱伝導性を回復することが容易になり、一層長期間にわたって処理効率の低下を防止できる。
【0142】
加えて、本発明装置において、摺動体としての螺旋状体が中心軸とこれの周囲に螺旋状に突出させた刷毛とを備える螺旋状ブラシからなる場合には、この螺旋状ブラシを回転させたときに、当該螺旋状ブラシと処理室の内周面との間に固形酸化物が詰まって螺旋状ブラシの回転抵抗が大きくなることを防止できる上、螺旋状ブラシ自体が回転時に振動して螺旋状ブラシに付着ないしは堆積した固形酸化物を払い落とすことができる結果、螺旋状ブラシからの固形酸化物の回収をより容易にすることができる。
【0143】
この場合、処理室の下方に回収タンクが配置され、処理室の下端がその回収タンクに開放されていると、固形酸化物をこの回収タンクに回収して、処理室内から排出できるので、固形酸化物等の粉塵が処理室に溜まって処理室の容積が減少することを防止でき、長期間にわたって所定の処理能力を維持することができる。
【0144】
この場合、摺動体としての螺旋状体には触媒が担持されていると、触媒によって排ガスの熱分解性が一層向上し、一層低温で分解ができるのである。
【0145】
本発明装置において、半導体製造工程で生じる排ガスと空気及び/又は酸素ガスとを混合する混合手段が設けられ、この混合手段で混合された排ガスと空気及び/又は酸素ガスとの混合気が処理室に導入されると、混合手段によって排ガスと空気及び/又は酸素ガスとの混合率を容易に制御できるようになり、確実に半導体製造工程で生じる排ガスの処理ができる効果を奏するのである。
【0146】
ここにおいて、空気を用いる場合、混合手段が空気を吸入し加圧して吐出する空気ポンプと、この空気ポンプから吐出された空気に、この空気の静圧を利用して半導体製造工程で生じる排ガスを吸入して混合するエゼクタとを備える場合には、この排ガスの発生源に残留した排ガスを吸入して処理でき、排ガスの発生源に残留した当該排ガスが周囲に漏洩することを防止できる。
【0147】
又、本発明装置においては、混合手段が空気を吸入する空気ポンプと、この空気ポンプで吸入される空気に、この空気の静圧を利用して排ガスを吸入して混合するエゼクタとを備える場合には、この排ガスの発生源に残留した排ガスを吸入して処理でき、排ガスの発生源に残留した当該排ガスが周囲に漏洩することを防止できる。
【0148】
ここで、空気ポンプとエゼクタとの間の空気圧送路、又は空気ポンプの吸気路、若しくはエゼクタに半導体製造工程で生じる排ガスを導入する排ガス導入路に逆止弁又は開閉弁を介在させると、空気ポンプの停止時に、空気ポンプを介して半導体製造工程で生じる排ガスが漏洩することを確実に防止できる結果、安全性を高めることができる。
【0149】
又、本発明装置において、混合手段を設ける場合には、この混合手段が空気を吸入し加圧して吐出する空気ポンプと、この空気ポンプから吐出された加圧空気と加圧された半導体製造工程からの排ガスを合流させ、処理室に向かわせる継手とを備えると、処理室の内圧が高められるので、処理室内において排ガスと空気との接触効率を高めることができる結果、処理能力を著しく高めることができる。
【0150】
ここで、継手と空気ポンプとの間の空気圧送路、又は空気ポンプの吸気路、若しくは継手に排ガスを導く排ガス導入路に逆止弁又は開閉弁を介在させると、空気ポンプの停止時に、空気ポンプを介して排ガスが漏洩することを確実に防止できる結果、安全性を高めることができる効果を奏するのである。
【0151】
本発明装置において、処理室が複数段設けられると、濃度の濃い半導体製造工程で生じる排ガスを複数段にわたって処理することができる。この場合に、第2段以降の任意の段階で処理室に空気を補充する空気補充手段が設けられると、第2段以降で中間処理ガスに接触する酸素量を増大させて、処理効率を一層高めることができる。
【0152】
本発明装置において、放熱体が処理室の周囲に設けられると、処理室内の処理ガスの流れが放熱体によって妨げられる恐れがなくなり、処理室内の気流の淀みにより固形酸化物が局部的に集積されることを防止できる。
【0153】
本発明装置において、放熱体が処理室内に設けられる場合には、放熱体の放熱が無駄なくその周囲の処理ガスに吸収されるので、処理ガスの温度が短時間で立ち上がって処理室内での実質的な処理時間が長くなり、一層処理効率を高めることができる。
【0154】
本発明装置において、放熱体が処理室の周囲及び処理室内に設けられている場合には、放熱体の放熱効果が著しく高く、一層短時間で立ち上がって処理室内での実質的な処理時間が一層長くなり、各段に処理効率を高めることができる効果を奏するのである。
【0155】
本発明装置において、放熱体の温度が制御され、加熱温度が低くなり過ぎたり、或いは逆に高くなり過ぎないようにし、これによって、排ガスの処理効率の低下を防止したり、エネルギーの無駄を省いたり、過熱による処理室の早期熱劣化を防止できる効果を奏するのである。
【0156】
更に、本発明装置においては、半導体製造工程で生じる排ガスを導入する排ガス導入口と、この排ガスを熱分解或いは熱酸化させる処理室と、処理室で排ガスを熱分解或いは熱酸化させて得られた処理ガスを排出する処理ガス排出口と、空気及び/又は酸素ガスの加熱体とを備え、この加熱体で加熱された空気及び/又は酸素ガスを処理室内に導入して排ガスを加熱するので、本発明方法を確実に実施することができ、これにより、安価に、安全で、しかも確実に半導体製造工程で生じる排ガスの処理が行える効果を奏するのである。
【0157】
この本発明装置においては、加熱体の温度が制御され、加熱温度が低くなり過ぎたり、或いは逆に高くなり過ぎないようにし、これによって、排ガスの処理効率の低下を防止したり、エネルギーの無駄を省いたり、過熱による処理室の早期熱劣化を防止できる効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明装置の一実施例の構成図である。
【図2】図2は本発明装置の他の実施例の構成図である。
【符号の説明】
1 モノシランボンベ
2 混合手段
4 空気ポンプ
5 継手
6 混合気導入路
7 混合気導入口
8 処理室
9 処理ガス排出口
10 放熱体
11 螺旋状ブラシ
11a 中心軸
11b 刷毛
12 操作手段
13 回収タンク
17 連通路
18 空気補充手段

Claims (31)

  1. 半導体製造工程で生じる熱分解性或いは熱酸化性の排ガスを処理室に導入し、処理室内で加熱することにより当該排ガスを熱分解或いは熱酸化させて無害化ないし後処理が容易に行えるようにする排ガス処理方法において、
    処理室が管体内に形成され、処理室内には摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられ、この螺旋状体で処理室内の周壁に付着した粉塵を除去することを特徴とする半導体製造工程の排ガス処理方法。
  2. 排ガスに空気及び/又は酸素ガスを混合し、この混合気を処理室に導入し、処理室内で加熱する請求項1に記載の半導体製造工程の排ガス処理方法。
  3. 処理室内の加熱温度が150℃ないし1500℃である請求項1又は2に記載の半導体製造工程の排ガス処理方法。
  4. 排ガスを処理室に連続的に導入し、この排ガスを処理室で連続的に処理して得られた処理ガスを連続的に排出する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理方法。
  5. 摺動体としての螺旋状体には触媒が担持されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理方法。
  6. 摺動体としての螺旋状体が回転ブラシである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理方法。
  7. 半導体製造工程で生じる排ガスを導入する排ガス導入口と、この排ガスを熱分解或いは熱酸化させる処理室と、処理室で排ガスを熱分解或いは熱酸化させて得られた処理ガスを排出する処理ガス排出口と、この処理室内の排ガスを加熱する放熱体とを備える排ガス処理装置において、
    処理室が管体内に形成され、処理室内にはその周壁を擦るための摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられていることを特徴とする半導体製造工程の排ガス処理装置。
  8. 半導体製造工程で生じる排ガスと空気及び/又は酸素ガスとの混合気を導入する混合気導入口と、この排ガスを熱分解或いは熱酸化させる処理室と、処理室で排ガスを熱分解或いは熱酸化させて得られた処理ガスを排出する処理ガス排出口と、この処理室内の排ガスを加熱する放熱体とを備える排ガス処理装置において、
    処理室が管体内に形成され、処理室内にはその周壁を擦るための摺動体として前記管体内に螺旋状の曲線流路を形成する螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられていることを特徴とする半導体製造工程の排ガス処理装置。
  9. 排ガスと空気及び/又は酸素ガスを混合するために、処理室或いは処理室に排ガスが導入される前の流路に空気及び/又は酸素ガスを導入する酸化促進ガス導入口が設けられている請求項8に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  10. 管体は縦軸又は傾斜軸の直管状であり、摺動体としての螺旋状体が管体の中心軸を中心にして回転可能に設けられると共に、この螺旋状体を回転させる操作手段が設けられている請求項7ないし8のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  11. 摺動体としての螺旋状体が管体の上端部から下端部の間を上下動自在に移動して処理室の周面に付着した粉塵を下方又は斜め下方に落とすよう構成されている請求項7ないし10のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  12. 摺動体としての螺旋状体を回転させる操作手段が設けられている請求項7ないし9のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  13. 管体は縦軸又は傾斜軸の直管状であり摺動体としての螺旋状体が処理室の周面に付着した粉塵を下方又は斜め下方に落とす方向に回転駆動される請求項12に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  14. 摺動体としての螺旋状体が回転ブラシである請求項7ないし13のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  15. 処理室の下方に回収タンクが配置され、処理室の下端がその回収タンクに開放されている請求項7ないし14のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  16. 摺動体としての螺旋状体には触媒が担持されている請求項7ないし15のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  17. 半導体製造工程からの排ガスと空気及び/又は酸素ガスとを混合する混合手段が設けられ、この混合手段で混合された排ガスと空気及び/又は酸素ガスとの混合気が処理室に導入される請求項8ないし16のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  18. 混合手段が空気を吸入し加圧して吐出する空気ポンプと、この空気ポンプから吐出された空気に、この空気の静圧を利用して排ガスを吸入して混合するエゼクタとを備える請求項17に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  19. 混合手段が空気を吸入する空気ポンプと、この空気ポンプで吸入される空気に、この空気の静圧を利用して排ガスを吸入して混合するエゼクタとを備える請求項17に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  20. 空気ポンプとエゼクタとの間の空気圧送路、又は空気ポンプの吸気路、若しくはエゼクタに半導体製造工程からの排ガスを導入する排ガス導入路に逆止弁又は開閉弁を介在させる請求項18又は19に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  21. 混合手段が空気を吸入し加圧して吐出する空気ポンプと、この空気ポンプから吐出された加圧空気と加圧された半導体製造工程からの排ガスを合流させ、処理室に向かわせる継手とを備える請求項18又は19に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  22. 集合継手と空気ポンプとの間の空気圧送路、又は空気ポンプの吸気路、若しくは集合継手に半導体製造工程からの排ガスを導く排ガス導入路に逆止弁又は開閉弁を介在させる請求項20に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  23. 処理室が複数段設けられている請求項7ないし22のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  24. 第2段以降の任意の段階で処理室に空気を補充する空気補充手段が設けられる請求項23に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  25. 放熱体が処理室の周囲に設けられている請求項7ないし24のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  26. 放熱体が処理室内に設けられている請求項7ないし24のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  27. 放熱体が処理室の周囲及び処理室内に設けられている請求項7ないし24のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  28. 放熱体の温度が制御されている請求項7ないし27のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  29. 加熱体で加熱された空気及び/又は酸素ガスを処理室内に導入して排ガスを加熱する請求項7ないし28のいずれか1項に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  30. 加熱体が空気及び/又は酸素ガスと高温の処理ガスとの間で熱交換をさせる熱交換装置である請求項29に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
  31. 加熱体の温度が制御されている請求項29又は30に記載の半導体製造工程の排ガス処理装置。
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