JP4052457B2 - マイクロ波励起水素紫外光ランプ及び該紫外光ランプを用いた光学装置の使用方法 - Google Patents

マイクロ波励起水素紫外光ランプ及び該紫外光ランプを用いた光学装置の使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ光や真空紫外光のようにフォトンエネルギーの高い光源の光路上に配置される光の透過、屈折、反射、分光、干渉作用を組み合わせて種々の効果を生じせしめるマイクロ波励起水素紫外光ランプ及び該紫外光ランプを用いた光学装置の使用方法に係り、具体的にはフォトンエネルギーの高い光源の光路上に配置されるレンズ、窓、エタロン、プリズム、レチクル、反射鏡等で適用される光学系を備えた紫外光ランプがあり、分光光度計、蛍光光度計、干渉計、屈折計等の測光機器のみならず、真空紫外用の標準光源、光化学反応の励起源、製版、写真用光源、各種実験用の光源を組み込んだ光学装置に適用される発明に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明が適用される従来の装置の例としてマイクロ波励起水素紫外光ランプの構成およびその動作について図7を用いて説明する。
マイクロ波共振器4は円筒形状の導体の両端を同じ材質の導体で封じた構造を有する。円筒の内径と長さはマイクロ波の周波数、マイクロ波共振器内部に励起したい電磁界分布によって決める。
【0003】
マイクロ波共振器内部のマイクロ波電磁界分布を調整するためのマイクロ波共振器の構成要素の一つであるマイクロ波共振器チューナ18は円筒形状であり、放電管1を内包できる内径を有する。更に、マイクロ波共振器4の端面から中心軸を一致させて軸方向に挿入されていて、マイクロ波共振器4と電気的導通を保ちながら軸方向に摺動可能な構造となっている。チューナ18の材質はマイクロ波共振器4と同じで銅若しくは真鍮によって形成されている。該チューナ18の有するマイクロ波電磁界分布を調整する機能は、プラズマ7を生成させながら挿入深さを調整して、マイクロ波集中部6を目的の位置に生成させるということにある。
【0004】
そして前記マイクロ波共振器4の両端面を貫通するように、放電管1が設置されている。一般的には、電界が最も大きくなるマイクロ波共振器4の中心軸上に放電管1の中心軸を一致させるが、これに限ることはない。放電管1の断面形状は丸形、角形等特に問わない。
放電管1の機能は真空境界であること、放電ガスの流路であること、放電プラズマを生成する空間であることであり、図7の例では、放電プラズマを生成させる空間を限定するために、放電管1に沿ってマイクロ波共振器端面からマイクロ波共振器内部に向けて導体の内筒を伸ばしている。従って、マイクロ波共振器チューナ18の端と内筒端に挟まれた空間で放電プラズマ7が生成される。
【0005】
マイクロ波共振器4にはマイクロ波を供給するマイクロ波供給コネクタ5が接続されている。コネクタ形状は同軸型、導波管型何れでも構わない。同軸型コネクタへの供給伝送路は同軸ケーブル、同軸管どちらを用いても構わない。
【0006】
マイクロ波共振器チューナ18側の放電管1の一端には、当該ランプを利用する箇所に固定するためのフランジ26がOリング13cを介して取り付けられている。前記Oリング13cは円筒開口状のキャップ21により圧着されている。前記フランジ26の中心には、放電管1の内径相当の開口が設けられており、放電プラズマ7からの発光を放電管1軸方向に取り出すことができるようになっている。11は外側表面である。
前記フランジ26の開口部には光透過窓8が設けられていて、2つの機能を有する。一つ目は放電管1内と大気の真空境界であり、二つ目は放電プラズマ7からの発光を真空外へ取出すことである(例えば非特許文献1または同2参照。)。
【0007】
さて、近年、紫外線の短波長光における光透過性を確保するために、前記光透過窓にSiOを用いたものが開発されている。
又水銀ランプにおける石英ガラスの失透も従来より問題にされている。水銀ランプにおける石英ガラスは、ランプ内部と外部の真空境界という機能と、水銀の発光による紫外線を透過させる機能を併せ持つが、失透現象により、光透過率の減少が生じ、ランプの寿命を決める一因になっている。
【0008】
このような失透に対する対策としては、例えば、特許文献1において、金属蒸気放電発光管として、ガラスバルブ内面の表面粗さが1ミクロンより小さい発光管を用い、これによって、長時間発光管を点灯させても発光管は結晶化(失透)しにくくなり、光束の低下が起こりにくく(照度維持率)、明るい画面、高い表示品質を長時間維持した投射型ディスプレーが可能となる。
しかしながらかかる技術は、石英ガラスあるいは高珪酸ガラスを用いた発光管に適用する技術であり、250〜360nmの普通紫外光では適用が可能であるが、石英ガラス自体波長が190nmの真空紫外光では透過率が大幅に低減し、利用できない。
【0009】
又、特許文献3に、254nmの紫外線出力を利用する定圧水銀灯において、合成石英ガラスの内面に100μm以下、実施例では20μmの平均粒径の金属酸化物を溶液濃度が1〜3%範囲で塗布した技術が開示されている。
更に特許文献4において、石英管の両端に電極を封着し内部に水銀を封入してなる発光管の内表面にAl等の薄膜を被着してなる放電灯において、発光管中央部に形成する薄膜は、その他の部分より厚く形成するように構成し、具体的には前記発光管の内表面の厚膜部が発光管両端の電極間距離である有効発光長に対して1/3から1/2の長さで、前記厚膜部の膜厚が0.2μm〜0.3μmであり、その他の部分の膜厚が0.1μm〜0.15μmである技術が開示されている。
【0010】
しかしながらこれらの従来技術は対象が石英ガラス、特に低圧水銀放電灯において、発光管中に封入された水銀が発光管内壁に固定された際に石英ガラスの透過率が低下し、黒化した放電灯の放射効率は低下することに起因するもので、水銀原子の存在のために保護膜の厚みの適正化を図る技術である。
しかもSiOの光透過率の確保は200nm程度が下限であり、それ以上の短波長紫外線である真空紫外域の200nm以下では急激に低下し、更に短波長化し150nm前後の真空紫外線である高エネルギフッ素レーザを使用した場合前記光透過率の低下のみならず失透が生じ実用に耐えない。
ここで真空紫外域とは0.2〜200nm、普通紫外域とは200〜380nmの波長範囲をいう(「物理学辞典」培風館、「理科年表」国立天文台)。
【0011】
そして合成シリカガラスは、ランプ出射光が透過する窓材の紫外域における透過率の減少が大きい事に鑑み特許文献2において、合成シリカガラスにフッ素をドープする技術が開示され、耐久性向上が計られているものもある。
しかしながらフッ化物をドープしたとしても母材として合成シリカガラスを用いている以上、その透過率50%程度が確保できるのはせいぜい160〜190nm程度であり、それ以下の真空紫外波長域ではやはり使用に耐えない。
【0012】
したがって、真空紫外域の紫外線を透光させるための光透過窓の材料としては、CaF、LiF、MgFなどのアルカリハライド材料が一般的に利用されている。
特に従来例として前述したマイクロ波励起水素紫外光ランプの場合、利用する紫外線は水素の発光線である波長122nmの真空紫外光であり、この波長帯域で光透過窓として実際に使用できる材料はLiF、CaF、MgFしか知られていないが、このうち、LiFとCaFはカラーセンターによる透過率低下が顕著であるので、MgFが多用されているが、MgFの失透対策として開示された報告例はない。このような放電ランプにおいては、次のような問題点がある。
【0013】
即ちフッ化マグネシウムを窓材とした場合、窓材の耐久性が他の窓材に比べ悪く、そのため、ランプ自体の寿命が他の窓材を用いたランプと比較して半分以下である。
これは光透過窓8に用いた材料の吸収端波長よりも高いフォトンエネルギーを持つ光、特に真空紫外域の光が放電プラズマから光透過窓8に照射されると該窓8に欠陥、いわゆるカラーセンターが生成し、光透過率の低下が起こるためで、このような現象は、CaF、LiF、MgFなどのアルカリハライド材料で一般的に発生する現象で、フッ素原子の位置が正しい格子位置から僅かにずれていることが原因である。
【0014】
そして前記した従来技術ではいずれも合成石英に関する問題、特に普通紫外波長を光源とする合成石英の光学系に関する課題を提起しており、マイクロ波励起水素紫外光ランプで利用する波長122nmの真空紫外光の光透過窓として実際に使用できるMgFに対して、光透過率低下を有効に防止する実用的な技術は皆無である。
【0015】
このため、現状としては、透過率が低下したら、光透過窓を交換するという対応をせざるを得ない。従来は、このような光透過窓8の劣化がランプの寿命を決めていた。寿命が来たランプの光透過窓8は、新しい光透過窓に交換してランプの発光強度を回復させる必要があった。光透過窓8の交換にはランプの真空を破る必要があり、これには数時間の手作業が必要で、その間ランプが使用できないという問題があった。また、寿命が来たら交換というサイクルは、光源の出力強度が常に変動することを意味し、透過窓の交換毎に発光強度の校正作業等が必要となり、このようなランプを環境計測のような長期間モニタリングが要求される用途に適用することは困難であった。
【0016】
【非特許文献1】
ジェームス・エー・アール・サムソン(James A. R. Samson)著、テクニクスオブバキュームウルトラバイオレットスペクトロスコピー(Techniques of VACUUM ULTRAVIOLET SPECTROSCOPY)、パイドパブリケーションズ(Pied Publications),リンカーン(Lincoln),ネブラスカ(Nebraska),1967年、p. 159、図5.56
【非特許文献2】
イー・エル・ギンクトン(E.L.Ginzton)著 マイクロウエーブメジャーメンツ(Microwave Measurements),マグロ-ヒル(McGraw-Hill), ニューヨーク(New York),1957年
【特許文献1】
特開平5−325893号公開公報
【特許文献2】
特開平8−315771号公開公報
【特許文献3】
特開平3−77258号公開公報
【特許文献4】
特開平8−212976号公開公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、プラズマ光や真空紫外光のようにフォトンエネルギーの高い光源の光路上に配置される光の透過、屈折、反射、分光、干渉作用を組み合わせて種々の効果を生じせしめる各種光学系利用装置おいて、前記レンズ、窓、エタロン、プリズム、レチクル、反射鏡等で適用される光学系の劣化を抑制することにより、光出力強度の経時安定性が高く、長寿命であるマイクロ波励起水素紫外光ランプにおける光学系及び該紫外光ランプを用いた光学装置の使用方法の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、発明者らはフッ化物からなる光透過窓8の劣化について詳細な分析を行なった。実験に用いた装置は、図7に示した装置において、光透過窓8をOリングを介して、フランジ26のプラズマに曝される面に取り付けたものである。
光透過窓8としては、MgF(フッ化マグネシウム)単結晶を用いている。
その結果、真空紫外光照射後、透過率劣化が生じた光透過窓8の真空紫外線が照射された領域では、MgF結晶の表層(数十nm)が酸化されていた。更に結晶の表層、数十nm深さの領域において、フッ素の存在量が減少していることが確認された。
また、分光透過率スペクトル計測により、光透過窓8のカラーセンター発生状況と透過率劣化との相関を調べた結果、光透過窓8の劣化の主因は、カラーセンターによる吸収ではなく、結晶の表層に生成するフッ素の欠損と酸素の存在が原因であることが判明した。
【0019】
そこで、本発明はかかる着目点に基づき、下記のごとき技術手段を提案する。
本発明の第1の提案は、122nmの真空紫外線が照射される環境下に配置される光透過窓を有し該光透過窓としてMgFを用いるマイクロ波励起水素紫外光ランプにおいて、
前記光透過窓の少なくとも光入射側に光照射による前記光透過窓表層のフッ素原子の脱離を抑制する2nm〜20nmのSiO 若しくはAl 、MgO、TiO 、ZrO のいずれかの一からなる金属酸化物保護膜を形成したことを特徴とするマイクロ波励起水素紫外光ランプにある。
【0020】
本発明と特許文献4の違いを説明する。
特許文献4は、水銀放電灯において、発光管中に封入された水銀が発光管内壁に固定されるのを防ぐために、膜厚が0.1μm〜0.15μmのアルミナ等の保護膜を被着させるものである。
一方、本発明は真空紫外域において、光学特性のある程度の初期劣化を甘受しつつ真空紫外域照射によるフッ素原子の脱離を抑制する2nm〜20nmという極めて薄膜の保護膜を形成したものである。
ここで保護膜の膜厚を20nm以下に限定したのは、それ以上の膜厚では真空紫外光の吸収により、光透過窓光学系としての機能を維持できないからである。
【0021】
また膜厚の下限値は結晶表面を保護膜で均一に被覆するために必要な2nm以上とした。それ以下では前記保護膜がSiO若しくはAl、MgO、TiO、ZrOの分子粒径の大きさは約1nm程度存在し、これが均一な膜厚とするには分子粒が2層程度ないと母材の露出面が必ず存在して結晶表面を保護膜で均一に被覆するという本発明の機能を達成できないことによる。
【0022】
又、膜厚が十分厚い場合、光透過窓表面保護の実効は図れるが、SiO若しくはAl、MgO、TiO、ZrO等の金属酸化物からなる保護膜は元々真空紫外波長を通さない材料であり、このような保護膜の存在は、その保護膜内で真空紫外光の吸収が行われ、母材側に通過する紫外光が低下することは、図6に示すとおりであり、20nmの段階でその初期透過率は10%しかない。10%以下では、母材側の光学特性の大幅な劣化を生じ光透過窓として機能しないのみならず、紫外光の吸収による保護膜自身の劣化、発熱による光透過窓表面からの保護膜の剥離等の不具合が発生する恐れがある。よって、母材側の光学特性を30〜40%に維持するならば、12nm以下好ましくは10nm以下、又どんなに悪くても10%以上の光学特性を確保する必要があるから、20nm以上の膜厚では真空紫外光の吸収により、期待される光透過窓としての機能を維持できなくなる。
又フッ素の脱離は一方ではMgの酸化に起因するものであり、このため前記光透過窓の少なくとも光入射側に光照射による前記光透過窓表層の酸化を抑制する2nm〜20nm、好ましくは2〜12nm、更に好ましくは2〜10nmの保護膜を形成するようにしてもよい。
かかる提案により、前記光透過窓表層のフッ素原子脱離および酸化を抑制することができ、光透過窓の透過率減少を抑制できる。
このような薄膜の保護膜生成は、蒸着、イオンプレーティング、CVD等の気相成長方法があるが、特にイオンビームスパッタ成膜法やプラズマCVDにより成膜することにより光透過窓表面に存在する研磨加工に起因した凹凸に沿って、数nmの極めて薄膜の膜厚で均一な被着が可能となる。
【0023】
本発明の第2の提案は、真空内で生成した放電プラズマからの122nmの真空紫外線を真空外へ取出す真空境界を形成する位置に配置した透過窓としてMgFを用いるマイクロ波励起水素紫外光ランプにおいて、
前記透過窓のプラズマに曝される面に前記フッ化物よりプラズマ耐性が高い材料からなる2nm〜20nmのAl 若しくはMgO、TiO 、ZrO の何れかの一からなる金属酸化物の保護膜を形成したことを特徴とするマイクロ波励起水素紫外光ランプにある。
かかる提案により、光透過窓表面をプラズマ環境に曝露することによる発生する、前記光透過窓表層のフッ素原子脱離および酸化を抑制することができ、光透過窓の透過率減少を抑制できる。
【0024】
この場合に、前記保護膜がSiO若しくはAl、MgO、TiO、ZrOの何れかの一からなる金属酸化物からなり、前記フッ化物からなる光透過窓が、結晶軸(c軸)が光入射線方向に沿った単結晶フッ化物であって結晶軸と垂直な面に前記保護膜を形成することにより、前記フッ化物光透過窓の初期劣化後の真空紫外光照射による母材側の径時劣化を防ぐ事が出来る。
【0025】
又SiOや前記金属酸化物はフッ化物に比べプラズマ耐性が高く金属原子の脱離や酸化を防ぐことが出来、またそれ自体すでに酸化されているために、結果として、フッ化物光透過窓の保護膜として機能して初期劣化後の真空紫外光照射による母材側の径時劣化を防ぐ事が出来る。
【0026】
本発明の第3の提案は、122nmの真空紫外線が照射される環境下に配置される光透過窓を有し該光透過窓としてMgF を用いるマイクロ波励起水素紫外光ランプにおいて、光透過窓に用いたMgF 母材の122nmの真空紫外光照射又はプラズマ曝露による母材表面からの母材構成元素の脱離若しくは母材表面の酸化による経時劣化を抑制する2nm〜20nmのSiO若しくはAl、MgO、TiO、ZrOの何れかの一からなる金属酸化物保護膜を前もって光透過窓に被着させた後、122nmの真空紫外線光源若しくはプラズマ光源が存在する目的装置に前記光透過窓を組込んで使用することを特徴とするマイクロ波励起水素紫外光ランプの使用方法にある。
【0027】
かかる発明によれば前記酸化物保護膜により初期特性は劣化してもその後の母材の真空紫外光照射又はプラズマ曝露による母材表面からの母材構成元素の脱離若しくは母材表面の酸化による経時劣化を抑制することが出来るために、運転当初より母材の、光出力を下げることなく、例えば前記光出力装置の透過窓若しくは反射窓の寿命を延長することができるので、透過窓若しくは反射窓の交換作業の間隔も広くなり、光出力装置の稼働率向上、ランニングコスト低減を図ることができる。
【0028】
この場合、前記光源が、前記保護膜による光透過窓全体の透過率初期劣化を補填するだけの光出力を有する光源であれば、該光源の光路上に前記初期劣化した光透過窓であっても装置全体として(透過率、反射率)の低下生じさせずに、装置寿命のみを延長させることができる。
【0029】
即ち、母材の真空紫外光照射又はプラズマ曝露による母材表面からの母材構成元素の脱離若しくは母材表面の酸化による経時劣化を抑制する保護膜を前もって光透過窓に被着させた光透過窓を前記保護膜による光透過窓全体の透過率初期劣化を補填するだけの光出力を有し、例えば計測用光源として用いられる光出力装置の少なくとも一側に位置する透過窓若しくは反射窓に前記光透過窓を適用すれば、長期出力安定性を有する光出力装置を計測に適用しても運転中における光透過率の変動や劣化が生じることなく安定して制御することが可能となり、例えば制御動作の煩雑化や計測制御の感度の安定化を図ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施形態として、光透過窓の劣化を防止あるいは抑制することを目的として、保護膜をコーティングした実施例について図面に基づいて説明する。なお、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、放電若しくは加熱等により生じる発光を光として取り出すランプ、またはレーザー装置であれば本発明の要件の範囲において有効に適用できる。
【0031】
図1は、この発明の実施の形態1〜3にかかるマイクロ波励起水素紫外光ランプの構成を示す説明図である。
光透過窓8の窓取り付け部材17は、円盤形状であり、その中心は放電管1の中心軸と一致し、その径が放電管内径以上である開口を有する。窓取り付け部材17には前記開口を光透過窓8で封止するためのOリング溝13bと、窓取り付け部材17を真空を保ちながら放電管1に接続するための中空蓋状の冶具20を固定するボルト穴及びOリング溝13aが設けられている。
【0032】
冶具20の内面構造は同心中空円2段構造になっており、光透過窓8を収納する空間と、放電管1を内包する空間から成っている。放電管1を内包する側の端面は、Oリング13cを収めるようにOリング13cを押圧するリング径相当の面取りが斜めカット状に施されている。更に、この端部の外周面には不図示のネジが切ってあり、円筒開口状のキャップ21を締め込むことによってOリング13cを圧着し、放電管1に繋がる真空境界を形成している。窓取り付け部材17、冶具20、キャップ21の材質は金属であり、一般的には汚染要因の少ないステンレス、アルミニウムを用いるが、これに限らない。
【0033】
以上のように構成されたマイクロ波励起水素紫外光ランプの発光動作について説明する。まず、放電管1に放電ガス供給口2から、ヘリウムで1/100に希釈した水素の放電ガスを20SCCM供給する。放電ガスは放電ガス排出口3から、真空ポンプ(不図示)で排気する。放電ガス排出口3と真空ポンプの間にあるバルブ(不図示)の開度調整によって排気コンダクタンスを調整し、放電管1内を5torr(665Pa)程度に保つ。光透過窓8側から放電管1側へ放電ガスを流す理由は、放電プラズマ7によって放電管1内で生成した物質を該窓8とは反対側へ排気して、該窓8の汚染要因を極力減らす。
【0034】
マイクロ波共振器内部のマイクロ波電磁界分布を調整するためのマイクロ波共振器の構成要素の一つであるマイクロ波共振器チューナ18は円筒形状であり、放電管1を内包できる内径を有する。更に、マイクロ波共振器4の端面から中心軸を一致させて軸方向に挿入されていて、マイクロ波共振器4と電気的導通を保ちながら軸方向に摺動可能な構造となっている。チューナ18の材質はマイクロ波共振器4と同じで銅若しくは真鍮によって形成されている。該チューナ18の有するマイクロ波電磁界分布を調整する機能は、プラズマ7を生成させながら挿入深さを調整して、マイクロ波集中部6を目的の位置に生成させるということにある。
【0035】
次に、マイクロ波共振器4にマイクロ波供給コネクタ5から2.45GHz、50Wのマイクロ波を供給する。マイクロ波の供給は連続的でも間欠的でも構わない。マイクロ波電源とマイクロ波共振器4を接続する電力伝送路の途中に組み込む整合器(図示せず)を調整することにより、電源と負荷(放電プラズマ)間のマイクロ波電力整合を取りながら、放電管1内に放電プラズマ7を生じさせる。放電プラズマ7によって励起された水素原子からは真空紫外域の波長103nmと122nmとの輝線が放射され、光透過窓8を通して、ランプ出射光9のように外部に取り出される。
【0036】
光透過窓8としては、MgF(フッ化マグネシウム)単結晶を用い、結晶軸(c軸)が透過窓の面に垂直な方向とした。
【0037】
光透過窓8の表面10にあらかじめ保護膜14としてAl(アルミナ)の薄膜をコーティングした後、図1に示す所定の位置に設置した。
コーティングは、イオンビームスパッタ成膜方法により実施した。
【0038】
イオンビーム成膜法について説明する。成膜ガスとして、Ar雰囲気で圧力0.1Paに保ち、3インチΦのAl焼結体ターゲット(純度4N)にArイオンを加速電圧20kVで衝突させ、ターゲットからスパッタされるAlを光透過窓8の表面10に成膜した。膜厚制御は、水晶振動子で行い、あらかじめ水晶振動子の振動数変化量と膜厚の関係を条件出しして、検量線を作成しておき、所望の膜厚に対応する振動数変化時間だけ成膜を実施する。
保護膜14のコーティング方法は上記イオンビームスパッタ製膜方法に限られるものではなく、所望の組成の保護膜が成膜可能な方法、装置を適宜選択すれば良い。他の成膜方法として蒸着、イオンプレーティング、CVD等の気相成長方法がある。
【0039】
保護膜14の適正な膜厚領域は光透過窓表面の被覆状態及び波長122nmの真空紫外光に対する透過率から決定される。
図6はAlを保護膜14として透過窓コーティングした場合の保護膜の膜厚と保護膜の無い初期状態と保護膜コーティング後の透過率の変化を示したものである。図6に示すように光透過窓の初期状態に対する透過率減少は保護膜厚の関数であり、初期劣化を抑えるためには、極力薄い方が望ましい。一方、保護膜としての実効を得るためには、光透過窓表面全体を被覆することが求められる。一般に薄膜の成膜の初期段階では均一な膜構造ではなく、光透過窓表面に島構造上で存在することになるため、部分的に光透過窓表面が露出している状態となり、保護膜としての実効を得ることはできなくなる。
保護膜成膜後の表面形状をAFM(原子間力顕微鏡)で観察した結果、ほぼ基材を被覆した平滑な薄膜を形成するためには2nm以上の膜厚が必要であることを確認した。
【0040】
又、膜厚が20nm以上と十分厚い場合、光透過窓表面保護の実効は図れるが、SiO若しくはAl、MgO、TiO、ZrOの保護膜において真空紫外光の吸収の増加により、光透過窓特性の大幅な劣化を生じ、更には吸収による保護膜自身の劣化、発熱による光透過窓表面からの保護膜の剥離等の不具合が発生する恐れがある。よって、20nm以上、好ましくは12nm、更に好ましくは10nm以上の膜厚では真空紫外光の吸収により、期待される光透過窓としての機能を維持できなくなる。
【0041】
本実施例においては保護膜の膜厚を6nmとした。この保護膜の波長122nmにおける透過率は、初期状態として保護膜がない場合を100%の基準として表すと、透過率50%であった。
【0042】
又、該ランプの出力光量をモニターするためにランプ出射光9を受光するようにフォトダイオード12を設置した。
【0043】
次に、このように構成したマイクロ波励起水素紫外光ランプの出力光量の経時変化をフォトダイオード12を用いて計測した。
まず、放電プラズマ7によって水素原子を励起し、真空紫外域の波長光を90時間(約4日間)発光させた。次にブランクとして、保護膜がコーティングされていない光透過窓8に交換して同様の試験を実施し、結果を比較した。
評価は次の方法によった。
まず、ブランクの使用前の透過率をTとし、すべての基準に設定した。
光透過窓の使用前の透過率をT(ブランクの場合、T=T)とし、使用後のすなわち90時間後に、透過率Tに低下したとして、透過率の変化量ΔT[%]を、
ΔT = (T−T)/90 式(1)
から求め、さらに、変化の割合を表す量として劣化率K[%/Hr]を次式に定義した。
K = 100 ・ ΔT/ T 式(2)
この劣化率Kの大小を比較することで、光透過窓8の劣化の早さを定量的に評価することができる。当然ながら、Kが小さいほど、劣化が緩やかであり、寿命が長く、光透過窓の交換の頻度を少なくできることを表している。
【0044】
この結果、保護膜(Al)をコーティングした光透過窓8を用いた場合、劣化率Kは0.04%/Hrであった。一方、ブランクの劣化率Kは、0.46%/Hrであった。この劣化率Kの比は約11倍であり、この評価量に基づくと、保護膜14をコーティングした光透過窓8は、コーティングのない光透過窓に比較して約1桁の寿命向上が実現していることが判る。
【0045】
保護膜14の効果を明瞭に開示するために、保護膜14としてAlをコーティングした光透過窓8のランプ使用の前後、及び、ブランクとして保護膜のない光透過窓のランプ使用の前後のXPS表面分析の結果を以下に説明する。
【0046】
使用前のブランクの分析結果を図2に示す。横軸はアルゴン時間であり、スパッタ深さに比例した量である。スパッタ時間ゼロminがスパッタ前の初期状態を示し、結晶表面の分析に相当する。一般に、XPS分析の場合、この初期状態で得られる情報は物品の自然汚れ状態を反映して、カーボンや酸素などの吸着成分が検出されるが、本質的ではないので、分析データからは除外した。縦軸は、XPS分析で得られた各元素の存在比を表している。
【0047】
図2より、使用前のブランクにおいては、フッ素の欠損が生じていないことが分る。酸素については、表層に微量の痕跡が認められるが、これは、結晶内部に実際に存在していたのではなく、表面に自然吸着している汚染物質の酸素がアルゴンスパッタによって、結晶内部に打ち込まれている状況を反映している。したがって、結晶内部における酸素の有無については、図2で認められる酸素の量を基に他の分析結果を校正し解釈すればよい。
【0048】
次に、使用後のブランクの分析結果を図3に示す。図3より、使用後のブランクは表層において、フッ素が欠乏していることが明瞭に読み取れる。さらに、フッ素の欠乏層の深さと同期して酸素が有意に結晶内部に存在している。このことから使用後のブランクは、表層においてF欠損、および酸化の状態であることが分る。この表面状態が波長122nmの真空紫外光に対する透過率を低下させる主因である。
【0049】
次に、保護膜14としてAlを約6nmの厚みでコーティングした光透過窓8の使用前の分析結果を図4に示す。グラフの軸の説明、解釈は図2と同じであるので、省略する。元素としては、保護膜の成分であるAl(アルミニウム)のプロットが新たに加えられている。図4より、フッ素とマグネシウムの表層から内部へ到るプロファイルが同期していること、酸素とアルミニウムの表層から内部へ到るプロファイルが同期していることが分る。保護膜がコーティングされているにも係わらず、表層からフッ素とマグネシウムの信号が検出される理由は、XPS分析における深さ方向の分解能が数nmとされており、理想的な境界の分布を計測しても、元素の存在プロファイルはステップ状にはならず、分解能の幅だけブロードな形状になることが不可避であるという事情が反映されている。更に、保護膜の厚さ6nmに対して、スパッタ時間として20min程度スパッタリングしないと、基材のMgF結晶が露出しないが、これはAlとMgFのスパッタリング効率が異なるためである。したがって、ここでの着目点は、FとMg、およびOとAlのプロファイルが同期しているという部分である。
【0050】
最後に、保護膜14としてAlを約6nmの厚みでコーティングした光透過窓8の使用後の分析結果を図5に示す。グラフの軸の説明、解釈は図2と同じであるので、省略する。図5より、酸素とアルミニウムの表層から内部へ到るプロファイルが同期していることが分る。さらに結晶内部における酸素の存在も認められない。これは、保護膜によって結晶内部への酸素の侵入を阻止できていることを明瞭に示している。
【0051】
一方、フッ素とマグネシウムの表層から内部へ到るプロファイルは同期していない。フッ素は、保護膜14であるAl膜の内部に侵入している様子が明瞭である。しかし、保護膜14が存在しているために、フッ素は保護膜内部で留まっているが、もしブランクのように保護膜がない場合は、フッ素は系外に放出されて、フッ素欠乏層が生成し、代わりに酸素が侵入してくるメカニズムを容易に想定できる。事実、図3で説明したフッ素欠乏層と酸化層の生成は、図5における保護膜がない場合を考えれば、容易に説明できる。
【0052】
以上、説明したように、光透過窓8に保護膜14をコーティングすることにより、フッ素の欠乏層の生成を防止あるいは抑制し、結晶内部における酸素の存在(酸化層)を防止あるいは抑制できたために、ブランクに比較して、保護膜をコーティングした光透過膜は、約1桁低い劣化率Kを達成することができた。
【0053】
又、保護膜14としてSiO(膜厚6nm)をコーティングした光透過窓8を用いた場合、劣化率Kは0.06%/Hrであった。一方、ブランクの劣化率Kは、0.46%/Hrであった。この劣化率Kの比は約8倍であり、保護膜としてSiOを用いた場合にも同等の保護効果を確認できている。
【0054】
更にAlと同様に、フッ化物に比べ、紫外光照射による着色性が低い、MgO、TiO、ZrO、の金属酸化物も保護膜として適用可能である。
【0055】
上述のように本発明に係る保護膜を形成した光透過窓は、保護膜がない場合に比べ、それ自身の光学的性能(例えば透過窓であればその透過率)は保護膜が無い初期状態に比べ劣化している。しかしながら、上記光透過窓の性能評価は単体のみを対象に行なうのは妥当ではなく、それが組込まれた光出力装置全体若しくは光出力装置が組み込まれたシステム全体を対象に行うことが重要である。即ち、光出力装置が光透過窓の初期劣化を補い、且つシステムの要求仕様に合致する光出力を有することにより、出力を維持した状態で光出力装置の装置寿命を延長することができ、光透過窓8等のメインテナンス作業頻度や作業コストの低減を図った光出力装置の提供という目的を達成できる。
【0056】
また、本発明が計測用の光源として用いられる場合、特に有用となる。例えば、環境汚染物質発生状況の長期モニタリング等があげられる。このような計測の場合、一般に計測信号レベル、感度は光出力に比例または光出力の平方に比例することになる。前述のように、従来の光源では計測感度を向上させるために、出力向上を行なえば、光透過窓の劣化が生じ、光透過窓の劣化を抑制するには光出力を減少させることが必要であり、計測感度の低下を引き起こしていた。本発明の光透過窓を適用した光出力装置は装置寿命が長く、出力特性の長期間安定性を確保することができるため、このような課題を解決することができ、長期環境モニタリングのような計測装置に適した光出力装置を提供することができる。
【0057】
なお、本実施形態では光透過窓を例に取り上げたが、光反射鏡(窓)を用いた装置に対しても本実施形態を同じく適用できる。光反射鏡の例は、レーザ発振器に用いる反射鏡、ランプの集光鏡である。以下の実施形態においても、光反射鏡に対して各実施形態を同じく適用できる。
【0058】
【発明の効果】
以上記載したごとく本発明によれば、光透過窓の劣化を防止あるいは抑制できるので、光透過窓の交換に要するメンテナンスの周期を長くすることができるため、装置稼働率の向上とメンテナンスコスト削減に寄与する。
又、本発明の光透過窓を組み込んだ光利用装置は装置寿命が長く、出力特性の長期間安定性を確保することができるため、長期環境モニタリングのような計測装置に適した光出力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかるマイクロ波励起水素紫外光ランプの構成を示す説明図である。
【図2】 保護膜がない場合の光透過窓の使用前のXPS深さ分布計測結果のグラフ図である
【図3】 保護膜がない場合の光透過窓の使用後のXPS深さ分布計測結果のグラフ図である。
【図4】 保護膜がコーティングされた光透過窓の使用前のXPS深さ分布計測結果のグラフ図である。
【図5】 保護膜がコーティングされた光透過窓の使用後のXPS深さ分布計測結果のグラフ図である。
【図6】 保護膜膜厚と光透過窓の初期状態に対する透過率の関係を示すグラフ図である。
【図7】 マイクロ波励起水素紫外光ランプの従来技術を示す説明図である。
【符合の説明】
1 放電管
8 光透過窓
10 内側表面
11 外側表面
13 Oリング
14 保護膜
17 窓取り付け部材

Claims (7)

  1. 122nmの真空紫外線が照射される環境下に配置される光透過窓を有し該光透過窓としてMgFを用いるマイクロ波励起水素紫外光ランプにおいて、
    前記光透過窓の少なくとも光入射側に光照射による前記光透過窓表層のフッ素原子の脱離を抑制する2nm〜20nmのSiO 若しくはAl 、MgO、TiO 、ZrO のいずれかの一からなる金属酸化物保護膜を形成したことを特徴とするマイクロ波励起水素紫外光ランプ。
  2. 122nmの真空紫外線が照射される環境下に配置される光透過窓を有し該光透過窓としてMgFを用いるマイクロ波励起水素紫外光ランプにおいて、
    前記光透過窓の少なくとも光入射側に光照射による前記光透過窓表層の酸化を抑制する2nm〜20nmのSiO 若しくはAl 、MgO、TiO 、ZrO のいずれかの一からなる金属酸化物保護膜を形成したことを特徴とするマイクロ波励起水素紫外光ランプ。
  3. 真空内で生成した放電プラズマからの122nmの真空紫外線を真空外へ取出す真空境界を形成する位置に配置した透過窓としてMgFを用いるマイクロ波励起水素紫外光ランプにおいて、
    前記透過窓のプラズマに曝される面に前記フッ化物よりプラズマ耐性が高い材料からなる2nm〜20nmのAl 若しくはMgO、TiO 、ZrO の何れかの一からなる金属酸化物の保護膜を形成したことを特徴とするマイクロ波励起水素紫外光ランプ。
  4. 前記フッ化物からなる光透過窓が、結晶軸(c軸)が光入射線方向に沿った単結晶フッ化物であって結晶軸と垂直な面にAl 若しくはMgO、TiO 、ZrO の何れかの一からなる金属酸化物保護膜を形成したことを特徴とする請求項1、2若しくは3に記載のマイクロ波励起水素紫外光ランプ。
  5. 前記保護膜がイオンビームスパッタ成膜法若しくはプラズマCVDにより成膜されていることを特徴とする請求項3若しくは4に記載のマイクロ波励起水素紫外光ランプ。
  6. 122nmの真空紫外線が照射される環境下に配置される光透過窓を有し該光透過窓としてMgFを用いるマイクロ波励起水素紫外光ランプにおいて、光透過窓に用いたMgF母材の122nmの真空紫外光照射又はプラズマ曝露による母材表面からの母材構成元素の脱離若しくは母材表面の酸化による経時劣化を抑制する2nm〜20nmのSiO若しくはAl、MgO、TiO、ZrOの何れかの一からなる金属酸化物保護膜を前もって光透過窓に被着させた後、122nmの真空紫外線光源若しくはプラズマ光源が存在する目的装置に前記光透過窓を組込んで使用することを特徴とするマイクロ波励起水素紫外光ランプの使用方法。
  7. 前記光源が、前記保護膜による光透過窓の透過率初期劣化を補填するだけの光出力を有する光源であって、該光源の光路上に前記光透過窓を配置し、初期劣化後の光学特性の低下を抑制したことを特徴とする請求項記載のマイクロ波励起水素紫外光ランプの使用方法。
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