JP4052296B2 - 液体移送装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体移送装置の製造方法に関し、特に圧電セラミックスを用いた液体移送装置の製造方法に関する。
インクジェットヘッドなどに用いられる液体移送装置の一種として、液体が収容される複数の圧力室を閉じるようにしてアクチュエータプレートが配され、このアクチュエータプレートが、撓みシート上に複数の圧電セラミックス層を各圧力室に対応して積層状態に接着させてなり、所要の圧電セラミックス層に電界を印加してアクチュエータプレートを局所的に撓み変形させることで液体を圧力室に連なる開孔から移送させる構成のものがある(例えば特許文献1参照)。
特開平9−314836号公報
上記圧電セラミックス層は、セラミックス材料のグリーンシートを焼成して得られた圧電セラミックスシートを小片に分断した後、各シート片を撓みシートに接着することで得られる。しかしながら、焼成された圧電セラミックスシートは高強度のものであるため、これを分断する工程には、ダイアモンドカッター等の大掛かりな装置が必要になる等の困難性が伴う。また、多数の圧電セラミックスのシート片を撓みシート上の各圧力室に対応した位置に精密に接着する必要がある。
そこで、本願出願人により次のような技術が開発されている。まず圧電セラミックス材料からなるグリーンシートを平坦な治具基板上に形成し、そのグリーンシートをレーザ等で分断した後に焼成して、その後、圧電セラミックスのシート片に接着材を塗布してから撓みシート上の各圧力室に対応した位置に一括して接着する。これにより、分断工程が簡易になるとともに、圧電セラミックスのシート片を高い位置精度で接着することができる。
ここで、グリーンシートは焼成される際に幾分収縮することから、治具基板上での各シート片の位置にばらつきが生じる。すると、各シート片を撓みシートに接着した場合に、それらの位置精度が低くなってしまい、例えば液体の移送性能の低下や装置の小型化の妨げになるという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、圧電セラミックス層の位置精度を高めることの可能な液体移送装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係る液体移送装置の製造方法は、液体が収容される複数の圧力室を閉じるようにアクチュエータプレートが配され、そのアクチュエータプレートが、撓みシートと、前記各圧力室に対応して設けられた圧電セラミックス層とを備えてなるものであって、前記アクチュエータプレートの所要の圧電セラミックス層に電界を印加して前記アクチュエータプレートを局部的に撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連なる開孔から移送させる液体移送装置の製造方法であって、前記各圧力室に対応する位置に凹形状または凸形状の少なくとも一方を備える位置決め部が設けられた治具基板上に前記圧電セラミックス層を形成するためのグリーンシートを積層するグリーンシート積層工程と、前記グリーンシートを分断して前記治具基板上に前記各圧力室に対応する複数のシート片を形成する分断工程と、前記分断工程にて形成された前記複数のシート片をそれぞれ前記位置決め部により前記治具基板に位置決めされた状態で焼成して複数の前記圧電セラミックス層を形成する焼成工程と、前記位置決め部により前記治具基板上で位置決め状態にある前記複数の圧電セラミックス層を、前記撓みシートに対して固着する接着工程とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記接着工程は、前記撓みシートの表面における前記圧電セラミックス層の配置パターンに対応した部分のみに接着剤を塗布し、その撓みシートを焼成後の前記圧電セラミックス層に押し付けて行うところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記接着工程は、焼成後の前記圧電セラミックス層全面に接着剤を塗布し、前記撓みシートを前記圧電セラミックス層の接着剤塗布面に押し付けて行うところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記位置決め部は、前記各圧電セラミックス層の中央または重心に対応する位置に設けられているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記位置決め部は、前記治具基板から突出した位置決め突起または前記治具基板を窪ませた位置決め凹部であり、前記位置決め突起の先端または前記位置決め凹部の底偶部が面取り形状をなしているところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記位置決め部は、前記治具基板から突出した位置決め突起または前記治具基板を窪ませた位置決め凹部であり、前記位置決め突起または前記位置決め凹部の周面が先細り状またはすり鉢状のテーパ形状をなしているところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載のものにおいて、前記位置決め部は、前記治具基板面に垂直な軸を中心とした回転体形状をなしているところに特徴を有する。
請求項8の発明は、液体が収容される複数の圧力室を閉じるようにアクチュエータプレートが配され、そのアクチュエータプレートが、少なくとも前記圧力室と反対側の面が非導電性の材料からなる撓みシートと、前記各圧力室に対応して設けられた圧電セラミックス層とを備えてなるものであって、前記アクチュエータプレートの所要の圧電セラミックス層に電界を印加して前記アクチュエータプレートを局部的に撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連なる開孔から移送させる液体移送装置の製造方法であって、前記各圧力室に対応する位置に凹部または凸部の少なくとも一方を備えた位置決め部が設けられた治具基板上に前記圧電セラミックス層を形成するためのグリーンシートを積層するグリーンシート積層工程と、前記グリーンシートを分断して前記治具基板上に前記各圧力室に対応する複数のシート片を形成する分断工程と、前記分断工程にて形成された前記複数のシート片をそれぞれ前記位置決め部により前記治具基板に位置決めされた状態で焼成して複数の前記圧電セラミックス層を形成する焼成工程と、前記撓みシート上に第1の電極層を形成する第1の電極形成工程と、前記位置決め部により前記治具基板上で位置決め状態にある前記複数の圧電セラミックス層を、前記第1の電極層に対して固着する接着工程と、前記圧電セラミックス上に前記第1の電極層と対となる第2の電極層を形成する第2の電極形成工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8に記載の液体移送装置の製造方法であって、前記第1の電極形成工程と前記接着工程との間に、前記撓みシートの前記第1の電極層が形成された面に複数の前記圧力室にまたがって異方性導電層を形成する異方性導電層形成工程をさらに含むとともに、前記接着工程において、前記圧電セラミックス層を、前記異方性導電層を押し潰しつつ固着することを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項8または請求項9に記載の液体移送装置の製造方法であって、前記第1の電極形成工程において、前記第1の電極層を前記圧力室に対応する領域に形成し、前記第2の電極形成工程において、前記第2の電極層を全面にわたって形成することを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載のものにおいて、前記分断工程は、前記グリーンシートを複数のシート片と不使用部とに分割することを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載のものにおいて、前記分断工程は、前記グリーンシートに対しレーザ光線を照射して行うことを特徴とする。
<請求項1および請求項8の発明>
治具基板に位置決め部を設けたことによって、圧電セラミックス層の焼成時の収縮による位置ずれを防止することができる。従って、各圧電セラミックス層を撓みシート上に接着したときの位置精度が高められる。
<請求項2の発明>
接着工程では、撓みシートの表面における圧電セラミックス層の配置パターンに対応した部分のみに接着剤を塗布し、その撓みシートを焼成後の圧電セラミックス層に押し付けて行うことにより、治具基板上の圧電セラミックス層のうち、配置パターンに対応した部分のみを選択的に撓みシート側へ転写させることができる。
<請求項3の発明>
接着工程では、焼成後の圧電セラミックス層の全面に接着剤を塗布した後、撓みシートを圧電セラミックス層の接着剤塗布面に押し付けるようにすることで、接着剤をパターン状に塗布する必要がない分、接着工程を簡易に行うことができる。
<請求項4の発明>
圧電セラミックス層は収縮のときに位置決め部から離れた部分ほど位置ずれする量が大きくなるが、本構成では、位置決め部が圧電セラミックス層の中央または重心に対応する位置に設けられているため、位置決め部を端寄りに設けた場合に比べて、圧電セラミックス層全体の位置ずれ量を小さくできる。
<請求項5の発明>
位置決め突起の先端または位置決め凹部の底隅部を面取り形状としたことで、圧電セラミックス層が収縮したとき等にその位置決め突起または凹部の周辺部分に割れ等が生じることが防止される。
<請求項6の発明>
位置決め突起または位置決め凹部の周面が先細り状またはすり鉢状のテーパ形状をなしていることで、撓みシートに接着した圧電セラミックス層を治具基板から剥離させる場合に、位置決め突起または位置決め凹部を圧電セラミックス層から円滑に離脱させることができる。
<請求項7の発明>
位置決め部が治具基板面に垂直な軸を中心とした回転体形状をなしていることで、圧電セラミックス層が収縮したとき等にその位置決め部の周辺部分に割れ等が生じることが防止される。
<請求項9の発明>
請求項9の発明によれば、第1の電極層上に異方性導電層を設け、圧電セラミックス層をこの異方性導電層を押し潰しつつ固着する。このとき、異方性導電層において圧電セラミックス層と第1の電極層とに挟まれた領域では、圧縮されて導通が確保される。一方、圧電セラミックス層が固着されていない領域では、圧縮されていないために絶縁性が維持されているから、第1の電極層と第2の電極層との間の短絡が防止される。
<請求項10の発明>
請求項10の発明によれば、第1の電極層を前記圧力室に対応する領域に形成する個別電極とし、第2の電極層を複数の前記圧力室に対応する領域に渡って形成する共通電極とする。ここで、個別電極は複数の圧力室に対応する複数の領域に個別に形成されるとともに、各個別電極ごとに駆動回路と連絡する配線部の引き回しが必要となるので、複雑なパターンを有する。したがって、圧電セラミックス層を積層する前の平板な撓みシート面に形成される第一の電極層の方を個別電極とする方が、作業性および接続信頼性に優れる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について図1から図7を参照して説明する。本実施形態の液体移送装置10は、インクジェットプリンタ(図示せず)のインクジェットヘッドとして用いられるものであり、図1は、液体移送装置10を圧力室12の長手方向と平行に切断した断面図、図2は、液体移送装置10の一部破断平面図、図3は、液体移送装置10を圧力室12の配列方向と平行に切断した断面図である。
液体移送装置10は、インク11(本発明の「液体」に相当)が収容される複数の圧力室12を備えた流路ユニット13と、この流路ユニット13上に圧力室12を閉じるように接合されたアクチュエータプレート14とを備えて構成されている。
流路ユニット13は、ノズルプレート16、マニホールドプレート17、流路プレート18、圧力室プレート19を積層して構成されており、これらの各プレート16,17,18,19は、互いにエポキシ系の熱硬化性の接着剤にて接合されている。
圧力室プレート19はステンレス等の金属材料にて形成され、細長形状の複数の圧力室12が整列して設けられている。流路プレート18は、同じくステンレス等の金属材料にて形成されており、それぞれ圧力室12の両端に連通したマニホールド流路20とプレッシャ流路21とが設けられている。マニホールドプレート17は、やはりステンレス等の金属材料にて形成され、その内部にはインクタンク(図示せず)に連通するマニホールド22と、プレッシャ流路21に接続したノズル流路23とが形成されている。更に、ノズルプレート16は、ポリイミド系の合成樹脂材料にて形成され、インク11を噴射するためのノズル24(本発明の「開孔」に相当)がノズル流路23に接続して形成されている。このようにして、インクタンクに接続されたマニホールド22から、マニホールド流路20、圧力室12、プレッシャ流路21およびノズル流路23を経てノズル24へと至る流路が形成されている。
アクチュエータプレート14は、撓みシート26に、各圧力室12に対応して圧電セラミックス層27を積層状態に接着してなるもので、撓みシート26は、ステンレス等の導電性の金属材料にて形成されており、圧力室プレート19の上面にエポキシ系の熱硬化性の導電性接着剤によって接合されている。なお、この撓みシート26は、下部電極としても使用されており、図示しない駆動回路のグランドに接続されている。
圧電セラミックス層27は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス材料から形成されている。図2に示すように、圧力室12は上方から視て略小判状をなしており、圧電セラミックス層27も圧力室12の形状を一回り小さくした略小判状をなしている。そして、圧電セラミックス層27は、その長手方向の中心線が圧力室12の長手方向の中心線と一致するようにして、撓みシート26の上面に導電性の接着剤によって接着されている。圧電セラミックス層27の上面における中央位置には、後述する治具基板30の位置決め突起31に対応した凹部29が形成されている。
また、圧電セラミックス層27の上面には、図示しない導電線を介して駆動回路と電気的に接続された上部電極28が形成されている。上部電極28は、フィルム状の導体で、圧電セラミックス層27上に貼付あるいはプリントされている。圧電セラミックス層27には分極処理が施されており、駆動回路によって上部電極28の電位が下部電極である撓みシート26より高い電位とされると、圧電セラミックス層27にその分極方向(上部電極28から下部電極に向かう方向)に電界が印加される。そして、圧電セラミックス層27が厚み方向に膨らむとともに、面方向(図1および図3において左右方向)に収縮する。これにより、図3の左部に示すように、圧電セラミックス層27と撓みシート26と(即ちアクチュエータプレート14)が、圧力室12側に凸となるように局所的に変形する(ユニモルフ変形)。このため、圧力室12の容積が低下して、インク11の圧力が上昇し、ノズル24からインク11が噴射される。その後、上部電極28が下部電極である撓みシート26と同じ電位に戻されると、圧電セラミックス層27と撓みシート26とが元の形状になって圧力室12の容積が元の容積に戻るので、インク11をマニホールド22より吸い込む。
次に、図4から図7を参照して、液体移送装置10の製造方法について説明する。
圧電セラミックス層27の形成には、図4(a)に示すように、アルミナ等の耐熱材料よりなる治具基板30が用いられる。この治具基板30の上面には、複数の位置決め突起31(本発明の「位置決め部」に相当)が突出して設けられている。この位置決め突起31は、後述するように、治具基板30上に形成される圧電セラミックスの各シート片32a(後の圧電セラミックス層27)に対して一個ずつ設けられている。各位置決め突起31は、円柱状をなしており、言い換えれば、治具基板30面に垂直な軸を中心とした回転体形状となっている。
まず、この治具基板30上に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等のセラミック粉末をバインダ樹脂に混合分散させたスラリー溶液を塗布して、グリーンシート32を表面が平坦になるように形成する(グリーンシート積層工程、図4(a)参照)。このとき、グリーンシート32には、位置決め突起31に対応した凹部29が形成される。
次に、図示しないYAGレーザ光源より出射されたレーザ光線33によって、グリーンシート32を複数のシート片32aと不使用部32bとに分断する(分断工程、図4(b)及び図5参照)。ここで、治具基板30上におけるシート片32aの位置は、流路ユニット13における圧力室12の位置と対応しており、シート片32aの形状は、圧力室12の平面視形状とほぼ同形状でかつ僅かに小さい程度の大きさである。また、前記した位置決め突起31は、それぞれ各シート片32aの中央に対応する位置に設けられており、その大きさはシート片32aに比べて十分に小さくされている。なお、シート片32aを分断するには、治具基板30上のグリーンシート32に治具を押し付けて分断するようにしても良い。いずれの場合でも、焼成されていないグリーンシート32を分断するので、大掛かりな装置を要さず、作業を簡易に行うことができる。
続いて、治具基板30上のグリーンシート32を焼成する。焼成が行われると、グリーンシート32がおよそ2〜3割程度収縮する(焼成工程、図4(c)参照)。このとき、各シート片32aの凹部29が位置決め突起31に凹凸係合した状態となっていることから、各シート片32aの中央部が位置決め突起31によって位置決めされている。そのため、焼成が進行すると、各シート片32aの周縁部が中央へ向けて変位するのに対し、シート片32aの中央部はほとんど位置ずれしない。また、位置決め突起31が円柱形(回転体形状)であるから、シート片32aが収縮した時の位置に収縮に伴う応力集中が生じることが少なくなり、位置決め突起31の周辺部分に割れや歪み等が生じることが防止される。
一方、ノズルプレート16、マニホールドプレート17、流路プレート18、圧力室プレート19及び撓みシート26を互いに位置合わせした状態で積層し接着する(流路ユニット形成工程)。このとき、各プレート16,17,18,19には、ノズル24、圧力室12、マニホールド22等に相当する孔を予め設けておく。これにより、流路ユニット13内には、それぞれの孔が連通するように位置合わせされ、マニホールド22から圧力室12を介してノズル24に至る流路が形成されている。
続いて、撓みシート26の表面において、圧電セラミックス層27の配置パターンに対応した部分のみに、導電性の接着剤34を塗布する。接着剤34の塗布方法の一例を挙げると、まず接着剤34を図示しない平面部材の一面全体に一様に塗布する。そして、シート片32aと同じ形状の凹部が圧力室12と同じパターンで配列された型を、接着剤34の塗布された平面部材に押し付けて、接着剤34を部分的に除去する。そして、平面部材上にシート片32aと同じ形状で圧力室12と同じパターンで残存した接着剤34を、撓みシート26の圧力室12と対応した位置に転写する。このとき、残存した接着剤34の領域は、接着される圧電セラミックス層27の外形と同じか、その外形にほぼ相似で、かつ少し広目に形成しておく。これにより、撓みシート26と圧電セラミックス層27との接着不良を防ぐことができる。その後、撓みシート26と治具基板30とを位置合わせして、撓みシート26をシート片32a(圧電セラミックス層27)に押し付ける(接着工程、図6参照)。このとき、各シート片32aが位置決め突起31によって治具基板30に位置決めされているため、各シート片32aの位置ずれが防止される。なお、この接着工程では、まず上記と同様の手順で治具基板30上の各シート片32a(圧電セラミックス層27)の表面だけに接着剤34を塗布した後、撓みシート26を各シート片32aに押し付けるようにしても良い。
そして、接着剤34を固化させた後、治具基板30を流路ユニット13から引き離すと、接着剤34によって撓みシート26に接着されたシート片32aのみが治具基板30より剥離する(剥離工程、図7参照)。これにより、撓みシート26の表面に複数の圧電セラミックス層27(シート片32a)が所望の配置パターンで接着されたものが得られる。
なお、上記の接着工程において、圧力室12に対応した焼成後のシート片32a上に接着剤34を転写により塗布したが、直接塗布しても良い。
さらに、上記した接着工程及び剥離工程において、焼成後のシート片32a及び不使用部32bの全面に接着剤34を塗布した後、その接着剤塗布面に撓みシート26を押し付けて各シート片32a及び不使用部32bの両方を撓みシート26に接着させ、治具基板30から剥離させるようにしても良い。あるいは、接着工程において、撓みシート26の全面に接着剤34を塗布した後、その撓みシート26を焼成後のシート片32a及び不使用部32bに押し付けて、シート片32a及び不使用部32bの両方を撓みシート26に接着させ、治具基板30から剥離させるようにしても良い。いずれにしても、本実施の形態では、不使用部32bが圧力室プレート19と撓みシート26との接着面上に配置され、この部分の剛性が向上する。これは、圧力室12に対応した撓みシート26の変位が隣接する圧力室12に伝搬しくくなるので、クロストークの低減という効果がある。
この後、各圧電セラミックス層27(シート片32a)上に上部電極28を貼付またはプリントにより形成する(電極形成工程)。そして、上部電極28及び下部電極である撓みシート26間に通常のインク噴射動作時よりも強い電界を印加して、両電極間の圧電セラミックス層27を厚み方向に分極させる(分極工程)ことにより、液体移送装置10が完成する。
以上のように、本実施形態によれば、治具基板30面上に突出する位置決め突起31を設けたことによって、圧電セラミックス層27(シート片32a)の焼成時の収縮による位置ずれを防止することができる。この位置決め突起31は、圧力室12の配置パターンに対応して設けられている。従って、各圧電セラミックス層27を撓みシート26上に接着したときの位置精度が高められる。これにより、例えば圧電セラミックス層27の位置ずれによる液体の移送性能の低下を回避でき、また高密度化によって、液体移送装置10の小型化を図ることができる。
また、接着工程では、撓みシート26の表面における圧電セラミックス層27の配置パターンに対応した部分のみに接着剤34を塗布し、その撓みシート26を焼成後の圧電セラミックス層27に押し付けて行うことにより、治具基板30上の圧電セラミックスのシート32a,32bのうち、配置パターンに対応した部分(シート片32a)のみを選択的に転写させることができる。
また、これとは別に、接着工程では、焼成後の圧電セラミックスシート32a,32bの全面に接着剤34を塗布した後、撓みシート26を圧電セラミックスシート32a,32bの接着剤塗布面に押し付けるようにすることで、前記のように圧電セラミックスのシート片32aのみを選択的に転写させる場合に比べると、接着剤34をパターン状に塗布する必要がない分、接着工程を簡易に行うことができる。
さらに、圧電セラミックス層27は収縮のときに位置決め突起31から離れた部分ほど位置ずれする量が大きくなるが、本実施形態では、位置決め突起31が圧電セラミックス層27の中央に対応する位置に設けられているため、位置決め突起31を端寄りに設けた場合に比べて、圧電セラミックス層27全体の位置ずれ量を小さくできる。なお、圧電セラミックス層27が本実施形態のように厚みが一定の2次元的(平面的)形状であった場合には、その平面視形状の中央に対応する位置に位置決め突起31を設ければ良く、厚みが一定でないような3次元的(立体的)形状であった場合には、その重心に対応する位置に位置決め突起31を設けると良い。
また、位置決め突起31が治具基板30面に垂直な軸を中心とした回転体形状であるから、圧電セラミックス層27(シート片32a)が収縮したときに、位置決め突起31の周囲で圧電セラミックス層27の収縮状態が比較的等方的になるので、位置決め突起31の周辺部分に割れや歪み等が生じることが防止される。
図8には、第1実施形態の変形例を示した。図8(a)に示した位置決め突起36は、円錐形状をなしている。言い換えれば、位置決め突起31は、その周面が先細り状のテーパ形状となっており、また、治具基板30面に垂直な軸を中心とした回転体形状となっている。焼成後の圧電セラミックス層27には、円錐形の位置決め突起36に対応してすり鉢状に窪んだ凹部37が形成される。上述した以外の構成については第1実施形態による液体移送装置10と同様である。
この変形例によれば、第1実施形態と同様の作用効果に加え、前述の剥離工程を行う場合に、撓みシート26に接着された圧電セラミックス層27の凹部37から位置決め突起36を円滑に離脱させることができる。
また、図8(b)に示した位置決め突起38は、基端側が円柱状をなしその先端が略半球形となっている。即ち、この位置決め突起38は、先端が角のない面取り形状となっており、圧電セラミックス層27の収縮のときに位置決め突起38の周辺部分において割れ等が生じにくくなっている。また、この位置決め突起31は、治具基板30面に垂直な軸を中心とした回転体形状にもなっている。また圧電セラミックス層27には、この位置決め突起38に対応した形状の凹部39が形成される。
図9には、第1実施形態の別の変形例を示した。図9(a)に示した位置決め突起40は、断面正方形の角柱状をなしている。圧電セラミックス層27には、この位置決め突起40に対応した凹部41が形成されている。
また、図9(b)に示した位置決め突起42は、平断面が圧電セラミックス層27の長さ方向と同じ方向に細長く、かつ丸みを帯びた形状となっている。圧電セラミックス層27には、この位置決め突起42に対応した凹部43が形成されている。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図10によって説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
治具基板30の上面には、複数の位置決め凹部45(本発明の「位置決め部」に相当)が窪んで設けられている。この位置決め凹部45は、治具基板30上に形成される各圧電セラミックス層27(シート片32a)に対して一個ずつ設けられており、かつそれぞれ各圧電セラミックス層27の中央に対応する位置に配設されている。また、位置決め凹部45は、平断面が半径一定の円形であり、即ち治具基板30に垂直な軸を中心とした回転体形状となっている。圧電セラミックス層27には、この位置決め凹部45に対応した円柱状の突起46が形成される。
この実施形態によれば、治具基板30を窪ませた位置決め凹部45を設けたことによって、圧電セラミックス層27(シート片32a)の焼成時の収縮による位置ずれを防止することができる。従って、各圧電セラミックス層27を撓みシート26上に接着したときの位置精度が高められる。
また、図10(b)は、第2実施形態の変形例を示している。この位置決め凹部47は、その周面がすり鉢状(逆円錐状)のテーパ形状をなしており、やはり治具基板30に垂直な軸を中心とした回転体形状となっている。また、圧電セラミックス層27には、位置決め凹部47に対応して円錐形の突起48が形成される。この変形例によれば、剥離工程を行う場合に、撓みシート26に接着された圧電セラミックス層27の突起48をから位置決め凹部47から円滑に離脱させることができる。
さらに、図10(c)は、第2実施形態の別の変形例であり、この位置決め凹部49は、開口側が半径が一定の断面円形をなし、底面が半球状をなしている。即ち、この位置決め凹部49は、底隅部が面取り形状をなし、また治具基板30に垂直な軸を中心とした回転体形状である。また、圧電セラミックス層27には、位置決め凹部49に対応した突起50が形成される。
なお、第2実施形態において、位置決め凹部45の断面形状を例えば正方形、長方形、楕円形等にしても良い。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を図11(a)(b)によって説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の位置決め部51は、半径一定の断面円形に窪んだ位置決め凹部51aと、その外周部に位置決め凹部51aと同軸の円筒状に突出した位置決め突起51bとから構成されており、やはり治具基板30に垂直な軸を中心とした回転体形状である。圧電セラミックス層27には、この位置決め部51に凹凸部52が形成される。本実施形態によっても第1実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態において位置決め部51の平面視形状は同心円状をなしているが、これを例えば正方形状、長方形状、楕円形状等にしても良い。また、位置決め部51の上面・底面は平坦であるが、曲面にしても良い。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態を図12(a)(b)によって説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の位置決め部54は、治具基板30上に突出する円錐状の位置決め突起54aと、その外周に位置決め突起54aと同軸の円形に窪んだ位置決め凹部54bと、さらにその外周に位置決め突起54aと同軸の円形に突出した位置決め突起54cとから構成されている。この位置決め部54は、その周面が先細り状またはすり鉢状のテーパ形状をなし、また治具基板30に垂直な軸を中心とした回転体形状である。また圧電セラミックス層27には、この位置決め部54に対応した凹凸部55が形成される。本実施形態によっても第1実施形態と概ね同様の効果が得られる。
なお、本実施形態において位置決め部54の平面視形状は同心円状をなしているが、これを例えば正方形状、長方形状、楕円形状等にしても良い。また、位置決め部54の上面・底面の角部を面取り形状としても良い。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態を図13〜図16によって説明する。
本実施形態の液体移送装置60は、第1実施形態と同様に、インクジェットプリンタ(図示せず)のインクジェットヘッドとして用いられるものである。図13は、液体移送装置60を圧力室12の長手方向と平行に切断した断面図、図14は、液体移送装置60を圧力室12の配列方向と平行に切断した断面図、図15は、図14における円R内の拡大図、図16は、撓みシート62上に下部電極63を形成した様子を示す上面図である。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の液体移送装置60におけるアクチュエータプレート61は、撓みシート62において各圧力室12に対応する領域に、下部電極63、異方性導電層64、圧電セラミックス層27、上部電極65をこの順に積層してなるものである。撓みシート62は、ポリイミド等の非導電性(絶縁性)の樹脂にて形成されて、圧力室プレート19の上面に接合されている。
この撓みシート62上に設けられる下部電極63は、薄膜状の導体をプリント等によって所定形状に形成したものである。この下部電極63は、圧力室12の平面視形状を一回り小さくしたような細長い小判状をなしており、撓みシート62上において各圧力室12に対応する位置に重ねて形成されている。各下部電極63の一端からは、配線部63Aが流路ユニット13の長手方向に延設されている。そして、各配線部63Aの端部は、図示しない駆動回路の駆動信号を出力する端子と接続されている。
下部電極63が設けられた撓みシート62上には、全面にわたって異方性導電層64が設けられている。この異方性導電層64は、例えば熱硬化性エポキシ樹脂に金属等の導電性粒子を分散させたものであって、下に述べる圧電セラミックス層27を下部電極63上に接着する接着剤としての役割を果たすとともに、厚み方向に圧縮することによりその厚み方向(圧縮方向)にのみ電流を通すことができるようになっている。
圧電セラミックス層27は、第1実施形態と同様にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックス材料により、圧力室12の形状を一回り小さくした略小判状に形成されている。この圧電セラミックス層27は、各圧力室12に対応する位置に、異方性導電層64を介して下部電極63と上下方向に重なるようにして接着されている。この圧電セラミックス層27が存在する領域では、異方性導電層64が圧電セラミックス層27によって押し潰されており、これにより、異方性導電層64は、下部電極63に対応する領域において導電性を有している。一方、圧電セラミックス層27の周辺領域では、異方性導電層64は押し潰されておらず、絶縁性を維持した状態となっている。なお、圧電セラミックス層27の上面における中央位置には、第1実施形態と同様に治具基板30の位置決め突起31に対応した凹部29が形成されている。
また、この異方性導電層64上には、この異方性導電層64およびその上に形成された圧電セラミックス層27の表面を覆う上部電極65が全面にわたって形成されている。上部電極65は、フィルム状の導体で、異方性導電層64上に貼付あるいはプリントされている。この上部電極65は、図示しない導電線を介して駆動回路のグランドに接続されている。
この液体移送装置60を製造する際には、まず、第1実施形態と同様に、グリーンシート積層工程、分断工程、焼成工程を経て、治具基板30上に圧電セラミックス層27となるシート片32aを形成する。このとき、治具基板30上には位置決め突起31が設けられているから、第1実施形態と同様に、焼成に伴うシート片32aの位置ずれを防止することができる。
同時に、ノズルプレート16、マニホールドプレート17、流路プレート18、圧力室プレート19及び撓みシート62を互いに位置合わせした状態で積層し接着する。
次に、撓みシート62の表面に、下部電極63および配線部63Aをスクリーン印刷により形成する(第1の電極形成工程)。次いで、下部電極63が形成された撓みシート62上に、熱硬化性エポキシ樹脂中に導電性粒子を分散させた異方性導電フィルム(ACF;Anisotropic Conductive Film)を全面にわたって貼り付けることにより、異方性導電層64を形成する。
続いて、撓みシート62と治具基板30とを位置合わせして、異方性導電層64にシート片32a(圧電セラミックス層27)を押し当てる(接着工程)。このとき、各シート片32aが位置決め突起31によって治具基板30に位置決めされているため、各シート片32aの位置ずれが防止される。そして、治具基板30を撓みシート62側に向かって押圧することにより、各シート片32aが異方性導電層64を押し潰しつつ接着されるようにする。
そして、異方性導電層64を加熱により固化させた後、治具基板30を流路ユニット13から引き離すと、異方性導電層64によって撓みシート62に接着されたシート片32aが治具基板30より剥離する(剥離工程)。これにより、撓みシート62の表面に複数の圧電セラミックス層27(シート片32a)が所望の配置パターンで接着されたものが得られる。なお、治具基板30上には各シート片32aの間に不使用部32bが存在しており、この不使用部32bも同様に撓みシート62上に転写されるが、この不使用部32bが接着される領域は圧力室12および下部電極63が存在しない領域であるから、特に影響はない。
この後、圧電セラミックス層27(シート片32a)および異方性導電層64の上面を覆う上部電極65を、貼付またはプリントにより全面にわたって形成する(第2の電極形成工程)。そして、上部電極65及び下部電極63間に通常のインク噴射動作時よりも強い電界を印加して、両電極間の圧電セラミックス層27を厚み方向に分極させる(分極工程)ことにより、液体移送装置60が完成する。
以上のように本実施形態によれば、第1実施形態と同様に治具基板30面上に突出する位置決め突起31を設けたことによって、圧電セラミックス層27(シート片32a)の焼成時の収縮による位置ずれを防止することができる。加えて、下部電極63上に異方性導電層64を設け、この異方性導電層64を押し潰しつつ圧電セラミックス層27(シート片32a)を接着する。このとき、圧電セラミックス層17が存在する領域では、異方性導電層64が圧縮されて導通が確保される。一方、圧電セラミックス層27が固着されていない領域では、異方性導電層64が圧縮されていないために絶縁性が維持されているから、配線部63Aと上部電極65との間の短絡が防止される。
また、本実施形態によれば下部電極63を各圧力室12に対応して形成される個別電極とし、上部電極65を全面にわたって形成する共通電極としている。ここで、個別電極は複数の圧力室12に対応する複数の領域に個別に形成されるとともに、各個別電極ごとに駆動回路と連絡する配線部63Aの引き回しが必要となるので、複雑なパターンを有する。したがって、セラミックス層27の存在により表面に段差が存在する状態で形成される上部電極65よりも、セラミックス層27を積層する前の平板な撓みシート62の上に形成される下部電極63の方を個別電極とする方が、電極形成の作業性がよい。また、アクチュエータプレート61作動時の接続信頼性も確保できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記各実施形態では、液体移送装置がインクジェットヘッドとして用いられるものを示したが、本発明は、例えば圧電セラミックスを利用して液体を移送するマイクロポンプの製造方法等にも適用することができる。
(2)上記各実施形態の位置決め部は、いずれも圧電セラミックス層の中央に対応する位置に一個のみ設けられているが、本発明によれば、位置決め部を圧電セラミックス層の中央以外の位置(端寄り位置など)に設けても良く、また位置決め部を一つの圧電セラミックス層に対し複数個設けるようにしても良い。
(3)上記実施形態では、撓みシートとして、導電性の金属材料もしくはポリイミド等の樹脂を用いたものを示したが、本発明によれば、アルミナ等のセラミックスを用いても良い。なおこの場合には、第5実施形態と同様に、そのセラミックスの表面に下部電極に相当する部位を別途設けることになる。
(4)第5実施形態では、下部電極63を各圧力室に対応した位置に形成される個別電極、上部電極65を全面に形成される共通電極としたが、これとは逆に下部電極(第1の電極層)を共通電極、上部電極(第2の電極層)を個別電極としても構わない。
(5)第5実施形態では、撓みシート62を非導電性の樹脂にて形成していたが、本発明によれば、ステンレス鋼などの金属材料のシートの一面にアルミナなどの非導電材料(絶縁性材料)の薄膜をエアロゾルデポジション法、スパッタ法などで形成することで撓みシートを形成しても良いし、シリコン材料からなる薄板の一面に非導電性(絶縁性)を有する酸化膜を形成することで撓みシートを形成しても良い。これらの場合、非導電性の膜が形成された面とは反対側の面が圧力室プレートの上面と接合される。
(6)第5実施形態では、下部電極63が形成された撓みシート62の全面にわたって異方性導電層64を設けているが、本発明によれば、下部電極63と重なる領域に限って異方性導電層を形成しても良い。この場合、配線部63Aと上部電極65との間には絶縁層を形成することが望ましい。
本発明の第1実施形態に係る液体移送装置を圧力室の長手方向に沿って切断した断面図 液体移送装置の一部破断平面図 液体移送装置を圧力室の配列方向に沿って切断した断面図 (a)治具基板上にグリーンシートを形成した状態を示す断面図 (b)グリーンシートをレーザにより分断した状態を示す断面図 (c)グリーンシートを焼成した後の状態を示す断面図 治具基板上のグリーンシートを分断した状態を示す一部破断平面図 撓みシートを治具基板上の圧電セラミックス層に押し付けた状態を示す断面図 圧電セラミックス層を治具基板より剥離した状態を示す断面図 (a)(b)第1実施形態の変形例における圧電セラミックス層の形成過程を示す断面図 (a)(b)第1実施形態の変形例における圧電セラミックス層の形成過程を示す平断面図 (a)第2実施形態における圧電セラミックス層の形成過程を示す断面図 (b)(c)第2実施形態の変形例における圧電セラミックス層の形成過程を示す平断面図 (a)第3実施形態における圧電セラミックス層の形成過程を示す断面図 (b)その平面図 (a)第4実施形態における圧電セラミックス層の形成過程を示す断面図 (b)その平面図 第5実施形態の液体移送装置を圧力室の長手方向と平行に切断した断面図 液体移送装置を圧力室の配列方向と平行に切断した断面図 図14における円R内の拡大図 撓みシート上に下部電極を形成した様子を示す上面図
符号の説明
10、60…液体移送装置
11…インク(液体)
12…圧力室
14、61…アクチュエータプレート
24…開孔
26、62…撓みシート
27…圧電セラミックス層
30…治具基板
31,36,38,40,42,51b,54a,54c…位置決め突起(位置決め部)
32…グリーンシート
32a…シート片(圧電セラミックス層)
34…接着剤
45,47,49,51a,54b…位置決め凹部(位置決め部)
51,54…位置決め部
63…下部電極(第1の電極層)
64…異方性導電層
65…上部電極(第2の電極層)

Claims (12)

  1. 液体が収容される複数の圧力室を閉じるようにアクチュエータプレートが配され、そのアクチュエータプレートが、撓みシートと、前記各圧力室に対応して設けられた圧電セラミックス層とを備えてなるものであって、前記アクチュエータプレートの所要の圧電セラミックス層に電界を印加して前記アクチュエータプレートを局部的に撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連なる開孔から移送させる液体移送装置の製造方法であって、
    前記各圧力室に対応する位置に凹形状または凸形状の少なくとも一方を備える位置決め部が設けられた治具基板上に前記圧電セラミックス層を形成するためのグリーンシートを積層するグリーンシート積層工程と、
    前記グリーンシートを分断して前記治具基板上に前記各圧力室に対応する複数のシート片を形成する分断工程と、
    前記分断工程にて形成された前記複数のシート片をそれぞれ前記位置決め部により前記治具基板に位置決めされた状態で焼成して複数の前記圧電セラミックス層を形成する焼成工程と、
    前記位置決め部により前記治具基板上で位置決め状態にある前記複数の圧電セラミックス層を、前記撓みシートに対して固着する接着工程とを備えたことを特徴とする液体移送装置の製造方法。
  2. 前記接着工程は、前記撓みシートの表面における前記圧電セラミックス層の配置パターンに対応した部分のみに接着剤を塗布し、その撓みシートを焼成後の前記圧電セラミックス層に押し付けて行うことを特徴とする請求項1に記載の液体移送装置の製造方法。
  3. 前記接着工程は、焼成後の前記圧電セラミックス層全面に接着剤を塗布し、前記撓みシートを前記圧電セラミックス層の接着剤塗布面に押し付けて行うことを特徴とする請求項1に記載の液体移送装置の製造方法。
  4. 前記位置決め部は、前記各圧電セラミックス層の中央または重心に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の液体移送装置の製造方法。
  5. 前記位置決め部は、前記治具基板から突出した位置決め突起または前記治具基板を窪ませた位置決め凹部であり、前記位置決め突起の先端または前記位置決め凹部の底偶部が面取り形状をなしていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の液体移送装置の製造方法。
  6. 前記位置決め部は、前記治具基板から突出した位置決め突起または前記治具基板を窪ませた位置決め凹部であり、前記位置決め突起または前記位置決め凹部の周面が先細り状またはすり鉢状のテーパ形状をなしていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の液体移送装置の製造方法。
  7. 前記位置決め部は、前記治具基板面に垂直な軸を中心とした回転体形状をなしていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の液体移送装置の製造方法。
  8. 液体が収容される複数の圧力室を閉じるようにアクチュエータプレートが配され、そのアクチュエータプレートが、少なくとも前記圧力室と反対側の面が非導電性の材料からなる撓みシートと、前記各圧力室に対応して設けられた圧電セラミックス層とを備えてなるものであって、前記アクチュエータプレートの所要の圧電セラミックス層に電界を印加して前記アクチュエータプレートを局部的に撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連なる開孔から移送させる液体移送装置の製造方法であって、
    前記各圧力室に対応する位置に凹部または凸部の少なくとも一方を備えた位置決め部が設けられた治具基板上に前記圧電セラミックス層を形成するためのグリーンシートを積層するグリーンシート積層工程と、
    前記グリーンシートを分断して前記治具基板上に前記各圧力室に対応する複数のシート片を形成する分断工程と、
    前記分断工程にて形成された前記複数のシート片をそれぞれ前記位置決め部により前記治具基板に位置決めされた状態で焼成して複数の前記圧電セラミックス層を形成する焼成工程と、
    前記撓みシート上に第1の電極層を形成する第1の電極形成工程と、
    前記位置決め部により前記治具基板上で位置決め状態にある前記複数の圧電セラミックス層を、前記第1の電極層に対して固着する接着工程と、
    前記圧電セラミックス上に前記第1の電極層と対となる第2の電極層を形成する第2の電極形成工程と、を備えたことを特徴とする液体移送装置の製造方法。
  9. 前記第1の電極形成工程と前記接着工程との間に、前記撓みシートの前記第1の電極層が形成された面に複数の前記圧力室にまたがって異方性導電層を形成する異方性導電層形成工程をさらに含むとともに、
    前記接着工程において、前記圧電セラミックス層を、前記異方性導電層を押し潰しつつ固着することを特徴とする請求項8に記載の液体移送装置の製造方法。
  10. 前記第1の電極形成工程において、前記第1の電極層を前記圧力室に対応する領域に形成し、前記第2の電極形成工程において、前記第2の電極層を複数の前記圧力室に対応する領域に渡って形成することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の液体移送装置の製造方法。
  11. 前記分断工程は、前記グリーンシートを複数のシート片と不使用部とに分割することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の液体移送装置の製造方法。
  12. 前記分断工程は、前記グリーンシートに対しレーザ光線を照射して行うことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の液体移送装置の製造方法。
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