JP4052057B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に適用されるトロイダル型無段変速機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトロイダル型無段変速機としては、例えば、特開平8−240252号公報に記載のものが知られている。
【0003】
トロイダル型無段変速機は、入出力ディスクとパワーローラを強い力で押し付け、その摩擦によって動力を伝達する。そのための押し付け力はローディングカムが発生し、入力ディスクを出力ディスクの方向に押し付ける。入力ディスクはパワーローラを押し付け、パワーローラは出力ディスクを押し付ける。ここで、入力トルクの変化により押し付け力が変動すると、各構成部品の弾性変形量が変化するため、それぞれの相対位置が変化する。上記従来例においては、出力ディスクは変速機ケースに対して軸方向に固定されており、入力ディスクとパワーローラが前記相対位置変化を吸収するために変位する。入力ディスクはローディングカムとの間に挟持されたカムローラがカム面を乗り上げることで前記変位を発生する。パワーローラについては、パワーローラを支持するトラニオンは変速機の軸方向には移動不可能であるため、パワーローラとトラニオンとの間に偏心軸とスラスト軸受を設け、トラニオンに対しパワーローラを入出力ディスクの回転軸方向に移動可能に支持することで、前記変位を可能としている。
【0004】
前記スラスト軸受は、転動体と保持器で構成されている。転動体は、トラニオンとパワーローラの間を転動し、パワーローラが移動する際の摩擦力を小さくしている。保持器は、隣り合う転動体が接触することを防止し、かつ、組み付けに便利なように転動体を保持している。
【0005】
前記偏心軸は、一端がトラニオンに設けられた穴に挿入され、残る一端がパワーローラを支持しており、トラニオンの穴を中心に偏心軸とパワーローラが揺動することで、入出力ディスク回転軸方向の移動を実現する。
【0006】
前記パワーローラは、入力トルクが増加すれば出力ディスク側に揺動し、入力トルクが低減すれば元の位置に戻る。このときスラスト軸受の転動体及び保持器は、パワーローラの揺動により同じ方向に揺動する(揺動量は半分)ため、転動体が転がりのみで滑らなければトラニオン上の同じ位置を往復することになる。しかしながら、実際には転動体とトラニオンの間は微少な滑りが発生し、揺動を数多く繰り返すと次第に相対位置のずれが生じ、転動体及び保持器がトラニオン上から外れてしまう。
【0007】
そこで、上記従来例においては、トラニオンにパワーローラ側に突出する凸部を設け、保持器の側面と係合させることで、保持器の変位量を規制し、転動体がトラニオンから外れることを防止している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトロイダル型無段変速機にあっては、保持器の変位量を規制するためにトラニオン側に凸部を設ける構成を採用しているため、トラニオンの形状が複雑になり、加工費が増大する。
【0009】
すなわち、トラニオンのパワーローラ支持面はエンドミルで加工することになるが、トラニオンに設けた凸部の形状が複雑であるため、径の小さい工具を用いる必要がある。よって、単位時間で加工できる面積が小さく、加工費が増大するという問題があった。
【0010】
また、トラニオン及びパワーローラの肉厚を確保するため、転動体の径を小さくすると、保持器も合わせて薄くなる。その結果、トラニオン凸部と保持器の係合面積が非常に小さくなり、接触面圧が高くなることによって、トラニオン凸部や保持器が変形してしまい、場合によって保持器が凸部を乗り越えてしまう、という問題があった。
【0011】
さらに、高負荷時に転動体及び保持器がトラニオンに対し出力ディスク側に相対移動し、トラニオンに設けた凸部によって移動規制された場合には、転動体の転がり運動が機能せず、転動体とパワーローラの接触面に滑りが生じてしまうという問題があった。
【0012】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、トラニオンの形状を単純とし、加工費を低減しながら、パワーローラが出力ディスク側に相対移動して規制を受けても転動体とパワーローラの接触面との滑りを低減することができるトロイダル型無段変速機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、パワーローラ外輪とトラニオンのパワーローラ収納部との間に、転動体と保持器とで構成されるスラスト軸受を配置したトロイダル型無段変速機において、前記スラスト軸受の保持器に、スラスト軸受のレース部材との干渉により弾性変形し、その弾性復元力を利用して保持器の位置を初期設定位置側へ補正する位置補正機構を設け、
前記位置補正機構を、トラニオン側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部をトラニオンに接して設けたバネ部とし、
かつ、前記バネ部を、保持器の両端部のうち、少なくとも入力ディスク側端部に設けた。
【0016】
【発明の効果】
スラスト軸受の保持器に設けた位置補正機構とスラスト軸受のレース部材(トラニオンやパワーローラ外輪)との干渉により弾性変形し、その弾性復元力を利用して保持器の位置を初期設定位置側へ補正することができる。この保持器の位置補正により転動体の転がり運動が確保されることで、転動体とパワーローラの接触面との滑りを低減することができる。加えて、スラスト軸受の保持器側に位置補正機構を設けたため、トラニオン側に位置補正機構を設ける場合に比べて、トラニオンの形状を単純とすることができ、これにより大きな径のエンドミルやフライスを用いてパワーローラ収納部を加工することが可能となり、トラニオンの加工費が低減される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明におけるトロイダル型無段変速機を実現する実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施例1は請求項1,2に係る発明、実施例2は請求項3に係る発明、実施例3は請求項4に係る発明、実施例4は請求項5に係る発明、実施例5は請求項6に係る発明、実施例6は請求項7に係る発明にそれぞれ対応する。
【0019】
(参考例1)
[全体構成について]
図1は参考例1のトロイダル型無段変速機を示す全体構成図で、10はトロイダル型無段変速機を示し、図外のエンジンからの回転駆動力がトルクコンバータ12を介して入力される。トルクコンバータ12は、ポンプインペラ12a,タービンランナ12b,ステータ12c,ロックアップクラッチ12d,アプライ側油室12e,及びリリース側油室12f等からなり、その中心部をインプットシャフト14が貫通している。
【0020】
前記インプットシャフト14は、前後進切換機構36と連結され、該機構36は、遊星歯車機構42,前進用クラッチ44及び後進用ブレーキ46などを備える。遊星歯車機構42は、ダブルピニオンを支持するピニオンキャリヤ42aとダブルピニオンの夫々と噛合するリングギヤ42b,サンギヤ42cを有してなる。
【0021】
前記遊星歯車機構42のピニオンキャリヤ42aはトルク伝達軸16に連結され、該トルク伝達軸16には、デュアルキャビティ型と呼ばれる第一無段変速機構18及び第二無段変速機構20が変速機ケース22内の下流側に配置される。尚、符号64で示すベースに、コントロールバルブ系のボディを配置する。
【0022】
前記第一無段変速機構18は、対向面がトロイド曲面に形成される一対の入力ディスク18a及び出力ディスク18bと、これら入出力ディスク18a,18bの対向面間に挟圧配置されると共にトルク伝達軸16に関し対称配置される一対のパワーローラ18c,18dと、これらパワーローラ18c,18dをそれぞれ傾転可能に支持する支持部材及び油圧アクチュエータとしてのサーボピストン(図2)を備える。第二無段変速機構20も同様、対向面がトロイド曲面に形成される一対の入力ディスク20a及び出力ディスク20bと、一対のパワーローラ20c,20dと、その支持部材及びサーボピストン(図2)を備える。
【0023】
トルク伝達軸16上において両無段変速機構18,20は、出力ディスク18b,20bが対向するように互いに逆向きに配置され、第一無段変速機構18の入力ディスク18aは、トルクコンバータ12を経た入力トルクに応じた押圧力を発生するローディングカム装置34によって図中軸方向右側に向かって押圧される。
【0024】
前記ローディングカム装置34は、ローディングカム34aを有し、スライドベアリング38を介し軸16に支持される。第二無段変速機構20の入力ディスク20aは、皿ばね40により図中軸方向左側に向かって押圧付勢されている。
【0025】
各入力ディスク18a,20aは、ボールスプライン24,26を介して伝達軸16に回転可能かつ軸方向に移動可能に支持される。
【0026】
上記機構において、各パワーローラ18c,18d,20c,20dは後述する作動により変速比に応じた傾転角が得られるようにそれぞれ傾転され、入力ディスク18a,20aの入力回転を無段階(連続的)に変速して出力ディスク18b,20bに伝達する。
【0027】
出力ディスク18b,20bは、トルク伝達軸16上に相対回転可能に嵌合された出力ギヤ28とスプライン結合され、伝達トルクは該出力ギヤ28を介し、出力軸(カウンタシャフト)30に結合したギヤ30aに伝達され、これらギヤ28,30aはトルク伝達機構32を構成する。また、出力軸30,50上に設けたギヤ52,56とこれらにそれぞれ噛合するアイドラギヤ54とよりなる伝達機構48を設け、出力軸50はこれをプロペラシャフト60に連結する。
【0028】
[変速制御系の構成について]
上記パワーローラ18c,18d,20c,20dを変速比に応じた傾転角が得られるようにそれぞれ傾転させる変速制御系について、図2に示す概略図により説明する。
【0029】
まず、各パワーローラ18c,18d,20c,20dは、トラニオン17a,17b,27a,27bの一端に支持されていて、パワーローラ回転軸線15a,15b,25a,25bを中心として回転自在であり、ディスク回転軸方向にスライド移動可能に支持される。このトラニオン17a,17b,27a,27bの他端部には、トラニオン17a,17b,27a,27bを軸方向に移動させる油圧アクチュエータとしてサーボピストン70a,70b,72a,72bが設けられている。
【0030】
前記サーボピストン70a,70b,72a,72bを作動制御する油圧制御系として、ハイ側油室に接続されるハイ側油路74と、ロー側油室に接続されるロー側油路76と、ハイ側油路74を接続するポート78aとロー側油路76を接続するポート78bを有する変速制御弁78とが設けられている。
【0031】
前記変速制御弁78のライン圧ポート78cには、オイルポンプ80及びリリーフ弁82を有する油圧源からのライン圧が供給される。変速制御弁78の変速スプール78dは、トラニオン17aの軸方向及び傾転方向を検知し、変速制御弁78にフィードバックするレバー84及びプリセスカム86と連動する。変速制御弁78の変速スリーブ78eは、ステップモータ88により軸方向に変位するように駆動される。
【0032】
前記ステップモータ88を駆動制御する電子制御系として、CVTコントローラ110が設けられ、このCVTコントローラ110には、スロットル開度センサ112、エンジン回転センサ114、入力軸回転センサ116、出力軸回転センサ(車速センサ)118等からの入力情報が取り込まれる。
【0033】
[パワーローラ支持構造について]
上記各パワーローラ18c,18d,20c,20dから代表として選んだパワーローラ18cの支持構造について、図3によりその構成を説明する。尚、他のパワーローラ18d,20c,20dについても同様の構造を採用する。
【0034】
前記トラニオン17aは、一端部にパワーローラ収納部91が凹設され、該パワーローラ収納部91に対し、入出力ディスク18a,18bの回転軸方向に沿って平行移動可能にパワーローラ18cを支持している。また、トラニオン17aは、パワーローラ回転軸線15aと直交する傾転軸19a(=首振り軸線)の周りに傾転可能である。
【0035】
前記パワーローラ18cは、入出力ディスク18a,18bに摩擦接触するパワーローラ内輪93と、該パワーローラ内輪93をころ軸受95により回転可能に支持する軸部94aを有するパワーローラ外輪94と、前記パワーローラ内輪93とパワーローラ外輪94との間に介装された玉軸受92(パワーローラ軸受)とを有して構成され、挟圧に伴い入出力ディスク18a,18bから前記パワーローラ内輪93に入力される接触荷重を、玉軸受92を介してパワーローラ外輪94により受け止めようにしている。
【0036】
前記パワーローラ外輪94と前記パワーローラ収納部91との間であって、パワーローラ回転軸15aから上下に離れた位置には、左右方向に沿って平行移動可能にパワーローラ18cを支持しながら、前後方向に作用する押付力と、上下方向に作用する動力伝達力とを共に支えるスラストニードル軸受96(スラスト軸受)が、パワーローラ18cの左右方向に沿って傾斜配置されている。
【0037】
軸受部潤滑構造について述べると、前記トラニオン17aには、図外の油圧ユニットにより作り出された潤滑油が供給されるトラニオン側油路97が形成され、前記パワーローラ外輪94には、トラニオン側油路97からの潤滑油をパワーローラ内部の玉軸受92やころ軸受95に導く外輪側油路98が形成されている。そして、前記トラニオン側油路97のパワーローラ外輪支持面に設けた潤滑油供給口97aとパワーローラ外輪背面の潤滑油供給口98aのうち、一方の潤滑油供給口97aに潤滑油供給管99の一端部を固定し、潤滑油供給管99の他端部を他方の潤滑油供給口98aまで突き出して設けている。そして、前記潤滑油供給管99の外周部には、潤滑油の漏れを抑制するために、弾性体100によりパワーローラ外輪94側に付勢された円盤状部材101が配設されている。
【0038】
[移動規制機構について]
前記スラストニードル軸受96の左右方向の移動規制機構について、図4〜図5により説明する。
【0039】
まず、スラストニードル軸受96は、上下の傾斜位置にそれぞれ左右方向に列設して多数のころ穴96cが形成された保持器96aと、多数のころ穴96cに転動可能に遊設されたころ96bにより構成されている。
【0040】
トラニオン17aのパワーローラ収納凹部91には、図4に示すように、前記スラストニードル軸受96のころ96bが接触する上下一対の傾斜支持面91a,91aと、前記潤滑油供給口97aが中央部に開口された垂直対向面91bと、を有する。
【0041】
そして、スラストニードル軸受96の保持器96aの両端部には、図5に示すように、トラニオン17a側に突出した凸部96d(移動規制機構)を設け、該凸部96dとトラニオン17aを係合させることで、トラニオン17aに対する保持器96aのスライド移動量を設定移動量に規制するようにしている。つまり、保持器96aの凸部96d,96dとトラニオン17aの両端係合面との間には、トラニオン17aに対するスラストニードル軸受96の左右方向移動量を設定移動量に規制する許容移動隙間t,tを介在させている。
【0042】
ここで、前記凸部96dは、保持器96aの材料に鋼板を用い、プレスによって端部を曲げ加工することで製作される。
【0043】
また、前記凸部96dの係合面は、保持器96aが揺動してトラニオン17aと当接したときに面接触となるように形成されている。しかも、凸部96dの高さは特に規制が無いため、接触面圧が材料強度以下になるように十分な接触面積を確保している。
【0044】
また、許容移動隙間t,tは、最大入力トルクが負荷されたときのスラストニードル軸受96の移動量に対して余裕を持つと共に、ころ96bが脱落することが無いような値に設定されている。
【0045】
次に、作用を説明する。
【0046】
[変速比制御作用]
トロイダル型無段変速機は、トラニオン17a,17b,27a,27bを傾転軸19aの方向に変位し、パワーローラ18c,18d,20c,20dを傾転させることによって変速比を変える。
【0047】
つまり、CVTコントローラ90からの目標変速比が得られる駆動指令によりステップモータ88を回転させるとによって変速スリーブ78eが変位すると、サーボピストン70a,70b,72a,72bの一方のサーボピストン室に作動油が導かれ、他方のサーボピストン室から作動油が排出され、トラニオン17a,17b,27a,27bが傾転軸19aの方向に変位する。
【0048】
これにより、パワーローラ18c,18d,20c,20dの回転中心がディスク回転中心位置に対してオフセットする。このオフセットによりパワーローラ18c,18d,20c,20dと入出力ディスク18a,18b,20a,20bとの接触部で発生するサイドスリップ力によりパワーローラ18c,18d,20c,20dが傾転する。
【0049】
この傾転運動およびオフセットは、プリセスカム86及びレバー84を介して変速スプール78dに伝達され、ステップモータ88により変位している変速スリーブ78eとの釣り合い位置で静止し、所定の傾転角となった時点でトラニオントラニオン17a,17b,27a,27bに与えた変位が元のディスク回転中心位置に戻され、パワーローラ18c,18d,20c,20dの傾転動作を停止することでなされる。変速比は、パワーローラ18c,18d,20c,20dの傾転角により決まる。
【0050】
[パワーローラの荷重支持及びスライド作用]
パワーローラ18cを代表例として、パワーローラ18cの荷重支持作用及びスライド作用について説明する。なお、他のパワーローラ18d,20c,20dも同様の作用を示す。
【0051】
動力伝達時、挟圧に伴い入出力ディスク18a,18bからパワーローラ18cのパワーローラ内輪93に入力される接触荷重は、玉軸受92を介してパワーローラ外輪94により受け止められる。そして、パワーローラ外輪94とパワーローラ収納部91との間に配置されたスラストニードル軸受96により、パワーローラ18cの前後方向に作用する押付力が支えられると共に、パワーローラ18cの上下方向に作用する動力伝達力が支えられる。
【0052】
よって、パワーローラ18cに上下方向の動力伝達力が作用してもスラストニードル軸受96によりこの荷重が支えられ、上下荷重と同時に、パワーローラ18cに対し左右方向の荷重が作用しても、スラストニードル軸受96による低い転がり抵抗によりパワーローラ18cが左右方向へ移動する。つまり、パワーローラ18cに上下方向の動力伝達力が作用しても左右方向への円滑なパワーローラ18cの平行移動運動が確保される。
【0053】
このように、パワーローラ18cに上下方向の荷重が作用しても左右方向への円滑なパワーローラ18cの平行移動運動が確保されるため、例えば、動力伝達時に入出力ディスク18a,18bが変形した際や、組立時に発生し得るミスアライメントが生じた際に、これらの位置ずれを吸収するための、パワーローラ18cの左右方向の平行移動を円滑に行うことが可能となり、パワーローラ18cに対して、入力ディスク18a側から作用する押付力と、出力ディスク18b側から作用する押付力を均等に保つことができる。
【0054】
よって、入力ディスク18a側からの押付力と、出力ディスク18b側の押付力とがアンバランスになり、入出力ディスク18a,18bとパワーローラ18cとの接触部で滑り等が発生することを抑制できる。
【0055】
また、トラニオンにパワーローラを支持するための偏心軸(ピボットシャフトともいう)を設ける場合に比べ、トラニオン17aに偏心軸を保持するための大きなシャフト穴構造を設ける必要がないため、トラニオン17aの応力増加を防止でき、かつ、剛性も向上し、変形を抑制できる。そのため、入出力ディスク18a,18bとパワーローラ18cとの接触位置が設計値から大きくずれることが無くなり、偏荷重による面圧増大や、変形に伴う変速比の変化を減少させることができる。
【0056】
[スラストニードル軸受の位置規制作用]
トラニオン17aへのパワーローラ18cの支持構造を代表例として、スラストニードル軸受96の位置規制作用について説明する。なお、他のパワーローラ18d,20c,20dも同様の作用を示す。
【0057】
例えば、変速動作時に、パワーローラ18cの傾転にかかわらずパワーローラ18cと入出力ディスク18a,18bとの接触状態を常に維持するために、ローディングカム装置34により入力ディスク18aを出力ディスク18b方向に押し付けている。このとき、固定の出力ディスク18bに対し、入力ディスク18aのみをローディングカム装置34によりディスク軸方向に移動させているのに対し、トラニオン17aの傾転軸19aは軸位置の変動がない固定軸であるため、ローディングカム装置34による入出力ディスク18a,18bの間隔変化に追従させてパワーローラ18cのディスク接触を保つために、パワーローラ18cは、ディスク軸方向である左右方向に平行移動する。また、動力伝達時に入出力ディスク18a,18bが変形した際や、組立時に発生し得るミスアライメントが生じた際に、これらの位置ずれを吸収するため、パワーローラ18cは左右方向に平行移動する。
【0058】
このようにパワーローラ18cが左右方向に平行移動する場合であって、左右方向の平行移動を繰り返すようなとき、パワーローラ外輪94とパワーローラ収納部91との間に介装されたスラストニードル軸受96は、パワーローラ18cから押されて保持器96aが動くときと、パワーローラ18cへの力が解放されて保持器96aが戻るときとで、力の掛かり方が異なるため、保持器96aが正規の位置からずれてはみ出すように移動しようとする。
【0059】
しかし、スラストニードル軸受96の保持器96aの両端部には、トラニオン17a側に突出した凸部96dが設けられ、許容移動隙間t,tを超えようとすると凸部96dとトラニオン17aを係合させるようにしているため、トラニオン17aに対するスラストニードル軸受96の左右方向移動量は許容移動隙間t,tによる設定移動量に規制され、スラストニードル軸受96がトラニオン17aからずれてはみ出したり、スラストニードル軸受96がトラニオン17aから外れることが確実に阻止され、パワーローラ18cに作用する荷重に対するバックアップが十分な位置に保持される。
【0060】
さらに、スラストニードル軸受96の左右方向移動規制構造は、トラニオン17aはそのままで、既存の保持器96aに設けられた凸部96dのみを利用する構造であるため、トラニオン側に凸部を設ける従来技術の場合に比べて、図4に示すように、トラニオン17aの形状を曲線が無く直線のみで表現される単純形状とすることができる。このトラニオン17aの形状単純化により、フライスを用いてパワーローラ収納部91の傾斜支持面91a,91aを加工することができ、トラニオン17aの加工費が大幅に低減される。
【0061】
次に、効果を説明する。
【0062】
(1) パワーローラ外輪94とトラニオン17aのパワーローラ収納部91との間に、ころ96bと保持器96aとで構成されるスラストニードル軸受96を配置したトロイダル型無段変速機において、前記スラストニードル軸受96の保持器96aにパワーローラ回転軸線15aの方向に突出した凸部96d,96dを設け、該凸部96d,96dとスラストニードル軸受96のレース部材を係合させることで、トラニオン17aに対する保持器96aのスライド移動量を設定移動量に規制したため、トラニオン17aの形状を単純とし、加工費を低減しながら、スラストニードル軸受96のころ96bがトラニオン17aから外れるのを防止することができる。
【0063】
(2) スラストニードル軸受96の保持器96aにトラニオン17a側に突出した凸部96d,96dを設け、該凸部96d,96dとトラニオン17aを係合させることで、トラニオン17aに対する保持器96aのスライド移動量を設定移動量に規制したため、保持器96aの凸部96d,96dに対し左右方向の移動がないトラニオン17aが相手方のストッパ構造となり、許容移動隙間t,tを管理することで、スラストニードル軸受96のころ96bがトラニオン17aから外れるのを確実に防止することができる。
【0064】
(3) スラストニードル軸受96の保持器96aに設けられる凸部96dは、保持器96aの材料に鋼板を用い、プレスによって端部を曲げ加工することで製作されるため、切削加工により凸部を形成する場合に比べ、加工が簡単であり、加工費を低減できる。
【0065】
なお、この参考例1においては、凸部96dをプレスによって端部を曲げ加工することで製作したのに対し、図6に示すように、切削加工により凸部96d,96dを形成するようにしても良い。この場合は、上記(1),(2)の効果を得ることができる。
【0066】
また、参考例1においては、図3に示すように、凸部96d,96dをスラストニードル軸受96のころ96bが接触する上下一対の傾斜支持面91a,91aに対応する位置に設けたのに対し、図7に示すように、凸部96d,96dを潤滑油供給口97aが中央部に開口された垂直対向面91bに対応する位置に設けても良い。この場合、凸部96dを曲げ加工により製作すると、上記(1),(2),(3)の効果を得ることができ、凸部96dを切削加工により製作すると、上記(1),(2)の効果を得ることができる。
【0067】
(参考例2)
この参考例2は、凸部96d,96dをパワーローラ外輪94側に突出した例である。
【0068】
すなわち、図8に示すように、スラストニードル軸受96の保持器96aにパワーローラ外輪94側に突出した凸部96d,96dを設け、該凸部96d,96dとパワーローラ外輪94を係合させることで、トラニオン17aに対する保持器96aのスライド移動量を設定移動量に規制した。また、パワーローラ軸受として、玉軸受92に代え円錐ころ軸受92'を用いている。なお、他の構成及び作用につては、参考例1と同様であるので説明を省略する。
【0069】
次に、効果を説明する。
【0070】
この参考例2のトロイダル型無段変速機にあっては、参考例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0071】
(4) スラストニードル軸受96の保持器96aにパワーローラ外輪94側に突出した凸部96d,96dを設け、該凸部96d,96dとパワーローラ外輪94を係合させることで、トラニオン17aに対する保持器96aのスライド移動量を設定移動量に規制するようにしたため、トラニオン17aの強度や保持器96aの製作上の都合等により凸部96dをトラニオン17a側に突出させることが困難な場合に、本実施例の凸部96dによるスラストニードル軸受96のストッパ構造を採用することができる。
【0072】
(参考例3)
この参考例3は、基本的には参考例1と同様であるが、スラストニードル軸受96のころ96bが保持器96aから脱落しないように保持器96aに施すカシメ加工と、保持器96aに凸部96dを形成する曲げ加工とを、同時加工とした例である。
【0073】
すなわち、図9に示すように、スラストニードル軸受96の保持器96aの両端部に設けた凸部96d,96dは、保持器96aの材料に薄肉鋼板を用い、プレスによって端部を曲げ加工することで製作される。また、前記凸部96dの係合面は、保持器96aが揺動してトラニオン17aと当接したときに十分な接触面積による面接触となるように形成されている。また、許容移動隙間t,tは、参考例1と同様に、最大入力トルクが負荷されたときのスラストニードル軸受96の移動量に対して余裕を持つと共に、ころ96bが脱落することが無いような値に設定されている。なお、他の構成及び作用については、参考例1と同様であるので説明を省略する。
【0074】
次に、効果を説明する。
【0075】
この参考例3のトロイダル型無段変速機にあっては、参考例1の(1),(2),(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0076】
(5) スラストニードル軸受96のころ96bが保持器96aから脱落しないように保持器96aに施すカシメ加工と、保持器96aに凸部96dを形成する曲げ加工とを、同時加工としたため、工程が増えることが無く、製造原価の増大を抑えることができる。
【0077】
すなわち、転動体であるころ96bが保持器96aから脱落しないようにすることは、組み付けの利便性を考えた場合に必須となる。その方法として、保持器96aを塑性加工するカシメが一般的に用いられているが、単純にこれを行うと工程が一つ増えることになり、製造原価の増大をもたらす。そこで、同じ塑性加工である凸部96dの曲げ加工をカシメ加工と同時に行うことで、工程が増えることが無い。
【0078】
(参考例4)
この参考例4は、基本的には参考例3と同様であるが、トラニオン17aとスラストニードル軸受96の間にレース板102を挿入し、該レース板102をトラニオン17aに固定した例である。
【0079】
すなわち、図10に示すように、トラニオン17aとスラストニードル軸受96の間にレース板102を挿入し、該レース板102の両端部に曲げ加工による係合凸部102a,102aを形成し、この係合凸部102a,102aによりトラニオン17aに固定している。これにより、トラニオン17aの側面とレース板102の係合凸部102a,102aが隙間無く係合することで、両者の相対変位が防止される。なお、他の構成及び作用については、参考例3と同様であるので説明を省略する。
【0080】
次に、効果を説明する。
【0081】
この参考例4のトロイダル型無段変速機にあっては、参考例1の(1),(2),(3)及び参考例3の(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0082】
(6) トラニオン17aとスラストニードル軸受96の間にレース板102を挿入し、該レース板102をトラニオン17aに固定したため、トラニオン17aの硬度を高くする必要が無い。加えて、レース板102の両端部に形成した係合凸部102a,102aによりトラニオン17aに固定するようにしたため、レース板102をトラニオン17aに固定する構造を安価に製造することができる。
【0083】
すなわち、通常、スラストニードル軸受96のような転がり軸受の接触面圧は数Gpaの高面圧となり、転動体と接触する相手部材は熱処理により高度を極めて高くする必要がある。しかしながら、転動体と接触するのはごく一部分であるため、大きな部品全体を熱処理することは製造原価の増大を招くため、従来例においても記載されているように、転動体と支持部品間に高硬度のレース板を挿入することが一般的である。本実施例では、このレース板102をトラニオン17aに固定する方法として、レース板102の両端部に係合凸部102a,102aを設け、これをトラニオン17aに係合固定させる構造を採用している。
【0084】
(実施例1)
この実施例1は、保持器96aの両端部のうち、出力ディスク18b側の端部にトラニオン17a側に突出した凸部96dを形成し、入力ディスク18a側の端部にトラニオン17a側に突出したバネ部96eを形成した例である。
【0085】
すなわち、図11に示すように、スラストニードル軸受96の保持器96aに、スラストニードル軸受96の一方のレース部材であるトラニオン17aとの干渉により弾性変形し、その弾性復元力を利用して保持器96aの位置を初期設定位置側へ補正する位置補正機構を設けている。
【0086】
前記位置補正機構を、トラニオン17a側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部をトラニオン17aに接して設けたバネ部96eとし、かつ、前記バネ部96eを、保持器96aの両端部のうち、少なくとも入力ディスク18a側端部に設けている。
【0087】
前記保持器96aの両端部のうち、入力ディスク19a側端部に位置補正機構としてのバネ部96eを設け、出力ディスク18b側端部に移動規制機構としての凸部96dを設けている。
【0088】
作用を説明すると、保持器96aを製造する時には、材料として薄肉鋼鈑を用い、これをプレスにより両端部を曲げ加工することにより、トラニオン17a側に突設する凸部96dとバネ部96eを形成している。この凸部96dの曲げ角θ1は、トラニオン17aの側面傾斜角θTと同じ、もしくは、側面傾斜角θTより大きな傾斜角に設定し、バネ部96eの曲げ角θ2は、トラニオン17aの側面傾斜角θTよりも小さな傾斜角に設定している。
【0089】
一方、車両に搭載しての走行時等において、トラニオン17aところ96bとの微少な滑りの繰り返しにより、スラストニードル軸受96がトラニオン17aからはみ出そうとした場合、凸部96dの内面とトラニオン17aの側面との当接により保持器96aの入力ディスク方向移動量が許容移動隙間tの量に規制され、バネ部96eの内面とトラニオン17aの側面との当接により保持器96aの出力ディスク方向移動量が許容移動隙間tの量に規制され、スラストニードル軸受96のトラニオン17aからのはみ出しを防止するストッパ機能が発揮される。
【0090】
スラストニードル軸受96に加わっていた負荷が抜けた時には、バネ部96eの変形復元力が作用し、スラストニードル軸受96のずれた位置を補正するように同軸受96を入力ディスク18a側に引き戻す。このとき、バネ部96eの高さは特に規制が無いため、接触面圧が材料強度以下になるよう十分な接触面積を確保することができる。
【0091】
また、トラニオン17aのパワーローラ収納部91は、図4に示すように、単純な形状となるため、径の大きな工具で加工することが可能になり、加工費を低減することができる。なお、他の構成及び作用については、参考例1と同様であるので説明を省略する。
【0092】
次に、効果を説明する。
【0093】
この実施例1のトロイダル型無段変速機にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0094】
(7) スラストニードル軸受96の保持器96aに、スラストニードル軸受96の一方のレース部材であるトラニオン17aとの干渉により弾性変形し、その弾性復元力を利用して保持器96aの位置を初期設定位置側へ補正する位置補正機構を設けたため、トラニオン17aの形状を単純とし、加工費を低減しながら、パワーローラ18c,18dが出力ディスク18b側に相対移動して規制を受けても、ころ96bとパワーローラ18c,18dの接触面との滑りを低減することができる。
【0095】
(8) 位置補正機構を、トラニオン17a側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部をトラニオン17aに接して設けたバネ部96eとし、かつ、該バネ部96eを、保持器96aの両端部のうち、少なくとも入力ディスク18a側端部に設けたため、保持器96aの端部曲げ加工等によりバネ部96eを容易に形成することができると共に、入力ディスク18a側へ保持器96aを燃すことで、確実にころ96bとパワーローラ18c,18dの接触面との滑りを低減することができる。
【0096】
(9) 保持器96aの両端部のうち、入力ディスク19a側端部に位置補正機構としてのバネ部96eを設け、出力ディスク18b側端部に移動規制機構としての凸部96dを設けたため、スラストニードル軸受96の移動規制機能と、スラストニードル軸受96の位置補正機能とを併せて達成することができる。
【0097】
(実施例2)
この実施例2は、基本構成は実施例1と同様であるが、バネ部96eによる位置補正作用を、所定量の移動を超えた場合にのみ発揮させるようにした例である。
【0098】
すなわち、図12に示すように、位置補正機構を、トラニオン17a側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部がトラニオン17aとは許容移動隙間t(設定間隔)を介して設けたバネ部96eとし、かつ、該バネ部96eを、保持器96aの両端部のうち、少なくとも入力ディスク19a側端部に設けている。
【0099】
作用を説明すると、バネ機能を持つバネ部96eの先端部は、スラストニードル軸受96が規定の移動量(許容移動隙間t)以上ずれた場合にのみトラニオン17aと接触し、実施例1と同様のバネ効果をもたらす。つまり、許容移動隙間t内でスラストニードル軸受96が移動する限り、バネ機能は発揮されない。なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0100】
次に、効果を説明する。
【0101】
この実施例2のトロイダル型無段変速機にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0102】
(10) 位置補正機構を、トラニオン17a側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部がトラニオン17aとは許容移動隙間tを介して設けたバネ部96eとし、かつ、該バネ部96eを、保持器96aの両端部のうち、少なくとも入力ディスク19a側端部に設けたため、実施例1の位置補正機構では低負荷時でのバネ力による位置補正作用が強すぎる場合に有用な位置補正機構を提供することができる。
【0103】
(実施例3)
この実施例3は、基本構成は実施例1と同様であるが、バネ部96eを2度曲げにより形成した例である。
【0104】
すなわち、図13及び図14に示すように、位置補正機構を、トラニオン17a側に曲げることで形成した凸部96dの上部と下部をトラニオン17a側にさらに曲げることで形成した一対のバネ部96e,96eとし、かつ、該一対のバネ部96e,96eを、保持器96aの両端部のうち、少なくとも入力ディスク19a側端部に設けている。
【0105】
作用を説明すると、保持器96aを製造する時には、材料として薄肉鋼鈑を用い、これをプレスにより両端部を曲げ加工することにより、トラニオン17a側に突設する2つの凸部96d,96dを形成する。そして、一方の凸部96dの上部と下部をトラニオン17a側にさらに曲げることで一対のバネ部96e,96eを形成する。
【0106】
この2度曲げによる一対のバネ部96e,96eの形成により、実施例1や実施例2のように1度曲げによりバネ部96eを形成する場合に比べ、曲げ角度を小さく抑えることができ、これにより、各曲がり部に生じる応力を低減することができる。なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0107】
次に、効果を説明する。
【0108】
この実施例3のトロイダル型無段変速機にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0109】
(11) 位置補正機構を、トラニオン17a側に曲げることで形成した凸部96dの上部と下部をトラニオン17a側にさらに曲げることで形成した一対のバネ部96e,96eとし、かつ、該一対のバネ部96e,96eを、保持器96aの両端部のうち、少なくとも入力ディスク19a側端部に設けたため、実施例1や実施例2の位置補正機構ではバネ部96eの応力が高すぎる場合に有用な位置補正機構を提供することができる。
【0110】
(実施例4)
この実施例4は、基本構成は実施例1〜3と同じであるが、保持器96aのバネ部96eを、トラニオン17aのパワーローラ収納部91のうち垂直対向面91bに対応する位置に設けた例である。
【0111】
すなわち、図15に示すように、トラニオン17aのパワーローラ収納部91は、スライドニードル軸受96のころ96bが接触する上下一対の傾斜支持面91a,91aと、該上下一対の傾斜支持面91a,91aの間で、パワーローラ外輪94の背面が対向する垂直対向面91bとを有し、前記保持器96aのバネ部96eを、前記垂直対向面91bに対応する位置に設けている。なお、他の構成及び作用については、実施例1〜3と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0112】
次に、効果を説明する。
【0113】
この実施例4のトロイダル型無段変速機にあっては、実施例1の効果、実施例2の効果、実施例3の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0114】
(12) トラニオン17aのパワーローラ収納部91は、スライドニードル軸受96のころ96bが接触する上下一対の傾斜支持面91a,91aと、該上下一対の傾斜支持面91a,91aの間で、パワーローラ外輪94の背面が対向する垂直対向面91bとを有し、前記保持器96aのバネ部96eを、前記垂直対向面91bに対応する位置に設けたため、トラニオン17aの形状がより単純になり、フライス盤でのフライス加工をすることが可能となり、さらに加工費を低減することができる。
【0115】
(実施例5)
この実施例5は、保持器96aの両端部のうち、出力ディスク18b側の端部にパワーローラ外輪94側に突出した凸部96dを形成し、入力ディスク18a側の端部にパワーローラ外輪94側に突出したバネ部96eを形成した例である。
【0116】
すなわち、図16に示すように、位置補正機構を、パワーローラ外輪94側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部がパワーローラ外輪94に接して設けたバネ部96eとし、かつ、該バネ部96eを、保持器96aの両端部のうち、少なくとも入力ディスク18a側端部に設けている。ここで、バネ部96eについては、実施例1と実施例2との関係と同じように、パワーローラ外輪94とは移動許容隙間tを介して設けたバネ部96eとしても良い。なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0117】
次に、効果を説明する。
【0118】
この実施例5のトロイダル型無段変速機にあっては、下記の効果を得ることができる。
【0119】
(13) 位置補正機構を、パワーローラ外輪94側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部がパワーローラ外輪94に接して設けたバネ部96eとし、かつ、該バネ部96eを、保持器96aの両端部のうち、少なくとも入力ディスク18a側端部に設けたため、トラニオン17aの強度や保持器96aの製造上の都合等により、バネ部96eをトラニオン17a側に突出するのが困難な場合に有用な位置補正機構を提供することができる。
【0120】
(実施例6)
この実施例6は、トラニオン17aとスラストニードル軸受96の間にレース板102を挿入し、保持器96aの両端部とレース板102の両端部との相対関係によって凸部96eとバネ部96eを形成した例である。
【0121】
すなわち、図17に示すように、トラニオン17aとスラストニードル軸受96の間にレース板102を挿入し、該レース板102の両端部には、曲げ加工による係合凸部102aとバネ凸部102bを形成し、この係合凸部102aとバネ凸部102bによりトラニオン17aに固定している。また、保持器96aの両端部には、曲げ加工によるバネ部96e,96eを形成している。そして、係合凸部102aとバネ部96eとの曲げ角度を同じにすることにより移動規制機構を構成し、バネ凸部102bとバネ部96eとの曲げ角度を異ならせ、両先端部間の基端部間より近づけることにより位置補正機構を構成している。
【0122】
作用を説明すると、通常、スラストニードル軸受96のような転がり軸受の接触面圧は数Gpaの高面圧となり、転動体と接触する相手部材は熱処理により高度を極めて高くする必要がある。しかしながら、転動体と接触するのはごく一部分であるため、大きな部品全体を熱処理することは製造原価の増大を招くため、転動体と支持部品間に高硬度のレース板を挿入することが一般的である。本実施例のトラニオン17aについても同様であり、転動体と接触する部分以外は硬度を必要としないため、転動体との間にレース板102を挿入している。そして、本実施例では、このレース板102をトラニオン17aに固定すると同時に、スラストニードル軸受96の移動規制と位置補正を行っている。なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0123】
次に、効果を説明する。
【0124】
この実施例6のトロイダル型無段変速機にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0125】
(14) トラニオン17aとスラストニードル軸受96の間にレース板102を挿入し、該レース板102をトラニオン17aに固定したため、トラニオン17aの硬度を高くする必要が無く、実施例1においてバネ部96eの応力が高すぎる場合に有用な位置補正機構を提供することができる。
【0126】
(他の実施例)
以上、本発明のトロイダル型無段変速機を実施例1〜実施例6に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に記載された本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0127】
例えば、実施例1〜実施例6では、スラスト軸受を介してトラニオンに支持されるパワーローラが、トラニオンに対し左右方向に直線的にスライドする例を示した。このスライド動作によるパワーローラ支持構造の例では、トラニオンの形状を、図4に示すように、極めて単純化した形状とすることで、パワーローラ収納部の軸受支持面加工にフライス加工を適用することができ、大幅な加工費低減が達成される。
【0128】
しかし、従来例に記載されているように、偏心軸を用いてパワーローラをトラニオンに対し揺動可能に支持するものにも適用することができ、この場合、トラニオン17aは、図18に示すように、偏心軸支持穴103を有するパワーローラ収納部91の形状が滑らかな曲面でとなり、従来例に比べて単純化された形状とすることができ、大径のエンドミルを用いてパワーローラ収納部91の軸受支持面加工を行うことができ、加工費の低減を達成することができる。
【0129】
また、スラスト軸受の保持器にパワーローラ回転軸線方向に突出した凸部を設け、該凸部とスラスト軸受のレース部材を干渉させることで、トラニオンに対する保持器のスライド移動量を設定移動量に規制する構造であれば、参考例1〜参考例4の移動規制構造に限られるものではない。
【0130】
さらに、スラスト軸受の保持器にパワーローラ回転軸線方向に突出したバネ部を設け、該バネ部とスラスト軸受のレース部材を干渉させることで、少なくとも保持器を入力ディスク側に位置補正する構造であれば、実施例1〜実施例6の位置補正構造に限られるものではない。
【0131】
実施例1〜実施例6においても、転動体が保持器から脱落しないように施すカシメ加工と、凸部およびバネ部の曲げ加工を同時にプレスにて実施することができる。この場合、加工工程が少なくなり、製造コスト的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1のトロイダル型無段変速機を示す全体システム図である。
【図2】 参考例1のトロイダル型無段変速機を示す変速制御系システム図である。
【図3】 参考例1のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す断面図である。
【図4】 参考例1のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造のトラニオンを示す正面図である。
【図5】 参考例1のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す横断面図である。
【図6】 参考例1のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造の一部変形例を示す横断面図である。
【図7】 参考例1のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造の一部変形例を示す縦断面図である。
【図8】 参考例2のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す横断面図である。
【図9】 参考例3のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す横断面図である。
【図10】 参考例4のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す横断面図である。
【図11】 実施例1のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す横断面図である。
【図12】 実施例2のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す横断面図である。
【図13】 実施例3のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す横断面図である。
【図14】 実施例3のトロイダル型無段変速機におけるスラストニードル軸受の保持器を示す斜視図である。
【図15】 実施例4のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す縦断面図である。
【図16】 実施例5のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す横断面図である。
【図17】 実施例6のトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ支持構造を示す横断面図である。
【図18】 パワーローラ収納部に偏心軸支持穴を有するトラニオンの例を示す正面図である。
Claims (7)
- 同軸に対向配置された入力ディスク及び出力ディスクと、
これら入出力ディスク間に動力伝達可能に挟圧したパワーローラと、
該パワーローラを、パワーローラ収納部に支持しつつ、パワーローラ回転軸線と直交する首振り軸線の周りに傾転可能なトラニオンとを備え、
前記パワーローラを、入出力ディスクに摩擦接触するパワーローラ内輪と、前記挟圧に伴い入出力ディスクからパワーローラ内輪に入力される接触荷重を受けるパワーローラ外輪と、前記パワーローラ内輪とパワーローラ外輪との間に介装されたパワーローラ軸受とを有して構成し、
前記パワーローラ外輪と前記パワーローラ収納部との間に、転動体と保持器とで構成されるスラスト軸受を配置したトロイダル型無段変速機において、
前記スラスト軸受の保持器に、スラスト軸受のレース部材との干渉により弾性変形し、その弾性復元力を利用して保持器の位置を初期設定位置側へ補正する位置補正機構を設け、
前記位置補正機構を、トラニオン側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部をトラニオンに接して設けたバネ部とし、
かつ、前記バネ部を、保持器の両端部のうち、少なくとも入力ディスク側端部に設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 請求項1に記載されたトロイダル型無段変速機において、
前記保持器の両端部のうち、入力ディスク側端部に位置補正機構としてのバネ部を設け、出力ディスク側端部に移動規制機構としての凸部を設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 同軸に対向配置された入力ディスク及び出力ディスクと、
これら入出力ディスク間に動力伝達可能に挟圧したパワーローラと、
該パワーローラを、パワーローラ収納部に支持しつつ、パワーローラ回転軸線と直交する首振り軸線の周りに傾転可能なトラニオンとを備え、
前記パワーローラを、入出力ディスクに摩擦接触するパワーローラ内輪と、前記挟圧に伴い入出力ディスクからパワーローラ内輪に入力される接触荷重を受けるパワーローラ外輪と、前記パワーローラ内輪とパワーローラ外輪との間に介装されたパワーローラ軸受とを有して構成し、
前記パワーローラ外輪と前記パワーローラ収納部との間に、転動体と保持器とで構成されるスラスト軸受を配置したトロイダル型無段変速機において、
前記スラスト軸受の保持器に、スラスト軸受のレース部材との干渉により弾性変形し、その弾性復元力を利用して保持器の位置を初期設定位置側へ補正する位置補正機構を設け、
前記位置補正機構を、トラニオン側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部がトラニオンとは設定間隔を介して設けたバネ部とし、
かつ、前記バネ部を、保持器の両端部のうち、少なくとも入力ディスク側端部に設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 同軸に対向配置された入力ディスク及び出力ディスクと、
これら入出力ディスク間に動力伝達可能に挟圧したパワーローラと、
該パワーローラを、パワーローラ収納部に支持しつつ、パワーローラ回転軸線と直交する首振り軸線の周りに傾転可能なトラニオンとを備え、
前記パワーローラを、入出力ディスクに摩擦接触するパワーローラ内輪と、前記挟圧に伴い入出力ディスクからパワーローラ内輪に入力される接触荷重を受けるパワーローラ外輪と、前記パワーローラ内輪とパワーローラ外輪との間に介装されたパワーローラ軸受とを有して構成し、
前記パワーローラ外輪と前記パワーローラ収納部との間に、転動体と保持器とで構成されるスラスト軸受を配置したトロイダル型無段変速機において、
前記スラスト軸受の保持器に、スラスト軸受のレース部材との干渉により弾性変形し、 その弾性復元力を利用して保持器の位置を初期設定位置側へ補正する位置補正機構を設け、
前記位置補正機構を、トラニオン側に曲げることで形成した凸部の上部と下部をトラニオン側にさらに曲げることで形成した一対のバネ部とし、
かつ、前記一対のバネ部を、保持器の両端部のうち、少なくとも入力ディスク側端部に設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載されたトロイダル型無段変速機において、
前記パワーローラ収納部は、スライド軸受のころが接触する上下一対の傾斜支持面と、該上下一対の傾斜支持面の間で、パワーローラ外輪の背面が対向する垂直対向面とを有し、
前記保持器のバネ部を、前記垂直対向面に対応する位置に設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 同軸に対向配置された入力ディスク及び出力ディスクと、
これら入出力ディスク間に動力伝達可能に挟圧したパワーローラと、
該パワーローラを、パワーローラ収納部に支持しつつ、パワーローラ回転軸線と直交する首振り軸線の周りに傾転可能なトラニオンとを備え、
前記パワーローラを、入出力ディスクに摩擦接触するパワーローラ内輪と、前記挟圧に伴い入出力ディスクからパワーローラ内輪に入力される接触荷重を受けるパワーローラ外輪と、前記パワーローラ内輪とパワーローラ外輪との間に介装されたパワーローラ軸受とを有して構成し、
前記パワーローラ外輪と前記パワーローラ収納部との間に、転動体と保持器とで構成されるスラスト軸受を配置したトロイダル型無段変速機において、
前記スラスト軸受の保持器に、スラスト軸受のレース部材との干渉により弾性変形し、その弾性復元力を利用して保持器の位置を初期設定位置側へ補正する位置補正機構を設け、
前記位置補正機構を、パワーローラ外輪側に垂直より大きな曲げ角で傾斜突設し、その先端部がパワーローラ外輪に接し、或いは、パワーローラ外輪とは設定間隔を介して設けたバネ部とし、
かつ、前記バネ部を、保持器の両端部のうち、少なくとも入力ディスク側端部に設けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載されたトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンとスラスト軸受の間にレース板を挿入し、該レース板をトラニオンに固定したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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