JP4052022B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクを吐出する吐出口を略直線状に配置したラインヘッドを用いて紙などの記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタでは、通常、吐出口に固着したインクや吐出口に連通するインク供給路内に発生した気泡等による目詰まり等の不具合の発生を防止すべく、所定のタイミングでラインヘッドのメンテナンス作業を行なっている。
【0003】
例えば、図6(a)及び(b)に示す特開平11−291511号公報に記載されているインクジェットプリンタ100は、静電方式や電気−熱変換手段等の周知の吐出口101を備えたラインヘッド102に、インク流路103(インク供給路)を介してインクタンク104が接続されている。また、ラインヘッド102に対向する位置には略平板状のプラテン105を配置し、このプラテン105に開口110を形成している。
そして、軸回りに回転する2つの搬送ローラ112の間に挿入されて、プラテン105の表面に接触しながら移動していく記録媒体106に、吐出口101からインク滴を吐出して画像を形成するようになっている。
【0004】
このような構成を備えるインクジェットプリンタ100におけるラインヘッド102のメンテナンス作業について説明すると、プラテン105の背面側には、吐出口101の表面を拭き取るブレード107、吐出口101を覆うキャップ108、廃インクを廃インクタンクに送る廃インクチューブ109等が配置されている。また、プラテン105に形成された開口110を、図示しないシャッター駆動機構により開閉するシャッター111が配設されている。
【0005】
そして、印字中には、図6(a)に示すように、ブレード107やキャップ108などのメンテナンス部材はプラテン105の背面側に収納されており、開口110はシャッター111により覆われている。このように、印字中にシャッター111が開口110を覆うことにより、開口110内への記録媒体106の撓みを抑えることができ、記録媒体106の撓みに起因した印字品質の劣化を防ぐようになっている。
そして、メンテナンス作業時には、図6(b)に示すように、シャッター111の移動により開口110を開き、プラテン105の背面側に配設された図示しない移動機構により、ブレード107が開口110を介してラインヘッド102の前面と接触する位置まで移動し、更に下方向に移動する。このようなブレード107の動作により、吐出口101に付着したインクやごみ等が除去される。
その後、 図示は省略するが、ブレード107は元の位置に戻り、キャップ108がラインヘッド102の前面まで移動して吐出口101の周囲を塞ぐ。そして、ラインヘッド102内のインクや気泡等を吸引して、メンテナンス作業を終了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のような構成を備えるインクジェットプリンタ100では、プラテン105の開口110を介してメンテナンス部材を出し入れするため、開口110の寸法を大きくする必要があり、プラテン105表面を移動し、開口110に至った記録媒体106の前端部分が開口110内に落ち込み、開口の側面110aに当接してしまう場合があった。この場合は作業を一旦停止して、記録媒体106を取り除く必要があるため、画像形成作業の作業性が悪化するという問題があった。
また、開口110を塞ぐためのシャッターやシャッター駆動機構が必要となり、インクジェットプリンタの部品点数の増加を招くという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、上述の問題を考慮し、ラインヘッドのメンテナンス作業に要する部品点数を削減し、かつ作業性を向上できるインクジェットプリンタを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、記録媒体の搬送方向に略直交する方向に連設された複数の吐出口を備えるラインヘッドと、略平板状に形成され、前記吐出口に対向する面において前記記録媒体に接触するプラテンとを備えるインクジェットプリンタであって、前記プラテンの前記吐出口に対向する部分に、前記搬送方向に略直交する方向に延びるスリットが形成され、前記スリットの前記搬送方向に対して下流側の側面の上端部が、上流側の側面の上端部よりも低くなるように形成され、かつ前記プラテンは当該下流側の側面の上端部からなだらかに上昇する傾斜面を経て略平坦面に至ると共に、前記搬送方向の上流側の側面から下流側の側面に至り、前記上流側の側面の上端部と前記下流側の側面の上端部とを結ぶ線より上方に突出部分を有さない形状の、少なくとも一つの桟が配設され、前記スリットを挟んで前記吐出口と対向する位置に、前記ラインヘッドのメンテナンス作業時に前記吐出口が吐出する廃インクを、前記スリットを介して貯留するインク受け容器が配設されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、プラテンの吐出口に対向する部分にスリットを設け、このスリットの搬送方向に対して下流側の側面の上端部が、上流側の側面の上端部よりも低くなるように形成すると共に、上流側の側面から下流側の側面に至る桟を設ける。そして、スリットを挟んで吐出口と対向する位置に、ラインヘッドのメンテナンス作業時に吐出口が吐出する廃インクを、スリットを介して貯留するインク受け容器を設ける。
【0010】
従って、例えば、従来のインクジェットプリンタのように、ブレードやキャップ等のメンテナンス部材をプラテンの背面側から外部に移動させるための、寸法の比較的大きな開口をプラテンに設ける必要がなくなり、記録媒体の前端部分が、開口の下流側の側面に当接することにより記録媒体の搬送が中断するという事態を防ぐことができる。
特に、記録媒体の前端部分がスリット内に若干量落ち込んだ場合でも、記録媒体の前端部分は、下流側の側面の上縁部分に当接した状態で下流側に移動していくので、記録媒体の搬送を中断する必要がなくなる。
さらに、記録媒体の前端部分の撓み量が大きい場合でも、記録媒体の前端部分は桟の上面を下流側に摺動し、下流側の側面の上端部に至った後に、さらに下流側に移動していくので、記録媒体の搬送を中断する必要がなくなる。
また、プラテンに設けたスリットを介して、プラテンの下方に配設したインク受け容器に廃インクを吐出してメンテナンス作業を行なうので、シャッターやシャッター駆動機構が不用となり、部品点数を抑えることができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタであって、前記スリットの前記搬送方向に略直交する方向の長さは、連設された複数の前記吐出口のうち両端の吐出口間の長さより長く、前記スリットの前記搬送方向の長さは、前記吐出口の口径より長いことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、スリットの左右方向の長さが、連設された複数の吐出口のうち両端の吐出口間の長さより長く、スリットの前後方向の長さが、吐出口の口径より長いので、メンテナンス作業時に吐出口から吐出される廃インクが、スリットの周縁部分に接触する事態を防止することができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタであって、前記インク受け容器が、該インク受け容器に貯留されたインクを集積するインク集積容器と連通していることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られると共に、インク受け容器がインク集積容器と連通しているので、インク受け容器内のインクを廃棄する手間を省く事ができ、また、インク受け容器の容量を小さくすることで、インクジェットプリンタを小型化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェットプリンタ10の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2(a)に示すように、インクジェットプリンタ10は、紙やフィルム等の記録媒体1の画像形成面に所定色のインクを吐出するラインヘッド20、記録媒体1を搬送する搬送手段30、記録媒体1の画像形成面の反対面に接触することで記録媒体1を略水平面内で支持する略平板状のプラテン40、ラインヘッド20のメンテナンスを行う際に用いられるメンテナンスユニット50、インクジェットプリンタ10を構成する各種装置の駆動を制御する制御手段60(図3を参照)、また、図示は省略するが、所定色のインクを貯留するインクカートリッジ、インクカートリッジから吐出口21に至るインク供給路、ラインヘッド20を支持する支持体等から概略構成される。
なお、以下の説明においては、搬送手段30による記録媒体1の搬送方向を前後方向とし、水平面内で記録媒体1の搬送方向に直交する方向を左右方向とする。
【0016】
ラインヘッド20は、記録媒体1の画像形成面上方に、インクジェットプリンタ10で使用されるインクの色(イエロー、ライトイエロー、マゼンダ、ライトマゼンダ、シアン、ライトシアン、ブラック、ライトブラック)に対応して前後方向に複数設けられている。なお、図1及び図2には複数設けられているラインヘッドのうちの一つのみを示している。
ラインヘッド20の構成は特に限定されるものではなく、周知のラインヘッド20を適用可能であるが、本実施の形態においては、各ラインヘッド20には、インク供給路に連通することでインクカートリッジから供給されるインクを吐出する吐出口21が、水平面内において左右方向に連続して配置されたものを用いるものとする。
【0017】
ラインヘッド20は、図4に示すように、ベース基板22と蓋基板23に分割して構成されており、ベース基板22には各回路導線22aに結合された圧電素子22bが長手方向に配置され、各回路導線22aの他端側はフレキシブルケーブル24に結合されている。また、フレキシブルケーブル24は図示しない制御基板に接続されている。
蓋基板23には、圧電素子22bと対をなす吐出口21が略直線状に配置され、各吐出口21にインク供給路が連結している。
そして、制御基板から送信された画像信号がフレキシブルケーブル24を介して各圧電素子22bに伝達され、搬送中の記録媒体1に対して、所定のインクを吐出口21から吐出して、記録媒体1の画像形成面に画像を形成するようになっている。
【0018】
搬送手段30は、上下に配置された略円筒形の一対の搬送ローラ31を、プラテン40を前後に挟む位置に備えており、下方の搬送ローラ31の外周面上部とプラテン40の表面とが水平面内で略面一となるように配設されている。
そして、これら搬送ローラ31を搬送ローラ駆動機構34(図3を参照)により中心軸回りに回転させることで、記録媒体1がこれら搬送ローラ31の間を通過して、略平坦な状態で前方に搬送されるようになっている。
【0019】
プラテン40は、各ラインヘッド20に対応して配設される略平板状の部材であり、例えばプラスティック等のラインヘッドから吐出されるインクを吸収しない材料で形成されている。なお、プラテンの表面にインクを吸収しない物質をコーティングするものとしても良い。
プラテン40は、その長手方向が左右方向に沿って配置されており、その左右両端部分においてブラケット(図示せず)を介してインクジェットプリンタ10本体に固定されている。
【0020】
プラテン40の前後方向の略中央部分であって、ラインヘッド20の吐出口21に対向する位置には、左右方向に延びるスリット41が形成されている。
スリット41の左右方向の長さは、ラインヘッド20に連続的に配設される複数の吐出口21のうち、左右両端の吐出口21を結んだ長さより長くなるように形成されている。また、スリット41の前後方向の長さは、各吐出口21の口径より長くなるように形成されている。
スリット41の搬送方向に対して下流側、即ち前方の側面41aの上端部は、上流側、即ち後方の側面41bの上端部よりも低くなるように形成されており、前方の側面41aの上端部から前方に向かってなだらかに上昇する傾斜面41cを備えている。
【0021】
また、スリット41の後方の側面41bから前方の側面41aに至る桟42が複数配設されている。
桟42は側面視略台形状の部材であり、その後方の側面においてスリット41の後方の側面41bに接合し、その前方の側面においてスリット41の前方の側面41aに接合している。
また、図2(b)に示すように、桟42は左右方向に沿った鉛直平面における断面形状が略三角形状に形成され、三角形の頂点部分が上方に位置するように配設されている。
また、図2(a)に示すように、桟42は平面視略三角形状に形成され、その三角形状の後方の一辺においてスリット41の後方の側面41bに接合し、この一辺に対向する頂点部分においてスリット41の前方の側面41aに接合している。
なお、桟42の形状は特に限定されるものではなく、側面視した場合に、スリット41の前方の側面41aの上端部と後方の側面41bの上端部とを結ぶ線よりも桟42の一部が上方に突出しない形状であればよい。例えば、図2(c)に示すように、側面視略台形状かつ左右方向に沿った鉛直平面における断面形状が略三角形状であって、平面視した場合に略矩形状に形成された桟42aを用いても良い。
また、桟42の配設位置は特に限定されるものではないが、少なくとも、スリット41内における下方への撓み量が最も大きくなる記録媒体1前部の左右両端1aに対応する位置に桟42を配設することが好ましい。
プラテン40の前後両端の下面部分は下方の搬送ローラ31の外周面の形状に沿って略円弧状に形成されている。また、プラテン40の後端は、その上面から後方に向かってなだらかに下降する傾斜面43を備えている。
【0022】
以上のように構成されたインクジェットプリンタ10における画像形成作業時の記録媒体1の搬送作業について説明すると、まず、後方の搬送ローラ31の間を通過した記録媒体1の前端部分は、自重により若干下方に撓んだ状態でプラテン40の後端に至り、プラテン40後端の傾斜面43に当接して傾斜面43上を前方に摺動していく。
次に、スリット41の上方に至った記録媒体1の前端部分は、スリット41内を自重により下方に若干撓んだ状態で前方に移動していく。
【0023】
ここで、上述のように前方の側面41aの上端部は後方の側面41bの上端部より低くなるように形成されているので、記録媒体1の前端部分の撓み量が、前方の側面41aの上端部と後方の側面41bの上端部との上下方向の距離より小さい場合には、記録媒体1の前端部分は前方の側面41aの上端部から前方に延びる傾斜面41cの一部に当接した後、傾斜面41c上を前方に摺動して前方の搬送ローラ31に至る。
【0024】
また、記録媒体1の前端部分の撓み量が、前方の側面41aの上端部と後方の側面41bの上端部との上下方向の距離より大きい場合には、記録媒体1の前端部分は、スリット41の後方の側面41bから前方の側面41aに至る桟42の上面の一部に当接した後、桟42の上面、さらに傾斜面41c上を前方に摺動して前方の搬送ローラ31に至る。
このようにプラテン40の表面を水平面内において略平坦な状態を保ちつつ前方に移動する記録媒体1に対して、ラインヘッド20からインクを吐出することにより所定の画像が形成されることになる。
なお、後述するメンテナンス作業時には、各吐出口21から吐出される廃インクはスリット41を通過してプラテン40内のインク受け容器51に貯留されることになる。
【0025】
メンテナンスユニット50は、メンテナンス作業時に各吐出口21が吐出した廃インクを、スリット41を介して一時的に貯留するインク受け容器51と、インク受け容器51内のインクを集積するインク集積容器52と、これらインク受け容器51とインク集積容器52とを連結する中空状の連結チューブ53とを備える。
インク受け容器51は上面に開口部51aを備える略矩形状の部材であり、プラテン40のスリット41を挟んで、開口部51aを上方、即ちラインヘッド20の吐出口21に向けた状態で配設されている。従って、吐出口21、スリット41及びインク受け容器51の開口部51aが側面視した場合に略上下方向に沿って位置することになる。
また、インク受け容器51内には、廃インクを吸収して保持する周知のインク吸収剤54が配設されている。
【0026】
開口部51aの前後方向及び左右方向の長さは、スリット41の前後方向及び左右方向の長さよりも大きくなるように形成されている。
また、インク受け容器51はインクジェットプリンタ10本体の一部にブラケット(図示せず)を介して固定されている。
インク受け容器51の下面には開口が設けられており、この開口に連結チューブ53の一端が接合している。
【0027】
インク集積容器52は、各インク受け容器51に貯留されたインクをまとめて集積するための容器であり、各インク受け容器51に接合した連結チューブ53の他端と接合することで、インク受け容器51の内部とインク集積容器52の内部とが連通する構成となっている。
なお、連結チューブ53の他端に吸引ポンプを取り付け、吸引ポンプを用いてインク受け容器51内のインクを強制的に吸引し、インク集積容器52に集めるものとしても良い。
【0028】
図3に示すように、制御手段60はインターフェイス61、ROM62(Read Only Memory)、RAM63(Random Access Memory)、CPU64(Central Processing Unit)等から構成され、ROM62に格納されている各種制御プログラムや制御データに従いインターフェイス61に接続された各種装置の駆動を制御するようになっている。
【0029】
インターフェイス61には、ラインヘッド20、搬送ローラ駆動機構34、記録媒体の位置を検出するセンサー70等が電気的に接続されている。
ROM62には、上述の各種制御プログラムや制御データが書き込まれており、制御プログラムには、メンテナンス作業時にラインヘッドの駆動を制御するためのメンテナンスプログラムが含まれている。
RAM63は電力が供給されている間だけ入力されたデータを複数記憶可能であり、各種データの記憶領域とCPU64による作業領域などが備えられている。
CPU64はROM62に格納されている各種制御プログラムの中から指定されたプログラムをRAM63内の作業領域に展開し、センサー70からの信号に応じて、プログラムに従った各種処理を実行する。
【0030】
次に、以上のように構成されるインクジェットプリンタ10の動作のうち、メンテナンスプログラムに基づいて行なわれるメンテナンス作業中の動作について説明する。
まず、記録媒体1への画像形成作業中は、制御手段60は搬送ローラ駆動機構34の駆動を制御して、搬送ローラ31を回転させて記録媒体1を搬送すると共に、ラインヘッド20の駆動を制御して、吐出口21から所定のインクを吐出して、記録媒体1の画像形成面に所定の画像を形成する。
なお、記録媒体の位置を示す信号はセンサー70から随時制御手段60に送信されている。
【0031】
そして、一つの記録媒体1への画像形成作業の終了後から、次の記録媒体1がラインヘッド20の下方に搬送されるまでの間であって、プラテン40上に記録媒体1が存在しない間にメンテナンス作業が行なわれる。本実施の形態においては、全てのプラテン40上に記録媒体1が存在しない状態でメンテナンス作業を行なうものとする。
メンテナンス作業においては、制御手段60はセンサー70から送信される記録媒体の位置から、吐出口21の下方に記録媒体1が存在しないタイミングを検出する。
そして、制御手段60はラインヘッド20の駆動を制御して、吐出口21から廃インクを1回あるいは複数回吐出させる。なお、インクの吐出回数は予め設定されているものとする。
【0032】
すると、吐出口21からの廃インクはスリット41を通過してインク受け容器51内のインク吸収部材54に吸収され、廃インクが所定量吸収された時点で連結チューブ53を介してインク集積容器52にまとめて集積される。
以上で、メンテナンス作業が終了する。
その後、ラインヘッド20近傍まで搬送されてきた次の記録媒体1を検知した制御手段60はメンテナンス作業が完了したラインヘッド20を駆動して、新たな記録媒体1に対する画像形成作業を行なう。
【0033】
ここで、上述のように、スリット41内に配設されている桟42は左右方向に沿った鉛直平面における断面形状が略三角形状となるように形成されている。従って、吐出口21からの廃インクを桟42の表面にほとんど残留させずにインク受け容器51内のインク吸収部材54に吸収させることができる。また、この効果は、図2(c)に示した、側面視略台形状かつ左右方向に沿った鉛直平面における断面形状が略三角形状であって、平面視した場合に略矩形状に形成された桟42aであっても同様に得ることができる。
また、桟42は、その平面視三角形状の後方の一辺においてスリット41の後方の側面41bに接合し、この一辺に対向する頂点部分においてスリット41の前方の側面41aに接合している。
従って、仮に廃インクの吐出により桟42の上面に廃インクが残留した場合でも、桟42の前部の面積は小さいため、桟42の前部には廃インクが残留しないか、あるいは、桟42の後部に残留している廃インクの量と比較して極微量の廃インクが残留することになる。
また、記録媒体1の搬送中にスリット41内において下方に撓む記録媒体1の前端部分が比較的多量の廃インクが残留している可能性がある桟42の後部に当接する可能性は、ほとんど廃インクが残留していない桟42の前部に当接する可能性と比較して低い。
以上より、廃インクの吐出により桟42の上面に廃インクが残留した場合でも、記録媒体1の裏面への廃インクの付着を防止、あるいは、最小限に抑えることが可能となる。
【0034】
このように、本実施の形態のインクジェットプリンタ10は、プラテン40の吐出口21に対向する部分に、左右方向に延びるスリット41を設け、このスリット41の前方の側面41aの上端部が、後方の側面41bの上端部よりも低くなるように形成すると共に、後方の側面41bから前方の側面41aに至る桟42を設ける。そして、スリット41を挟んで吐出口21と対向する位置に、ラインヘッド20のメンテナンス作業時に吐出口21が吐出する廃インクを、スリット41を介して貯留するインク受け容器51を備える。
【0035】
ここで、例えば、従来のインクジェットプリンタでは、吐出口の表面に付着したインクを拭き取るブレードや吐出口内のインクを真空吸引するキャップ等のメンテナンス部材をプラテンの下方に配置し、メンテナンス作業時に、これらメンテナンス部材をプラテンから外部に移動させるための開口をプラテンに設けていたため、開口の寸法が大きくなり、大きくなった開口を塞ぐためのシャッターやシャッター駆動機構が必要となり、部品点数の増加を招いていた。
しかし、本実施の形態に示したインクジェットプリンタ10では、プラテン40に設けたスリット41を介して、プラテン40の下方に配設したインク受け容器51に廃インクを吐出してメンテナンス作業を行なうので、シャッターやシャッター駆動機構が不用となり、部品点数を抑えることができる。
【0036】
また、スリット41の前後方向の長さを長くする必要がないので、記録媒体1の前端部分が、スリット41の前方の側面41aに当接することにより記録媒体1の搬送が中断するという事態を防ぐことができる。
特に、スリット41の前方の側面41aの上端部が、後方の側面41bの上端部よりも低くなるように形成されているので、記録媒体1の前端部分がスリット41内に若干量落ち込んだ場合でも、傾斜面41cの一部に当接して傾斜面41c上を前方に摺動していくので、記録媒体1の搬送を中断する必要がなくなる。さらに、記録媒体1の前端部分の撓み量が大きい場合でも、記録媒体1の前端部分は桟42の上面の一部に当接した後、桟42の上面、さらに傾斜面41c上を前方に摺動していくので、記録媒体1の搬送を中断する必要がなくなる。
【0037】
また、スリット41の左右方向の長さは、連設された複数の吐出口21のうち両端の吐出口間の長さより長く、スリット41の前後方向の長さは、吐出口21の口径より長いので、メンテナンス作業時に吐出口21から吐出される廃インクが、スリット41の周縁部分に接触する事態を防止することができる。
また、インク受け容器51がインク集積容器52と連通しているので、インク受け容器51内のインクを廃棄する手間を省く事ができ、また、インク受け容器51の容量を小さくすることで、インクジェットプリンタ10の小型化を実現できる。
【0038】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態においては、メンテナンス作業を全てのプラテン40上に記録媒体1が存在しない間に行なうものとしたが、これに限らず、一部のプラテン40上にのみ記録媒体1が存在しない状態、例えば、前後方向に配置された複数のプラテン40のうち、最も後方に位置するプラテン40上を記録媒体1が通過し、他のプラテン40上を記録媒体1が移動している状態で、最も後方に位置するラインヘッド20に廃インクの吐出を行なわせ、その後、後方から2番目に位置するプラテン40上を記録媒体1が通過した時点で、このプラテン40に対応するラインヘッド20に廃インクの吐出を行なわせてもよい。あるいは、プラテン40上を移動する記録媒体1が、最も後方のプラテン40と後方から2番目のプラテン40上に存在している時に、最も前方のラインヘッド20と前方から2番目に位置するラインヘッド20に廃インクの吐出を行なわせてもよい。このように一部のプラテン40上にのみ記録媒体1が存在しない状態で、記録媒体1が存在しないプラテン40に対応するラインヘッド20に廃インクの吐出を行なわせることにより、記録媒体1の搬送間隔を短くすることができ、画像形成スピードを向上できる。
【0039】
また、メンテナンス作業を一つの記録媒体1への画像形成作業が終了してから、次の記録媒体1がラインヘッド20の下方に搬送されるまでの間に行なうものとしたが、これに限らず、例えば、画像形成作業の開始前や全ての記録媒体1への画像形成作業が終了した後に行なうものとしてもよい。
また、本実施の形態では、インクを吐出する素子として圧電素子22bを用いて説明したが、例えば高電圧方式や熱エネルギーによる気泡破裂方式等任意に選択可能である。
【0040】
また、ラインヘッド20として、図5(a)に示すように、略直線状に配置された複数の吐出口21を備えるブロック81を、前後方向に互い違いに交差して配置したラインヘッド80を用いても良い。この場合、図5(b)に示すように、ラインヘッド80を、左右に隣合う2つのブロック81のうちの前側のブロック81Aの左端の吐出口21Aの中心線が、後側のブロック81Bの右端の吐出口21Bから吐出口21のピッチPだけ離れるように構成すれば、複数の吐出口21が左右方向にピッチPで連続的に配置された本実施の形態のラインヘッド20と略同様の効果を奏することができる。
【0041】
また、インク集積容器52を設けず、インク吸収部材54が所定量の廃インクを吸収した時点でインク吸収部材54を廃棄するものとしても良い。あるいは、インク受け容器51内にインク吸収剤54を配設しないものとしても良い。
また、プラテン40、スリット41及びインク受け容器51の形状、また、インクジェットプリンタ10を構成する搬送手段30等の各種装置の構成は、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、従来のインクジェットプリンタのように、ブレードやキャップ等のメンテナンス部材をプラテンの背面側から外部に移動させるための、寸法の比較的大きな開口をプラテンに設ける必要がなくなり、記録媒体の前端部分が、開口の下流側の側面に当接することにより記録媒体の搬送が中断するという事態を防ぐことができる。
また、プラテンに設けたスリットを介して、プラテンの下方に配設したインク受け容器に廃インクを吐出してメンテナンス作業を行なうので、シャッターやシャッター駆動機構が不用となり、部品点数を抑えることができる。
【0043】
請求項2記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、スリットの左右方向の長さが、連設された複数の吐出口のうち両端の吐出口間の長さより長く、スリットの前後方向の長さが、吐出口の口径より長いので、メンテナンス作業時に吐出口から吐出される廃インクが、スリットの周縁部分に接触する事態を防止することができる。
【0044】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られると共に、インク受け容器がインク集積容器と連通しているので、インク受け容器内のインクを廃棄する手間を省く事ができ、また、インク受け容器の容量を小さくすることで、インクジェットプリンタを小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るインクジェットプリンタの構造を示す要部側面図である。
【図2】インクジェットプリンタの構造を示す要部平面図(a)、桟の形状を示す縦断面図(b)及び他の桟の形状を示す要部平面図(c)である。
【図3】インクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。
【図4】ラインヘッドの構造を示す要部斜視図である。
【図5】ラインヘッドの他の構成例を示す要部底面図(a)及び(b)である。
【図6】従来のインクジェットプリンタのメンテナンス作業を示す図面(a)及び(b)である。
【符号の説明】
1 記録媒体
20 ラインヘッド
21 吐出口
40 プラテン
41 スリット
41a 下流側の側面
41b 上流側の側面
42 桟
51 インク受け容器
52 インク集積容器

Claims (3)

  1. 記録媒体の搬送方向に略直交する方向に連設された複数の吐出口を備えるラインヘッドと、
    略平板状に形成され、前記吐出口に対向する面において前記記録媒体に接触するプラテンとを備えるインクジェットプリンタであって、
    前記プラテンの前記吐出口に対向する部分に、前記搬送方向に略直交する方向に延びるスリットが形成され、
    前記スリットの前記搬送方向に対して下流側の側面の上端部が、上流側の側面の上端部よりも低くなるように形成され、かつ前記プラテンは当該下流側の側面の上端部からなだらかに上昇する傾斜面を経て略平坦面に至ると共に、前記搬送方向の上流側の側面から下流側の側面に至り、前記上流側の側面の上端部と前記下流側の側面の上端部とを結ぶ線より上方に突出部分を有さない形状の、少なくとも一つの桟が配設され、
    前記スリットを挟んで前記吐出口と対向する位置に、前記ラインヘッドのメンテナンス作業時に前記吐出口が吐出する廃インクを、前記スリットを介して貯留するインク受け容器が配設されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1に記載のインクジェットプリンタであって、
    前記スリットの前記搬送方向に略直交する方向の長さは、連設された複数の前記吐出口のうち両端の吐出口間の長さより長く、前記スリットの前記搬送方向の長さは、前記吐出口の口径より長いことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタであって、
    前記インク受け容器が、該インク受け容器に貯留されたインクを集積するインク集積容器と連通していることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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