JP4051809B2 - 照明器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は天井などに直接あるいは吊下具を介して設置されるグローブやセードなどの透光性の制光体を有する照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
照明器具としてはランプからの直射光や反射鏡からの反射光を直接に放射するものとこれらの直射光や反射光をグローブやセードなどで拡散や集光など配光を制御したりあるいはランプを保護するため光放射部に透光性の制光体を備えたものがある。
【0003】
これら照明器具で、グローブやセードなどの制光体を備えたものは、器具本体に制光体を係止する手段として、たとえば実公昭62−20093号公報に示されるような構成が採られている。この公報に記載された照明器具Aは図11に示すように(左右同形であるので一方側のみ示す。)、矩形枠状をなす金属製のシャーシ(器具本体)bの対向する端面に略U字状や略W字状の屈曲した受部cを有するとともに直管形の蛍光ランプdを接続支持するソケットeが取着された取付金具fが設けてある。そして、容器状をなすセード(制光体)gの対向する開口部端面に略逆U字状の屈曲した係正金具hを同様に設け、シャーシ(器具本体)bの取付金具fにセード(制光体)gの係正金具hを引っ掛けることにより両者を一体化した構成としてある。
【0004】
そして、上記器具Aにおいてセード(制光体)gのシャーシ(器具本体)bへの取り付けは、セード(制光体)gを傾け支持して一方の係正金具hをシャーシ(器具本体)bの一方の取付金具fに引っ掛ける。そして、セード(制光体)gをこの一方の側より反対側の他方側へと引っ張り移動させるとともに他方側を上方に引上げ、ついで、セード(制光体)gを水平方向に元の位置へと引き戻し下方に下げることによって図示しない他方側の取付金具fの受部c内に他方側の係正金具hが入り安定した係止ができる。また、セード(制光体)gの取り外しは上記と逆の操作により行うことができる。
【0005】
しかし、照明器具は一般的には天井面や梁など高所に設置されることが多く、上記のような構成の場合、シャーシ(器具本体)b側の取付金具fにセード(制光体)g側の係正金具hを引っ掛ける作業がやり難いという問題があり、また、取付金具fにセード(制光体)gの係正金具hを受入れる突出した略U字状の受部cが必要であった。
【0006】
そこで、図12に示すような係止がなされた器具Jもある。この器具Jは、一方の取付金具f1にピンkを他方側の取付金具f2にねじ孔(図示しない。)有し、また、セード(制光体)gの対向する側面にはそれぞれ透孔n1、n2が設けられている。そして、セード(制光体)gの一方の側面に形成した透孔n1が一方の取付金具f1に設けたピンkに挿入されるとともに他方側の取付金具f2に他方の側面の透孔n2が合致されねじpにより固定される構造となっている。
この図12に示す器具Jは、係止部が簡易化された構成となるが、セード(制光体)gの取り付け作業時に、セード(制光体)gの透孔n1を取付金具f1のピンkに合致させ難かったり、他方側のねじpを挿入するときの位置決めガイドがないなど作業に手間がかかり作業性が悪かった。また、シャーシ(器具本体)bに対しセード(制光体)gがピンkやねじpによる支持や固定のため安定が悪いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は片口金形のランプを内装したグローブやセードなどの制光体を支持固定する構造が簡単で安定性も高く、しかも着脱が容易な照明器具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の照明器具は、正四角ないし長四角形状をなす器具本体と、この器具本体の内面側の端部近傍に設けられたランプ支持部材と、このランプ支持部材に支持された片口金形のランプと、上記器具本体の内面側を覆う容器状をなし、開口部の対向辺を内方側に折り曲げ器具本体の端部外面側に重合係止する折曲部を有するとともに、各折曲部の中間に形成され上記ランプ支持部材と接触するのを避けるための逃部である切欠部が形成された制光体とを具備したことを特徴とする。
【0009】
制光体は、側板上部の折曲部が器具本体両端部の上面側に重合載置して係止することにより器具本体に支持されている。この制光体の取り付けに際し、四角形や矩形形状の器具本体の端部上面に、セードなどの制光体の両端部上面に形成した折曲部を載せ引っ掛けて係止させればよいので構成が簡単であるとともに作業がやり易くなる。
側板などの折曲部の中間に形成した切欠部は、折曲部が器具本体に設けたランプ支持部材などと接触するのを防ぐ逃部として作用する。
なお、合成樹脂製などの制光体においては、容器状をなす制光体の対向する先端部を加熱などにより軟化して内方に折曲げ折曲部を形成することができる。そして、この折曲部を係止用として使うことができ、別体の折曲部が不要となる。
制光体としては光放射を制御する透光性のグローブやセードなどがあり、材質、肉厚、透明度や屈折率などを調整して所望の光放射分布をなすものが得られる。また、本発明でいうグローブの範疇には、内部のランプを外力や雰囲気から護る透光性保護カバーからなるグローブも含むものである。また、制光体の形成材料は合成樹脂やガラスなどを用いることができる。
【0010】
本発明の請求項2に記載の照明器具は、正四角ないし長四角形状をなす器具本体と、この器具本体の内面側の端部近傍に設けられたランプ支持部材と、このランプ支持部材に支持された片口金形のランプと、上記器具本体の内面側を覆う容器状をなし、開口部の対向辺を内方側に折り曲げ器具本体の端部外面側に重合係止する折曲部を有するとともに、各折曲部の中間に形成され上記ランプ支持部材と接触するのを避けるための逃部である切欠部が形成された制光体と、この制光体側面の透孔を貫通して制光体をランプ支持部材に固定するねじとを具備したことを特徴とする。
【0011】
上記請求項1に記載の作用を奏するほか、制光体の一側面に形成した透孔を通じ本体とねじ止めして両者を固定することができる。
【0018】
本発明の請求項3に記載の照明器具は、器具本体に偏平なひし形をした複数個の線状部材用孔が形成されているとともにこれら線状部材用孔内を挿通してこの孔に係止されたワッシャおよびこのワッシャの中央孔内を挿通してこの孔に係止されたチップならびにこのチップ部の挿通孔内を挿通して係止されたワイヤーとからなる吊下具を有していることを特徴とする。
【0019】
金属板などに穿設した線状部材用孔にワイヤーなどの線状部材を挿通した円筒状部を挿通させ、ワイヤーなどの線状部材が直接に線状部材用孔の周壁に当接することがなく、線状部材の損傷を防止することができる。
【0020】
なお、本発明でいう線状部材とは、ワイヤーやチェーンあるいは給電線を形成するコードなど器具を吊下できるものを指す。また、照明器具支持用の吊下具は、1台の器具に1ないし複数個用いることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を天井面などに設置される照明器具Lを図1ないし図5を参照して説明する。図1はこの照明器具Lを斜め下方から見た分解斜視図、図2は器具本体にセードを取付ける過程を示す説明図、図3は照明器具Lの一方の端部の固定手段を示す斜視図、図4は吊下げ設置した照明器具Lを斜め下方から見た斜視図、図5(a)、(b)は吊下具の動作を追って示す斜視図である。
【0022】
これら図において1は長四角(矩形)形状をした金属製の枠外や板体からなる器具本体で、この器具本体1には、器具を天井面などに直接取付けるための円形や長小判形、だるま形などをした取付孔11、…、長小判形やだるま形、偏平なひし形などをした線状部材用孔12、…や給電線31用の円形の挿通孔13などが穿設されるとともに長手方向の両縁部には側壁14、14が形成してある。
【0023】
また、21はこの器具本体1の内面側(図で下面側)の一端部に設けられた略Z字状に屈曲した取付金具で、この金具21にはソケット32が取着されているとともに最外板部の中央にねじ孔(図示しない。)が穿設され、これらで一方のランプ支持部材2Aを構成している。また、22は器具本体1の他端寄りに設けられた略コ字状をなす取付金具である。また、この器具本体1の内面側には端子台33および安定器などを有する点灯回路装置34が設けられこれらの間は図示しない配電線で接続されている。
【0024】
また、4は器具本体1の内面側のほぼ全面を覆うよう設けられた反射板で上記取付金具21、22にねじ23、23を介し固定されている。
【0025】
また、5はFHP105EN形の蛍光ランプで、バルブ51が平行した2本のガラス管を連結あるいはガラス管を屈曲して形成され一端部に口金52が設けられた片口金形のランプである。このランプ5は口金52が取付金具21に取着したソケット32に接続固定されるとともに、バルブ51の先端側が反射板に設けられ弾性を付与した略U字状をなす他方のランプ支持部材2Bに嵌入して挟圧支持されている。
【0026】
また、6は制光体、ここではセードで、アクリル、スチロールや塩化ビニルなどの乳白色をした合成樹脂製の長手方向と直交する断面が湾曲した透光性の光放射面61と、この光放射面61の長手方向の両端部に対向して設けられた金属製の側板65、65とが一体的に固定されて上方側が開口した容器状をなしていて、器具本体1の内面側の全面を覆っている。さらに、詳述するとこのセード6は、湾曲した光放射面61の縁部62は互いに内方に折曲げられていて、この折曲げられた上面に上記器具本体1の側壁14の先端部が当接している。また、両端部の側板65、65の外周はこの光放射面61の内周に沿うよう形成され、さらにこの側板65、65の上辺部は内方に折り曲げた折曲部66を備えているとともに少なくとも一方の側板65の中央上部には透孔68が穿設されている。
【0027】
そして、このセード6は、各側板65、65の上部の折曲部66、66が器具本体1両端部の上面側に重合載置して係止することにより、器具本体1に支持されている。また、一方の側板65の透孔68と取付金具21の最外板部のねじ孔(図示しない。)とを通じ化粧ねじ69が螺装され、セード6が器具本体1に強固に固定され振動や衝撃によりセード6の落下の虞のない照明器具Lを提供することができる。なお、上記各側板65上部の折曲部66の中間に形成した切欠部67は、折曲部66が器具本体1に設けたランプ支持部材2Aと接触するのを避けるため形成した逃部である。
【0028】
この照明器具Lを天井面などに直接設置するには、器具本体1に形成した取付孔11、…にねじやボルトを挿通して本体1を固定させることができる。そして、この照明器具Lにおいて器具Lの設置時やランプ5の交換の際などにセード6の取付けは、図2に示すように透孔68を設けていない側の側板65上部の折曲部66の先端を器具本体1の一方の端部の上面側に合わせ、セード6をほぼ水平に支持した状態で本体1の他方側へと移動させる。この移動によって一方の折曲部66は本体1の一方の端部の上面側に重合した状態にある。そして、いっぱいに移動した後、他方側の折曲部66を本体1の他方側の端部の上面側に合わせ、セード6を一方側へと移動させる。(なお、矢印ABCは過程を順を追って示したものである。)
この移動によって器具本体1の長手方向の両端部の上面には、セード6両端部の側板65、65に形成した折曲部66、66が重なり載置される。そして、この状態で図3に示すように一方の側板65の透孔68と取付金具21の最外板部のねじ孔(図示しない。)とを通じ化粧ねじ69を螺装すれば、セード6は器具本体1に確実に固定され一体化した照明器具Lが得られる。なお、セード6両端部の側板65、65が器具本体1の両端部の上面に確実に係止されていれば、上記ねじ69による固定は必須のものではない。
【0029】
また、この照明器具Lを天井面などからワイヤーやチェーンなどの吊下用線状部材74、…を用いた吊下具で設置するには、図1の上方側に示す天井面71などに設置した一対のべ一ス72に略V字状をなす吊下金具73を固定し、この吊下金具73から垂下し途中においてたとえば2分割した前後左右計4本のワイヤー74、…を器具本体1に形成した線状部材用孔12、…に通しワイヤー74の先端側を線状部材用孔12、…の下面側に係止することによって器具本体1をほぼ水平に支持させることができる。なお、図中75は化粧カバー部材である。
【0030】
そして、上述した天井面などに直接設置するのと同様に、セード6の一端側の折曲部66を器具本体1の一方の端部の上面側に合わ、セード6を他方側に移動してセード6両端の折曲部66、66を本体1両端の上面に重さね載置させることにより行うことができ、その完成品を図4に示す。
【0031】
なお、天井面71などからワイヤーなど吊下用線状部材74、…を用い照明器具を吊下させる場合に、器具本体1への係止は図5(a)、(b)に示すような構成の吊下具8であると吊り下げワイヤー74などの切断事故を防ぐことができる。この図5(a)は吊下具8が線状部材用孔12に入る前の状態を示す斜視図、同(b)は吊下具8が線状部材用孔12を通過した後の状態を示す斜視図である。
【0032】
この吊下方式の照明器具の場合、ワイヤー74などが直接に金属板などからなる線状部材用孔12、…の周壁に当接していると、長い間に揺動などによりワイヤー74、…が徐々に磨耗損傷して、まれに切断してしまうことがあるが、これを防止することができる。
【0033】
すなわち、図5においては吊下具8は、ワイヤーやチェーンここではワイヤー74で、各ワイヤー74、…には中央に孔82を形成した板状ここでは円板状のワッシャ81が遊嵌されているとともにその先端はチップ83に結束などの手段で止めてある。このチップ83はたとえばワイヤー74が挿通される円筒状部84とこの円筒状部84に連設したこの円筒状部84外径より小さい肉厚と大きい外径を有するコイン状部(孔の有無は問はない。)85よりなる。また、ワッシヤ81中央の孔82径は、チップ83の円筒状部84の外径より大きいがコイン状部85の外径より小さく形成されている。
【0034】
一方、このワイヤー74、…を係止する上記器具本体1に形成した線状部材用孔12、…は、長円形とひし形を半分(一辺)ずつや直線形とひし形を半分(一辺)ずつあるいは両辺ともひし形とした組合わせで引き延ばした中央が幅広く端部に向かうにしたがい幅狭の細長い形状をしていて、円盤状のワッシャ81が特定の垂直状態にある場合のみ通過が可能となっている。そして、上記名ワイヤー74、…を挿通したワッシャ81およびチップ83は図5(a)に示す状態で線状部材用孔12のほぼ中央を通過させる。
【0035】
そして、ワッシャ81およびチップ83が線状部材用孔12のを通過したら、ワイヤー74を逆方向に引っ張ると(荷重が加わると)チップ83が引っ張られ、ついでワッシャ81も引っ張られる。すると図5(b)に示すように垂直であったワッシャ81が水平になり大部分が器具本体1の線状部材用孔12付近に当接するとともにチップ83の円筒状部84は中央の孔82を通過するが大径のコイン状部85がワッシャ81中央の孔82の下周面に引っ掛かる。
【0036】
したがって、器具本体1は前後左右計4か所でワイヤー74、…により所定高さの位置に(各ワイヤー74、…の長さは予め設定しておくことはいうまでもない。)吊り下げられるとともに、線状部材用孔12、…の周壁にはチップ83の円筒状部84が当接して、各ワイヤー74、…が直接に線状部材用孔12、…の周壁に当接することがなくワイヤー74、…の断線を防止して、最悪な照明器具Lの落下の虞がない。また、線状部材用孔12、…にひし形の山状部分を形成したことにより、左右のワイヤー74、74の位置が決め易く安定した吊り下げが可能となる。
【0037】
また、この種照明器具においては器具設置時やランプ交換時にセードなどの制光体を取外しておいて作業するが、そこに外したセードなど置く場所があればよいが、高所の場合には外したセードなどを地上にまで降ろすことが必要で、これがまた労力を要し作業性を低下させる一因で有った。また、セードなどを不用意に高所に置き落下した場合には、セードなどの破損のほか人命にも危険が及ぶことがある。
【0038】
この対策として、器具本体から外したセードを紐や細いチェーンなどで器具本体と連結しておき、セードを作業中は本体から隔し吊しておくことのできる照明器具が実用化されている。
【0039】
しかし、従来のものではセードの落下防止はできるが、器具本体と連結する紐やチェーンなどが長くその一部がセードなどの内面に接触するまで垂れ下がり、光放射面に陰影を生じるなどして外観の低下を招くことがあった。これは特に湾曲形状をしているセードなどにおいて、高さが低くなっている場所において顕著であった。
【0040】
これは紐やチェーンなどが器具本体の取付部から垂直に下がった最短距離の位置においてセードと連結されているためで、器具本体からセードを外したときにある程度の間隔がないと作業ができないためこの離間距離分、紐やチェーンなどが長くなっていることに起因している。
【0041】
この紐やチェーンなどの長さを短くしても器具本体とセードとの離間距離を確保できたりあるいは同じ長さでも紐やチェーンなどがセードなどの内面に接触をしない手段としては図6〜9に示す構成が適する。また、セードなど制光体の連結箇所は光放射の少ない縁部や端部が適し、紐やチェーンなどは一端部あるいは両端部の1〜2か所に設ければよく、また、紐やチェーンなどの先端は鉤状をなし容易に着脱できるものであってもよい。
【0042】
図6は、器具本体1にセード6を取り付ける前の状態の斜視図で、ランプ支持部材2A、2Bにそれぞれ紐9を係止する突起91を備えている。また、セード6側の端縁部には紐9が結束してあり、紐9先端の鉤部92を突起91に係止すれば容易に外れることがない。図7はこの図6に示す照明器具の、両者を紐9を介し連結した後の一端部側の概略を示す外観図で、セード6内部は点線により示してある。
【0043】
また、図8および図9は他の照明器具の一端部の概略を示す外観図で、図8は、器具本体1に穿設した孔15とセード6の光放射面61の端縁部とに紐9の端部を接続している。さらに、図9は、器具本体1に穿設した孔15とセード6の側板65の中央上部とに紐9の端部を接続している。また、上記孔15は、図示するように長孔として紐9を結束したこま93が孔15内を移動できれば、両者のを繋ぐ紐9を余裕をもった長さとすることができる。また、孔15の端部などに大径部を設け上記こま93の着脱を可能とすれば作業性が向上できる。
【0044】
そして、これら図6〜図9に示す照明器具は、通常、紐9が器具本体1とセード6との間を斜行した状態で弛んでもセード6の内面にまで達せず、光放射面に陰影を生じるなどのことがなく、外観の低下がない。また、器具本体1からセード6を外した際、セード6は紐9により器具本体1から吊り下げられるが、紐9の接続部が垂直位置関係にないので、セード6は器具本体1に対して真下になく偏位したずれた位置で、ランプ5の交換なども容易に行える利点がある。
【0045】
なお、本発明は上記実施の形態に記載したものに限らない。たとえば上記実施の形態では、セードを合成樹脂からなる光放射面と両側の側板とにより構成したが、これに限らず図10にその一部を切欠した断面図で示すように、セード6全体を合成樹脂などで成形し、器具本体1との係止部をなす短辺側を内方にほぼ水平に折り曲げて折曲部66、66を一体形成したものでも差支えない。この場合は両側の側板を別に製作する必要がなく、部品点数を低減できる。
【0046】
また、上記実施の形態では、一端に口金を備えた1本の片口金形の蛍光ランプを器具内に配設したものについて述べたが、内部に配設する片口金形の蛍光ランプは2本以上の複数本であってもよい。
【0047】
また、制光体側に形成した折曲部の中間に設けたランプ支持部材との接触を避ける切欠部は、ランプが複数本の場合は複数箇所に設けてもよい。
【0048】
さらに、照明器具(制光体や器具本体)の外観形状も実施の形態のものに限らず、内部に配設するランプの種類、形状や本数に応じて種々変形しても差支えない。
【0049】
さらにまた、照明器具は天井面や梁などに水平に設置され下方に制光体が向いて光放射されるものに限らず、壁面や柱などに垂直に設置されて横方向に光放射する照明器具にも適用できるものである。
【0050】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、器具本体の両端部の上面に制光体の折曲部を重合載置して係止させればよいとともに側板などの折曲部間に形成した切欠部が両端にあるのでランプ支持部材の配設側位置に関係なく取り付けられるなど構造が簡単で器具本体に対する制光体の取付けが容易であり、作業性およびコスト的にも優れた照明器具を提供することができる。また、側板の両端に形成した切欠部は、折曲部とランプ支持部材などとが接触するのを防ぐことができる利点を有する。
また、合成樹脂などで製作した制光体においては、対向する開口部の先端部を加熱などにより折曲げ加工して折曲部を形成することが容易に行える。そして、この折曲部を係止用として使えば、別体の折曲部が不要となり、コストの低減がはかれる。また、制光体は使用目的に合わせグローブやセードなど種々の制光体が容易に得られる。
【0051】
請求項2に記載の発明によれば、上記請求項1に記載した効果のほか、器具本体および制光体を一端側において固定するようにしたので、両者は強固に一体化され振動や衝撃に対しての信頼性の向上した照明器具を提供することができる。
【0054】
請求項3に記載の発明によれば、照明器具を吊下しているワイヤーなどの線状部材が損傷して断線することがなく、最悪な照明器具の落下の虞がない。また、線状部材用孔にひじ形の山状部を形成したことにより、左右の線状部材の位置が決め易く安定した吊下げが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す、照明器具を斜め下方から見た分解斜視図である。
【図2】器具本体にセードを取付ける過程を示す説明図である。
【図3】照明器具の一方の端部の固定手段を示す斜視図である。
【図4】吊下げ設置した照明器具を斜め下方から見た斜視図である。
【図5】(a)図および(b)図は吊下具の動作を追って示す斜視図である。
【図6】器具本体にセードを取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図7】図6に示す他の照明器具の一端部側の概略を示す外観図である。
【図8】他の照明器具の、一端部側の概略を示す外観図である。
【図9】他の照明器具の、一端部側の概略を示す外観図である。
【図10】本発明の実施の形態を示す、他の照明器具の一部切欠断面正面図である。
【図11】従来の照明器具を示す一部切欠断面正面図である。
【図12】従来の他の照明器具を示す一部切欠断面正面図である。
【符号の説明】
L:照明器具
1:器具本体
12:線状部材用孔
2A、2B:ランプ支持部材
5:蛍光ランプ
6:制光体(セード)
61:透光面
65:側板
66:折曲部
67:切欠部
68:透孔
69:ねじ
74:線状部材(ワイヤー、チェーン)
8:吊下具
81:ワッシャ
83:チップ
Claims (3)
- 正四角ないし長四角形状をなす器具本体と;
この器具本体の内面側の端部近傍に設けられたランプ支持部材と;
このランプ支持部材に支持された片口金形のランプと;
上記器具本体の内面側を覆う容器状をなし、開口部の対向辺を内方側に折り曲げ器具本体の端部外面側に重合係止する折曲部を有するとともに、各折曲部の中間に形成され上記ランプ支持部材と接触するのを避けるための逃部である切欠部が形成された制光体と;
を具備したことを特徴とする照明器具。 - 正四角ないし長四角形状をなす器具本体と;
この器具本体の内面側の端部近傍に設けられたランプ支持部材と;
このランプ支持部材に支持された片口金形のランプと;
上記器具本体の内面側を覆う容器状をなし、開口部の対向辺を内方側に折り曲げ器具本体の端部外面側に重合係止する折曲部を有するとともに、各折曲部の中間に形成され上記ランプ支持部材と接触するのを避けるための逃部である切欠部が形成された制光体と;
この制光体側面の透孔を貫通して制光体をランプ支持部材に固定するねじと;
を具備したことを特徴とする照明器具。 - 器具本体は、偏平なひし形をした複数個の線状部材用孔が形成されているとともにこれら線状部材用孔内を挿通してこの孔に係止されたワッシャおよびこのワッシャの中央孔内を挿通してこの孔に係止されたチップならびにこのチップ部の挿通孔内を挿通して係止されたワイヤーとからなる吊下具を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
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