JP4051775B2 - 火花点火式内燃機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転領域に応じて自己着火燃焼と火花点火燃焼との両方を行わせる火花点火式内燃機関の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
2サイクル型内燃機関の分野においては、低負荷運転領域で自己着火燃焼を行わせる機関について様々な提案がなされており、例えば、特開平9−242570号公報には、低負荷運転領域において排気通路の一部を遮断して燃焼室内の残留既燃ガス量を増大させ自己着火を行わせるとともに、自己着火燃焼に適した圧縮比と通常の火花点火燃焼に適した圧縮比との両立を図るため、運転状態に応じて燃焼室容積を変更するものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人はこのような自己着火を4サイクル型の内燃機関に適用する場合に特に有効な技術を提案している(特願平9−296567号公報等)。
ところで、前述の従来技術及び本出願人が先に提案した技術では、機関の負荷あるいは回転数が予め設定された運転領域内にあるときは自己着火燃焼を行わせるようにしている。暖機完了後の通常運転時であれば安定した自己着火燃焼を行わせることができる運転条件(負荷、回転数)であっても、例えば、機関始動直後など燃焼室壁やシリンダボア壁の温度が低い状態では、圧縮行程の後期になっても燃焼室内のガス温度が十分に高くならず、自己着火を起こすために必要なガス温度に至らない可能性がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、機関の運転条件(負荷、回転数)が自己着火を行わせる所定の運転領域内にあるときであっても、機関の運転状態が安定した自己着火が起こる状態にないときには自己着火燃焼を禁止することにより、常に機関を安定して運転させることができる火花点火式内燃機関を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するために手段】
そこで、請求項1記載の発明は、シリンダ略中央に配設された火花点火プラグと、燃焼室に開口する吸気通路及び排気通路と、機関の回転に同期して前記吸気通路と前記排気通路とをそれぞれ開閉する吸気弁及び排気弁とを備え、所定の運転領域で自己着火燃焼を行わせ、前記所定の運転領域以外の運転領域で火花点火燃焼を行わせる火花点火式内燃機関において、機関の冷却水温が、機関の吸気温度に応じて設定された所定温度よりも低い運転状態であるときに自己着火燃焼を禁止する禁止手段を備えたことを特徴としている。
これにより、機関の運転条件(負荷、回転数)が自己着火を行わせる所定の運転領域内にあるときであっても、機関の運転状態が安定した自己着火が起こる状態にないときには自己着火燃焼を禁止することにより、常に機関を安定して運転させることができる。
また、請求項2記載の発明は、シリンダ略中央に配設された火花点火プラグと、燃焼室に開口する吸気通路及び排気通路と、機関の回転に同期して前記吸気通路と前記排気通路とをそれぞれ開閉する吸気弁及び排気弁と、既燃ガスの一部を燃焼室内に残留させることにより自己着火燃焼を行わせる既燃ガス残留手段とを備え、所定の運転領域で自己着火燃焼を行わせ、前記所定の運転領域以外の運転領域で火花点火燃焼を行わせる火花点火式内燃機関において、機関の冷却水温が、機関の吸気温度に応じて設定された所定温度よりも低い運転状態であるときに自己着火燃焼を禁止する禁止手段を備えたことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、シリンダ略中央に配設された火花点火プラグと、燃焼室に開口する吸気通路及び排気通路と、機関の回転に同期して前記吸気通路と前記排気通路とをそれぞれ開閉する吸気弁及び排気弁と、前記排気通路に排出された排気ガスの一部を前記吸気通路に還流させることにより自己着火燃焼を行わせる排気ガス還流手段とを備え、所定の運転領域で自己着火燃焼を行わせ、前記所定の運転領域以外の運転領域で火花点火燃焼を行わせる火花点火式内燃機関において、機関の冷却水温が、機関の吸気温度に応じて設定された所定温度よりも低い運転状態であるときに自己着火燃焼を禁止する禁止手段を備えたことを特徴としている。
自己着火燃焼と火花点火燃焼とを両立させる場合、各燃焼に適した圧縮比が得られるようにすることが望ましいので、請求項4記載の発明のように、自己着火燃焼を行わせるときに前記吸気弁の開閉時期を変更することにより機関の実圧縮比を高くする可変動弁機構を備えるようにするとよい。
また、自己着火燃焼を行わせる際に火種となる既燃ガスを燃焼室内に残留させる既燃ガス残留手段は、請求項5記載の発明のような、前記排気弁の閉じ時期を早めることにより既燃ガスの一部を燃焼室内に残留させる第2の可変動弁機構で構成することができ、あるいは、請求項6記載の発明のような、前記排気弁と前記吸気弁とのオーバーラップ量を大きくすることにより既燃ガスの一部を燃焼室内に残留させる第3の可変動弁機構で構成することができる。
また、請求項7記載の発明は、シリンダ略中央に配設された火花点火プラグと、燃焼室に開口する吸気通路および排気通路と、機関の回転に同期して前記吸気通路と前記排気通路とをそれぞれ開閉する吸気弁および排気弁と、前記排気通路とは独立に設けられた第2の排気通路と、機関の排気行程と吸気行程とで前記第2の排気通路を開く第2の排気弁と、機関の回転に関わらず前記第2の排気通路を開閉可能な開閉手段とからなり、前記開閉手段を開くことにより排気行程中に前記第2の排気通路に排出された既燃ガスを吸気行程中に燃焼室内に導入して既燃ガスの一部を燃焼室内に残留させることにより自己着火燃焼を行わせる既燃ガス残留手段とを備え、所定の運転領域で自己着火燃焼を行わせ、前記所定の運転領域以外の運転領域で火花点火燃焼を行わせる火花点火式内燃機関において、機関の運転状態が所定の運転状態であるときに自己着火燃焼を禁止する禁止手段を備えたことを特徴としている。
自己着火燃焼の禁止は、請求項8記載の発明のように、機関の冷却水温に基づいて判断することができる。機関の冷却水温は燃焼室壁やシリンダボア壁の温度と対応しているので、正確な判断を行なうことができる。具体的には、請求項9記載の発明のように、機関の冷却水温が所定温度よりも低いときに自己着火燃焼を禁止するようにすれば、燃焼室内のガス温度が十分に高くならない状態での不安定な自己着火燃焼を回避することができる。
また、圧縮行程後期の燃焼室内のガス温度は、吸入空気のもともとの温度によっても変化するので、請求項10記載の発明のように、機関の吸気温度に応じて前記所定温度を設定することで、さらに適切に自己着火燃焼を禁止すべき状態を判断することができる。具体的には、請求項11の発明のように、機関の吸気温度が低いときほど前記所定温度を高く設定するようにすれば良い。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を火花点火式内燃機関である4サイクル型の自動車用ガソリンエンジンに適用した実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1、2に示すように、シリンダブロック10には、複数のシリンダ12が直列に配置されており、その上面を覆うように、シリンダヘッド14が固定されている。シリンダ12内にはピストン16が摺動可能に嵌合しているとともに、シリンダヘッド14の下面をピストン16上面との間に、いわゆるペントルーフ型の燃焼室18が形成されている。この燃焼室18の一方の傾斜面18aには第1吸気通路20及び第2吸気通路22が開口しており、他方の傾斜面18bに第1排気通路24及び第2排気通路26が開口している。
【0006】
また、燃焼室18には、第1、第2吸気通路20,22との間をそれぞれ開閉する第1吸気弁28及び第2吸気弁30と、第1,第2排気通路24,26との間をそれぞれ開閉する第1排気弁32及び第2排気弁34が設けられ、これら吸気弁28,30及び排気弁32,34によって囲まれたシリンダ12の略中心位置に、点火プラグ36が配設されている。吸気通路20,22は、上流側で互いに合流しており、その合流部38に、電磁式の燃料噴射弁40が設けられている。
【0007】
第1,第2排気通路24,26は、それぞれシリンダヘッド14内部に穿設された一対の排気ポートからシリンダヘッド14に取り付けられる第1排気管42及び第2排気管44の内部にわたって互いに独立して延びている。そして、第2排気管44の途中には、第2排気通路26を開閉するバタフライバルブ型の制御弁46が介装されている。この制御弁46は、シャフト48を介して図示せぬ駆動機構によって機関運転条件に応じて開閉制御される。
また、シリンダブロック10には、エンジンの冷却水通路内の冷却水温を検出する水温センサ51が、吸気通路20,22の合流部38にはエンジンの吸気温度を検出する温度センサ52が、それぞれ設けられており、その出力を制御ユニット53へ送っている。
【0008】
図3は、吸気弁28,30及び排気弁32,34のバルブリフト特性を示している。これらの吸気弁28,30及び排気弁32,34は、それぞれ機関のクランクシャフトと同期して回転するカムのプロフィールに応じて開閉作動する。
【0009】
吸気弁28,30を駆動するカムシャフトには、カムひねり機構50が設けられており、カムシャフトと図示しないクランクシャフトとの回転位相を変更することができる。このカムひねり機構50の作動範囲の一例を図4に示す。自己着火を起こすような高圧縮比、例えば14〜18を実現する場合は、吸気バルブタイミング1となり、上死点TDCより前に吸気弁28,30が開弁し、下死点BDC付近で、吸気弁28,30が閉弁する。自己着火が起きず、火花点火においてもノッキングが起きないような低圧縮比、例えば12以下、を実現する場合は、吸気バルブタイミング2となり、上死点TDC付近で吸気弁28,30が開弁し、下死点BDCを大きく過ぎた角度で吸気弁28,30が閉弁するよう構成されている。
【0010】
各吸気弁28,30及び排気弁32,34の開閉動作を図5、図6を参照して説明すると、図3(イ)に示す第1排気弁32は、排気行程(a)付近で開作動し、その他の吸気行程(b)、圧縮行程(c)及び膨張行程(d)の付近では閉状態に制御されている。
【0011】
一方、図3(ロ)に示す第2排気弁34は、排気行程(a)及び吸気行程(b)付近の両方で開作動し、圧縮行程(c)及び膨張行程(d)付近では、閉状態に制御される。つまり、第2排気弁34は、通常の第1排気弁32とともに、排気行程(a)付近で開作動するとともに、吸気弁28,30とともに吸気行程(b)付近で開作動し排気行程(a)から吸気行程(b)にまたがって開状態に保持されることとなる。
【0012】
また、吸気弁28,30は、図3(ハ)に示すように、吸気行程(b)付近で開作動し、その他の排気行程(a)、圧縮行程(c)及び膨張行程(d)の付近では、閉状態に制御される。
つまり、吸気行程(b)では、両吸気弁28,30と、第2排気弁34とが同期して開作動する。
【0013】
例えば図7に斜線の領域で示す部分負荷時には、吸気弁28,30は図4の吸気バルブタイミング1に設定されシリンダ12内は、高圧縮比になる。この時、図5に示すように、制御弁46は開状態に制御され、自己着火燃焼が行われる。詳述すると、排気行程(a)では、両方の排気通路24,26が開作動し、ピストン16の上昇に伴って燃焼室18内の既燃ガスQが両排気通路24,26を通って排出される。続く吸気行程(b)では、上述したように吸気弁28,30及び第2排気弁34がともに開作動する。従って燃焼室18には、ピストン16の下降に伴って新気(混合気)Pが吸気通路20,22側から導入されると同時に、第2排気通路26内に残留する既燃ガスQが導入される。ここで、燃焼室18は、いわゆるクロスフロー形式となっており、吸気通路20,22が開口する側と排気通路24,26が開口する側とが略対称形に形成され、かつ、ピストン16の上面が略平面に形成されているため、吸気通路20,22から導入される混合気Pがそのまま吸気通路20,22側に残留し、第2排気通路26から導入される既燃ガスQがそのまま排気通路24,26側に残留する。従って、燃焼室18内は、混合気Pと既燃ガスQとが成層化した状態となる。なお、この吸気行程(b)では、第1排気弁32(図3)は開状態となっており、第1排気通路24内に残留する既燃ガスQが燃焼室18へ逆流することはない。続く圧縮行程(c)では、燃焼室18内の混合気Pと既燃ガスQとが成層化した状態で圧縮される。このため、燃焼室18内に残留する既燃ガスQの温度が、断熱圧縮の作用によって混合気Pの発火温度を越えるまで上昇し、混合気Pと残留既燃ガスQとの界面において、残留既燃ガスQから混合気Pへの自己着火が行われる。そして膨張行程(d)では、爆発圧力によりピストン16が下死点BDC側へ押し下げられて、再び排気行程(a)へと戻り、上述した動作が繰り返される。
【0014】
一方、機関の運転が部分負荷領域を外れた場合には、吸気弁28,30は図4の吸気バルブタイミング2に示すように設定され、シリンダ12内は、自己着火が起きずノッキングも起きない低圧縮比になる。この際、図6に示すように、制御弁46は全閉状態に制御され、シリンダ12内に均質な混合気Pを形成して点火する均質燃焼が行われる。詳述すると、排気行程(a)では第1排気通路24(図3)を通って燃焼室18内の既燃ガスQが排出され、吸気行程(b)では両吸気弁28,30が開状態となり、両吸気通路20,22から混合気Pが燃焼室18内に導入される。このとき、制御弁46が閉状態となっているから、第2排気通路26から既燃ガスQが導入されることはない。続く圧縮行程(c)で圧縮された混合気Pは点火プラグ36で着火され、膨張行程(d)では爆発圧力によりピストン16が押し下げられる。
【0015】
ここでエンジンの運転条件が部分負荷領域となったときに、自己着火燃焼を行わせるか否かを判断する方法について述べる。
この際、本発明によれば、自己着火運転許可あるいは禁止は、図8のようなロジックで判断される。S1では、エンジンの運転条件が図7の自己着火領域にあるかを判断する。自己着火領域にあるときには、S2でエンジン水温が設定値以上であるかを判断し、設定値以上であれば自己着火運転を指示する。具体的には、前述したようにカムひねり機構50を制御して高圧縮比にするとともに制御弁46を閉弁して燃焼室18内に既燃ガスQを残留させる。一方、S2でエンジン水温が設定値以下のときは、自己着火領域であっても自己着火を禁止し、通常の火花点火運転を行わせる。
【0016】
このように自己着火運転を許可するのは、エンジン水温が高くなってからなので、燃焼室18近くの吸気通路20,22壁面及びシリンダボア壁面の温度が高く、吸入直後のシリンダ12内のガス温度が高くなり、圧縮後のガス温度も高くできる。よって、安定した自己着火が実現できる。また、図9に示すように、吸気温度が低いときには、エンジン設定許可水温をより高くしている。このため、吸気弁28,30を通過してシリンダ12内に流入するガス温度は高くできるので、この場合も、圧縮後の上死点TDC付近のシリンダ12内のガス温度を十分高くでき、自己着火が安定して実現できる。
【0017】
同時に、このように最初に吸入するガス温度が高いので、燃焼ガス温度も十分高くでき、次のサイクルにシリンダ12内に残留している既燃ガス温度も十分高くなり、シリンダ12内のガス温度を十分高くすることができ、安定して自己着火を実現できる。
なお、ここで言う吸気温度は、エンジンが吸入する空気のもともとの温度のことであるから、温度センサ52を吸気通路20,22以外のエンジンルーム内の場所に設けても良い。
【0018】
また、本実施の形態は、排気弁(第1排気弁32、第2排気弁34)を2弁設け、片方の排気弁(第2排気弁34)を吸気行程にも開状態とし、第2排気通路26の制御弁46により燃焼室18内に残留する既燃ガスQを制御するような自己着火機構を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、排気側にも可変動弁機構を設けて排気弁32,34の閉じ時期を早めることにより既燃ガスQの一部を燃焼室18内に残留させるものに適用しても良い。また、吸気弁28,30と排気弁32,34とのオーバーラップ期間を大きくして既燃ガスQを残留させることもできる。さらには、残留既燃ガスQの制御によって自己着火を制御するものに限定されるものでもなく、例えば、排気通路24,26に排出された排気ガスを吸気通路20,22に還流管で還流させるいわゆるEGR装置を用いるものであっても良い。要するに、自己着火燃焼と火花点火燃焼とを両立させようとする機関には全て適用可能である。
【0019】
また、実圧縮比を変更する可変動弁機構として吸気カムシャフトと機関のクランクシャフトとの位相を変更する機構を用いているが、2種類以上のカムを切換えてバルブリフト特性を変更する動弁系やクランクシャフトに対するカムシャフトの角速度を変更して開弁機関を連続的に変更可能な動弁系、電磁力あるいは油圧によって開閉時期を自由に制御することが可能な動弁系等を使用しても良いことはもちろんである。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、機関の運転条件(負荷、回転数)が自己着火を行わせる所定の運転領域にあるときであっても、機関の運転状態が安定した自己着火が起こる状態にないときには自己着火燃焼を禁止することにより、常に機関を安定して運転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態の構成例の一例を示す図である。
【図2】実施の形態の構成例の一例を示す図である。
【図3】実施の形態の吸気弁と排気弁との作動の一例を示す図である。
【図4】実施の形態の自己着火時と火花点火時との吸気可変動弁の作動例を示す図である。
【図5】実施の形態の部分負荷の動作を示す図である。
【図6】実施の形態の高負荷時の動作を示す図である。
【図7】実施の形態の自己着火運転領域を示す図である。
【図8】実施の形態の判断ロジックの一例を示す図である。
【図9】実施の形態のエンジン水温設定の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 シリンダブロック
12 シリンダ
14 シリンダヘッド
16 ピストン
18 燃焼室
18a 傾斜面
18b 傾斜面
20 第1吸気通路
22 第2吸気通路
24 第1排気通路
26 第2排気通路
28 第1吸気弁
30 第2吸気弁
32 第1排気弁
34 第2排気弁
36 点火プラグ
38 合流部
40 燃料噴射弁
42 第1排気管
44 第2排気管
46 制御弁
48 シャフト
50 カムひねり機構
51 水温センサ
52 温度センサ
53 制御ユニット
Claims (11)
- シリンダ略中央に配設された火花点火プラグと、
燃焼室に開口する吸気通路および排気通路と、
機関の回転に同期して前記吸気通路と前記排気通路とをそれぞれ開閉する吸気弁および排気弁と
を備え、
所定の運転領域で自己着火燃焼を行わせ、前記所定の運転領域以外の運転領域で火花点火燃焼を行わせる火花点火式内燃機関において、
機関の冷却水温が、機関の吸気温度に応じて設定された所定温度よりも低い運転状態であるときに自己着火燃焼を禁止する禁止手段を備えた
ことを特徴とする火花点火式内燃機関。 - シリンダ略中央に配設された火花点火プラグと、
燃焼室に開口する吸気通路および排気通路と、
機関の回転に同期して前記吸気通路と前記排気通路とをそれぞれ開閉する吸気弁および排気弁と、
既燃ガスの一部を燃焼室内に残留させることにより自己着火燃焼を行わせる既燃ガス残留手段と
を備え、
所定の運転領域で自己着火燃焼を行わせ、前記所定の運転領域以外の運転領域で火花点火燃焼を行わせる火花点火式内燃機関において、
機関の冷却水温が、機関の吸気温度に応じて設定された所定温度よりも低い運転状態であるときに自己着火燃焼を禁止する禁止手段を備えた
ことを特徴とする火花点火式内燃機関。 - シリンダ略中央に配設された火花点火プラグと、
燃焼室に開口する吸気通路および排気通路と、
機関の回転に同期して前記吸気通路と前記排気通路とをそれぞれ開閉する吸気弁および排気弁と、
前記排気通路に排出された排気ガスの一部を前記吸気通路に還流させることにより自己着火燃焼を行わせる排気ガス還流手段と
を備え、
所定の運転領域で自己着火燃焼を行わせ、前記所定の運転領域以外の運転領域で火花点火燃焼を行わせる火花点火式内燃機関において、
機関の冷却水温が、機関の吸気温度に応じて設定された所定温度よりも低い運転状態であるときに自己着火燃焼を禁止する禁止手段を備えた
ことを特徴とする火花点火式内燃機関。 - 自己着火燃焼を行わせるときに前記吸気弁の開閉時期を変更することにより機関の実圧縮比を高くする可変動弁機構を備えた
ことを特徴とする請求項1ないし3記載の火花点火式内燃機関。 - 前記既燃ガス残留手段は、前記排気弁の閉じ時期を早めることにより既燃ガスの一部を燃焼室内に残留させる第2の可変動弁機構である
ことを特徴とする請求項2記載の火花点火式内燃機関。 - 前記既燃ガス残留手段は、前記排気弁と前記吸気弁とのオーバーラップ量を大きくすることにより既燃ガスの一部を燃焼室内に残留させる第3の可変動弁機構である
ことを特徴とする請求項2記載の火花点火式内燃機関。 - シリンダ略中央に配設された火花点火プラグと、
燃焼室に開口する吸気通路および排気通路と、
機関の回転に同期して前記吸気通路と前記排気通路とをそれぞれ開閉する吸気弁および排気弁と、
前記排気通路とは独立に設けられた第2の排気通路と、機関の排気行程と吸気行程とで前記第2の排気通路を開く第2の排気弁と、機関の回転に関わらず前記第2の排気通路を開閉可能な開閉手段とからなり、前記開閉手段を開くことにより排気行程中に前記第2の排気通路に排出された既燃ガスを吸気行程中に燃焼室内に導入して既燃ガスの一部を燃焼室内に残留させることにより自己着火燃焼を行わせる既燃ガス残留手段と
を備え、
所定の運転領域で自己着火燃焼を行わせ、前記所定の運転領域以外の運転領域で火花点火燃焼を行わせる火花点火式内燃機関において、
機関の運転状態が所定の運転状態であるときに自己着火燃焼を禁止する禁止手段を備えた
ことを特徴とする火花点火式内燃機関。 - 前記禁止手段は、機関の冷却水温に基づいて自己着火燃焼の禁止を判断する
ことを特徴とする請求項7記載の火花点火式内燃機関。 - 前記禁止手段は、機関の冷却水温が所定温度よりも低いときに自己着火燃焼を禁止する
ことを特徴とする請求項8記載の火花点火式内燃機関。 - 前記禁止手段は、機関の吸気温度に応じて前記所定温度を設定する
ことを特徴とする請求項9記載の火花点火式内燃機関。 - 前記禁止手段は、機関の吸気温度が低いときほど前記所定温度を高く設定する
ことを特徴とする請求項1ないし10記載の火花点火式内燃機関。
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