JP4051733B2 - 1,3−ジメチルイミダゾリジノンの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1,3−ジメチルイミダゾリジノン(以下DMIと記す)の製造法に関する。DMIは溶媒として使用される有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
DMIの製造法としては種々の方法が知られている。例えば、エチレン尿素をメチル化してDMIを製造する方法としては、エチレン尿素をホルマリンでメチロール化し、これを蟻酸で還元する方法が知られている(特開平2- 115171号公報参照)。しかしながらこの方法では、蟻酸という極めて腐食性の高い酸を使用するため装置が腐食するという問題があった。
【0003】
また蟻酸を使用しない方法としては、パラジウム、ニッケル等の水素化触媒に固体酸触媒を組み合わせる方法が知られている(特開昭60- 243071号公報参照)。しかしながらこの方法では、ニッケルを使用した場合には活性が弱いため条件が過酷になり、またパラジウムを使用した場合には触媒自体が極めて高価であるため、工業的な製造法としては問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、エチレン尿素をメチル化してDMIを製造する従来の方法は、装置腐食の問題や触媒コストの問題等から工業的に満足できるものではなかった。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高価な触媒を用いず、装置腐食問題のないDMIの製造法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、DMIの製造法について鋭意検討した結果、エチレン尿素に炭酸ジメチルを反応させることにより容易にDMIを製造できるという新規な事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明は、エチレン尿素をメチル化してDMIを製造する方法において、メチル化剤として炭酸ジメチルを使用することを特徴とするDMIの製造法である。
【0008】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】
本発明の方法において使用される原料は、エチレン尿素及び炭酸ジメチルである。エチレン尿素と炭酸ジメチルの比に特に制限はないが、エチレン尿素の転化率を向上させるためには、炭酸ジメチルをエチレン尿素に対して当量以上加えることが好ましい。炭酸ジメチルがエチレン尿素の当量以下であると、原料のエチレン尿素及び中間体の一つメチル化されたエチレン尿素が残存する。ただしこれらの原料、中間体は再びDMIの原料として使用することができる。
【0010】
本発明の方法においては、触媒を添加することができる。触媒はメチル化反応を加速し、DMI収率を向上させる。本発明の方法において使用される触媒は、ハロゲン化リチウム、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等のアルカリ金属塩類、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンヘキサミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等の脂肪族アミン類、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン等の脂環式アミン類、ベンジルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、トルイジン等の芳香族アミン類、又は塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラ−n−プロピルアンモニウム、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩類である。これらの中でも特にアルカリ金属塩類が高活性であり好ましい。触媒の使用量は、触媒の種類又は反応条件によって大きく異なるため限定することは困難である。触媒は反応系に溶解させて均一系で反応しても良いし、担体等に担持して不均一系で反応しても良い。
【0011】
本発明の方法において、反応は液相で実施することが好ましい。気相、又は固相反応も可能であるが、気相の場合は、エチレン尿素の蒸気圧が低いため、高温又は高希釈条件を必要とし、固相反応の場合、液相反応より反応が遅くなる。
【0012】
本発明の方法において、反応温度は液相反応の場合、通常90℃〜300℃、好ましくは100℃〜250℃の範囲である。90℃未満だと反応速度は実用的でないほど遅くなり、300℃を越えると、原料、生成物の分解が生じる場合がある。
【0013】
本発明の方法において、反応圧力は特に制限されない。大気圧又はそれ以下で実施しても良いし加圧しても良い。大気圧下で実施する場合は、副生する炭酸ガスを除去するのに適当であり、加圧の場合は、未反応炭酸ジメチルの損失を抑制するのに効果がある。加圧の場合には、副生する炭酸ガスを抜き出しながら反応しても良いし、反応が終わってから抜いても良い。加圧にするか大気圧にするかは必要性に応じて、選択すれば良い。
【0014】
本発明の方法においては、溶媒を使用することができる。原料のエチレン尿素は室温では固体であるため、取り扱いを容易にするため又は反応を促進するため溶媒を使用しても良い。エチレン尿素の融点以上で反応させる場合は、必ずしも溶媒を必要としないが、溶媒を使用しても一向に差し支えない。溶媒としては、本発明の方法の生成物であるDMIやN,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド、アルコール、アミン、スルホキシド等原料を溶解できるものなら特に制限はない。
【0015】
本発明の方法においては、反応は連続式、回分式、半回分式で実施できる。反応中、生成したDMIを留出させながら反応させても良いし、反応後に取り出しても良い。
【0016】
本発明の方法においては、生成物の精製方法に特に制限はないが、一般には蒸留による精製が効率的である。蒸留により、生成物と、未反応の原料及び中間体である一つメチル化されたエチレン尿素とを分離することができ、未反応の原料及び中間体は再び反応系に戻すことができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、装置に対して腐食性が無く、また高価な触媒を使用しない1,3−ジメチルイミダゾリジノンの製造法を提供するものであり、工業的にも極めて有意義である。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
実施例1
300mlのステンレス製オートクレーブにエチレン尿素48.5g、炭酸ジメチル111.1gを入れ、窒素置換した後、180℃に昇温した。反応に伴い炭酸ガスが発生し、圧力が上昇したが、2MPaを越えると、1.5MPaまで脱圧した。6時間180℃に維持した後、オートクレーブを冷却し、生成物をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、エチレン尿素転化率は86.3%、DMI収率は1.6%であった。残りの生成物はN−メチルエチレン尿素であった。
【0020】
実施例2
300mlのステンレス製オートクレーブに、エチレン尿素48.7g、炭酸ジメチル111.5g及び触媒として臭化リチウムを5.8g入れ、窒素置換した後180℃に昇温した。反応に伴い炭酸ガスが発生し圧力が上昇したが、3.5MPaを越えると3MPaまで脱圧した。7.5時間180℃に維持した後オートクレーブを冷却し生成物をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、エチレン尿素転化率は89.8%、DMI収率は23.9%であった。残りの生成物はN−メチルエチレン尿素であった。
【0021】
実施例3〜実施例7
触媒として表1に記載の触媒を5.8g加えた他は実施例2と同じ方法で反応させた。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
転化率はエチレン尿素の転化率である。なお、残りの生成物はN−メチルエチレン尿素であった。
【0024】
実施例8〜実施例11
表2記載の温度、表2記載の触媒量で反応させた他は実施例2と同じ方法で反応させた。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
転化率はエチレン尿素の転化率である。
【0027】
実施例12
300mlのステンレス製オートクレーブにエチレン尿素45.1g、炭酸ジメチル188.7g、及び触媒として臭化リチウムを11.3g入れ、窒素置換した後、180℃に昇温した。反応に伴い炭酸ガスが発生し、圧力が上昇したが、3MPaを越えると、2.5MPaまで脱圧した。7.5時間180℃に維持した後、オートクレーブを冷却し、生成物をガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、エチレン尿素転化率は100.0%、DMI収率は48.1%であった。残りの生成物はN−メチルエチレン尿素であった。
【0028】
比較例1
300mlのステンレス製オートクレーブにエチレン尿素43.3g、ラネーニッケル1.3g、硫酸をアルミナに担持した触媒2.7g、水59.8gを入れ水素置換した後180℃に昇温した。圧力4MPaで水素を供給したが、全く水素の吸収はみられなかった。6時間後冷却し、反応液をガスクロマトグラフィーで分析したがDMIは全く生成していなかった。
Claims (4)
- エチレン尿素をメチル化して1,3−ジメチルイミダゾリジノンを製造する方法において、メチル化剤として炭酸ジメチルを使用することを特徴とする1,3−ジメチルイミダゾリジノンの製造法。
- 触媒として、アルカリ金属塩類、アミン類又は四級アンモニウム塩類を使用することを特徴とする請求項1に記載の製造法。
- 反応を液相で実施することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造法。
- 反応温度が90℃〜300℃の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の製造法。
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JP25318797A JP4051733B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 1,3−ジメチルイミダゾリジノンの製造法 |
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JP25318797A JP4051733B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 1,3−ジメチルイミダゾリジノンの製造法 |
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JP25318797A Expired - Fee Related JP4051733B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 1,3−ジメチルイミダゾリジノンの製造法 |
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JP2006312605A (ja) * | 2005-05-09 | 2006-11-16 | Neos Co Ltd | 高純度1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法 |
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1997
- 1997-09-18 JP JP25318797A patent/JP4051733B2/ja not_active Expired - Fee Related
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