JP4051662B2 - トンネル内用換気ファン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等が走行するトンネル内に吊設される換気ファンに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、自動車等が走行するトンネル内には、トンネル内の空気を換気する目的で円筒形状のジェットファンやブースターファンなどの換気ファンが吊設されている。
【0003】
通常、換気ファンの一般的な吊り下げ方法としては、図5に示すように、トンネル壁面60に取付金具61をコンクリートアンカなどにより固定し、換気ファン50のケーシング51と一体に形成されたフランジ部52にアイボルトやUボルトの連結金具53を取り付け、前記取付金具61との取り合い部となるフランジ部52の連結金具53と取付金具61とをターンバックル54で結んで換気ファン50をトンネル壁面60との距離を調節可能に吊設するものが良く知られている。
【0004】
また、トンネル内での換気ファン50の取付け位置や、換気ファン50の数も、換気ファン50を設置するトンネル断面形状や交通量外の環境によって一様ではないことから、換気ファン50は、上記一般的な吊り下げ方法の外に、様々な構成の特殊な吊り下げ方法により吊設されている。
【0005】
図6は、特殊な吊設方法の一例を示すものであり、トンネルの中央部寄り壁面60に設けた第一の取付金具61aに偏心取付部材55が揺動可能に垂設されており、換気ファン50は、前記偏心取付部材55に換気ファン50の胴部ケーシングと一体に形成されたフランジ部52が固定されており、トンネルの肩部寄りに設けた第二の取付金具61bと前記偏心取付部材55の下方を結ぶ第一のターンバックル56によってトンネル中央部寄りに突っ張られ、中央車線をまたいた状態に吊設されている。
【0006】
この換気ファン50は、内部点検や整備作業を行うときは、図6(b)示すように、前記第二の取付金具61bよりも更に下方に設けた第三の取付金具61cと前記偏心取付部材55の更に下方を第二のターンバックル57で結ぶと共に、第一のターンバックル56を取り外し、図6(c)示すように、第二のターンバックル57を縮めて換気ファン50を片側車線内のトンネル天壁に引き上げることを可能としたものである。この特殊な吊設方法としたことにより、前面的な交通規制をすることなく片側車線を使って作業ができるようになっている。
【0007】
これら、従来の何れの換気ファンも、取付金具との取り合い部となるケーシングのフランジ部52を吊り下げ方法に適合した形状に形成してあり、換気ファンのケーシング自体を加工して多様な取付け方法に対応している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トンネル内用の換気ファン50は、トンネル施工の進捗に伴い、一般的な吊り下げ方法で吊設しておいた既設の換気ファンを転用して特殊な吊り下げ方法で吊設したり、逆に特殊な吊り下げ方法で吊設しておいた既設の換気ファンを転用して一般的な吊り下げ方法で吊設しなければならないことがある。このような場合、吊り下げ方法の異なる換気ファンを吊り下げ方法を変えて転用しようとすると、吊設用の金具との換気ファンの取り合い部を切断.溶接などの手段で大幅に改造しなければならず、吊設方法を変えて既設の換気ファンを転設するには、その改造の為に時間がかかり、費用が嵩むという欠点があった。
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、吊設方法の異なる換気ファン間の相互転用を簡単にできるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電動ケーシングの両端にサイレンサーを備えてなるとともに吊下げ用アタッチメントを備えたトンネル内用換気ファンであって、前記電動ケーシングとサイレンサーとは分離可能であって、それらの分割面には互いを固定させるための固定用ボルトを挿通させるボルト孔が穿設されたフランジ部が突設されており、且つ前記アタッチメントは、トンネル壁面への取付金具を連結するための突出部が形成された中空の鍔状で前記電動ケーシングとサイレンサーのフランジ部に穿設された固定孔と連通可能な位置に前記固定用ボルトが挿通する固定孔が穿孔され、前記電動ケーシングとサイレンサーとの分割面に前記鍔状のアタッチメントをそれぞれの固定孔が連通するように位置させてそれらの固定孔に固定用ボルトを挿通して締め付けることで固定させ、前記電動ケーシングとサイレンサーとを前記分割面で前記アタッチメントを交換可能に固定した構成とし、既設の換気ファンを吊設方法を変えて転用するときは、電動ケーシングとサイレンサーとの分割面から既設の吊下げ用アタッチメントを取り外し、吊設方法の異なる吊下げ用アタッチメントと交換して既設の換気ファンの吊設方法を簡単に変えられるようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1乃至図2は、本発明のトンネル内用換気ファンのターンバックルによる一般的な吊り下げ方法による形態を示しており、電動装置を内装した円筒状の電動ケーシング1と、前記電動ケーシング1の両端に備えられる円筒状のサイレンサー2、2と、前記電動ケーシング1と前記サイレンサー2、2との分割面に固定される鍔状の吊下げ用アタッチメント10、10とを備えて構成されている。
【0013】
電動ケーシング1とサイレンサー2、2とは分離可能とされており、その分割面には、それぞれフランジ部1a、2aが形成されており、該フランジ部1a、2aには、電動ケーシング1とサイレンサー2、2とを固定する為の固定用ボルト20が挿通する複数の固定孔が穿設されている。
【0014】
図示する吊下げ用アタッチメント10、10は、ターンバックル21による一般的な吊り下げ方法として換気ファンを吊設する為のものであり、鍔状のアタッチメント10の両側には突出部10a、10aが形成され、該突出部10a、10aの一側面にはUボルトからなる連結金具11が取り付けられた支持部12が直交方向に突設されている。また、アタッチメント10には、電動ケーシング1とサイレンサー2のフランジ部1a、2aに穿設された固定孔と連通可能な位置に固定用ボルト20が挿通する固定孔13が穿孔されている。
【0015】
この換気ファンを吊設可能に組み立てるは、電動ケーシング1と前記サイレンサー2、2との分割面に吊下げ用アタッチメント10、10をそれぞれの固定孔が連通するように位置させ、固定孔13に固定用ボルト20を挿通し、ナット22で締め付けて固定させる。
【0016】
組み立てられた換気ファンをトンネル内に吊設するには、従来例の一般的な吊り下げ方法として述べたのと同様に、トンネル壁面5に二対の取付金具23をコンクリートアンカなどにより固定し、この取付金具23と吊り下げ用アタッチメント10の連結金具11をターンバックル21で結び、換気ファンをトンネル壁面5との距離を調節可能に吊設する。
【0017】
上記既設の換気ファンを、従来例で述べた特殊な吊設方法に変えて転用する場合には、トンネル壁面5から換気ファンを取り降ろし、この換気ファンから図1乃至図2で示した一般的な吊り下げ方法のアタッチメント10を取り外し、図3乃至図4に示す特殊な吊り下げ方法のアタッチメント15と交換する。
【0018】
この鍔状を呈する特殊な吊り下げ方法のアタッチメント15は、既述した一般的な吊り下げ方法のアタッチメント10と同様に、電動ケーシング1とサイレンサー2のフランジ部1a、2aに穿設された固定孔と連通する位置に固定用ボルト20が挿通する為の固定孔13が穿孔されている。また、このアタッチメント15の一側端には、直交方向の固定板部16が形成されており、該固定板部16には偏心取付部材26に固定させる為のボルト25が挿通する固定孔16が穿孔されている。
【0019】
このアタッチメント15の換気ファンの分割面での固定方法は、既述した一般的な吊り下げ方法のアタッチメント10の固定方法と同様であるのでその説明は省略する。
【0020】
アタッチメントの交換が済んだ換気ファンの固定板部16には、断面L字形の偏心取付部材26がボルト25によって取付けられて、特殊な吊り下げ方法への転用の準備が完了する。
【0021】
この転用が準備された換気ファンの取付けは、従来例における特殊な吊り下げ方法の換気ファンと同様に、トンネルの中央部寄りの壁面5に設けた第一の取付金具23aに偏心取付部材55を揺動可能に軸着し、偏心取付部材55と固定板部16をボルト25で固定すると共に、トンネルの肩部寄りに設けた第二の取付金具23bと偏心取付部材55の下方をターンバックル27で結び、換気ファンをターンバックル27で突っ張った状態に吊設する。この特殊な吊り下げ方法による換気ファンの作動については従来例と同様であるのでその説明は省略する。
【0022】
尚、交換可能に用意される吊り下げ用のアタッチメント10、15は、図示した形状の物に限るものではなく、交換可能に作業現場に適した多様な吊り下げ方法に対応させた形状とすればよい。
【0023】
以上のように、既設の換気ファンを吊り下げ方法を変えて転用する場合には、吊り下げ方法に適合したアタッチメントを電動ケーシング1とサイレンサー2、2との分割面で交換すればよく、従来のように、換気ファンにおける電動ケースの取付金具との取り合い部を切断.溶接などの手段で大幅に改造する必要がなくなり、手間や時間が短縮されて経費も節減される。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0025】
換気ファンの吊設方法を変えることのできる複数種類の鍔状の吊下げ用アタッチメントを用意して、このアタッチメントを電動ケーシングとサイレンサーとの分割面で交換可能に固定できるようにしたので、電動ケースの取付金具との取り合い部を手間と時間かけて改造する必要がなくなり、既設の換気ファンの吊下げ用アタッチメントを交換するだけで簡単に吊り下げ方法を変えて転用することができる。
【0026】
従って、転用時の作業者の負担も軽減され、短時間で換気ファンの転用が達成され、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトンネル内用換気ファンの実施の形態を一部分解して側面方向から示す説明図。
【図2】図1のトンネル内用換気ファンて使用されている吊設用のアタッチメントを示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図。
【図3】図1のトンネル内用換気ファンて使用される別の吊設用のアタッチメントを示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図。
【図4】図3の吊設用のアタッチメントを使用したトンネル内用換気ファンの正面図。
【図5】従来の一般的な取付け方法による例を示す正面図。
【図6】従来の特殊な取付け方法による例の作動過程を示す正面図。
【符号の説明】
1 電動ケーシング,2 サイレンサー,10 アタッチメント,15 アタッチメント,20 固定用ボルト,
Claims (1)
- 電動ケーシングの両端にサイレンサーを備えてなるとともに吊下げ用アタッチメントを備えたトンネル内用換気ファンであって、前記電動ケーシングとサイレンサーとは分離可能であって、それらの分割面には互いを固定させるための固定用ボルトを挿通させるボルト孔が穿設されたフランジ部が突設されており、且つ前記アタッチメントは、トンネル壁面への取付金具を連結するための突出部が形成された中空の鍔状で前記電動ケーシングとサイレンサーのフランジ部に穿設された固定孔と連通可能な位置に前記固定用ボルトが挿通する固定孔が穿孔され、前記電動ケーシングとサイレンサーとの分割面に前記鍔状のアタッチメントをそれぞれの固定孔が連通するように位置させてそれらの固定孔に固定用ボルトを挿通して締め付けることで固定させ、前記電動ケーシングとサイレンサーとを前記分割面で前記アタッチメントを交換可能に固定したことを特徴とするトンネル内用換気ファン。
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